JP4003437B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、積層セラミック電子部品の製造方法に関するもので、特に、ニッケルを含む内部導体膜を備える積層セラミック電子部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1は、この発明にとって興味ある積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ1を図解的に示す断面図である。
【0003】
積層セラミックコンデンサ1は、積層された複数のセラミック層2を含む積層体3を備えている。
【0004】
積層体3の内部には、内部導体膜としての複数の内部電極4がセラミック層2間の特定の界面に沿って形成されている。内部電極4は、静電容量を与えるように、セラミック層2を介して対向しており、積層体3の一方端面に引き出されるものと他方端面に引き出されるものとが交互に配置されている。
【0005】
積層体3の両端面上には、外部電極5がそれぞれ形成されている。外部電極5は、静電容量を取り出すためのもので、内部電極4の特定のものに電気的に接続される。
【0006】
このような積層セラミックコンデンサ1は、一般に、次のように製造されている。
【0007】
まず、積層体3の生の状態のものが作製される。
【0008】
生の積層体3は、セラミック層2となるべき積層された複数のセラミックグリーン層を備えている。セラミックグリーン層は、通常、セラミック原料粉末とバインダおよび溶剤からなるビヒクルとを含むセラミックスラリーをシート状に成形することによって得られたセラミックグリーンシートによって与えられる。
【0009】
また、生の積層体3は、上述のセラミックグリーン層間の特定の界面に沿って形成された内部電極4を備えている。内部電極4は、通常、導電性金属粉末を含む導電性ペーストによって与えられる。導電性ペーストは、上述したセラミックグリーンシートの特定のものの上に、たとえばスクリーン印刷法を用いて、内部電極4を形成するように、所定のパターンをもって付与される。
【0010】
次に、生の積層体3に含まれるバインダを除去するため、生の積層体3を熱処理する、脱バインダ工程が実施される。
【0011】
そして、上述の脱バインダ工程の後、セラミックグリーン層および内部電極4を焼結させるため、生の積層体3を焼成する、焼成工程が実施される。
【0012】
その後、焼結した積層体3の両端面上に、導電性ペーストを付与し、これを焼き付けることによって、外部電極5が形成される。
【0013】
このような積層セラミックコンデンサ1において、内部電極4に含まれる導電成分として、材料コストの低減のため、たとえば特開平4−206613号公報に記載されるように、ニッケルがしばしば用いられている。
【0014】
なお、内部電極4においてニッケルが用いられる場合、このニッケルの酸化を防止するため、前述した焼成工程では、還元性雰囲気が適用され、また、セラミック層2を構成するセラミックとしては、耐還元性のものが用いられることになる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、内部電極4がニッケルを含む場合、このニッケルは、通常、脱バインダ工程において酸化され、還元性雰囲気中での焼成工程において還元される傾向がある。この焼成工程でのニッケルの還元は、内部電極4において、次のような挙動を生じさせる。
【0016】
図2は、積層体3を図解的に示す断面図である。図2には、セラミック層2によって与えられるセラミック部分6と内部電極4とが図示されている。
【0017】
図2を参照して、内部電極4に含まれるニッケルの還元が進むと、ニッケルは表面積が小さい球状となるような挙動を示し、その結果、内部電極4は、矢印7で示すように、長手方向および幅方向に関して収縮し、この収縮に伴い、内部電極4は、矢印8で示すように、厚み方向に膨張しようとする。
【0018】
そのため、セラミック部分6は、内部電極4から矢印7および8で示す方向の応力を受けている状態で焼結が進行し、これらの応力を残した状態で焼結が完了する。
【0019】
しかしながら、このような残留応力、特に矢印8方向の応力は、積層体3における構造欠陥を招く原因となってしまう。
【0020】
以上、図示した積層セラミックコンデンサ1について説明したが、同様の問題が、他の積層セラミック電子部品においても生じ得る。
【0021】
そこで、この発明の目的は、上述したような問題を解決し得る、積層セラミック電子部品の製造方法を提供しようとすることである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
この発明は、バインダを含むかつ積層された複数のセラミックグリーン層およびセラミックグリーン層間の特定の界面に沿って形成されかつニッケルを含む内部導体膜を備える、生の積層体を作製する工程と、生の積層体に含まれるバインダを除去するため、生の積層体を熱処理する、脱バインダ工程と、脱バインダ工程の後、セラミックグリーン層および内部導体膜を焼結させるため、生の積層体を還元性雰囲気中で焼成する、焼成工程とを備える、積層セラミック電子部品の製造方法に向けられるものであって、上述した技術的課題を解決するため、次のような構成を備えることを特徴としている。
【0023】
すなわち、この発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、上述した脱バインダ工程と焼成工程との間に、焼成工程においてセラミックグリーン層および内部導体膜が焼結を開始する温度より低い温度下において、内部導体膜に含まれるニッケルを酸化させるように酸素分圧がコントロールされた雰囲気中で生の積層体を熱処理する、焼結前熱処理工程をさらに備え、前述の焼成工程は、この焼結前熱処理工程に引き続き実施され、また、焼結前熱処理工程は、セラミックグリーン層および内部導体膜が焼結を開始する温度より低い温度で保持される保持期間を有していることを特徴としている。
【0024】
上述の焼結前熱処理工程は、この発明の第1の局面では、この工程を終えた後の内部導体膜に含まれるニッケルの酸化度が、emu値で0.099〜0.110の範囲になるように、実施される。
【0025】
なお、emu値は、VSM分析(Vibrating Sample Magnetometer)に基づき、磁気モーメントからニッケルの酸化度の変化を測定して求めたものである。
【0026】
また、この発明の第2の局面では、焼結前熱処理工程において適用される雰囲気の酸素分圧は、Ni−NiO平衡酸素分圧近傍に設定される。
【0027】
なお、Ni−NiO平衡酸素分圧近傍とは、Ni−NiO平衡酸素分圧を「PO2 」としたとき、Log(PO2 )−1<Log(PO2 )<Log(PO2 )+1の範囲にある場合を言う。
【0028】
また、焼結前熱処理工程において適用される雰囲気は、主成分として、N2 ガスを含み、H2 O、H2 、CO2 およびCOから選ばれた少なくとも1種のガスによって酸素分圧がコントロールされることが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態として、前述の図1に示した積層セラミックコンデンサ1を製造する方法について説明する。
【0030】
まず、積層体3の生の状態のものが作製される。生の積層体3は、セラミック層2となるべき積層された複数のセラミックグリーン層およびセラミックグリーン層間の特定の界面に沿って形成された内部電極4を備えている。
【0031】
セラミックグリーン層は、耐還元性セラミック原料粉末とバインダおよび溶剤からなるビヒクルとを含み、一般には、これらセラミック原料粉末とビヒクルとを含むセラミックスラリーをシート状に成形されることによって得られたセラミックグリーンシートによって与えられる。
【0032】
内部電極4は、導電成分としてニッケルを含んでいる。内部電極4を形成するため、通常、ニッケル粉末とバインダおよび溶剤からなるビヒクルとを含む導電性ペーストが用いられ、これをスクリーン印刷等によって、所定のパターンをもって、前述したセラミックグリーンシート上に付与することが行なわれる。
【0033】
そして、内部電極4が形成されたセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートが積層され、次いで積層方向にプレスされることによって、生の積層体3が得られる。
【0034】
なお、生の積層体3を得るため、予めセラミックグリーンシートを作製するのではなく、セラミックスラリーの印刷および導電性ペーストの印刷を繰り返すようにしてもよい。
【0035】
次に、生の積層体3は、必要に応じてカットされ、その後、生の積層体3に含まれるバインダを除去するため、生の積層体3を熱処理する、脱バインダ工程が実施される。脱バインダ工程では、通常、大気中において、260℃程度の温度が6時間程度付与される。
【0036】
次に、焼結前熱処理工程および焼成工程が実施される。図3は、これら焼結前熱処理工程および焼成工程における温度プロファイルを示している。図3において、Aは焼結前熱処理工程を示し、Bは焼成工程を示している。
【0037】
図3を参照して、まず、内部電極4に含まれるニッケルを適度に酸化させるように酸素分圧がコントロールされた雰囲気中で生の積層体3を熱処理する、焼結前熱処理工程Aが実施される。この焼結前熱処理工程Aでは、昇温過程の後、温度Dに保持される保持期間Cを有しているが、この温度Dは、焼成工程Bにおける温度E、より正確には、焼成工程Bにおいてセラミックグリーン層および内部電極4が焼結を開始する温度より低い温度とされる。
【0038】
焼結前熱処理工程Aは、この工程を終えた時点Fでの内部電極4に含まれるニッケルの酸化度が、emu値で0.099〜0.110の範囲になるように実施される。
【0039】
焼結前熱処理工程Aを終えた時点Fでのニッケルの酸化度が高すぎると、すなわち、emu値が上述の範囲より小さいと、ニッケルの酸化に伴う膨張によって、内部電極4の体積が増加し、そのため、内部電極4の厚みが増し、図2において矢印8で示すように、セラミック部分6に対して働く応力が大きくなり過ぎ、構造欠陥が発生し得る状況がもたらされる。
【0040】
他方、焼結前熱処理工程Aを終えた時点Fでのニッケルの酸化度が低過ぎるとすなわち、emu値が上述の範囲より大きい場合には、次の焼成工程Bにおいて、ニッケルの還元に伴う収縮によって、内部電極4が、図2に示した矢印7方向に大きく収縮し、逆に内部電極4の厚みが大きく増し、そのため、図2に示した矢印8方向の、セラミック部分6を押し上げるような応力が多く蓄積され、構造欠陥を招きやすい状況がもたらされる。
【0041】
上述したように、ニッケルの酸化度を、emu値で0.099〜0.110の範囲とするため、焼結前熱処理工程Aにおいて適用される雰囲気の酸素分圧は、Ni−NiO平衡酸素分圧近傍に設定される。
【0042】
また、このように酸素分圧がコントロールされた雰囲気は、主成分として、N2 ガスを含み、H2 O、H2 、CO2 およびCOから選ばれた少なくとも1種のガスによって酸素分圧がコントロールされたものであることが好ましい。
【0043】
焼結前熱処理工程Aにおいて、たとえば、温度Dに保持する保持期間Cが10時間であるとき、ここで適用される温度Dは、好ましくは、600〜1000℃の範囲、より好ましくは、700〜900℃の範囲に選ばれる。
【0044】
また、焼結前熱処理工程Aにおいて、たとえば、保持期間Cでの温度Dが800℃であるとき、この温度Dに保持する保持期間Cは、好ましくは、7.5〜30時間、より好ましくは、10〜20時間に選ばれる。
【0045】
次に、図3に示すように、焼結前熱処理工程Aに引き続き、焼成工程Bが実施される。焼成工程Bでは、焼結前熱処理工程Aにおける温度Dより高い温度Eが適用されながら、セラミックグリーン層および内部電極4を焼結させるため、生の積層体3が還元性雰囲気中で焼成される。
【0046】
上述の還元性雰囲気中での焼成工程Bにおいて、内部電極4に含まれるニッケルは還元されることになるが、焼結前熱処理工程Aにおいてニッケルが十分に酸化されているため、ニッケルの還元に伴う収縮が抑制され、結果として、図2に示した矢印8方向の応力が生じることを抑制できる。したがって、焼成工程Bを終えた後の焼結体としての積層体3において、構造欠陥を生じにくくすることができる。
【0047】
その後、積層体3の両端面に外部電極5が形成され、積層セラミックコンデンサ1が得られる。
【0048】
次に、この発明による効果を確認するために実施した実験例について説明する。
【0049】
この実験例では、積層セラミックコンデンサのための積層体を作製した。
【0050】
まず、セラミック層を構成すべきセラミック材料として、ジルコン酸カルシウム(CaZrO3 )を主成分とする耐還元性のセラミック材料を用い、その原料粉末にバインダおよび溶剤からなるビヒクルならびに可塑剤を添加し、混合することによって、セラミックスラリーを得た。なお、バインダとしては、ポリビニルブチラールを用い、可塑剤としては、ジオクチルフタレートを用いた。
【0051】
上述のセラミックスラリーをシート状に成形し、セラミックグリーンシートを作製した。
【0052】
セラミックグリーンシート上に、内部電極となるべきニッケルを含む導電性ペーストを印刷し、これらセラミックグリーンシートを積み重ね、プレスし、得られた生の積層体をカットすることによって、生の積層体チップを得た。
【0053】
次に、生の積層体チップを、大気中において、260℃の温度で6時間熱処理することにより、脱バインダ処理した。
【0054】
次に、生の積層体チップに対して、図3に示すような焼結前熱処理工程Aを、Ni−NiO平衡酸素分圧下で実施した。この焼結前熱処理工程Aを実施するにあたり、表1に示すように、熱処理温度Dおよび熱処理保持期間Cを種々に変更したいくつかの条件を採用した。
【0055】
次に、上述の種々の条件下で熱処理された各試料について、内部電極に含まれるニッケルのemu値を求めた。その結果が、同じく表1に示されている。
【0056】
次に、図3に示すように、還元性雰囲気中において、温度Eを1340℃とし、これを4時間保持する工程を含む焼成工程Bを実施し、焼結した積層体チップを得た。このようにして得られた積層体チップは、長手方向寸法が3.2mmであり、幅方向寸法が1.6mmであり、厚み方向寸法が0.85mmであった。また、内部電極の積層数は50であった。
【0057】
次に、焼結後の積層体チップについて、剥がれなどの構造欠陥の発生の有無を確認し、構造欠陥発生率を求めた。
【0058】
また、焼成工程Bにおける厚み方向での収縮比を、(焼成後の厚み方向寸法)/(焼成前の厚み方向寸法)の式に基づき求めた。
【0059】
これらの結果も、表1に示されている。
【0060】
【表1】
【0061】
表1から、焼結前熱処理工程Aにおける熱処理温度Dおよび熱処理保持期間Cを適当に選ぶことにより、構造欠陥発生率を低く抑えることができ、また、厚み方向収縮比を低く抑えること(内部電極の厚みの増大を抑制できること)がわかる。
【0062】
また、表1から、上述した構造欠陥発生率および厚み方向収縮比は、emu値との間で相関関係を有していることがわかる。特に、emu値と構造欠陥発生率との関係を見ると、試料2、6、7および10のように、emu値が0.99〜0.110の範囲になるようにされると、構造欠陥発生率を0とすることができる。
【0063】
以上、この発明を、積層セラミックコンデンサに関連して説明したが、この発明は、積層セラミックコンデンサ以外の積層セラミック電子部品の製造方法にも適用することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、積層セラミック電子部品を製造するために実施される脱バインダ工程と焼成工程との間に、焼成工程においてセラミックグリーン層および内部導体膜が焼結を開始する温度より低い温度で保持する保持期間を設け、この温度下において、内部導体膜に含まれるニッケルを酸化させるように酸素分圧がコントロールされた雰囲気中で生の積層体を熱処理する、焼結前熱処理工程を実施するようにしているので、焼結前熱処理工程に引き続いて実施される還元性雰囲気中での焼成工程において、ニッケルの還元に伴う内部導体膜の長手方向および幅方向での収縮が抑制され、応じて、この長手方向および幅方向での内部導体膜の収縮によってもたらされる内部導体膜の厚みの増大が抑制される。その結果、焼結後の積層体において蓄積される応力を減少させることができ、剥がれ等の欠陥を生じにくくすることができる。
【0065】
特に、この発明によれば、焼結前熱処理工程の後の内部導体膜に含まれるニッケルの酸化度を、emu値で0.099〜0.110の範囲となるようにしているので、上述した構造欠陥を抑制する効果をより確実に達成することができる。
【0066】
また、この発明によれば、焼結前熱処理工程において適用される雰囲気の酸素分圧を、Ni−NiO平衡酸素分圧近傍に設定しているので、ニッケルを適度に酸化させるための雰囲気のコントロールをより容易に行なうことができる。
【0067】
また、焼結前熱処理工程において適用される雰囲気が、主成分として、N2 ガスを含み、H2 O、H2 、CO2 およびCOから選ばれた少なくとも1種のガスによって酸素分圧がコントロールされるようにすれば、酸素分圧のコントロールが容易になり、その結果、焼結前熱処理工程でのニッケルの酸化度のコントロールを容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による製造方法によって製造される積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ1を示す断面図である。
【図2】図1に示した積層体3を得るために実施される焼成工程における内部電極4の挙動を説明するための図解的断面図である。
【図3】図1に示した積層セラミックコンデンサ1を製造するために実施される焼成前熱処理工程Aおよび焼成工程Bにおける温度プロファイルを示す図である。
【符号の説明】
1 積層セラミックコンデンサ
2 セラミック層
3 積層体
4 内部電極(内部導体膜)
Claims (3)
- バインダを含みかつ積層された複数のセラミックグリーン層および前記セラミックグリーン層間の特定の界面に沿って形成されかつニッケルを含む内部導体膜を備える、生の積層体を作製する工程と、
前記生の積層体に含まれるバインダを除去するため、前記生の積層体を熱処理する、脱バインダ工程と、
脱バインダ工程の後、前記セラミックグリーン層および前記内部導体膜を焼結させるため、前記生の積層体を還元性雰囲気中で焼成する、焼成工程と
を備える、積層セラミック電子部品の製造方法であって、
前記脱バインダ工程と前記焼成工程との間に、前記焼成工程において前記セラミックグリーン層および前記内部導体膜が焼結を開始する温度より低い温度下において、前記内部導体膜に含まれる前記ニッケルを酸化させるように酸素分圧がコントロールされた雰囲気中で前記生の積層体を熱処理する、焼結前熱処理工程をさらに備え、
前記焼成工程は、前記焼結前熱処理工程に引き続き実施され、
前記焼結前熱処理工程は、前記セラミックグリーン層および前記内部導体膜が焼結を開始する温度より低い温度で保持される保持期間を有していて、
前記焼結前熱処理工程は、当該焼結前熱処理工程の後の前記内部導体膜に含まれる前記ニッケルの酸化度が、emu値で0.099〜0.110の範囲になるように実施されることを特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法。 - バインダを含みかつ積層された複数のセラミックグリーン層および前記セラミックグリーン層間の特定の界面に沿って形成されかつニッケルを含む内部導体膜を備える、生の積層体を作製する工程と、
前記生の積層体に含まれるバインダを除去するため、前記生の積層体を熱処理する、脱バインダ工程と、
脱バインダ工程の後、前記セラミックグリーン層および前記内部導体膜を焼結させるため、前記生の積層体を還元性雰囲気中で焼成する、焼成工程と
を備える、積層セラミック電子部品の製造方法であって、
前記脱バインダ工程と前記焼成工程との間に、前記焼成工程において前記セラミックグリーン層および前記内部導体膜が焼結を開始する温度より低い温度下において、前記内部導体膜に含まれる前記ニッケルを酸化させるように酸素分圧がコントロールされた雰囲気中で前記生の積層体を熱処理する、焼結前熱処理工程をさらに備え、
前記焼成工程は、前記焼結前熱処理工程に引き続き実施され、
前記焼結前熱処理工程は、前記セラミックグリーン層および前記内部導体膜が焼結を開始する温度より低い温度で保持される保持期間を有していて、
前記焼結前熱処理工程において適用される雰囲気の前記酸素分圧は、Ni−NiO平衡酸素分圧近傍に設定されることを特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法。 - 前記焼結前熱処理工程において適用される雰囲気は、主成分として、N2 ガスを含み、H2 O、H2 、CO2 およびCOから選ばれた少なくとも1種のガスによって酸素分圧がコントロールされることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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