本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
連続シートの連続方向と交差する方向である幅方向の端部に、前記連続方向に連続し前記幅方向に伸長した状態である伸縮性シートの連続体を接合して、複合シートの連続体を形成することと、前記複合シートの連続体の形成後、前記連続シートの前記幅方向の位置を拘束した状態で前記複合シートの連続体を前記連続方向に沿って搬送する際に前記伸縮性シートの連続体を前記幅方向に収縮させた後に、止着テープを前記連続シートに接合することと、を有することを特徴とする伸縮性部材の製造方法である。
このような伸縮性部材の製造方法によれば、複合シートの幅方向の位置ずれを抑制することができる。そのため、複合シートが有する連続シートの適切な位置に止着テープを接合することができ、また、複合シートに接合された後の止着テープの幅方向の位置ずれを抑制することができ、適切な位置で止着テープを切断できる。
かかる伸縮性部材の製造方法であって、前記連続シートの前記幅方向の両端部に前記伸縮性シートの連続体を接合して、前記複合シートの連続体を形成し、前記複合シートの連続体を幅方向に2分割した両部材に前記止着テープが存在するように、前記複合シートの連続体を切断すること、を特徴とする伸縮性部材の製造方法である。
このような伸縮性部材の製造方法によれば、例えば、使い捨ておむつのサイドフラップのように、止着テープを備える一対の伸縮性部材を製造することができる。
かかる伸縮性部材の製造方法であって、前記止着テープは他の連続シートに接合されており、前記他の連続シートを介して前記止着テープを前記連続シートに接合すること、を特徴とする伸縮性部材の製造方法である。
このような伸縮性部材の製造方法によれば、止着テープが接合される部位を二重構造にでき、引っ張って使用される伸縮性部材の強度を高めることができる。
かかる伸縮性部材の製造方法であって、搬送機構の搬送面で前記複合シートの連続体を支持すると共に、前記搬送面に前記連続シートを吸着させて、前記複合シートの連続体を前記連続方向に沿って搬送すること、を特徴とする伸縮性部材の製造方法である。
このような伸縮性部材の製造方法によれば、複合シートが有する連続シートの幅方向の位置を拘束した状態で複合シートを搬送すると共に、伸縮性シートを収縮させることができる。
かかる伸縮性部材の製造方法であって、搬送機構の搬送面で前記複合シートの連続体を支持すると共に、前記搬送面と押さえ部材とで前記連続シートを挟み込んで、前記複合シートの連続体を前記連続方向に沿って搬送すること、を特徴とする伸縮性部材の製造方法である。
このような伸縮性部材の製造方法によれば、複合シートが有する連続シートの幅方向の位置を拘束した状態で複合シートを搬送すると共に、伸縮性シートを収縮させることができる。
かかる伸縮性部材の製造方法であって、搬送機構の搬送面で前記複合シートの連続体を支持すると共に前記連続シートの前記幅方向の位置を拘束した状態で前記複合シートの連続体を前記連続方向に沿って搬送し、前記搬送機構から離れてから前記止着テープが接合されるまでの間に、前記複合シートの連続体を他の部材で拘束しない状態で搬送すること、を特徴とする伸縮性部材の製造方法である。
このような伸縮性部材の製造方法によれば、止着テープを接合する前に、複合シートが有する伸縮性シートをより確実に収縮させることができる。
また、連続シートの連続方向と交差する方向である幅方向の端部に、前記連続方向に連続し前記幅方向に伸長した状態である伸縮性シートの連続体を接合して、複合シートの連続体を形成する第1接合機構と、前記複合シートの連続体の形成後、前記連続シートの前記幅方向の位置を拘束した状態で前記複合シートの連続体を前記連続方向に沿って搬送する際に前記伸縮性シートの連続体を前記幅方向に収縮させる搬送機構と、前記伸縮性シートの連続体を前記幅方向に収縮させた後に、止着テープを前記連続シートに接合する第2接合機構と、を有することを特徴とする伸縮性部材の製造装置である。
このような伸縮性部材の製造装置によれば、複合シートの幅方向の位置ずれを抑制することができる。そのため、複合シートが有する連続シートの適切な位置に止着テープを接合することができ、また、複合シートに接合された後の止着テープの幅方向の位置ずれを抑制することができ、適切な位置で止着テープを切断できる。
===使い捨ておむつ1について===
以下、伸縮性シートを使用する吸収性物品として、展開型の使い捨ておむつ1を例に挙げて実施形態を説明する。
図1は、展開型の使い捨ておむつ1の展開状態における上面図である。説明のため、使い捨ておむつ1の長手方向と交差する方向を幅方向とする。また、使い捨ておむつ1のうち、長手方向の前側に位置する部位であり着用者の腹側に位置する部位を「腹側部(前身頃)」と呼び、長手方向の後側に位置する部位であり着用者の背側に位置する部位を「背側部(後身頃)」と呼び、腹側部と背側部の間の部位を「股下部」と呼ぶ。
本実施形態の使い捨ておむつ1は、本体部10と、一対のサイドフラップ20a,20bとを有する。本体部10は、着用者の肌当接面側(内面側)に配置される液透過性の表面シート11と、着用者の非肌当接面側(外面側)に配置される液不透過性或いは液難透過性の裏面シート12と、液吸収性の吸収体13とを備える。吸収体13は、表面シート11と裏面シート12との間で、腹側部から背側部まで長手方向に延びている。
本体部10の長手方向の中央部はくびれている。具体的には、股下部の両側縁が円弧状に湾曲しており、そのくびれた部分が装着時に着用者の脚周りの開口部となる。そして、本体部10の股下部における幅方向の両側部には、表面シート11と裏面シート12の間に、長手方向に沿って伸長した状態の糸状弾性部材14が設けられ、脚周りギャザーが形成されている。同様に、本体部10の背側部には、幅方向の中央部であり長手方向の後端部に、幅方向に沿って伸長した状態の糸状弾性部材15が設けられ、ウェストギャザーが形成されている。脚周りギャザーやウェストギャザーによって装着時のフィット性が向上する。なお、図1には示さないが、表面シート11の幅方向の両側部に、着用者の肌側に起立する一対の防漏壁(立体ギャザー)を設けてもよい。
一対のサイドフラップ20a,20bは、本体部10の背側部における幅方向の両側部から外側に突出して設けられている。サイドフラップ20a,20bは、幅方向に伸縮可能な伸縮性部材であり、幅方向の外側端部にファスニングテープ21が設けられている。ファスニングテープ21(例えば、面ファスナーの雄材を備えたテープ)は、裏面シート21の外面(非肌当接面)に着脱自在に止着可能なテープである。換言すると、裏面シート21の外面はファスニングテープ21が止着可能な面(例えば、面ファスナーの雌材を備えた面や不織布)となっている。
使い捨ておむつ1が着用者に装着される際に、まず、本体部10が長手方向の中央部を折り位置として二つ折りされ、その後、サイドフラップ20a,20bが、幅方向の内側に折られ、ファスニングテープ21によって裏面シート12の外面に止着される。そのため、サイドフラップ20a,20bを幅方向に伸縮可能な伸縮性部材とすることで、サイドフラップ20a,20bを引っ張ってファスニングテープ21を裏面シート12に止着することができる。よって、着用者のウェスト周りに適度な締め付け力を付与できる。
但し、自身が伸縮性を有する部材でサイドフラップ20a,20bを製造すると、例えば、所望の伸縮率を確保できなかったり、コストがかかったりする場合がある。そこで、本実施形態では、一対の連続シート22a,22bの間にその連続シート22a,22bの連続方向と交差する方向である幅方向に伸長している糸状弾性部材23を介在させた状態で、連続シート22a,22bと糸状弾性部材23を接合して伸縮性シートの連続体を製造し、その伸縮性シートの連続体からサイドフラップ20a,20bを製造する。
===サイドフラップ20a,20bの製造方法及び製造装置===
図2Aから図2Dは、サイドフラップ20a,20bの製造過程における断面図である。図3A及び図3Bは、サイドフラップ20a,20bの製造過程における切断ラインC2,C3の説明図である。図4は、第1次伸縮性シート30を製造する装置部の概略図である。図4では、搬送ベルト611〜614が糸状弾性部材23を搬送する方向を搬送方向と示し、搬送方向と交差する方向(ここでは直交方向)を幅方向と示す。図5は、サイドフラップ20a,20bの製造装置の概略図である。図5では、サクションコンベア80が第3次伸縮性シート32を搬送する方向を搬送方向と示し、搬送方向と交差する方向(ここでは直交方向)を幅方向と示す。図6Aは、第1次伸縮性シート30の幅方向の両端部を切断する様子を示す図であり、図6Bは、回転刃72と溝部711の関係を説明する図であり、図6Cは、サクションベルト801上を搬送される伸縮性シートの上面図である。
本実施形態では、使い捨ておむつ1の本体部10とサイドフラップ20a,20bを別工程で製造した後に、本体部10にサイドフラップ20a,20bを取り付ける。以下、サイドフラップ20a,20bの製造方法及び製造装置について説明する。
まず、サイドフラップ20a,20bの構造について簡単に説明する。図2Aに示すように、一対の連続シートである第1シート22aの連続体(以下、第1シート22a)と第2シート22bの連続体(以下、第2シート22b)との間に、そのシート22a,22bの連続方向と交差する方向(ここでは直交方向)である幅方向に伸長している糸状弾性部材23を介在させた状態でこれらを接合し、幅方向に伸縮可能な第1次伸縮性シート30の連続体(以下、第1次伸縮性シート30)を製造する。なお、図3Aに示すように、幅方向に伸長している糸状弾性部材23を連続方向に間隔を空けて複数配置する。また、第1次伸縮性シート30を2つ製造する。
次に、図2Bに示すように、第1次伸縮性シート30の幅方向の両端部を切断することにより第2次伸縮性シート31の連続体(以下、第2次伸縮性シート31)を製造する。その後、図2Cに示すように、幅方向に並んだ第2次伸縮性シート31の間に第2下部シート25bの連続体(以下、第2下部シート25b)を下方から接合し、幅方向の左側に位置する第2次伸縮性シート31の幅方向の左側端部に第1下部シート25aの連続体(以下、第1下部シート25a)を下方から接合し、幅方向の右側に位置する第2次伸縮性シート31の幅方向の右側端部に第3下部シート25cの連続体(以下、第3下部シート25c)を下方から接合することにより、第3次伸縮性シート32の連続体(以下、第3次伸縮性シート32)を製造する。
そして、図2Dに示すように、幅方向に並んだ2つの第2次伸縮性シート31の間に、ファスニングテープ21が設けられた上部シート26の連続体(以下、上部シート26)を上方から接合することにより、第4次伸縮性シート33の連続体(以下、第4次伸縮性シート33)を製造する。最後に、図3A及び図3Bに示すように、第4次伸縮性シート33を切断ラインC2で切断して幅方向に2分割し、2分割された第4次伸縮性シート33L,33Rを切断ラインC3で切断する。その結果、対称形状である一対のサイドフラップ20a,20bを製造することができる。
なお、糸状弾性部材23としては、例えば、複数のポリウレタン弾性繊維が接合された弾性糸が挙げられるが、これに限らず、伸縮可能な糸状部材であればよい。また、連続シート(第1シート22a,第2シート22b,第1〜第3下部シート25a〜25c,上部シート26)としては、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン等の熱可塑性合成樹脂を原料とする不織布や織布、フィルム、それらの積層シート等が挙げられ、全ての連続シートを同じ素材にしてもよいし異なる素材にしてもよい。
次に、サイドフラップ20a,20bの各製造工程について順に説明する。
<Step1:第1次伸縮性シート30の製造>
図4に示すように、第1次伸縮性シート30を製造する装置部は、糸状弾性部材23の連続体(以下、糸状弾性部材23)を供給する「供給ユニット40」と、糸状弾性部材23を搬送ベルト611〜614に巻回する「巻回ユニット50」と、糸状弾性部材23,第1シート22a,第2シート22bを搬送する「搬送ユニット60」と、を有する。
供給ユニット40は、コイル状に巻かれた糸状弾性部材23を繰り出し可能に保持する「リール機構41」と、糸状弾性部材23の張力を測定する「テンションセンサー42」と、テンションセンサー42よりも上流側に位置する「調整用プーリー43」と、テンションセンサー42よりも下流側に位置する「供給プーリー44」とを有する。
調整用プーリー43は、モーター(不図示)に連結されて駆動回転する駆動プーリーである。そして、巻回ユニット50に供給される糸状弾性部材23の張力が所定の範囲内に収まるように、テンションセンサー42が測定した張力に基づいて、調整用プーリー43の周速が制御され、リール機構41からの糸状弾性部材23の繰り出し量が制御される。また、2つの供給プーリー44のうちの少なくとも一方は駆動プーリーであり、巻回ユニット50に供給される糸状弾性部材23の速度が所定の範囲内に収まるように周速が制御されている。
巻回ユニット50は、回転しながら糸状弾性部材23を搬送ベルト611〜614に巻回する「回転体51」と、回転体51に設けられた「ガイドプーリー521〜524」と、回転体51を回転させるための「駆動モーター53」と、駆動モーター53の回転力を回転体51に伝達する「伝達機構54」と、を有する。
回転体51は、本体部511と軸部512を有し、搬送方向を軸方向として回転する。本体部511は、有底円筒形状を成し、搬送方向上流側の側面に底部が設けられている。軸部512は、本体部511よりも小径の中空円筒形状を成し、本体部511の底部の中心から搬送方向上流側に突出するように本体部511に一体に接合されている。本体部511の底部の中心には、軸部512の内部と連通する開口部が設けられている。
本体部511には、糸状弾性部材23を誘導する4個のガイドプーリー521〜524が設けられている。詳しくは、本体部511の底部の中心近傍に、搬送方向と交差する方向を軸方向として回転する第1ガイドプーリー521が設けられ、本体部511の側面上の或る地点における搬送方向上流側の端部及び搬送方向下流側の端部に、搬送方向と交差する方向を軸方向として回転する第2ガイドプーリー522及び第3ガイドプーリー523が設けられ、第3ガイドプーリー523の近傍であり本体部511の側壁よりも内側に、搬送方向を軸方向として回転する第4ガイドプーリー524が設けられている。
搬送ユニット60は、回転体51により巻回された糸状弾性部材23を搬送する「搬送ベルト(無端ベルト)611〜614」と、搬送ベルト611〜614を回転させる「プーリー621〜628」と、第1シート22a及び第2シート22bを搬送すると共に、第1シート22a及び第2シート22bを間に糸状弾性部材23を介在させた状態で接合する一対の「第1接合ローラー63a,63b」と、糸状弾性部材23を切断する「切断部材64」と、を有する。
一対の第1接合ローラー63a,63bよりも搬送方向上流側の位置に、上下にずれた2個のプーリーの組(621,622の組と623,624の組)が幅方向に間隔を空けて配置されている。この4個のプーリー621〜624は、回転体51の内側に設けられている。また、一対の第1接合ローラー63a,63bよりも搬送方向下流側の位置にも、上下にずれた2個のプーリーの組(625,626の組と627,628の組)が幅方向に間隔を空けて配置されている。4本の搬送ベルト611〜614は、それぞれ、搬送方向上流側のプーリー621〜624のうちの1つと搬送方向下流側のプーリー625〜628のうちの1つに掛け回されている。そして、各搬送ベルト611〜614は搬送方向に水平に延び、また、上下に並んだ2本の搬送ベルトの組(611,612の組と613,614の組)が幅方向に間隔を空けて配置される。なお、幅方向に並ぶ搬送ベルトの内側部位同士の間隔(611,612と613,614との間隔)は、第1接合ローラー63a,63bの幅方向の長さや第1シート22a及び第2シート22bの幅方向の長さよりも広い。
プーリー621〜628は上下方向を軸方向として回転し、1つの搬送ベルト611〜614が掛け回される搬送方向上流側のプーリー621〜624と下流側のプーリー625〜628とのうちの少なくとも一方が、モーター(不図示)に連結されて駆動回転する駆動プーリーである。そのため、搬送ベルト611〜614毎に周回速度の設定が可能である。また、搬送ベルト611〜614における幅方向の外側部位が、搬送方向の上流側から下流側へと進み、搬送ベルト611〜614における幅方向の内側部位が、搬送方向の下流側から上流側へと進むように、プーリー621〜628は回転する。なお、糸状弾性部材23を搬送ベルト611〜614で搬送するに限らず、巻回された糸状弾性部材23を搬送可能な機構であれば何れの機構でもよい。
一対の第1接合ローラー63a,63bは、幅方向に間隔を空けて配置された搬送ベルト611〜614の間で、幅方向を軸方向として回転する。上方の第1接合ローラー63aは第1シート22aを外周面に巻き付けつつ搬送し、下方の第1接合ローラー63bは第2シート22bを外周面に巻き付けつつ搬送する。その後、一対の第1接合ローラー63a,63bは、間に糸状弾性部材23を介在させた第1シート22aと第2シート22bを挟圧し、これらを接合する。
切断部材64は、搬送ベルト611〜614に巻回された糸状弾性部材23を切断するためのものであり、図4では上下方向を軸方向として回転する回転刃とする。幅方向の手前側の搬送ベルト611,612よりも手前側の位置と、幅方向の奥側の搬送ベルト613,614よりも奥側の位置とに、それぞれ切断部材64が設けられている。また、切断部材64は、上下に並ぶ搬送ベルトの間(611と612の間と613と614の間)に設けられている。そうすることで、第1次伸縮性シート30から突出する糸状弾性部材23の長さを比較的に揃えることができる。但しこれに限らず、例えば輪状の搬送ベルト611〜614の中に切断部材を設けてもよいし、切断部材64を固定刃にしてもよい。
以上の構成である装置部によって、第1次伸縮性シート30が製造される。まず、供給ユニット40から巻回ユニット50に供給された糸状弾性部材23は、軸部512の内部を通過して本体部511の第1ガイドプーリー521に掛け回された後、本体部511の中心から側面に向かう方向に走行し、第2ガイドプーリー522に掛け回される。そして、糸状弾性部材23は、本体部511の搬送方向上流側の端部から下流側の端部に向かう方向に走行し、第3ガイドプーリー523に掛け回される。その後、糸状弾性部材23は、第4ガイドプーリー524に掛け回されて、本体部511の側面から幅方向手前側の搬送ベルト611,612に向かう方向に走行する。本体部511の回転に伴って第4ガイドプーリー524が搬送ベルト611〜614の外周を回転するため、搬送ベルト611〜614の外周に糸状弾性部材23が巻回される。搬送ベルト611〜614における幅方向の外側部位は搬送方向の下流側へと移動しているため、糸状弾性部材23は搬送ベルト611〜614に螺旋状に巻き付けられつつ搬送方向の下流側へと搬送される。
また、回転体51は糸状弾性部材23を伸長させて搬送ベルト611〜614に巻回する。供給ユニット40が回転体51に糸状弾性部材23を供給する速度(m/分)と回転体51が搬送ベルト611〜614に糸状弾性部材23を巻回する速度(m/分)との比率で、搬送ベルト611〜614に巻回する糸状弾性部材23の伸長倍率が決定する。よって、これらの速度を調整することで、第1次伸縮性シート30に所望の伸縮率を付与することができる。なお、糸状弾性部材23の伸長倍率とは、糸状弾性部材23が、その自然長から何倍伸長された状態にあるのかを示す指標であり、例えば、伸長状態の長さLSを自然長L0で除算した値(=LS/L0)で評される。
なお、本実施形態では、図3に示すように、一定の伸長倍率である糸状弾性部材23が搬送方向に一定の間隔で並ぶように、糸状弾性部材23の供給速度や巻回速度を一定にする。但しこれに限らず、例えば、糸状弾性部材23の搬送方向の間隔や伸長倍率を周期的に変化させてもよい。
また、搬送ベルト611〜614に巻回された当初の糸状弾性部材23は幅方向に対して傾斜している。図4では、搬送ベルト611〜614よりも上側の糸状弾性部材23は幅方向の手前側の方が先行し、下側の糸状弾性部材23は幅方向の奥側の方が先行している。そこで、上方の搬送ベルト611,613では、幅方向手前側の搬送ベルト611の周回速度を幅方向奥側の搬送ベルト613の周回速度よりも遅くし、下方の搬送ベルト612,614では、幅方向奥側の搬送ベルト614の周回速度を幅方向手前側の搬送ベルト612の周回速度よりも遅くする。そうして、糸状弾性部材23の傾斜を修正し、一対の第1接合ローラー63a,63bで接合される時には糸状弾性部材23を幅方向に沿わせる。但しこれに限らず、糸状弾性部材23の傾斜を修正しなくてもよく、その場合には装置構成を簡略化できる。
一対の第1接合ローラー63a,63bのうち上方の第1接合ローラー63aは、糸状弾性部材23の上方から、外周面に第1シート22aを巻き付けつつ搬送し、下方の第1接合ローラー63bは、糸状弾性部材23の下方から、外周面に第2シート22bを巻き付けつつ搬送する。なお、第2シート22bには、塗布機構65によって、図2Aに示すように接着剤a1〜a3が塗布されている。なお、第2シート22bに接着剤a1〜a3を塗布するに限らず、第1シート22aに接着剤を塗布してもよいし、両シートに接着剤を塗布してもよい。そして、一対の第1接合ローラー63a,63bにより搬送されている第1シート22aと第2シート22bの間に、幅方向に伸長している糸状弾性部材23が搬送ベルト611〜614により順次投入される。
そして、一対の第1接合ローラー63a,63bの各外周面が最接近する位置(接合点P1)において、幅方向に伸長している糸状弾性部材23を間に介在させた第1シート22aと第2シート22bが一対の第1接合ローラー63a,63bにより挟圧される。その結果、第1シート22a及び第2シート22bと糸状弾性部材23は接合されて一体化する。なお、接着剤で一体化するに限らず、例えば、融着により一体化してもよい。
また、接合点P1における一対の第1接合ローラー63a,63bの各外周面の間隔を、第1シート22aの厚さと糸状弾性部材23の厚さと第2シート22bの厚さの合計厚さよりも小さくする。そうすることで、間に糸状弾性部材23を介在させた第1シート22aと第2シート22bを、一対の第1接合ローラー63a,63bで挟圧でき(厚さ方向に圧縮することができ)、第1シート22a及び第2シート22bと糸状弾性部材23を確実に一体化することができる。
また、一対の第1接合ローラー63a,63bの外周面はシリコンゴムで形成されている。このように一対の第1接合ローラー63a,63bの外周面をシリコンゴム等の弾性部材で形成することで、接合点P1で各ローラー63a,63bの外周面を圧縮変形させて密着性を高めることができ、第1シート22a及び第2シート22bと糸状弾性部材23をより確実に一体化することができる。
そして、第1シート22a及び第2シート22bと糸状弾性部材23が接合された後、搬送ベルト611〜614に巻回されている糸状弾性部材23が切断部材64によって、幅方向の両外側から切断され、第1次伸縮性シート30が製造される。このように、搬送方向と交差する方向に伸縮する第1次伸縮性シート30を製造することで、例えば、長手方向を搬送方向として製造されている使い捨ておむつ1の本体部10に、第1次伸縮性シート30から製造されたサイドフラップ20a,20bを取り付ける際に、どちらか一方を90度回転させる必要がなく、製造工程を簡略化できる。なお、第1シート22a及び第2シート22bと糸状弾性部材23の接合機構として、一対の第1接合ローラー63a,63bを例に挙げているがこれに限らず、三者を接合可能な機構であれば何れの機構であってもよい。例えば、一対の搬送コンベアが、第1シート22aや第2シート22bを搬送しつつ間に糸状弾性部材23を介在させて、三者を接合するようにしてもよい。
<Step2:第2次伸縮性シート31の製造>
第2次伸縮性シート31を製造する装置部は、図5に示すように、一対の第1接合ローラー63a,63bと、大径ローラー70と、小径ローラー71と、回転刃72と、を有する。一対の第1接合ローラー63a,63bで接合された第1次伸縮性シート30は、その後、大径ローラー70に受け渡され、大径ローラー70から小径ローラー71に受け渡される。そして、小径ローラー71の外周面上で、図2Bに示すように、第1次伸縮性シート30の幅方向の両端部が切断されて、第2次伸縮性シート31が製造される。
図2に示すように、サイドフラップ20a,20bには2つの第1次伸縮性シート30が使用されるため、第1次伸縮性シート30を製造する装置部74,75が大径ローラー70の下方と上方に2つ設けられている。また、2つの第1次伸縮性シート30が幅方向に間隔を空けて大径ローラー70の外周面に巻き付けられるように、下方の装置部74と上方の装置部75が幅方向にずれて配置されている。大径ローラー70、及び、小径ローラー71は、第1接合ローラー63a,63bと同様に、第1次伸縮性シート30の幅方向を軸方向として回転し、第1次伸縮性シート30を外周面に巻き付けて搬送する。
回転刃72は、小径ローラー71の下方に設けられ、第1次伸縮性シート30の幅方向を軸方向として回転しながら第1次伸縮性シート30の幅方向の両端部を切断する。回転刃72として、例えば、円盤部材の外周縁が全周に亘って刃先となっているものが挙げられる。2つの第1次伸縮性シート30の幅方向の両端部を切断するため、図6Aに示すように、小径ローラー71上を搬送される第1次伸縮性シート30の切断位置C1に応じて、4個の回転刃72が幅方向に並んで設けられている。
ここで、仮に、第1次伸縮性シート30の幅方向の伸長状態を保持せずに、第1次伸縮性シート30を自由に収縮させて、第1次伸縮性シート30の幅方向の両端部を切断したとする。第1次伸縮性シート30を自由に収縮させると、搬送方向や幅方向に沿って第1次伸縮性シート30に皺(凹凸)が生じる。そうすると、回転刃72による切断性が悪化してしまう。また、第1次伸縮性シート30を自由に収縮させると、例えば、間に介在されている糸状弾性部材23の伸長倍率の誤差や収縮時に作用する力の影響により、搬送経路における第1次伸縮性シート30の幅方向の位置がずれてしまう虞がある。そうすると、適切な切断位置C1で第1次伸縮性シート30を切断することができなかったり、搬送方向に沿うべき切断ラインが蛇行して見栄えが悪くなったりしてしまう。
換言すると、適切な切断位置C1で第1次伸縮性シート30を切断するためには、例えば、第1次伸縮性シート30の幅方向の位置をカメラやセンサー等で管理する必要があり、装置構成が複雑化してしまう。また、第1次伸縮性シート30が製造されてから切断されるまでの間に一度収縮してしまうと、第1次伸縮性シート30を再び幅方向に伸長させる機構を設ける必要があり、装置構成が複雑化してしまう。
そこで、本実施形態では、第1次伸縮性シート30を製造してから切断するまでの間、第1次伸縮性シート30の幅方向の伸長状態を保持する。そのために、第1シート22aと第2シート22bの間に幅方向に伸長している糸状弾性部材23を介在させた状態で一対の第1接合ローラー63a,63b間に第1シート22aと第2シート22bを通過させてそれらを接合し、搬送ベルト611〜614から糸状弾性部材23を切り離すことにより第1次伸縮性シート30を形成する間も、その後も、一対の第1接合ローラー63a,63bのうちの一方のローラーの外周面(曲面)に第1次伸縮性シート30を巻き付けた状態を保持する。そうすることで、第1次伸縮性シート30の幅方向の伸長状態を保持することができる。
そして、大径ローラー70よりも下方の装置部74で製造された第1次伸縮性シート30を大径ローラー70に受け渡すまで、即ち、一対の第1接合ローラー63a,63b間(P1)から、上方の第1接合ローラー63aと大径ローラー70との間(P2)まで、第1次伸縮性シート30を上方の第1接合ローラー63aの外周面(曲面)に巻き付けて幅方向に伸長させた状態を保持して搬送する。同様に、上方の装置部75で製造された第1次伸縮性シート30を大径ローラー70に受け渡すまで、即ち、一対の第1接合ローラー63a,63b間(P3)から、下方の第1接合ローラー63bと大径ローラー70との間(P4)まで、第1次伸縮性シート30を下方の第1接合ローラー63bの外周面に巻き付けて幅方向に伸長させた状態を保持して搬送する。そうすることで、第1次伸縮性シート30を、幅方向に伸長させた状態で、一対の第1接合ローラー63a,63bから大径ローラー70に受け渡すことができる。
また、2つの第1次伸縮性シート30を大径ローラー70から小径ローラー71に受け渡すまで、即ち、第1接合ローラー63a,63bのうちの一方のローラーと大径ローラー70との間(P2,P4)から大径ローラー70と小径ローラー71との間(P5)まで、2つの第1次伸縮性シート30を大径ローラー70の外周面(曲面)に巻き付けた状態で搬送する。そうすることで、2つの第1次伸縮性シート30を、幅方向に伸長させた状態で、大径ローラー70から小径ローラー71に受け渡すことができる。
更に、小径ローラー71と回転刃72との間まで、2つの第1次伸縮性シート30を小径ローラー71の外周面(曲面)に巻き付けた状態で搬送する。つまり、大径ローラー70と小径ローラー71との間を通過した第1次伸縮性シート30を小径ローラー71の外周面に巻き付けて幅方向に伸長させた状態を保持して搬送すると共に、第1次伸縮性シート30に対して切断処理を施す。
そうすることで、皺が生じていない状態で第1次伸縮性シート30を切断することができ、切断性の悪化を抑制できる。また、搬送経路における第1次伸縮性シート30の幅方向の位置ずれ、即ち、回転刃72に対する第1次伸縮性シート30の幅方向の位置ずれを抑制でき、適切な切断位置C1で第1次伸縮性シート30の幅方向の両端部を切断することができる。よって、見栄えの悪化も抑制できる。また、第1次伸縮性シート30の幅方向の位置を管理する必要がなく、装置構成を簡略化できる。また、第1次伸縮性シート30が製造されてから切断されるまでの間、第1次伸縮性シート30の幅方向の伸長状態が保持されるため、一度収縮した第1次伸縮性シート30を再び幅方向に伸長させる機構を設ける必要がなく、装置構成を簡略化できる。
また、仮に、ローラーではなく、平坦な面で第1次伸縮性シート30を裏面から支持して搬送する場合には、第1次伸縮性シート30の幅方向の伸長状態を保持するために、例えば押さえベルト等で第1次伸縮性シート30を表面側から押さえる必要がある。しかし、本実施形態のようにローラーの外周面である曲面に第1次伸縮性シート30を巻き付ける場合、押さえベルト等の機構を設けなくても、第1次伸縮性シート30の幅方向の伸長状態を保持することができる。つまり、ローラーの外周面に第1次伸縮性シート30を巻き付けて搬送することで、簡易な装置構成により第1次伸縮性シート30の幅方向の伸長状態を保持することができる。
更に、一対の第1接合ローラー63a,63bと大径ローラー70と小径ローラー71の各外周面を、第1次伸縮性シート30の幅方向の伸長状態を保持する特性を有する面にする。つまり、各ローラー63a,63b,70,71の外周面を、その外周面と第1次伸縮性シート30との相対滑りを抑制するグリップ性の高い面にする。そのために、本実施形態では、一対の第1接合ローラー63a,63bと大径ローラー70と小径ローラー71の表面をシリコンゴムで形成する。なお、金属製のローラーの表面にシリコンゴムを巻き付けてもよいし、ローラー全体をシリコンゴムで形成してもよい。そうすることで、第1次伸縮性シート30が製造されてから切断されるまでの間、第1次伸縮性シート30の幅方向の伸長状態をより確実に保持することができる。
なお、ローラーの外周面をシリコンゴムにするに限らず、例えば、天然ゴムやウレタンゴム、ブチルゴム等、一般にゴムとして用いられている素材で形成してもよい。また、ローラーの外周面に凹凸を形成してもよい。例えば、ローラーの外周面に、微細な表面粗さ(凹凸)のなし地加工を施してもよいし、サンドペーパーのように研磨砥粒を吹き付けてもよいし、針を設けてもよい。また、ローラーの外周面にプラズマコーティングを施す等して、伸縮性シートの幅方向の伸長状態を保持するようにローラーの外周面を表面改質してもよい。なお、上記特性を組み合わせた外周面にしてもよい。また、各ローラー63a,63b,70,71の外周面を同じにしてもよいし異なるものにしてもよい。また、上記特性を有さないローラーを使用してもよい。
また、一対の第1接合ローラー63a,63bのうちの一方のローラー(前段ローラー)と大径ローラー70(後段ローラー)との間を第1次伸縮性シート30が通過する時と、大径ローラー70(前段ローラー)と小径ローラー71(後段ローラー)との間を第1次伸縮性シート30が通過する時に、第1次伸縮性シート30を挟圧し、厚さ方向に圧縮する。そのために、前段ローラーと後段ローラーの各外周面が再接近する地点P2,P4,P5の間隔を、第1次伸縮性シート30の厚さよりも小さくする。そうすることで、前段ローラーから後段ローラーに第1次伸縮性シート30を受け渡す時にも、第1次伸縮性シート30の幅方向の伸長状態をより確実に保持することができる。
また、一対の第1接合ローラー63a,63bと大径ローラー70と小径ローラー71の各外周面をシリコンゴム等の弾性部材で形成することで、第1次伸縮性シート30を挟圧する際にローラーの外周面同士の密着性を高めることができる。そのため、前段ローラーから後段ローラーに第1次伸縮性シート30を受け渡す時にも、第1次伸縮性シート30の幅方向の伸長状態をより確実に保持することができる。
また、図6Aに示すように、小径ローラー71の外周面には、その一周に亘って、回転刃72の刃先が入り込むための溝部711が設けられている。そして、図6Bに示すように、回転刃72は受け部(受け刃)が無い状態で、即ち、回転刃72の刃先と小径ローラー71を接触させずに、第1次伸縮性シート30を切断する。なお、小径ローラー71に対して回転刃72は4個設けられるので、各回転刃72の設置位置に応じて小径ローラー71には4個の溝部711が設けられている。そして、溝部711の深さの方が溝部711に入り込む回転刃72の刃先の深さよりも深くなっており、回転刃72の刃先が溝部711の底部に接触しないようになっている。
この場合、回転刃72を境にして第1次伸縮性シート30を幅方向の外側へ引っ張っていないと、回転刃72により溝部711に押し込まれた第1次伸縮性シート30が溝部711の奥に逃げてしまい、切断できない虞がある。しかし、本実施形態では、小径ローラー71の外周面に巻き付けられた状態で第1次伸縮性シート30が切断される。そのため、第1次伸縮性シート30の幅方向の伸長状態が保持されて切断され、回転刃72が第1次伸縮性シート30を溝部711の底側(図6Bでは上下方向の上側)に押し込み切断しようとする力に反して、回転刃72を境にして第1次伸縮性シート30を幅方向の外側へ引っ張る力が作用する。その結果、回転刃72は第1次伸縮性シート30を押し切ることができる。
このように、切断地点において、回転刃72の刃先と溝部711の底部との間に空間が存在するように、回転刃72の刃先と溝部711の底部とで第1次伸縮性シート30を挟圧せずに、第1次伸縮性シート30を切断する。そうすることで、回転刃72の刃先の磨耗を抑え、回転刃72の高寿命化を図ることができる。また、本実施形態では、小径ローラー71の外周面に第1次伸縮性シート30を巻き付けて切断するため、押さえベルト等を設けずに簡易な装置構成により第1次伸縮性シート30の幅方向の伸長状態を保持して切断することができる。
また、回転刃72を小径ローラー71に対して上下方向(鉛直方向)の下方に配置し、第1次伸縮性シート30の下方から回転刃72を接触させる。そうすることで、回転刃72による切断時に発生する切り屑(粉砕片)が、第1次伸縮性シート30とは反対側の下方に落下し、第1次伸縮性シート30にかかってしまうことを防止できる。よって、第1次伸縮性シート30を使用するサイドフラップ20a,20bの品質を向上させることができる。また、第1次伸縮性シート30に切り屑がかからないように工夫を施す必要がなく装置構成を簡略化できる。
また、回転刃72による第1次伸縮性シート30の切断地点では、第1次伸縮性シート30が搬送方向の下流側へ進む方向に小径ローラー71を回転させるのに対して、第1次伸縮性シート30の搬送方向の逆方向に回転刃72を回転させる。そうすることで、搬送方向の下流側へ進もうとする第1次伸縮性シート30に対して、回転刃72が逆方向に張力を付与することができ、第1次伸縮性シート30の切断性を向上させることができる。
また、回転刃72の周速(m/分)を小径ローラー71による第1次伸縮性シート30の搬送速度(m/分)よりも速くする。そうすることで、単位時間当たりに第1次伸縮性シート30と接触する回転刃72の刃先の長さを長くすることができ、切断性を向上させることができる。
また、図2Aに示すように、第1次伸縮性シート30を構成する第2シート22bの内側表面(接合面)には、接着剤a1〜a3が塗布されている。具体的には、第2シート22bの幅方向の両端部であり切断位置C1よりも幅方向の外側の部位の2箇所に第1接着剤a1が塗布され、切断位置C1よりも幅方向の内側の部位の2箇所に第2接着剤a2が塗布され、幅方向の左右に塗布される第2接着剤a2の間に所定の間隔おきに多数の第3接着剤a3が塗布される。なお、各接着剤a1〜a3は第2シート22aの搬送方向に沿って延びている。第2接着剤a2の幅方向の長さが最も長く(単位面積当たりの塗布量が多く)、第3接着剤a3の幅方向の長さが最も短い(単位面積当たりの塗布量が少ない)。
そして、第1次伸縮性シート30のうち接着剤が塗布されていない部位、即ち、第1接着剤a1と第2接着剤a2の間の部位に回転刃72を接触させることにより、第1次伸縮性シート30の幅方向の両端部を切断する。そうすることで、回転刃72に接着剤が付着してしまうことを防止でき、接着剤の付着による切断性の悪化を防止することができる。また、回転刃72から接着剤を落とす工夫を施す必要がなく装置構成を簡略化したり、メンテナンス回数を減らしたりすることができる。
また、回転刃72による切断前は、第1接着剤a1と第2接着剤a2の間で糸状弾性部材23が伸長しているため、その間で糸状弾性部材23を切断すると、切断された糸状弾性部材23の端部が接着剤a1,a2の塗布位置まで収縮する。そのため、図2Bに示すように、糸状弾性部材23の幅方向の両端部が第2接着剤a2の塗布位置まで収縮し、第2次伸縮性シート31の幅方向の両端部(切断部)よりも内側に糸状弾性部材23を収納できる。換言すると、回転刃72による切断位置C1を境にした幅方向の両側の部位に接着剤a1,a2を塗布することで、第2次伸縮性シート31内に糸状弾性部材23を収納できる。従って、第2次伸縮性シート31の見栄えを向上させることができ、シートからはみ出た糸状弾性部材23による不具合(例えば装置内の部品との引っ掛かり等)の発生を防止することができる。
また、切断位置C1よりも幅方向の端部側の部位は、トリム屑31’となる部位であるが、第1接着剤a1を塗布するとよい。そうすることで、切断後に第1シート22aと第2シート22bの間から糸状弾性部材23の切り屑が飛散してしまうことを防止できる。従って、トリム屑31’の回収が容易となり、また、糸状弾性部材23の切り屑が装置内の部品や製品に巻き込まれてしまうことを防止できる。
なお、本実施形態では、第1次伸縮性シート30を回転刃72で切断しているが、これに限らない。例えば、固定刃で切断してもよいし、超音波振動で刃先を振動させながら切断する超音波カッターで切断してもよいし、レーザーにより焼き切ってもよい。また、回転刃72と小径ローラー71で第1次伸縮性シート30を挟圧して切断してもよいし、第1次伸縮性シート30の接着剤が塗布された部位を切断してもよいし、トリム屑31’となる部位には接着剤(第1接着剤a1)を設けなくてもよい。また、第1次伸縮性シート30の切断位置にて回転刃72の進む方向と小径ローラー71の進む方向を同じにしてもよいし、小径ローラー71の下方に回転刃72を設けるに限らず他の位置に設けてもよい。
<Step3:第3次伸縮性シート32の製造>
第3次伸縮性シート32を製造する装置部は、図5に示すように、小径ローラー71(第1接合機構に相当)と、第2接合ローラー73(第1接合機構に相当)と、を有する。第2接合ローラー73は、回転刃72よりも搬送方向の下流側で小径ローラー71と対向する位置に設けられ、幅方向を軸方向として回転し、第1下部シート25aと第2下部シート25bと第3下部シート25cを外周面に巻き付けて搬送する。なお、小径ローラー71上を搬送される2つの第2次伸縮性シート31との接合位置に合わせて、第1〜第3下部シート25a〜25cは幅方向に間隔を空けた状態で第2接合ローラー73に巻き付けられる。また、図2Cに示すように、第1下部シート25aの幅方向の右側端部と、第2下部シート25bの幅方向の両端部と、第3下部シート25cの幅方向の左側端部とに、接着剤a4が塗布されている。但しこれに限らず、第2次伸縮性シート31に接着剤を塗布してもよいし、両シートに接着剤を塗布してもよい。
そして、小径ローラー71と第2接合ローラー73の各外周面が最接近する位置(接合点P6)において、2つの第2次伸縮性シート31と第1〜第3下部シート25a〜25cが小径ローラー71と第2接合ローラー73により挟圧される。その結果、図2Cに示すように、2つの第2次伸縮性シート31と第1〜第3下部シート25a〜25cが接合されて一体化し、第3次伸縮性シート32が製造される。
ここで、仮に、第2次伸縮性シート31の幅方向の伸長状態を保持せずに、第2次伸縮性シート31を自由に収縮させて、第2次伸縮性シート31に第1〜第3下部シート25a〜25cを接合したとする。第2次伸縮性シート31を自由に収縮させると、搬送方向や幅方向に沿って第2次伸縮性シート31に皺が生じてしまう。そのため、第2次伸縮性シート31と第1〜第3下部シート25a〜25cとの接合面積(接触面積)が減り、接合強度が弱くなってしまう。また、第2次伸縮性シート31を自由に収縮させると、例えば、間に介在されている糸状弾性部材23の伸長倍率の誤差や収縮時に作用する力の影響により、搬送経路における第2次伸縮性シート31の幅方向の位置がずれてしまう虞がある。そうすると、第2次伸縮性シート31の適切な位置に第1〜第3下部シート25a〜25cを接合することができなかったり、搬送方向に沿うべき接合ラインが蛇行したりしてしまう。また、見栄えも悪くなってしまう。
そこで、本実施形態では、小径ローラー71と回転刃72との間を通過した第2次伸縮性シート31を小径ローラー71の外周面に巻き付けて幅方向に伸長させた状態を保持して搬送すると共に、第2次伸縮性シート31に対して第1〜第3下部シート25a〜25cを接合する処理を施す。
そうすることで、皺が生じていない状態の第2次伸縮性シート31に第1〜第3下部シート25a〜25cを接合することができ、接合面積の低下に伴う接合強度の低下を抑制できる。また、小径ローラー71上での第2次伸縮性シート31の幅方向の位置ずれを抑制でき、第2次伸縮性シート31の適切な位置に第1〜第3下部シート25a〜25cを接合することができる。また、見栄えの悪化も抑制できる。その他、第2次伸縮性シート31の幅方向の位置を管理する必要がなく、また、第2次伸縮性シート31を再び幅方向に伸長させる機構を設ける必要がないため、装置構成を簡略化できる。また、押さえベルト等の機構を設けなくても、小径ローラー71の外周面に第2次伸縮性シート31を巻き付けるだけの簡易な装置構成により、第2次伸縮性シート31の幅方向の伸長状態を保持することができる。
また、小径ローラー71の表面をシリコンゴムで形成する等して、小径ローラー71の外周面を、第2次伸縮性シート31の幅方向の伸長状態を保持する特性を有する面にしている。そのため、第2次伸縮性シート31が製造されてから切断されるまでの間、第2次伸縮性シート31の幅方向の伸長状態がより確実に保持される。また、接合点P6における小径ローラー71と第2接合ローラー73の各外周面の間隔を、第2次伸縮性シート31の厚さと第1〜第3下部シート25a〜25cの各厚さの合計の厚さよりも小さくする。そうすることで、小径ローラー71と第2接合ローラー73は、第2次伸縮性シート31と第1〜第3下部シート25a〜25cを挟圧し、厚さ方向に圧縮することができる。また、小径ローラー71と第2接合ローラー73の各外周面をシリコンゴム等の弾性部材で形成することで、接合点P6での外周面同士の密着性が高まる。その結果、第2次伸縮性シート31と第1〜第3下部シート25a〜25cをより確実に一体化することができる。
以上のように、本実施形態では、大径ローラー70と小径ローラー71の外周面の幅方向の異なる位置に間隔を空けて2つの伸縮性シートを巻き付け、小径ローラー71の外周面に巻き付けられて幅方向に伸長した状態で搬送される2つの伸縮性シートに対して、切断処理を施したり、第1〜第3下部シート25a〜25cを接合する処理を施したりする。そのため、同一のローラー上で2つの伸縮性シートに対する処理を施すことができ、製造装置を簡略化できる。
なお、本実施形態では、伸縮性シート(第1次伸縮性シート30や第2次伸縮性シート31)を製造してからその伸縮性シートに対して切断処理や接合処理を施すまでの間、伸縮性シートをローラーの外周面に巻き付けることで幅方向の伸長状態を保持するが、これに限らない。例えば、収縮した伸縮性シートに対して切断処理や接合処理を施してもよい。また、伸縮性シートを製造した後に一度収縮させて、切断処理や接合処理を施す際に再び伸縮性シートを幅方向に伸長させるようにしてもよい。また、伸縮性シートをローラーの外周面に巻き付けることで幅方向の伸長状態を保持するに限らず、例えば、平坦な面である搬送ベルト上を搬送される伸縮性シートの幅方向の伸長状態を押さえベルト等で上から押さえるようにしてもよい。
また、大径ローラー70から小径ローラー71に受け渡された伸縮性シートに対して切断処理や接合処理を施しているが、これに限らない。例えば、大径ローラー70上の伸縮性シートに対して切断処理や接合処理を施してもよいし、大径ローラー70上で伸縮性シートに対して切断処理を施した後に、小径ローラー71上で伸縮性シートに対して接合処理を施してもよい。また、例えば、ローラー63a,63b,70,71の内側にサクションボックスを設ける等して、伸縮性シートをローラーの外周面に吸引吸着させるようにしてもよいし、ローラーの外周面に巻き付けられた伸縮性シートの幅方向の端部を押さえベルト等で上から押さえむようにしてもよい。そうすることで、伸縮性シートの幅方向の伸長状態をより確実に保持することができる。また、伸縮性シートを受け渡す前段ローラーと後段ローラーの各外周面が再接近する地点の間隔を伸縮性シートの厚さよりも小さくしているが、これに限らず、等しくしてもよい。
<Step4:第4次伸縮性シート33の製造>
第4次伸縮性シート33を製造する装置部は、図5に示すように、サクションコンベア80と、一対の第3接合ローラー81a,81b(第2接合機構に相当)と、を有する。図2D及び図3Aに示すように、上部シート26の上面に、上部シート26の連続方向に延びたファスニングテープ21の連続体(以下、ファスニングテープ21)が接合された部材が、第3次伸縮性シート32が有する第2下部シート25bと重なるように上方から接合されることにより、第4次伸縮性シート33が製造される。なお、図2Dでは、上部シート26の下面に接着剤a5を塗布しているが、これに限らず、第2下部シート25bの上面に接着剤を塗布してもよいし、両シートに接着剤を塗布してもよい。
サクションコンベア80(搬送機構に相当)は、サクションベルト801(無端ベルト)と、駆動ローラー802と、従動ローラー803と、サクションボックス804と、を有する。サクションベルト801は、駆動ローラー802と従動ローラー803に掛け回されて、搬送方向に水平に延びている。不図示のモーターに連結された駆動ローラー802が回転することでサクションベルト801と従動ローラー803が回転する。この時、サクションベルト801は、上面が搬送方向の上流側から下流側へ移動するように回転する。また、一対の第3接合ローラー81a,81bは、サクションコンベア80よりも搬送方向の下流側に設けられ、第3次伸縮性シート32の幅方向を軸方向として回転する。
小径ローラー71と第2接合ローラー73で接合された第3次伸縮性シート32は、その後、第2接合ローラー73の外周面に巻きつけられて搬送され、サクションベルト801の上面に供給される。従って、図6Cに示すように、サクションベルト801に供給された当初は、第3次伸縮性シート32が有する第2次伸縮性シート31は幅方向に伸長している。
ここで、仮に、第3次伸縮性シート32が有する第2次伸縮性シート31が幅方向に伸長している状態で、第3次伸縮性シート32にファスニングテープ21と上部シート26が接合されたとする。そうすると、後工程(図3A)で第4次伸縮性シート33を幅方向に2分割する切断ローラー90の幅方向の位置に合わせてファスニングテープ21等を供給しても、第3次伸縮性シート32に接合された後に、切断ローラー90に対するファスニングテープ21の幅方向の位置がずれてしまう虞がある。そうすると、第4次伸縮性シート33を幅方向に2分割して製造する一対のサイドフラップ20a,20bにファスニングテープ21を均等に存在させることができず、不良品となったり、見栄えが悪くなったりしてしまう。そこで、本実施形態では、第3次伸縮性シート32が有する第2次伸縮性シート31を収縮させた後に、第3次伸縮性シート32にファスニングテープ21等を接合する。
そのために、ファスニングテープ21等を接合する前に、サクションベルト801の平坦な上面で第3次伸縮性シート32を支持して搬送する。そうすることで、第3次伸縮性シート32が有する第2次伸縮性シート31を幅方向に収縮させることができる。また、サクションコンベア80よりも搬送方向の下流側の位置に第3接合ローラー81a,81bを設けることで、サクションベルト801上で第2次伸縮性シート31を幅方向に収縮させた後に、第3次伸縮性シート32にファスニングテープ21等を接合することができる。
但し、サクションベルト801上で第3次伸縮性シート32を自由に収縮させてしまうと、第2次伸縮性シート31の収縮時に作用する力の影響や、間に介在された糸状弾性部材23の伸長倍率の誤差の影響で、サクションベルト801上での第3次伸縮性シート32の幅方向の位置がずれてしまう虞がある。そうすると、第3次伸縮性シート32の幅方向の適切な位置に、即ち、第2下部シート25bと重なるように、上部シート26を接合できず、幅方向の中央部からファスニングテープ21がずれて接合されてしまう。そうすると、第4次伸縮性シート33を幅方向に2分割して製造する一対のサイドフラップ20a,20bにファスニングテープ21を均等に存在させることができない。
そこで、本実施形態では、第2下部シート25b(連続シートに相当)の幅方向の両端部に幅方向に伸長した状態である第2次伸縮性シート31(伸縮性シートの連続体に相当)を接合して、第3次伸縮性シート32(複合シートの連続体に相当)を形成した後に、第3次伸縮性シート32が有する第2下部シート25bの幅方向の位置を拘束した状態で第3次伸縮性シート32をその連続する方向に沿って搬送し、サクションベルト801上で第3次伸縮性シート32が有する第2次伸縮性シート31を収縮させる。その後に、ファスニングテープ21(止着テープに相当)を接合する。そのために、サクションベルト801の上面で第3次伸縮性シート32を支持すると共に、サクションベルト801の上面(搬送面)に第2下部シート25bを吸引吸着させて、第3次伸縮性シート32を搬送する。
具体的には、図6Cに示すように、サクションベルト801の幅方向の中央部、即ち、第2下部シート25bが搬送される部位にだけ、サクションベルト801の厚さ方向に貫通する多数のサクション孔805を設ける。また、サクションベルト801の内側に、例えば不図示のファンによりサクション孔805からサクションベルト801上の空気を吸引するサクションボックス804を設ける。そうすることで、サクションベルト801の上面のうち幅方向の中央部にだけ吸引力を発生させることができ、サクションベルト801の上面に第2下部シート25bを吸引吸着させることができる。一方、サクションベルト801の幅方向の両端部、即ち、第2次伸縮性シート31が搬送される部位にはサクション孔805が設けられていないため、第2次伸縮性シート31は、サクションベルト801に吸引吸着せず、幅方向の位置は拘束されない。よって、第2次伸縮性シート31を幅方向に収縮させつつ第2下部シート25bの幅方向の位置を拘束した状態で、サクションベルト801上の第3次伸縮性シート32を搬送することができる。
その結果、第3次伸縮性シート32が有する第2次伸縮性シート31を収縮させた後に、第3次伸縮性シート32にファスニングテープ21等を接合できる。そのため、後工程の切断ローラー90の幅方向の位置に合わせて供給されたファスニングテープ21が、第3次伸縮性シート32に接合された後に、幅方向に位置ずれしてしまうことを抑制できる。また、サクションベルト801上での第2下部シート25bの幅方向の位置ずれが抑制され、第2下部シート25bの幅方向の中央部にファスニングテープ21を接合することができる。従って、第4次伸縮性シート33を幅方向に2分割して製造する一対のサイドフラップ20a,20bにファスニングテープ21を均等に存在させることができる。そのため、見栄えの悪化も抑制することができる。また、第3次伸縮性シート32やファスニングテープ21の幅方向の位置を管理する必要がなく、装置構成を簡略化できる。
また、サクションベルト801上で第2次伸縮性シート31を幅方向に収縮させた後に、第3次伸縮性シート32にファスニングテープ21等を接合するために、サクションコンベア80よりも搬送方向の下流側の位置に一対の第3接合ローラー81a,81bが設けられている。その結果、第3次伸縮性シート32とファスニングテープ21等との接合位置を、切断ローラー90に近付けることができている。この点からも、切断ローラー90に対するファスニングテープ21の幅方向の位置ずれを抑制することができると言える。
また、第3次伸縮性シート32がサクションコンベア80から離れてからファスニングテープ21等が接合されるまでの間、第3次伸縮性シート32を他の部材で拘束しない状態で搬送する。そのために、本実施形態では、サクションコンベア80と一対の第3接合ローラー81a,81bとの間に空間を設け、第3次伸縮性シート32を宙に浮かせて搬送する。そうすることで、第2次伸縮性シート31をより確実に収縮させることができる。従って、第2次伸縮性シート31の収縮が完了した状態で第3次伸縮性シート32にファスニングテープ21等を接合することができ、切断ローラー90に対するファスニングテープ21の幅方向の位置ずれをより確実に抑制できる。
また、例えば、幅方向に間隔を空けて並ぶ2つの第2次伸縮性シート31の間に、第2下部シート25bを接合せずに、ファスニングテープ21が設けられた上部シート26を接合するだけでも、サイドフラップ20a,20bを製造することができる。しかし、本実施形態のように、下部シート25bを設けることで、ファスニングテープ21等を接合する前に、下部シート25bの幅方向の位置を基準にして、第2次伸縮性シート31を幅方向に収縮させつつ、第3次伸縮性シート32を搬送することができる。また、ファスニングテープ21は上部シート26(他の連続シートに相当)に接合されており、上部シート26を介してファスニングテープ21を第2下部シート25bに接合する。そうすることで、サイドフラップ20a,20bを2重構造にすることができ、強度を高められる。よって、使い捨ておむつ1の装着時にサイドフラップ20a,20bが引っ張られても破損を防止できる。換言すると、第2下部シート25bは、第2次伸縮性シート31が収縮する際の第3次伸縮性シート32の幅方向の位置の基準になると共に、サイドフラップ20a,20bの強度を高める役割を担う。
なお、本実施形態では、搬送方向に水平に延びたサクションベルト801で第3次伸縮性シート32を搬送しているが、これに限らない。例えば、第3次伸縮性シート32の幅方向を軸方向として回転するローラーであり、第2下部シート25bを外周面に吸着させることのできるローラーに、第3次伸縮性シート32を巻き付けて搬送してもよい。この場合にも、グリップ性のあまり高くないローラーを使用すれば、ローラーによる搬送時に第2次伸縮性シート31を収縮させることができる。また、サクションベルト801に第2下部シート25bを吸引吸着させているが、これに限らず、例えば、静電吸着させてもよい。また、サクションコンベア80と一対の第3接合ローラー81a,81の間に空間を設けているが、これに限らず、これら80,81a,81bを隣接させてもよい。また、第2次伸縮性シート31が収縮した後にサクションベルト801上でファスニングテープ21等を接合してもよい。
<Step5:第4次伸縮性シート33の切断>
一対の第3接合ローラー81a,81bで接合された後、第4次伸縮性シート33は、図5に示す切断ローラー90と受けローラー91との間を通過し、図3Aに示すように、搬送方向に延びる2本の切断ラインC2に沿って切断され、幅方向に2分割される。なお、受けローラー91に対して切断ローラー90を上下方向の下方に配置することで、切断時に発生する切り屑が第4次伸縮性シート33にかかってしまうことを防止できる。
本実施形態では、切断ラインC2を台形波状とする。例えば、幅方向の左側の切断ラインC2では、ファスニングテープ21を跨いで幅方向の左側から右側へと延びるラインL1と、そのラインL1から搬送方向に沿って延びるラインL2と、そのラインL2からファスニングテープ21を跨いで幅方向の右側から左側へと延びるラインL3と、そのラインL3から搬送方向に沿って延びるラインL4と、が順に繰り返される。その結果、幅方向に2分割された第4次伸縮性シート33の左側の部位33Lでは、幅方向の右側側辺から突出した台形状の山部が、搬送方向に所定の間隔おきに複数形成される。逆に、幅方向に2分割された第4次伸縮性シート33の右側の部位33Rでは、幅方向の左側側辺から突出した台形状の山部が、搬送方向に所定の間隔おきに複数形成される。このように第4次伸縮性シート33を幅方向に2分割するために、切断ローラー90の外周面に、その一周に亘って、2本の切断ラインC2と同じラインである刃先を設けるとよい。但しこれに限らず、例えば、搬送される第4次伸縮性シート33に対して切断部材を切断ラインC2に沿って動かしてもよい。
なお、第4次伸縮性シート33を幅方向に2分割する切断ラインC2は、台形波状に限らず、例えば、正弦波状や、S字カーブ状、矩形波状であってもよいし、搬送方向に沿った直線でもよい。また、本実施形態では、台形状の山部が所望の角度となるように2本の切断ラインC2で第4次伸縮性シート33を切断しているため、トリム屑33’が発生する。但しこれに限らず、1本の切断ラインで第4次伸縮性シート33を2分割し、トリム屑が発生しないようにしてもよい。
そして、幅方向に2分割された第4次伸縮性シート33R,33Lを、不図示の切断部材により、幅方向に沿う切断ラインC3で切断し、多数のサイドフラップ20a,20bを製造する。本実施形態では、1つのサイドフラップ20a,20bが台形状の山部を2つ備えるように切断する。その結果、2分割された第4次伸縮性シートの右側の部位33Rから、使い捨ておむつ1の幅方向の左側に取り付けられるサイドフラップ20aが製造され、2分割された第4次伸縮性シートの左側の部位33Lから、使い捨ておむつ1の幅方向の右側に取り付けられるサイドフラップ20bが製造される。
以上のように、第2下部シート25bや上部シート26の幅方向の両端部に第2次伸縮性シート31が接合された第4次伸縮性シート33を幅方向に2分割する際に、2分割した両部材33L,33Rにファスニングテープ21が存在するように切断する。そうすることで、対称形状である一対のサイドフラップ20a,20bを製造することができる。なお、サイドフラップ20a,20bの製造後、幅方向の側部から突出する台形状の山部を内側へ折り畳んでおくとよい。そうすることで、台形状の山部のひるがえりによる不具合(例えば装置内の部品との引っ掛かり等)の発生を防止することができる。
<Step6:サイドフラップ20a、20bと本体部10の接合>
最後に、互いに別系統の工程で製造された使い捨ておむつ1の本体部10とサイドフラップ20a,20bとを接合し一体化して、使い捨ておむつ1を製造する。具体的には、本体部1の背側部における幅方向左側の部位において、表面シート11と裏面シート12の間にサイドフラップ20aの第3下部シート25cを介在させて接合し、本体部1の背側部における幅方向右側の部位において、表面シート11と裏面シート12の間にサイドフラップ20bの第1下部シート25aを介在させて接合する。
===変形例===
図7は、サイドフラップ20a,20bの製造方法及び製造装置の変形例の説明図である。上記の実施形態では、サクションベルト801に第3次伸縮性シート32が有する第2下部シート25bを吸引吸着させているが、これに限らない。例えば、図7に示すように、サクションボックス804等を有さない搬送コンベア92(搬送機構に相当)の上面(搬送面)で第3次伸縮性シート32を支持すると共に、搬送コンベア92の上面と押さえベルト93(押さえ部材に相当)とで第2下部シート25bを挟み込んで、第3次伸縮性シート32搬送してもよい。この場合にも、第2下部シート25bの幅方向の位置を拘束した状態で第3次伸縮性シート32を搬送することができる。また、押さえベルト93の代わりに、例えば、第3次伸縮性シート32の幅方向を軸方向として回転する従動ローラー(押さえ部材に相当)と搬送コンベア92とで第2下部シート25bを挟み込むようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、図2に示す構成であるサイドフラップ20a,20bを製造しているが、これに限らない。例えば、第2下部シート25bの幅方向の片側端部にだけ第2次伸縮性シート31を接合してサイドフラップ20a,20bを製造するようにしてもよい。また、例えば、第1次伸縮性シート30の幅方向の両端部を切断しなくてもよいし、上部シート26と第2下部シート25aの何れか一方だけを有する構造にしてもよいし、第1下部シート25aや第2下部シート25bを設けずに第2次伸縮性シート31の幅方向の端部を本体部10に接合するようにしてもよい。また、2つの第2次伸縮性シート31を第2下部シート25bや上部シート26で連結せずに、1つの伸縮性シートを幅方向に2分割することで一対のサイドフラップを製造してもよい。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
上記の実施形態では、伸縮性部材として使い捨ておむつ1のサイドフラップ20a,20bを製造しているが、これに限らない。例えば、使い捨ておむつ1の他の部品、例えば、ウェストギャザーや脚周りギャザーや立体ギャザー等の製造に本発明に係る伸縮部材を使用してもよい。
上記の実施形態では、伸縮性部材を使用する吸収性物品として、展開型の使い捨ておむつ1を例に挙げているが、これに限らない。吸収性物品が、例えば、生理用ナプキンでもよいし、ペットの排泄場として使用されるペットシートでもよい。また、吸収性物品に限らず、例えば、清掃用モップなどに取り付けられて使用される清掃用シートなど、他の製品に本発明に係る伸縮性部材を使用してもよい。