JP4002070B2 - 画像形成装置及び該画像形成装置を備えた画像形成システム - Google Patents

画像形成装置及び該画像形成装置を備えた画像形成システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ画像を形成可能な画像形成装置と、その画像形成装置を備えた画像形成システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子複写機、プリンタ、ファクシミリ、印刷機又はこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は従来より公知である。従来のこの種の画像形成装置は、一般に、像担持体上に形成された第1の画像を記録媒体の一方の面に転写し、その転写画像を定着した後、記録媒体を反転させて再び像担持体に送り込み、該像担持体に形成された第2の画像を記録媒体の他方の面に転写し、その第2の画像を定着することによって、記録媒体の両面に画像を形成するように構成されている。ところが、この方式の画像形成装置によると、記録媒体を像担持体に対して2度送り込む必要があるため、記録媒体の両面に画像を形成し終るまでの時間が長くなり、その生産性が低下する欠点を免れない。
【0003】
そこで、第1の像担持体上に形成した第1の画像を中間転写体に転写し、その転写画像を記録媒体の一方の面に転写すると共に、第2の像担持体上に形成した第2の画像を同じ記録媒体の他方の面に転写して記録画像を得る画像形成装置が提案されている(特開平9−269616号公報)。中間転写体は、第1の像担持体と第2の像担持体の間に配置される。この提案に係る画像形成装置によると、記録媒体の両面に画像を形成し終えるまでの時間を短縮でき、その生産性を大きく向上させることが可能である。
【0004】
ところで、上記形式の画像形成装置の場合も、例えば、第2の像担持体と中間転写体との間に記録媒体が詰まってその記録媒体を除去するとき、或いは像担持体や中間転写体を修理、点検するとき、又はこれら要素を交換するようなとき、第1及び第2の像担持体と中間転写体の表面に傷が付くことを防止するため、これらを互いに離間させる必要がある。
【0005】
そこで、例えば、第1及び第2の像担持体を、中間転写体に対して接離できるように移動可能に支持し、上述の各種メンテナンス作業を行うときは、これに先立って、第1及び第2の像担持体を中間転写体から離間させ、メンテナンス作業終了後に再び第1及び第2の像担持体をそれぞれ中間転写体に当接させるように構成することが考えられる。このようにすれば、第1及び第2の像担持体や中間転写体の表面に傷を付けることなく所定のメンテナンス作業を行うことが可能となる。ところが、この構成によると、複数の像担持体をそれぞれ中間転写体から離し、再びその複数の像担持体を中間転写体にそれぞれ当接させなければならないため、その接離作業が煩雑なものとなる欠点を免れない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、上記従来の欠点を除去した画像形成装置を提供することにある。
【0007】
本発明の第2の目的は、上記画像形成装置を備えた画像形成システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記第1の目的を達成するため、第1の画像が形成される第1の像担持体と、該第1の像担持体に形成された第1の画像が転写される中間転写体と、第2の画像が形成される第2の像担持体とを有し、前記第1の像担持体と第2の像担持体は互いに対向して位置し、前記中間転写体は前記第1の像担持体と第2の像担持体の間に配置されていて、前記中間転写体に転写された第1の画像を記録媒体の一方の面に転写し、前記第2の像担持体に形成された第2の画像を前記記録媒体の他方の面に転写して記録画像を得る画像形成装置において、前記中間転写体が、第1及び第2の像担持体に当接する第1の位置と、第1及び第2の像担持体から離れた第2の位置との間を作動可能に支持され、少なくとも、前記中間転写体と、該中間転写体を支持する支持体とによって中間ユニットを構成し、該中間ユニットを支持軸の中心軸線まわりに揺動させることによって前記中間転写体が第1の位置と第2の位置の間を作動するように、当該中間ユニットを前記支持軸に支持したことを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項1)。
【0011】
さらに、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記支持軸の中心軸線が、前記第1の像担持体と第2の像担持体の間の領域に位置していると有利である(請求項2)。
【0012】
また、上記請求項2に記載の画像形成装置において、前記支持軸が、前記第1の像担持体の中心軸線と第2の像担持体の中心軸線とを結ぶ線上に位置していると有利である(請求項3)。
【0013】
さらに、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記中間ユニットを前記支持軸に沿って移動させることにより、該中間ユニットを画像形成装置本体に対して着脱できるように、当該中間ユニットを支持軸に支持すると有利である(請求項4)。
【0014】
また、上記請求項4に記載の画像形成装置において、前記中間ユニットを、画像形成装置本体に対して、その主操作面側から着脱できるように、前記支持軸を配置すると有利である(請求項5)。
【0015】
さらに、上記請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第1の像担持体と、該第1の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第1の作像ユニットとして構成し、前記第2の像担持体と、該第2の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第2の作像ユニットとして構成すると共に、該第1及び第2の作像ユニットを、画像形成装置本体に対して、その主操作面側から着脱可能とすると有利である(請求項6)。
【0016】
また、上記請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第1の像担持体と、該第1の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第1の作像ユニットとして構成し、前記第2の像担持体と、該第2の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第2の作像ユニットとして構成し、第1の作像ユニットと第2の作像ユニットのうちの一方の作像ユニットを、他方の作像ユニットの装着位置にも装着できるように、該第1の作像ユニットと第2の作像ユニットを構成すると有利である(請求項7)。
【0017】
さらに、上記請求項7に記載の画像形成装置において、第1の作像ユニットと第2の作像ユニットがほぼ同一の大きさで、かつほぼ同一の形状に構成されていると有利である(請求項8)。
【0018】
また、上記請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第1の像担持体と、該第1の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第1の作像ユニットとして構成し、前記第2の像担持体と、該第2の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第2の作像ユニットとして構成すると共に、前記第1の像担持体に第1の画像を形成するための第1の露光装置と、前記第2の像担持体に第2の画像を形成するための第2の露光装置とを設け、該第1及び第2の露光装置を、それぞれ画像形成装置本体に対して、前記第1の作像ユニットと第2の作像ユニットとは別個に着脱可能とすると有利である(請求項9)。
【0019】
さらに、上記請求項9に記載の画像形成装置において、前記第1及び第2の露光装置は、ライン状に配列された多数の光源を有する露光装置より成り、該第1及び第2の露光装置を、画像形成装置本体に対して、前記支持軸とほぼ平行な方向に着脱可能とすると有利である(請求項10)。
【0020】
また、上記請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成装置において、少なくとも、前記中間転写体と、該中間転写体を支持する支持体とによって中間ユニットを構成し、かつ該中間ユニットを画像形成装置本体に対して引き出し可能に支持すると共に、前記中間転写体が前記第1の位置を占めているとき、前記中間ユニットが画像形成装置本体から引き出されることを禁止する中間ユニット離脱阻止手段を設けると有利である(請求項11)。
【0021】
さらに、上記請求項1乃至11のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第1の像担持体と、該第1の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第1の作像ユニットとして構成し、前記第2の像担持体と、該第2の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第2の作像ユニットとして構成すると共に、前記第1の作像ユニットと第2の作像ユニットを画像形成装置本体に対して引き出し可能に支持し、前記中間転写体が前記第1の位置を占めているとき、前記第1及び第2の作像ユニットが画像形成装置本体から引き出されることを禁止する作像ユニット離脱阻止手段を設けると有利である(請求項12)。
【0022】
また、上記請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第1の像担持体と、該第1の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第1の作像ユニットとして構成し、前記第2の像担持体と、該第2の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第2の作像ユニットとして構成すると共に、前記第1の作像ユニットと第2の作像ユニットを画像形成装置本体に対して引き出し可能に支持し、少なくとも前記中間転写体と、該中間転写体を支持する支持体とによって中間ユニットを構成し、該中間ユニットを画像形成装置本体に対して引き出し可能に支持し、前記中間転写体が前記第1の位置を占めているとき、前記中間ユニットが画像形成装置本体から引き出されることを禁止する中間ユニット離脱阻止手段と、前記中間転写体が前記第1の位置を占めているとき、前記第1及び第2の作像ユニットが画像形成装置本体から引き出されることを禁止する作像ユニット離脱阻止手段とを設け、前記中間ユニット離脱阻止手段は、前記中間転写体が第1の位置を占めたとき、前記中間ユニットに干渉して該中間ユニットの引き出しを禁止する画像形成装置本体側のストッパより成り、中間転写体が前記第2の位置を占めたとき、該中間ユニットの引き出しが可能となるように、当該中間ユニットと前記ストッパとが干渉しない位置に、当該ストッパが設けられ、前記作像ユニット離脱阻止手段は、前記中間転写体が第1の位置を占めたとき、前記第1及び第2の作像ユニットの引き出しを禁止するように、該第1及び第2の作像ユニットと前記中間ユニットが互いに係合する係合部より成り、中間転写体が前記第2の位置を占めたとき、第1及び第2の作像ユニットの引き出しが可能となるように、前記係合部の係合が解除されるように構成すると有利である(請求項13)。
【0023】
さらに、上記請求項1乃至13のいずれかに記載の画像形成装置において、前記中間転写体に転写された第1の画像と第2の像担持体に形成された第2の画像を記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ同時に転写する転写手段を有していると有利である(請求項14)。
【0024】
また、上記請求項14に記載の画像形成装置において、前記転写手段は、第1の極性に帯電した中間転写体上の第1の画像と、第1の極性とは逆の第2の極性に帯電した第2の像担持体上の第2の画像を、記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ転写するように構成されていると有利である(請求項15)。
【0025】
さらに、上記請求項15に記載の画像形成装置において、前記第1及び第2の像担持体には、前記第2の極性に帯電した第1の画像と第2の画像がそれぞれ形成され、中間転写体に転写された第1の画像の帯電極性を第1の極性に変換させる極性変換手段を設けると有利である(請求項16)。
【0026】
また、上記請求項1乃至16のいずれかに記載の画像形成装置において、前記中間転写体に重ね合された状態の記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ転写された第1及び第2の画像を定着するように配置された定着装置を有していると有利である(請求項17)。
【0027】
さらに、上記請求項17に記載の画像形成装置において、前記中間転写体を前記第2の位置にもたらしたとき、該中間転写体が前記定着装置からも離れるように、該定着装置を配置すると有利である(請求項18)。
【0028】
また、上記請求項17又は18に記載の画像形成装置において、前記定着装置を、少なくとも熱の作用で前記第1及び第2の画像を記録媒体に定着するように構成し、中間転写体表面の移動方向に関し、前記定着の行われる定着位置よりも下流側であって、前記第1の像担持体から中間転写体に第1の画像が転写される転写位置よりも上流側の中間転写体部分を冷却する冷却手段を設けると有利である(請求項19)。
【0029】
さらに、上記請求項1乃至19のいずれかに記載の画像形成装置において、前記中間転写体は、複数のローラに巻き掛けられて走行駆動される無端状のベルトより成り、該ベルトは、耐熱性の基体と、その表面に積層された低表面エネルギーの表層とを具備し、該無端状のベルトの全体の体積抵抗率が10乃至1012Ωcmに設定されていると有利である(請求項20)。
【0030】
また、上記請求項20に記載の画像形成装置において、前記基体は、50μm乃至200μmの厚さのポリイミド又はポリアミドイミドより成り、前記表層はフッ素樹脂より成ると有利である(請求項21)。
【0031】
さらに、本発明は、前述の第2の目的を達成するため、上記請求項1乃至21のいずれかに記載の画像形成装置と、ホスト機器とを接続して成る画像形成システムを提案する(請求項22)。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0033】
図1は本例の画像形成装置の概略垂直断面図であり、ここに示した画像形成装置はプリンタとして構成されている。その画像形成装置本体1内には、ドラム状の感光体として構成された第1の像担持体2と、同じくドラム状の感光体として構成された第2の像担持体2Aと、中間転写体3とが設けられている。ここに例示した中間転写体3は、複数のローラ4,5に巻き掛けられて矢印A方向に走行駆動される無端状のベルトより成るが、回転駆動されるドラム状の中間転写体を用いることもできる。同様に、第1及び第2の像担持体として、複数のローラに巻き掛けられて走行駆動される無端状のベルトを用いることもできる。
【0034】
第1の像担持体2と第2の像担持体2Aは互いに対向して位置し、その各像担持体2,2Aの外周面の一部が中間転写体3の表面に当接している。中間転写体3は、第1の像担持体2と第2の像担持体2Aに当接した状態で、その第1の像担持体2と第2の像担持体2Aの間に配置されているのである。
【0035】
第1の像担持体2のまわりには、第1の除電装置6、第1の帯電装置7、第1の現像装置8及び第1のクリーニング装置9の各作像手段がそれぞれ配設され、これらの作像手段と第1の像担持体2は、図1には示していない第1のユニットケース10(図8参照)に一体的に組み付けられて第1の作像ユニット11を構成している。第1の像担持体2は第1のユニットケース10に対して回転自在に支持されている。
【0036】
同じく、第2の像担持体2Aのまわりにも、第2の除電装置6A、第2の帯電装置7A、第2の現像装置8A及び第2のクリーニング装置9Aの各作像手段がそれぞれ配設され、これらの作像手段と第2の像担持体2が、図1には示していない第2のユニットケース10A(図8参照)に一体的に組み付けられて第2の作像ユニット11Aが構成され、第2の像担持体2Aは第2のユニットケース10Aに対して回転自在に支持されている。このように、第1の作像ユニット11と第2の作像ユニット11Aは実質的に同一の構成を有している。
【0037】
また、第1及び第2の像担持体2,2Aの近傍には、第1及び第2の露光装置12,12Aがそれぞれ配置されているが、図示した例では、これらの露光装置12,12Aは、上述の第1及び第2の作像ユニット11,11Aの要素を構成しておらず、当該各作像ユニット11,11Aとは別個の要素として構成されている。
【0038】
画像形成動作時に、中間転写体3は矢印A方向に回転駆動され、第1及び第2の像担持体2,2Aはそれぞれ矢印B1,B2で示す方向に回転駆動され、次に説明するようにその各像担持体2,2Aの外周面に第1の画像と第2の画像がそれぞれ形成される。
【0039】
すなわち、第1の像担持体2の表面が第1の帯電装置7によって所定の極性、図の例ではマイナス極性に均一に帯電され、その帯電面には第1の露光装置12からの書き込み情報に対応した光が選択的に照射され、第1の像担持体2の表面にその情報に対応した静電潜像が形成される。この例では、第1の露光装置12により光を照射されて表面電位の絶対値が低下した像担持体部分が静電潜像、すなわち画像部となる。この静電潜像は、第1の現像装置8によりトナー像として可視像化され、第1の像担持体2上にトナーによる第1の画像が形成される。第1の現像装置8に収容されたトナーは、所定の極性、図示した例では第1の像担持体2の帯電極性と同じマイナス極性に帯電されており、かかるトナーが第1の像担持体に形成された静電潜像に静電的に移行して静電潜像が可視像化される。このように、この例では反転現像により静電潜像が可視像化されるが、正規現像方式により静電潜像を現像するように構成することもできる。
【0040】
第1の像担持体2に形成された第1の画像は、中間転写体3の裏面側に配置された第1の転写手段13によって、第1の像担持体2と同期して移動する中間転写体3の表面に静電的に転写される。第1の転写手段13には、第1の像担持体2上のトナーの帯電極性と逆極性であるプラスの転写電圧が印加され、これによって第1の像担持体2上の第1の画像が中間転写体3上に転写されるのである。画像転写後に第1の像担持体2の表面に残存するトナーは、第1のクリーニング装置9によって除去され、クリーニング後の第1の像担持体2の表面は第1の除電装置6から光を照射されて、その表面電位が初期化され、次の作像サイクルに備える。
【0041】
中間転写体3は、表面に第1の画像を担持して矢印A方向に移動するが、その過程で、中間転写体3から離間して配置された極性変換手段の一例であるチャージャ14の放電作用によって、中間転写体3の表面に担持された第1の画像の帯電極性が反転される。第1の画像を構成するトナーがチャージャ14により帯電されてその極性がプラスに反転されるのである。
【0042】
一方、第2の像担持体2A上にも、第1の像担持体2の場合と全く同様にして、帯電、露光、現像によりトナーより成る第2の画像が形成される。中間転写体3上に転写された第1の画像の先端が中間転写体表面の移動に伴って所定の位置に至ったところで、第2の像担持体2Aへの画像書き込み動作が開始される。第2の像担持体2A上に形成された第2の画像を構成するトナーも、第1の像担持体2上に形成された第1の画像と同じ極性、すなわちマイナス極性に帯電されている。
【0043】
画像形成装置本体1の下部には給紙装置15が配置され、この給紙装置15は、例えばシート状の転写紙或いは樹脂シートなどから成る記録媒体Pを収納する給紙カセット16と、給紙ローラ17とを有し、この給紙ローラ17が最上位の記録媒体上面に当接して矢印C方向に回転駆動されることにより、最上位の記録媒体Pが矢印D方向に送り出される。
【0044】
送り出された記録媒体Pはレジストローラ対18の回転により、所定のタイミングで中間転写体3と第2の像担持体2Aの間の転写位置に給送される。このとき、中間転写体3の裏面側に配置された第2の転写手段13Aに対して、第2の像担持体上に形成された第2の画像の帯電極性と逆極性の転写電圧が印加される。これにより、中間転写体3の表面に担持された第1の画像が、記録媒体の一方の面、すなわち中間転写体表面に当接する方の記録媒体面に静電的に転写され、第2の像担持体2Aの外周面に形成された第2の画像は、同じ記録媒体の他方の面、すなわち第2の像担持体2Aの外周面に当接する記録媒体面に静電的に転写される。第2の転写手段13Aにプラス電荷を与えることにより、中間転写体上のプラス極性のトナーが反発し、第2の像担持体表面のマイナス極性のトナーは吸引され、第1及び第2の画像が記録媒体Pの各面にそれぞれ静電的に転写されるのである。記録媒体の一方の面と他方の面に正しく第1及び第2の画像がそれぞれ転写されるように、第2の像担持体2Aへの画像書き込み開始タイミングと、記録媒体Pの給送開始タイミングが制御される。
【0045】
図1に示した画像形成装置には、手差し給紙装置19が設けられ、ここから記録媒体を給送して、その各面に上述したところと同様にして第1及び第2の画像を転写できるように構成されている。
【0046】
記録媒体に転写されずに第2の像担持体2A上に残留したトナーは、第2の作像ユニット11Aの第2のクリーニング装置9Aによって除去され、その除去後の第2の像担持体表面が第2の除電装置6Aにより除電作用を受けることも第1の作像ユニット11の場合と変りはない。
【0047】
第2の画像が第2の像担持体2Aから記録媒体に転写される転写位置よりも、中間転写体表面の移動方向下流側の部位には定着装置20が配置されている。ここに示した定着装置20は、画像形成装置本体1に着脱可能に支持されたケース21と、そのケース21に回転自在に支持されて矢印E方向に回転駆動される定着ローラ22と、その内部に設けられたヒータ23とを有している。このヒータ23への通電により当該ヒータ23が発熱し、これによって定着ローラ22が記録媒体の各面に転写された画像の定着に適した温度に保たれ、かかる定着ローラ22が中間転写体3の表面に圧接しながら回転駆動される。
【0048】
第2の転写手段13Aにより各面に画像が転写された記録媒体は、中間転写体3の表面に担持されたまま、その中間転写体3と定着ローラ22の間を通過する。このとき記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ転写された第1及び第2の画像に熱と圧力が与えられ、これによって各画像を構成するトナーが溶融して記録媒体の各面に定着される。このようにして記録媒体の各面に記録画像が得られるのである。
【0049】
定着ローラ22は、少なくとも熱の作用で記録媒体に転写された第1及び第2の画像をその記録媒体の各面に同時に定着する定着部材の一例を構成するものであるが、かかる定着ローラ以外の定着部材、例えば複数のローラに張架された定着ベルトなどを用いることもできる。かかる定着部材を常に中間転写体表面に当接させる代りに、定着部材と中間転写体の間に記録媒体が送り込まれて、その第1及び第2の画像を定着する時にだけ、定着部材と中間転写体とを記録媒体を介して圧接させるように構成することもできる。
【0050】
また、本例の画像形成装置においては、中間転写体3の内側にも、定着ローラ22に対向して位置する加熱部材24が設けられている。図に一例として示した加熱部材24は、回転自在に支持されて中間転写体3の裏面に当接する加熱ローラ49と、その内部に配置されたヒータ50により構成され、そのヒータ50によって加熱ローラ49が加熱される。かかる加熱部材24は、中間転写体3の裏面側から記録媒体に対して熱を与え、加熱部材24と定着ローラ22の協働作用により、記録媒体Pの各面に転写された第1及び第2の画像を効率よく定着することができる。加熱部材24は、定着装置20を補助する用をなす。
【0051】
定着位置を通過した記録媒体は、中間転写体3から離れた後、ガイド25,26によって案内されながら、排紙ローラ対27によって画像形成装置本体上部の排紙スタック部28に矢印Fで示すように排出される。
【0052】
上述の動作が繰り返し行われることにより、排紙スタック部28には多数の記録媒体が上下に重ねてスタックされる。排紙部を上述のように構成した場合、記録媒体は、第2の像担持体2Aから第2の画像を転写された他方の面を下にして排紙スタック部28上に載置されるので、ここに載置された多数の記録媒体に形成された画像の頁順を揃えるには、先ず2頁目の第1の画像を第1の像担持体2上に形成し、この画像を中間転写体3を介して記録媒体の一方の面に転写すると共に、第2の像担持体2A上に1頁目の第2の画像を形成し、これを記録媒体の他方の面に転写する。同様にして次の記録媒体の一方の面には、第1の像担持体2上に形成した4頁目の第1の画像を、中間転写体3を介してその記録媒体の一方の面に転写し、第2の像担持体2A上に形成した3頁目の第2の画像を記録媒体の他方の面に転写する。かかる動作を繰り返すことにより、排紙スタック部28上にスタックされた記録媒体の各面に形成された画像の頁順を揃えることができる。
【0053】
また、第1の像担持体2の表面に形成される第1の画像は正像となっていて、これが中間転写体3上に転写されることにより逆像、すなわち鏡像となり、さらにこの第1の画像が記録媒体の一方の面に転写されることにより、正像となる。第2の像担持体2A上には逆像の第2の画像が形成され、これが記録媒体の他方の面に転写されて正像となる。
【0054】
上述のように記録媒体に形成された画像の頁順が揃えられるように第1及び第2の像担持体2,2Aにそれぞれ第1及び第2の画像を形成するために、画像データをメモリに貯蔵する公知の方法が採用され、また第1及び第2の像担持体2,2Aにそれぞれ正像と逆像を形成するために各像担持体を従来より公知の画像処理技術が採用される。
【0055】
記録媒体に転写されずに中間転写体表面に残されたトナーは、中間転写体用のクリーニング装置29により中間転写体表面から除去される。ここに例示したクリーニング装置29は、回転しながら中間転写体表面に当接して中間転写体表面に付着した転写残トナーを除去するクリーニングローラ30と、そのローラ30に付着したトナーを掻き取り除去するブレード31と、これらを支持するクリーニングケース32と、ブレード31により除去されたトナーをクリーニングケース32外に搬送するトナー搬送装置32aとを有しているが、他の適宜な形式のクリーニング装置を用いることもできる。クリーニングケース外に搬送されたトナーは、図示していないトナー収納部に集められる。
【0056】
クリーニング装置29を通過した中間転写体部分は、冷却手段33により冷却される。冷却手段として、中間転写体に冷風を吹き当てる送風装置なども採用できるが、図示した例では、中間転写体の表面と裏面にそれぞれ接触して中間転写体から熱を奪う複数のヒートパイプ34によって冷却手段33が構成されている。
【0057】
画像形成装置本体1には、ファン35が設けられ、このファン35により画像形成装置本体内の空気が外部に排出され、画像形成装置本体内の温度が過度に上昇することが阻止される。また、図1における符号36,36aは、画像形成装置本体1内に設けられた電装、制御装置を示している。
【0058】
図1に示した例では、第1及び第2の転写手段13,13Aとして、中間転写体3の裏面に圧接しながら回転する転写ローラが使用されているが、中間転写体3の裏面に接触して転写電圧が印加されるブラシ、ブレード、ブラシローラなどから成る転写手段や、中間転写体3の裏面から離間して配置された放電チャージャから成る転写手段などを採用することもできる。但し、図示した例のように転写ローラより成る第1及び第2の転写手段13,13Aを用い、その各ローラを中間転写体3の裏面に圧接させるように構成すると、第1及び第2の画像の転写時に、中間転写体3や記録媒体Pを、第1及び第2の像担持体2,2Aに対して密着させて押し付けることができるので、画像の転写効率を高めることが可能となる。
【0059】
以上、記録媒体の両面に画像を形成する構成とその作用を説明したが、この構成によると、記録媒体Pを中間転写体3と第2の像担持体2Aの間に一度送り込むだけで、記録媒体の両面に画像を形成することができるので、その画像形成に要する時間を短縮でき、両面記録の生産性を高めることができる。
【0060】
また、図示した画像形成装置によって記録媒体の片面にだけ画像を形成することもできる。この場合には、第1の像担持体2上には画像が形成されず、第2の像担持体2Aにのみ、前述したところと全く同様にして画像が形成される。第1の転写手段13も作動することはないが、中間転写体3と第1の像担持体2は、それぞれ矢印A,B1方向に回転駆動される。
【0061】
前述のように給紙装置15又は19から送り出された記録媒体Pは、レジストローラ対18の回転により、第2の像担持体2A上に形成された画像に整合するタイミングで中間転写体3と第2の像担持体2Aとの間に送り込まれ、第2の転写手段13Aによって第2の像担持体2A上に形成された画像が記録媒体Pに転写される。画像を転写された記録媒体は、中間転写体3に担持されてその中間転写体3と共に移動し、その記録媒体上に転写された画像は、定着装置20と加熱部材24との協働作用により記録媒体上に定着される。その後、この記録媒体は中間転写体3から離れ、ガイド25,26により案内されつつ排紙ローラ対27を経て排紙スタック部28上に排出され、ここにスタックされる。このとき記録媒体は画像が形成された面を下に向けて排紙スタック部28上に載置される。従って、数頁に亘る原稿を1頁から順に処理し、その各画像が形成された記録媒体を排紙スタック部28にスタックしたとき、その各画像の頁順が揃えられている。
【0062】
第2の像担持体2A上に画像を形成する代りに、第1の像担持体2にだけ画像を形成し、これを中間転写体3に転写し、中間転写体3と第2の像担持体2Aとの間に送り込まれた記録媒体に、第2の転写手段13Aによって中間転写体上に転写された画像を転写し、これを定着した後、その記録媒体を排紙スタック部28に排出させて、記録媒体の片面にだけ画像を形成するように構成することもできる。
【0063】
ここで、前述の画像形成動作が行われている時、記録媒体Pがその搬送経路中に詰まることがある。このような記録媒体のジャムが発生したとき、画像形成動作が中断され、第1及び第2の像担持体2,2Aや中間転写体3の回転が止められ、ユーザが詰まった記録媒体を除去することになる。また、像担持体2,2Aや中間転写体3、或いはその他の要素を修理、点検する必要もあり、さらには寿命となった要素を交換しなければならぬこともある。図示した例では、第1及び第2の作像ユニット11,11Aが寿命となったとき、そのユニットごと、新たな作像ユニットと交換できるように構成されている。
【0064】
上述の各種メンテナンス作業を行えるように、画像形成装置本体1の主操作面側には、図3及び図4に示す如く前ドア37が設けられ、この前ドア37を矢印G方向に開くことにより、画像形成装置本体内を開放できる。また、図1に示すように、画像形成装置本体1の上部の部分が、支軸38を介して他の画像形成装置本体部分に回動開閉自在に支持された上部ドア39として構成され、この上部ドア39を図1に鎖線で示すように開くことにより、画像形成装置本体1の上部を開放できるように構成されている。画像形成装置の作動中に前ドア37や上部ドア39を開くと、図示していないスイッチがオフされ、その画像形成動作が自動的に停止される。
【0065】
上述のように、上部ドア39を開いて詰まった記録媒体を除去し、或いは前ドア39を開いて、詰まった記録媒体を除去したり、中間転写体3や作像ユニット11,11Aなどを画像形成装置本体外に取り外すことができるのであるが、第1及び第2の像担持体2,2Aと、中間転写体3とが図1に示すように当接した状態で、上述のメンテナンス作業を行うと、詰まった記録媒体が像担持体2Aと中間転写体3に強く当り、或いは中間転写体3と像担持体2,2Aとが強く当って、これらの表面に傷が付けられるおそれがある。
【0066】
そこで、本例の画像形成装置においては、中間転写体3が、図1に示したように第1及び第2の像担持体2,2Aに当接する第1の位置と、図2に示すように第1及び第2の像担持体2,2Aから離れた第2の位置との間を作動可能に支持されている。これにより、上部ドア39や前ドア37を開き、画像形成動作を停止させた上で、中間転写体3を第1及び第2の像担持体2,2Aから離間させることができるので、像担持体2,2Aや中間転写体3の表面に傷を付けることなく、前述のメンテナンス作業を楽に行うことができる。その作業終了後、再び中間転写体3を第1及び第2の像担持体2,2Aに当接させ、上部ドア39や前ドア37を閉じることにより、画像形成動作を再開することができる。
【0067】
上述のように、第1及び第2の2つの像担持体2,2Aを作動させて、これらの像担持体2,2Aと中間転写体3とを接離させるのではなく、中間転写体3の方を作動させて像担持体2,2Aと中間転写体3を互いに接離させるので、その接離作業を楽に短時間で行うことができる。しかも第1及び第2の像担持体を作動させるように構成した場合に比べ、画像形成装置の構成の簡素化と、そのコストの低減を達成できる。
【0068】
また、本例の画像形成装置においては、図1及び図2から判るように、中間転写体3を矢印H方向に揺動させることによって、当該中間転写体3が第1の位置(図1)と、第2の位置(図2)との間を作動するように、中間転写体3が支持されている。このため、中間転写体3をわずかな角度だけ矢印H方向に回動させれば、中間転写体3と、第1及び第2の像担持体2,2Aとを離間させ、或いはその中間転写体3と、第1及び第2の像担持体2,2Aとを互いに当接させることができ、その接離作業を容易に行うことができる。
【0069】
さらに、図示した画像形成装置においては、図4に示すように、少なくとも、中間転写体3と、この中間転写体3を支持する支持体40とによって中間ユニット41が構成されている。図4に示した例では、支持体40が前後の側板42,43と、これらの側板42,43を一体に連結する連結板44より成り、各側板42,43に、中間転写体3を支持する各ローラ4,5の軸部が回転自在に支持されている。
【0070】
また、本例の画像形成装置においては、図4には示していないが、図1及び図2に示した転写ローラより成る第1及び第2の転写手段13,13Aと、加熱部材24と、複数のヒートパイプ34が、両側板42,43に回転自在に支持され、かつクリーニング装置29のケース32が支持体40に一体的に組み付けられ、これらの要素13,13A,24,34,29も中間ユニット41の構成要素をなしている。
【0071】
また、図4及び図5に示すように、画像形成装置本体1の奥側の側板45には、画像形成装置本体手前側に延びる支持軸46の基端部が固定されている。この支持軸46は、その手前側の先端部がフリーとなっていて、画像形成装置本体に対して片持梁状に支持されている。かかる支持軸46が、中間ユニット41を構成する支持体40の両側板42,43に形成された孔47,48を貫通して延びていて、図1及び図2からも判るように、中間ユニット41の全体が支持軸46に揺動可能に支持されている。支持軸46は、ベルトより成る中間転写体3の内部を横断している。
【0072】
支持軸46を画像形成装置本体1に対して、その支持軸46の中心軸線まわりに回転できるように支持し、中間ユニット41を支持軸46に対して相対回転不能に支持してもよく、要は、中間ユニット41が支持軸46の中心軸線のまわりに揺動できるように、その中間ユニット41を支持軸46に支持するのである。
【0073】
その際、図4及び図5に示すように、支持体40の両側板42,43に、その各孔47,48と同心状のガイド管70(図1及び図2には示さず)を固定し、支持軸46をそのガイド管70内に挿通するように構成することもできる。
【0074】
上述のように、中間ユニット41が画像形成装置本体内に設けられた支持軸46に支持されているので、中間ユニット41を支持軸46の中心軸線まわりに揺動させることによって、中間転写体3を、第1の位置(図1)と第2の位置(図2)の間を作動させることができ、第1及び第2の像担持体2,2Aに対して、中間転写体3をほぼ同時に安定した状態で、しかも容易に接離させることができる。
【0075】
中間転写体3が第1の位置を占めたとき、中間ユニット41の揺動を禁止する図示していないロック装置を設け、中間転写体3が第1の位置に安定した状態で保持されるように構成することが好ましい。前ドア37を開き、上記ロック装置のロックを解除することによって、中間ユニット41を手操作で自由に揺動させ、中間転写体3を第2の位置にもたらすことができる。
【0076】
また、本例の画像形成装置においては、図6に示すように、中間転写体3の揺動の中心I(この例では支持軸46の中心軸線)は、無端ベルトより成る中間転写体3の内側、すなわちベルトのループの内部側に位置している。
【0077】
さらに、この中心Iは、図6に示す如く、第1の像担持体2と第2の像担持体2Aの間の領域、すなわち同図に一点鎖線の斜線を付して示す領域Jに位置している。この構成によると、中間転写体3ないしは中間ユニット41を、第1の位置からわずかな角度、中心Iのまわりに回動させるだけで、中間転写体3を第1及び第2の像担持体2,2Aから大きく離すことができ、中間転写体3と、第1及び第2の像担持体2,2Aとの間に大きなギャップを確保することができる。これにより前述のメンテナンス作業を容易に行うことが可能となると共に、第1及び第2の像担持体2,2Aに対する中間転写体3の接離作業を容易に行うことが可能となる。
【0078】
その際、図6に示す如く、支持軸46が、第1の像担持体2の中心軸線と第2の像担持体2Aの中心軸線とを結ぶ線L上に位置していると、上述の効果をより一層確実なものにすることができる。
【0079】
また、中間ユニット41は支持軸46に対してその軸線方向に摺動自在に支持されている。従って、図4に示すように前ドア37を開いた後、中間ユニット41を回動させて中間転写体3を図1に示した第1の位置から図2に示した第2の位置へと作動させ、次いでその中間ユニット41を支持軸46に沿って矢印Mで示した手前側へ引き出すことにより、その中間ユニット41を図4の如く画像形成装置本体1から外すことができる。逆に中間ユニット41の孔47,48を支持軸46に嵌合してその中間ユニット41を矢印Nで示した奥側へ押し込み、再び中間ユニット41を回動させて中間転写体3を図1に示した第1の位置にもたらすことにより、中間ユニット41を画像形成装置本体内の所定の位置に装着することができる。このように、中間ユニット41を支持軸46の軸線方向に沿って移動させることにより、該中間ユニット41を画像形成装置本体1に対して着脱できるように、当該中間ユニット41を支持軸46に支持するのである。
【0080】
上記構成によれば、支持軸46を案内部材として、中間転写体3を含む中間ユニット41を着脱できるので、その着脱操作を容易に行うことができると共に、中間ユニット41を揺動させるための支持軸46が、中間ユニット41を着脱するときの案内部材を兼ねているので、画像形成装置の構成を簡素化することができる。
【0081】
ところで、図3及び図4を参照して先に説明したように、画像形成装置本体1の主操作面側に前ドア37が設けられているが、この主操作面側とは、一般に、画像形成装置を操作するユーザが向き合う側である。この側が画像形成装置本体の手前側でもあり、その反対の側が画像形成装置本体1の奥側である。図3に示すように、操作部51(図7参照)が設けられる側が、通常、画像形成装置本体1の主操作面側となる。
【0082】
ここで、支持軸46は、前述のように、画像形成装置本体1の奥側から、手前側、すなわち主操作面側にほぼ水平に片持梁状に延びており、主操作面側に設けられた前ドア37を開いて中間ユニット41を画像形成装置本体1に対して着脱することができる。このように、中間ユニット41を、画像形成装置本体1に対して、その主操作面側から着脱できるように、支持軸46が配置されているのである。
【0083】
上述した構成によると、画像形成装置を操作するユーザは、画像形成装置本体1の操作面側から中間ユニット41の着脱作業を行えるので、その作業を容易に行うことができ、その作業性が高められる。なお、図1及び図2に示した給紙カセット16も、画像形成装置本体1の主操作面側から引き出して、ここに記録媒体を補充できるように構成されている。
【0084】
本例の画像形成装置においては、前述のように、第1の像担持体2と、そのまわりに配設された複数の作像手段とによって第1の作像ユニット11が構成されているが、必ずしも、多数の作像手段を第1の作像ユニット11の構成要素とする必要はない。これは、第2の作像ユニット11Aにおいても同様である。要は、第1の像担持体2と、その第1の像担持体2に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第1の作像ユニット11として構成し、第2の像担持体2Aと、その第2の像担持体2Aに画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第2の作像ユニット11Aとして構成するのである。
【0085】
その際、本例の画像形成装置においては、上述の第1及び第2の作像ユニット11,11Aが、中間ユニット41の場合と同様に、画像形成装置本体1に対して、その主操作面側から着脱できるように構成されている。具体的には、図1、図2、図4、図8及び図9に示すように、画像形成装置本体1内に、その奥側から手前側に延びる第1及び第2のガイドステー52,52Aがそれぞれ固定され、その各ガイドステー52,52Aに第1及び第2の作像ユニット11,11Aのユニットケース10,10Aが画像形成装置本体1の前後方向M,N(図4)に摺動自在に支持されている。従って、前ドア37を開いた上で、中間転写体3が図2に示した第2の位置を占めるように中間ユニット41を作動させた後、第1及び第2の作像ユニット11,11Aを手前側に引けば、これらの作像ユニット11,11Aを、図4に示すように画像形成装置本体1から外すことができる(図4には、一方の作像ユニット11Aのみを示す)。逆に第1及び第2の作像ユニット11,11Aのユニットケース10,10Aを第1及び第2のガイドステー52,52Aにそれぞれ嵌合し、これらを画像形成装置本体1の奥側へ押し込めば、これらの作像ユニット11,11Aを画像形成装置本体内の所定の位置に装着することができる。その際、各作像ユニット11,11Aを画像形成装置本体内の所定の位置に装着したとき、これをその位置にロックする図示していないロック装置を設け、そのロックを解除することにより、各作像ユニット11,11Aを手前側に引き出せるように構成することが好ましい。
【0086】
上述のように、第1及び第2の作像ユニット11,11Aを画像形成装置本体1の主操作面側から着脱できるので、これらの作像ユニット11,11Aの保守点検作業や交換作業を容易に遂行することができる。第1及び第2の作像ユニット11,11Aに、図示していない把手を設けると、これらを一層取り扱いやすくなる。中間ユニット41についても同様である。
【0087】
その際、第1及び第2の作像ユニット11,11Aは、第1及び第2のガイドステー52,52Aのいずれにも装着できるように構成することが好ましい。例えば、第1及び第2の作像ユニット11,11Aを画像形成装置本体1から外した後、それまで第1のガイドステー52により支持されていた第1の作像ユニット11を第2のガイドステー52Aに嵌合し、これを画像形成装置本体奥側へ押し込むことにより、その作像ユニットを画像形成装置本体内に装着し、これを第2の作像ユニットとして使用できるようにする。同様に、それまで第2のガイドステー52Aに支持されていた第2の作像ユニット11Aを第1のステー52に嵌合し、これを押し込んで画像形成装置本体内に装着し、当該作像ユニットを第1の作像ユニットとして使用できるようにするのである。
【0088】
上述のように、第1の作像ユニット11と、第2の作像ユニット11Aのうちの一方の作像ユニットを、他方の作像ユニットの装着位置にも装着できるように、該第1の作像ユニットと第2の作像ユニットを構成するには、例えば、第1の作像ユニット11と第2の作像ユニット11Aをほぼ同一の大きさで、かつほぼ同一の形状に構成すればよい。前述のように、第1及び第2の作像ユニット11,11Aは同一の構成を有しているので、そのいずれの作像ユニットを、第1の作像ユニットとして使用しても、またこれを第2の作像ユニットとして用いても、各像担持体上に所定の画像を形成することができる。
【0089】
このように第1及び第2の作像ユニット11,11Aに互換性を持たせることにより、作像ユニットの交換時に、ユーザはどの作像ユニットであっても、これを任意の装着位置に取り付けることができるので、その装着ミスをなくすことができる。しかも作像ユニットを保管するときも、第1の作像ユニットと第2の作像ユニットとを区別して保管しておく必要はない。また、第1及び第2の作像ユニット11,11Aとして同一の作像ユニットを使用するので、その構成部品の種類を少なくすることができ、その製造コストを低減できる利点も得られる。
【0090】
ところで、図1を参照して先に説明したように、第1の作像ユニット11の第1の帯電装置7と第1の現像装置8の間には、第1の像担持体2に第1の画像を形成するための第1の露光装置12が設けられ、同様に第2の作像ユニット11Aの第2の像担持体に第2の画像を形成するための第2の露光装置12Aが設けられている。これらの露光装置12,12Aも、第1及び第2の各作像ユニット11,11Aの一構成要素として構成してもよいが、本例の画像形成装置においては、前述のように、第1及び第2の露光装置12,12Aは第1及び第2の作像ユニット11,11Aとは別個の部材として構成されている。これは、一般に、露光装置12,12Aは、像担持体やそのまわりに配設された作像手段よりも寿命が長いため、露光装置を作像ユニットの一構成要素としその全体を交換できるように構成すると、未だ充分に使用できる露光装置までも交換してしまうことがあるためである。
【0091】
露光装置12,12Aが寿命となってこれを交換するときや、その露光装置12,12Aを清掃するようなときは、作像ユニット11,11Aとは別に、その各露光装置12,12Aだけを画像形成装置本体1から取り出すことができる。また、第1及び第2の露光装置12,12Aを画像形成装置本体1内に残したまま、第1及び第2の作像ユニット11,11Aを画像形成装置本体1から取り出すこともできる。第1及び第2の露光装置12,12Aを、それぞれ画像形成装置本体1に対して、第1の作像ユニット11と第2の作像ユニット11Aとは別個に着脱可能とするのである。
【0092】
具体的には、図1に示すように、第1及び第2のガイドステー52,52Aに、画像形成装置本体1の前後方向M,N(図4)、すなわち支持軸46とほぼ平行な方向に延びる第1及び第2のガイドレール53,53Aを固着し、その各ガイドレール53,53Aによって各露光装置12,12Aを案内できるように構成する。これにより、各ガイドレール53,53Aに沿って各露光装置12,12Aを画像形成装置本体1の手前側に引き出し、或いは奥側に押し込んでこれを画像形成装置本体内の所定の位置に装着することができる。このように、第1及び第2の露光装置12,12Aも、画像形成装置本体1の主操作面側から、当該画像形成装置本体1に対して着脱することができるのである。
【0093】
ところで、第1及び第2の露光装置としては、書き込み情報に対応して光変調されたレーザ光を出射し、そのレーザ光を像担持体2,2Aの主走査方向に走査するレーザ書き込みユニットなどを用いることもできるが、図示した例では、ライン状に配列された多数の光源、例えば多数のLED(発光ダイオード)を有するアレイ状の露光装置12,12Aが用いられている。各光源からの光は、図示していないレンズを経て、帯電装置7,7Aにより一様に帯電された像担持体2,2Aの表面に結像され、その表面に書き込み情報に対応した静電潜像を形成する。このような露光装置としては、例えば、本出願人の提案に係る実公平2−42454号公報に記載された光書き込み装置などを用いることができる。
【0094】
上述の如きアレイ状の露光装置12,12Aは、そのサイズがレーザ書き込みユニットに比べて非常に小さいので、これらの露光装置12,12Aが画像形成装置本体1内で占めるスペースを小さくでき、画像形成装置本体1を小型化することが可能となる。かかる第1及び第2の露光装置12,12Aが、画像形成装置本体1に対して、支持軸46とほぼ平行な方向に着脱可能に支持されているので、各露光装置12,12Aを容易に着脱して、その保守作業を行うことができる。
【0095】
その際、第1及び第2の露光装置12,12Aは、同一の構成を有していると共に、同一の形状とサイズに形成されている。従って、この両露光装置も作像ユニット11,11Aの場合と全く同様に、いずれのガイドレール53,53Aにも装着することができる。このように露光装置12,12Aに互換性を持たせることにより、露光装置を誤った位置に装着するおそれをなくし、しかもその露光装置を、第1及び第2の露光装置として区別して保管するような煩雑さをなくすことができる。第1及び第2の露光装置12,12Aには、各像担持体2,2Aに鏡像と正像の静電潜像を形成する機能上の相違はあるが、これは、書き込みを制御するコントローラにより自由に制御することができる。
【0096】
前述のように、中間ユニット41は、画像形成装置本体1に対してその手前側に引き出し可能に支持されているが、中間転写体3が第1の位置を占め、従ってその中間転写体3が第1及び第2の像担持体2,2Aに当接しているとき、誤って、このままの状態でその中間ユニット41を手前側に引き出してしまうと、中間転写体3と第1及び第2の像担持体2,2Aが互いに擦れ合い、これらの表面に傷が付けられるおそれがある。
【0097】
そこで、本例の画像形成装置においては、中間転写体3が図1に示した第1の位置を占めているとき、その中間ユニット41が画像形成装置本体1から引き出されることを禁止する中間ユニット離脱阻止手段が設けられている。
【0098】
第1及び第2の作像ユニット11,11Aも、画像形成装置本体1に対して、その手前側に引き出し可能に支持されているが、この場合も、中間転写体3が第1及び第2の像担持体2,2Aに当接した状態で、第1及び第2の作像ユニット11,11Aを手前側に引き出してしまうと、中間転写体3と像担持体2,2Aの表面に傷が付けられるおそれがある。
【0099】
そこで、本例の画像形成装置には、中間転写体3が第1の位置を占めているとき、第1及び第2の作像ユニット11,11Aが画像形成装置本体1から引き出されることを禁止する作像ユニット離脱阻止手段が設けられている。
【0100】
図4は前ドア37を開き、中間ユニット41と第1及び第2の作像ユニット11,11Aを画像形成装置本体1から取り出した状態を示し(第1の作像ユニットの図示は省略)、図5は中間ユニット41が画像形成装置本体1内に装着されたときの概略側断面図であり、図8及び図9は中間ユニット41と、第1及び第2の作像ユニット11,11Aが画像形成装置本体内に装着された状態で前ドア37を開いたときの概略正面図であるが、これらの図に示すように、画像形成装置本体1の外装カバー54の主操作面側の部分であるカバー前部55に、中間ユニット41を着脱するとき、その中間ユニット41の通過を許容する形状の切欠56が形成されている。
【0101】
図8は、この図には示していない中間転写体3が第1及び第2の像担持体2,2Aに当接した第1の位置を占めたときの中間ユニット41の状態を示しているが、このとき中間ユニット41は、外装カバー55のカバー前部55よりも画像形成装置本体の奥側に位置しており、これを主操作面側から見ると、中間ユニット41の支持体40の一部58が、切欠56に隣接するカバー前部55の部分によって構成されたストッパ57に重なった状態で位置している。従って、中間転写体3が第1及び第2の像担持体2,2Aに当接した第1の位置にあるとき、中間ユニット41を手前側に引き出そうとしても、支持体40の一部58がストッパ57に干渉して、当該中間ユニット41の引き出しが禁止される。
【0102】
中間転写体3を画像形成装置本体内に収容したまま、これを図9に示す位置に回動させて、中間転写体3を第1及び第2の像担持体2,2Aから離れた第2の位置にもたらすと、中間ユニット41の支持体40は、ストッパ57に干渉しない位置を占める。そこで、その中間ユニット41を手前側に引けば、支障なくこれを画像形成装置本体外に引き出すことができる。ストッパ57を外装カバー以外の部材により構成し、或いは独立したストッパ部材を画像形成装置本体1に固定して、これをストッパとすることもできる。いずれの場合も、ストッパは画像形成装置本体側に設けられる。
【0103】
上述のように、図に一例として示した中間ユニット離脱阻止手段は、中間転写体3が第1の位置を占めたとき、中間ユニット41に干渉して該中間ユニット41の引き出しを禁止する画像形成装置本体側のストッパ57によって構成され、中間転写体3が第2の位置を占めたとき、中間ユニット41の引き出しが可能となるように、当該中間ユニット41とストッパ57とが干渉しない位置に、当該ストッパ57が設けられている。
【0104】
また、図4、図8及び図9に示すように、中間ユニット41の支持体40には、第1及び第2の突起59,59Aがそれぞれ形成され、第1及び第2の作像ユニット11,11Aの各ユニットケース10,10Aには、第1及び第2の凹部60,60Aがそれぞれ形成されている。中間転写体3が第1の位置を占め、従って中間ユニット41が前述のストッパ57によって引き出しを禁止された状態にあるとき、図8に示すように、中間ユニット41の第1及び第2の突起59,59Aが、第1及び第2の作像ユニット11,11Aの第1及び第2の凹部60,60Aにそれぞれ係合する。従って、第1及び第2の作像ユニット11,11Aが、中間ユニット41に対して、画像形成装置本体1の手前側に移動することが禁止される。このとき、ストッパ57によって中間ユニット41は画像形成装置本体手前側に引き出されることが禁止されているので、第1及び第2の作像ユニット11,11Aを手前側に引いても、その作像ユニット11,11Aは画像形成装置本体手前側に引き出されることはない。
【0105】
中間ユニット41を図9に示した位置に回動させて、中間転写体3を第1及び第2の像担持体2,2Aに当接しない第2の位置にもたらすと、中間ユニット41の第1及び第2の突起59,59Aが第1及び第2の作像ユニット11,11Aの第1及び第2の凹部60,60Aからそれぞれ外れる。従って、この状態では、第1及び第2の作像ユニット11,11Aをそれぞれ画像形成装置本体1の手前側に引き出すことができる。
【0106】
上述した例では、中間ユニット41の側に突起59,59Aを設け、第1及び第2の作像ユニット11,11Aの方に凹部60,60Aを設けてこれらの係合部を構成したが、逆に、第1及び第2の作像ユニット側に突起を設け、中間ユニット側に凹部を設けるなどして、これらの係合部を構成することもできる。
【0107】
いずれにしても、本例の作像ユニット離脱阻止手段は、中間転写体31が第1の位置を占めたとき、第1及び第2の作像ユニット11,11Aの引き出しを禁止するように、該第1及び第2の作像ユニット11,11Aと中間ユニット41が互いに係合する係合部より成り、中間転写体3が第2の位置を占めたとき、第1及び第2の作像ユニット11,11Aの引き出しが可能となるように、上記係合部の係合が解除されるように構成されている。
【0108】
上述の如き中間ユニット離脱阻止手段と、作像ユニット離脱阻止手段を設けることによって、中間転写体3と、第1及び第2の像担持体2,2Aが当接した状態で、これらを引き出してしまう不具合を阻止できる。
【0109】
ところで、図1を参照して先に説明したように、本例の画像形成装置においては、第2の転写手段13Aによって、中間転写体3に転写された第1の画像と、第2の像担持体2Aに形成された第2の画像を記録媒体Pの一方の面と他方の面にそれぞれ同時に転写するように構成されているので、第1及び第2の画像をそれぞれ別々の転写手段によって記録媒体の各面に転写する構成を採用した場合に比べ、転写工程と、画像形成装置の構成を簡素化することができる。
【0110】
勿論、中間転写体上の第1の画像と、第2の像担持体上の第2の画像を別々の転写手段によって、記録媒体の各面に転写するように構成してもよく、その場合には、第1の画像と第2の画像のいずれか一方が先に記録媒体に転写され、その他方が、後から記録媒体に転写される。
【0111】
また、図1に示した転写手段13Aにより転写される直前の中間転写体3上の第1の画像の帯電極性を第1の極性、第2の像担持体2A上の第2の画像の帯電極性を第2の極性とすると、転写手段13Aは、第1の極性に帯電した中間転写体上の第1の画像と、第1の極性とは逆の第2の極性に帯電した第2の像担持体2A上の第2の画像を、記録媒体Pの一方の面と他方の面にそれぞれ転写するように構成されている。これにより、共通の転写手段13Aによって、第1の画像と第2の画像を、同時に記録媒体の各面に転写することが可能となる。
【0112】
さらに、本例の画像形成装置においては、前述の如く、第1及び第2の像担持体2,2Aには、第2の極性に帯電した第1の画像と第2の画像がそれぞれ形成され、中間転写体3に転写された第1の画像の帯電極性を、その第1の画像が記録媒体に転写される前に、第1の極性に変換させる極性変換手段が設けられているので、第1及び第2の作像ユニット11,11Aを同一構成にしても、第1の画像と第2の画像を同時に記録媒体に転写するとき、その各画像の帯電極性を互いに逆の極性とし、これらの画像を共通の転写手段13Aによって確実に記録媒体Pの各面に転写することができる。
【0113】
また、図1に示した画像形成装置においては、前述のように、中間転写体3から離れる前の記録媒体Pの各面に転写された第1及び第2の画像を定着装置20によって定着するように構成されている。定着装置20は、中間転写体3に重ね合された状態の記録媒体Pの一方の面と他方の面にそれぞれ転写された第1及び第2の画像を定着するように配置されているのである。
【0114】
図10を参照して後に説明するように、定着装置20を中間転写体3から分離して配置し、中間転写体3から離れた記録媒体の面に形成された画像をその定着装置によって定着するように構成することもできるが、この構成によると、中間転写体3から離れた記録媒体は、中間転写体3によって支持されないため、その搬送安定性が低下し、かかる記録媒体に担持された未定着トナーより成る画像が乱されるおそれがある。
【0115】
これに対し、図1に示した画像形成装置のように、中間転写体3から離れる前の記録媒体に転写された各画像を定着するように構成すれば、第1及び第2の画像の転写位置から定着位置へ移動する記録媒体を中間転写体3によって保持できるので、その搬送安定性が高まり、この間に、未定着トナーより成る画像が乱される不具合を防止でき、定着後の画像の品質を高めることができる。
【0116】
また、図2から判るように、中間転写体3を第1及び第2の像担持体2,2Aから離間した第2の位置にもたらしたとき、中間転写体3が定着装置20、本例ではその定着ローラ22からも離れるように、当該定着ローラ22が配置されている。このため、中間ユニット41を画像形成装置本体に対して着脱するとき、その中間転写体3に定着装置20が摺接して当該中間転写体3の表面に傷が設けられる不具合を阻止できる。中間転写体3を図1に示した第1の位置にもたらせば、定着装置20の定着ローラ22は中間転写体3に当接し、前述の定着動作を行うことができる。
【0117】
本例の定着装置20は、直接、又は記録媒体を介して中間転写体3に当接し、少なくとも熱の作用で第1及び第2の画像を記録媒体に定着するように構成されているので、中間転写体3も高温度に加熱され、高温度のままの中間転写体上に第1の像担持体2から第1の画像を転写すると、中間転写体表面にトナーが融着してしまうおそれがある。また、第1の像担持体2に熱が与えられ、その像担持体2が早期に劣化するおそれもある。
【0118】
ところが、本例の画像形成装置においては、前述のように、中間転写体表面の移動方向に関し、定着の行われる定着位置よりも下流側であって、第1の像担持体2から中間転写体3に第1の画像が転写される転写位置よりも上流側の中間転写体部分を冷却する冷却手段33が設けられているので、第1の像担持体2から第1の画像を中間転写体上に転写する前に、その中間転写体3の温度を下げることができる。これにより上述した不具合の発生を阻止できる。
【0119】
また、本例の画像形成装置の中間転写体3は、複数のローラ4,5に巻き掛けられて走行駆動される無端状のベルトより成るが、該ベルトが、耐熱性の基体と、その表面に積層された低表面エネルギーの表層とを具備し、その無端状のベルトの全体の体積抵抗率が10乃至1012Ωcmに設定されていると有利である。例えば、上記基体を、50μm乃至200μmの厚さのポリイミド又はポリアミドイミドにより構成し、上記表層を、例えばテフロン(登録商標)などのフッ素樹脂により構成することができる。ベルト表面の表面抵抗率は、例えば10乃至1012Ω/□の範囲に設定することが好適である。
【0120】
ベルトより成る中間転写体3の抵抗率を上述のように設定することにより、第1の像担持体2から中間転写体表面への第1の画像の転写効率を高めることができ、しかもその表面の表面エネルギーを低くすることにより、中間転写体3から記録媒体への画像の転写効率を高めることができる。さらに、中間転写体3には、定着ローラ22や加熱部材24から多量の熱が付与されるが、その中間転写体3の基体を上述の如く耐熱性材料により構成することによって、これが早期に熱劣化する不具合を阻止できる。記録媒体を中間転写体3に重ねた状態で画像を熱定着する構成を支障なく実現できるのである。
【0121】
また、図3に示すように、上述した各構成の画像形成装置と、例えばホストコンピュータ61より成るホスト機器とを接続して画像形成システムを構成することもできる。この場合、作像条件などの画像形成装置への指示は、ホストコンピュータ61又は画像形成装置本体1に設けられた操作部51を用いて行うことができる。
【0122】
例えば、図7に拡大して示した操作部51の両面釦を押下することによって、記録媒体の両面に画像を形成する両面プリントモードを選択したり、給紙釦を押下して、特殊紙の選択をしたり、設定釦を押下して、給紙装置15又は手差し給紙装置19を選択することができる。また、ホストコンピュータ51のディスプレイに詳細な画像を表示させ、これに従って出力すべき画像の作像プロセス条件などを指示するようにしてもよい。画像形成装置からの情報をディスプレイに表示することもできる。記録媒体の特性を画像形成装置に伝えるインプットには、操作部51やホストコンピュータ61の入力画像を参照し、キーボードから入力したり、或いは給紙トレイに選択スイッチを設けておき、セットした記録媒体に対応するスイッチを操作することにより行うことができる。また、封筒専用の給紙トレイや、はがき専用の給紙トレイを用意しておき、その給紙トレイを画像形成装置本体にセットすることにより、そのトレイを識別させ、使用する記録媒体の特性をインプットすることもできる。このように、ホストコンピュータ61で扱う情報を、目的や記録媒体の種類に応じてプリントすることができる。
【0123】
図3に示した画像形成システムは、所謂ネットワークで結ばれたシステムで、画像形成装置は主にホストコンピュータ61の出力装置としての役割を担っている。画像形成装置とホストコンピュータをケーブルを介さず、無線で結ばれたシステムとすることもできる。
【0124】
図10に示した画像形成装置は、前述のように、定着装置20が、記録媒体Pの搬送方向に関し、中間転写体3よりも下流側に位置している。この定着装置20は、内部にヒータ62を内蔵した定着ローラ63と、これに圧接した加圧ローラ64を有し、これらのローラ63,64がそれぞれ矢印方向に回転駆動され、その間を記録媒体が通過するとき、これに転写された画像が定着される。また、図10に示したベルトより成る中間転写体3も、複数のローラ4,5,65に巻き掛けられて矢印A方向に駆動されるが、その裏面側に加熱部材は設けられていない。他の構成は、図1乃至図9に示した画像形成装置と変りはない。図11は、図10に示した中間転写体3が作動して第1及び第2の像担持体2,2Aから離間したときの状態を示している。
【0125】
以上、単色画像を記録媒体に形成する画像形成装置について説明したが、カラー画像を形成する画像形成装置にも、上述した各構成を採用することができる。図12はその一例を示す概略断面図である。ここに示した画像形成装置は、中間転写体3に接離可能に配置された中間転写ドラム(ベルトであってもよい)より成る第1及び第2の像担持体102,102Aを有していて、その各像担持体102,102Aに第1及び第2の感光体202,202Aがそれぞれ当接している。画像形成動作が開始された時、第1及び第2の像担持体102,102Aは中間転写体3から離間している。中間転写体3は矢印A方向に回転駆動され、第1及び第2の像担持体102,102Aは矢印B1,B2で示した方向に、また感光体202,202Aは矢印B11,B12方向にそれぞれ回転駆動される。
【0126】
第1の感光体202は、第1の帯電装置107で帯電され、その帯電面が第1の露光装置112によって露光され、像担持体表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、第1の現像装置108によって、トナー像として可視像化されるが、この現像装置108は、回転可能に支持されていて、イエロー現像器108Y、マゼンタ現像器108M、シアン現像器108C及びブラック現像器108Kを有するリボルバータイプの現像装置として構成されている。先ずそのイエロー現像器108Yが第1の感光体202に対向し、上記静電潜像をイエロートナーの画像として可視像化する。このイエロー画像は転写手段66により第1の像担持体102上に転写され、その転写後の感光体202上に付着するトナーは第1のクリーニング装置109によって除去され、次いで第1の除電装置106によって感光体の表面電位が初期化される。
【0127】
次いで、第1の感光体202上には、上述したところと同様にして、但し第1の感光体202に対向したマゼンタ現像器108Mを用いて、マゼンタ画像が形成され、これが第1の像担持体102上にイエロー画像に重ね合せて転写される。次いで感光体202上には順次、シアン画像、ブラック画像がそれぞれ形成され、これらが順次第1の像担持体102上に重ね転写される。
【0128】
このようにして第1の像担持体102上に転写されたカラートナー像より成る第1の画像は、第1の転写手段13より中間転写体3上に一括して転写される。この一括転写時に、第1の像担持体102は中間転写体3に当接すると共に、その転写残トナーは、第1の像担持体102に当接したクリーニング部材67によって除去される。感光体202から像担持体102へトナー画像を転写しているとき、クリーニング部材67は像担持体102から離間している。
【0129】
中間転写体3上に転写された第1の画像の帯電極性は、チャージャ14によって反転される。
【0130】
第2の感光体202Aのまわりにも、第1の感光体202の場合と同様に、第2の帯電装置107A、第2の露光装置112A、イエロー現像器108YA、マゼンタ現像器108MA、シアン現像器108CA及びブラック現像器108KAを有するリボルバータイプの第2の現像装置108A、第2のクリーニング装置109A並びに第2の除電装置106Aがそれぞれ設けられ、第1の感光体202の場合と全く同様にして、第2の感光体202A上に順次、異なった色のトナーより成る画像が形成され、これらが転写手段66Aにより、順次第2の像担持体102A上に重ね転写される。
【0131】
給紙装置15又は手差し給紙装置19から送り出された記録媒体Pは、第2の像担持体102Aと中間転写体3との間に送り込まれる。このとき、第2の像担持体102Aは中間転写体3に当接し、第2の転写手段13Aによって、中間転写体3上の第1のカラー画像と、第2の像担持体102A上の第2のカラー画像が記録媒体Pの一方の面と他方の面にそれぞれ転写される。転写後に第2の像担持体102Aに付着する転写残トナーは、その像担持体102Aに当接したクリーニング部材67Aによって除去される。このクリーニング部材67Aも、第2の像担持体102Aへの各色の画像の転写時には、第2の像担持体102Aから離間している。記録媒体に転写された第1及び第2の画像は定着装置20によって定着される。定着装置20を通った記録媒体は、排紙ローラ対27によって排紙スタック部28上に排出される。
【0132】
図12に示した例の場合には、第1の像担持体102と、第1の感光体202と、その感光体202及び第1の像担持体102のまわりに配置された少なくとも1つの作像手段とによって第1の作像ユニット111が構成され、同じく、第2の像担持体102Aと、第2の感光体202Aと、該感光体202A及び第2の像担持体102Aのまわりに配設された少なくとも1つの作像手段とによって第2の作像ユニット111Aが構成される。各作像ユニット111,111Aは、各ガイドステー52,52Aに摺動自在に支持され、各露光装置112,112Aは、各ガイドステー52,52Aに固着された各ガイドレール53,53Aに摺動自在に支持されている。
【0133】
上述した構成以外の構成は、図1乃至図9に示した画像形成装置と変りはない。例えば、中間転写体3や、第1及び第2の作像ユニット111,111Aを引き出すときは、これに先立って、中間転写体3を、その揺動中心のまわりに回動させ、その中間転写体3と第1及び第2の像担持体102,102Aとを離間させて、これらの間にギャップを形成する。このギャップは、支持軸46と、第1及び第2の像担持体102,102Aとの位置関係が、図1の場合と同様に構成されていることにより確保される。図1に示した各要素に対応する図12の各要素には、図1と同一の符号を付してある。
【0134】
図13に示した画像形成装置においては、中間転写体3に対して、感光体より成る4つの第1の像担持体302Y,302M,302C,302Kが当接していると共に、同じく感光体より成る4つの第2の像担持体302YA,302MA,302CA,302KAが当接し、その各第1の像担持体のまわりにそれぞれ配設された作像手段(図示せず)によって、各第1の像担持体302Y,302M,302C,302K上にイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナーより成る各色の第1の画像がそれぞれ形成され、これらの画像が中間転写体3上に重ねて転写される。その重ね合わされた第1の画像の帯電極性がチャージャ14により反転され、次いでその第1の画像が、給紙装置15又は19から給送された記録媒体の一方の面に転写される。また、各第2の像担持体302YA,302MA,302CA,302KA上にも、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナーより成る各色の第2の画像がそれぞれ形成され、これらの第2の画像が記録媒体の他方の面に重ね合せられて転写される。記録媒体の各面に転写された第1及び第2の画像は、定着装置20により定着され、その記録媒体は排紙スタック部28上に排出される。
【0135】
この例では、4つの第1の像担持体302Y,302M,302C,302Kと、その各像担持体のまわりに配設された少なくとも1つの作像手段により、第1の作像ユニット211が構成され、同じく4つの第2の像担持体302YA,302MA,302CA,302KAと、その各像担持体のまわりに配設された少なくとも1つの作像手段によって第2の作像ユニット211Aが構成される。他の構成は、図1乃至図9に示した画像形成装置と変りはない。図1に示した各要素に対応する図13の各要素には、図1と同一の符号を付してある。この例のように第1及び第2の像担持体が複数個ずつ設けられることもある。
【0136】
また、図12及び図13に示した画像形成装置の場合にも、定着装置20を、図10の場合と同様に中間転写体3から離して設けることもでき、また記録媒体の片方の面にのみ画像を形成することもできる。
【0137】
本発明は、プリンタに限らず、電子複写機、ファクシミリ、印刷機、或いはこれらの複合機などの画像形成装置、及びその画像形成装置を有する画像形成システムにも広く適用できるものである。また、中間転写体と像担持体とを離間させる構成や、中間ユニット及び作像ユニットの離脱阻止に関する構成などは、中間転写体の片側にだけ像担持体が配置されている画像形成装置にも適用できるものである。
【0138】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、簡単な構成により、しかも簡単な操作によって、中間転写体を第1及び第2の像担持体から離間させることができる。
【0139】
請求項2及び3に係る発明によれば、中間転写体をわずかに作動させるだけで、中間転写体と、第1及び第2の像担持体とを大きく離間させることができる。
【0140】
請求項4及び5に係る発明によれば、中間ユニットを画像形成装置本体に対して容易に着脱することができる。
【0141】
請求項6に係る発明によれば、第1及び第2の作像ユニットを画像形成装置本体に対して容易に着脱することができる。
【0142】
請求項7及び8に係る発明によれば、作像ユニットの装着ミスをなくすことができる。
【0143】
請求項9に係る発明によれば、第1及び第2の露光装置を、第1及び第2の作像ユニットとは別に画像形成装置本体に対して着脱することができる。
【0144】
請求項10に係る発明によれば、画像形成装置本体の小型化が可能となり、しかも第1及び第2の露光装置を簡単に画像形成装置本体に対して着脱することができる。
【0145】
請求項11に係る発明によれば、中間転写体と、第1及び第2の像担持体とを当接させたまま、中間ユニットを引き出してしまう不具合を阻止できる。
【0146】
請求項12に係る発明によれば、中間転写体と、第1及び第2の像担持体とを当接させたまま、第1及び第2の作像ユニットを引き出してしまう不具合を阻止できる。
【0147】
請求項13に係る発明によれば、中間ユニット離脱阻止手段と、作像ユニット離脱阻止手段を、簡単かつ低コストで構成することができる。
【0148】
請求項14乃至16に係る発明によれば、共通の転写手段によって、中間転写体上の第1の画像と第2の像担持体上の第2の画像を同じ記録媒体の一方の面と他方の面に転写することができる。
【0149】
請求項17に係る発明によれば、定着装置により定着される前の画像が乱される不具合を防止できる。
【0150】
請求項18に係る発明によれば、中間転写体の着脱時に、その中間転写体に定着装置が当接して当該中間転写体に傷が付けられる不具合を防止できる。
【0151】
請求項19に係る発明によれば、定着装置によって加熱された中間転写体を冷却できる。
【0152】
請求項20及び21に係る発明によれば、中間転写体への第1の画像の転写効率と、中間転写体から記録媒体への第1の画像の転写効率を高め、しかも中間転写体の寿命を伸ばすことができる。
【0153】
請求項22に係る発明によれば、画像形成装置の操作性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】図1に示した中間転写体を第1及び第2の像担持体から離したときの概略断面図である。
【図3】画像形成装置とホストコンピュータの外観斜視図である。
【図4】前ドアを開いて、中間ユニットと作像ユニットを画像形成装置本体から取り出したときの様子を示す斜視図である。
【図5】画像形成装置本体内にセットされた中間ユニットを示す概略側断面図である。
【図6】第1及び第2の像担持体と支持軸との位置関係を説明する図である。
【図7】操作部の拡大図である。
【図8】前ドアを開いたときの中間ユニットと第1及び第2の作像ユニットの様子を示す概略正面図である。
【図9】図8に示した中間ユニットを回動させたときの概略正面図である。
【図10】画像形成装置の他の例を示す概略断面図である。
【図11】図10に示した画像形成装置の中間転写体を第1及び第2の像担持体から離間させたときの概略断面図である。
【図12】画像形成装置のさらに他の例を示す概略断面図である。
【図13】画像形成装置のさらに別の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置本体
2 第1の像担持体
2A 第2の像担持体
3 中間転写体
11 第1の作像ユニット
11A 第2の作像ユニット
12 第1の露光装置
12A 第2の露光装置
13A 転写手段
20 定着装置
33 冷却手段
40 支持体
41 中間ユニット
46 支持軸
57 ストッパ
61 ホストコンピュータ
102 第1の像担持体
102A 第2の像担持体
111 第1の作像ユニット
111A 第2の作像ユニット
211 第1の作像ユニット
211A 第2の作像ユニット
302Y 第1の像担持体
302M 第1の像担持体
302C 第1の像担持体
302K 第1の像担持体
302YA 第2の像担持体
302MA 第2の像担持体
302CA 第2の像担持体
302KA 第2の像担持体
P 記録媒体
I 揺動中心
J 領域
L 線

Claims (22)

  1. 第1の画像が形成される第1の像担持体と、該第1の像担持体に形成された第1の画像が転写される中間転写体と、第2の画像が形成される第2の像担持体とを有し、前記第1の像担持体と第2の像担持体は互いに対向して位置し、前記中間転写体は前記第1の像担持体と第2の像担持体の間に配置されていて、前記中間転写体に転写された第1の画像を記録媒体の一方の面に転写し、前記第2の像担持体に形成された第2の画像を前記記録媒体の他方の面に転写して記録画像を得る画像形成装置において、
    前記中間転写体が、第1及び第2の像担持体に当接する第1の位置と、第1及び第2の像担持体から離れた第2の位置との間を作動可能に支持され、少なくとも、前記中間転写体と、該中間転写体を支持する支持体とによって中間ユニットを構成し、該中間ユニットを支持軸の中心軸線まわりに揺動させることによって前記中間転写体が第1の位置と第2の位置の間を作動するように、当該中間ユニットを前記支持軸に支持したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記支持軸の中心軸線が、前記第1の像担持体と第2の像担持体の間の領域に位置している請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記支持軸が、前記第1の像担持体の中心軸線と第2の像担持体の中心軸線とを結ぶ線上に位置している請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記中間ユニットを前記支持軸に沿って移動させることにより、該中間ユニットを画像形成装置本体に対して着脱できるように、当該中間ユニットを支持軸に支持した請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記中間ユニットを、画像形成装置本体に対して、その主操作面側から着脱できるように、前記支持軸を配置した請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記第1の像担持体と、該第1の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第1の作像ユニットとして構成し、前記第2の像担持体と、該第2の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第2の作像ユニットとして構成すると共に、該第1及び第2の作像ユニットを、画像形成装置本体に対して、その主操作面側から着脱可能とした請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記第1の像担持体と、該第1の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第1の作像ユニットとして構成し、前記第2の像担持体と、該第2の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第2の作像ユニットとして構成し、第1の作像ユニットと第2の作像ユニットのうちの一方の作像ユニットを、他方の作像ユニットの装着位置にも装着できるように、該第1の作像ユニットと第2の作像ユニットを構成した請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記第1の作像ユニットと第2の作像ユニットがほぼ同一の大きさで、かつほぼ同一の形状に構成されている請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記第1の像担持体と、該第1の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第1の作像ユニットとして構成し、前記第2の像担持体と、該第2の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第2の作像ユニットとして構成すると共に、前記第1の像担持体に第1の画像を形成するための第1の露光装置と、前記第2の像担持体に第2の画像を形成するための第2の露光装置とを設け、該第1及び第2の露光装置を、それぞれ画像形成装置本体に対して、前記第1の作像ユニットと第2の作像ユニットとは別個に着脱可能とした請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記第1及び第2の露光装置は、ライン状に配列された多数の光源を有する露光装置より成り、該第1及び第2の露光装置を、画像形成装置本体に対して、前記支持軸とほぼ平行な方向に着脱可能とした請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 少なくとも、前記中間転写体と、該中間転写体を支持する支持体とによって中間ユニットを構成し、かつ該中間ユニットを画像形成装置本体に対して引き出し可能に支持すると共に、前記中間転写体が前記第1の位置を占めているとき、前記中間ユニットが画像形成装置本体から引き出されることを禁止する中間ユニット離脱阻止手段を設けた請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 前記第1の像担持体と、該第1の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第1の作像ユニットとして構成し、前記第2の像担持体と、該第2の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第2の作像ユニットとして構成すると共に、前記第1の作像ユニットと第2の作像ユニットを画像形成装置本体に対して引き出し可能に支持し、前記中間転写体が前記第1の位置を占めているとき、前記第1及び第2の作像ユニットが画像形成装置本体から引き出されることを禁止する作像ユニット離脱阻止手段を設けた請求項1乃至11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 前記第1の像担持体と、該第1の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第1の作像ユニットとして構成し、前記第2の像担持体と、該第2の像担持体に画像を形成するための少なくとも1つの作像手段とを第2の作像ユニットとして構成すると共に、前記第1の作像ユニットと第2の作像ユニットを画像形成装置本体に対して引き出し可能に支持し、少なくとも前記中間転写体と、該中間転写体を支持する支持体とによって中間ユニットを構成し、該中間ユニットを画像形成装置本体に対して引き出し可能に支持し、前記中間転写体が前記第1の位置を占めているとき、前記中間ユニットが画像形成装置本体から引き出されることを禁止する中間ユニット離脱阻止手段と、前記中間転写体が前記第1の位置を占めているとき、前記第1及び第2の作像ユニットが画像形成装置本体から引き出されることを禁止する作像ユニット離脱阻止手段とを設け、前記中間ユニット離脱阻止手段は、前記中間転写体が第1の位置を占めたとき、前記中間ユニットに干渉して該中間ユニットの引き出しを禁止する画像形成装置本体側のストッパより成り、中間転写体が前記第2の位置を占めたとき、該中間ユニットの引き出しが可能となるように、当該中間ユニットと前記ストッパとが干渉しない位置に、当該ストッパが設けられ、前記作像ユニット離脱阻止手段は、前記中間転写体が第1の位置を占めたとき、前記第1及び第2の作像ユニットの引き出しを禁止するように、該第1及び第2の作像ユニットと前記中間ユニットが互いに係合する係合部より成り、中間転写体が前記第2の位置を占めたとき、第1及び第2の作像ユニットの引き出しが可能となるように、前記係合部の係合が解除される請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成装置。
  14. 前記中間転写体に転写された第1の画像と第2の像担持体に形成された第2の画像を記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ同時に転写する転写手段を有する請求項1乃至13のいずれかに記載の画像形成装置。
  15. 前記転写手段は、第1の極性に帯電した中間転写体上の第1の画像と、第1の極性とは逆の第2の極性に帯電した第2の像担持体上の第2の画像を、記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ転写する請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 前記第1及び第2の像担持体には、前記第2の極性に帯電した第1の画像と第2の画像がそれぞれ形成され、中間転写体に転写された第1の画像の帯電極性を第1の極性に変換させる極性変換手段を設けた請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 前記中間転写体に重ね合された状態の記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ転写された第1及び第2の画像を定着するように配置された定着装置を有する請求項1乃至16のいずれかに記載の画像形成装置。
  18. 前記中間転写体を前記第2の位置にもたらしたとき、該中間転写体が前記定着装置からも離れるように、該定着装置を配置した請求項17に記載の画像形成装置。
  19. 前記定着装置を、少なくとも熱の作用で前記第1及び第2の画像を記録媒体に定着するように構成し、中間転写体表面の移動方向に関し、前記定着の行われる定着位置よりも下流側であって、前記第1の像担持体から中間転写体に第1の画像が転写される転写位置よりも上流側の中間転写体部分を冷却する冷却手段を設けた請求項17又は18に記載の画像形成装置。
  20. 前記中間転写体は、複数のローラに巻き掛けられて走行駆動される無端状のベルトより成り、該ベルトは、耐熱性の基体と、その表面に積層された低表面エネルギーの表層とを具備し、該無端状のベルトの全体の体積抵抗率が10乃至1012Ωcmに設定されている請求項1乃至19のいずれかに記載の画像形成装置。
  21. 前記基体は、50μm乃至200μmの厚さのポリイミド又はポリアミドイミドより成り、前記表層はフッ素樹脂より成る請求項20に記載の画像形成装置。
  22. 請求項1乃至21のいずれかに記載の画像形成装置と、ホスト機器とを接続して成る画像形成システム。
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