JP2002060590A - ガラス繊維基材含浸用エポキシ樹脂組成物ならびにそれを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板 - Google Patents

ガラス繊維基材含浸用エポキシ樹脂組成物ならびにそれを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板

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JP2002060590A
JP2002060590A JP2000250861A JP2000250861A JP2002060590A JP 2002060590 A JP2002060590 A JP 2002060590A JP 2000250861 A JP2000250861 A JP 2000250861A JP 2000250861 A JP2000250861 A JP 2000250861A JP 2002060590 A JP2002060590 A JP 2002060590A
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resin
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Toru Shimazu
徹 嶋津
Yasuhito Iwatsuki
保仁 岩月
Koichi Hiraoka
宏一 平岡
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Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ノンハロゲンで難燃性と耐熱性を満足できる、
ガラス繊維基材プリント配線板に適したエポキシ樹脂組
成物を提供する。 【解決手段】リン化合物と分子構造中に窒素原子が存在
する樹脂とを含むエポキシ樹脂(ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂と三官能以上の多官能エポキシ樹脂)組成物
であり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を5〜30質
量%、樹脂固形分中のリンと窒素の合計含有量を3〜7
質量%とし、且つ、前記含有するリンと窒素の質量比
(リン/窒素)を0.3/1〜1.2/1、好ましく
は、0.4/1〜0.7/1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス繊維基材含
浸用の難燃性エポキシ樹脂組成物に関する。また、この
エポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板ないし
は金属箔張り積層板、プリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器に組込むエポキシ樹脂プリント
配線板には、燃えにくいこと、燃え広がりにくいことと
言った安全性が求められている。そこで、臭素化エポキ
シ樹脂やエポキシ樹脂の硬化剤として臭素付加フェノー
ルノボラック樹脂等を使用し、難燃性を付与している。
しかし、臭素・塩素のようなハロゲン含有材を高温下で
長時間使用するとハロゲン化物の解離の懸念があるし、
ハロゲン含有材を焼却処理すると有害なハロゲン化物発
生の心配がある。近年は、環境安全の面から、ノンハロ
ゲンで難燃性を付与するという方向に変わりつつある。
ハロゲン化合物に代わり、難燃性付与剤としてリン化合
物が注目されている。このリン化合物は、殆どがリン酸
エステル系で、低融点(80〜100℃)の化合物であ
るので、燃焼時の高温で容易に熱分解する。熱分解で生
成するポリリン酸の炭化皮膜が樹脂を酸素及び熱から遮
蔽することによって、難燃効果が発揮される。
【0003】しかし、プリント配線板や多層プリント配
線板は、部品実装のための半田付や270℃程度のリフ
ロー工程で高温にさらされる。難燃性付与のために低融
点のリン化合物を多く添加しておくと、前記工程でリン
化合物が熱分解し、プリント配線と樹脂の界面でのふく
れが発生する。従って、プリント配線板や多層プリント
配線板に難燃性を付与するためにリン化合物を添加する
場合は、その添加によって耐熱性低下のないことが併せ
て要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、リン化合物の添加量を減らしながらノンハ
ロゲンで難燃性を付与し、且つ、耐熱性も満足できる、
ガラス繊維基材プリント配線板に適したエポキシ樹脂組
成物を提供することである。また、このエポキシ樹脂組
成物を適用したガラス繊維基材のプリプレグ、積層板な
いしは金属箔張り積層板、プリント配線板ないしは多層
プリント配線板を提供することを課題とする。さらに本
発明の別の課題は、上記の課題に加えて、金属箔(プリ
ント配線)の十分な引き剥がし強さを確保することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るガラス繊維基材含浸用エポキシ樹脂組
成物は、二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールF型
エポキシ樹脂と、三官能以上の多官能エポキシ樹脂と、
さらには、リン化合物と分子構造中に窒素原子が存在す
る樹脂を含む。樹脂固形分中のビスフェノールF型エポ
キシ樹脂を30質量%以下とし、樹脂固形分中のリンと
窒素の合計含有量を3〜7質量%とする。且つ、前記含
有するリンと窒素の質量比(リン/窒素)を0.3/1
〜1.2/1、好ましくは、0.4/1〜0.7/1と
した点に特徴がある。勿論、実質的にノンハロゲンの樹
脂組成物である。
【0006】リン化合物による炭化皮膜の生成反応は、
分子構造中に窒素原子が存在する樹脂を併用することに
より促進されることが知られている(西沢 仁著「ポリ
マーの難燃化」,第34頁〜38頁,株式会社大成社1
989年発行)。ガラス繊維基材プリント配線板に適用
するエポキシ樹脂組成物においては、上記のような配合
組成(特にリンと窒素の配合組成)にすることにより初
めてノンハロゲンで良好な難燃性を付与することがで
き、しかも、耐熱性を低下させることがないという顕著
な効果を奏する。多官能エポキシ樹脂と硬化剤の反応に
より硬化物が脆くなり過ぎたり、リン化合物の添加によ
り硬化物の弾性率が低下し、金属箔(プリント配線)の
引き剥がし強さが低下する懸念がある。しかし、上記の
ビスフェノールF型エポキシ樹脂の配合は、エポキシ樹
脂組成物の分子量分布を均等にし、良好な金属箔(プリ
ント配線)の引き剥がし強さ確保することに寄与する。
難燃性確保の観点から、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂の配合は、樹脂組成固形分中の30質量%以下にす
る。
【0007】ビスフェノールF型エポキシ樹脂のほか
に、二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールS型エポ
キシ樹脂も選択することができ、樹脂固形分中の二官能
エポキシ樹脂を5質量%以上にすることが、金属箔(プ
リント配線)の引き剥がし強さ確保の点でより好まし
い。ビスフェノールF型エポキシ樹脂は難燃性確保の点
から選択するものであり、さらに好ましくは、そのエポ
キシ当量を150〜2200とする。高エポキシ当量の
ビスフェノールF型エポキシ樹脂を配合するとその可塑
化作用によりエポキシ樹脂硬化物の弾性率が低下し、金
属箔(プリント配線)引き剥がし強さを上げる効果が一
層大きくなる。エポキシ当量が大きくなると、可塑化作
用が顕著になり過ぎ耐熱性が低下する傾向があるので、
上記のようにエポキシ当量の上限を考慮する。
【0008】本発明に係るプリプレグは、上記エポキシ
樹脂組成物をガラス繊維基材に含浸・乾燥したものであ
り、積層板は、前記プリプレグの層を一部ないし全部と
して加熱加圧成形してなり、金属箔張り積層板は、前記
加熱加圧成形に際し表面に金属箔を一体化したものであ
る。また、本発明に係るプリント配線板は、前記プリプ
レグの層を加熱加圧成形してなる絶縁層を備えたもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係るエポキシ樹脂組成物
は、エポキシ樹脂の種類を特に限定するものではない。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、三官能エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂さらにはビスフェノールAノ
ボラック型エポキシ樹脂などの多官能エポキシ樹脂を混
合ないしは予備反応させて用いることができる。三官能
エポキシ樹脂や多官能エポキシ樹脂の選択は、耐熱性を
向上させる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂を選択す
るのは、二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型
エポキシ樹脂を選択した場合より、同量のリン化合物の
配合で、難燃性がより優れるからである。エポキシ樹脂
の硬化剤としては、フェノール類ノボラック樹脂を選択
し、このフェノール類ノボラック樹脂の分子構造中に窒
素原子を導入し、分子構造中に窒素原子が存在する樹脂
とすることができる。例えば、メラミン変性フェノール
類ノボラック樹脂を選択する。また、硬化促進剤とし
て、2−エチル4−メチルイミダゾール等を配合する。
樹脂組成物の成分であるリン化合物は、リン系ポリオー
ル、エポキシ樹脂と反応しない添加型リン酸エステル、
エポキシ樹脂と反応する反応型リン酸エステル等であ
る。反応型リン酸エステルは、エポキシ樹脂と反応し、
硬化剤であるフェノール類ノボラック樹脂とエポキシ樹
脂の架橋反応を妨げるので、好ましくは、添加型リン酸
エステルを選択する。
【0010】本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、水酸
化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の無機化合物粉
末を配合して難燃性を高めることができる。しかし、配
合量が多量にならないように配慮すべきである。無機化
合物粉末の配合量が多いと、プリプレグの表面に無機化
合物粉末が残り、金属箔(プリント配線)と樹脂の界面
の接着性が低下する。接着性を低下させない程度の量で
あれば、難燃性付与のために、水酸化アルミニウムや水
酸化マグネシウム等の無機化合物粉末を配合することを
妨げるものではない。
【0011】上記のエポキシ樹脂組成物を含浸するガラ
ス繊維基材は、織布や不織布である。不織布は、水中に
分散した繊維をシート状に抄造して製造される。抄造し
た不織布に、エマルジョン形態の樹脂バインダをスプレ
ーし加熱乾燥して樹脂バインダを硬化させ、十分な強度
を保持した不織布とする。
【0012】プリプレグは、上記織布や不織布に上記エ
ポキシ組成物を含浸・乾燥して製造する。プリント配線
板は、まず、前記プリプレグの層に金属箔を重ね、これ
らを加熱加圧成形して金属箔張り積層板とし、金属箔を
所定の配線パターンにエッチング加工して製造する。多
層プリント配線板は、前記プリント配線板にプリプレグ
を介して金属箔を重ね加熱加圧成形により一体化し、金
属箔を所定の配線パターンにエッチング加工して製造す
る。さらに表面にプリプレグを介して金属箔を重ね加熱
加圧成形により一体化し、金属箔を所定の配線パターン
にエッチング加工して、配線層数を増やすこともでき
る。別の方法では、複数枚のプリント配線板の間にプリ
プレグを介在させ、表面にはプリプレグを介して金属箔
を重ね、これらを加熱加圧成形により一体化し、金属箔
を所定の配線パターンにエッチング加工する。積層板や
プリント配線板は、ガラス繊維織布プリプレグとガラス
繊維不織布プリプレグを組合せて使用し、構成してもよ
い。
【0013】
【実施例】以下に、実施例を説明する。以下には、プリ
ント配線板については具体的に説明していないが、その
構成ならびに製造法は上記のとおりであるので、説明を
省略する。プリント配線板の絶縁層の難燃性、耐熱性及
びプリント配線剥離強度を確認するために、以下の例で
は、便宜上、プリプレグ4枚を重ねた両側に18μm厚
の銅箔を配し加熱加圧成形した銅張り積層板(0.8mm
厚)を製造し、試験に供した。
【0014】従来例1 ガラス繊維織布(0.2mm厚)を基材とし、これに含浸
するエポキシ樹脂組成物として、 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 31質量部(旭チバ
(株)製「AER6061」) 三官能エポキシ樹脂 20質量部(東都化成(株)製「V
G3101M80」) 硬化剤としてフェノールノボラック樹脂 19質量部
(大日本インキ(株)製「LF6161」) 硬化剤として臭素化ビスフェノールA 30質量部(ブ
ロモケムファーイースト(株)製「TBBA」) 硬化促進剤として2−エチル4−メチルイミダゾール
0.2質量部 をメチルエチルケトン30質量部に溶解し、ワニスを調
製した。このワニスを上記ガラス繊維織布基材に含浸
し、150℃−5分間乾燥してプリプレグを得た。樹脂
の含有量は、40質量%である。上記プリプレグを用い
て、上述した銅張り積層板を製造した。成形条件は、温
度170℃,圧力4.9MPaの条件で60分間加熱加圧
成形である。
【0015】実施例1〜11,比較例1〜4,実施例1
2〜15,比較例5 ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成(株)製「Y
DF−170」) 三官能エポキシ樹脂(東都化成(株)製「VG3101M
80」) フェノールノボラック樹脂(大日本インキ(株)製「LF
6161」) メラミン変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ
(株)製「LF7755」,窒素含有量20質量%) 縮合型リン酸エステル(大八化学工業(株)製「PX−2
00」,リン含有量9質量%) 2−エチル4−メチルイミダゾール をメチルエチルケトンに溶解し、ワニスを調製した。樹
脂固形分中のリンと窒素の合計含有質量%(P,N質量
%)と含有するリンと窒素の質量比(リン/窒素)、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂の含有質量%(ビスFエ
ポ)が、表1に示した各配合となるように、フェノール
ノボラック樹脂とメラミン変性フェノールノボラック樹
脂の配合割合、ならびに縮合型リン酸エステルの配合量
を調整し、また、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と三
官能エポキシ樹脂の配合量を調整した。そのほかは、従
来例1と同様にして銅張り積層板を製造した。尚、前記
調整は、メラミン変性フェノールノボラック樹脂の窒素
含有量を変えること、ならびに縮合型リン酸エステルの
リン含有量を変えることによっても可能である。
【0016】
【表1】
【0017】比較例6〜9 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
(株)製「Ep−828」) 三官能エポキシ樹脂(東都化成(株)製「VG3101M
80」) フェノールノボラック樹脂(大日本インキ(株)製「LF
6161」) メラミン変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ
(株)製「LF7755」,窒素含有量20質量%) 縮合型リン酸エステル(大八化学工業(株)製「PX−2
00」,リン含有量9質量%) 2−エチル4−メチルイミダゾール をメチルエチルケトンに溶解し、ワニスを調製した。樹
脂固形分中のリンと窒素の合計含有質量%(P,N質量
%)と含有するリンと窒素の質量比(リン/窒素)なら
びにビスフェノールA型エポキシ樹脂の含有質量%(ビ
スAエポ)が、表2に示した各配合となるように、フェ
ノールノボラック樹脂とメラミン変性フェノールノボラ
ック樹脂の配合割合、ならびに縮合型リン酸エステルの
配合量を調整し、また、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂と三官能エポキシ樹脂の配合量を調整した。そのほか
は、従来例1と同様にして銅張り積層板を製造した。
【0018】
【表2】
【0019】比較例10 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
(株)製「Ep−828」) 三官能エポキシ樹脂(東都化成(株)製「VG3101M
80」) フェノールノボラック樹脂(大日本インキ(株)製「LF
−6161」) メラミン変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ
(株)製「LF−7755」,窒素含有量20%) 2−エチル4−メチルイミダゾール をメチルエチルケトンに溶解し、ワニスを調製した。樹
脂固形分中の窒素の含有量が6.5質量%となるよう
に、フェノールノボラック樹脂とメラミン変性フェノー
ルノボラック樹脂の配合割合を調整した。そのほかは、
従来例1と同様にして銅張り積層板を製造した。
【0020】比較例11 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
(株)製「Ep−828」) 三官能エポキシ樹脂(東都化成(株)製「VG3101M
80」) フェノールノボラック樹脂(大日本インキ(株)製「LF
−6161」) 縮合型リン酸エステル(大八化学(株)製「PX−20
0」,リン含有量9質量%) 2−エチル4−メチルイミダゾール をメチルエチルケトンに溶解し、ワニスを調製した。樹
脂固形分中のリン含有量が6.5質量%となるように、
縮合型リン酸エステルの配合割合を調整した。そのほか
は、従来例1と同様にして銅張り積層板を製造した。
【0021】上記実施例1〜15、比較例1〜11、従
来例1の各銅張り積層板について、半田耐熱性、難燃
性、銅箔剥離強度を評価した結果を表3に示した。表中
に示した各特性は、次のように評価した。半田耐熱性
は、JIS C−6481に準拠し、試料を300℃の
半田槽に浮かべ、試料に膨れが発生するまでの時間を測
定した。難燃性は、UL−94試験法に基づき残炎時間
を測定した。銅箔剥離強度は、JIS C−6481に
準拠し測定した。
【0022】
【表3】
【0023】実施例9〜11と比較例3,4の対照か
ら、樹脂固形分中のリンと窒素の合計含有量を3〜7の
範囲にすることにより、初めて耐熱性と難燃性を確保で
きることを理解できる。また、耐熱性と難燃性を確保す
るためには、(リン/窒素)を0.3/1〜1.2/1
の範囲にしなければならないことも、実施例1〜8と比
較例1,2の対照から明らかである。実施例2〜4と実
施例1,5〜8の対照から、(リン/窒素)を0.4/
1〜0.7/1の範囲にすることにより、耐熱性を極め
て良好なレベルに維持しつつ充分な難燃性を確保できる
ことも理解できる。さらに、実施例10,13〜15と
実施例12ならびに比較例5の対照から、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂を5〜30質量%含有することによ
り、耐熱性と難燃性を確保しつつ、良好な銅箔剥離強度
を維持できることを理解できる。実施例12〜15と比
較例6〜9の対照から、二官能エポキシ樹脂として、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂よりビスフェノールF型
エポキシ樹脂を選択することにより、耐熱性と銅箔剥離
強度を維持しつつ、更に、難燃性が良好になることが理
解できる。比較例10は、分子構造中に窒素原子が存在
する樹脂の配合だけでは難燃性を確保できないことを示
し、比較例11は、リン化合物の配合だけでは難燃性を
確保することができても耐熱性が極めて低いレベルにな
ってしまうことを示している。
【0024】実施例16〜21 ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成(株)製「Y
DF−170」) 三官能エポキシ樹脂(東都化成(株)製「VG3101M
80」) フェノールノボラック樹脂(大日本インキ(株)製「LF
−6161」) メラミン変性フェノールノボラック樹脂(「LF−77
55」大日本インキ(株)製,窒素含有量20質量%)、 縮合型リン酸エステル(大八化学(株)製「PX−20
0」,リン含有量9質量%) 2−エチル4−メチルイミダゾール をメチルエチルケトンに溶解し、ワニスを調製した。樹
脂固形分中のリンと窒素の合計含有質量%(P,N質量
%)と含有するリンと窒素の質量比(リン/窒素)、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂の含有質量%(ビスFエ
ポ)が、表4に示した各配合となるように、フェノール
ノボラック樹脂とメラミン変性フェノールノボラック樹
脂の配合割合、ならびに縮合型リン酸エステルの配合量
を調整し、また、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と三
官能エポキシ樹脂の配合量を調整した。各例のビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂のエポキシ当量も表4に示すと
おりである。そのほかは、従来例1と同様にして銅張り
積層板を製造した。
【0025】
【表4】
【0026】上記実施例16〜21の銅張り積層板につ
いて、半田耐熱性、難燃性、銅箔剥離強度を評価した結
果を表5に示した。
【0027】
【表5】
【0028】実施例16〜20と実施例21の対照か
ら、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のエポキシ当量が
150〜2500のとき、より良好な耐熱性を維持でき
ることを理解できる。
【0029】
【発明の効果】上述のように、ガラス繊維基材に対して
は本発明に係るエポキシ樹脂組成物を適用することによ
り、ノンハロゲンで充分な難燃性を確保でき、且つ、プ
リント配線板としての耐熱性も問題のないレベルに到達
する。特に、(リン/窒素)が0.4/1〜0.7/1
の範囲では、耐熱性を極めて良好なレベルに維持しつつ
充分な難燃性を確保することができる。さらには、ビス
フェノールF型エポキシ樹脂の含有量を特定して、金属
箔(プリント配線)の引き剥がし強度を良好なレベルに
維持できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA02 AA07 AB09 AB28 AB29 AD23 AD28 AE01 AE07 AF27 AG03 AG17 AH04 AL13 4J002 CC07Y CD05W CD06X EW006 EW046 FD130 FD136 FD14Y FD150 GF00 GQ01 4J036 AA01 AA05 AD08 FA12 FB08 JA08 JA11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス繊維基材含浸用のエポキシ樹脂組成
    物であって、二官能エポキシ樹脂としてビスフェノール
    F型エポキシ樹脂と、三官能以上の多官能エポキシ樹脂
    と、さらには、リン化合物と、分子構造中に窒素原子が
    存在する樹脂を含み、 樹脂固形分中のビスフェノールF型エポキシ樹脂が30
    質量%以下であり、 樹脂固形分中のリンと窒素の合計含有量が3〜7質量%
    であり、前記含有するリンと窒素の質量比(リン/窒
    素)が0.3/1〜1.2/1であることを特徴とする
    ガラス繊維基材含浸用エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】ビスフェノールF型エポキシ樹脂のエポキ
    シ当量が150〜2200である請求項1記載のガラス
    繊維基材含浸用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】二官能エポキシ樹脂の含有量が、樹脂固形
    分中の5質量%以上であることを特徴とする請求項1〜
    2のいずれかに記載のガラス繊維基材含浸用エポキシ樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】リン/窒素が0.4/1〜0.7/1であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガ
    ラス繊維基材含浸用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ
    樹脂組成物をガラス繊維基材に含浸・乾燥してなること
    を特徴とするプリプレグ。
  6. 【請求項6】請求項5記載のプリプレグの層を一部ない
    し全部として加熱加圧成形してなることを特徴とする積
    層板。
  7. 【請求項7】請求項6記載の積層板の少なくとも片面に
    金属箔が一体化されている金属箔張り積層板。
  8. 【請求項8】請求項5記載のプリプレグの層を加熱加圧
    成形してなる絶縁層を備えたことを特徴とするプリント
    配線板。
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JP2000250861A Pending JP2002060590A (ja) 2000-08-22 2000-08-22 ガラス繊維基材含浸用エポキシ樹脂組成物ならびにそれを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007182544A (ja) * 2005-12-07 2007-07-19 Hitachi Chem Co Ltd ハロゲンフリー樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグ並びにプリント配線板
JP2011213871A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Nippon Steel Chem Co Ltd 難燃性エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
CN109306149A (zh) * 2018-09-30 2019-02-05 陕西生益科技有限公司 一种有卤无锑树脂组合物、使用其的预浸料、层压板及印制电路板

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