JP4001786B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コア材を芯材とするコア基板の製造工程を含む配線基板の製造方法方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
配線基板のベースとなるコア基板の芯材であるコア材に金属板が用いられる場合がある。この金属板の表面と裏面との間を貫通する貫通孔内には、追ってその中心部を同軸心状に貫通するスルーホール導体の周りを絶縁するため、樹脂が充填される。上記金属板の貫通孔に樹脂を充填する方法には、以下のものがある。(1)ペースト状の樹脂を印刷法やディスペンス法で貫通孔に充填する方法。
(2)ドライタイプの樹脂フィルムを金属板の表面および裏面にラミネートし、それら厚み方向に沿ってプレスすることで、上記樹脂を貫通孔に圧入する方法。
(3)プリプレグのような半硬化状態の樹脂を、ホットプレスによって貫通孔に流入する方法。
【0003】
上記(1),(2)の方法では、金属板(コア材)の貫通孔に前記樹脂を充填した直後では、かかる金属板の表面および裏面が平坦であっても、その後に充填した樹脂を硬化するためのキュア処理を行うと、かかる樹脂の硬化収縮に伴って、貫通孔内の樹脂の真上および真下の位置には、それぞれ凹みが発生する。
例えば、図8(A)に示すように、表面42および裏面43を有し、且つこれらの間を貫通する複数の貫通孔44を有する厚みが0.25mmの金属板(コア材)40は、図示で左側の領域40aにおいて貫通孔44が密な分布で、図示で右側の領域40bにおいて貫通孔44が疎な分布となっている。各貫通孔44の内径は、約0.3mmである。
先ず、図8(B)に示すように、金属板40の表面42および裏面43に、厚さ60μmのドライタイプの樹脂フィルム45,46をラミネートする。
【0004】
次いで、図8(B)中の矢印で示すように、上記樹脂フィルム45,46を金属板40に押し付けるように厚み方向に沿ってプレス(真空熱プレスなどによる)する。その結果、図8(C)に示すように、上記樹脂フィルム45,46は、圧縮された樹脂層47,48になると共に、その一部の樹脂49が複数の貫通孔44内に圧入し、当該貫通孔44の内部に充満する。
そして、上記樹脂層47,48および樹脂49が形成された金属板40を加熱し、樹脂層47,48などを硬化させるキュア処理を施す。
その結果、図8(D)に示すように、上記樹脂49の硬化収縮に伴って、貫通孔44の真上および真下の樹脂層47,48の表面には、凹み50が生じる。
【0005】
上記凹み50に伴う金属板40の表面42および裏面43に形成される樹脂層47,48の厚みは、図8(E)に示すように、貫通孔4の分布が密な領域40aでは、貫通孔44に多量の樹脂49が充填されるため、薄くなる。一方、貫通孔44の密度が疎な領域40bでは、貫通孔44に樹脂49が少量しか充填されないため、厚くなり易い。これに起因して、図8(E)に示すように、コア基板kの表面52および裏面53間における厚みにバラツキが生じると、かかる表面52および裏面53に形成する表面配線層および裏面配線層は、歪むと共に、これらの上方に形成される絶縁層やビルドアップ配線層も平坦性が損なわれる。このため、得られる配線基板の信頼性を損ねる、という問題があった。
【0006】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、以上に説明した従来の技術における問題点を解決し、表面と裏面との間に複数の貫通孔が形成されたコア材の各貫通孔内に樹脂を充填し且つ上記表面と裏面とに樹脂層を形成するコア基板を、ほぼ均一な厚みにより製造できるコア基板の製造工程を含む配線基板の製造方法を提供する、ことを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による配線基板の製造方法(請求項1)は、表面および裏面を有し且つかかる表面と裏面との間を貫通する複数の貫通孔を有するコア材に対し、上記コア材の表面および裏面に樹脂層をそれぞれ形成し、同時に上記貫通孔内に樹脂を充填し穴埋めするコア基板の製造工程を含み、上記複数の貫通孔の分布密度が疎なコア材の領域における全部の貫通孔の内部容積と、上記複数の貫通孔の分布密度が密なコア材の領域における全部の貫通孔の内部容積と、がほぼ等しくなるように、上記分布密度が疎なコア材の領域における貫通孔の内径と、上記分布密度が密なコア材の領域の貫通孔の内径との間に、差を設けている、ことを特徴とする。
【0008】
これによれば、コア材において貫通孔が密な領域には、例えば小さな内径の貫通孔を形成し、一方、貫通孔が疎な領域では、大きな内径の貫通孔を形成しているため、各領域における全貫通孔の内部容積が互いにほぼ等しくなる。このため、前述したように樹脂をコア材の各貫通孔に圧入し、且つかかる樹脂を表面および裏面に形成すると、各貫通孔に樹脂が充填され、コア材の表面や裏面に形成される表面樹脂層や裏面樹脂層の厚みも、当該コア材の全面において、ほぼ均一であるコア基板を得ることができる。従って、かかるコア基板を用いることにより、前述した信頼性の高い配線基板を容易に形成することが可能となる。
【0009】
また、本発明には、前記分布密度が疎なコア材の領域における貫通孔の内径は、前記分布密度が密なコア材の領域における貫通孔の内径の1.4倍である、配線基板の製造方法(請求項2)も含まれる。
【0010】
更に、本発明には、前記工程は、前記コア材の表面および裏面にそれぞれ樹脂フィルムを個別に積層し、かかる一対の樹脂フィルムを上記コア材の厚み方向に沿って押圧することにより行われる、配線基板の製造方法(請求項3)も含まれる。
【0011】
これによれば、コア材における各貫通孔に圧入される樹脂の量、表面や裏面に形成される各樹脂層の厚みを、前述した第1乃至第3の何れかの方法に沿って、容易に制御することができる。従って、全面においてほぼ均一な厚みを有するコア基板を一層確実に得ることが可能となる。
【0012】
更に、本発明には、前記コア材は、前記表面、裏面、および貫通孔を有する金属板である、配線基板の製造方法(請求項4)も含まれる。
【0013】
これによれば、所要の強度を有し、貫通孔内が樹脂で充填され、且つ表面および裏面に平坦な樹脂層が形成された金属板をコア材とするコア基板を確実に製造できる。かかるコア基板の表面と裏面とに形成される平坦な表面配線層および裏面配線層や、これらの少なくとも一方の上方に形成される平坦な絶縁層やビルドアップ配線層を含む強固な配線基板を製造することが可能となる。
【0014】
尚、上記金属板には、Cu−2.3wt%Fe−0.03wt%P(194アロイ)などの銅合金、純銅、無酸素銅、Fe−42wt%Ni(42アロイ)やFe−36wt%Ni(インバー)などのFe−Ni系合金、その他の鋼種、チタンやその合金、およびアルミニウムやその合金などからなる板が含まれる。
【0015】
付言すれば、本発明には、前記工程の後に、得られたコア基板の表面および裏面に表面配線層と裏面配線層とを個別に形成する工程と、上記コア基板の表面および裏面の少なくとも一方の上方に、複数の絶縁層およびこれらの間に位置する複数の配線層とを含むビルドアップ層を形成する工程を、更に含む、配線基板の製造方法も含まれ得る。これによる場合、前述した信頼性の高い破線基板を確実に製造することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1(A),(B)は、参考形態の配線基板の製造方法に用いるコア材である金属板2の平面図および断面図である。金属板2は、例えば厚みが0.25mmの前記銅合金(194アロイ)からなり、図1(A),(B)に示すように、表面3および裏面4を有し、かかる表面3と裏面4との間には内径が約0.3mmの貫通孔5が複数貫通している。複数の貫通孔5は、かかる金属板2をパンチングするか、レーザ加工、ドリル加工、またはエッチング加工によって形成される。
【0017】
図1(A)中の破線で示すように、金属板2は、平面視で4つの領域2a〜2dに区分され、このうち左上の領域2aと左下の領域2cとでは、9個の貫通孔5が格子模様の各交点に位置するように配置されている。
一方、金属板2において、右上の領域2bと右下の領域2dとでは、9個の貫通孔5がやや偏平な市松模様を形成する位置にそれぞれ配置されている。
即ち、図1(A),(B)に示すように、金属板2では、全領域2a〜2dにおいて、同じ内径を有する9個ずつの貫通孔5が互いにほぼ等間隔に形成されいるため、これらの領域2a〜2dにおける貫通孔5の分布密度は平均化している。
【0018】
図2(A)に示すように、金属板2の表面3および裏面4における全ての領域2a〜2dに、厚みが約20〜80μm(本実施形態では40μm)でエポキシ樹脂からなるドライタイプの樹脂フィルム6,7を積層(ラミネート)する。
次に、図2(A)中の矢印で示すように、上記樹脂フィルム6,7を金属板2の厚み方向に沿って、図示しないホットプレスなどよって押圧する。
その結果、図2(B)に示すように、上記樹脂フィルム6,7は、圧縮されて金属板2の表面3および裏面4に密着する樹脂層8,9となる共に、その一部は貫通孔5,5内に進入して、これらを充填する樹脂10,10となる。
【0019】
次いで、樹脂層8,9および貫通孔5内の樹脂10を有する金属板2を、図示しない加熱炉内に挿入し、大気中において約150℃に約60分間加熱する硬化(キュア)処理を行う。かかる硬化処理の後における上記金属板2などの図2(B)中の一点鎖線Cで示す部分の拡大図を、図2(C)に示す。
前記のように、金属板2の全領域2a〜2dにおいて、9個ずつの貫通孔5が互いにほぼ等間隔に形成されているため、図2(C)に示すように、得られるコア基板1の表面12と裏面13との間における厚みは、殆ど均一になる。
【0020】
以下において、コア基板1を用いた配線基板Kの製造工程を説明する。
図2(D)は、前記コア基板1に内蔵される金属板2の貫通孔5,5の中心部に、例えば炭酸ガスレーザを照射して、樹脂層8,9および樹脂10の中心部に沿って、コア基板1の表面12と裏面13との間を貫通するスルーホールhを形成する工程を示す。かかるスルーホールhの内径は、約150μmである。尚、上記レーザに替え、細径のドリルを用いてスルーホールhを形成しても良い。
次に、コア基板1の表面12、裏面13、およびスルーホールh,hの内壁に、Pdを含むメッキ触媒を被覆した後、無電解銅メッキおよび電解銅メッキを全面に施す。その結果、図3(A)に示すように、各スルーホールhの内壁に沿って円筒形のスルーホール導体14が形成される。かかるスルーホール導体14の中空部には、導電性または非導電性の充填樹脂15が形成される。その後、コア基板1の表面12と裏面13との上に銅メッキを施す。
【0021】
次いで、コア基板1の表面12および裏面13に形成された銅メッキ膜の上に、感光性樹脂からなり厚みが約20〜30μmの図示しない樹脂フィルムを貼り付ける。かかるフイルムの上に、所定パターンを有するマスク(図示せず)を載置した後、当該フィルムに対して露光および現像(フォトグラフィ技術)を施して、所定のパターンを有する図示しないエッチングレジストを形成する。更に、かかるレジストを介して現像液と接触させて、上記レジストのパターン間から露出する銅メッキ膜をエッチングする。
その結果、図3(A)に示すように、コア基板1の表面12と裏面13とには、上記パターンに倣った表面配線層16と裏面配線層17とが形成され、これらはスルーホール導体14の上端または下端と接続すると共に、充填樹脂15の両端を蓋メッキする。
【0022】
更に、図3(B)に示すように、表面配線層16の上に、シリカフィラなどの無機フィラを含むエポキシ樹脂フィルムからなり厚みが30μmの絶縁層18を形成する。かかる絶縁層18における所定の位置に対し、フォトリソグラフィ技術またはレーザ加工(炭酸ガスレーザなどを使用する)を施して、図示しないビアホールを複数形成する。このビアホールの底面には、表面配線層16が露出する。次に、絶縁層18の表面および上記ビアホールの内壁面に前記同様のメッキ触媒を塗布した後、無電解銅メッキおよび電解銅メッキを施し、絶縁層24の表面に銅メッキ膜を形成することにより、図3(B)に示すように、上記ビアホール内にビア(フィルドビア)導体20を形成する。
【0023】
次いで、銅メッキ膜が形成された絶縁層18の上に、前記同様のエッチングレジストを形成し且つ現像を行う。その結果、図3(B)に示すように、絶縁層18の上には、所定パターンの配線層(ビルドアップ配線)22が形成される。この配線層22は、ビア導体20を介して表面配線層16と接続される。
以上と同様にして、図3(B)に示すように、絶縁層24、ビア導体26、および配線層28を形成する。かかるビア導体26は、配線層22,28間を接続し、絶縁層18,24および配線層22,28はビルドアップ層BUを形成する。
【0024】
更に、図3(B)に示すように、配線層28の上に厚みが20μmで最上層の絶縁層(ソルダーレジスト層)30を形成する。かかる絶縁層30には、図示しないNi−Au層を介して、配線層28上の適所から第1主面32よりも高く突出するハンダバンプ34が貫通する。
かかるハンダバンプ34は、Sn−Ag系、Pb−Sn系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Cu系、Sn−Zn系など(本実施形態ではSn−Ag系)の低融点合金からなり、第1主面32上に実装される図示しないICチップ(電子部品)の接続端子と個別に接続される。また、複数のハンダバンプ34とICチップの接続端子とは、アンダーフィル材により埋設され且つ保護される。
【0025】
一方、図3(B)に示すように、コア基板1の裏面13にも、前記同様にして所定パターンの裏面配線層17を形成し、且つその下側に前記同様の絶縁層(ソルダーレジスト層)19を形成する。かかる絶縁層19において第2主面23側に開口する開口部25の底面には、裏面配線層17から延びた配線21が位置する。かかる配線21は、その表面にNiメッキおよびAuメッキが被覆され、図示しなマザーボードなどのプリント基板との接続端子として活用される。
【0026】
以上により、図3(B)に示すような配線基板Kが製造される。かかる配線基板Kは、前記平坦な表面12を有するコア基板1を用いているため、この表面12上に形成される表面配線層16や、その上方に形成されるビルドアップ層BUにおける配線層22,28が平坦に形成される。また、絶縁層18,24の厚みがバラつかず、平均化される。従って、参考形態の製造方法によれば、表面12および裏面13が平坦なコア基板1を確実に製造できると共に、かかるコア基板1を用いた信頼性の高い配線基板Kを確実に製造することが可能となる。
尚、コア基板1の裏面13の下方にも、複数の絶縁層および複数の配線層とからなるビルドアップ層を上記ビルドアップ層BUと対称にして形成しても良い。
【0027】
図4(A),(B)は、異なる参考形態の配線基板の製造方法に用いられる金属板(コア材)2の平面図および断面図である。金属板2は、前記同様の素材および厚みを有し、図4(A),(B)に示すように、表面3と裏面4との間には、前記同様の方法により形成された内径が約0.3mmの貫通孔5が複数貫通している。
図4(A)中の破線で示すように、金属板2は、平面視で4つの領域2a〜2dに区分され、このうち右上の領域2bと左下の領域2cとでは、9個の貫通孔5が格子模様の各交点に位置するように配置されている。
【0028】
一方、金属板2において、左上の領域2aと右下の領域2dとでは、8個の貫通孔5が正方形を形成する位置にそれぞれ配置されている。これらの貫通孔5に囲まれた内側には、追ってスルーホール導体が貫通しないダミー貫通孔5aが形成されている。かかるダミー貫通孔5aの内径は、貫通孔5の内径と同じである。従って、かかるダミー貫通孔5aと8個の貫通孔5とを含む領域2a,2dは、9個の貫通孔5を有する上記領域2b,2cと同じ内部容積の貫通孔5,5aが形成されている。即ち、図4(A),(B)に示す金属板2は、全領域2a〜2dにおいて、同数で同じ内部容積の貫通孔5,5aが均一に形成されている。
尚、ダミー貫通孔5aの内径は、貫通孔5の内径と同じとする上記形態に限らず、かかる貫通孔5よりも大径または小径としても良い。
【0029】
上記金属板2の表面3と裏面4に、前記樹脂フィルム6,7をラミネートし、且つ前記同様の方法によりプレスし且つ硬化処理することにより、図4(C)に示すように、表面12と裏面13との間における厚みが、殆ど均一になるコア基板1aが得られる。コア基板1aの図4(C)中の一点鎖線aで示す部分に、前記同様にしてスルーホールhを形成した部分の拡大図を、図5(A)に示す。この際、図5(A)に示すように、ダミー貫通孔5aに充填された樹脂10には、スルーホールhは形成されない。
次に、前述した方法により、図5(B)に示すように、コア基板1aの表面12と裏面13とに、所定パターンの表面配線層16と裏面配線層17とを個別に形成する。
【0030】
更に、図5(C)に示すように、コア基板1aの表面12および表面配線層16の上方に、絶縁層18,24および配線層22,28を含むビルドアップ層BUなどを形成する。そして、コア基板1aの裏面13および裏面配線層17の下方に絶縁層19などを、前記同様の方法により形成する。この結果、図5(C)に示す配線基板K1を得ることができる。この際、表面配線層16、裏面配線層17、および配線層22,28などは、コア基板1aの表面12および裏面13の全面における厚みがほぼ均一であるため、平坦に形成することができる。
尚、上記コア基板1aの裏面13の下方にも、上記と同様のビルドアップ層BUをこれと対称にして形成しても良い。
【0031】
図6(A),(B)は、本発明による配線基板の製造方法に用いられる金属板(コア材)2の平面図および断面図である。金属板2は、前記同様の素材と厚みを有し、図6(A),(B)に示すように、表面3と裏面4との間には、前記同様の方法により形成された内径dが約0.30mmの貫通孔5が複数貫通している。
図6(A)中の破線で示すように、金属板2は、平面視で4つの領域2a〜2dに区分され、このうち右上の領域2bと左下の領域2cとでは、9個ずつの貫通孔5が格子模様の各交点に位置するように配置されている。
一方、金属板2において、左上の領域2aと右下の領域2dとでは、7個の貫通孔5がコ字形を形成する位置にそれぞれ配置されている。これらの貫通孔5に囲まれた内側のほぼ中央には、内径Dが約0.42mmの貫通孔5bが1個形成されている。かかる貫通孔5bの内径Dは、上記貫通孔5の内径dの約1.4倍であり、内径Dと内径dとの間には約0.1mmの差がある。
【0032】
即ち、貫通孔5bの内部容積は、貫通孔5の内部容積の約2倍となる。このため、上記領域2bや領域2cにおける9個の貫通孔5全部の内部容積と、上記領域2aや領域2dにおける7個の貫通孔5および1個の貫通孔5bの内部容積との総和とは、ほぼ等しくなる。換言すると、かかる金属板2は、9個の貫通孔5を必要とする領域2b,2cと8個の貫通孔5を必要とする領域2a,2dとがある。このため、後者の領域2a,2dに2個の貫通孔5の内部容積に等しい内部容積を有する大きな内径Dの貫通孔5bを7個の貫通孔5とほぼ等間隔の位置に1個形成したものである。この結果、領域2b,2cと領域2a,2dとにおける貫通孔5,5b全体の内部容積を、互いにほぼ等しくすることができる。
【0033】
上記金属板2の表面3と裏面4に、前記樹脂フィルム6,7をラミネートし、且つ前記同様の方法によりプレスし且つ硬化処理することにより、図6(C)に示すように、表面12と裏面13との間における厚みが、殆ど均一になるコア基板1bが得られる。コア基板1bの図6(C)中の一点鎖線aで示す部分に、前記同様にしてスルーホールhを形成した部分の拡大図を、図7(A)に示す。この際、大径の貫通孔5bにおいても、充填された樹脂10の中心部に同径のスルーホールhが形成される。
次に、前述した方法により、図7(B)に示すように、コア基板1bの表面12と裏面13とに、所定パターンの表面配線層16と裏面配線層17とを個別に形成する。
【0034】
更に、図7(C)に示すように、コア基板1bの表面12および表面配線層16の上方に、絶縁層18,24および配線層22,28を含むビルドアップ層BUなどを形成する。そして、コア基板1bの裏面13および裏面配線層17の下方に絶縁層19などを、前記同様の方法により形成することにより、配線基板K2を得ることができる。この際、表面配線層16、裏面配線層17、および配線層22,28などは、コア基板1bの表面12および裏面13の全面における厚みがほぼ均一であるため、平坦に形成することができる。
尚、上記コア基板1bの裏面13の下方にも、上記と同様のビルドアップ層BUをこれと対称にして形成しても良い。
【0035】
本発明は、以上において説明した形態に限定されるものではない。
前記コア基板1,1a,1bに用いるコア材は、前記銅合金に限らず、Fe−Ni系合金、チタンやその合金、アルミニウムやその合金などからなる金属板としても良い。あるいは、合成樹脂またはこれにガラスフィラなどの無機フィラを含む複合材からなるコア材を用いも良い。
また、前記樹脂フィルムには、絶縁性の樹脂のほか、導電性樹脂からなるものを用いても良い。かかる導電性の樹脂フイルムおよび上記合成樹脂などの絶縁材からなるコア材を併用することにより、かかるコア材の貫通孔にスルーホール導体などを形成することも可能である。
【0036】
更に、前記ダミー貫通孔5aを配置する位置は、同時に配置される複数の貫通孔5と互いにほぼ等間隔になる位置とすることが望ましいが、かかる複数のダミー貫通孔5aをより少ない大きな内径Dの貫通孔5bに置き換える場合も、同時に配置される複数の貫通孔5からほぼ等距離となる位置に配置するものとする。
また、前記図1(A),(B)の金属板(コア材)2における各領域2a〜2dにおける9個の貫通孔5の何れかを、ダミー貫通孔5aに置き換えても良い。
更に、前記図6(A),(B)の金属板(コア材)2において、領域2a,2dに配置する貫通孔5bの内径Dは、同時に配置する貫通孔5の内径dよりも小さくし、且つ置換すべき内部容積の総和に当たる貫通孔5の数よりも多く配置することも可能である。
【0037】
【発明の効果】
本発明による配線基板の製造方法(請求項1)によれば、コア材の各領域における全貫通孔の内部容積が互いにほぼ等しくなる。このため、前記樹脂をコア材の各貫通孔に圧入し且つ表面および裏面に形成すると、各貫通孔に樹脂が充填され、コア材の表面や裏面にそれぞれ形成される樹脂層の厚みも、全面において均一なコア基板を得ることができる。従って、かかるコア基板を用いることにより、平坦な配線層を含む信頼性の高い配線基板を容易に形成することが可能となる。
【0038】
また、請求項3の配線基板の製造方法によれば、コア材の各貫通孔に圧入する樹脂の量、表面や裏面に形成する各樹脂層の厚みを、前記の何れかの方法に沿って、容易に制御できる。従って、全面においてほぼ均一な厚みのコア基板を一層確実に得ることが可能となる。
更に、請求項4の配線基板の製造方法によれば、所要の強度を有し、貫通孔内が樹脂で充填され、且つ表面および裏面にそれぞれ平坦な樹脂層が形成された金属板をコア材とするコア基板を確実に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は参考形態の製造方法に用いるコア材の平面図、(B)は(A)中のB−B線に沿った矢視における断面図。
【図2】(A)〜(D)は参考形態の製造方法における各工程を示す概略図で、且つ(C)は(B)中の一点鎖線部分Cの拡大図。
【図3】(A),(B)は図2(D)に続く製造工程の概略図または得られた配線基板を示す断面図。
【図4】(A)は異なる参考形態の製造方法に用いるコア材の平面図、(B)は(A)中のB−B線に沿った矢視における断面図、(C)は得られたコア基板の断面図。
【図5】(A)〜(C)は図4(C)に続く各製造工程を示す概略図または得られた配線基板の断面図で、且つ(A)は図4(C)中の一点鎖線部分aの拡大図。
【図6】(A)は本発明による製造方法に用いるコア材の平面図、(B)は(A)中のB−B線に沿った矢視における断面図、(C)は得られたコア基板の断面図。
【図7】(A)〜(C)は図6(C)に続く各製造工程を示す概略図または得られた配線基板の断面図で、且つ(A)は図6(C)中の一点鎖線部分aの拡大図。
【図8】(A)〜(E)は従来の技術によるコア基板の製造工程を示す概略図。
【符号の説明】
1b……………コア基板
2………………金属板(コア材)
2a〜2d……領域
3………………表面
4………………裏面
5,5b………貫通孔
6,7…………樹脂フイルム
8,9…………樹脂層
10……………樹脂
14……………スルーホール導体
K2……………配線基板
D,d…………内径
Claims (4)
- 表面および裏面を有し且つかかる表面と裏面との間を貫通する複数の貫通孔を有するコア材に対し、
上記コア材の表面および裏面に樹脂層をそれぞれ形成し、同時に上記貫通孔内に樹脂を充填し穴埋めするコア基板の製造工程を含み、
上記複数の貫通孔の分布密度が疎なコア材の領域における全部の貫通孔の内部容積と、上記複数の貫通孔の分布密度が密なコア材の領域における全部の貫通孔の内部容積と、がほぼ等しくなるように、上記分布密度が疎なコア材の領域における貫通孔の内径と、上記分布密度が密なコア材の領域の貫通孔の内径との間に、差を設けている、
ことを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記分布密度が疎なコア材の領域における貫通孔の内径は、前記分布密度が密なコア材の領域における貫通孔の内径の1.4倍である、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。 - 前記工程は、前記コア材の表面および裏面にそれぞれ樹脂フィルムを個別に積層し、かかる一対の樹脂フィルムを上記コア材の厚み方向に沿って押圧することにより行われる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板の製造方法。 - 前記コア材は、前記表面、裏面、および貫通孔を有する金属板である、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
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