JP4005778B2 - キースイッチ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はパーソナルコンピュータやワードプロセッサ等の各種入力装置として用いられるキースイッチ装置に係り、特に、ノート型のパーソナルコンピュータなどの小型・薄型に対応したキースイッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、キースイッチ装置は、装置全体の薄型化・小型化の要求に伴い、交差状にリンク結合させた一対のレバー部材の上端部にキートップを取付け、このキートップの昇降動作によって、一対のレバー部材のリンク交差する角度が変化するようにしたものが各種提案されている。
【0003】
この種の従来のキースイッチ装置を図16乃至図18に基づいて、以下に説明する。
図16に示すように、キースイッチ装置は、キートップ101と、このキートップ101の下方に配置されたホルダ部材130と、このホルダ部材130から離間した上昇位置とホルダ部材130に近接した降下位置との間でキートップ101を案内支持する案内支持部材106と、キートップ101とホルダ部材130との間に配設されたスイッチング部材としてのラバースプリング131とから主に構成されている。
【0004】
図16および図17に示すように、キートップ101は、その上面に文字(不図示)が印刷により形成され、その裏面にそれぞれ一対の回動係止部101a、摺動係止部101bが設けられている。そして、一対の回動係止部101aには係止孔104が穿設されており、また、一対の回動係止部101bには係止溝105が形成されている。
【0005】
案内支持部材106は、2つの樹脂製のリンク部材107、108からなり、図18に示すように、コ字状に形成された一方のリンク部材107は、一対の板状体107aを有し、各板状体107aの一端部を連結する係止軸107bにより一体に形成されるとともに、各板状体107aの各々の他端には係止ピン107dが形成されている。また、各板状体107aの中央部分の内側には、それぞれ軸体107cが形成されている。
【0006】
また、図16および図17に示すように、他方のリンク部材108は、一対の板状体108aを有し、各板状体108aの一端部を連結する係止軸108bにより一体に形成されるとともに、各板状体108aの各々の他端には係止ピン108dが形成されている。
また、各板状体108aの中央部分の内側間には、押下軸110が設けられて、この押下軸110がラバースプリング131の上面に載置されるとともに、キートップ101の押下時に各リンク部材107、108の相互の回動に伴ってラバースプリング131を下方に押下してスイッチング動作を行なうようになっている。
【0007】
また、各板状体108aの中央部分の外側には、それぞれ軸孔(図示せず)が設けられており、各軸孔にはリンク部材107の各軸体107cが回動可能に軸支される。これにより、両リンク部材107、108は各軸体107cおよび軸孔を介して相互に交差して回動可能となるものである。
【0008】
図16に示すように、一方のリンク部材107の係止軸107bは、キートップ101の回動係止部101aの係止孔104内に回動可能に係止される。さらに、係止ピン107dはホルダ部材130に形成された取付部126に摺動係止される。
また、他方のリンク部材108の係止軸108bは、ホルダ部材130に形成された取付部127に回動可能に係止される。さらに、係止ピン108dはキートップ101の摺動係止部101bの係止溝105に摺動可能に係止されるものである。
【0009】
また、図17に示すように、両リンク部材107、108は各々の板状体107a、108aの先端部の上下方向の幅寸法を細径となる薄いものにしてある。このためキートップ101が押下された場合に、両リンク部材107、108の板状体107a、108aの各端部はキートップ101の押下の途中で互いに干渉して接触することがなく、キーストロークを十分に確保できるように構成されている。
【0010】
次に、キースイッチ装置の動作について説明すると、図16において、キートップ101を押下すると、その下方への移動に伴ってリンク部材107の係止軸107bは回動係止部101aの係止孔104内で回動するとともに、リンク部材108の係止ピン108dは摺動係止部101bの係止溝105内で水平方向(図16の右方向)に摺動する。これと同時に、リンク部材108の係止軸108bはホルダ部材130の取付部127の係止孔内で回動するとともに、リンク部材107の係止ピン107dは摺動係止する取付部126内で水平方向(図16の右方向)に摺動する。
【0011】
この結果、リンク部材107及び108を相互に軸支する軸支部Aは、下方に移動するとともに、ラバースプリング131を徐々に押下していき、ラバースプリング131は挫屈される。これにより、ラバースプリング131内の可動接点(図示せず)がホルダ部材130上の固定接点パターン(図示せず)を短絡し所定のスイッチング動作が行われる。
キートップ101の押下を解除すると、両リンク部材107,108の軸支部Aはラバースプリング131の弾性復元力により上方に押し上げられ、上述した場合と逆の動作(スイッチオフ動作)を行い、この結果として、キートップ101は元の位置に復帰される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のキースイッチ装置は、近年の小型化・薄型化に対応して、上述したように各リンク部材107,108の先端部の上下幅寸法を薄くするなどの対策が採られている。このように各リンク部材107,108を薄くしていくと、例えば、各板状体107aの先端部の上下幅寸法に合わせて、リンク部材107の係止軸107bの直径の大きさもほぼ同じ細径のものとなってくる。
【0013】
しかしながら、各リンク部材107,108にキートップ101が強固に係合しているキースイッチ装置において、ユーザーあるいは組み立て作業者などが各リンク部材107,108からキートップ101を取り外す場合に、無理な外力(抜去力)をキートップ101に加えて引っ張ると、キートップ101の回動係止部101aが係止軸107bに係合した細径部分に、その外力が集中して加わり、細径部分から簡単に折れてしまうおそれがあった。そして、ユーザーが破損した場合には、キースイッチ装置としてそのまま使用できず、修理に出さなければならないという問題があった。
【0014】
本発明の目的は、薄型・小型化されたキースイッチ装置において、レバー部材からキートップが取り外しされる時に、レバー部材の破損の防止を図るようにしたキースイッチ装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する第1の解決手段は、裏面に対向配置された一対の係止部を有するキートップと、該キートップの下方に配置され、基軸部と該基軸部の両端から延設された互いに対向する一対の腕部とをそれぞれ有し、前記一対の腕部の略中央部分を交差部位として回動自在に連結した一対のレバー部材と、前記一対のレバー部材の各下端部を係合可能なレバー取付板と、前記一対のレバー部材の各上端部に跨って取付けられたアクチュエータ部材とを備え、前記一方のレバー部材の前記基軸部には、その中央に前記アクチュエータ部材の一端部を回動可能に軸支する回動支持受け部が形成されるとともに、その両端側に前記キートップの前記一対の係止部を係止させる係止受け部が形成され、前記キートップ裏面の前記一対の係止部の互いに対向する対向面には、下方に向けて該係止部の突出量より少なく突出させた着脱当接部を設け、前記アクチュエータ部材には、前記一端部に対向する一対の側壁部が形成され、前記キートップの前記一対の係止部が前記一方のレバー部材の前記係止受け部に係止された際には、前記アクチュエータ部材の前記一対の側壁部に前記着脱当接部の互いに対向する内壁部が当接することにより前記一対の係止部と前記一対の側壁部との間を離間させるようにしたことにある。
【0016】
また、第2の解決手段としては、着脱当接部は、下方に突出する下端面を有し、この下端面は、互いに対向する内壁部側から各係止部側に行くにつれて徐々に突出高さを増す形状にしたものである。
【0017】
また、第3の解決手段としては、アクチュエータ部材は長方形の平板状をした基部を有し、アクチュエータ部材の一対の側壁には、基部の短手方向となる幅方向に切り込みされて段部が形成され、一対の側壁部に着脱当接部の互いに対向する内壁部が当接した際に、着脱当接部の下端面と段部により、外力吸収用の空間部が形成されたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態であるキースイッチ装置を図1乃至図15に基づいて以下に説明する。
このキースイッチ装置は、図1に示すように、樹脂製からなるキートップ11と、キートップ11の下方に配置されたレバー取付板15と、キートップ11をレバー取付板15から離間させた上昇位置とレバー取付板15に近接させた降下位置との間で、キートップ11を案内支持するリンク部材20と、リンク部材20の下方で、かつレバー取付板15の上方に取り付けられたスイッチ部材30と、から主に構成されている。
【0020】
上記キートップ11は、図4乃至図9に示すように、外形が略矩形状に形成され、上面にアルファベット等の文字(不図示)が印刷により形成された操作面11aと、前方(図5中の左側)に斜めに形成された傾斜面部11bと、後方にほぼ直角に形成された背面部11cと、操作面11aの下方に操作面11aとほぼ平行に形成された裏面11dと、裏面11d側の外周縁部分に形成された外周縁面11eとを有している。
裏面11dの前後側(図4中の左右側)には、幅狭に対向配置された一対の第1係止部11fと、幅広に対向配置された一対の第2係止部(係止部)11gとがそれぞれ下方に突出して一体形成されている。
キートップ11の傾斜面部11bの下方側には第1リブ11hが、裏面11dの後方隅部には一対の第2リブ11jが、それぞれ外周縁面11eと面一に一体形成されている。
【0021】
上記一対の第2係止部11gは、図4,図6乃至図9に示すように、断面がほぼL字状をした一対の係止受け部11kと、この係止受け部11kの互いに対向する対向面に形成され、図7の下方の外周縁面11e方向に突出した着脱当接部11mとからなっている。
上記係止受け部11kは、略直方体状をした基体部11pと、基体部11pの下方に一体成形された爪受け部11qとからなる。さらに、基体部11pは、上方部分をキートップ11の裏面11dに、後方部分を背面部11cにそれぞれ一体成形されている。
また、爪受け部11qは、その断面がフック状となり、その高さ寸法が外周縁面11eから僅かに突出している。
【0022】
上記一対の着脱当接部11mは、図9に示すように、下方に突出した部分(図7の上方側部分)に下端面11nがそれぞれ形成され、互いに対向する内壁部11s側から各第2係止部11gの係止受け部11k側に行くにつれて徐々に突出高さを増す傾斜形状となっている。
なお、この一対の下端面11nは、階段状であっても良い。
【0023】
上記リンク部材20は、図3Aおよび図3Bに示すように、一対のレバー部材(第1レバー24、第2レバー25)23と、1つのアクチュエータ部材26とから構成されている。
【0024】
上記第1レバー(外側レバー)24は、図10乃至図14に示すように、樹脂製からなり、基軸部24aと、この基軸部24aの両端から一体に延設された互いに対向する一対の腕部24bとから略コ字状に形成されている。
各腕部24bの先端部(他端部)は自由端となり、この先端部には外方に突出形成された一対の係支突起24cを有している。
各腕部24bのほぼ中央の内側壁には、図13に示すように、裏面側から切り欠いた係合溝24d、24dが互いに対向するように形成されている。
【0025】
上記基軸部24aは、その中央部分に断面が円形状をした細径の回転支持受け部24e(図14参照)が形成されていて、この回転支持受け部24eの両端側に矩形溝状をした係止受け部24fがそれぞれ形成(図11参照)されている。上記各係止受け部24fにはキートップ11の一対の第2係止部11gが嵌着するようになっている。
【0026】
上記第2レバー(内側レバー)25は、図3Aに示すように、樹脂製からなり、互いに平行な一対の腕部25bと、これら腕部25bの各両端部どうしを一体に連結する、断面が略円形の基軸部25a、25cとから形成されている。
各腕部25bのほぼ中央の外壁側には、外方に突出した一対の係合軸25dが形成されている。
各腕部25bの基軸部25c側の外側壁には、下部回動係支突起25eがそれぞれ突出して形成されている。
そして、各係合軸25dが第1レバー24の係合溝24d内に係合することで交差部位S(図1参照)が形成され、第1レバー24と第2レバー25とが互いにこの交差部位Sを介して回動自在となっている。
【0027】
上記アクチュエータ部材26は、図15A乃至図15Dに示すように、樹脂製からなり、略長方形の平板状をした基部26aを有している。この基部26aは、下面中央に円形でかつ薄肉状にしたラバーキャップ当接部26bが形成され、基部26aの幅方向(短手方向)に対向配置された側壁部26fが形成されている。
【0028】
そして、基部26aの長手方向の一端部側(図中の右側)の下面には、矩形状に突出形成された係止突起26dが形成され、この係止突起26dの長手方向の両端に基部26aの裏面とにより鍔状をした段部26kが形成されている。
また、係止突起26dの中央には、基部26aを略矩形状に貫通した係止孔部26eが形成され、この係止孔部26eに沿って係止突起26dには断面がC字形状となる長溝部26gが形成されている。
【0029】
また、基部26aの長手方向の他端部側(図中の左側)には、断面が略U字状をした上部摺動受け部26cが形成され、その上部摺動受け部26cの外方端面(図中の左端面)の中央に係合突起26tが突出形成されていて、その係合突起26tの両側に係合受け部26sが形成されている。
そして、上記上部摺動受け部26cには第2レバー25の基軸部25aが摺動可能に係支し、上記係止突起26dが長溝部26gを介して第1レバー24の回転支持受け部24eにスナップインするようになっている。
【0030】
上記レバー取付板15は、図1に示すように、略矩形状をした金属製平板からなる基部15aを有している。
この基部15aには、その左方側の端部には、L字状をした一対の下部摺動係支部16が切り起こし形成されている。
また、基部15aには、上方に略L字状に折り曲げ形成された一対の下部回動係支部18と、上方に突出形成された一対の抜止め係止部(突起部)19とが、互いに近接して設けられている。
そして、レバー取付板15の下部回動係支部18と抜け止め係止部19との間には第2レバー25の下端部(基軸部25cおよび下部回動係支突起25e)が係合可能となり、下部摺動係支部16には第1レバー24の下端部である係支突起24cが係合可能となっている。
【0031】
図1に示すように、スイッチ部材30は、上方にラバーキャップ31を備えたメンブレンスイッチで構成されている。
上記スイッチ部材30は、絶縁性のフィルムシート33と、フィルムシート33上に複数のスイッチ素子の一部である、いわゆる一対の固定電極(図示せず)とを有している。
上記ラバーキャップ31は、ドーム状の内部の天井部分に下方に突出した押圧突起31aが形成され、この押圧突起31aの先端部分に、導電性の膜からなる可動電極32が印刷などにより形成され、上記一対の固定電極と当接してスイッチングするようになっている。
そして、ラバーキャップ31は、押圧突起31aの可動電極32が図示しない固定電極と対向するように、その下端部分がフィルムシート33上に接着剤などで貼り付けられている。
【0032】
なお、レバー取付板15上面の外周縁部分には、複数の開口部を有する金属製の保持プレート37が取付けられ、この開口部から、レバー取付板15の一対の下部摺動係支部16、一対の下部回動係支部18および抜止め係止部(突起部)19、さらにレバー取付板15に取り付けられたリンク部材20とがそれぞれ上方に向けて突出している。
また、フィルムシート33aの下方にはメタルプレート40が配置されている。
【0033】
次に、このように構成されたキースイッチ装置の組立て方法を説明すると、先ず、図3A、3Bに示すように、第2レバー(内側レバー)25の各係合軸25dと第1レバー(外側レバー)24の各係合溝24dとが係合するように、第2レバー25に第1レバー24を上方から被せて、互いに交差部位Sを回転自在に連結したレバー部材23を組み立てる。
【0034】
続いて、アクチュエータ部材26を準備し、レバー部材23である第1,第2レバー24,25のうち、第2レバー25の中央開口部分にアクチュエータ部材26の係合突起26t側を潜らせるとともに、この状態で、第2レバー25の基軸部25aを上部摺動受け部26c内に当接させる。そして、係止突起26dを第1レバー24の回動支持受け部24eに上方から下方に移動させて、係止突起26dの長溝部26gを回転支持受け部24eにスナップインさせて嵌着する。このようにして、リンク部材20を完成させる。
【0035】
次に、図1に示すレバー取付板15を準備して、このレバー取付板15上面に上記リンク部材20を上方から挿入して載置し、リンク部材20の第1、第2レバー24,25が水平方向に互いに重なり合った状態で、そのレバー取付板15の基部15a上面にリンク部材20を摺接させながら移動させる。すると、第2レバー25の基軸部25cがレバー取付板15の一対の抜止め係支部19の稜部を摺接しながら乗り越え、この基軸部25cが下部回動係支部18と抜止め係支部19の破断面間に挟持された状態で位置するとともに、下部回動係支突起25eが下部回動係支部18内に係合する。
また、同時に、第1レバー24の係支突起24cが下部摺動係止部16内に摺動可能に係合する。
このようにして、レバー取付板15にリンク部材20の第1、第2レバー24,25の下端部が取り付けられる。
【0036】
次に、リンク部材20が取付られたレバー取付板15を保持プレート37の開口部に向けて下方から挿入し、レバー取付板15に図示しない切り起こし部分を介してスナップインさせ係合する。
続いて、あらかじめラバーキャップ31の下端部分を接着剤などで貼り付けたフィルムシート33aを上述の保持プレート37の下方に配設し、アクチュエータ部材26のラバーキャップ当接部26bにラバーキャップ31の頂部を当接させた状態でフィルムシート33を保持プレート37に重ね合わせし、さらにそのフィルムシート33の下方にメタルプレート40を重ねて取り付ける。
【0037】
次に、キートップ11を準備して、このキートップ11を保持プレート37の開口部から露出したリンク部材20の上方から被せる。
このとき、ラバーキャップ31の弾性力により図1に示す上昇位置状態となっているリンク部材20に対し、第1リブ11hおよび一対の第2リブ11jが挿入する際のガイドにしながら、キートップ11を上方から押し下げる。すると、一方の一対の第1係止部11f間にアクチュエータ部材26の係合突起26が嵌入するとともに、第1の係止部11fが係合受け部26sにスナップインされ、他方の一対の第2係止部11gは、第2係止部11g間に配設された各着脱当接部11mにアクチュエータ部材26の基部26aの側壁部26fを摺接させながら、一対の第2係止部11g間にアクチュエータ部材26の係止突起26d部分が配置されるとともに、各第2係止部11gが係止受け部24fにスナップインされる。
その後、ラバーキャップ31がその弾性力により復帰し、リンク部材20が上昇されて図1に示す上昇位置におけるキースイッチ装置が完成する。
【0038】
次に、キースイッチ装置のリンク部材20からキートップ11を取り外す動作を説明する。
キートップ11には、第1係止部11f、第2係止部11gの係合受け部26s、係止受け部24fへの係合を解除する外力(抜去力)が加えられる。
このとき、図2に示すキートップ11の裏面11d側において、アクチュエータ部材26の基部26aの側壁部26fに、キートップ11の着脱当接部11mの内壁部11sが当接すとともに、この外力により樹脂製のリンク部材20全体が撓む。
【0039】
そして、所定の外力が図2の紙面奧方向に加えると、従来、所定の箇所(細径の係止軸107bの端部)に集中していた外力(抜去力)が、キートップ11の着脱当接部11m(図9参照)および/又はアクチュエータ部材26の段部26kの各幅寸法に対応して、第1レバー24の基軸部24aの回転支持受け部24eに対して分散された状態で、キートップ11の第2係止部11gが係止受け部24fから係合解除される。
さらに、キートップ11の第1係止部11fが係合受け部26sから係合解除される。
【0040】
なお、キートップ11の下端面11nおよびアクチュエータ部材26の段部26kにより、その上方(図2の紙面の直交方向)に空間部分が形成されたことによって、必要以上の外力を加えてもこの空間部分で撓み力が吸収され、第1レバー24の回転支持受け部24eを撓みやすくしている。
このようにして、リンク部材20からキートップ11を、第1レバー24の細径の回転支持受け部24eが折れることなく、取り外しされる。
【0041】
このように、着脱当接部11mの下端面11nを傾斜させることにより、第1レバー24の基軸部24aの回転支持受け部24eに対して外力が徐々に加わるので、より一層、所定の箇所への過度な外力を抑制できる。
また、キートップ11の着脱当接部11mは、その下端面11nを傾斜形状としたので、リンク部材20にキートップ11を取り付ける際に、その傾斜形状を利用してスムーズに挿入することもできる。
また、キートップ11およびリンク部材20(第1レバー24,第2レバー25,アクチュエータ部材26)に多少寸法のばらつきがあったとしても、キートップ11の挿着・抜去の際に、そのばらつきを着脱当接部11mおよび/または段部26kにより微調整できるので、細径の回転支持受け部24eの一カ所に外力が集中して加わることがない。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態以外にも下記に参考例として示すように、変更して実施することができる。
例えば、上述した実施形態では着脱当接部11mをキートップ11の第2係止部11gに一体に形成したが、この着脱当接部11mをリンク部材20側に設けても良い。すなわち、第1レバー24の係止受け部24fに着脱当接部11mを設けて、基軸部24aにおける回動支持受け部24eの端部とキートップ11の第2係止部11gとの係合部分に着脱当接部11mを介在させることにより、その着脱当接部11mの寸法分だけ係合部分から離間させるようにする。これによって、キートップ11をリンク部材20から取り外す際に、細径をした回動支持受け部24e(従来の係止軸107b)の端部に集中した外力(引張力)を分散させることにより、この回動支持受け部24eが折れることを防止することができる。
特に、上記実施形態における第1レバー24の回動支持受け部24eは、アクチュエータ部材26および第1、第2レバー24,25が面一となる、極めて薄い構造とすべく、より細径となっているため、本発明の着脱当接部11mを設けることでより一層折れ防止の効果を奏するものとなる。
【0043】
以上のように構成され、組み立てられた本実施形態のキースイッチ装置は、以下に示す効果を奏する。
1)第1レバー24の基軸部24aには、その中央にアクチュエータ部材26の一端部を回動可能に軸支する回動支持受け部24eが形成され、その両端側にキートップ11の第2係止部11gを係止させる係止受け部24fが形成され、一対の第2係止部11gの互いに対向する対向面には、下方に向けて突設された着脱当接部11mを設けたことにより、キートップ11を第1レバー24から取り外す際に、取り外しで生じる抜去力を着脱当接部11mの存在により従来の一点集中から分散させることができるので、第1レバー24の、従来例とほぼ同じ寸法をした細径の回動支持受け部24eが折れることを防止することができる。
【0044】
2)着脱当接部11mは、下方に突出する下端面11nを有し、この下端面11nは互いに対向する内壁部11s側から第2係止部11g側に行くにつれて徐々に突出高さを増す形状にしたことにより、キートップ11の第1レバー24からの抜去の際に、第1レバー24の第2係止部11gに対して外力が徐々に加えられ、よりスムーズに係合解除することができ、回動支持受け部24eが折れることをより防止することができる。
【0045】
3)アクチュエータ部材26の側壁部26fには、その幅(短手)方向に切り込み用の段部26kが形成されたことにより、この段部26kと着脱当接部11mとが当接する部分の近傍に、キートップ11の第1レバー24からキートップ11を抜去する際に、第1レバー24の回動係止受け部24eの撓み部分を逃がすための空間が確保されているので、より一層その抜去力の分散化が図られて、回動支持受け部24eが折れることをより防止することができる。
また、アクチュエータ部材26の幅方向に押さえつけ易くなるので、回動支持受け部24eも撓みやすくなる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように説明してきた本発明のキースイッチ装置は、裏面に対向配置された一対の係止部を有するキートップと、該キートップの下方に配置され、基軸部と該基軸部の両端から延設された互いに対向する一対の腕部とをそれぞれ有する一対のレバーと、一対のレバーどうしを腕部の略中央を交差部位として回動自在に連結し、一対のレバーの各下端部分がレバー取付板に回動または摺動可能に取り付けられ、一対のレバーの各上端部分間に跨って取付けられたアクチュエータ部材と、を備え、
一方のレバーの基軸部には、その中央にアクチュエータ部材の一端部を回動可能に軸支する回動支持受け部が形成され、その両端側にキートップの係止部を係止させる係止受け部が形成され、
一対の係止部の互いに対向する対向面には、下方に向けて突設された着脱当接部を設けたことにより、キートップを一方のレバー部材から取り外す際に、着脱当接部が取り外しで生じる抜去力を従来の一箇所への集中から分散させることができるので、一方のレバー部材の細径をした回動支持受け部が折れることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるキースイッチ装置の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態であるキースイッチ装置のキートップの裏面側から見た一部平面図である。
【図3】図3Aは、本発明の一実施形態であるリンク部材の組立てを説明するための一部平面図である。図3Bは、上記リンク部材の背面図である。
【図4】本発明の一実施形態であるキースイッチ装置のキートップの裏面図である。
【図5】図4におけるキートップの断面図である。
【図6】図4におけるキートップの一部拡大平面図である。
【図7】図4におけるキートップの一部拡大正面図である。
【図8】図4におけるキートップの一部拡大断面図である。
【図9】図4におけるキートップの一部拡大斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態であるキースイッチ装置の外側レバーの平面図である。
【図11】図10における外側レバーの背面図である。
【図12】図10における外側レバーの矢視線12−12における断面図である。
【図13】図10における外側レバーの裏面図である。
【図14】図1における外側レバーの矢視線14−14における矢視図である。
【図15】図15Aは、本発明の一実施形態であるキースイッチ装置のアクチュエータ部材の平面図である。図15Bは、上記アクチュエータ部材の裏面図である。図15Cは、上記アクチュエータ部材の矢視線15C−15Cにおける断面図である。図15Dは、図15Bにおけるアクチュエータ部材の右側面図である。
【図16】従来のキースイッチ装置の断面図である。
【図17】従来のキースイッチ装置の分解斜視図である。
【図18】従来のキースイッチ装置に用いられるレバー部材の平面図である。
【符号の説明】
11 キートップ
11d 裏面
11g 第2係止部(係止部)
11m 着脱当接部
11n 下端面
11s 内壁部
15 レバー取付板
23 一対のレバー
24 一方のレバー部材(第1レバー)
24a 基軸部
24b 腕部
24e 回動支持受け部
24f 係止受け部
25 レバー部材(第2レバー)
25a 基軸部
25b 腕部
26 アクチュエータ部材
26f 側壁
26k 段部
S 交差部位

Claims (3)

  1. 裏面に対向配置された一対の係止部を有するキートップと、該キートップの下方に配置され、基軸部と該基軸部の両端から延設された互いに対向する一対の腕部とをそれぞれ有し、前記一対の腕部の略中央部分を交差部位として回動自在に連結した一対のレバー部材と、前記一対のレバー部材の各下端部を係合可能なレバー取付板と、前記一対のレバー部材の各上端部に跨って取付けられたアクチュエータ部材とを備え、前記一方のレバー部材の前記基軸部には、その中央に前記アクチュエータ部材の一端部を回動可能に軸支する回動支持受け部が形成されるとともに、その両端側に前記キートップの前記一対の係止部を係止させる係止受け部が形成され、前記キートップ裏面の前記一対の係止部の互いに対向する対向面には、下方に向けて該係止部の突出量より少なく突出させた着脱当接部を設け、前記アクチュエータ部材には、前記一端部に対向する一対の側壁部が形成され、前記キートップの前記一対の係止部が前記一方のレバー部材の前記係止受け部に係止された際には、前記アクチュエータ部材の前記一対の側壁部に前記着脱当接部の互いに対向する内壁部が当接することにより前記一対の係止部と前記一対の側壁部との間を離間させるようにしたことを特徴とするキースイッチ装置。
  2. 前記着脱当接部は、下方に突出する下端面を有し、該下端面は、互いに対向する前記内壁部側から前記各係止部側に行くにつれて徐々に突出高さを増す形状にしたことを特徴とする請求項1記載のキースイッチ装置。
  3. 前記アクチュエータ部材は長方形の平板状をした基部を有し、前記アクチュエータ部材の前記一対の側壁には、前記基部の短手方向となる幅方向に切り込みされて段部が形成され、前記一対の側壁部に前記着脱当接部の互いに対向する内壁部が当接した際に、前記着脱当接部の前記下端面と前記段部により、外力吸収用の空間部が形成されたことを特徴とする請求項2に記載のキースイッチ装置。
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