JP4002461B2 - 免震建築物のはね出し構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、免震建築物のはね出し構造に関し、特に、戸建て住宅等の免震建築物のはね出し構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
戸建て住宅等において、上部構造物を積層ゴム支承、転がり支承、滑り支承等により基礎より相対変位可能に支承し、地震エネルギが上部構造物に作用することを阻止、緩和し、建物の地震による崩壊を避ける試みは、既に種々の態様で行われており、このように支承された建物を免震建築物と云う。この種の免震建築物は、上部構造物が工場で組立生産されるラーメン構造の建物ユニットであるユニット式免震建築物にも適用される。免震建築物では、地震時に上部構造体と地盤とが相対変位できるよう、上部構造体と玄関ステップ(立上げ部)との間に余裕空間が設けられており、そこを渡って通行できるように、上部構造体より玄関ステップ上にはね出したはね出し板(渡り板)が設けられている。
【0003】
このはね出し板は、玄関ステップ側が突き出し端である片持ち梁をなし、そこを通行する者の荷重、建築基準法上の積載荷重に耐え、最大相対変位に対応した設計のものになっている。よって、このはね出し板では、断面設計寸法が大きくなり、はね出し板の基端における上部構造物との取付部の取付強度を相当高くする必要が生じ、はね出し板の自重も大きくなり、コストも上昇する。特に、ユニット式免震建築物等による軽量な戸建て免震住宅の場合には、はね出し板の自重による偏荷重のために、免震性能に影響を与えることがあり、また、はね出し板の取付設計によって建築計画に制約を与えることがある。
【0004】
ここで、前記の如くの状況を打開すべく、免震建築物のはね出し構造に関する技術が各種提案されている(例えば、特開2000−352221号公報、特開2001−73473号公報参照)。該提案の技術は、はね出し板を軽量化できると共に、上部構造体に対する取付構造も簡素化でき、免震性能への影響が少なく、制約の少ない建築計画と良好な施工性及び低コスト化を実現できる免震建築物のはね出し構造に関する技術である。
【0005】
図6は、従来の免震建築物のはね出し構造におけるはね出し板の一例を示したものである。前記特開2000−352221号公報所載の技術には、はね出し板が上部構造体の床梁等に接続される旨の記載があり、また、従来におけるはね出し板は、図6(a)、(b)に示すように、免震建築物の上部構造体2より、地盤5に設けられた玄関ステップ4上にはね出したはね出し板50を有する免震建築物のはね出し構造であって、はね出し板50は、基端50a、該基端50aから上面側51等を介して連なる突き出し端50bを有し、基端50aには、地盤5に対して水平方向に配設される三本のアンカーボルト52、52、52が、基端50aの受容穴53に向けて打設されており、各アンカーボルト52を免震層1の免震架台1aに差込み、その後、基端50aと免震架台1aとは隙間が生じないように免震層1側からボルト締結等がなされている。
【0006】
次に、図7は、従来の免震建築物のはね出し構造におけるはね出し板を取り扱う支持体の一例を示したものであり、前記特開2000−352221号公報所載の技術には、図7(a)、(b)に示すように、前記玄関ステップ4には、はね出し板50の突き出し端50b近傍を支承する支持体60が配置されており、支持体60は、はね出し板50の自重及び該はね出し板50に作用する荷重の一部を相対変位可能に支持するフッ素樹脂板等による平板状の低摩擦摺動プレート62及びプレート台63を有する滑り支持機構61と、該プレート台63を四本のセンタ固定ねじ68、68、68、68及びナット67、67、67、67を用いてベース板65に固定される矩形フランジ部64と、アンカー係合部69に係合してベース板65を玄関ステップ4に固定させる二本のアンカーボルト70、70及びナット71、71とから構成され、前記センタ固定ねじ68、68、68、68に螺合される調整ねじ72、72、72、72の調節により、前記低摩擦摺動プレート62の高さ調整がなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の免震建築物のはね出し構造では、はね出し板の軽量化等を図ることはできるものの、はね出し板50の交換作業においては、アンカーボルト52の締結解除のほか、締結の作業をもはね出し板50と地盤5との間である床下で実施する必要があり、はね出し板50に対する作業の施工性の点については依然として課題が残されている。また、はね出し板50の基端50aが免震層1の免震架台1a等に隙間なく強固に接続されていると、免震作動時の逃げが無い、つまり、万一、施工誤差若しくは地盤沈下等によってはね出し板50に傾斜が生じた場合には、はね出し板50がスムースに動かないケースが想定され、はね出し板50の作動性の点についても未だ改善する余地がある。
【0008】
さらに、前記従来の免震建築物のはね出し構造におけるはね出し板50を取り扱う支持体60では、玄関ステップ4に対する前記矩形フランジ部64及びベース板65の固定には、四本のセンタ固定ねじ68及び二本のアンカーボルト70の全てを固定させる必要があると共に、前記低摩擦摺動プレート62の高さ調整には、前記四本のセンタ固定ねじ68の全てを調整する必要があるので、支持体60の施工性の点については特に課題が残されている。
【0009】
この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、はね出し板の作動性及び施工性の向上を図ることができると共に、はね出し板を取り扱う支持体の作動性及び施工性の向上を図ることができる免震建築物のはね出し構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の発明による免震建築物のはね出し構造
は、免震建築物の上部構造体に向かう一端と、地盤に設けられた立上げ部上にはね出した他端とを備え、前記上部構造体からはね出したはね出し板を有する免震建築物のはね出し構造において、前記はね出し板を前記上部構造体あるいは前記建築物の免震層に締結させるはね出し板締結手段を有し、該はね出し板締結手段は、前記はね出し板の前記一端に沿って伸び且つ前記上部構造体あるいは前記免震層の免震架台から延出されるアングル材に設けられており、該アングル材上に配置された前記はね出し板の前記一端を前記はね出し板の上面側から前記アングル材に固定することにより前記上部構造体あるいは前記建築物の免震層に前記アングル材を介して締結可能に構成されており、前記立上げ部には、前記はね出し板が前記立上げ部に対して相対変位可能となるように前記はね出し板をその下方から支承する支持体が設けられており、前記はね出し板の前記一端は、前記アングル材の前記上部構造体側あるいは前記免震層側に位置する基端部上に前記アングル材の長手方向に沿って該アングル材の全長に亘って伸び且つ前記基端部から前記はね出し板の前記一端と前記上部構造体あるいは前記免震層との間を経て前記はね出し板の上方へ抜ける空間が形成されるように、前記はね出し板の前記一端と前記上部構造体あるいは前記免震層との間に前記一端の端面の全面に亘って隙間が形成された状態で前記アングル材に前記はね出し板締結手段により固定されているものである。
この構成によれば、はね出し板締結手段によってはね出し板の上面側からの作業が可能になるので、はね出し板の交換の際における床下での作業を回避することができ、従来に比して作業の施工性の向上を図ることができる。
【0011】
また、前記はね出し板締結手段は、前記上部構造体の床梁あるいは前記免震層の免震架台から延出されるアングル材を介して、前記はね出し板を締結していることから、前記はね出し板と前記上部構造体あるいは前記免震層との間に、免震作動時の逃げを設けることが可能になり、はね出し板の作動性の良好化を図ることができる。
【0012】
更に、前記はね出し板の前記一端は、前記上部構造体あるいは前記免震層に対して、隙間を設けて締結されていることから、例えアングル材の可撓性によってはね板が傾斜しても、免震作動時の逃げが備えられているので、はね出し板の作動性の向上を確実に達成することができる。なお、前記隙間には、柔軟性のある封止材を装填することもでき、前記隙間の存在が外観に与える不安感を解消することができると共に、例えアングル材が撓んでも、玄関に敷かれるタイルの目地割れの防止を図ることができる。
【0013】
請求項に記載の発明による免震建築物のはね出し構造は、支持体は、前記はね出し板の自重及び該はね出し板に作用する荷重の一部を相対変位可能に支持する滑り支持機構と、一本の後施工アンカーボルトで前記立上げ部に固定されるとともに、前記滑り支持機構を嵌合する支持本体部とを有するものである。
【0014】
この構成によれば、支持本体部を一本の後施工アンカーボルトで立上げ部に固定することができ、しかも、滑り支持機構を前記支持本体部に嵌め合わせて固定することができ、従来の如く四本のセンタ固定ねじと二本のアンカーボルトとによって固定されている場合に比して支持体の施工性の向上を図ることができる。なお、前記支持本体部と前記立上げ部との間には、該立上げ部に対して前記支持体の高さ位置の調整を行うプレートを介在させることができ、これにより、従来の如く四本のセンタ固定ねじを回して高さ調整するよりも容易に調整することができ、支持体の施工性の更なる良好化を図ることができる。
【0015】
請求項に記載の発明による免震建築物のはね出し構造は、前記滑り支持機構は、前記はね出し板との対接面側に低摩擦材を有し、該低摩擦材は、その表面形状が球面に加工されるあるいはその表面形状に面取りが施されることである。この構成によって、万一、施工誤差若しくは施工後の地盤沈下等が生じてはね出し板に傾きが生じても、支持体の作動性を良好に維持することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2は、この発明の一実施形態に係る免震建築物のはね出し構造が適用された免震建築物の出入り口構造を示している。
【0017】
該免震建築物は、地盤5上に免震層1を介して上部構造体である建物ユニット2に据え置かれて構成される。これにより、建物ユニット2は、免震層1によって地盤5に対して水平方向に相対変位可能に免震支承される。建物ユニット2には玄関開口3が設けられており、玄関開口3の前方部に余裕空間をおいて、コンクリート打ちの立上げ部の一態様である玄関ステップ4が地盤5上に固定状態で設けられ、建物ユニット2より、玄関ステップ4上にはね出す形態で、はね出し板10が設けられる。なお、図1及び図2において、6は玄関ドア、7ははね出し板10上に建てられたポーチ柱、8はポーチ柱7により支持された玄関ポーチである。
【0018】
そして、はね出し板10の一端である基端10aは、後述のように、L型アングル材15を介して免震層1の鋼製の免震架台1aから所定の間隔を保って接続されており、また、他端である突き出し端10b側は玄関ステップ4上にオーバーラップしている。
また、玄関ステップ4には、後述のように、摺動面部材として上部にMCナイロン製の低摩擦材による低摩擦摺動プレート22を取り付けられた支持体20が固定設置されている。
【0019】
支持体20は、図1に示すように、玄関ステップ4上においてはね出し板10の幅方向に二個設けられており、図2に示すように、はね出し板10の突き出し端10b近傍を、低摩擦抵抗で水平方向に相対変位可能に支承している。この支持構造により、はね出し板10は、玄関ステップ4に対して水平方向の相対変位を低摩擦抵抗で許容された状態で、自重およびはね出し板10に作用する荷重の一部を支持体20によって支持され、両持ち梁状になる。
【0020】
従って、従来の如くの片持ち梁の場合に比して、はね出し板10の断面設計寸法を小さくでき、はね出し板10を軽量化できると共に、はね出し板10の建物ユニット2に対する取付構造も簡素化でき、しかも、免震性能への影響が少なく、制約の少ない建築計画と、良好な施工性および低コスト化とを実現できる。また、支持体20は、滑りによってはね出し板10を支持するものであり、例えばボールを使用する転がり支持機構とは異なって転動部を含まないから、錆び付きによる動作不良を起こすことがなく、念入りな防錆対策を講ずる必要がない。
【0021】
次に、図3及び図4を参照して、免震建築物の出入り口構造におけるはね出し板10の具体的構造例を説明する。
はね出し板10は、建物ユニット2側に向かう基端10aと玄関ステップ4側に向かう突き出し端10bを有し、基端10aと突き出し端10bに連なり、それぞれ玄関ドア6側及び地盤5側の面をなす上面側11及び下面側12を有することが基本的な構成とされている。
【0022】
また、はね出し板10は、図3及び図4(a)、(b)に示すように、基端10a側近傍において上面側11から地盤5側たる下面側12に向かう段付の貫通穴13を二個備えているとともに、この貫通穴13及びスペーサ14を介して、はね出し板10とL型アングル材15とを締結させるはね出し板締結手段の一態様であるボルト16とナット17を備えている。
【0023】
ここで、本実施形態のL型アングル材15は、その一端側が免震層1の免震架台1aに締結され、その他端側がはね出し板10に向かって延出されている。なお、前記一端側は、免震架台1aのほか、建物ユニット2の床梁に締結され、前記他端側がはね出し板10に向かって延出されていても良いものである。ただし、いずれにおいても、はね出し板10と免震架台1aあるいは前記床梁との間には、隙間18が設けられるべく、L型アングル材15の係合穴15aは、免震架台1aあるいは前記床梁から所定間隔を置いた位置に設けられている。
【0024】
そして、この隙間18には、図4(a)に示すように、はね出し板10の据え付け後に、ガスケット等の柔軟性のある封止材18Fが装填され、玄関ドア6側から隙間18が見えないようにされる。また、ボルト16とナット17とが結合されている段付の貫通穴13は、その上方からスペーサ19にて埋められる。
さらに、図5を参照して、前記はね出し板10を取り扱う物である支持体20の具体的構造例を説明する。
【0025】
支持体20は、図5(a)に示すように、はね出し板10の自重及びはね出し板10に作用する荷重の一部を相対変位可能に支持する滑り支持機構21と、一本の後施工アンカーボルト30で玄関ステップ4に固定されるとともに、滑り支持機構21を嵌合する支持本体部25と、滑り支持機構21の高さ調整を行う調整プレート32とから構成されている。
【0026】
また、滑り支持機構21は、図5(b)に示すように、はね出し板10の下面側12に対接する低摩擦摺動プレート22と、該低摩擦摺動プレート22に連なる円筒部23と、支持本体部25の内側に嵌合される凸型嵌合部24とから構成されており、低摩擦摺動プレート22の表面形状は、球面に加工されている。なお、その表面形状は、面取りが施されているものであっても良いものである。
【0027】
支持本体部25は、滑り支持機構21の円筒部23に連なる円筒部26と、該円筒部26の内側にて凸型嵌合部24に嵌合される凹型嵌合部27と、円筒部26の下端にてその土台をなすベース部28とから構成される。そして、ベース部28の略中央部分には、アンカーボルト30に受容される締結穴29が備えられており、アンカーボルト30及びナット31によって、支持本体部25は、玄関ステップ4上に固定される。なお、凸型嵌合部24と凹型嵌合部27とは、接着固定することも可能である。
【0028】
そして、低摩擦摺動プレート22の高さ位置の調整は、ベース部28と玄関ステップ4との間に調整プレート32を所定枚数挟み込むことで行われる。
以上の構成において、免震建築物の出入り口構造におけるはね出し板10は、次の如く施工される。なお、締結方法等は一例であり、これに限定されるものではない。
【0029】
まず、玄関ステップ4には、支持体60を固定するアンカーボルト30が打設される。支持体60のプレート32が、アンカーボルト30に挿入される。
一方、はね出し板10を固定するボルト16は、L型アングル材15の係合穴15aに地盤5側から挿入され、これらは溶接にて固定される。そして、ボルト16を備えたL型アングル材15が免震架台1aに設置される。次いで、はね出し板10のスペーサ14が、その係合穴14aを介してボルト16に挿入される。ここで、はね出し板10のレベルが出るように、プレート32、スペーサ14の枚数、厚さ等が適宜調整される。
【0030】
次いで、支持本体部25が、締結穴29を介してアンカーボルト30に挿入され、ナット31によって玄関ステップ4に固定される。さらに、支持本体部25の凹型嵌合部27に滑り支持機構21の凸型嵌合部24を嵌め合わせる。
一方、はね出し板10は、玄関ドア6側たる上方側から下面側12を先頭にして地盤5に向けてクレーン等にて下降され、免震架台1aとの間に隙間18を保ちつつ、貫通穴13を介してボルト16が挿通されて、滑り支持機構21及びL型アングル材15上に据え付けられる。
【0031】
次いで、はね出し板10は、貫通穴13から突き出たボルト16に対して上面側11からナット17を螺合させ、はね出し板10とL型アングル材15とを締結させる。最後に、前記隙間18に封止材18Fが装填され、また、ナット17の上方から貫通穴13を埋めるべくスペーサ19が入れられる。
そして、はね出し板10の交換時には、上方からスペーサ19、ナット17を外し、次いではね出し板10を取り外す作業を行う。
【0032】
なお、上記の実施の形態は、免震建築物の出入り口構造について示されているが、本発明は、免震建築物の出入り口構造に限定されるものではなく、出入り口構造以外の免震建築物のはね出し構造に適用することができ、この場合にも、作業の施工性の向上の如く同様の効果を奏することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、請求項1記載の発明による免震建築物のはね出し構造によれば、免震建築物の上部構造体に向かう一端を備え、前記上部構造体からはね出したはね出し板を有する免震建築物のはね出し構造において、前記はね出し板を前記上部構造体あるいは前記建築物の免震層に締結させるはね出し板締結手段を有し、該はね出し板締結手段は、前記はね出し板の上面側から前記上部構造体あるいは前記建築物の免震層に締結可能に構成されているものであるので、はね出し板の上面側からの作業で済ませることが可能になり、はね出し板の交換の際にも床下での作業を回避することができ、従来に比して作業の施工性の向上を図ることができる。
【0034】
請求項2に記載の発明による免震建築物のはね出し構造によれば、前記はね出し板締結手段は、前記上部構造体の床梁あるいは前記免震層の免震架台から延出されるアングル材を介して、前記はね出し板を締結しているので、前記はね出し板と前記上部構造体あるいは前記免震層との間に、免震作動時の逃げを設けることも可能になり、はね出し板の作動性の良好化を図ることができる。
【0035】
請求項3に記載の発明による免震建築物のはね出し構造によれば、前記はね出し板の前記一端は、前記上部構造体あるいは前記免震層に対して、隙間を設けて締結されているので、例えアングル材の可撓性によってはね出し板が傾斜しても、免震作動時の逃げが備えられていることから、はね出し板の作動性の向上を確実に達成することができる。
【0036】
請求項4に記載の発明による免震建築物のはね出し構造によれば、免震建築物の上部構造体に向かう一端と、地盤に設けられた立上げ部上にはね出した他端とを備え、前記上部構造体からはね出したはね出し板を有する免震建築物のはね出し構造において、前記立上げ部には、前記はね出し板の前記他端近傍を支承する支持体が配置され、該支持体は、前記はね出し板の自重及び該はね出し板に作用する荷重の一部を相対変位可能に支持する滑り支持機構と、一本の後施工アンカーボルトで前記立上げ部に固定されるとともに、前記滑り支持機構を嵌合する支持本体部とを有するものであることから、支持本体部を一本のアンカーボルトで立上げ部に固定でき、しかも、滑り支持機構が前記支持本体部に嵌め合わされて固定させることができ、従来の如く四本のセンタ固定ねじと二本のアンカーボルトとによって固定されている場合に比して支持体の施工性の向上を図ることができる。
【0037】
請求項5に記載の発明による免震建築物のはね出し構造によれば、前記滑り支持機構は、前記はね出し板との対接面側に低摩擦材を有し、該低摩擦材は、その表面形状が球面に加工されるあるいはその表面形状に面取りが施されるので、万一、施工誤差若しくは施工後の地盤沈下等が生じてはね出し板に傾きが生じても、その支持体の作動性を良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る免震建築物のはね出し構造が適用された免震建築物の要部の正面図である。
【図2】図1の免震建築物のはね出し構造の側面図である。
【図3】図1の免震建築物のはね出し構造におけるはね出し板の平面図である。
【図4】(a)は、図1の免震建築物のはね出し構造におけるはね出し板の部分断面側面図であり、(b)は、該はね出し板の展開図である。
【図5】(a)は、図1の免震建築物のはね出し構造におけるはね出し板を取り扱う支持体の正面図であり、(b)は、該支持体の展開図である。
【図6】(a)は、従来の免震建築物のはね出し構造におけるはね出し板の平面図であり、(b)は、該はね出し板の側面図である。
【図7】(a)は、従来の免震建築物のはね出し構造におけるはね出し板を取り扱う支持体の部分断面正面図であり、(b)は、該支持体の平面図である。
【符号の説明】
1 免震層
1a 免震架台
2 上部構造体
4 立上げ部
5 地盤
10 はね出し板
10a 一端(基端)
10b 他端(突き出し端)
11 上面側
12 対接面側
15 アングル材
16、17 はね出し板締結手段
18 隙間
18F 封止材
20 支持体
21 滑り支持機構
22 低摩擦材
25 支持本体部
30 後施工アンカーボルト
32 プレート

Claims (3)

  1. 免震建築物の上部構造体に向かう一端と、地盤に設けられた立上げ部上にはね出した他端とを備え、前記上部構造体からはね出したはね出し板を有する免震建築物のはね出し構造において、
    前記はね出し板を前記上部構造体あるいは前記建築物の免震層に締結させるはね出し板締結手段を有し、該はね出し板締結手段は、前記はね出し板の前記一端に沿って伸び且つ前記上部構造体あるいは前記免震層の免震架台から延出されるアングル材に設けられており、該アングル材上に配置された前記はね出し板の前記一端を前記はね出し板の上面側から前記アングル材に固定することにより前記上部構造体あるいは前記建築物の免震層に前記アングル材を介して締結可能に構成されており、前記立上げ部には、前記はね出し板が前記立上げ部に対して相対変位可能となるように前記はね出し板をその下方から支承する支持体が設けられており、前記はね出し板の前記一端は、前記アングル材の前記上部構造体側あるいは前記免震層側に位置する基端部上に前記アングル材の長手方向に沿って該アングル材の全長に亘って伸び且つ前記基端部から前記はね出し板の前記一端と前記上部構造体あるいは前記免震層との間を経て前記はね出し板の上方へ抜ける空間が形成されるように、前記はね出し板の前記一端と前記上部構造体あるいは前記免震層との間に前記一端の端面の全面に亘って隙間が形成された状態で前記アングル材に前記はね出し板締結手段により固定されていることを特徴とする免震建築物のはね出し構造。
  2. 前記支持体は、前記はね出し板の自重及び該はね出し板に作用する荷重の一部を相対変位可能に支持する滑り支持機構と、一本の後施工アンカーボルトで前記立上げ部に固定されるとともに、前記滑り支持機構を嵌合する支持本体部とを有することを特徴とする請求項1に記載の免震建築物のはね出し構造。
  3. 前記滑り支持機構は、前記はね出し板との対接面側に低摩擦材を有し、該低摩擦材は、その表面形状が球面に加工されるあるいはその表面形状に面取りが施されることを特徴とする請求項2に記載の免震建築物のはね出し構造。
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