JP4004351B2 - パネル固定金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、雌ネジ部材が配置されたパネルを建物躯体の板状片に固定するためのパネル固定金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内部に雌ネジ部材が埋設されたALC(軽量気泡コンクリート)パネルを建物躯体の板状片に固定する場合、例えば、図4〜図6に示すパネル固定金具により固定されている。図4〜図6において、ALCパネル2の内部には図示しない補強鉄筋に固定されたナット等の雌ネジ部材2aが埋設されており、該雌ネジ部材2aの雌ネジ部に鍔付ボルト51の一方の雄ネジ部51aが螺合されている。
【0003】
建物躯体に設置された支持金物1の受け片1aにALCパネル2が載置されると共に、支持金物1の起立した板状片1bに該ALCパネル2の裏面を当接し、該板状片1bを介在させて鍔付ボルト51の他方の雄ネジ部51bに貫通孔52aを介して固定プレート52を嵌装し、更にワッシャ5を挿通してナット6を螺合締着することでALCパネル2の裏面と固定プレート52とにより板状片1bを挟持して該ALCパネル2が支持金物1に固定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来例では、建物躯体側で鍔付ボルト51の雄ネジ部51bに螺合するナット6を締着する際に鍔付ボルト51が供回りしてしまい、鍔付ボルト51の鍔部51cがALCパネル2の裏面から内部に埋没する虞があるため鍔部51cの面積を大きくしてALCパネル2及び固定プレート52に対する摩擦抵抗を大きくし、ナット6の締め付けに際して固定プレート52を鍔部51cに対して強く押さえる必要があった。また、鍔部51cを大きくすると該鍔部51cが支持金物1の板状片1bと干渉してしまうという問題があった。
【0005】
また、鍔付ボルト51の供回りを阻止するために固定プレート52を鍔付ボルト51の鍔部51cに強く押し付けて摩擦力による共回り防止を期待して施工しなければならずナット6の締め付け作業に手間と多大な労力を必要としていた。
【0006】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、建物躯体側で鍔付ボルトの雄ネジ部に螺合するナットを締着する際に鍔付ボルトの供回りを防止して、鍔付ボルトの鍔部がパネルの内部に埋没することがなく、鍔部の面積を小さくして鍔付ボルトの材料コストを低減することが出来、鍔部が建物躯体の板状片と干渉することがなく、前記ナットの締め付け作業性を向上したパネル固定金具を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係るパネル固定金具は、雌ネジ部材が配置されたパネルを建物躯体の板状片に固定するためのパネル固定金具であって、パネル面との間で前記板状片を挟持して固定される固定プレートと、前記雌ネジ部材の雌ネジ部に螺合される第1の雄ネジ部と、該パネル面に当接する鍔部と、前記固定プレートの貫通孔に挿通され、該固定プレートと前記パネル面との間に前記板状片を介在させてナットが螺合締着される第2の雄ネジ部とを有する鍔付ボルトとを有し、前記固定プレートと、前記鍔付ボルトの鍔部とを係止する係止手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
本発明は、上述の如く構成したので、係止手段により固定プレートと、鍔付ボルトの鍔部とを係止して、建物躯体側で鍔付ボルトの雄ネジ部に螺合するナットを締着する際に鍔付ボルトの供回りを防止することが出来る。
【0009】
これにより、鍔付ボルトの鍔部がパネルの内部に埋没することがなく、鍔部の面積を小さくして鍔付ボルトの材料コストを低減することが出来、鍔部が建物躯体の板状片と干渉することがなく、ナットの締め付け作業性を向上することが出来る。
【0010】
また、前記係止手段が、前記鍔付ボルトの鍔部に設けた突起部と前記固定プレートに設けた穴部とが係合するか、若しくは、前記鍔付ボルトの鍔部に設けた穴部と前記固定プレートに設けた突起部とが係合して係止される場合には、プレス加工等により形成した突起部や穴部により簡単な構成で係止手段を構成することが出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係るパネル固定金具の一例としてALCパネルからなる壁パネルを建物躯体の板状片に固定する場合の一実施形態を具体的に説明する。図1及び図2は本発明に係るパネル固定金具によりパネルを建物躯体に固定した様子を示す斜視説明図及び側面説明図、図3は本発明に係るパネル固定金具によりパネルを建物躯体に固定する様子を示す分解斜視図である。
【0012】
図1〜図3において、ALCパネル2の内部には図示しない補強鉄筋に固定されたナット等の雌ネジ部材2aが埋設して配置されており、該雌ネジ部材2aの雌ネジ部に鍔付ボルト3の一方の雄ネジ部3aが螺合されている。
【0013】
建物躯体に設置された支持金物1の受け片1aにALCパネル2が載置されると共に、支持金物1の起立した板状片1bに該ALCパネル2の裏面を当接し、該板状片1bを介在させて鍔付ボルト3の他方の雄ネジ部3bに貫通孔4aを介して固定プレート4を嵌装する。
【0014】
鍔付ボルト3の雄ネジ部3a及び雄ネジ部3bは楕円形状の鍔部3cを中心にして互いに同軸上で反対側に配置されており、鍔部3cの長軸方向両端部には係止手段となる突起部3dが形成されている。
【0015】
本実施形態では、鍔部3cを楕円形状にしたことで、円形や角形にした場合と比較して材料を少なくすることが出来、支持金物1の板状片1bとも干渉し難い。また、鍔部3cに突起部3dを形成する場合は製作し易く、突起部3dを2つにすることで固定プレート4の穴部4bとの係止がより確実に出来る。
【0016】
一方、固定プレート4の貫通孔4aの両側には鍔部3cの突起部3dに対応して穴部4bが形成されている。本実施形態の穴部4bは貫通穴で構成したが、鍔付ボルト3側に溝を穿設して固定プレート4を貫通しない穴を形成しても良い。また、穴部4bは固定プレート4を切り欠いて一端部が開放されたスリットで構成しても良い。
【0017】
また、本実施形態の貫通孔4a及び穴部4bを長穴で構成することで高さ方向の取り付け位置の調整機能を持たせて構成した。尚、高さ方向の位置調整が不要である場合には、長穴でなく、雄ネジ部3b及び突起部3dの外形に対応した丸穴等であっても良い。
【0018】
固定プレート4の貫通孔4aに鍔付ボルト3の雄ネジ部3bを挿通して鍔部3cの突起部3dを固定プレート4の穴部4bに嵌入し、更に雄ネジ部3bにワッシャ5を挿通してナット6を螺合締着することでALCパネル2の裏面と固定プレート4とにより板状片1bを挟持して該ALCパネル2が支持金物1に固定される。
【0019】
係止手段として鍔付ボルト3の鍔部3cの突起部3dと、固定プレート4の穴部4bとが係合して係止されることで、建物躯体側で鍔付ボルト3の雄ネジ部3bに螺合するナット6を締着する際に鍔付ボルト3の供回りを防止することが出来る。
【0020】
これにより、鍔付ボルト3の鍔部3cがALCパネル2の内部に埋没することがなく、鍔部3cの面積を小さくして鍔付ボルト3の材料コストを低減することが出来、鍔部3cが建物躯体の板状片1bと干渉することがなく、ナット6の締め付け作業において従来例のように固定プレート4を鍔部3cに対して強く押さえる必要がなく、固定プレート4の穴部4bに鍔部3cの突起部3dが嵌入するように軽く押さえるだけで良く、ナット6の締着作業性を向上することが出来る。
【0021】
また、鍔付ボルト3の鍔部3cや固定プレート4をプレス加工することにより突起部3dや穴部4bを容易に形成することが出来、係止手段として別部材を用意する必要もないので安価であり、構成も簡単である。
【0022】
尚、本実施形態では鍔付ボルト3の鍔部3cに突起部3dを設け、固定プレート4に穴部4bを設けて両者を係止する係止手段として構成したが、鍔付ボルト3の鍔部3cに穴部を設け、固定プレート4に突起部を設けて係止手段を構成しても良い。
【0023】
尚、鍔付ボルト3の鍔部3cを楕円形状で形成し、その長軸方向両端部に突起部3dまたは穴部を形成した一例について説明したが、鍔部3cの形状はこれに限定される必要はなく、多角形状や円形状等種々の形状で構成出来る。また、突起部や穴部は2つでなくても良く、他の複数或いは1つであっても良い。また、鍔付ボルト3の雄ネジ部3bの付け根の外周に多角形の突起部を設け、固定プレート4の貫通孔4aをその突起部に係合する形状で構成することも出来る。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、建物躯体側で鍔付ボルトの雄ネジ部に螺合するナットを締着する際に鍔付ボルトの供回りを防止して、鍔付ボルトの鍔部がパネルの内部に埋没することがなく、鍔部の面積を小さくして鍔付ボルトの材料コストを低減することが出来、鍔部が建物躯体の板状片と干渉することがなく、前記ナットの締め付け作業性を向上することが出来る。
【0025】
即ち、係止手段により固定プレートと、鍔付ボルトの鍔部とを係止して、建物躯体側で鍔付ボルトの雄ネジ部に螺合するナットを締着する際に鍔付ボルトの供回りを防止することが出来る。
【0026】
これにより、鍔付ボルトの鍔部がパネルの内部に埋没することがなく、鍔部の面積を小さくして鍔付ボルトの材料コストを低減することが出来、鍔部が建物躯体の板状片と干渉することがなく、ナットの締め付け作業性を向上することが出来る。
【0027】
また、係止手段が、鍔付ボルトの鍔部に設けた突起部と固定プレートに設けた穴部とが係合するか、若しくは、鍔付ボルトの鍔部に設けた穴部と固定プレートに設けた突起部とが係合して係止される場合には、プレス加工等により形成した突起部や穴部により簡単な構成で係止手段を構成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパネル固定金具によりパネルを建物躯体に固定した様子を示す斜視説明図である。
【図2】本発明に係るパネル固定金具によりパネルを建物躯体に固定した様子を示す側面説明図である。
【図3】本発明に係るパネル固定金具によりパネルを建物躯体に固定する様子を示す分解斜視図である。
【図4】従来例を説明する図である。
【図5】従来例を説明する図である。
【図6】従来例を説明する図である。
【符号の説明】
1…支持金物
1a…受け片
1b…板状片
2…ALCパネル
2a…雌ネジ部材
3…鍔付ボルト
3a,3b…雄ネジ部
3c…鍔部
3d…突起部
4…固定プレート
4a…貫通孔
4b…穴部
5…ワッシャ
6…ナット
Claims (2)
- 雌ネジ部材が配置されたパネルを建物躯体の板状片に固定するためのパネル固定金具であって、
パネル面との間で前記板状片を挟持して固定される固定プレートと、
前記雌ネジ部材の雌ネジ部に螺合される第1の雄ネジ部と、該パネル面に当接する鍔部と、前記固定プレートの貫通孔に挿通され、該固定プレートと前記パネル面との間に前記板状片を介在させてナットが螺合締着される第2の雄ネジ部と、を有する鍔付ボルトと、
を有し、
前記固定プレートと、前記鍔付ボルトの鍔部とを係止する係止手段を設けたことを特徴とするパネル固定金具。 - 前記係止手段は、前記鍔付ボルトの鍔部に設けた突起部と前記固定プレートに設けた穴部とが係合するか、若しくは、前記鍔付ボルトの鍔部に設けた穴部と前記固定プレートに設けた突起部とが係合して係止されることを特徴とする請求項1に記載のパネル固定金具。
Priority Applications (1)
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JP2002237311A JP4004351B2 (ja) | 2002-08-16 | 2002-08-16 | パネル固定金具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002237311A JP4004351B2 (ja) | 2002-08-16 | 2002-08-16 | パネル固定金具 |
Publications (2)
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---|---|
JP2004076372A JP2004076372A (ja) | 2004-03-11 |
JP4004351B2 true JP4004351B2 (ja) | 2007-11-07 |
Family
ID=32021112
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002237311A Expired - Lifetime JP4004351B2 (ja) | 2002-08-16 | 2002-08-16 | パネル固定金具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4004351B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5259096B2 (ja) | 2007-02-13 | 2013-08-07 | 浜松ホトニクス株式会社 | ファイバオプティック及びその製造方法 |
-
2002
- 2002-08-16 JP JP2002237311A patent/JP4004351B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004076372A (ja) | 2004-03-11 |
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