JP4004018B2 - 周波数変換器及びこれを用いた無線通信装置 - Google Patents

周波数変換器及びこれを用いた無線通信装置 Download PDF

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    • H03H7/18Networks for phase shifting
    • H03H7/19Two-port phase shifters providing a predetermined phase shift, e.g. "all-pass" filters

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数変換器及びこれを用いた無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機、携帯情報端末などの無線端末の小型化、低価格化及び低消費電力化が精力的に進められている。無線端末の小型化及び低価格化の双方の要求を満たすために、端末の無線部(無線周波数帯の信号を扱う回路部分)に用いられる回路を極力IC(集積回路)によって実現する方法が採られている。
【0003】
一方、無線端末の低消費電力化は、IC化技術により達成されるのではなく、主にトランジスタのような能動素子と、キャパシタなどのパッシブ素子を含むデバイスの特性向上及び回路技術の向上により実現される。
【0004】
無線端末の無線部における機能回路の一つとして、受信信号をより低い周波数に変換したり、送信信号をより高い周波数に変換したりするための周波数変換器が挙げられる。従来の周波数変換器としては、例えばシングルバランスミキサ(SBM)やダブルバランスミキサ(DBM)が知られている。以下に、受信信号をより低い周波数に変換するダウンコンバータについて述べる。
【0005】
SBMは、それぞれ一組のGm(相互コンダクタンス)増幅器と差動対トランジスタにより構成される。RF入力信号は、Gm増幅器により電圧−電流変換され、差動対トランジスタの共通エミッタ端子に入力される。一方、ローカル信号は、差動対トランジスタのベース端子間に入力される。差動対トランジスタによって、Gm増幅器から出力されるRF信号電流をローカル信号周波数でスイッチングすることにより、差動対トランジスタの二つのコレクタ端子からRF入力信号を周波数変換した周波数変換出力信号が差動電流として得られる。
【0006】
DBMは、それぞれ二組のGm(相互コンダクタンス)増幅器と、電流スイッチとして用いられる差動対トランジスタにより構成される。ただし、差動増幅器を用いたGm増幅器を用いる場合、Gm増幅器は一組で良い。RF入力信号は二組のGm増幅器により電圧−電流変換され、差動電流として二組の差動対トランジスタの共通エミッタ端子に入力される。一方、ローカル信号は二組の差動対トランジスタのベース端子間に入力される。これら二組の差動対トランジスタによって、Gm増幅器から出力されるRF差動電流をローカル周波数でスイッチングすることにより、差動対トランジスタの二つの共通コレクタ端子からRF入力信号を周波数変換した周波数変換出力信号が差動電流として得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したSBM、DBMのような周波数変換器では、Gm増幅器及び差動対トランジスタの非線形性により周波数変換出力信号に歪、特に3次歪IM3(3次の相互変調歪)が生じるという問題がある。これらの歪を回路技術によって低減する最も簡単な方法は、Gm増幅器及び電流スイッチを構成する差動対トランジスタに流す動作電流を大きくすることである。
【0008】
しかしながら、このようにGm増幅器や差動対トランジスタの動作電流を大きくして歪を低減させる手法では、歪の指標として一般に知られている3次入力換算インセプト点(IIP3)を6dB改善しようとすると、動作電流を約2倍大きくする必要があり、低消費電力化の観点から望ましくない。
【0009】
本発明は、動作電流を大きく増加させることなく歪を低減させることができる周波数変換器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る周波数変換器では、入力RF信号をローカル信号により所定の変換利得で周波数変換する主ミキサと、入力RF信号をローカル信号により主ミキサの変換利得より低い変換利得で周波数変換する歪補償用ミキサを並列に配置し、加算回路5によって主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4からの出力信号を互いに逆相の関係で加算することにより周波数変換出力信号を生成する。
【0011】
このように構成された周波数変換器では、例えば歪補償用ミキサの動作電流を主ミキサのそれに比べて小さくすることにより、主ミキサの出力に含まれる歪成分と歪補償用ミキサの出力に含まれる歪成分をほぼ同振幅かつ同相または逆相の関係にできるので、両ミキサの出力信号を逆相の関係で加算すると、歪成分は相殺される。一方、主ミキサの変換利得は歪補償用ミキサに比べ高いので、所望波レベルはほぼ主ミキサから得られた所望波レベルに等しくできる。
【0012】
また、主ミキサ及び歪補償用ミキサに互いに位相の異なる第1及び第2のローカル信号をそれぞれ入力してもよい。第1及び第2のローカル信号は、例えばローカル発振器から供給される原ローカル信号を入力とする移相器によって生成される。この構成は、主ミキサ及び歪補償用ミキサにおける相互コンダクタンス増幅器にそれぞれ用いる縮退インピーダンス素子が異なるの素子である場合、特に有効である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明では主に、無線端末の無線部のうち受信部に用いる周波数変換器を想定して説明を進めるが、送信部の周波数変換器に対しても本発明を適用することができる。また、トランジスタとしてバイポーラトランジスタを用いて説明するが、本発明に係る周波数変換器は、電界効果トランジスタ(FET)を用いて同様に実現することが可能である。
【0014】
(第1の実施形態)
図1に、本発明の基本的な第1の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す。第1の入力端子1には、周波数変換されるべき入力信号としてRF入力信号が入力され、第2の入力端子2には、ローカル信号が入力される。RF入力信号及びローカル信号は、主ミキサ(第1のミキサ)3に入力されると共に、歪補償用ミキサ(第2のミキサ)4にも入力される。主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4では、RF入力信号がローカル信号に従って周波数変換される。言い換えれば、主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4はRF入力信号にローカル信号を乗じる乗算器として機能する。
【0015】
主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4からの出力信号は、加算回路5によって互いに逆相で加算される。例えば、主ミキサ3の出力信号を正相として、歪補償用ミキサ4からの出力信号は逆相として、加算回路5で加算される。加算回路5は、後述するように例えば結線の操作による電流減算により実現することもできる。加算回路5からの出力信号は、周波数変換出力信号として出力端子6から出力される。
【0016】
ここで、主ミキサ3の変換利得に対して、歪補償用ミキサ4の変換利得は小さく設定される。これにより主ミキサ3からの所望波出力Dmと歪補償用ミキサ4からの所望波出力Dcの関係は、
Dm>Dc (1)
となる。
【0017】
さらに、主ミキサ3からの出力の3次歪IM3m及び歪補償用ミキサ4からの出力の3次歪IM3cが近似的に、
IM3m=IM3c (2)
と等しくなるように、ミキサ3及び4は設計される。式(1)(2)の条件を満たすことができる具体的な設計手法については、後に詳しく説明する。
【0018】
このとき、加算回路5で主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4からの出力信号を互いに逆相で加算することにより、近似的に3次歪は打ち消され、周波数変換出力信号にはほぼ主ミキサ3からの所望波出力と同等の振幅の所望波が得られる。
【0019】
図1中において各部の信号スペクトルを(A)(B)(C)(D)で示すように、入力端子1にRF入力信号として2トーンの所望波(D波)(A)を入力したとき、主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4からの出力信号(B),(C)においては、3次歪IM3の成分は等しいが(IM3m=IM3c)、主ミキサ3の変換利得に対して歪補償用ミキサ4の変換利得が小さいため、D波の成分は前者に対して後者が小さく(Dm>Dc)となっている。従って、加算回路5の出力(D)では、IM3の成分は打ち消されており、ほぼD波成分のみとなる。
【0020】
具体的に、例えば主ミキサ3からの所望波出力Dmの電流振幅を1とし、歪補償用ミキサ4からの所望波出力Dcの電流振幅を1/3とした場合、主ミキサ3のみに比べて周波数変換出力信号の電流振幅は約3.5dBの減衰となる。しかしながら、3次歪IM3は原理的に無限小となるため、歪の指標となる3次入力換算インセプト点(IIP3)は増大する。但し、所望波の利得が3.5dB減衰するため、歪以外の主要な特性である利得や雑音の要求値を考慮すると、歪補償用ミキサ4からの所望波出力Dcの電流振幅を1/3以上に大きくするのは有用でない。
【0021】
図2は、図1の周波数変換器における主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4をより具体的に示している。主ミキサ3は相互コンダクタンス増幅器(以下、Gm増幅器という)A1と、その出力側に接続された電流スイッチSW1からなり、歪補償用ミキサ4も同様にGm増幅器A2と、その出力側に接続された電流スイッチSW2からなる。Gm増幅器A1,A2はRF入力信号を電圧−電流変換する。電流スイッチSW1,SW2は、ローカル信号LOに従ってスイッチング動作を行う。
【0022】
ここで、Gm増幅器A1,A2の利得をそれぞれGm1,Gm2とすると、これらの関係は上述した主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4の所望波に対する変換利得の条件から、
Gm1=M×Gm2
(但し、Mは3より大きい定数) (3)
であることが望ましい。
【0023】
この場合、主ミキサ3内のGm増幅器A1を流れる動作電流I1に対して、歪補償用ミキサ4内のGm増幅器A2を流れる動作電流I2をI1/L(L>M)、すなわち
I1=L×I2
(但し、LはMより大きい定数) (4)
と小さくすることにより、Gm増幅器A1の利得Gm1に対してGm増幅器A2の利得Gm2が小さいにも拘わらず、Gm増幅器A1,A2で発生する3次歪IM3はほぼ同じレベルとすることができる。従って、加算回路5での逆相加算によって周波数変換出力信号の3次歪IM3を最小化することができる。
【0024】
図3には、主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4で用いるGm増幅器の具体的な回路例を示す。図3(a)(b)は、周波数変換器をSBM(シングルバランスミキサ)型構成とした場合に用いるGm増幅器であり、一つのトランジスタQ1を用いて構成される。図3(c)(d)(e)は、周波数変換器をDBM(ダブルバランスミキサ)型構成とした場合にそれぞれ用いるGm増幅器であり、差動対トランジスタQ2,Q3を用いて構成される。
【0025】
これらの構成において、トランジスタQ1,Q2,Q3は、いずれもエミッタ接地トランジスタ、すなわち第2主電極であるエミッタ端子が定電位点に接続された接地形式のトランジスタとして動作する。また、図3(a)〜(e)ではトランジスタQ1〜Q3のエミッタ端子とグラウンド間にインピーダンス素子が接続されており、このような素子を一般にはエミッタ縮退インピーダンス素子と呼ぶが、本明細書ではバイポーラトランジスタのみでなく電界効果トランジスタを用いる場合も考慮して、単に縮退インピーダンス素子とも呼ぶ。
【0026】
図3に示した各々のGm増幅器についてさらに詳しく説明すると、図3(a)ではトランジスタQ1のエミッタ端子(第2主電極)とグラウンド(定電位点)間にインダクタL1が挿入され、低雑音性に優れた特性を示す。
【0027】
トランジスタQ1のベース端子(制御電極)に入力されるRF入力信号の電圧をVinとし、インダクタL1のインダクタンスを同じ記号L1で表すと、トランジスタQ1のコレクタ端子(第1主電極)からの出力電流i1は、近似的に
i1=Vin/jωL1 (5)
で表される。一般に、インダクタはICに対して外付けの素子が用いられるが、最近ではIC上にインダクタを製造できるようになってきている。但し、インダクタをIC内に製造する場合、抵抗に比べて製造面積が大きくなる。
【0028】
図3(b)では、トランジスタQ1のエミッタ端子とグラウンド間に抵抗R1が挿入されている。この場合、トランジスタQ1のベース端子に入力されるRF入力信号の電圧をVinとし、抵抗R1の抵抗値を同じ記号R1で表すと、トランジスタQ1のコレクタ端子からの出力電流i2は、近似的に
i2=Vin/R1 (6)
で表される。
【0029】
図3(c)は、差動対トランジスタQ2,Q3のエミッタ端子間にエミッタ縮退インピーダンス素子としてインダクタL2を接続し、トランジスタQ2,Q3のエミッタ端子に電流源Ioをそれぞれ接続した差動構成のGm増幅器を示している。エミッタ縮退インピーダンス素子にインダクタを用いると、抵抗をエミッタ縮退インピーダンス素子に用いた場合に比べて雑音特性が向上する。反面、インダクタをIC内に形成すると、チップ面積が増大する。
【0030】
この場合、トランジスタQ2,Q3のベース端子間に入力されるRF入力信号の電圧をVinとし、インダクタL2のインダクタンスを同じ記号L2で表すと、トランジスタQ1のコレクタ端子からの出力電流i3は、近似的に
i3=Vin/jωL2 (7)
で表される。
【0031】
図3(d)は、差動対トランジスタQ2,Q3のエミッタ端子間にエミッタ縮退インピーダンス素子として抵抗R2を接続し、トランジスタQ2,Q3のエミッタ端子に電流源Ioをそれぞれ接続した差動構成のGm増幅器を示している。この場合、トランジスタQ2,Q3のベース端子間に入力されるRF入力信号の電圧をVinとし、抵抗R2の抵抗値を同じ記号R2で表すと、トランジスタQ1のコレクタ端子からの出力電流i4は、近似的に
i4=Vin/R2 (8)
で表される。
【0032】
図3(e)は、差動対トランジスタQ2,Q3のエミッタ端子間にエミッタ縮退インピーダンス素子としてキャパシタC1を接続し、トランジスタQ2,Q3のエミッタ端子に電流源Ioをそれぞれ接続した差動構成のGm増幅器を示している。この場合、トランジスタQ2,Q3のベース端子間に入力されるRF入力信号の電圧をVinとし、キャパシタC1の容量を同じ記号C1で表すと、トランジスタQ1のコレクタ端子からの出力電流i5は、近似的に
i5=jωC1・Vin (9)
で表される。
【0033】
図4は、エミッタ縮退インピーダンス素子に抵抗を用いた図3(b)(d)に示すGm増幅器の出力電流i2,i4を位相0°の実数として、図(a)(b)(c)(d)(e)に示すGm増幅器の出力電流i1,i2,i3,i4,i5のそれぞれの位相を示した図であり、Reは実数軸、Imgは虚数軸である。このような位相関係は式(5)〜(9)から明らかであり、この位相関係はGm増幅器の出力電流の所望波成分のみならず、一般に歪成分についても成り立つ。
【0034】
図1及び図2で説明した手法により歪補償を行うためには、すなわち主ミキサ3及び位相補償用ミキサ4からの各々の出力信号を逆相加算することによって、周波数変換出力信号における3次歪をキャンセルするためには、図2に示した主ミキサ3内のGm増幅器A1からの出力電流と歪補償用ミキサ4内のGm増幅器A2の出力電流の位相関係は、同相または逆相のいずれかの場合に限られる。ただし、図に示すように、主ミキサと歪補償ミキサに与えられるローカル信号は同相である。この位相関係が同相の場合には、Gm増幅器A1,A2の出力電流を逆相で加算(減算)すればよく、また位相関係が逆相の場合には、Gm増幅器A1,A2の出力電流を単に加算することにより、3次歪がキャンセルされる。
【0035】
言い換えれば、Gm増幅器A1,A2においては、各々の出力電流が同相となるようにエミッタ縮退インピーダンス素子に同一種類の素子を用いるか、あるいは各々の出力電流が逆相となるようにGm増幅器A1,A2のうちの一方のGm増幅器ではエミッタ縮退インピーダンス素子にインダクタを用い、他方のGm増幅器ではエミッタ縮退インピーダンス素子にキャパシタを用いればよい。
【0036】
また、Gm増幅器に用いるトランジスタのエミッタ端子側から見たインピーダンスを考慮すると、Gm増幅器の出力電流は単純に式(5)〜(9)のようには表されなくなる。従って、図1及び図2で説明した手法で所望の歪補償を行うには、エミッタ縮退インピーダンス素子に共に抵抗を用いることが必要になる場合もある。
【0037】
(第2の実施形態)
次に、図5〜図8を用いて本発明の第2の実施形態について説明する。まず、第2の実施形態について具体的に説明する前に、第1の実施形態で説明した主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4内のGm増幅器におけるエミッタ縮退インピーダンス素子の選定法について述べる。
第1の実施形態で説明したような主ミキサ3と歪補償用ミキサ4を並列に配置した構成の周波数変換器において、低雑音特性を実現するためには、主ミキサ3におけるGm増幅器A1内のエミッタ縮退インピーダンス素子に、インダクタを用いることが望まれる。この場合、効果的に歪抑圧を行うためには、歪補償用ミキサ4においてもGm増幅器A2内のエミッタ縮退インピーダンス素子にインダクタを用いることが望まれる。
【0038】
GHz帯の周波数変換器を考えると、ミキサのGm増幅器におけるエミッタ縮退インピーダンス素子として使用されるインダクタの値は、雑音や変換利得の点から数nHが程度がよく用いられる。これに対し、本実施形態においては歪補償用ミキサ4におけるGm増幅器A2内のエミッタ縮退インピーダンス素子に用いるインダクタの値は、式(3)に示した条件Gm1=M×Gm2(Mは3より大きな定数)から、主ミキサ3におけるGm増幅器A2内のエミッタ縮退インピーダンス素子に用いるインダクタの値よりも大きな値、例えば数10nH程度が必要となる。このような値の大きなインダクタをIC上で形成しようとすると、専有面積が大きなものとなってしまう。
【0039】
従って、歪補償用ミキサ4におけるGm増幅器A2内のエミッタ縮退インピーダンス素子には、インダクタ以外の素子、つまり抵抗またはキャパシタを用いることが望まれる。しかし、Gm増幅器に用いるトランジスタのエミッタ側から見たインピーダンスを考慮すると、単純に抵抗またはキャパシタをGm増幅器A2内のエミッタ縮退インピーダンス素子に用いた場合、主ミキサ3と歪補償用ミキサ4からの出力電流が同相または逆相の関係にならず、加算回路5で主ミキサ3と歪補償用ミキサ4からの出力電流を逆相加算することによる歪キャンセル効果が低減してしまう。
【0040】
図5は、このような点を解決した本発明の第2の実施形態に係る周波数変換器であり、図1に示した周波数変換器と異なるのは移相器(Phase Shifter)7が追加されている点である。本実施形態では、図示しないローカル発振器からのローカル信号(原ローカル信号)LOが入力端子2を介して移相器7に入力されることによって、位相の異なる第1及び第2のローカル信号LO1,LO2が生成される。第1のローカル信号LO1は主ミキサ3に入力され、第2のローカル信号LO2は歪補償用ミキサ4に入力される。
【0041】
この構成によれば、移相器7を用いて第1及び第2のローカル信号LO1,LO2の位相関係を調整することにより、主ミキサ3と歪補償用ミキサ4からの出力電流の位相関係を逆相にすることができる。
【0042】
図6は、図5の周波数変換器をさらに詳しく示した図であり、図2の構成に移相器7が追加されている。図2に示したと同様に、主ミキサ3はGm増幅器A1とその出力側に接続された電流スイッチSW1からなり、歪補償用ミキサ4も同様にGm増幅器A2と、その出力側に接続された電流スイッチSW2からなる。Gm増幅器A1,A2はRF入力信号を電圧−電流変換する。
【0043】
そして、本実施形態では電流スイッチSW1,SW2は原ローカル信号LOを移相器7に通して得られた第1及び第2のローカル信号LO1,LO2によってそれぞれスイッチングされる。さらに、図2で説明したと同様にGm増幅器A1,A2の利得Gm1,Gm2は、前述した主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4の所望波に対する変換利得の条件から、式(3)に示したGm1=M×Gm2(Mは3より大きい定数)の条件を満たすように設定される。
【0044】
図7には、本実施形態における移相器7の具体的な回路例を示す。二つの抵抗R11,R12を対向する二辺に配置し、二つのキャパシタC11,C12を対向する他の二辺に配置して構成されるブリッジ回路からなっている。ここで、抵抗R11とキャパシタC11の直列回路は積分器を構成し、キャパシタC12と抵抗R12の直列は微分器を構成しており、これらが並列接続された構成となっている。このブリッジ回路の両端、つまり積分器及び微分器の両端に、入力の原ローカル信号LOが印加される。第1のローカル信号LO1は原ローカル信号LOがそのまま取り出され、第2のローカル信号LO2はブリッジ回路におけるR11,C11の接続点とR12,C12の接続点との間から、積分器と微分器の出力の差として取り出される。
【0045】
図7の移相器7により生成される第1及び第2のローカル信号LO1,LO2の振幅と位相の周波数特性は、それぞれ図8(a)(b)に示すようになる。図8(a)のように、ローカル信号LO1,LO2の振幅−周波数特性は共に平坦であ。一方、図8(b)のように位相−周波数特性はLO1は平坦であるのに対して、LO2は高域側で位相が減衰する特性となっている。LO2の位相シフト量(LO1に対する位相差)は、図7における抵抗R11,R12の値を等しくRとし、キャパシタC11,C12の値を等しくCとしたとき、角周波数ωo=1/(CR)の周波数でπ/2となる。
【0046】
このように本実施形態によれば、入力端子2に入力される原ローカル信号LOから移相器7により位相の異なる第1及び第2のローカル信号LO1,LO2を生成して、主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4にそれぞれ入力する。従って、移相器7でローカル信号LO1,LO2の位相関係を調整することにより、主ミキサ3と歪補償用ミキサ4からの出力電流の位相関係を逆相にすることができ、加算回路5で主ミキサ3と歪補償用ミキサ4からの出力電流を逆相加算することによる歪の低減を確実に行うことができる。
【0047】
(第3の実施形態)
図9に、本発明の第3の実施形態として、主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4におけるGm増幅器A1,A2内のエミッタ縮退インピーダンス素子を同一種類の素子(ここでは抵抗)とし、かつミキサ3,4をSBM型構成とした周波数変換器の具体的な回路例を示す。
【0048】
主ミキサ3は、差動対トランジスタQ10,Q11からなる電流スイッチSW1と、トランジスタQ14とエミッタ縮退抵抗R3からなるGm増幅器A1により構成される。
歪補償用ミキサ4は、差動トランジスタ対Q12,Q13からなる電流スイッチSW2と、トランジスタQ15とエミッタ縮退抵抗R4からなるGm増幅器A2により構成される。トランジスタQ15のエミッタ端子には、エミッタ縮退抵抗R4と直列に抵抗R5及び接地用キャパシタC5が接続され、R5,C5とR4の接続点はRF周波数においては交流的に接地されているものとする。
【0049】
本実施形態では、主ミキサ3の出力と歪補償用ミキサ4の出力は電流として互いに逆相で加算(電流減算)される。そこで、主ミキサ3と歪補償用ミキサ4の差動出力電流の極性を反対にするために、トランジスタQ10とQ12のコレクタ端子を接続し、トランジスタQ11とQ13のコレクタ端子を接続すると共に、トランジスタQ10とQ13のベース端子を接続し、トランジスタQ11とQ12のベース端子を接続している。すなわち、本実施形態においては第1の実施形態で説明した加算回路5は、電流スイッチSW1,SW2の結線によって実現されている。
【0050】
Gm増幅器A1におけるトランジスタQ14のベース端子と、Gm増幅器A2におけるトランジスタQ15のベース端子は、RF入力信号を入力する第1の入力端子1に共通に接続される。一方、電流スイッチSW1,SW2においては、トランジスタQ10,Q13のベース端子は差動ローカル信号の正信号が入力される第2の入力端子2Aに共通に接続され、トランジスタQ11,Q12のベース端子は差動ローカル信号の負信号が入力されるもう一つの第2の入力端子2Bに共通に接続される。
【0051】
トランジスタQ14に流れる電流は、抵抗R3の値とトランジスタQ14のエミッタ直流電位により決まり、その電流をIoとすると、トランジスタQ15に流れる電流は、抵抗R4,R5の値とトランジスタQ15のベース電位により決まり、その電流はIo/L(但し、Lは定数)となる。
【0052】
Gm増幅器A1,A2の相互コンダクタンスをGm1,Gm2とすると、Gm1=M×Gm2(Mは3より大きい定数)という式(3)の条件を満たすため、抵抗R3,R4の値を同じ記号R3,R4で表したとき、
R4=M×R3
に設定される。Mは本質的には1より大きい定数であればよいが、前述したように、主ミキサ3の変換利得に比べ歪補償用ミキサ4の変換利得を1/3以上にすると、周波数変換器全体の利得が3.5dB減衰され、実用的ではなくなるので、Mは3以上の値が望まれる。
【0053】
トランジスタに流れる電流密度を一定とするため、トランジスタQ14とQ15の寸法比をL:1とし、トランジスタQ10,Q11とQ12,Q13の寸法比も同様にL:1とすることが望ましい。ただし、L:1は必須の条件ではないため、図9においてはN:1としている。
【0054】
定数MはGm増幅器A1,A2の相互コンダクタンスGm1,Gm2の比または抵抗R4と抵抗R3の比であり、また定数Lは抵抗R3と抵抗R4,R5の直列合成抵抗の比である。ここで、L>Mであり、Gm増幅器A1,A2の相互コンダクタンスGm1,Gm2の比以上にGm増幅器A1,A2に流れる電流の比が大きいので、Gm増幅器A2はGm増幅器A1に比べて歪が生じやすくなる。
【0055】
これらの条件において、定数L及びMを適当な値(例えば、L=15,M=6)に設計することにより、Gm増幅器A1,A2の3次歪(IM3)を同じレベルに設定することができる。このときの主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4の所望波出力Dと3次歪IM3のスペクトルを図9中の(B)(C)に示す。
【0056】
主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4において、エミッタ縮退インピーダンス素子を同一種類の素子、すなわち共に抵抗(R3,R4及びR5)としているため、図9中の(B)(C)に示されるように、ミキサ3,4でそれぞれ発生するIM3の位相はほぼ同じであり、振幅もほぼ等しいので、ミキサ3,4の各々の出力電流を逆相で加算することにより、IM3は抑圧される。図示しないが、主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4のエミッタ縮退抵抗R3,R4及びR5をインダクタに置き換えても歪抑圧が得られることは明らかである。また、R3及びR4をインダクタに置き換え、R5は電流を決めるため抵抗のままであっても良い。
【0057】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態として、図9に示した周波数変換器を差動化した場合の回路例を図10に示す。すなわち、図10の周波数変換器では主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4におけるGm増幅器A1,A2のエミッタ縮退インピーダンス素子を同一種類の素子(ここでは抵抗)とし、かつ主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4をDBM型構成としている。
【0058】
主ミキサ3は、二組の差動トランジスタ対Q40,Q41及びQ42,Q43からなる電流スイッチSW1と、トランジスタQ48,49とトランジスタQ48,49のエミッタ端子間に接続されたエミッタ縮退抵抗R40からなるGm増幅器A1により構成される。歪補償用ミキサ4は、同様に二組の差動トランジスタ対Q44,Q45及びQ46,Q47からなる電流スイッチSW2と、トランジスタQ50,Q51とトランジスタQ50,50のエミッタ端子間に接続されたエミッタ縮退抵抗R41からなるGm増幅器A2により構成される。
【0059】
本実施形態においても、第3の実施形態と同様に主ミキサ3の出力と歪補償用ミキサ4の出力電流は互いに逆相で加算(電流減算)される。そこで、主ミキサ3と歪補償用ミキサ4の差動出力電流の極性を反対にするために、トランジスタQ40,Q42とトランジスタQ45,Q47のコレクタ端子を接続し、トランジスタQ41,Q43とトランジスタQ44,Q46のコレクタ端子を互いに接続すると共に、トランジスタQ40,Q43とトランジスタQ44,Q47のベース端子を互いに接続し、トランジスタQ41,Q42とトランジスタQ45,Q46のベース端子を互いに接続している。このように本実施形態においても、第1の実施形態で説明した加算回路5は、電流スイッチSW1,SW2の結線によって実現されている。
【0060】
Gm増幅器A1におけるトランジスタQ48のベース端子とGm増幅器A2におけるトランジスタQ50のベース端子は、差動RF入力信号の正信号を入力する第1の入力端子1Aに共通に接続され、Gm増幅器A1におけるトランジスタQ49のベース端子とGm増幅器A2におけるトランジスタQ51のベース端子は、差動RF入力信号の負信号を入力するもう一つの第1の入力端子1Bに共通に接続される。一方、電流スイッチSW1,SW2においては、トランジスタQ40,Q43,Q44,Q47のベース端子は差動ローカル信号の正信号が入力される第2の入力端子2Aに共通に接続され、トランジスタQ41,Q42,Q45,Q46のベース端子は差動ローカル信号の負信号が入力されるもう一つの第2の入力端子2Bに共通に接続される。
【0061】
トランジスタQ48,Q49に流れる電流をIoとしたとき、トランジスタQ50,Q51に流れる電流はIo/Lと設定される。Gm増幅器A1,A2の相互コンダクタンスをGm1,Gm2とすると、Gm1=M×Gm2(Mは3より大きい定数)という式(3)の条件を満たすため、抵抗R40,R41の値を同じ記号R40,R41で表したとき、R41=M×R40と設定される。
【0062】
Mは本質的には1より大きい定数であればよいが、前述したように、主ミキサ3の変換利得に比べ歪補償用ミキサ4の変換利得を1/3以上にすると、周波数変換器全体の利得が3.5dB減衰され、実用的ではなくなるので、Mは3以上の値が望まれる。
【0063】
また、トランジスタに流れる電流密度を一定とするため、トランジスタQ48,Q49とトランジスタQ50,Q51の寸法比をL:1とし、トランジスタQ40,Q41,Q42,Q43とトランジスタQ44,Q45,Q46,Q47の寸法比も同様にL:1とすることが望ましい。ただし、L:1は必須の条件ではないため、図10においてはN:1としている。
【0064】
さらに、本実施形態においても第3の実施形態と同様に、定数M,Lの関係がL>MとなるようにLを設定するが、L及びMを適当な値(例えば、L=15,M=6)に設計することによりGm増幅器A1,A2の3次歪(IM3)を同じレベルに設定することができる。このときの主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4の所望波出力Dと3次歪IM3のスペクトルを図10中の(B)(C)に示す。
【0065】
主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4において、エミッタ縮退インピーダンス素子を同一種類の素子、すなわち共に抵抗R40及びR41としているため、図10中の(B)(C)に示されるように、それぞれで発生するIM3の位相はほぼ同じであり、振幅もほぼ等しいので、各々の出力電流を逆相で加算することによりIM3は抑圧される。図示しないが、主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4におけるエミッタ縮退抵抗R40,R41をインダクタまたはキャパシタに置き換えても歪抑圧効果が得られることは明らかである。
【0066】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態として、主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4におけるGm増幅器A1,A2内のエミッタ縮退インピーダンス素子として異なる種類の素子を用いた周波数変換器について説明する。
【0067】
図11は本実施形態に係る周波数変換器であり、基本的には図9に示した周波数変換器における主ミキサ3のGm増幅器A1内のエミッタ縮退抵抗R3をインダクタL20に置き換え、歪補償ミキサ4のGm増幅器A2内のエミッタ縮退抵抗R4,R5及びキャパシタC5を抵抗R20に置き換えたものである。図11において、トランジスタQ20,Q21,Q22,Q23,Q24,Q25は、図9におけるトランジスタQ10,Q11,Q12,Q13,Q14,Q15にそれぞれ対応している。
【0068】
但し、本実施形態では電流スイッチSW1を構成する差動対トランジスタQ20,Q21のベース端子は、第1のローカル信号LO1が入力される入力端子2A,2Bにそれぞれ接続され、電流スイッチSW2を構成する差動対トランジスタQ22,Q23のベース端子は、第2のローカル信号LO2が入力される入力端子2C,2Dにそれぞれ接続されている。
【0069】
ここで、Gm増幅器A1,A2の相互コンダクタンスGm1,Gm2がGm1=M×Gm2(Mは3より大きい定数)という式(3)の条件を満たすため、RF入力信号の角周波数をωRFとし、エミッタ縮退インダクタL20及びエミッタ縮退抵抗R20の値を同じ記号L20,R20で表すと、
R20=M×ωRF×L20
と設定する。この場合においても、Mは本質的には1より大きい定数であればよいが、主ミキサ3の変換利得に比べ歪補償用ミキサ4の変換利得を1/3以上にすると、周波数変換器全体の利得が3.5dB減衰され、実用的ではなくなるので、Mは3以上の値が望まれる。
【0070】
また、トランジスタQ24に流れる電流をIoとすると、トランジスタQ25に流れる電流はIo/Lとされる。さらに、ここではトランジスタに流れる電流密度を一定とするため、トランジスタQ24とQ25の寸法比をL:1とし、トランジスタQ20,Q21とトランジスタQ22,Q23の寸法比も同様にL:1とする。ただし、L:1は必須の条件ではないため、図11においてはN:1としている。
【0071】
定数Lは、図示されていないインダクタL20の寄生抵抗値と抵抗R20との比で近似できるものであり、一般にL>Mが成り立つ。従って、第4の実施形態で説明したようにGm増幅器A1,A2の相互コンダクタンスGm1,Gm2の比以上にGm増幅器A1,A2に流れる電流比が大きくなり、Gm増幅器A2がGm増幅器A1に比べて歪が生じやすくなる点を考慮して、定数L及びMを適当な値(例えば、L=15,M=6)に設計することにより、Gm増幅器A1,A2の3次歪(IM3)を同じレベルに設定する。このときの主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4の所望波出力Dと3次歪IM3のスペクトルを図11中の(B)(C)に示す。
【0072】
本実施形態においては、主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4においては、エミッタ縮退インピーダンス素子の種類が異なっているが、その種類に拘わらずインダクタL20と抵抗R20を適当な値にすることにより、図11中の(B)(C)に示されるようにIM3の振幅はほぼ等しくなる。しかしながら、各ミキサ3,4で発生する所望波出力D及びIM3の位相は図4に示したように90°の位相差を持つので、第1及び第2のローカル信号LO1,LO2が同相であると、それぞれの出力電流が逆相で加算されず、IM3の抑圧効果は小さくなる。このため、大きな歪抑圧効果を得るには、第1及び第2のローカル信号LO1,LO2の位相差を90°にすることが望ましい。
【0073】
(第6の実施形態)
図12には、本発明の第6の実施形態として図6で説明した周波数変換器を具体化した周波数変換器を示す。図12の周波数変換器は、図11にローカル信号のための移相器7が付加された構成となっている。移相器7は、例えば図7に示した回路が用いられる。図12中のLOl,LO2は、図7中のLO1,LO2に対応している。
【0074】
また、図12においてトランジスタQ30,Q31,Q32,Q33,Q34,Q35、インダクタL30及び抵抗R30は、図11におけるトランジスタQ20,Q21,Q22,Q23,Q24,Q25、インダクタL20及び抵抗R20にそれぞれ対応している。本実施形態における他の回路動作については、図11の説明と同様なので、ここでは省略する。
【0075】
図7に示した移相器は、ωo=1/(RC)においてローカル信号を90°移相させるが、動作周波数を変えれば、移相量を90°より大きくしたり小さくしたりすることができる。このため、主ミキサ3と歪補償用ミキサ4に対してローカル信号LO1,LO2を図7に示した移相器を介して与えることにより、主ミキサ3と歪補償用ミキサ4のGm増幅器における電流出力の位相差が90°以外のときでも、歪は補償できる。
【0076】
これまでの説明では、主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4におけるGm増幅器A1,A2の電流出力の位相は、エミッタ縮退インピーダンス素子して用いる素子にのみ決定されるとしたが、実際は、トランジスタの寄生インピーダンスにも依存するため、図4に示したような出力電流i1,i2,i3,i4,i5の位相関係は成り立たない場合がある。このような場合、移相器7が正確な90°移相器では歪の抑圧効果が低減するので、R,Cの値を選定することにより、Gm増幅器A1,A2の電流出力の位相差に合わせて移相器7を設計すればよい。
【0077】
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態として、図11の周波数変換器を差動化した場合の回路例を図13に示す。これは図10に示した周波数変換器の主ミキサ3におけるGm増幅器A1内のエミッタ縮退抵抗R40をインダクタL60に置き換えた構成となっている。
【0078】
図13においてトランジスタQ60,Q61,Q62,Q63,Q64,Q65,Q67,Q68,Q69,Q70,Q71は、図10におけるトランジスタQ40,Q41,Q42,Q43,Q44,Q45,Q46,Q47,Q48,Q49,Q50,Q51にそれぞれ対応し、またエミッタ縮退抵抗R60は図10におけるエミッタ縮退抵抗R41に対応している。
【0079】
但し、本実施形態では電流スイッチSW1のトランジスタQ60,Q63のベース端子及びトランジスタQ61,Q62のベース端子は、第1のローカル信号LO1が入力される入力端子2A,2Bにそれぞれ接続され、電流スイッチSW2のトランジスタQ64,Q67のベース端子及びトランジスタQ65,Q66のベース端子は、第2のローカル信号LO2が入力される入力端子2C,2Dにそれぞれ接続されている。
【0080】
本実施形態の周波数変換器の動作は、図12で示したように、主ミキサ3の出力の所望波及び3次歪と、歪補償用ミキサ4の出力の所望波及び3次歪の位相差が90°となる点を除き、図10と同じである。所望波及び3次歪の位相差を各々のミキサ3,4の出力において逆相として大きな歪抑圧効果を得るためには、第1及び第2のローカル信号LO1,LO2の位相差を90°とすればよい。
【0081】
(第8の実施形態)
図14には、本発明の第8の実施形態として図6で説明した周波数変換器を具体化したもう一つの周波数変換器を示す。図14の周波数変換器は、図13にローカル信号のための移相器7が付加された構成となっている。移相器7は、例えば図7に示した回路が用いられる。
【0082】
図14中のLOl,LO2は、図7中のLO1,LO2に対応している。また、図14においてトランジスタQ80,Q81,Q82,Q83,Q84,Q85,Q86,Q87,Q88,Q89,Q90,Q91、インダクタL80及び抵抗R80は、図13におけるトランジスタQ60,Q61,Q62,Q63,Q64,Q65,Q66,Q67,Q68,Q69,Q70,Q71、インダクタL60及び抵抗R60にそれぞれ対応している。
【0083】
本実施形態においても、Gm増幅器A1,A2の相互コンダクタンスGm1,Gm2がGm1=M×Gm2(Mは3より大きい定数)という式(3)の条件を満たすため、RF入力信号の角周波数をωRFとし、エミッタ縮退インダクタL20及びエミッタ縮退抵抗R20の値を同じ記号L20,R20で表すと、
R80=M×ωRF×L80
と設定する。この場合においても、Mは本質的には1より大きい定数であればよいが、主ミキサ3の変換利得に比べ歪補償用ミキサ4の変換利得を1/3以上にすると、周波数変換器全体の利得が3.5dB減衰され、実用的ではなくなるので、Mは3以上の値が望まれる。
【0084】
また、トランジスタQ88,Q89に流れる電流をIoとすると、トランジスタQ90,Q91に流れる電流はIo/Lと設定する。ここでは、トランジスタに流れる電流密度を一定とするため、トランジスタQ88,Q89とトランジスタQ90,Q91の寸法比をL:1とし、トランジスタQ80,Q81,Q82,Q83とトランジスタQ84,Q85,Q86,Q87の寸法比も同様にL:1とする。ただし、L:1は必須の条件ではないため、図14においてはN:1としている。
【0085】
さらに、本実施形態においても定数M,Lの関係がL>MとなるようにLを設定するが、L及びMを適当な値(例えば、L=15,M=6)に設計することによりGm増幅器A1,A2の3次歪(IM3)を同じレベルに設定することができる。このときの主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4の所望波出力Dと3次歪IM3のスペクトルを図14中の(B)(C)に示す。
【0086】
エミッタ縮退インピーダンス素子は、主ミキサ3内のGm増幅器A1においてはインダクタL80であり、歪補償用ミキサ4内のGm増幅器A2においては抵抗R80であるので、図14中の(B)(C)に示されるように、それぞれのミキサ3,4で発生するIM3の位相差は90°であり、また振幅はほぼ等しく設計されているとする。このため、主ミキサ3に入力する第1のローカル信号LO1と、歪補償用ミキサ4に入力する第2のローカル信号LO2の位相差を90°とすることにより、それぞれのミキサ3,4の出力電流は逆相で加算されることになり、IM3は抑圧される。
【0087】
また、主ミキサ3及び歪補償用ミキサ4におけるGm増幅器A1,A2の出力電流は、トランジスタの寄生インピーダンスのため、図4に示したような出力電流i1,i2,i3,i4,i5の位相関係は成り立たない場合がある。このような場合、移相器7が正確な90°移相器では歪の抑圧効果が低減するので、図12の実施形態で説明したと同様に、R,Cの値を選定することで、Gm増幅器A1,A2の電流出力の位相差に合わせて移相器7を設計すればよい。
【0088】
(第9の実施形態)
本発明に係る周波数変換器は、携帯電話機その他の通信機器などの移動無線通信装置に好適である。図15に、このような無線通信装置の送受信部の構成を示す。ここでは送受の切り替えを時分割で行うTDD(Time Division Duplex)方式を例として説明するが、これに限られるものではない。
【0089】
まず、送信部について説明すると、ベースバンド信号発生部(TX-BB)101では直交した第1及び第2の送信ベースバンド信号Ich(TX),Qch(TX)が適当なフィルタにより帯域制限されて出力される。これらの直交送信ベースバンド信号Ich(TX),Qch(TX)は、二つの乗算器102,103と加算器104からなる直交変調器105に入力され、2つの直交した周波数をfLO2の第2ローカル信号を変調する。第2ローカル信号は、局部発振器106により発生され、かつ90°移相器(90°−PS)107により2分割されて直交変調器105に入力される。
【0090】
直交変調器105から出力される被変調信号はIF(中間周波)信号であり、可変利得増幅器109に入力される。可変利得増幅器109は、図示しない制御系からの利得制御信号に従って入力されたIF信号を適当な信号レベルに調節する。可変利得増幅器109から出力されるIF信号は、一般に直交変調器105及び可変利得増幅器109で発生する不要な高調波成分を含むため、この不要成分を除去するためのローパスフィルタまたはバンドパスフィルタ110を介してアップコンバータ111に入力される。
【0091】
アップコンバータ111は、IF信号と第1局部発振器112で発生される周波数fLO1の第1ローカル信号との乗算を行うことにより周波数変換(アップコンバート)を行い、周波数fLO1+fLO2のRF信号と周波数fLO1−fL02のRF信号を生成する。これら二つのRF信号のいずれか一方が所望波出力であり、他方は不要なイメージ信号である。ここでは、周波数fL01+fL02のRF信号を所望波とするが、周波数fLO1−fL02のRF信号を所望波出力としてもよい。イメージ信号は、イメージ除去フィルタ113により除去される。
【0092】
アップコンバータ111からイメージ除去フィルタ113を介して抽出された所望波出力は、電力増幅器(PA)114により所要の電力レベルまで増幅された後、送受切り替え電流スイッチ(T/R)115を介してアンテナ116に供給され、電波として放射される。
【0093】
一方、受信部においては、アンテナ116から出力される受信RF信号が送受切り替え電流スイッチ115及びバンドパスフィルタ117を介して、低雑音増幅器(LNA)118に入力される。低雑音増幅器118により増幅された受信RF信号は、イメージ除去フィルタ119を介してダウンコンバータ120に入力される。
【0094】
ダウンコンバータ120は、第1局部発振器112で発生される周波数fL01の第1ローカル信号と受信RF信号の乗算を行い、受信RF信号をIF信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。ダウンコンバータ120から出力されるIF信号は、バンドパスフィルタ121及び可変利得増幅器122を介して分波器(図示せず)と乗算器123,124からなる直交復調器125に入力される。
【0095】
直交復調器125には、送信部の直交変調器105と同様に、第2局部発振器106から90°移相器(90°−PS)108を介して直交した周波数fL02の第2ローカル信号が入力される。直交復調器125の出力Ich(RX)及びQch(RX)は、受信部ベースバンド処理部(RX−BB)126に入力され、ここで受信信号が復調されることによって、元のデータ信号が再生される。
【0096】
上記構成の無線通信装置において、アップコンバータ111及びダウンコンバータ120のいずれか一方または両方に、本発明による周波数変換器を適用することができる。これにより、低電流動作が可能であって小型化に適し、かつ低歪特性を有する無線通信装置を実現することができる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば動作電流を大幅に大きくすることなく、歪を効果的に低減可能な周波数変換器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成である第1の実施形態に係る周波数変換器の概略構成を示すブロック図
【図2】図1の周波数変換器をより具体的に示すブロック図
【図3】本発明に係る周波数変換器を構成する主ミキサ及び歪補償用ミキサに適用可能な相互コンダクタンス増幅器の種々の例を示す回路図
【図4】図3に示したそれぞれの相互コンダクタンス増幅器の出力電流位相を示す図
【図5】本発明の他の基本構成である第2の実施形態に係る周波数変換器の概略構成を示すブロック図
【図6】図5の周波数変換器をより具体的に示すブロック図
【図7】第2の実施形態に係る周波数変換器に適用可能な移相器の具体例を示す回路図
【図8】図7の移相器の振幅及び位相の周波数特性を示す図
【図9】図2に示した周波数変換器をより具体化した本発明の第3の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図
【図10】図9に示した周波数変換器を差動化した本発明の第4の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図
【図11】図9に示した周波数変換器を変形した本発明の第5の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図
【図12】図6に示した周波数変換器をさらに具体化した本発明の第6の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図
【図13】図11に示した周波数変換器を差動化した本発明の第7の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図
【図14】図6に示した周波数変換器をさらに具体化した本発明の第8の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図
【図15】本発明に係る周波数変換器を適用した本発明の第9の実施形態に係る無線通信装置における無線部の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1,1A,1B…RF入力信号の入力端子
2,2A〜2D…ローカル信号の入力端子
3…主ミキサ(第1のミキサ)
4…歪補償用ミキサ(第2のミキサ)
5…加算回路
6…出力端子
7…移相器
A1,A2…相互コンダクタンス増幅器
SW1,SW2…電流スイッチ

Claims (9)

  1. 周波数変換すべき入力信号を第1のローカル信号に従い第1の変換利得で周波数変換して第1の出力信号を得る、第1の動作電流が流れる第1のミキサと、
    前記入力信号を前記第1のローカル信号と位相が異なる第2のローカル信号に従い前記第1の変換利得の1/M(但し、Mは3より大きい定数)である第2の変換利得で周波数変換して第2の出力信号を得る、前記第1の動作電流の1/L(但し、Lはより大きい定数)である第2の動作電流が流れる第2のミキサと、
    前記第1の出力信号と前記第2の出力信号を互いに逆相の関係で加算することにより周波数変換出力信号を生成する加算回路とを備える周波数変換器。
  2. 周波数変換すべき入力信号を第1の電流信号に変換する、第1の利得を有し第1の動作電流が流れる第1の相互コンダクタンス増幅器と、
    前記第1の電流信号を入力し、第1のローカル信号に従ってスイッチング動作することにより該第1の電流信号を周波数変換して第1の出力信号を生成する第1の電流スイッチと、
    前記入力信号を第2の電流信号に変換する、前記第1の変換利得の1/M(但し、Mは3より大きい定数)である第2の利得を有し前記第1の動作電流の1/L(但し、Lはより大きい定数)である第2の動作電流が流れる第2の相互コンダクタンス増幅器と、
    前記第2の電流信号を入力し、前記第1のローカル信号と位相が異なる第2のローカル信号ローカル信号に従ってスイッチング動作することにより該第2の電流信号を周波数変換して前記第2の出力信号を生成する第2の電流スイッチと、
    前記第1の出力信号と前記第2の出力信号を互いに逆相の関係で加算することにより周波数変換出力信号を生成する加算回路とを備える周波数変換器。
  3. 前記第1の相互コンダクタンス増幅器は、前記入力信号を受ける制御電極と前記第1の電流信号を出力する第1主電極、及び第2主電極を有する少なくとも一つの第1のトランジスタと、該第1のトランジスタの前記第2主電極と定電位点との間に接続された少なくとも一つの第1の縮退インピーダンス素子とを有し、
    前記第2の相互コンダクタンス増幅器は、前記入力信号を受ける制御電極と前記第2の電流信号を出力する第1主電極、及び第2主電極を有する少なくとも一つの第2のトランジスタと、該第2のトランジスタの前記第2主電極と定電位点との間に接続された少なくとも一つの第2の縮退インピーダンス素子とを有する請求項2記載の周波数変換器。
  4. ローカル発振器から供給される原ローカル信号を入力して、前記第1及び第2のローカル信号を生成する移相器をさらに備え、
    前記第1の縮退インピーダンス素子及び前記第2の縮退インピーダンス素子は、抵抗、インダクタ及びキャパシタの中から選ばれた同一種類の素子である請求項3記載の周波数変換器。
  5. ローカル発振器から供給される原ローカル信号を入力して、前記第1及び第2のローカル信号を生成する移相器をさらに備え、
    前記第2の縮退インピーダンス素子は、前記第1の縮退インピーダンス素子と異なる種類の素子である請求項3記載の周波数変換器。
  6. 前記第1の縮退インピーダンス素子はインダクタであり、前記第12の縮退インピーダンス素子は、抵抗またはキャパシタである請求項5記載の周波数変換器。
  7. ローカル発振器から供給される原ローカル信号を入力して、前記第1及び第2のローカル信号を生成する移相器をさらに備える請求項1記載の周波数変換器。
  8. 前記移相器は、第1の抵抗と第1のキャパシタの直列回路からなる積分器と、
    該積分器に並列接続され、第2のキャパシタと第2の抵抗の直列回路からなる微分器とを有し、該積分器及び微分器の両端に前記原ローカル信号を入力し、前記第1のローカル信号として該原ローカル信号を取り出し、前記第2のローカル信号を該積分器の出力と微分器の出力の差として取り出すように構成される請求項7記載の周波数変換器。
  9. 送信すべき信号を周波数変換する第1の周波数変換器を含む送信部と、
    受信した信号を周波数変換する第2の周波数変換器を含む受信部とを有する無線通信装置であって、
    前記第1及び第2の周波数変換器の少なくとも一方に請求項1〜8のいずれか1項記載の周波数変換器を用いた無線通信装置。
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