JP4003861B2 - 多次成形体及びその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多次成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
低次の成形体の外部に熱可塑性樹脂を一体化成形させた多次成形体、例えば、図16に示すように低次の成形体(以下「一次成形体」という)1の上面1aと前部下面1bとを連設して熱可塑性樹脂としての二次成形体2により覆って多次成形体3を形成する場合、図17に示すように一次成形体1の両側部に夫々上端が上面1aに、下端が下面1bに開口する溝1cを設け、図18(a)に示すように金型3の各溝1cと対向して設けたゲート3gから溶融した熱可塑性樹脂を加圧注入して、一次成形体1の上面1aと前部下面1bとを上板2aと下板2bで覆うと共に各溝部1cにおける側部2cにより連設する。このようにして一次成形体1に二次成形体2をインサート成形する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したインサート成形により形成される多次成形体において二次成形体2の一次成形体1の上面1aを覆う上板2aと前部下面1bを覆う下板2bとの板厚が大きく異なる場合、例えば、上板2aに比して下板2bの板厚が薄い場合、図18(a)に示すように金型3と一次成形体1の上面1aとにより画成される空間(隙間)G1と、金型3と前部下面1bとにより画成される空間(隙間)G2とが大きく異なる。
【0004】
このため、図18(a)、(b)に示すようにゲート3gから斜線で示す二次成形用の熱可塑性樹脂を充填すると、流動抵抗の違いにより空間G1側に積極的に充填が行われ、空間G2側には充填され難いという現象が発生し、下板2bが成形され難くなる。これは、充填する樹脂の流れ易さは、成形すべき板厚(樹脂の流れ込む隙間)の4乗に比例するためである。また、上板2aと下板2bの板厚によっては、樹脂の流動抵抗のバランスが崩れて金型3全体に樹脂が廻らず、冷却固化し、一次成形体の変形、変形に伴う流路狭化により成形品の一部が欠ける所謂ショートモールドが発生する。更に複雑な作用によるショートモールドの例としては、同図(c)に示すように先ず、肉厚の大きい上板2a部分が薄肉の下板2bより先に充填が進み完了し、更に射出充填が進むにつれ上板2aは過充填となり、樹脂内圧が崩れ、その結果、一次成形体1は薄肉部の下板2b方向に変形し、下板2bの肉厚は更に薄くなり、ショートモールド2dが発生する。更に、成形時において樹脂の2つ以上の流れが完全に融合しないときに生じる結合部にできる線上のムラ所謂ウェルドを生じることもある。
【0005】
更に、図18に示す空間G1及びG2のように偏肉がある場合には、薄肉の空間G2側の金型壁面にゲート(図示せず)を形成し、先ず薄肉部への樹脂充填がなされた後で厚肉部G1へ樹脂が到着して充填されるように構成することも可能である。しかし、このときは空間G2側の成形面にゲート痕が残るので、この面に平面性・平滑性が要求されるような用途(例えば、後述するセンサの検出部)には適用することができない。
【0006】
また、下板2bを充填するために充填圧力を増加させると、一次成形体1が柔らかく強度の弱い樹脂による成形体である場合には、同図(d)に示すように上板2aや側部2cが充填過剰となり、一次成形体1が変形したり、破壊されることがある。また、ゲート3gの位置を板厚の薄い下板2b側(空間G2側)に近づけても、上板2a、下板2bのバランスを取る効果はあまり期待することができない。更に、ゲートの位置やゲート径の変更は、金型の改修が困難であり、且つ発生する費用も多大となる。また、金型の構造的に変更できない場合も多い等多くの問題がある。
【0007】
これを解決するために、樹脂の流路を構成する金型壁面に突起を設け、溶融樹脂に対し流体抵抗を与えて、偏肉空間への充填バランスを調節する方法を考案したが、成型品を金型から取り出す際に突起が邪魔になって取り出し作業に手間取ること及び成形体の外観に凹部が形成されてしまうことから、製品への適用に制約が生じることが分かった。
【0008】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、金型のゲート位置やゲート形状を改修することなく溶融樹脂の流動状体を調節して精度の高い多次成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の多次成形体は、金型を用いて低次の成形体の外側に、前記金型のゲートに対峙する部位に対して薄肉部と厚肉部とを非対称に有する熱可塑性樹脂の層を一体化形成したものであって、
前記低次の成形体は、その表面の前記金型のゲートに対峙する位置と前記厚肉部の形成位置との間に、前記ゲートから注入されて前記厚肉部の形成位置に流れ込む熱可塑性樹脂に対する流動抵抗と、前記ゲートから注入されて前記薄肉部の形成位置に流れ込む熱可塑性樹脂に対する流動抵抗とを等しくして前記金型における前記熱可塑性樹脂の充填バランスを確保する突出部を備え、特にこの突出部の先端は前記熱可塑性樹脂の層の表面よりも内部側に位置し、その全体が前記熱可塑性樹脂の層に覆われる形状を有することを特徴としている。
【0010】
低次の成形体の外部を覆う熱可塑性樹脂層は、前記低次の成形体の表面に設けられた突出部により流動抵抗を受けて充填率が変化して厚みが調節される。これにより、低次の成形体の外部を覆う熱可塑性樹脂層の部分的に異なる厚みを精度よく成形される。しかも上記突出部は、その全体が熱可塑性樹脂により覆われるので、多次形成体の外観に変化が生じることがない。
請求項2の多次成形体の製造方法は、金型内に低次の成形体を設置し、前記金型のゲートから溶融した熱可塑性樹脂を加圧注入して前記低次の成形体の外側に、前記金型のゲートに対峙する部位に対して薄肉部と厚肉部とを非対称に有する前記熱可塑性樹脂の層を一体化形成するに際し、
前記低次の成形体の表面の前記金型のゲートに対峙する位置と前記厚肉部の形成位置との間に、その先端が前記熱可塑性樹脂の層の表面よりも内部側に位置してその全体が前記熱可塑性樹脂の層にて覆われる突出部であって、前記ゲートから注入されて前記厚肉部の形成位置に流れ込む熱可塑性樹脂に対する流動抵抗と、前記ゲートから注入されて前記薄肉部の形成位置に流れ込む熱可塑性樹脂に対する流動抵抗とを等しくして前記金型における前記熱可塑性樹脂の充填バランスを確保する突出部を設けておくことを特徴とする。
【0011】
金型のゲートから加圧注入された熱可塑性樹脂は、低次の成形体の表面に設けられた突出部により流動抵抗を受けて充填率が調節される。これにより、充填バランスが確保され、前記低次の成形体の表面を覆う樹脂層の厚みを調節することができ、厚みの異なる樹脂層を精度よく成形することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る多次成形体の第1の実施形態を示し、多次成形体4は、略直方体形状をなし、低次成形体(以下「一次成形体」という)5の上面5aと前部下面5bが二次成形体2の上板2aと下板2bとにより覆われ、上板2aと下板2bの両側部が側板2cにより連設されている。上板2aの板厚Tは下板2bの板厚tよりも厚く(T>t)成形されている。
【0013】
図2に示すように一次成形体5は、前部下面5bが後部下面5b'よりも前記した板2bの板厚tだけ低く形成されており、両側部の略中央に夫々上端が上面5aに、下端が前部下面5bに開口する溝5c、5cが設けられている。これらの溝5cは、二次成形体2を形成する溶融する熱可塑性樹脂の流路とされ、断面形状が一定とされている。そして、図2及び図3に示すように各溝5cの上面5a側に開口する上端には、突出部としての凸部5dが設けられている。この凸部5dは、樹脂の流路としての溝5cの堰とされ、当該溝5cを上面5a側に流れる溶融樹脂の流量を制御する。即ち、凸部5dは、二次成形体2を成形する際に熱可塑性樹脂が過充填になると思われる流路に設けられている。本実施の形態の場合図1に示すように二次成形体2は、上板2aの板厚Tが下板2bの板厚tよりも厚いため、溝5cの上端(上面5a側)に設けられている。
【0014】
溝5cの凸部5dは、一次成形体5を形成する金型(図示せず)の前記溝5cを成形する凸条部に凹部を設けることで形成される。そこで、前記金型の凸条部に始めは僅かな凹部(小さな凹部)を作ることにより、一次成形体5の溝5cの底面に僅かに凸部(小さな凸部)を作る。そして、二次成形体2の樹脂の流れの変化を確認しながら、徐々に前記凹部を削り込んで凸部を大きくしていき、最も良好な充填バランスを確立する。これにより、溶融樹脂の流動状態の調節を容易に行うことができる。この方法によれば、金型に凹み加工を進めていくだけであるため、加工が極めて容易であり、加工費用の発生が少なくて済む。また、金型の溶融樹脂を射出するゲート位置、ゲート径、ゲート点数等は、充填バランスやウェルドの発生位置等を考慮して設定される。
【0015】
一次成形体5に二次成形体2を成形する場合、図4に示すように金型3に一次成形体5を収納する。金型3と一次成形体5の上面5aとにより高さTの上部空間(隙間)G1が、金型3と前部下面5bとにより高さtの下部空間(隙間)G2が画成される。そして、金型3のゲート3g、3gから溶融した熱可塑性樹脂を溝5c、5cに加圧注入する。各溝5cに注入された前記樹脂は、当該溝5c内を上、下に向かって流れ、空間G1、G2に充填される。溝5cを上方に向かって流れる前記溶融樹脂は、凸部5dにより流動抵抗を受けて流量が調節され、上、下の空間G1、G2(偏肉厚部分)への前記溶融樹脂の充填バランスが確保される。これにより、二次成形体2の上板2a、下板2bが所定の板厚T、tに正確に成形される。更に、充填バランスが保もたれることで、ショートモールドが回避される。
【0016】
また、この製造方法により、従来は成形ができないと考えられているような充填バランスの悪い形状や、一次成形体に柔らかく強度の弱い樹脂成形体を使用することも可能となる。更に、金型のゲート位置や形状では対処することができないような成形体、例えば、溶融樹脂の流路の偏肉厚部の成形等も可能となる。
図5は本発明に係る多次成形体の第2の実施形態を示し、第1の実施形態において二次成形体2の樹脂の流路としての一次成形体5の溝5cの深さが一定であっても、断面形状や両端の溝幅が異なる場合における熱可塑性樹脂の充填バランスを確保するようにしたものである。一次成形体6の溝6cは、底面6eが開口端よりも狭く両側面がテーパ状に拡開して断面形状が台形をなし、更に、一側開口端6caの溝幅がWa、wa、他側開口端6cbの溝幅がWb(<Wa)、wb(<wa)とされている。そして、溝6の例えば、底面6eの開口端6ca側寄りに適宜の大きさ及び形状の凸部6dを形成したものである。これにより、溝6cを流れる溶融樹脂の流量が調節されて、開口端6ca、6cbから充填部に流れ出る樹脂の充填バランスを確保する。尚、凸部6dは、溝6cの底面に限るものではなく側面に設けてもよい。勿論、金型のゲートGの位置、ゲート径、ゲート点数等は、前述したように充填バランスやウェルドの発生位置等を考慮して設定されている。
【0017】
図6は本発明に係る多次成形体の第3の実施形態を示し、金型3の底部3Bの温度を上部3Aの温度よりも低くしなければならない、例えば、底部3Bに一次成形体7の熱に弱い部品が接触するような場合における充填バランスを確保するようにしたものである。二次成形体2の上板2aの板厚Tと下板2bの板厚tとが同じ板厚(T=t)であっても、金型温度の低い底部3B方向への樹脂の流れが悪くなる。そこで、一次成形体7の溶融樹脂流路としての溝7cの一部例えば底面に金型温度の高い上部3A側に適宜の大きさ及び形状の凸部7dを設けて二次成形体の充填バランスを確保するようにしたものである。尚、凸部7dは、溝7cの底面に限るものではなく側面に設けてもよい。
【0018】
図7は本発明の第4の実施形態を示し、第1乃至第3の実施形態の場合と反対に一次成形体を二次成形体で覆う際の熱可塑性樹脂の充填バランスを崩して、ウェルド(樹脂の最終結合点)位置を変更するようにしたものである。図7において例えば、一次成形体8に上面8aと接する或いは、上面8aと同一面をなすように電気部品9が含まれている場合、当該電気部品9の付近にウェルドが存在すると耐水性や強度が低下する虞があるために好ましくない。そこで、一次成形体8の溶融樹脂流路としての溝8c、8cの何れか一方の溝8cの一部例えば、底部に適宜の大きさ及び形状の凸部8dを設けて上面8a側と下面8b側に流れる樹脂の充填バランスを崩し、上面8a、下面8bを覆う上板2a、下面2bのウェルド2aw、2bwを変更して電気部品9から離れた位置にしたものである。金型3のゲート3gの位置、ゲート径、ゲート点数等は、前述したように充填バランスやウェルド2aw、2bwの発生位置等を考慮して設定されている。これにより、前記電気部品9に対する耐水性や強度を確保することができる。尚、凸部8dは、溝8cの底面に限るものではなく側面に設けてもよい。
【0019】
次に、本発明に係る多次成型体の第5の実施形態を図8乃至図15により説明する。図8は近接センサの斜視図、図9は図8に示す近接センサの一次成形体の斜視図、図10は、図2に示す近接センサの一次成形体を覆う二次成形体の斜視図である。尚、図10に示す二次成形体は、形状を判り易くするために図8に示す近接センサにおいて図9に示す一次成形体を取り除いた状態を示している。
【0020】
図8乃至図10に示すように近接センサ(樹脂成形体)10は、近接センサ本体としての一次成形体(樹脂成形体)11、この一次成形体11を覆う外殻としての二次成形体(樹脂成形体)12及び電線13から成る。成形体12の上板12aは、一次成形体11の上面11aを覆い、下板12bは、前部下面11bを覆う。そして、上板12aの板厚Tは、例えば1mm、下面12bの板厚tは上板12aよりも薄く、例えば0.5mmとされている。
【0021】
一次成形体11は、図13、図14に示すように回路基板20に検出コイルを巻回したコア21、発光素子(LED)22、回路素子24等が実装されてインサートされている。電線13は、被覆材14の端末から延出する心線15〜17の端末が回路基板20に接続されている。そして、回路基板20、電線13の端末が一次成形用の金型(図示せず)に収納されて一次成形樹脂25が充填され、回路基板20、コア21、発光素子22、回路素子24等が一体的にモールドされる。
【0022】
図9に示すように一次成形体11は、略直方体形状をなし、回路基板20の後方にネジ取付孔(段差孔)11cが上下に貫通して設けられており、更に、二次成形体との密着性の向上及び基板の変形等を防止するために上面11aから回路基板20までテーパ孔11dが複数設けられ(図13)、両側面の前、後に夫々溝11e、11fが、前面中央に溝11g(図2、図4、図5)が設けられている。溝11gの下端は、前部下面11bに連設されている。上面11aと前部下面11bとを連通する溝11eの上端には凸部11hが設けられて堰が形成されている。この凸部11hは、上面11a側と前部下面11b側に充填される樹脂の流量を調節して、充填バランスを確保するためのものである。
【0023】
図13に示すように一次成形体11の前部下面11bは、回路基板20に固定されているコア21の端面(検出面)21aと同一面とされ、当該前部下面11bに連設する後部下面11b'は、前部下面11bから所定の高さtに設定されている。前部下面11bの前端近傍左右両側に円柱形状の突起11iが突設されており、その高さは、前部下面11bから前記所定の高さtに設定されている。
【0024】
一次成形体11を形成する樹脂25は、内蔵される回路基板20及び当該回路基板20に実装されている前記種々の回路部品や電線13の被覆14の端末等を封止して液密に保護すると共に回路基板20との線膨張率の違いによる応力を緩和するために、柔らかい樹脂(例えば、熱可塑性エラストマ系樹脂)が使用されている。また、内蔵された発光素子22の光を透過させて外部から視認可能とするために半透明の樹脂が使用されている。
【0025】
次に、一次成形体11を二次成形用の金型(図示せず)に収納し、図11及び図12に示すゲートGe、Gf、Ggから溝11e、11f、11gに二次成形用の溶融した樹脂26を加圧注入して二次成形体12を成形する。この二次成形樹脂26は、一次成形体11を保護する外殻としての強度を確保し、且つ寸法精度を得るために硬い樹脂(例えば、PBT、ABS樹脂等)が使用される。
【0026】
ゲートGeから溝11eに注入された樹脂は、図15に示すように一次成形体11の上面11aの前部、孔11d、前部下面11bと各突起11iとの間の空間に充填されて、上板12aの前部、回路基板20の反り等の変形を防止する突起部12d、コア21の端面21aを保護する下板12b、これらの上板12aと下板12bとを連設すると共に前側部の一部を保護する補強部を兼ねた連設部12eを形成する。各突起11iは、上面11aの前部に充填される樹脂による変形を防止して、前部下面11bと金型との間の前記空間を所定の間隔tに保持する。また、先端部のゲートGgから溝11gに注入された樹脂は、前面の一部を保護する補強部12g及び下板12bの前端部を成形する。ゲートGfから溝11fに注入された樹脂は、上面11aの後部、ネジ取付孔11cの内周面に充填され、上板12aの後部、ネジ取付孔11cの内周面及びネジ頭部と当接する段差面を覆うネジ取付補強部12c、回路基板20の反り等の変形を防止する突起部12d、後側部の一部を保護す補強部12f、電線13の端末を覆う保護部12j等が成形される。
【0027】
下板12bは、一次成形体11の前部下面11bに密着成形され、且つ左右の突起11iにより板厚が所定の高さtに正確に成形されて下面が後部下面11b'と面一をなしている。これにより、コア21の端面(検出面)21aから下板12bの下面までの距離が所定の高さtに精度よく設定され(図15)、近接センサ10の動作距離のバラツキが抑えられる。また、下板12bは、前部下面11bに密着成形されることでシール性が確保され、コア21の端面21aが液密に封止される。また、ネジ取付孔11cの内周面及び段差面を二次成形体の樹脂で覆うことにより強度が確保され、ネジ等で取り付ける際に近接センサ10の変形や破損等が防止されと共に、電線13の心線15〜17も保護される。
【0028】
尚、上記では一次成形体に対して二次成形体を形成する実施の形態について説明したが、これに限られるものではなく、この二次成形体に対して更に三次成形体等の多次成形体を形成することも本発明の適用範囲である。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、低次の成形体の外部を覆う熱可塑性樹脂は、前記低次の成形体の表面に設けられた突出部により流動抵抗を受けて充填率が変化し、これにより、偏肉厚部分の充填バランスが保たれ、多次成形体における前記低次の成形体の外部を覆う樹脂層の厚みが部分的に異なる場合でも精度よく成形される。
【0030】
請求項2の発明によれば、金型のゲートから加圧注入された熱可塑性樹脂は、低次の成形体の表面に設けられた突出部により流動抵抗を受けて充填率が調節されことにより、充填バランスが確保され、多次成形体における前記低次の成形体の表面を覆う樹脂層の厚みが部分的に異なる場合でも精度よく成形することができる。また、前記金型は、低次の成形体表面に形成する突出部に応じて凹加工することで簡単に対処することができ、ゲートの位置や径の変更が不要であり金型のコストを大幅に低減することができる。更に、充填バランスの悪い形状や、低次の成形体に柔らかく強度の弱い材料を使用することも可能となり、種々の多次成形体に容易に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多次成形体の第1の実施形態の斜視図である。
【図2】図1に示す多次成形体の低次の成形体の斜視図である。
【図3】図2に示す多次成形体の矢線III-IIIに沿う断面図である。
【図4】図1に示す多次成形体の製造方法の説明図である。
【図5】本発明に係る多次成形体の第2の実施形態を示し、低次の成形体に設けた樹脂流路としての溝の要部を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る多次成形体の第3の実施形態を示し、低次の成形体に設けた樹脂流路としての溝及び金型の断面図である。
【図7】本発明に係る多次成形体の第4の実施形態を示し、低次の成形体に設けた樹脂流路としての溝及び金型の断面図である。
【図8】本発明に係る多次成形体の第5の実施形態を示し、多次成形体を適用した近接センサの斜視図である。
【図9】図8に示す一次成形体の斜視図である。
【図10】図8に示す二次成形体の斜視図である。
【図11】図9の矢線XI―XIに沿う内部を省略した断面図である。
【図12】図9に示す一次成形体に二次成形体を充填する金型のゲート位置の説明図である。
【図13】図9に示す一次成形体の矢線XIII―XIIIに沿う断面図である。
【図14】図13に示す一次成形体の矢線XIV-XIVに沿う断面図である。
【図15】図8に示す近接センサの矢線XV―XVに沿う断面図である。
【図16】従来の多次成形体の斜視図である。
【図17】図16に示す低次成形体の斜視図である。
【図18】図16に示す多次成形体の製造方法の説明図である。
【符号の説明】
1、4 多次成形体
2 二次成形体
3 金型
3g ゲート
5〜8 一次成形体(低次成形体)
5c 溝(溶融樹脂流路)
5d、6d、7d、8d 凸部(突出部)
10 近接センサ(多次成形体)
11 一次成形体(樹脂成形体)
11a 上面
11b 前部下面
11b' 後部下面
11e、11f、11g 溝(溶融樹脂通路)
11h 凸部(突出部)
12 二次成形体(樹脂成形体)
12a 上板
12b 下板
12e 連設部
13 電線
20 回路基板
21 コア
25 一次成形体用樹脂
26 二次成形体用樹脂

Claims (2)

  1. 金型を用いて低次の成形体の外側に、前記金型のゲートに対峙する部位に対して薄肉部と厚肉部とを非対称に有する熱可塑性樹脂の層を一体化形成した多次成形体であって、
    前記低次の成形体は、その表面の前記金型のゲートに対峙する部位と前記厚肉部の形成位置との間に、前記ゲートから注入されて前記厚肉部の形成位置に流れ込む熱可塑性樹脂に対する流動抵抗と、前記ゲートから注入されて前記薄肉部の形成位置に流れ込む熱可塑性樹脂に対する流動抵抗とを等しくして前記金型における前記熱可塑性樹脂の充填バランスを確保する突出部を備え、
    この突出部の先端は前記熱可塑性樹脂の層の表面よりも内部側に位置し、その全体が前記熱可塑性樹脂の層に覆われることを特徴とする多次成形体。
  2. 金型内に低次の成形体を設置し、前記金型のゲートから溶融した熱可塑性樹脂を加圧注入して前記低次の成形体の外側に、前記金型のゲートに対峙する部位に対して薄肉部と厚肉部とを非対称に有する前記熱可塑性樹脂の層を一体化形成する多次成形体の製造方法において、
    前記低次の成形体の表面の前記金型のゲートに対峙する位置と前記厚肉部の形成位置との間に、その先端が前記熱可塑性樹脂の層の表面よりも内部側に位置してその全体が前記熱可塑性樹脂の層にて覆われる突出部であって、前記ゲートから注入されて前記厚肉部の形成位置に流れ込む熱可塑性樹脂に対する流動抵抗と、前記ゲートから注入されて前記薄肉部の形成位置に流れ込む熱可塑性樹脂に対する流動抵抗とを等しくして前記金型における前記熱可塑性樹脂の充填バランスを確保する突出部を設けておくことを特徴とする多次成形体の製造方法。
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