JP4000666B2 - 潤滑塗料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、摺動面部材用の潤滑塗料に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
潤滑塗料に関しては、(1)油剤をスプレーなどで吹き付け湿潤状態で使用するもの、(2)塗膜形成後、溶剤を飛ばし乾燥被膜として使用するもの、(3)塗膜を常温または加熱硬化させ硬化被膜として使用するもの、など様々なものがある。
【0003】
この(1)および(2)の適用事例は、すべり合う二つの部材において、そのすべり面に潤滑油剤を供給するという一種の給油の適用形態である。すなわち、これら事例の潤滑被膜は、すべり合う部材そのものではなく、いわばすべり面に介在するものである。したがって、これらが消耗した場合には、再び同様の吹き付けなどを行って潤滑被膜を形成することができる。
【0004】
これに対して、(3)の適用事例は、上記(1)、(2)とは趣を異にする。すなわち、すべり合う二つの部材のいずれか一方または双方の部材の一部、換言すれば部材の表面層を形成させるということである。
【0005】
この表面層、すなわちすべり面を形成する被膜は、機械的強度に優れ、下地との密着性がよく、外力によって損傷したり摺動時に容易に摩耗してしまったり、あるいは下地から剥離したりしないことが望まれる。
【0006】
ここで、被膜への潤滑性の付与と被膜の機械的強度および下地との密着性とは裏腹の関係にあり、潤滑性を向上させようとすれば必然的にこれらの強度や性能は低下するという問題がある。
【0007】
本発明は、熱硬化性合成樹脂潤滑被膜形成に用いられる潤滑塗料であって、下地と一体となってその表面を形成し、優れた低摩擦特性を発揮する潤滑塗料を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、架橋剤の存在下で三次元網状構造を形成して固化する反応性シリコーンオイルと、非反応性シリコーンオイルと、前記反応性シリコーンオイルの架橋剤であるとともに、下地表面を接着に適した表面として改質せしめる機能をもつトリアジンチオールをベース樹脂であるエポキシ樹脂に配合することが極めて有効であることを見出した。
【0009】
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、その要旨は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、エポキシ基を有する反応性シリコーンオイル(C)、トリアジンチオール(D)および非反応性シリコーンオイル(E)からなる樹脂組成物が有機溶剤に溶解されてなる熱硬化性合成樹脂潤滑被膜形成に用いられる潤滑塗料であって、(A)成分と(B)成分との和を100重量部としたとき、(C)成分と(D)成分の和が2〜20重量部および(E)成分が2〜10重量部である潤滑塗料に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。(A)成分であるエポキシ樹脂としては、従来公知のものが使用でき、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独であるいは2種以上併せて用いられる。具体的には、油化シェルエポキシ社製のビスフェノールA型の液状または固形タイプのエポキシ樹脂「エピコート(商品名)」が挙げられる。エポキシ樹脂は、本発明の合成樹脂被膜の母体をなすものであり、また下地との接着剤として機能するものである。
【0011】
(B)成分である硬化剤としては、従来からエポキシ樹脂の硬化剤として用いられているものが使用でき、例えば、ポリアミン、酸無水物、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、メルカプタン系化合物が挙げられる。さらに、これら硬化剤とともに、三級アミン、イミダゾール誘導体、フッ化ホウ素錯塩類等の硬化促進剤を併用してもよい。
【0012】
ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族ポリアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンなどの脂環族アミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、メタフェニレンジアミンなどの芳香族アミン、アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどの複素環式アミン、ジシアンジアミドおよびこれらを変性したものが含まれる。変性の手法としては、例えば、エポキシ樹脂、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、アクリロニトリル、ケトン類との付加物の形にすることが挙げられる。上記ポリアミンの具体例としては、油化シェルエポキシ社製の変性脂肪族ポリアミン「エピキュアT(商品名)」、変性脂環族アミン「エピキュア113(商品名)」、変性芳香族アミン「エピキュアW(商品名)」が挙げられる。
【0013】
酸無水物としては、ドデシル無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物などの脂肪族酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸などの脂環族酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの芳香族酸無水物、テトラブロモ無水フタル酸、無水ヘット酸などのハロゲン系酸無水物が含まれ、一般に三級アミンやイミダゾール誘導体を硬化促進剤として用いる。具体例としては、油化シェルエポキシ社製の「エピキュア134A(商品名)」が挙げられる。
【0014】
フェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂が挙げられ、一般に硬化促進剤が併用される。
【0015】
ポリアミド樹脂としては、不飽和脂肪酸の2量体であるダイマー酸とポリアミンから得られるポリアミドが挙げられる。
【0016】
メルカプタン系化合物とは、分子構造式の両端にメルカプト基−SHを有する脂肪族多硫化重合物のことであり、それ単独ではエポキシ樹脂と反応しないため、前記ポリアミンや三級アミンとの併用が必要である。メルカプタン系化合物の具体例としては、油化シェルエポキシ社製「カップキュア3800(商品名)」が挙げられる。
【0017】
(A)成分であるエポキシ樹脂と(B)成分である硬化剤との配合割合は、(A)成分中のエポキシ基または水酸基の数とこのエポキシ基または水酸基と反応する(B)成分中の官能基の数との比率により決定される。
【0018】
例えば、硬化剤としてポリアミンを用いる場合、エポキシ樹脂のエポキシ当量をP、ポリアミンのアミン当量をQとすると、エポキシ樹脂Pgに対してポリアミン(0.8〜1.2)×Qgである。ここで、エポキシ当量とは、エポキシ基1グラム当量を含むエポキシ樹脂のグラム数、アミン当量とは、エポキシ基と反応する活性水素1グラム当量を含むポリアミンのグラム数である。
【0019】
したがって、エポキシ樹脂と硬化剤との配合重量割合は、使用するエポキシ樹脂の種類および硬化剤の種類によって変化するが、次のように設定される。すなわち、エポキシ樹脂Pgに対して表1に示す割合で配合される。ここで、Pはエポキシ樹脂のエポキシ当量の値である。
(以下余白)
【0020】
【表1】
【0021】
また、硬化促進剤を併用する場合は、エポキシ樹脂Pgに対して硬化促進剤を1〜20g配合すればよい。
【0022】
(C)成分であるエポキシ基を有する反応性シリコーンオイルとは、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部をエポキシ基を含有する官能基で置換したシリコーンオイルである。例えば、下記式(1)、(2)または(3)で表される。
(以下余白)
【0023】
【化1】
【0024】
式(1)、(2)および(3)中、Xはエポキシ基含有基、例えば、下記式(4)、(5)、(6)または(7)を示し、mは5〜10000の整数であり、nは2〜100の整数である。
(以下余白)
【0025】
【化2】
【0026】
上述のエポキシ基を有する反応性シリコーンオイル中、下記式(8)および(9)のシリコーンオイルが好ましい。
【0027】
【化3】
【0028】
式(8)および(9)中、mは5〜10000の整数であり、nは2〜100の整数である。
【0029】
エポキシ基を有する反応性シリコーンオイルは、リニア構造を有する油状物質であるが、(D)成分のトリアジンチオールと反応することにより三次元網状構造を呈して固化する。この三次元網状構造体は、本発明の潤滑塗料により形成された合成樹脂被膜の靱性を向上させるとともに、(E)成分の非反応性シリコーンオイルの保持体としての役割を果たす。
【0030】
(D)成分であるトリアジンチオールは、下記式(10)で表される。
【0031】
【化4】
【0032】
式(10)中、Aは、メルカプト基−SH、ジブチルアミノ基−N(C4H9)2 、またはアニリノ基−NHC6H5である。
【0033】
このトリアジンチオールは、前述のように(C)成分であるエポキシ基を有する反応性シリコーンオイルの架橋剤としての役割をもち、エポキシ基を有する反応性シリコーンオイルを三次元網目構造化させる。
【0034】
また、トリアジンチオールは、従来、特にゴムや塩化ビニルの架橋剤として、金属とゴムとの接着剤として、そして金属の表面処理剤としても用いられている。きわめて反応性に富み、本発明においては、合成樹脂被膜を形成した場合に、エポキシ樹脂とも反応して前記エポキシ基を有するシリコーンオイルの三次元網目構造体としっかり結合させるとともに、下地表面とも反応して下地と被膜との接着強度を向上させる役割をも果たしているものと考えられる。
【0035】
(C)成分のエポキシ基を有する反応性シリコーンオイルに対する(D)成分のトリアジンチオールの配合割合は、(C)成分を架橋して三次元網目構造化するのに必要な量以上であればよく、好ましくは(D)成分配合重量/(C)成分配合重量=0.03〜1である。
【0036】
(C)成分と(D)成分の配合量は、(A)成分であるエポキシ樹脂と(B)成分である硬化剤との和を100重量部として、(C)成分と(D)成分との配合量の和が、2〜20重量部、好ましくは、3〜10重量部である。配合割合が2重量部未満の場合は、配合効果が得られず、20重量部を超える場合は、合成樹脂被膜の機械的強度の低下が著しい。
【0037】
(E)成分である非反応性シリコーンオイルとは、ジメチルシリコーンオイルおよびジメチルポリシロキサンのメチル基の一部をポリエーテル基、フェニル基、アルキル基、アラルキル基、フッ素化アルキル基等で置換したシリコーンオイルであり、粘度(25℃)が100〜50000cSt、好ましくは500〜10000cStのものが使用される。
【0038】
(E)成分の配合量は、(A)成分であるエポキシ樹脂と(B)成分である硬化剤との和を100重量部として、2〜10重量部、好ましくは3〜7重量部である。2重量部未満の場合は、摺動特性の改善効果が得られず、10重量部を超える場合は、合成樹脂被膜の機械的強度が著しく低下する。
【0039】
上記(A)乃至(E)成分に加えて、必要に応じて無機および有機充填材粉末を配合することができる。無機および有機充填材粉末としては、黒鉛、窒化ホウ素等の無機質粉末、フッ素樹脂等の有機質粉末を例として挙げることができ、その配合量は、配合効果の観点から2重量部以上、そして塗膜形成の作業性等の観点から10重量部以下とする。
【0040】
潤滑塗料の調製に用いる溶剤としては、有機溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等のアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらの溶剤は単独あるいは混合して使用される。
【0041】
塗料の濃度はその取扱いの観点から、固形分30〜40重量%とすることが好ましい。この場合の粘度は常温で概ね100〜200cSt程度である。
【0042】
本発明の潤滑塗料の適用は、従来普通に行われている吹き付けなどの塗膜形成手段を採ることができる。
【0043】
塗膜形成に供される下地材料が金属である場合は、通常の前処理を行っておく。合成樹脂やセラミックスのような材料の場合は、被着面を平滑にし、かつ清浄にしておく。
【0044】
塗膜形成後の硬化処理条件は、どのような硬化剤を用いるかで様々な条件を採りうる。一例として、脂環族アミンを硬化剤として用いた場合を挙げると、塗膜形成後、自然乾燥によるか80℃で30分程予備乾燥を行って溶剤を飛ばし、次いで、180℃で30分加熱焼付けを行うと所望の硬化被膜が得られる。
【0045】
固形分33重量%の潤滑塗料を用い、鋼板上に吹き付けを行い、上述した条件で焼付け硬化を行って得た被膜の厚さは約30μmであった。固形分含有量を減じて吹き付けを行えば、さらに薄い被膜厚さのものが得られ、また、重ね塗りを行うことによって、より厚い被膜厚さのものを得ることができる。
【0046】
このようにして、被膜厚さ5〜100μmのものが容易に得られるが、潤滑被膜としては10〜50μm、特に20〜40μm程度のものが望ましい。
【0047】
このようにして得られた被膜は、下地と強固に結びついており、ゴバン目試験においては被膜の剥離は認められなかった。
【0048】
また、被膜の接着強度を圧縮剪断強さを測定することによって評価した結果は、30〜100kgf/cm2 であり、通常この種の摺動を目的とした用途において、圧縮剪断強さとして20〜30kgf/cm2 であれば問題ないと言われている範囲を大きく上回るものであった。
【0049】
これは、本発明による潤滑塗料が下地表面に塗着され、予備乾燥および硬化処理の過程で、先ずトリアジンチオールによる下地との反応が生じ、さらにエポキシ樹脂成分がシリコーン成分に優先してこのトリアジンチオールの反応面に移行して接着が行われる結果と考えられる。
【0050】
したがって、三次元網状構造化したシリコーン成分や非反応性シリコーンオイルは被膜の表面側すなわちすべり面側に多く分布するという好ましい態様の被膜が得られる。
【0051】
また、三次元網状構造化したシリコーン成分は、非反応性シリコーンオイルの保持体としての機能を有するため、非反応性シリコーンオイルの摺動面へのブリードアウトが適度に抑えられるので、長期間にわたって良好な摺動特性を保持できる。
【0052】
本発明の潤滑塗料は、軸受や橋梁構築物あるいは建物などに使用される支承など、すべりを必要とする部材に被膜として適用され、優れた低摩擦、耐摩耗性を有するすべり面を形成する。
【0053】
これは、すべり合う二つの部材のいずれの側のすべり面に適用してもよい。すなわち、軸受側のすべり面、支承などにおいてはベアリングプレート側のすべり面に施されてもよく、これに相対する相手材、すなわち軸受においては軸または摺動子側、支承においては上沓または下沓のすべり面に施されてもよい。
【0054】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。なお、本発明の潤滑塗料により形成された被膜の摺動特性は以下の方法により行った。
【0055】
往復摺動試験:表2に記載の条件下で摩擦係数および摩耗量を測定した。
【0056】
【表2】
すべり速度:20cm/sec
荷重 :200kgf/cm2
ストローク:220mm
サイクル数:1000サイクル
相手材 :ガラス繊維粉末として、直径10μm、平均長さ63μmの旭ファイバーグラス社製「MF06JB1−20(商品名)」15重量%、ポリイミド樹脂粉末として、Lenzing社製「P84(商品名)」2重量%、残部三井・デュポンフロロケミカル社製四フッ化エチレン樹脂「テフロン7AJ(商品名)」からなる樹脂組成物の成形物。直径10mm、高さ14mmのロッド状のものの端面をすべり面とした。
【0057】
(実施例1)
エポキシ樹脂として、エポキシ当量190の油化シェルエポキシ社製「エピコート828(商品名)」76重量部、硬化剤として、変性脂環族アミン系の油化シェルエポキシ社製「エピキュア113(商品名)」24重量部、エポキシ基を有する反応性シリコーンオイルとして、側鎖に脂環式エポキシ基を有する式(9)に相当するエポキシ当量3600の信越化学工業社製「KF−102(商品名)」4.8重量部、トリアジンチオールとして、三協化成社製の2−ジブチルアミノ−4,6−ジチオール−s−トリアジン「ジスネットDB(商品名)」0.2重量部および非反応性シリコーンオイルとして、粘度5000cStの信越化学工業社製「KF96(商品名)」5重量部を、これら成分全体の含有量が33重量%となるように、有機溶剤のメチルエチルケトンに溶解して潤滑塗料を得た。
【0058】
幅40mm、長さ280mm、厚さ10mmのプレート状のステンレス鋼板SUS304を下地とし、ショットブラスト、脱脂処理を施した面に上記潤滑塗料を吹き付け、80℃で30分間予備乾燥して溶剤を飛ばした後、180℃で30分間焼付け処理を行い、被膜厚さ30μmの摺動部材試験片を得た。評価試験結果を表3に示す。
【0059】
(実施例2〜11、比較例)
実施例1において、表3〜5に示すように組成を変更した以外は、実施例1と同様にして摺動部材試験片を得た。ただし、実施例9においては、硬化剤として酸無水物のヘキサヒドロ無水フタル酸を用い、さらに硬化促進剤として3級アミンのベンジルジメチルアミンを用いた。そしてこの場合、80℃で30分間予備乾燥後、200℃で30分間焼付け処理を行った。各試験片の評価結果を表3〜5に示す。
【0060】
表中、KF−101は、側鎖にエポキシ基を有する式(8)に相当するエポキシ当量350の信越化学工業社製の反応性シリコーンオイルを、SH510は、粘度500cStの東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のメチルフェニルシリコーンオイルを、PTFEは四フッ化エチレン樹脂を示す。
(以下余白)
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
以上の結果より、本発明の潤滑塗料から得られる被膜は、比較例に比べて、摩擦係数が低く、摩耗量も少ないものであることがわかる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、下地と一体となってその表面を形成し、優れた摺動特性を有した合成樹脂被膜を形成する潤滑塗料を提供することができる。
Claims (4)
- エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、エポキシ基を有する反応性シリコーンオイル(C)、トリアジンチオール(D)および非反応性シリコーンオイル(E)からなる樹脂組成物が有機溶剤に溶解されてなる熱硬化性合成樹脂潤滑被膜形成に用いられる潤滑塗料であって、(A)成分と(B)成分との和を100重量部としたとき、(C)成分と(D)成分の和が2〜20重量部および(E)成分が2〜10重量部である潤滑塗料。
- エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との配合重量割合が、(A)成分のエポキシ当量をPとしたとき、(A)成分:(B)成分=P:10〜P:300である、請求項1に記載の潤滑塗料。
- エポキシ基を有する反応性シリコーンオイル(C)とトリアジンチオール(D)との配合重量割合が、(D)成分/(C)成分=0.03〜1である、請求項1または2に記載の潤滑塗料。
- (A)乃至(E)成分に加えて、さらに、無機および有機充填材粉末(F)が、(A)成分と(B)成分との和を100重量部としたとき、2〜10重量部配合されてなる、請求項1、2または3に記載の潤滑塗料。
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