JP4099418B2 - 既存建物の耐震化補強工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、アスペクト比が大きく、地震時にロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する既存建物について、その下層階に浮き上がり許容部を設けて地震力を低減させ耐震性能を向上させると共に、その層剛性の低下を防止するように補強する、既存建物の耐震化補強工法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
高層建物などのアスペクト比が大きい建物は、地震時にロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する。
【0003】
この特性に着目し、前記引き抜き力が発生する部位を切断し前記建物を上部構造と下部構造とに縁切りして浮き上がりを許容する、浮き上がり許容方式の耐震構造が種々開発されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
【0004】
しかし、前記特許文献1〜3に係る浮き上がり許容方式の耐震構造はいずれも、建物の基礎梁と杭とを縁切りして構成されている。よって、縁切りされた上部構造が重量の大きい基礎梁と一体化されているため、地震による浮き上がりの応答性が悪く、基礎梁と杭とを縁切りするため、施工性が悪いという問題があった。
【0005】
また、前記特許文献4、5に係る浮き上がり許容方式の耐震構造は、建物の柱脚部に浮き上がり許容部を設け、前記地震による浮き上がりの応答性を向上させてはいるものの、上部構造と下部構造との間で柱の連続性が失われることから、上部構造の層剛性が低下し、当該上部構造が独立した構造物として機能しづらくなるという問題があった。
【0006】
そこで、近年、前記問題点を解決する技術が提案されている(例えば、特許文献6参照)。
【0007】
この特許文献6に係る浮き上がり許容方式の耐震構造は、建物の柱脚部を切断して上部構造と下部構造とに縁切りすることにより、建物の浮き上がりの応答性を向上させると共に、上部構造の切断部における隣接する柱脚部同士を梁又はスラブで連結することにより、柱の連続性の喪失に伴う上部構造の層剛性の低下を補う技術である。
【0008】
ちなみに、既存建物を免震化する他の技術分野においても、上部構造の切断部における隣接する柱脚部同士を梁で連結することにより、柱の連続性の喪失に伴う上部構造の層剛性の低下を補う技術は開示されている(例えば、特許文献7参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−227039号公報
【特許文献2】
特開平10−227040号公報
【特許文献3】
特開平10−331173号公報
【特許文献4】
特開2001−115683号公報
【特許文献5】
特開2001−115684号公報
【特許文献6】
特開2002−285732号公報
【特許文献7】
特開平8−270255号公報
【0010】
【本発明が解決しようとする課題】
上記特許文献6、7に開示した技術は、建物を新設する場合には有用であるものの、既存建物に適用する場合には、下記する問題があった。
1)上部構造のロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する下層階(通常1階部分)の柱脚部に梁又はスラブを新設するので、実質的に建物の1階部分の有効高さが、梁又はスラブを新設した分だけ低くなり、居住者に圧迫感を与えるなど居住性を損なう。
2)建物内の補強工事になるため、建設資材搬入のための動線と作業スペースを確保する必要から、工事箇所の部屋が使用できなくなり、居住者を退去させなければならず、建物を使用に供したまま工事を遂行することは至難である。
【0011】
本発明の目的は、既存建物を浮き上がり許容方式の耐震化構造とするにあたり、上部構造の浮き上がりの応答性に優れ、上部構造の層剛性の低下を補うことは勿論、ロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する下層階の有効高さを一切低くすることなく、居住者を退去させないで補強工事を遂行することができる、既存建物の耐震化補強工法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明に係る既存建物の耐震化補強工法によれば、
地震時にロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する既存建物の耐震化補強工法であって、
既存建物において、ロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する下層階の柱脚部を切断する前の工程として、梁部材と伝達部材とから成る補強部材を、その梁部材が下部構造の梁に隣接する配置に設けること、
前記補強部材が上部構造の水平荷重の伝達を負担するように、補強部材の伝達部材と上部構造とを連結すること、
しかる後に、前記ロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する下層階の柱脚部を切断して上部構造と下部構造とを縁切りし、浮き上がり許容部を設けることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した既存建物の耐震化補強工法において、補強部材は、既存建物のロッキング振動方向に設けることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した既存建物の耐震化補強工法において、補強部材の伝達部材は、柱材、ブレース材、若しくは開口を確保した耐震壁、又はこれらの組み合わせとし、ロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する下層階の柱梁架構と緊結することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載した発明は、請求項1又は2に記載した既存建物の耐震化補強工法において、補強部材は、ロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する下層階の柱梁架構とほぼ重なり合う形状の柱梁架構とすることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載した既存建物の耐震化補強工法において、上部構造の柱脚部の下端、又は下部構造の柱頭部の上端のいずれか一方に凸部を形成し、他方に凹部を形成して、当該凸部と凹部とを嵌め合わせて突き合わせ接合することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態及び実施例】
図1〜図3は、請求項1に記載した発明に係る既存建物の耐震化補強工法の実施の形態を概念的に示している。
【0018】
この発明は、アスペクト比が大きい建物や高層建物など、地震時にロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する既存建物1に好適に実施され、先ず、前記既存建物1を、ロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する下層階(図示例では1階部分)の柱5の柱脚部5aを切断して上部構造10と下部構造11とに縁切りする前の工程として、梁部材3aと伝達部材3bとから成る補強部材3を、その梁部材3aが下部構造11の梁(図示例では基礎梁)12に隣接する配置に設ける。次に、前記補強部材3が上部構造10の水平荷重の伝達を負担するように、補強部材3の伝達部材3bと上部構造10とを連結する。しかる後に、前記ロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する下層階(図示例では1階部分)の柱脚部5aをすべてほぼ同じレベルで切断して上部構造10と下部構造11とを縁切りし、浮き上がり許容部を設けることを特徴としている(請求項1記載の発明)。
【0019】
図示例の補強部材3は、経済性及び効率性を考慮し、既存建物1の外周部分の短辺方向、即ちロッキング振動方向に沿って(請求項2記載の発明)左右に計2体、対称配置に設置して実施している。なお、前記補強部材3の設置位置、及び設置個数は、後述するように、これに限定されない。
【0020】
前記補強部材3の梁部材3aは、前記下部構造11の基礎梁12の側面にほぼ重なり合う配置に設けている。
【0021】
前記補強部材3の伝達部材3b、3bは、柱材を使用しており(請求項3記載の発明)、前記梁部材3aの両端部の上面にそれぞれ剛結して立設し、上部構造10の柱梁架構2の柱5の柱脚部5a、5aにほぼ重なり合う配置に設け、その上部は当該柱脚部5a、5aの側面と緊結している。
【0022】
かくして、前記梁部材3aと前記伝達部材(柱材)3bとから成る補強部材3は、既存建物1の1階部分の柱梁架構2における下方部分(基礎梁12と柱5の柱脚部5a)とほぼ重なり合う配置に設置され、水平方向変位については、前記2体の補強部材3の挟持効果と、周辺地盤4による拘束効果とにより一切ずり動くことはなく、鉛直方向変位については上部構造10に追従する構成で実施される。
【0023】
ちなみに、前記柱5の柱脚部5aをすべてほぼ同じレベルで切断し上部構造10と下部構造11とに縁切りして浮き上がり許容部を設ける手法は、格別新規でなく、従来工法で実施する。
【0024】
よって、前記上部構造10の柱脚部5aは、前記補強部材3の伝達部材3b、3bを介して梁部材3aへ連結され、拘束効果を生ずる結果、柱5の連続性の喪失に伴う上部構造10の層剛性の低下を補うことができる。即ち、上部構造10の浮き上がりに伴う応力を当該補強部材3にも負担させることができ、柱5の柱頭部の曲げモーメントの増大を防ぐことができる。そのため、柱5の柱頭部に大きな変形が生じることがなく、損傷が発生することを未然に防ぐことができ、耐震効果を十分に発揮させることができる。
【0025】
また、柱5の柱脚部5aを梁部材3aを備えた補強部材3で拘束したことにより、前記柱脚部5aの水平挙動のばらつきを抑えることができると共に、柱脚部5aの切断工事の際に地震が発生したとしても、上部構造10全体の水平移動を防止するという副次的効果も得られる。
【0026】
したがって、上述した既存建物の耐震化補強工法によれば、補強部材3を既存建物1の外部に新設して実施するので、補強工事前と比して、工事後のロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する下層階(図示例では1階部分)の有効高さは一切変わることがなく、居住者に圧迫感を与えるなど居住性を損なう虞もない。また、補強工事は、既存建物1の外部で行われるので居住者を退去させることなしに工事を遂行することができる。さらに、前記補強部材3は、既存建物1の1階部分の柱梁架構2の下方部分とほぼ重なり合う配置に設置されているので、居住者側から見た景観も、補強工事前と一切変わらない。
【0027】
なお、前記補強部材3の形状は図示例に限定されず、図6に示したように、柱梁架構2の外周の柱5、5を、左右方向はもちろん、前後方向のずり動きを拘束できるようなコ字形状の補強部材3’で実施してもよい。この補強部材3’によると、前記上部構造10を、周辺地盤4による拘束力に一切頼らずに拘束できるので、例えば、図10に示したように、地上階におけるロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する下層階(符号X)を耐震化する場合に好適に実施できる。
【0028】
また、前記補強部材3は、既存建物1の外周部分のみならず、ロッキング振動方向のすべての基礎梁12に隣接して設けて実施することもできるし、ロッキング振動方向と直角方向の基礎梁12に沿って設けて実施することもできる。すなわち、前記補強部材3を、既存建物1の外周部を取り囲むように設けて実施することもできる。更に、前記補強部材3の梁部材3aと、下部構造11の基礎梁12とを当接して実施する場合に、既存建物1のロッキング振動に伴う補強部材3の鉛直方向の変位(浮き上がり)をスムーズに行なわしめるべく、潤滑剤を塗布して実施することが好ましい。以下に説明する実施形態についても同様の技術的思想とする。
【0029】
ところで、図1〜図3に示した補強部材3は、梁部材3aと伝達部材(柱材)3bとを剛結して実施しているが、これに限定されず、様々なバリエーションで実施できる。例えば、梁要素と伝達要素とを備えた一体型の補強部材3でも勿論実施できる。また、図4と図5に示したように、上部構造10の層剛性の低下を飛躍的に補うべく、前記補強部材3にさらにブレース材8を剛結して成る複合型の補強部材を、上部構造10の柱梁架構2に複数箇所で緊結して実施することもできる(請求項3記載の発明)。この複合型の補強部材は、その他に、開口を確保した耐震壁(図示省略)などを使用して実施することもできる(請求項3記載の発明)。
【0030】
図7と図8は、請求項1に記載した発明に係る既存建物の耐震化補強工法の異なる実施の形態を概念的に示している。
【0031】
この実施形態は、上述した実施形態と比して、新設する補強部材の構造のみが相違する。
【0032】
即ち、この補強部材7は、ロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する層(図示例では1階部分)の柱梁架構2とほぼ重なり合う形状の柱梁架構7で実施することを特徴としている(請求項4記載の発明)。
【0033】
この補強部材7についても、図1に示したように、経済性及び効率性を考慮し、既存建物1の外周部分の短辺方向、即ちロッキング振動方向に沿って(請求項2記載の発明)左右に計2体、対称配置に設置して実施している。なお、前記補強部材3の設置位置、及び設置個数は、上述したように、これに限定されないことは勿論である。
【0034】
前記補強部材7は、その梁部材7a、7aのうち下方の梁部材7aが下部構造11の梁(基礎梁)12の側面にほぼ重なり合う配置に設けている。
【0035】
前記補強部材7における下方の梁部材7a以外の部材は、前記上部構造10の柱梁架構2の側面のほぼ全面に亘って複数箇所で緊結している。
【0036】
かくして、前記補強部材7は、水平方向変位については、前記2体の補強部材7の挟持効果と、周辺地盤4による拘束効果とにより一切ずり動くことはなく、鉛直方向変位については上部構造10に追従することはもちろん、当該柱梁架構2の柱脚部5a、5aに拘束効果を十分に生じさせる結果、柱5の連続性の喪失に伴う上部構造10の層剛性の低下を、図4と図5に示した複合型の補強部材で実施した場合とほぼ同様に、十分に補うことができる。
【0037】
また、上記図1〜図6に示した補強部材とほぼ同様に、柱5の柱脚部5aを補強部材7で拘束したことにより、前記柱脚部5aの水平挙動のばらつきを抑えることができると共に、柱脚部5aの切断工事の際に地震が発生したとしても、上部構造10全体の水平移動を防止するという副次的効果も得られる。
【0038】
したがって、上述した既存建物の耐震化補強工法によっても、補強部材7を既存建物1の外部に新設して実施するので、補強工事前と比して、工事後のロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する下層階(図示例では1階部分)の有効高さは一切変わることがなく、居住者に圧迫感を与えるなど居住性を損なう虞もない。また、補強工事は、既存建物1の外部で行われるので居住者を退去させることなしに工事を遂行することができる。さらに、前記補強部材7は、既存建物1の1階部分の柱梁架構2とほぼ重なり合う配置に設置されているので、居住者側から見た景観も、補強工事前と一切変わらない。
【0039】
以上に実施形態を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の実施形態の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
【0040】
例えば、図9A、Bに示したように、縁切りされた上部構造10の柱脚部5aの下端に下向きに凸部9を形成し、下部構造11の柱頭部13の上端に上向きに凹部14を形成し、凸部9と凹部14とを嵌め合わせて突き合わせ接合することにより、所謂ダボ効果を発揮させて、上部構造10の層剛性の低下をさらに補うこともできる。もちろん、上部構造10の柱脚部5aの下端に下向きに凹部を形成し、下部構造11の柱頭部13の上端に上向きに凸部を形成して実施しても良い(請求項5記載の発明)。
【0041】
【本発明が奏する効果】
請求項1〜5に記載した発明に係る既存建物の耐震化補強工法によれば、
I)上部構造の柱脚部は、補強部材の伝達部材を介して梁部材へ連結され、拘束効果を生ずる結果、柱の連続性の喪失に伴う上部構造の層剛性の低下を十分に補うことができる。即ち、上部構造の浮き上がりに伴う応力を当該補強部材にも負担させることができ、柱の柱頭部の曲げモーメントの増大を防ぐことができる。そのため、柱の柱頭部に大きな変形が生じることがなく、損傷が発生することを未然に防ぐことができ、耐震効果を十分に発揮させることができる。
II)柱の柱脚部を補強部材で拘束したことにより、前記柱脚部の水平挙動のばらつきを抑えることができると共に、柱脚部の切断工事の際に地震が発生したとしても、上部構造全体の水平移動を防止することもできる。
III)補強部材を既存建物の外部に新設して実施するので、補強工事前と比して、工事後のロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する下層階の有効高さは一切変わることがなく、居住者に圧迫感を与えるなど居住性を損なう虞もない。
IV)補強工事は、既存建物の外部で行われるので居住者を退去させることなしに工事を遂行することができる。
V)補強部材を、既存建物の下層階の柱梁架構とほぼ重なり合う配置に設置する場合には、居住者側から見た景観も、補強工事前と一切変わらない。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載した発明に係る既存建物の耐震化補強工法の実施形態を概略的に示した平面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1の正面図である。
【図4】請求項3に記載した発明に係る既存建物の耐震化補強工法の実施形態を概略的に示した側面図である。
【図5】図4の正面図である。
【図6】請求項1に記載した発明に係る既存建物の耐震化補強工法の異なる実施形態を概略的に示した平面図である。
【図7】請求項4に記載した発明に係る既存建物の耐震化補強工法の実施形態を概略的に示した側面図である。
【図8】図7の正面図である。
【図9】A、Bはそれぞれ、請求項5に記載した発明に係る既存建物の耐震化補強工法の実施形態を概略的に示した立面図である。
【図10】請求項1に記載した発明に係る既存建物の耐震化補強工法の異なる実施形態を概略的に示した平面図である。
【符号の説明】
1 既存建物
2 柱梁架構
3 補強部材
3a 梁部材
3b 伝達部材
3’ 補強部材
4 周辺地盤
5 上部構造の柱
5a 柱脚部
7 柱梁架構(補強部材)
7a 梁部材
8 ブレース材
9 凸部
10 上部構造
11 下部構造
12 基礎梁
13 下部構造の柱
14 凹部
Claims (5)
- 地震時にロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する既存建物の耐震化補強工法であって、
既存建物において、ロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する下層階の柱脚部を切断する前の工程として、梁部材と伝達部材とから成る補強部材を、その梁部材が下部構造の梁に隣接する配置に設けること、
前記補強部材が上部構造の水平荷重の伝達を負担するように、補強部材の伝達部材と上部構造とを連結すること、
しかる後に、前記ロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する下層階の柱脚部を切断して上部構造と下部構造とを縁切りし、浮き上がり許容部を設けることを特徴とする、既存建物の耐震化補強工法。 - 補強部材は、既存建物のロッキング振動方向に設けることを特徴とする、請求項1に記載した既存建物の耐震化補強工法。
- 補強部材の伝達部材は、柱材、ブレース材、若しくは開口を確保した耐震壁、又はこれらの組み合わせとし、ロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する下層階の柱梁架構と緊結することを特徴とする、請求項1又は2に記載した既存建物の耐震化補強工法。
- 補強部材は、ロッキング振動に伴う引き抜き力が発生する下層階の柱梁架構とほぼ重なり合う形状の柱梁架構とすることを特徴とする、請求項1又は2に記載した既存建物の耐震化補強工法。
- 上部構造の柱脚部の下端、又は下部構造の柱頭部の上端のいずれか一方に凸部を形成し、他方に凹部を形成して、当該凸部と凹部とを嵌め合わせて突き合わせ接合することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した既存建物の耐震化補強工法。
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