JP6690223B2 - 免震構造 - Google Patents

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本発明は、免震構造に関する。
上部構造(例えば建物)と下部構造(例えば基礎)との間に免震装置(例えば積層ゴム)を備え、免震装置が変形することにより、上部構造の振動を抑制するようにした免震構造が知られている。また、上部構造と下部構造(上部構造の周囲の壁部)との間に免震装置の変形に必要な隙間(以下、クリアランスともいう)を設け、さらに、そのクリアランス上を覆う部材を設けるようにしたものも知られている。
例えば、特許文献1では、上部構造に設けられた突出板(跳ね出し部材に相当)と、下部構造(壁部)に設けられた床板とによってクリアランスを覆っている。そして、地震発生時には、突出板が水平方向に移動することによって床板と衝突し、床板の先端が持ち上げられるようになっている。
特開2002−327551号公報
しかしながら、特許文献1の構造では、クリアランスを覆う突出板と床板が異なる部材で構成されており、さらに、地震発生時に床板が持ち上がるため、雰囲気や情感を重要視する建物(例えば古い建築物)に適用するには違和感があるという問題があった。
また、突出板(跳ね出し部材)を下部構造と重複する位置まで突出させ、突出版の一部を下部構造に支承(例えば転がり支承)させることも考えられるが、この場合、突出板が重さで破損するおそれや、安定して支えられなくなる(バランスが保てなくなる)おそれがあった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、その主な目的は、外観上の違和感を無くすとともに、跳ね出し部材を安定して支承することにある。
かかる目的を達成するために本発明の免震構造は、
上部構造と下部構造との間に免震装置を備え、前記上部構造と前記下部構造とが水平方向に相対変位する免震構造であって、
先端が前記上部構造から前記水平方向の一方側に跳ね出し、基端が前記上部構造に接合した跳ね出し部材と、
前記跳ね出し部材と対向する前記下部構造の部位に設けられ、前記跳ね出し部材を前記水平方向に移動可能に支承する支承部と、
を備え、
前記支承部は、
前記上部構造と前記下部構造との相対変位に関わらず前記跳ね出し部材を支承する独立した第1支承体と、
前記第1支承体よりも前記水平方向の一方側に設けられた第2支承体であって、平常時には前記跳ね出し部材を支承し、前記上部構造が前記下部構造に対して前記水平方向の他方側に最大変位した時には前記跳ね出し部材を支承しない独立した第2支承体と、
を有し、
前記跳ね出し部材が前記一方側に最大変位した時には、前記跳ね出し部材の重心は、前記第1支承体と、前記第2支承体との間に位置し、
前記跳ね出し部材が前記他方側に最大変位した時には、前記跳ね出し部材の重心は、前記第1支承体と、前記跳ね出し部材と前記上部構造との接合部との間に位置している
ことを特徴とする免震構造。
このような免震構造によれば、外観上の違和感を無くすとともに、跳ね出し部材を安定して支承することができる。

また、上部構造と下部構造との間に免震装置を備え、前記上部構造と前記下部構造とが水平方向に相対変位する免震構造であって、
先端が前記上部構造から前記水平方向の一方側に跳ね出し、基端が前記上部構造に接合した跳ね出し部材と、
前記跳ね出し部材と対向する前記下部構造の部位に設けられ、前記跳ね出し部材を前記水平方向に移動可能に支承する支承部と、
を備え、
前記支承部は、
前記上部構造と前記下部構造との相対変位に関わらず前記跳ね出し部材を支承する第1支承体と、
前記第1支承体よりも前記水平方向の一方側に設けられた第2支承体であって、平常時には前記跳ね出し部材を支承し、前記上部構造が前記下部構造に対して前記水平方向の他方側に最大変位した時には前記跳ね出し部材を支承しない第2支承体と、
を有し、
前記上部構造と、前記跳ね出し部材の前記基端との接合はピン接合であり、
前記上部構造の前記水平方向の一方側の側面には、断面L字形の取付部材の一方の面が固定されており、
前記ピン接合は、
前記取付部材の他方の面から上方に突出するように設けられた係合凸部と、
前記跳ね出し部材の前記基端側の下部に設けられた係合凹部であって、前記係合凸部よりも大きく形成され、前記係合凸部が挿入される係合凹部と、
を含んで構成されており、
前記係合凸部は、前記取付部材に溶接されたボルトと、前記取付部材から上方に突出した前記ボルトの螺子部に螺合されたナットを有しており、
前記係合凹部のサイズは、前記係合凸部としての前記ボルト及び前記ナットのサイズよりも大きく形成されていることを特徴とする。

また、上部構造と下部構造との間に免震装置を備え、前記上部構造と前記下部構造とが水平方向に相対変位する免震構造であって、
先端が前記上部構造から前記水平方向の一方側に跳ね出し、基端が前記上部構造に接合した跳ね出し部材と、
前記跳ね出し部材と対向する前記下部構造の部位に設けられ、前記跳ね出し部材を前記水平方向に移動可能に支承する支承部であって、前後方向及び左右方向の各方向への相対変位に対して対応するボールキャスタで構成された支承部と、
を備え、
前記支承部は、
前記上部構造と前記下部構造との相対変位に関わらず前記跳ね出し部材を支承する第1支承体と、
前記第1支承体よりも前記水平方向の一方側に設けられた第2支承体であって、平常時には前記跳ね出し部材を支承し、前記上部構造が前記下部構造に対して前記水平方向の他方側に最大変位した時には前記跳ね出し部材を支承しない第2支承体と、
を有することを特徴とする。
かかる免震構造であって、前記上部構造が前記下部構造に対して前記水平方向の一方側に最大変位した時の前記跳ね出し部材の重心は、前記第1支承体と前記第2支承体との間に位置することが望ましい。
このような免震構造によれば、跳ね出し部材の跳ね出し方向(水平方向の一方側)に最大変位した時においても跳ね出し部材を安定して支承することができる。
かかる免震構造であって、前記下部構造は、前記上部構造から前記最大変位の距離以上離間する壁部を有し、前記平常時において前記第1支承体及び前記第2支承体は、前記跳ね出し部材の前記先端と前記壁部との間に配置されていることが望ましい。
このような免震構造によれば、上部構造と壁部との間のクリアランスを覆いつつ、跳ね出し部材を支承することができる。
かかる免震構造であって、前記第1支承体及び前記第2支承体は、球体を備えた転がり支承であることが望ましい。
このような免震構造によれば、水平面の各方向への変位に対して対応することができる。
かかる免震構造であって、前記第1支承体及び前記第2支承体は、それぞれ、前記水平方向と直交する方向に複数配置されていることが望ましい。
このような免震構造によれば、跳ね出し部材の幅(水平方向と直交する方向の長さ)が広くても安定して支承することができる。
本発明によれば、外観上の違和感を無くすとともに、跳ね出し部材を安定して支承することができる。
本実施形態の免震構造の概略平面図である。 本実施形態の免震構造の階段部40の断面図である。 図2の一部を拡大して示した図である。 図4Aは、建物10が地盤20に対して前側に最大変位したときの状態を示す図であり、図4Bは、建物10が地盤20に対して後側に最大変位したときの状態を示す図である。
===実施形態===
<<免震構造について>>
図1は、本実施形態の免震構造の一例を示す概略平面図である。また図2は、本実施形態の免震構造の階段部40の断面図である。図3は、図2の一部(第2段部42と建物10との接合部)を拡大して示した図である。
本実施形態では、図に示すように各方向を設定する。すなわち、図1において建物10の長辺方向に沿った方向を前後方向とし、建物10に対して階段部40が位置する方向を「前」とし、逆側を「後」とする。また、図1において前後方向と直交する方向(短辺方向)を左右方向とし、後側から前側をみたときの右側を「右」とし、左側を「左」とする。また、前後方向及び左右方向と直交する方向を上下方向(鉛直方向)とし、免震装置30に対して建物10が位置する側を「上」、逆側を「下」とする。
本実施形態の免震構造は、建物10(上部構造に相当)と、地盤20(下部構造に相当)と、免震装置30と、階段部40とを備えている。また、免震構造は、不図示のダンパーなども備えている。
建物10は、免震装置30を介して、地盤20の上(具体的には溝部21の底面上)に配置されている。そして、建物10は、免震装置30によって地盤20に対して水平方向(前後方向及び左右方向)に相対変位可能に免震支承されている。換言すると、建物10と地盤20は、地震力などの外力を受けることにより水平方向に相対変位する。なお、本実施形態の建物10は、雰囲気や情感など外観が重要視される建築物である。
地盤20は、建物10を支持している。また、地盤20は、建物10の外周を囲むように凹状(溝状)に形成された溝部21を有している。この溝部21の側壁21a(壁部に相当)と建物10との間には、距離Wのクリアランスが設けられている。なお、距離Wは、免震装置30の水平方向への最大変形量(建物10と地盤20との最大変位の距離)よりも大きくなるように設定されている。また、建物10の出入口となる部位(図1において前側)には、クリアランスを覆うように階段部40が設けられている。この階段部40は、建物10と地盤20との相対変位に応じて相対変位することになる(後述する)。なお、階段部40が設けられた部位以外のクリアランスに対しては、人や車両などが落下しないような措置(外側に植栽を設けるなど)が施されている。
免震装置30は、建物10の下面と地盤20の溝部21の底面との間に複数(本実施形態では、図1に示すように12固)設けられている。複数の免震装置30は、各位置において、建物10の重量(荷重)を分担支持している。本実施形態の免震装置30は、積層ゴムタイプのものであり、積層体32(例えば、円形のゴム層と鋼板とを上下に交互に積層してなる円柱状の弾性体)を、上下一対のフランジ板31で挟んで構成されている。また、下側のフランジ板31は、不図示のボルトなどにより地盤20に固定されており、上側のフランジ板31は、不図示のボルトなどにより建物10に固定されている。そして、免震装置30は、建物10と地盤20との相対変位による水平力に応じて積層体32が水平方向にせん断変形(上側のフランジ板31と下側のフランジ板31とが水平方向に相対変位)する。このように免震装置30がせん断変形することにより、建物10の水平振動を長周期化することができ、建物10の損傷を防止することができる。なお、免震装置30のせん断変形の大きさに応じて、免震装置30の高さは低くなる。つまり、地震発生時(建物10と地盤20とが水平方向に相対変位した時)の建物10の上下方向の位置は、平常時(建物10と地盤20が水平方向に相対変位していない時)より低下することになる。
階段部40は、建物10の出入口(前側部分)において、建物10と地盤20(側壁21a)との間のクリアランスを覆うように設けられた階段状の部位である。階段部40は、地盤20上に設けられた第1段部41と、建物10に設けられた第2段部42(跳ね出し部材に相当)及び第3段部43を備えている。そして、階段部40は、地盤20と建物10との水平方向の相対変位に応じて、第1段部41と第2段部42(及び第3段部43)が相対変位可能となっている。
第1段部41は、地盤20の溝部21(側壁21a)の外側(前側)の上面に設けられている。また、第1段部41は、第2段部42と前後方向の位置が重複している。第1段部41は、床板41aとモルタル層41bを有している。
床板41aは、第1段部41のうち、少なくとも、平常時において、人が視認可能な部位に形成されている。具体的には、図2に示すように、第1段部41の上面の前側部分と前側側面に設けられている。なお、床板41aは、天然石、あるいは、人造石によって石貼りされている。
モルタル層41bは、モルタルによって形成されており、第2段部42と対向するモルタル層41bの部位(第1段部41の上面)には、第2段部42を水平方向に移動可能に支承する支承部(第1支承体411及び第2支承体412)が設けられている。
第1支承体411及び第2支承体412は、同じ構成の支承体である。本実施形態では、第1支承体411及び第2支承体412として、鉄球(球体に相当)を全方向に回転可能に保持したボールキャスタ(転がり支承体)を用いている。第1支承体411は、側壁21aに近い位置(側壁21aよりも外側)に設けられており、第2支承体412は、第1支承体411よりも前側(水平方向の一方側に相当)に設けられている。このように第1支承体411の前側に第2支承体412を配置することにより、第2段部42の前後方向の長さが長い場合でも安定して支承することができる。なお、図2では、第1支承体411及び第2支承体412が1つしか記載されていないが、第1支承体411及び第2支承体412は、それぞれ、左右方向に間隔をあけて複数配置されている。これにより、第2段部42の幅(左右方向の長さ)が長い場合でも、第2段部42を安定して支承することができる。
第2段部42は、先端が建物10の側面から外側(前側)に跳ね出しており、基端が建物10に接合(ピン接合)されている。第2段部42は、床板42aとモルタル層42bと下板42cとを有している。床板42aは、第2段部42の前面および上面に形成されている。また、床板42aは、床板41aと同様に、天然石、あるいは、人造石によって石貼りされている。モルタル層42bは、モルタル層41bと同様、モルタルで形成された層である。また、下板42cは、第2段部42の下部(モルタル層42bの下)に形成されており、第1段部41の第1支承体411及び第2支承体412と接触している。
また、第2段部42には、係合凹部421が形成されている。係合凹部421は、第2段部42を建物10に接合(ピン接合)するための孔であり、第2段部42の後側(水平方向の他方側に相当)の下部に形成されている。なお、係合凹部421のサイズは、係合凸部60(ボルト60a及びナット60b)のサイズよりも若干大きく形成されている。
図2に示すように、建物10の側面には断面L字形のアングル材50(取付部材に相当)の一方の面がビス61で固定されている。このアングル材50の他方の面には、係合凸部60が設けられている。係合凸部60は、第2段部42の係合凹部421と係合する部位であり、ボルト60aとナット60bを有している。ボルト60aは、アングル材50と溶接されている。また、アングル材50から上方に突出したボルト60aの螺子部にはナット60bが緩く螺合されている(完全に締めつけていない)。
そして、係合凸部60(ボルト60a及びナット60b)は、第2段部42の係合凹部421に挿入されている。また、第2段部42と第3段部43との間には、ゴムなどの弾性体44が配置されており、第2段部42の下板42cとアングル材50との間には、弾性体45が配置されている。さらに、第2段部42の後側端と建物10の側面との間には隙間が設けられている。これにより、第2段部42と建物10との間に簡易にピン接合を形成することができる。また、第2段部42と建物10との接合をピン接合としているので、建物10と地盤20との相対変位(免震装置30が剪断変形)で、建物10の上下方向の位置が低くなった場合、第2段部42は、建物10との接合部(係合凹部421と係合凸部60との係合部)を支点として傾斜する(逃げる)ことができる。
また、階段部40の各段(第1段部41、第2段部42、第3段部43)は、視認される部分に外観上の違いがない(同じ石貼りである)。このため、本実施形態の免震構造は、雰囲気、情感を重要視する建物10(古い建築物など)においても好適に適用することができる。
<<免震の動作について>>
地震などの外力を受けると、建物10と地盤20とが水平方向(ここでは前後方向とする)に所定距離を相対変位する。建物10と地盤20側壁21aとの間には最大変位の距離よりも大きい距離Wのクリアランスが設けられているため、建物10は地盤20に衝突せずに振動する。この建物10の振動は、免震装置30によって抑制される。また、階段部40の第1段部41は、地盤20に設けられており、第2段部42(及び第3段部43)は建物10に設けられている。これにより、建物10と地盤20とが水平方向に相対変位すると、それに応じて、階段部40の第1段部41と第2段部42も水平方向に相対変位する。
図4Aは、建物10が地盤20に対して前側(水平方向の一方側)に最大変位したときの状態を示す図である。
本実施形態では、第1支承体411よりも前側に第2支承体412を設けているので、建物10(第2段部42)が地盤20(第1段部41)に対して前側に最大変位しても、第2段部42は、第1支承体411と第2支承体412とによって支承されている。またこのとき、第2段部42の重心が第1支承体411と第2支承体412の間に位置している。仮に、このとき、第2段部42の重心が第2支承体412よりも前側になっているいと(すなわち、第2支承体412を第1支承体411に近い位置に設けていると)、バランスが保てなくなり、第2段部42が破損したりするおそれがある。これに対し、本実施形態では、建物10が地盤20に対して前側に最大変位した場合に、第2段部42の重心が第1支承体411と第2支承体412との間に位置しているので、第1支承体411と第2支承体412とによって第2段部42を安定して支承することができる。
また、図4Bは、建物10が地盤20に対して後側(水平方向の他方側)に最大変位したときの状態を示す図である。この場合、図4Bに示すように、第1支承体411は、第2段部42を支承しているが、第2支承体412は、第2段部42を支承していない。つまり、このとき第2支承体412が露出している。但し、図4Bのように第2支承体412が露出するのは強い地震などの発生時なので、建物10の雰囲気、情感に与える影響は小さい。また、この場合、第2段部42の重心は、第1支承体411と、第2段部42と建物10との接合部(ピン接合部)との間に位置しており、第1支承体411と、ピン接合部とによって第2段部42を安定して支承することができる。
以上説明したように、本実施形態の免震構造は、建物10と地盤20との間に免震装置30を備え、建物10と地盤20とが水平方向(前後方向)に相対変位するものである。また、本実施形態の免震構造には、建物10と地盤20との間のクリアランス上を覆う階段部40が設けられており、先端(前端)が建物10から前側に跳ね出し、基端(後端)が建物10に接合した第2段部42と、第2段部42と対向する第1段部41に設けられ、第2段部42を移動可能に支承する支承部(第1支承体411及び第2支承体412)を備えている。これにより、外観上の違和感を無くすことができる。また、地震などにより建物10と地盤20が相対変位しても、第2段部42が持ち上がったりせず、階段部40の段が水平方向にずれるだけなので、目立たない。
また、第1支承体411よりも前側に第2支承体412を配置しており、第1支承体411は、建物10と地盤20との水平方向の相対変位に関わらず第2段部42を支承し、第2支承体412は、平常時には第2段部42を支承し、建物10が地盤20に対して後側に最大変位した時には第2段部42を支承しない。このように配置することにより、第2段部42の長さを長くした場合でも、第2段部42が破損しないようにすることができ、第2段部42を安定して支承することができる。
===その他の実施形態について===
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述の実施形態では、建物10と地盤20との間に免震装置30が配置されていたがこれには限られず、例えば、建物の中間層(上部構造と下部構造との間)に免震装置30が配置されていてもよい。
前述の実施形態では、第1支承体411、第2支承体412としてボールキャスタ(転がり支承体)を用いていたが、これには限らない。例えば、円柱形状の部材を軸が左右方向に沿うように配置し、軸を中心に回転して支承するものでもよい。この場合も建物10と地盤20とが前後方向に相対変位した場合、その相対変位に応じて、階段部40の第1段部41と第2段部42も水平方向に相対変位することになる。但し、この場合、建物10と地盤20とが軸方向(この場合左右方向)に相対変位する場合には対応できない(転がらない)。本実施形態では第1支承体411及び第2支承体412としてボールキャスタを用いているので、前後方向及び左右方向の各方向への相対変位に対して対応することができる。また、第1支承体411、第2支承体412として滑り支承体を用いてもよい。
前述の実施形態では、地盤20に溝部21を設けていたが溝部21(側壁21a)は無くてもよい。つまり、平らな地盤20の上に、第1段部41を設けてもよい。この場合、第1段部41の後端面と建物10とが距離W離間するようにすればよい。そして、第1段部41の第1支承体411及び第2支承体412に支承されるように第2段部42を設ければよい。
前述の実施形態では、建物10に固定された断面L字形のアングル材50から突出した係合凸部60(ボルト60a及びナット60b)を、第2段部42の係合凹部421に挿入することに基づいて、第2段部42と建物10をピン接合していたが、これ以外の構成でピン接合するようにしてもよい。
10 建物
20 地盤
21 溝部
21a 側壁
30 免震装置
31 フランジ板
32 積層体
40 階段部
41 第1段部
41a 床板
41b モルタル層
42 第2段部
42a 床板
42b モルタル層
42c 下板
43 第3段部
50 アングル材
60 係合凸部
60a ボルト
60b ナット
411 第1支承体
412 第2支承体
421 係合凹部

Claims (7)

  1. 上部構造と下部構造との間に免震装置を備え、前記上部構造と前記下部構造とが水平方向に相対変位する免震構造であって、
    先端が前記上部構造から前記水平方向の一方側に跳ね出し、基端が前記上部構造に接合した跳ね出し部材と、
    前記跳ね出し部材と対向する前記下部構造の部位に設けられ、前記跳ね出し部材を前記水平方向に移動可能に支承する支承部と、
    を備え、
    前記支承部は、
    前記上部構造と前記下部構造との相対変位に関わらず前記跳ね出し部材を支承する独立した第1支承体と、
    前記第1支承体よりも前記水平方向の一方側に設けられた第2支承体であって、平常時には前記跳ね出し部材を支承し、前記上部構造が前記下部構造に対して前記水平方向の他方側に最大変位した時には前記跳ね出し部材を支承しない独立した第2支承体と、
    を有し、
    前記跳ね出し部材が前記一方側に最大変位した時には、前記跳ね出し部材の重心は、前記第1支承体と、前記第2支承体との間に位置し、
    前記跳ね出し部材が前記他方側に最大変位した時には、前記跳ね出し部材の重心は、前記第1支承体と、前記跳ね出し部材と前記上部構造との接合部との間に位置している
    ことを特徴とする免震構造。
  2. 上部構造と下部構造との間に免震装置を備え、前記上部構造と前記下部構造とが水平方向に相対変位する免震構造であって、
    先端が前記上部構造から前記水平方向の一方側に跳ね出し、基端が前記上部構造に接合した跳ね出し部材と、
    前記跳ね出し部材と対向する前記下部構造の部位に設けられ、前記跳ね出し部材を前記水平方向に移動可能に支承する支承部と、
    を備え、
    前記支承部は、
    前記上部構造と前記下部構造との相対変位に関わらず前記跳ね出し部材を支承する第1支承体と、
    前記第1支承体よりも前記水平方向の一方側に設けられた第2支承体であって、平常時には前記跳ね出し部材を支承し、前記上部構造が前記下部構造に対して前記水平方向の他方側に最大変位した時には前記跳ね出し部材を支承しない第2支承体と、
    を有し、
    前記上部構造と、前記跳ね出し部材の前記基端との接合はピン接合であり、
    前記上部構造の前記水平方向の一方側の側面には、断面L字形の取付部材の一方の面が固定されており、
    前記ピン接合は、
    前記取付部材の他方の面から上方に突出するように設けられた係合凸部と、
    前記跳ね出し部材の前記基端側の下部に設けられた係合凹部であって、前記係合凸部よりも大きく形成され、前記係合凸部が挿入される係合凹部と、
    を含んで構成されており、
    前記係合凸部は、前記取付部材に溶接されたボルトと、前記取付部材から上方に突出した前記ボルトの螺子部に螺合されたナットを有しており、
    前記係合凹部のサイズは、前記係合凸部としての前記ボルト及び前記ナットのサイズよりも大きく形成されていることを特徴とする免震構造。
  3. 上部構造と下部構造との間に免震装置を備え、前記上部構造と前記下部構造とが水平方向に相対変位する免震構造であって、
    先端が前記上部構造から前記水平方向の一方側に跳ね出し、基端が前記上部構造に接合した跳ね出し部材と、
    前記跳ね出し部材と対向する前記下部構造の部位に設けられ、前記跳ね出し部材を前記水平方向に移動可能に支承する支承部であって、前後方向及び左右方向の各方向への相対変位に対して対応するボールキャスタで構成された支承部と、
    を備え、
    前記支承部は、
    前記上部構造と前記下部構造との相対変位に関わらず前記跳ね出し部材を支承する第1支承体と、
    前記第1支承体よりも前記水平方向の一方側に設けられた第2支承体であって、平常時には前記跳ね出し部材を支承し、前記上部構造が前記下部構造に対して前記水平方向の他方側に最大変位した時には前記跳ね出し部材を支承しない第2支承体と、
    を有することを特徴とする免震構造。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の免震構造であって、
    前記上部構造が前記下部構造に対して前記水平方向の一方側に最大変位した時の前記跳
    ね出し部材の重心は、前記第1支承体と前記第2支承体との間に位置する
    ことを特徴とする免震構造。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の免震構造であって、
    前記下部構造は、前記上部構造から前記最大変位の距離以上離間する壁部を有し、 前
    記平常時において前記第1支承体及び前記第2支承体は、前記跳ね出し部材の前記先端と
    前記壁部との間に配置されている
    ことを特徴とする免震構造。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の免震構造であって、
    前記第1支承体及び前記第2支承体は、球体を備えた転がり支承である
    ことを特徴とする免震構造。
  7. 請求項6に記載の免震構造であって、
    前記第1支承体及び前記第2支承体は、それぞれ、前記水平方向と直交する方向に複数
    配置されている
    ことを特徴とする免震構造。
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