JP4034527B2 - キースイッチ装置およびこのキースイッチ装置の組立て方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はパーソナルコンピュータやワードプロセッサ等の各種入力装置として用いられるキースイッチ装置に係り、特に、ノート型のパーソナルコンピュータなどの小型・薄型に対応したキースイッチ装置およびこのキースイッチ装置の組み立て方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、キースイッチ装置は、薄型化要求に伴い、交差状にリンク結合させた一対のレバー部材の上端部にキートップを取付け、このキートップの昇降動作によって、一対のレバー部材のリンク交差する角度が変化するようにしたものが各種提案されている。
【0003】
図12乃至図14には、この種のキースイッチ装置の従来技術を説明するためのものであり、このキースイッチ装置の概略について説明する。
図12に示すように、キースイッチ装置は、キートップ101と、このキートップ101の下方に配置されたホルダ部材130と、このホルダ部材130から離間した上昇位置とホルダ部材130に近接した降下位置との間でキートップ101を案内支持する案内支持部材106と、ホルダ部材130の上面に取り付けられたスイッチ部材125と、キートップ101とスイッチ部材125との間に配設されたラバースプリング131とから主に構成されている。
【0004】
キートップ101は、その上面にアルファベット等の文字(不図示)が印刷により形成され、その裏面にそれぞれ一対の第1係止部102、第2係止部103が一体に設けられている。そして、一対の第1係止部102には係止孔104が穿設されており、また、一対の第2係止部103には係止溝105が形成されている。
【0005】
ホルダ部材130は、金属製の平板からなり、その平板上方にそれぞれ突出した一対の係止部126、127が形成され、さらに各係止部126に係止溝128が、各係止部127に係止孔129がそれぞれ形成されている。
【0006】
案内支持部材106は、2つの樹脂製のリンク部材107、108からなる。
図12および図13に示すように、一方のリンク部材107の一端には係止ピン113、114が延設され、その他端には係止ピン115、116が延設されている。
これら係止ピン113,114は、図12に示すように、キートップ101の係止孔104に係止される。同様に、これら係止ピン115,116は、ホルダ部材130の係止溝128に係止される。
図13に示すように、一方のリンク部材107は、基部109の中央部の一側面から軸112が延設されている。
【0007】
図12および図14に示すように、他方のリンク部材108の一端には係止ピン121、122が延設され、その他端には係止ピン123、124が延設されている。
これら係止ピン121、122は、図12に示すように、ホルダ部材130の係止孔129に係止される。同様に、これら係止ピン123、124は上記キートップ101の係止溝105に摺動可能に係止される。
図14に示すように、基部117の中央部には軸孔120が穿設されている。
【0008】
そして、図12に示すように、一方のリンク部材107の基部109に形成された軸112を他方のリンク部材108の基部117に穿設した軸孔120に挿通することにより軸支部Aが形成され、この軸支部Aが、スイッチ部材125の上部シート132に貼付けられたラバースプリング131の頂部に配置され、キートップ101を押下することにより軸支部Aを介してラバースプリング131を座屈させてスイッチング動作を行なうものである。
【0009】
このように構成されたキースイッチ装置を組立てるには、先ず、リンク部材107とリンク部材108とを交差状に組み立てて案内支持部材106とした後、リンク部材108の両係止ピン121、122をホルダ部材130の係止部127の係止孔129に圧入する。このとき、係止ピン121、122の係止孔129に対する圧入は、各係止ピン121、122相互の樹脂弾性を利用し撓ませて行なわれる。
【0010】
また、リンク部材107の係止ピン115、116を係止部126の係止溝128に圧入する場合においても、この圧入作業は係止ピン115、116相互の樹脂弾性を利用して撓ませて行なわれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このキースイッチ装置では、ホルダ部材130と、2つのリンク部材107、108からなる案内支持部材106との組立てを簡便に、かつ容易に行なうことができないという問題があった。
【0012】
すなわち、上述したように、リンク部材108の両係止ピン121、122をホルダ部材130の係止部127の係止孔129に圧入する際に、係止ピン121、122の係止孔129に対する圧入は、各係止ピン121、122相互の樹脂弾性を利用し撓ませて行なわれるので、各係止ピン121、122を係止孔129に位置決めするのは困難であり、そのため圧入作業(組立て作業)が不安定となりかなり煩雑なものであった。
【0013】
また、リンク部材107の係止ピン115、116を係止部126の係止溝128に圧入する場合においても、この圧入作業は係止ピン115、116相互の樹脂弾性を利用して撓ませて行なわれることから、上記同様にその組立て作業がかなり煩雑な作業であった。
【0014】
以上のように、上記キースイッチ装置においては、案内支持部材106の各リンク部材107、108とホルダ部材130との各連結作業が各部材の樹脂弾性を利用して行なわれるものであり、また、各係止ピン113等を各係止孔104等の内部に位置決めしつつ係止する必要があることから、キースイッチ装置の組立て作業全体に渡って煩雑な圧入作業を行なう必要があるという問題があった。
【0015】
本発明は、組立てが極めて容易なキースイッチ装置及びその組立て方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題の少なくとも1つを解決するための第1の解決手段として、互いに交差部位を回動自在に連結する第1、第2レバーと、
これら第1、第2レバーに支持されて昇降自在のキートップと、
キートップの昇降動作に伴いスイッチング動作可能なスイッチ部材と、
第1、第2レバーのそれぞれの下端部を係支する平板状の基部を有するレバー取付板とを備え、
スイッチ部材は、表面に固定電極を形成したメンブレンシートと、内部に固定電極に対向した可動電極を有するラバーキャップからなり、レバー取付板は平板状の金属板からなり、ラバーキャップを挿入する開口を有し、レバー取付板の上面に第1、第2レバーを設けると共に、レバー取付板には、第1レバーの下端部を摺動可能に係支する下部摺動係支部と、第2レバーの下端部を回転可能に軸支する係支体部とがそれぞれ設けられ、下部摺動係支部は、レバー取付板の基部に略直角に切り起こし形成された垂直壁からなる略L字状に形成されており、係止体部は、レバー取付板の基部から略直角に切り起こし形成された垂直壁からなる略L字状に形成された、第2レバーの下端部を位置決めする、一端部が開放された下部回動係支部と、レバー取付板の基部から傾斜して突出させ、先端に形成された破断面が下部回動係支部に対向した突起部からなる、第2レバーの下端部を抜け止めするための抜止め係支部とで形成されているものである。
【0019】
また、第2の解決手段として、第2レバーは、互いに平行な一対の腕部と、該一対の腕部の一端部どうしを連結する連結部と、該連結部を形成した部分の各腕部からそれぞれ延設された一対の下部回動係支突起とを備え、各下部回動係支部に各下部回動係支突起を係支するようにしたものである。
【0020】
また、第3の解決手段として、突起部の先端は、レバー取付板の一部に形成した破断面を有し、該破断面に連結部を当接するようにしたものである。
【0021】
また、第4の解決手段として、突起部は、連結部に沿うように、下部回動係支部の近傍に複数個形成されて、下部回動係支部と突起部により連結部を抜止め挟持したものである。
【0022】
また、第5の解決手段として、互いに交差部位を回動自在に連結する、第1および第2レバーを有するレバー部材と、
該レバー部材に支持されて昇降自在のキートップと、
キートップの昇降動作に伴いスイッチング動作可能なスイッチ部材と、
レバー部材のそれぞれの下端部を係支する、垂直壁を有する略L字状の下部摺動係支部、垂直壁を有する略L字状の下部回動係支部、および先端に形成された破断面が下部回動係支部に対向した抜止め係支部を有する金属板状のレバー取付板とを備え、下部摺動係支部および下部回動係支部がレバー取付板の基部から略直角状に切り起こし加工により形成され、抜止め係支部がレバー取付板の基部から突出加工により傾斜して形成され、
第1レバーと第2レバーとを組み付けてレバー部材を組立てる工程と、
レバー部材をレバー取付板に載置して、レバー部材の第1、第2レバーの各下端部が、レバー取付板の上面をそれぞれ摺接させながら移動させる工程と、
該工程で、第1レバーの下端部が下部摺動係支部内に摺動可能に係支されるとともに、
第2レバーの下端部が、一旦抜止め係支部を乗り越えてから下部回動係支部に係合され、下部回動係支部および抜止め係支部間に抜止め挟持された状態で回動可能となるようにしたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態であるキースイッチ装置を図1乃至図11に基づいて以下に説明する。
このキースイッチ装置は、樹脂製からなるキートップ11と、該キートップ11の下方に配置されたレバー取付板15と、このレバー取付板15から離間した上昇位置とレバー取付板15に近接した降下位置との間でキートップ11を案内支持するリンク部材20と、リンク部材20の下方およびレバー取付板15の上方に取り付けられたスイッチ部材30と、から主に構成されている。
【0024】
図1に示すように、上記キートップ11は、外形が略矩形状に形成され、上面に操作面11aを有し、裏面の両側(図中の左右側)にそれぞれ幅狭な一対の第1係合突起11b、幅広な一対の第2係合突起11cが突出形成されている。
【0025】
図1、図2、図3乃至図5に示すように、上記レバー取付板15は、略矩形状をした金属製平板からなる基部15aを有している。
基部15aは、図3に示すように、その略中央に透孔15bが形成されている。さらに、基部15aは、その一端側(図中の左側)に近接して一対の矩形状をした第1矩形孔15cが、その他端側(図中の右側)に互いに所定の間隔を有する一対の略矩形状をした第2矩形孔15dがそれぞれ形成されている。
【0026】
さらにまた、基部15aには、一対の第2矩形孔15d間に配設された一対の抜止め係止部(突起部)19と、該各第2矩形孔15dの内方側に面してそれぞれ配設された一対の下部回動係支部18とからなる係支体部17が設けられている。
すなわち、一対の下部回動係止部18は、各第2矩形孔15dの内側縁部分に略直角にそれぞれ切り起こし形成された略L字状となり、一対の抜止め係支部(突起部)19は、突出加工により、基部15a上面から一部を突き出して、透孔15b側を略直角となる破断面19aとし、透孔15bの反対側が緩やかに傾斜した稜部19bとなるように形成されている。
【0027】
また、図3に示す基部15aの左方側の上下側端部には、図4に示すように、L字状をした一対の下部摺動係支部16が基部15aから切り起こし形成されている。
そして、各下部摺動係支部16の図中の右方側に隣接し、かつ基部15aの上下側端部には、基部15aから略直角に切り起こした切り起こし部15fがそれぞれ形成されている。
各切り起こし部15fは、その中央部分が切り溝となり、この切り溝内に舌片15gが下方に向けて延設するとともに、外方に僅かに突出している。
【0028】
図1および図2に示すように、上記リンク部材20は、一対のレバー部材(第1レバー24、第2レバー25)23と、1つのアクチュエータ部材26とから構成されている。
図6Aおよび図6Bに示すように、第1レバー(外側レバー)24は、樹脂製からなり、互いに平行な一対の腕部24aと、これら腕部24aの一端部を一体に連結する連結部24bとから略コ字状に形成されている。
各腕部24aの他端部には、係支突起24cが外方に突出して形成されている。
各腕部24aのほぼ中央の内側壁には、裏面側(図6Aの紙面方向と直交する方向)から切り欠いた係合溝24d、24dが互いに対向するように形成されている。
【0029】
なお、上記連結部24bは、その中央部分に断面が円形状をした嵌着受け部24eを形成していて、この嵌着受け部24eの両端側に嵌着溝部24fがそれぞれ切欠き形成されている。上記嵌着溝部24fにはキートップ11の一対の第2係合突起11cが嵌着するようになっている。
【0030】
図7Aおよび図7Bに示すように、第2レバー(内側レバー)25は、樹脂製からなり、互いに平行な一対の腕部25aと、これら腕部25aの各両端部どうしを一体に連結する、断面が円形の連結部25b、25cとから形成されている。
各腕部25aのほぼ中央の外壁側には、外方(図7Aの上下方向)に突出した一対の係合軸25dが形成されている。
各腕部25aの連結部25c側の端部の外側壁には、上記係合軸25dの軸方向と平行となるように、下部回動係支突起25eがそれぞれ突出して形成されている。
【0031】
なお、各腕部25aのほぼ中央の内壁側には、後述するラバーキャップ31が配置されるように緩やかなカーブ形状に切り欠いている。
そして、各係合軸25dが第1レバー24の係合溝24d内に係合することで交差部位が形成され、第1レバー24と第2レバー25とが互いにこの交差部位を介して回動自在となっている。
また、図2に示すように、第1レバー24の腕部24aの内側壁と、第2レバー25の腕部25aの外側壁との間には、隙間部S1、S2が設けられ、レバー部材23をレバー取付板15に組み込んでリンク部材20を組立てする際に、これら隙間部S1,S2に抜止め係支部19が配置されて、位置規制されるようになっている。
【0032】
図8Aおよび図8Bに示すように、アクチュエータ部材26は、略長方形状をした樹脂製からなり、その中央の裏面に円形でかつ薄肉状にしたラバーキャップ当接部26aが形成されている。
アクチュエータ部材26の長手方向の一端側(図中の左側)には、断面が略U字状をした上部摺動受け部26bが形成され、その上部摺動受け部26bの外方端面(図中の左端面)に係合突起26cが突出して形成されている。
【0033】
また、その長手方向の他端側(図中の右側)には、矩形状に貫通形成された係止孔部26dが形成され、そのアクチュエータ部材26下面の係止孔部26dの周縁部分には、中央に長溝26gを有する係止突起26eが形成されている。
そして、上記上部摺動受け部26aには第2レバー25の連結部25cが摺動可能に係支し、上記係止突起26eの長溝26g内には第1レバー24の連結部24bがスナップインするようになっている。
【0034】
図1に示すように、スイッチ部材30は、上方にラバーキャップ31を備えたメンブレンスイッチ33で構成されている。
メンブレンスイッチ33は、絶縁性の樹脂からなるフィルムシート33a上に複数のスイッチ素子の一部である、いわゆる所定の間隔で並設された一対の固定電極(図示せず)が印刷などにより形成されている。
また、ラバーキャップ31は、内部がドーム状に形成された弾性部材からなり、内部の天井部分に下方に突出した押圧突起31aが形成され、この押圧突起31aの先端部分に、導電性の膜からなる可動電極32が印刷などにより形成され、上記一対の固定電極と当接してスイッチングするようになっている。
【0035】
そして、ラバーキャップ31は、押圧突起31aの可動電極32が図示しない固定電極と対向するように、その下端部分がフィルムシート33a上に接着剤などで貼り付けられている。
なお、フィルムシート33aの下部には、アルミニウムなどの金属板からなる平坦状のメタルプレート40が配設されていて、フィルムシート33aの上部には、矩形状の複数の開口部37aを有する金属平板の保持プレート37が配設され、スイッチ部材30のスイッチ素子の数に対応して、保持プレート37の開口部37aからリンク部材20を組み込んだレバー取付板15が露出するようになっている。
【0036】
次に、このように構成されたキースイッチ装置の組立て方法を図9および図10A、10B、10Cに基づいて以下に説明する。
先ず、第2レバー(内側レバー)25の各係合軸25dに第1レバー(外側レバー)24の各係合溝24dが係合するように、第2レバー25に第1レバー24を上方から被せて、互いに交差部位を回転自在に連結したレバー部材23を作り、第1レバー24、第2レバー25が互いに重ね合わせた状態にする(図10A参照)。
【0037】
続いて、アクチュエータ部材26を準備し、レバー部材23である第1,第2レバー部材24,25のうち、第2レバー25の中央開口部分にアクチュエータ部材26の上部摺動受け部26b側を潜らせた状態で、第2レバー25の連結部25bを上部摺動受け部26b内に当接させるとともに、係止突起26eを第1レバー24の嵌着受け部24eに上方から下方に移動させてスナップインさせて嵌着する。このようにして、図9に示すリンク部材20を完成させる。
【0038】
次に、図10Aに示すように、レバー取付板15を準備して、リンク部材20をそのレバー取付板15上面に上方から挿入し、図10Bに示すように、レバー取付板15上面にリンク部材20の下面を載置する。
このとき、レバー取付板15の各下部回動係支部18が第1レバー24の腕部24aと第2レバー25の腕部25a間の隙間部(図9のS1、S2部分)に配置され、下部摺動係支部16と切り起こし部15fとの間に第1レバー24の係支突起24cが位置する。これにより、リンク部材20が第1、第2レバー24,25が互いに重なり合った状態でレバー取付板15の基部15a上に確実に載置されて、これら下部回動係支部18,下部摺動係支部16,および切り起こし部15fによりリンク部材20の外枠およびS1、S2の隙間部分でその上下左右への動きが規制されるようになる。
【0039】
次に、図10Bに示すように、レバー取付板15に対してリンク部材20をそのレバー取付板15の基部15a上面を摺接させながら、矢印M方向(図中の左方向)に押圧して移動させる。
すると、第2レバー25の連結部25cがレバー取付板15の一対の抜止め係支部19の稜部19bを摺接しながら乗り越えて、連結部25cは下部回動係支部18と抜止め係支部19の破断面19a間に挟持された状態で位置するとともに、下部回動係支突起25eが下部回動係支部18内に係合する。
【0040】
上記移動中に、第1レバー24の係支突起24cが下部摺動係支部16内に、また、下部回動係支突起25eが下部回動係支部18内に、ほぼ同じタイミングで、それぞれ係支する(図10C参照)。
このようにして、図2に示すようなレバー取付板15にリンク部材20が取り付けられる。
【0041】
なお、レバー取付板15に取付けたリンク部材20を用いて、図1に示すキースイッチ装置を組み立てるには、さらに保持プレート37の開口部37aに上記レバー取付板15を下方から挿入し、レバー取付板15の切り起こし部15fの舌片15gを介してスナップインさせて係合させる。次に、あらかじめラバーキャップ31の下端部分を接着剤などで貼り付けたフィルムシート33aを保持プレート37の下方に配設し、アクチュエータ部材26のラバーキャップ当接部26aに当接させた状態でフィルムシート33aを重ね合わせし、さらにその下方にメタルプレート40を重ねることでキースイッチ装置が完成する。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、その主旨を逸脱しない範囲内において変更して実施することができる。
例えば、図11に示すように、レバー取付板15をフープ材のままの状態で、そのフープ状のレバー取付板15に複数のリンク部材20を組み付けるようにしてもよい。
この際の組立て方法は、上述したとおりであるが、このようにフープ材を用いたことにより、自動機による組み立てができ、より一層簡単に組み立て作業を行うことができる。
【0043】
以上のように構成され、組み立てられたキースイッチ装置は、以下に示す効果を奏する。
1)互いに交差部位を回動自在に連結する一対の第1、第2レバー24,25と、これら第1、第2レバー24、25に支持されて昇降自在のキートップ11と、キートップ11の昇降動作に伴いスイッチング動作可能なスイッチ部材30と、第1、第2レバー24,25のそれぞれの下端部を係支するレバー取付板15とを備え、レバー取付板15には、第2レバー25の下端部を回転可能に軸支する係支体部17と、第2レバー25の下端部を摺動可能に係支する下部摺動係支部16とがそれぞれ設けられたことにより、第2レバー25の下端部が係支体部17の下部回動係支部18および抜止め係支部19とに確実に位置決めされ、簡単に抜けないようにすることができる。
【0044】
2)抜止め係支部19は、レバー取付板15から突出させた突起部であることにより、抜止め係支部19をレバー取付板15の下面から単に突出しただけの簡単な構造であっても、抜け止めされたものとすることができる。
【0045】
3)第2レバー25は、互いに平行な一対の腕部25aと、該一対の腕部25aの一端部を一体に連結する連結部25cと、連結部25cを形成した部分のそれぞれの腕部25aから外方に延設された一対の下部回動係支突起25eとを備え、下部回動係支突起25eおよび連結部25cを、レバー取付板15の下部回動係支部18と抜止め係支部間で確実に抜止め挟持することができる。
【0046】
4)レバー取付板15には、該レバー取付板15を突出加工して抜止め係支部19とともに、その一部に破断面19aが形成され、この破断面19aを連結部25cと当接するようにしたことにより、抜止め係支部19の破断面19aでレバー部材23の第2レバー25の下端部の位置決めと抜け止めとを確実にすることができるとともに、抜止め係支部(突起部)19の破断面19a以外の部分(稜部19b)により簡単に連結部25cを挿入することができる。
【0047】
5)複数の突起部19は、連結部25cに沿うように、それぞれ下部回動係支部18の近傍に形成されて、下部回動係支部18と突起部19間に連結部25cを挟持したことにより、第2レバー25の連結部25cにねじれ方向や回転方向の外力が加わっても下部回転係支部18と抜止め係支部19とで確実に挟持させることができる。
【0048】
6)互いに交差部位を回動自在に連結する、第1および第2レバー24,25を有するレバー部材23と、該レバー部材23に支持されて昇降自在のキートップ11と、キートップ11の昇降動作に伴いスイッチング動作可能なスイッチ部材30と、レバー部材23のそれぞれの下端部を係支する、下部摺動係支部16、下部回動係支部18、および抜止め係支部19を有するレバー取付板15とを備え、第1レバー24と第2レバー25とを組み付けてレバー部材23を組立てる工程と、レバー部材23をレバー取付板15に載置して、レバー部材23の第1、第2レバー部材24,25の各下端部が、レバー取付板15の上面をそれぞれ摺接しながら移動する工程と、この移動する工程の際に、第1レバー24の下端部が下部摺動係支部16内に摺動可能に係支されるとともに、第2レバー25の下端部が、一旦抜止め係支部19を乗り越えてから下部回動係支部18に係合され、下部回動係支部18および抜止め係支部19間に挟持された状態で回動可能となるようにしたことにより、レバー部材23を撓ませることなくそのままレバー取付板15に摺接させて移動させるだけで、レバー部材23の下端部を各係支部に簡単に係支させることができる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本発明のキースイッチ装置は、レバー取付板に、第1レバーの下端部を摺動可能に係支する下部摺動係支部と、第2レバーの下端部を回転可能に軸支する係支体部とがそれぞれ設けられたことにより、第2レバーの下端部が係支体部に確実に位置決めされて、簡単に抜けないようにすることができる。
【0050】
また、本発明のキースイッチ装置の組立て方法は、互いに交差部位を回動自在に連結する、第1および第2レバーを有するレバー部材と、該レバー部材に支持されて昇降自在のキートップと、キートップの昇降動作に伴いスイッチング動作可能なスイッチ素子と、レバー部材のそれぞれの下端部を係支する、下部摺動係支部、下部回動係支部、および抜止め係支部を有するレバー取付板とを備え、第1レバーと第2レバーとを組み付けてレバー部材を組立てる工程と、レバー部材をレバー取付板に載置して、レバー部材の第1、第2レバー部材の各下端部が、レバー取付板の上面をそれぞれ摺接しながら移動する工程と、この移動する工程の際に、第1レバーの下端部が下部摺動係支部内に摺動可能に係支されるとともに、第2レバーの下端部が、一旦抜止め係支部を乗り越えてから下部回動係支部に係合され、下部回動係支部および抜止め係支部間に挟持された状態で回動可能となるようにしたことにより、レバー部材を撓ませることなくそのままレバー取付板に摺接させて移動させるだけで、レバー部材の下端部を各係支部に簡単に係支させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるキースイッチ装置の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態であるキースイッチ装置のキートップを外した状態での一部平面図である。
【図3】本発明の一実施形態であるキースイッチ装置のレバー取付板の平面図である。
【図4】図3におけるレバー取付板の4−4線における矢視図である。
【図5】図3におけるレバー取付板の5−5線における矢視図である。
【図6】図6Aは、本発明の一実施形態であるキースイッチ装置の外側レバーの底面図である。図6Bは、上記外側レバーの側面図である。
【図7】図7Aは、本発明の一実施形態であるキースイッチ装置の内側レバーの平面図である。図7Bは、上記内側レバーの側面図である。
【図8】図8Aは、本発明の一実施形態であるキースイッチ装置のアクチュエータ部材の平面図である。図8Bは、上記アクチュエータ部材の断面図である。
【図9】本発明の一実施形態であるキースイッチ装置の一対のリンク部材の平面図である。
【図10】図10A、B、Cは、本発明の一実施形態であるリンク部材の組立てを説明するための説明図である。
【図11】本発明の一実施形態であるキースイッチ装置のリンク部材の他の組立て例を説明するための説明図である。
【図12】従来のキースイッチ装置の縦断面図である。
【図13】従来のキースイッチ装置に用いられる第1リンク部材の平面図である。
【図14】従来のキースイッチ装置に用いられる第2リンク部材の平面図である。
【符号の説明】
11 キートップ
15 レバー取付板
17 係支体部
18 下部回動係支部
19 抜止め係支部(突起部)
19a 破断面
23 レバー部材
24 第1レバー(外側レバー)
25 第2レバー(内側レバー)
25a 腕部
25c 連結部
25e 下部回動係支突起
30 スイッチ部材
Claims (5)
- 互いに交差部位を回動自在に連結する第1、第2レバーと、
これら第1、第2レバーに支持されて昇降自在のキートップと、
前記キートップの昇降動作に伴いスイッチング動作可能なスイッチ部材と、
前記第1、第2レバーのそれぞれの下端部を係支する平板状の基部を有するレバー取付板とを備え、
前記スイッチ部材は、表面に固定電極を形成したメンブレンシートと、内部に前記固定電極に対向した可動電極を有するラバーキャップからなり、前記レバー取付板は平板状の金属板からなり、前記ラバーキャップを挿入する開口を有し、前記レバー取付板の上面に前記第1、第2レバーを設けると共に、前記レバー取付板には、前記第1レバーの下端部を摺動可能に係支する下部摺動係支部と、前記第2レバーの下端部を回転可能に軸支する係支体部とがそれぞれ設けられ、前記下部摺動係支部は、前記レバー取付板の前記基部に略直角に切り起こし形成された垂直壁からなる略L字状に形成されており、前記係止体部は、前記レバー取付板の前記基部から略直角に切り起こし形成された垂直壁からなる略L字状に形成された、前記第2レバーの下端部を位置決めする、一端部が開放された下部回動係支部と、前記レバー取付板の基部から傾斜して突出させ、先端に形成された破断面が前記下部回動係支部に対向した突起部からなる、前記第2レバーの下端部を抜け止めするための抜止め係支部とで形成されていることを特徴とするキースイッチ装置。 - 前記第2レバーは、互いに平行な一対の腕部と、該一対の腕部の一端部どうしを連結する連結部と、該連結部を形成した部分の前記各腕部からそれぞれ延設された一対の下部回動係支突起とを備え、前記各下部回動係支部に前記各下部回動係支突起を係支するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のキースイッチ装置。
- 前記突起部の先端は、前記レバー取付板の一部に形成した破断面を有し、該破断面に前記連結部を当接するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のキースイッチ装置。
- 前記突起部は、前記連結部に沿うように、前記下部回動係支部の近傍に複数個形成されて、前記下部回動係支部と前記突起部により前記連結部を抜止め挟持したことを特徴とする請求項2または3に記載のキースイッチ装置。
- 互いに交差部位を回動自在に連結する、第1および第2レバーを有するレバー部材と、
該レバー部材に支持されて昇降自在のキートップと、
前記キートップの昇降動作に伴いスイッチング動作可能なスイッチ部材と、
前記レバー部材のそれぞれの下端部を係支する、垂直壁を有する略L字状の下部摺動係支部、垂直壁を有する略L字状の下部回動係支部、および先端に形成された破断面が前記下部回動係支部に対向した抜止め係支部を有する金属板状のレバー取付板とを備え、前記下部摺動係支部および前記下部回動係支部が前記レバー取付板の基部から略直角状に切り起こし加工により形成され、前記抜止め係支部が前記レバー取付板の基部から突出加工により傾斜して形成され、
前記第1レバーと前記第2レバーとを組み付けて前記レバー部材を組立てる工程と、
前記レバー部材を前記レバー取付板に載置して、前記レバー部材の前記第1、第2レバーの各下端部が、前記レバー取付板の上面をそれぞれ摺接させながら移動させる工程と、
該工程で、前記第1レバーの下端部が前記下部摺動係支部内に摺動可能に係支されるとともに、
前記第2レバーの下端部が、一旦前記抜止め係支部を乗り越えてから前記下部回動係支部に係合され、前記下部回動係支部および前記抜止め係支部間に抜止め挟持された状態で回動可能となるようにした、ことを特徴とするキースイッチ装置の組立て方法。
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