JP4000754B2 - 難燃性エポキシ樹脂組成物ならびにそれを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板 - Google Patents

難燃性エポキシ樹脂組成物ならびにそれを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性エポキシ樹脂組成物に関する。また、このエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板ないしは金属箔張り積層板、プリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器に組込むエポキシ樹脂プリント配線板には、燃えにくいこと、燃え広がりにくいことと言った安全性が求められている。そこで、臭素化エポキシ樹脂やエポキシ樹脂の硬化剤として臭素付加フェノールノボラック樹脂等を使用し、難燃性を付与している。しかし、臭素・塩素のようなハロゲン含有材を高温下で長時間使用するとハロゲン化物の解離の懸念があるし、ハロゲン含有材を焼却処理すると有害なハロゲン化物発生の心配がある。近年は、環境安全の面から、ノンハロゲンで難燃性を付与するという方向に変わりつつある。ハロゲン化合物に代わり、難燃性付与剤としてリン化合物が注目されている。
このリン化合物は、殆どがリン酸エステル系で、低融点(80〜100℃)の化合物であるので、燃焼時の高温で容易に熱分解する。熱分解で生成するポリリン酸の炭化皮膜が樹脂を酸素及び熱から遮蔽することによって、難燃効果が発揮される。
【0003】
しかし、プリント配線板や多層プリント配線板は、部品実装のための半田付や270℃程度になるリフロー工程で高温にさらされる。難燃性付与のために低融点のリン化合物を多く添加しておくと、前記工程でリン化合物が熱分解し、プリント配線と樹脂の界面でのふくれが発生する。従って、プリント配線板や多層プリント配線板に難燃性を付与するためにリン化合物を添加する場合は、その添加によって耐熱性低下のないことが併せて要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ガラス繊維織布やガラス繊維不織布を絶縁層の基材に使用したエポキシ樹脂プリント配線板が多用されているが、これらに対しては、リン化合物を少量添加するだけで難燃性を付与できる。不燃のガラス繊維が多く存在するからである。しかし、エポキシ樹脂プリント配線板の熱膨張率を小さくするためにゴム弾性微粒子をエポキシ樹脂中に添加していると、ゴム弾性微粒子自体が燃えやすいために、ノンハロゲンで難燃性を付与するための樹脂組成には特別の工夫を要する。しかも、上述したように、プリント配線板や多層プリント配線においては、リン化合物を多量に添加することにより難燃性を付与できたとしても、耐熱性を満足することは難しい。
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題は、リン化合物の添加量を減らしながらノンハロゲンで難燃性を付与し、且つ、耐熱性も満足できる、低熱膨張のプリント配線板に適した難燃性エポキシ樹脂組成物を提供することである。また、このエポキシ樹脂組成物を適用したプリプレグ、積層板ないしは金属箔張り積層板、プリント配線板ないしは多層プリント配線板を提供することを課題とする。
さらに本発明の別の課題は、上記の課題に加えて、金属箔(プリント配線)の十分な引き剥がし強さを確保することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る難燃性エポキシ樹脂組成物は、二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂と、三官能以上の多官能エポキシ樹脂と、これらエポキシ樹脂と相溶しないゴム弾性微粒子と、さらには、リン化合物としてエポキシ樹脂と反応しない添加型リン酸エステルと、分子構造中に窒素原子が存在する樹脂としてメラミン変性フェノール類ノボラック樹脂を含む。樹脂固形分中のビスフェノールF型エポキシ樹脂を30質量%以下とし、樹脂固形分中のリンと窒素の合計含有量を3〜7質量%とする。且つ、前記含有するリンと窒素の質量比(リン/窒素)を0.3/1〜1.2/1、好ましくは、0.4/1〜0.7/1とした点に特徴がある。勿論、実質的にノンハロゲンの樹脂組成物である。
尚、前記樹脂固形分とは、ゴム弾性微粒子を含まない樹脂固形分をいう。
【0007】
リン化合物による炭化皮膜の生成反応は、分子構造中に窒素原子が存在する樹脂を併用することにより促進されることが知られている(西沢 仁著「ポリマーの難燃化」,第34頁〜38頁,株式会社大成社1989年発行)。ゴム弾性微粒子を添加したプリント配線板に適用するエポキシ樹脂組成物においては、上記のような配合組成(特にリンと窒素の配合組成)にすることにより初めてノンハロゲンで良好な難燃性を付与することができ、しかも、耐熱性を低下させることがないという顕著な効果を奏する。
ゴム弾性微粒子やリン化合物の添加によりエポキシ樹脂硬化物の弾性率が低下し、金属箔(プリント配線)の引き剥がし強さが低下する懸念がある。しかし、上記のビスフェノールF型エポキシ樹脂の配合は、エポキシ樹脂組成物の分子量分布を均等にし、良好な金属箔(プリント配線)の引き剥がし強さ確保することに寄与する。難燃性確保の観点から、ビスフェノールF型エポキシ樹脂は30質量%以下にする。
【0008】
樹脂固形分中の二官能エポキシ樹脂を5質量%以上にすることが、金属箔(プリント配線)の引き剥がし強さ確保の点でより好ましい。二官能エポキシ樹脂は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のほかにビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂も選択することができるが、二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂の選択は難燃性確保の点から一層好ましいものである。
【0009】
本発明に係るプリプレグは、上記エポキシ樹脂組成物を有機繊維基材やガラス繊維基材、好ましくはガラス繊維基材に含浸・乾燥したものであり、積層板は、前記プリプレグの層を一部ないし全部として加熱加圧成形してなり、金属箔張り積層板は、前記加熱加圧成形に際し表面に金属箔を一体化したものである。また、本発明に係るプリント配線板は、前記プリプレグの層を加熱加圧成形してなる絶縁層を備えたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る難燃性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂の種類を特に限定するものではない。二官能エポキシ樹脂と、三官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂さらにはビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂などの多官能エポキシ樹脂を混合ないしは予備反応させて用いることができる。三官能エポキシ樹脂や多官能エポキシ樹脂の選択は、耐熱性を向上させる。二官能エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂よりビスフェノールF型エポキシ樹脂を選択する方がよい。リン化合物の配合を同量にした場合、難燃性がより優れるからである。
【0011】
エポキシ樹脂の硬化剤としては、フェノール類ノボラック樹脂を選択することができる。このフェノール類ノボラック樹脂の分子構造中に窒素原子を導入し、分子構造中に窒素原子が存在する樹脂として、メラミン変性フェノール類ノボラック樹脂を選択する。また、硬化促進剤として、2−エチル4−メチルイミダゾール等を配合する。
【0012】
樹脂組成物の成分であるエポキシ樹脂と相溶しないゴム弾性微粒子は、アクリルゴム微粒子、ニトリルブタジエンゴム微粒子、シリコーンゴム微粒子などから選択することができる。アクリルゴム微粒子又はニトリルブタジエンゴム微粒子とシリコーンゴム微粒子とを組合せて選択することもできる。これらゴム弾性微粒子は、エポキシ樹脂と相溶しないことにより、エポキシ樹脂が硬化した後も粒子径が安定しており、エポキシ樹脂に悪影響を与えないため、エポキシ樹脂硬化物の性能を変化させない。これらゴム弾性微粒子が、エポキシ樹脂硬化物の膨張・収縮により発生した応力を吸収緩和して、プリント配線板の熱膨張率を小さくすることに寄与している。ゴム弾性微粒子の粒子径は特に限定するものではないが、0.1〜10μmの粒子径が好ましい。
【0013】
また、樹脂組成物の成分であるリン化合物は、リン系ポリオール、エポキシ樹脂と反応しない添加型リン酸エステル、エポキシ樹脂と反応する反応型リン酸エステル等のうち、エポキシ樹脂と反応しない添加型リン酸エステルである。エポキシ樹脂と反応する反応型リン酸エステルは、エポキシ樹脂と反応し、硬化剤であるフェノール類ノボラック樹脂とエポキシ樹脂との架橋反応を妨げるので、エポキシ樹脂と反応しない添加型リン酸エステルを選択する。
【0014】
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の無機化合物粉末を配合して難燃性を高めることができる。しかし、配合量が多量にならないように配慮すべきである。無機化合物粉末の配合量が多いと、プリプレグの表面に無機化合物粉末が残り、金属箔(プリント配線)と樹脂の界面の接着性が低下する。接着性を低下させない程度の量であれば、難燃性付与のために、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の無機化合物粉末を配合することを妨げるものではない。
【0015】
プリプレグは、ガラス繊維織布等のシート状繊維基材に上記エポキシ組成物を含浸・乾燥して製造する。プリント配線板は、まず、前記プリプレグの層に金属箔を重ね、これらを加熱加圧成形して金属箔張り積層板とし、金属箔を所定の配線パターンにエッチング加工して製造する。多層プリント配線板は、前記プリント配線板にプリプレグを介して金属箔を重ね加熱加圧成形により一体化し、金属箔を所定の配線パターンにエッチング加工して製造する。さらに表面にプリプレグを介して金属箔を重ね加熱加圧成形により一体化し、金属箔を所定の配線パターンにエッチング加工して、配線層数を増やすこともできる。別の方法では、複数枚のプリント配線板の間にプリプレグを介在させ、表面にはプリプレグを介して金属箔を重ね、これらを加熱加圧成形により一体化し、表面の金属箔を所定の配線パターンにエッチング加工する。積層板やプリント配線板は、本発明に係るプリプレグと他のプリプレグ、例えば、有機繊維基材プリプレグを組合せて使用し、構成してもよい。
【0016】
【実施例】
以下に、実施例を説明する。以下には、プリント配線板については具体的に説明していないが、その構成ならびに製造法は上記のとおりであるので、説明を省略する。プリント配線板の絶縁層の難燃性、耐熱性及びプリント配線剥離強度を確認するために、以下の例では、便宜上、プリプレグ5枚を重ねた両側に18μm厚の銅箔を配し加熱加圧成形した銅張り積層板(0.8mm厚)を製造し、これを試験に供した。
【0017】
以下の各例で使用するエポキシ樹脂組成物の成分は、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂:旭チバ(株)「AER6061」
ビスフェノールF型エポキシ樹脂:東都化成(株)「YDF−170」
三官能エポキシ樹脂:東都化成(株)「VG3101M80」
フェノールノボラック樹脂:大日本インキ(株)「LF6161」
メラミン変性フェノールノボラック樹脂:大日本インキ(株)「LF7755」,窒素含有量20質量%
臭素化フェノールノボラック樹脂:ブロモケムファーイースト(株)「TBBA」
アクリルゴム微粒子:武田薬品工業(株)「AC−3355」,粒子径0.5μm
縮合型リン酸エステル:大八化学工業(株)「PX−200」,リン含有量9質量%,添加型
である。
【0018】
従来例1
ガラス繊維織布(厚さ:0.2mm,単位質量:215g/m2)を基材とし、これに含浸するエポキシ樹脂組成物として、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂31質量部、
三官能エポキシ樹脂20質量部、
硬化剤としてフェノールノボラック樹脂19質量部及び臭素化フェノールノボラック樹脂30質量部、
硬化促進剤として2−エチル4−メチルイミダゾール0.2質量部、
アクリルゴム微粒子10質量部
をメチルエチルケトン30質量部に溶解し、ワニスを調製した。このワニスを上記ガラス繊維織布基材に含浸し、150℃−5分間乾燥してプリプレグを得た。樹脂の含有量は、40質量%である。
上記プリプレグを用いて、上述した銅張り積層板を製造した。成形条件は、温度170℃,圧力4.9MPaの条件で60分間加熱加圧成形である。
【0019】
実施例1〜11,比較例1〜4,実施例12〜15,比較例7〜8
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
三官能エポキシ樹脂、
フェノールノボラック樹脂及びメラミン変性フェノールノボラック樹脂、
アクリルゴム微粒子をエポキシ樹脂と硬化剤を併せた固形質量100に対して10質量部、
縮合型リン酸エステル、
2−エチル4−メチルイミダゾール
をメチルエチルケトンに溶解し、ワニスを調製した。樹脂固形分中のリンと窒素の合計質量%(P,N質量%)と含有するリンと窒素の質量比(リン/窒素)、樹脂固形分中のビスフェノールF型エポキシ樹脂の含有質量%(ビスFエポ)が、表1〜表3に示した各配合となるように、フェノールノボラック樹脂とメラミン変性フェノールノボラック樹脂の配合割合、ならびに縮合型リン酸エステルの配合量を調整し、また、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と三官能エポキシ樹脂の配合量を調整した。そのほかは、従来例1と同様にして銅張り積層板を製造した。
尚、前記調整は、メラミン変性フェノールノボラック樹脂の窒素含有量を変えること、ならびに縮合型リン酸エステルのリン含有量を変えることによっても可能である。
【0020】
【表1】
Figure 0004000754
【0021】
【表2】
Figure 0004000754
【0022】
【表3】
Figure 0004000754
【0023】
比較例5
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
三官能エポキシ樹脂、
フェノールノボラック樹脂及びメラミン変性フェノールノボラック樹脂、
アクリルゴム微粒子をエポキシ樹脂と硬化剤を併せた固形質量100に対して10質量部、
2−エチル4−メチルイミダゾール
をメチルエチルケトンに溶解し、ワニスを調製した。樹脂固形分中の窒素の含有量が5.5質量%となるように、フェノールノボラック樹脂とメラミン変性フェノールノボラック樹脂の配合割合を調整した。そのほかは、実施例1と同様にして銅張り積層板を製造した。
【0024】
比較例6
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
三官能エポキシ樹脂、
フェノールノボラック樹脂、
アクリルゴム微粒子をエポキシ樹脂と硬化剤を併せた固形質量100に対して10質量部、
縮合型リン酸エステル、
2−エチル4−メチルイミダゾール
をメチルエチルケトンに溶解し、ワニスを調製した。樹脂固形分中のリン含有量が5.5質量%となるように、縮合型リン酸エステルの配合割合を調整した。そのほかは、従来例1と同様にして銅張り積層板を製造した。
【0025】
上記各例の銅張り積層板について、半田耐熱性、難燃性、銅箔剥離強度を評価した結果を表4〜表7に示した。表中に示した各特性は、次のように評価した。
半田耐熱性は、JIS C−6481に準拠し、試料を270℃の半田槽に浮かべ、試料に膨れが発生するまでの時間を測定した。
難燃性は、UL−94試験法に基づき残炎時間を測定した。
銅箔剥離強度は、JIS C−6481に準拠し測定した。
【0026】
【表4】
Figure 0004000754
【0027】
【表5】
Figure 0004000754
【0028】
【表6】
Figure 0004000754
【0029】
実施例9〜11と比較例3,4から、樹脂固形分中のリンと窒素の合計含有量を3〜7質量%の範囲にすることにより、初めて耐熱性と難燃性を確保できることを理解できる。また、耐熱性と難燃性を確保するためには、(リン/窒素)を0.3/1〜1.2/1の範囲にしなければならないことも、実施例1〜8と比較例1,2から明らかである。実施例2〜4と実施例1,5〜8との比較より、(リン/窒素)を0.4/1〜0.7/1の範囲にすることにより、耐熱性を極めて良好なレベルに維持しつつ充分な難燃性を確保できることも理解できる。さらに、実施例13〜15と実施例12ならびに比較例7,8の比較から、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を樹脂固形分中に5〜30質量%含有することにより、耐熱性と難燃性を確保しつつ、良好な銅箔剥離強度を維持できることを理解できる。
比較例5は、分子構造中に窒素原子が存在する樹脂の配合だけでは難燃性を確保できないことを示し、比較例6は、リン化合物の配合だけでは難燃性を確保することができても耐熱性が極めて低いレベルになってしまうことを示している。尚、上記各例の積層板の熱膨張率は、いずれも8〜9ppm/℃と良好なものであった。
【0030】
【発明の効果】
上述のように、本発明は、ゴム弾性微粒子配合エポキシ樹脂組成物に対し、ノンハロゲンで充分な難燃性を付与でき、且つ、このエポキシ樹脂組成物を適用したプリント配線板の耐熱性も問題のないレベルに到達する。特に、(リン/窒素)が0.4/1〜0.7/1の範囲では、耐熱性を極めて良好なレベルに維持しつつ充分な難燃性を確保することができる。さらには、二官能エポキシ樹脂の含有量を特定して、金属箔(プリント配線)の引き剥がし強度を良好なレベルに維持できる。

Claims (7)

  1. 二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂と、三官能以上の多官能エポキシ樹脂と、これらエポキシ樹脂と相溶しないゴム弾性微粒子と、さらには、リン化合物としてエポキシ樹脂と反応しない添加型リン酸エステルと、分子構造中に窒素原子が存在する樹脂としてメラミン変性フェノール類ノボラック樹脂を含み、
    樹脂固形分中のビスフェノールF型エポキシ樹脂が30質量%以下であり、
    樹脂固形分中のリンと窒素の合計含有量が3〜7質量%であり、前記含有するリンと窒素の質量比(リン/窒素)が0.3/1〜1.2/1であることを特徴とする難燃性エポキシ樹脂組成物。
  2. 二官能エポキシ樹脂の含有量が、樹脂固形分中の5質量%以上であることを特徴とする請求項1記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
  3. リン/窒素が0.4/1〜0.7/1であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性エポキシ樹脂組成物をガラス繊維基材に含浸・乾燥してなることを特徴とするプリプレグ。
  5. 請求項4記載のプリプレグの層を一部ないし全部として加熱加圧成形してなることを特徴とする積層板。
  6. 請求項5記載の積層板の少なくとも片面に金属箔が一体化されている金属箔張り積層板。
  7. 請求項4記載のプリプレグの層を加熱加圧成形してなる絶縁層を備えたことを特徴とするプリント配線板。
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