JP4006221B2 - 止着テープの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、例えば使い捨てオムツを装着状態で固定するのに使用する止着テープの製造方法に関するものである。
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
【0003】
図6には、従来の一般的な使い捨てオムツを示している。この使い捨てオムツ100は、外面シート(図6の裏側)と内面シート101間に液体吸収材102を封入し、一方(図6の上側)の腰巻き部103の左右両側縁部104,104にそれぞれ止着テープ1,1を取付けるとともに、他方(図6の下側)の腰巻き部105の外面に帯状で雌形のメカニカルテープ(面接着テープ)106を貼着している。
【0004】
止着テープ1は、基材シート13の中央部に外方に膨出するタブ17を形成している。タブ17には、雄形のメカニカルテープ(面接着テープ)15を接着させている。この止着テープ1は、基材シート13の取付基部をオムツの左右各側縁部104,104にそれぞれ接着(接着部19)している。
【0005】
そして、このオムツ100は、人体の腰まわりに巻付け、左右の各止着テープ1,1のメカニカルテープ15,15部分をそれぞれ帯状メカニカルテープ106に接着させることにより装着できる。
【0006】
止着テープ1の基材シート13は、伸縮しないシート材を使用したものもあるが、基材シート13として弾性シートを使用すれば、該基材シート13が図6において幅Wの範囲で伸縮できるようになる。そして、該基材シート13が伸縮できると、メカニカルテープ15の接着時に接着位置を微調整できるとともに、装着状態において基材シート13の収縮力により腰回りを引き締めることができる(装着状態を良好にし得る)という機能が生じる。
【0007】
ところで、この種の止着テープは、図7〜図9に示す第1従来例や、図10〜図12に示す第2従来例や、図13〜図15に示す第3従来例等で製作することができる。尚、以下の各従来例で採用している各寸法は、説明を解り易くするためのもので、あくまでも一例である。
図7〜図9の第1従来例
第1従来例では、図7に示すように広幅A(A=128mm)で1枚物の弾性帯3Aの中央部にメカニカルテープ帯5を接着(符号12部分)して重合テープ2を形成し、該重合テープ2を規則的な1本の蛇行線6で左右に2分割した後、その各半割重合テープ20,20における各凹状部(各折返部61)の中央部から半割重合テープ20の側辺21に対して垂直に延びる切断線7,7・・で切断して、図8に示すような同形の止着テープ1を順次製造するようにしている。尚、メカニカルテープ帯5と弾性帯3Aとは、ヒートシール又はホットメルトによって接着(符号12部分)されている。
【0008】
弾性帯3Aには、薄手(例えば厚さが50〜100μ程度)の伸縮材料が使用されている。尚、この弾性帯3Aとしては、一般に伸縮性フイルムや伸縮性フイルムに不織布をラミネートしたものが採用されているが、この種の弾性材は材料コストが比較的高価である。メカニカルテープ帯5は雄形のものを使用しており、又図7の例ではメカニカルテープ帯5は幅が24mmのものを使用している。
【0009】
この第1従来例における蛇行線6(図7)は、振幅B1をかなり大きく取っており(B1=68mm)、左右の各折返部61,61がメカニカルテープ帯5の各側辺51,51からそれぞれかなりの幅C1(C1=22mm)だけ突出している。又、この場合、蛇行線6の各折返部61,61から各半割重合テープ20,20の側辺21までの幅D1が30mm程度と比較的狭幅になる。
【0010】
尚、この止着テープ1(図8、図9)においては、弾性シート13の基部13aにおけるタブ17側の長さ方向(図8の上下方向)両端部がそれぞれ角部13c,13cとなって尖っている。
【0011】
そして、この止着テープ1は、図8及び図9に示すように弾性シート13の基部(止着テープの取付基部となる)13aをオムツの腰巻き部103の側縁部104に幅X(X=15mm程度)の範囲で接着(接着部19)して取付ける。従って、この第1従来例の止着テープ1では、接着部19の端部からメカニカルテープ15の端部51(正確にはメカニカルテープ15の接着部12の端部)までの符号W1(W1=36mm程度)の範囲で伸縮できる。
【0012】
ところで、この第1従来例の止着テープ1では、弾性シート基部(取付基部)13aの幅D1が比較的狭幅(30mm)であり、且つタブ17がかなりの出幅B1(68mm)を有しているので、該基部13aの各角部13c,13cがオムツ側縁部104の外端104aよりオムツ側に収まる状態で取付けても、タブ17におけるオムツ側縁部外端104aからの突出長さ(約64mm)を十分に確保できる。尚、このように弾性シート基部13aの各角部13c,13cをオムツの腰巻き部側縁部104の外端104aよりオムツ側に収まる状態で取付けると、オムツの装着時に止着テープ1の角部13c,13cが介助者や装着者の肌を突かなくなる。
【0013】
ところが、この第1従来例では、止着テープ1の基材として、全幅(図7の幅A)に亘って材料コストの高い弾性シート13が使用されているので、コスト高になるという問題があった。又、この止着テープ1では、タブ17におけるメカニカルテープ15より外方部分が極薄の弾性シート材からなる1枚のみであるので、「腰」が弱く且つペラペラしていて摘まみにくいという問題があるほか、該極薄部分がかなりの幅E1(E1=21mm程度)を有しているので、止着テープ1の製造中、止着テープ1のオムツ取付け中、あるいはオムツ装着時等に該先端部(幅E1の範囲)が捲れたり折れ曲がったりして取り扱いが面倒になることがあった。
図10〜図12の第2従来例
この第2従来例では、図10に示すように左右2本の弾性帯3,3を所定間隔M(M=23〜24mm)を隔てて平行に配置し、両弾性帯3,3間の間隔Mより広幅のシート帯4を両弾性帯3,3に跨がらせた状態でシート帯4の左右各側縁部と各弾性帯3,3の各内側側縁部とを接着させ、シート帯4の幅方向中央部にメカニカルテープ帯5を接着して、重合テープ2を形成した後、重合テープ2を規則的な1本の蛇行線6で左右に2分割し、且つその各半割重合テープ20,20における各凹状部(各折返部61)の中央部からそれぞれ半割重合テープ20の側辺21に対して垂直に延びる切断線7,7・・で切断して、図11に示すような止着テープ1,1・・を順次製造するようにしている。
【0014】
各弾性帯3,3には第1従来例と同様にコストの高い材料が使用され、シート帯4には伸縮しないフイルムや不織布等のコストの安い材料が使用されている。又、メカニカルテープ帯5は第1従来例のものと同じである。尚、シート帯4の各側縁部41,42と各弾性帯3,3とは、それぞれヒートシール又はホットメルトによって接着(符号10部分)されており、メカニカルテープ帯5とシート帯4も、ヒートシール又はホットメルトによって接着(符号11部分)されている。
【0015】
この第2従来例における蛇行線6(図10)は、振幅B2をかなり小さく取っており(B2=52mm)、従って蛇行線6の各折返部61,61から各半割重合テープ20,20の側辺21までの幅D2が38mm程度の比較的広幅になる。尚、蛇行線6の各側の折返部61,61は、シート帯4の左右側縁部41,42を僅かに(1〜2mm程度)超えた位置を通るようにしている。
【0016】
尚、この止着テープ1においても、弾性シート13(図11)の基部13aにおけるタブ17側の長さ方向(図11の上下方向)両端部がそれぞれ角部13c,13cとなって尖っている。
【0017】
そして、この第2従来例の止着テープ1は、図11及び図12に示すように弾性シート13の基部(止着テープの取付基部となる)13aをオムツの腰巻き部103の側縁部104に幅X(第1従来例と同じ)の範囲で接着(接着部19)して取付ける。尚、この第2従来例の止着テープ1では、弾性シート基部13aの接着部19からシート片14の接着部10までの幅W2(W2=23mm程度)の範囲で伸縮できる。
【0018】
この第2従来例の止着テープの製造方法では、図10に示すように弾性帯3,3を2本使用し、その間に間隔M(M=23〜24mm程度)を隔てて配置しているので、高価な材料である弾性帯を該間隔Mの幅だけ節約できるという利点がある。尚、各弾性帯3,3間に跨がるシート帯4は安価な材料であり、このようにすると全体の材料コストを安価にできる。又、止着テープ1のタブ17の先端側は、シート片14の下面に弾性シート13の一部となる残部シート片16が接着(接着部10)されているので、シートが2枚重ねであり且つ接着部10により接着されて「腰」がある状態となる。従って、オムツ装着時に該止着テープ1のタブ部分(タブ17の先端部)が摘まみ易くなるという利点がある。
【0019】
ところで、この第2従来例の止着テープ1では、弾性シート基部(取付基部)13aの幅D2が比較的広幅(38mm)であり、その分、タブ17の出幅B2(弾性シート基部13aの角部13cがある位置からタブ先端までの長さ)が短くなる。尚、出幅B2=52mmである。従って、この止着テープ1をオムツの腰巻き部側縁部104に取付ける際に、オムツ側縁部104の外端104aからのタブ17の突出長さを十分に確保(タブ17の出幅B2より長く)しようとすると、図11に示すように弾性シート基部13aの各角部13c,13cがオムツ側縁部104の外端104aから外側に突出してしまう。このように、弾性シート基部13aの各角部13c,13cがオムツ側縁部104の外端104aより外側に突出した状態で取付けると、オムツの装着時に止着テープ1の角部13c,13cが介助者や装着者の肌を突くことがあり、その場合には不快感を感じるという欠点がある。尚、この第2従来例の止着テープ1において、角部13c,13cをオムツ側縁部104の外端104aから外側にはみ出さないように取付けると、タブ17の突出長さが短くなって使い勝手が悪くなる。
図13〜図15の第3従来例
この第3従来例では、図13に示すように、上記第2従来例と同様に左右2本の弾性帯3,3を所定間隔M(M=23〜24mm程度)を隔てて平行に配置し、両弾性帯3,3間の間隔Mよりやや広幅のシート帯4を両弾性帯3,3に跨がらせた状態でシート帯4の左右各側縁部と各弾性帯3,3の各内側側縁部とを接着させ、シート帯4の幅方向中央部にメカニカルテープ帯5を接着して、重合テープ2を形成した後、重合テープ2を規則的な1本の蛇行線6で左右に2分割し、且つその各半割重合テープ20,20における各凹状部(各折返部61)の中央部からそれぞれ半割重合テープ20の側辺21に対して垂直に延びる切断線7,7・・で切断して、図14に示すような止着テープ1,1・・を順次製造するようにしている。
【0020】
この第3従来例における蛇行線6(図13)は、図7の第1従来例と同様に振幅B1をかなり大きく取っており(振幅B1=68mm)、従って蛇行線6の各折返部61,61から各半割重合テープ20,20の側辺21までの幅D1が30mm程度と比較的狭幅になる。又、蛇行線6の振幅B1を大きく取ると、該蛇行線6の折返部61がシート帯4の左右側縁部からかなりの幅E2(E2=11mm程度)だけ離間した位置を通るようになる。
【0021】
そして、この第3従来例の止着テープ1も、図14及び図15に示すように弾性シート13の基部13aをオムツの腰巻き部103の側縁部104に幅X(第1従来例と同じ)の範囲で接着(接着部19)して取付ける。
【0022】
この第3従来例の止着テープ製造方法では、第2従来例と同様に間隔Mの範囲で高価な弾性帯を節約できるという利点がある。又、この止着テープ1では、第1従来例と同様にオムツ側縁部104の外端104aからのタブ突出長さを十分に確保しつつ弾性シート基部13aの各角部13c,13cがオムツ側縁部104の外端104aから外側に突出しないように取付けることができるという利点を有している。
【0023】
ところで、この第3従来例で製造された止着テープ1は、蛇行線6の振幅B1を大きく取ることで、タブ17の先端部(シート片14の外側側縁部より外方)に、極薄の弾性シート材からなる1枚の残部シート片16のみの部分がかなりの幅E2(11mm程度)だけ形成されるようになる。ところが、このように、タブ17の先端部にかなりの幅E2に亘って1枚の残部シート片16のみの部分(「腰」が弱く且つペラペラしている)があると、第1従来例と同様に、該タブ部分が摘まみにくいという問題があるほか、止着テープ1の製造中、止着テープ1のオムツ取付け中、あるいはオムツ装着時等に該先端部(幅E2の範囲)が捲れたり折れ曲がったりして取り扱いが面倒になることがあった。
【0024】
尚、図9、図12、図15の各断面図において、各シートは作図上厚く表示しているが、実際にはそれぞれ極薄である。
【0025】
本願発明は、上記した第1〜第3の各従来例の問題点に鑑み、該各従来例の利点を確保しつつ欠点を解消し得るようにした、止着テープの製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、例えば使い捨てオムツの腰巻き部側縁部に取付けて、該オムツを装着状態に維持させるための止着テープの製造方法を対象にしている。
【0027】
ところで、本願の製造方法で製造される止着テープは、オムツのような取付体に取付ける取付基部とメカニカルテープを設けたタブとを有し、該タブの付根部の幅を取付基部の幅より狭幅にして該取付基部におけるタブ付根部の外側に段部を設けて構成されている。尚、この止着テープでは、取付基部のタブ側両端(各段部の外端)が角部となって尖っている。
【0028】
又、本願の製造方法で製造される止着テープでは、取付基部からメカニカルテープまでの長さをタブの先端からメカニカルテープまでの長さより長くしている。このようにすると、この種の止着テープにおいて、取付基部の段部からタブ先端までの突出長さを長くとれる一方、メカニカルテープの先部側側縁からタブ先端までの距離を短くできる。
【0029】
さらに、本願の製造方法で製造される止着テープでは、タブ先端の幅を取付基部の各段部の各幅の合計幅より大きくしている。このようにすると、タブ先端の幅を広くできるとともに、タブ基端部(付根部)の幅を広くとれる。
【0030】
又、本願の製造方法で製造される止着テープでは、取付基部とタブに跨がる部分に弾性体を設けている。この弾性体は、取付基部とタブに跨がる部分に別部材からなる弾性シートを介設している。このように、取付基部とタブに跨がる部分に弾性体を設けると、この止着テープの取付け状態で該弾性体部分が伸縮できて、この止着テープを伸縮止着テープとして機能させることができる。
【0031】
そして、本願は上記の止着テープを製造する方法であって、本願の止着テープ製造方法は、2本の弾性帯を所定間隔を隔てて平行に配置し、両弾性帯間の間隔より広幅のシート帯を両弾性帯に跨がらせた状態で接合し、シート帯の幅方向中央部にメカニカルテープ帯を接合して、重合テープを形成し、重合テープを規則的な1本の蛇行線で2分割し、その各半割重合テープの各凹状部からそれぞれ幅方向に切断して順次止着テープを製造するものである。又、前記蛇行線は、該蛇行線によって形成される凹凸部が台形状であり且つシート帯の各側縁部からそれぞれ外側に超えた位置の弾性帯部分を通るとともに、シート帯各側縁部に近接する位置における各弾性帯の一部を切除する切除線を同時に形成するものである。
【0032】
このように、本願の止着テープ製造方法では、蛇行線と同時に切除線により弾性帯の一部をトリムとして切除するようにしているので、そのトリム切除分だけタブの突出長さを長くできる。又、切除線がシート帯各側縁部に近接する位置の各弾性帯の一部を切除するので、最終の止着テープに切断した際のタブ先端側(摘まみ部となる)がシート片と弾性帯の残部シート片との2枚重ねになり、該タブ先端部の「腰」が強くなる。
【発明の実施の形態】
【0033】
図1〜図5を参照して本願の実施形態を説明すると、図1〜図3には本願実施形態の止着テープの製造方法を示し、図4及び図5にはその製造方法で製造した止着テープの使用形態を示している。尚、本願の止着テープは、例えば図6に示すように使い捨てオムツ100の一方の腰巻き部103の各側縁部104に取付けて、該オムツ100を装着状態で維持させるのに使用するものである。
【0034】
この実施形態の止着テープ製造方法では、図1に示すように左右2本の弾性帯3,3と、それぞれ1本のシート帯4及びメカニカルテープ帯5とを用いて行われる。尚、本願実施形態で採用している各寸法は、上記の第1〜第3従来例(図7〜図15)と比較し易くするために共通部分のものを同じに設定しているが、本願の実施に当たっては各寸法を適宜に設計変更できるものである。
【0035】
各弾性帯3,3には、例えば伸縮性フイルムや伸縮性フイルムに不織布をラミネートしたもの等を採用できる。各弾性帯3,3の幅Pは、製造すべき止着テープの大きさによって適宜のものを採用できるが、この実施形態では幅Pが52mmのものを使用している。又、該弾性帯3の厚さは、特に限定するものではないが、この実施形態では50〜100μ程度のものを使用している。尚、この種の弾性帯3は、材料コストが比較的高価であり、弾性シートの使用量を少なくすることが製造コスト上、有利である。
【0036】
シート帯4は、適宜の薄手シート材が採用できるが、この実施形態では不織布を採用している。尚、不織布は、材料コスト的には非常に安価である。このシート帯4の幅Qは、この実施形態では48mmのものが使用されている。
【0037】
メカニカルテープ帯5は、雄形のものが使用されており、雌形のメカニカルテープに対して繰り返して接着させることができる。このメカニカルテープ帯5は、シート帯4の幅Qよりかなり狭幅のものが使用される。尚、この実施形態では、メカニカルテープ帯5として幅Rが24mmのものを使用している。
【0038】
そして、これらの材料(3,3,4,5)は、次のようにして組付けられる。まず、2本の弾性帯3,3を、該両弾性帯3,3間に間隔M(M=23〜24mm)を隔てて平行に配置し、シート帯4を両弾性帯3,3に跨がらせた状態で該シート帯4の左右各側縁部41,42と各弾性帯3,3の各内側側縁部32,32とを接着(接着部10,10)させる。弾性帯3とシート帯4との接着方法は、ヒートシールによるものでもよいし、接着剤(ホットメルト)10を用いてもよい。続いて、シート帯4の幅方向中央部にメカニカルテープ帯5を接着(接着部11)して、図2に示すような重合テープ2を形成する。
【0039】
このように、重合テープ2の形成段階において、2本の弾性帯3,3間に間隔Mを隔てた状態でシート帯4により連続させるようにすると、両弾性帯3,3間の間隔M(M=23〜24mm)部分の弾性シート材(高価な材料である)が不要になり、材料コストを安価にできる。尚、シート帯4は、安価な材料である。
【0040】
次に、図2に示すように、重合テープ2に規則的な1本の蛇行線6とトリム切除線8を入れて、該重合テープ2を図3に示すように左右の各半割重合テープ20,20に2分割すると同時に順次トリム9,9・・を切除する。即ち、この止着テープ製造方法では、重合テープ2の2分割工程とトリム9の切除工程とが同時に行われる。この実施形態では、蛇行線6の折返部61が外側でトリム切除線8がその内側であるように表現しているが、蛇行線6の折返部が図2の符号8の位置(内側)で、トリム切除線が該折返部の外側に位置(符号61の位置)してもよく、その場合も符号9のトリムを切除することができる。尚、このトリムは、請求項1における「弾性帯3の一部9」となるものである。
【0041】
蛇行線6は、振幅B1(図2)を68mmに設定しており、同一側の各折返部61,61間の間隔を80mmに設定している。尚、蛇行線6によって形成される凹凸部は、台形状になる。
【0042】
蛇行線6の左右各折返部61,61・・は、シート帯4の左右各側縁部41,42からそれぞれ所定幅F(F=10mm)ずつ外側に超えた位置の弾性帯3,3部分で切断するようにしている。この場合、各折返部61,61・・から各弾性帯3,3の外端縁までの幅D1(図2)は、30mm程度になる。
【0043】
トリム切除線8は、蛇行線6の左右の各折返部61,61・・より中央寄りでシート帯4の左右各側縁部41,42に近接する位置において、各折返部61,61・・の先端部の一部(トリム)9を切除するものである。このトリム9の幅G(図2)は、8mm程度である。従って、トリム9を除去した残りのタブ17の突出長さB3(図2、図3)は60mm程度になる。尚、蛇行線6及びトリム切除線8で切除されたトリム9は、バキュームで吸引排除される。
【0044】
このトリム9の除去理由は、例えば図13の第3従来例のように、蛇行線6の折返部61を弾性帯3側に深く切り込んだものにおいて、各半割重合テープ20,20の膨出部側先端部における1枚シート部分を切除して、後述のタブ先端側に極薄の1枚シート部分がほとんど残らないようにするとともに、図10の第2従来例のように、蛇行線6の折返部61を弾性帯3側に浅く切り込んだものにおいて、タブ部分の長さを長くするためのものである。又、蛇行線6で切断されるタブ17は台形状になっているが、上記トリム9を切除することにより、該タブ17の先端17aの幅H1を若干広くできる。尚、タブ先端17aの幅H1は、蛇行線6の傾斜部の角度を変えることでも調整できる。
【0045】
その後、図3に示す各半割重合テープ20,20は、蛇行線6で切断された各凹状部22,22・・の中央部からそれぞれ半割重合テープ20の側辺21に対して垂直に延びる切断線7,7・・で順次切断して、止着テープ1が製造される。尚、切断線7の位置は、凹状部22の中央部から多少ずれることがあっても、製品として問題はない。
【0046】
このようにして製造された止着テープ1は、図3の下部及び図4〜図5に示すように、広幅の取付基部18とその外側(図4の右側)に膨出するタブ17とを有している。タブ17は、取付基部18(弾性シート13の基部13aと同じ部分)の一側縁中央部において、折返部形成部分(請求項1における段部となる)62,62から幅B3(60mm)だけ外方に突出している。このタブ17は、図4〜図5に示すように、弾性シート基部13aの一側縁中央部に所定幅(22mm程度)だけ突出する突出部13bと、該突出部13bの先端部に継ぎ足されたシート片14と、該シート片14の上面に接着されたメカニカルテープ15と、シート片14の先端部下面に重合状態で接着させている小幅(13mm程度)のシート片16とを有している。尚、シート片14の先端部下面にあるシート片16は、対向側の弾性帯3の切断残片であり、以下このシート片16を残部シート片という。
【0047】
そして、このタブ17は、メカニカルテープ15の先部側側縁15bより先側(幅E3の範囲)が摘まみ部となる。このタブ17の摘まみ部は、シート片(不織布)14と小幅の残部シート片16との2枚重ねになっており、且つ該2枚重ね部分が接着部10で接着されている。従って、該タブ17の先端部は、1枚シートの場合より厚くなり、且つ接着部10により「腰」が強くなっているので、摘まみ易くなる。
【0048】
この止着テープ1では、図4に示すように、折返部形成部分(段部)62,62からメカニカルテープ15の基部側側縁15aまでの長さYが22mm、メカニカルテープ15の先部側側縁15bからタブ先端17aまでの長さE3が14mmとなっており、長さYが長さE3よりかなり長くなっている。従って、この止着テープ1では、タブ17の突出長さB3(60mm)が、図11に示す第2従来例のタブ突出長さB2より長くなる。
【0049】
又、この止着テープ1では、製造時にトリム9を切除した関係で、タブ先端17aの幅H1が約20mmであるのに対して、各折返部形成部分(段部)62,62の幅(H2又はH3)がそれぞれ6mm程度となっており、幅H1が幅H2とH3の合計幅(12mm)より大きくなっている。従って、タブ先端17aの幅H1が広いことによってタブ先端部が摘まみ易くなるとともに、各折返部形成部分62,62の幅H2,H3が狭い(換言すればタブ付根部の幅H4が広い)ことによってタブ17と取付基部18との連結が強固になる。
【0050】
ところで、弾性シート13の基部13a(取付基部18)における各段部62,62の両外端部は、それぞれ角部13c,13cとなっているが、この角部13cは尖っていて肌を突くと不快感を感じるものである。
【0051】
この止着テープ1は、図4及び図5に示すように、オムツ側縁部104に対して弾性シート13の基部13a側の所定小幅範囲X(X=15mm程度)をヒートシールあるいはホットメルトによって接着(接着部19)して取付けるが、その取付けに際しては、弾性シート基部13aの両角部13c,13cがオムツ側縁部104の外端104aから外側にはみ出ないようにする。尚、両角部13c,13cがオムツ側縁部外端104aから外側にはみ出ないようにすると、該各角部13c,13cが肌に突き当たることがなくなる。又、この止着テープ1では、各角部13c,13cがオムツ側縁部外端104aから外側にはみ出ないように取付けても、タブ17がオムツ側縁部外端104aから必要長さ(54mm程度)だけ外方に突出しており、この止着テープの止着操作及び止着機能に何ら支障はない。
【0052】
又、止着テープ1の取付け状態では、弾性シート基部13a側の固定部(接着部19)とシート片14への接着部10間の幅W2(W2=23mm程度)が伸縮可能な部分となる。
【0053】
そして、止着テープ1を止着操作するときには、タブ17の先端部を摘まんで行うが、そのとき、タブ先端部(摘まみ部分)はシート片14と残部シート片16との2枚重ねになっており且つ接着部10によって「腰」が強くなっているので、該タブ先端部が摘まみ易くなるという機能が生じる。尚、タブ17の先端17aは、残部シート片16の先端がシート片14の外端より僅かに(1〜2mm程度)はみ出しているが、該はみ出し幅はごく僅かであるのでタブ先端部を摘まむときに摘まみにくさは感じない。
【0054】
このように、この実施形態の止着テープ及びその製造方法では、上記第1〜第3の各従来例の各利点を確保しつつ各欠点を改善できる。
【発明の効果】
【0055】
本願発明の製造方法で製造した止着テープには、次のような特徴がある。
(1) 取付基部18の段部62,62からメカニカルテープ15までの長さYをタブ先端17aからメカニカルテープ15までの長さE3より長くできるので、タブ17の突出長さB3を長くできる。このようにタブ17の突出長さB3を長くできると、取付基部18の各角部13c,13cがオムツ側縁部外端104aから外側にはみ出ないように取付けても、タブ17がオムツ側縁部外端104aから必要長さだけ外方に突出するので、この止着テープの止着操作及び止着機能に何ら支障はない。逆に、タブ17をオムツ側縁部外端104aから必要長さだけ外方に突出させても、取付基部18の各角部13c,13cがオムツ側縁部外端104aから外側にはみ出ないので、該各角部が肌を突かない。
(2) タブ先端17aの幅H1を広くできるので、タブ先端部が摘まみ易い。
(3) 取付基部18の各段部62,62の幅H2,H3の合計幅がタブ先端17aの幅H1より狭くできるので、タブ17の付根部17bの幅H4を広くとれ、取付基部18とタブ17の連結が強固となる。
(4) タブ先端部が2枚のシート(シート片14と残部シート片16)を重ねた状態となっているので、タブ先端部17aの「腰」が強くなり、止着テープの止着操作時にタブ先端部17aが摘まみ易くなるとともに、止着テープ1の製造中、止着テープ1をオムツに取付け中、あるいはオムツの装着時等に該タブ先端部17aが捲れたり折れ曲がったりしにくくなる。
そして、本願発明の止着テープ製造方法では、上記の止着テープを製造するのに、蛇行線6による重合テープ2の2分割と同時に、切除線で弾性帯3,3の一部(トリム9)を切除するようにしているので、重合テープ2の2分割工程とトリム9の切除工程とが同時に行え、上記した止着テープを簡単に且つ短時間で製造できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願実施形態の止着テープ製造方法で使用される各材料の斜視図である。
【図2】 図1の各材料を重合させた重合テープの平面図である。
【図3】 図2の重合テープを2分割したときの半割重合テープの平面図である。
【図4】 本願実施形態の製造方法で製造された止着テープの使用状態平面図である。
【図5】 図4のV−V断面図である。
【図6】 止着テープを使い捨てオムツに取付けた状態の平面図である。
【図7】 第1従来例の止着テープ製造方法説明図である。
【図8】 図7の製造方法で製造された止着テープの使用状態平面図である。
【図9】 図8のIX−IX断面図である。
【図10】 第2従来例の止着テープ製造方法説明図である。
【図11】 図10の製造方法で製造された止着テープの使用状態平面図である。
【図12】 図11のXII−XII断面図である。
【図13】 第3従来例の止着テープ製造方法説明図である。
【図14】 図13の製造方法で製造された止着テープの使用状態平面図である。
【図15】 図14のXV−XV断面図である。
【符号の説明】
1は止着テープ、2は重合テープ、3は弾性帯、4はシート帯、5はメカニカルテープ帯、6は蛇行線、7は切断線、8は切除線、9はトリム、13は弾性シート、13cは角部、14はシート片、15はメカニカルテープ、16は残部シート片、17はタブ、17aはタブ先端、18は取付基部、20は半割重合テープ、21は側辺、22は凹状部、41,42はシート帯の側縁部、61は折返部、62は段部、Sは弾性体である。
Claims (1)
- 2本の弾性帯(3,3)を所定間隔(M)を隔てて平行に配置し、両弾性帯(3,3)間の間隔(M)より広幅のシート帯(4)を前記両弾性帯(3,3)に跨がらせた状態で接合し、前記シート帯(4)の幅方向中央部にメカニカルテープ帯(5)を接合して、重合テープ(2)を形成し、該重合テープ(2)を規則的な1本の蛇行線(6)で2分割し、その各半割重合テープ(20,20)の各凹状部からそれぞれ幅方向に切断して順次止着テープ(1,1・・)を製造する方法において、
前記蛇行線(6)は、該蛇行線(6)によって形成される凹凸部が台形状であり且つ前記シート帯(4)の各側縁部(41,42)からそれぞれ外側に超えた位置の前記弾性帯(3,3)部分を通るとともに、シート帯各側縁部(41,42)に近接する位置における前記各弾性帯(3,3)の一部(9)を切除する切除線を同時に形成する、
ことを特徴とする止着テープの製造方法。
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