JP3998774B2 - 化学増幅型ネガ型レジスト組成物およびネガ型レジストパターンの形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学増幅型ネガ型レジスト組成物、さらに詳しくは、高感度、高解像性で、種々の膜厚でもパターニングが可能で、耐熱性に優れるとともに、プロファイル形状の優れたレジストパターンを形成できる化学増幅型ネガ型レジスト組成物、および該化学増幅型ネガ型レジスト組成物を用いたネガ型レジストパターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子や液晶表示素子等の電子部品の製造においては微細加工化が進み使用されるレジストにも高い解像性や感度、良好なプロファイル形状のレジストパターンの形成などが要求されるようになってきた。かかるレジストとして放射線の照射により生成する酸の触媒作用で、現像液に対する溶解性を変化させる反応を起こす化学増幅型レジストが注目され多数の化学増幅型ネガ型レジスト組成物が提案されている。前記化学増幅型ネガ型レジスト組成物を用いた電子部品の製造にはホトリソグラフイーが用いられるが、このホトリソグラフイーにあっては化学増幅型ネガ型レジスト組成物をシリコンウエーハ等の基板上に塗布し、それをマスクパターンを介して、放射線を照射し、現像してレジストパターンを形成したのち、前記レジストパターンを保護膜としてエッチングを行っている。ところが、前記ホトリソグラフイーで使用される放射線が紫外線、deepUV、KrFやArF等のエキシマレーザ光等の短波長化傾向にあり、更には電子線、X線の利用も本格的に検討されるようになってきている。前記短波長の放射線に感応し良好なレジストパターンを形成するには化学増幅型ネガ型レジスト組成物を構成する各成分が前記放射線の吸収の少ないことが肝要で、従来使用されていたノボラック系樹脂ではその放射線の吸収の大きさから前記用途の樹脂成分としては使用できず放射線吸収の小さいポリビニルフェノール系ポリマーが使用されるようになった。かかるポリビニルフェノール系ポリマーを樹脂成分とする化学増幅型ネガ型レジスト組成物が特開平1−293339号公報、特開平2−15270号公報、特開平4−163552号公報、特開平6−67433号公報、特開平7−311463号公報等で提案されているが、いずれの公報記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物も解像性に劣る欠点があった。そこで、それを改善する化学増幅型ネガ型レジスト組成物としてアルカリ可溶性樹脂を4−ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体としそのスチレン含有量をモル比が5〜20%、その重量平均分子量を6000〜25000とした化学増幅型ネガ型レジスト組成物が特開平7−238196号公報で提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物でレジストパターンを形成するとコントラストが劣るという問題点があった。その上、上記公報記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物はいずれもレジストの膜厚が2.0μm以上、特に3.0μm以上となるとレジストパターン同士に橋架けが起こるいわゆるマイクロブリッジ現象が起こったり、あるいはパターン上部に丸みが発生する等の欠点があった。
【0004】
こうした現状に鑑み、本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、化学増幅型ネガ型レジスト組成物の樹脂成分を23℃における2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が特定の範囲る樹脂成分とすると、紫外線、deepUV、KrFやArF等のエキシマレーザ光、電子線に対して高感度、高解像性で、種々の膜厚でもパターニングが可能で、しかも耐熱性に優れるとともに、プロファイル形状が優れたレジストパターンが形成できる化学増幅型ネガ型レジスト組成物が得られることを見出し、本発明を完成したものである。すなわち
【0005】
本発明は、種々の膜厚においても、放射線に高感度、高解像性で、耐熱性に優れるとともに、プロファイル形状に優れたレジストパターンを形成できる化学増幅型ネガ型レジスト組成物を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、上記化学増幅型ネガ型レジスト組成物を用いたネガ型レジストパターンの形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)放射線の照射により酸を発生する化合物、および(C)酸の存在下で架橋化反応する化合物を含有する化学増幅型ネガ型レジスト組成物において、前記(A)成分が、(イ)少なくともヒドロキシスチレン構成単位を有し、重量平均分子量(MW)が2000〜4000、重量平均分子量と数平均分子量(MN)との比(MW/MN)が1.0〜2.0の範囲にある共重合体単独、または前記(イ)成分と(ロ)ヒドロキシスチレン単独重合体との混合物からなり、かつ前記(A)成分の23℃における2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が50〜300nm/sの範囲にあることを特徴とする化学増幅型ネガ型レジスト組成物、およびそれを用いたネガ型レジストパターンの形成方法に係る。
【0008】
上述のとおり(A)成分を構成する(イ)成分は、少なくともヒドロキシスチレン構成単位を有する共重合体であり、該共重合体はヒドロキシスチレン、α−アルキルヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン構成単位と前記ヒドロキシスチレン構成単位以外の構成単位からなる。前記ヒドロキシスチレン構成単位以外の構成単位を形成するモノマーとして好ましいものは、ヒドロキシスチレンのヒドロキシル基を他の基で置換したモノマー又はα、β−不飽和二重結合を有するモノマーなどを挙げることができる。前記ヒドロキシスチレンのヒドロキシル基を置換する他の基としては、酸により解離しないアルカリ溶解抑制基が使用される。前記アルカリ溶解抑制基としては、置換又は未置換のベンゼンスルホニルオキシ基、置換又は未置換のナフタレンスルホニルオキシ基、置換又は未置換のベンゼンカルボニルオキシ基および置換又は未置換のナフタレンカルボニルオキシ基などが挙げられ、置換又は未置換のベンゼンスルホニルオキシ基の具体例としては、ベンゼンスルホニルオキシ基、クロロベンゼンスルホニルオキシ基、メチルベンゼンスルホニルオキシ基、エチルベンゼンスルホニルオキシ基、プロピルベンゼンスルホニルオキシ基、メトキシベンゼンスルホニルオキシ基、エトキシベンゼンスルホニルオキシ基、プロポキシベンゼンスルホニルオキシ基、アセトアミノベンゼンスルホニルオキシ基などが、また置換又は未置換のナフタレンスルホニルオキシ基の具体例として、ナフタレンスルホニルオキシ基、クロロナフタレンスルホニルオキシ基、メチルナフタレンスルホニルオキシ基、エチルナフタレンスルホニルオキシ基、プロピルナフタレンスルホニルオキシ基、メトキシナフタレンスルホニルオキシ基、エトキシナフタレンスルホニルオキシ基、プロポキシナフタレンスルホニルオキシ基、アセトアミノナフタレンスルホニルオキシ基などが好ましい。さらに、置換又は未置換のベンゼンカルボニルオキシ基および置換又は未置換のナフタレンカルボニルオキシ基としては上記置換又は未置換のスルホニルオキシ基をカルボニルオキシ基に置き換えたものが挙げられる。中でも、アセトアミノベンゼンスルホニルオキシ基又はアセトアミノナフタレンスルホニルオキシ基が好ましい。
【0009】
また、α、β−不飽和二重結合を有するモノマーとしては、具体的にスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸フェニル等のアクリル酸モノマー、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等の酢酸ビニル系モノマーなどが挙げられるが、中でもスチレンが好ましい。ヒドロキシスチレンとスチレンとから得られた例えばポリ(4−ヒドロキシスチレン−スチレン)、ポリ(4−ヒドロキシスチレン−メチルスチレン)共重合体などは高解像性を示すとともに耐熱性も高く好適である。
【0010】
上記(イ)成分は重量平均分子量が2000〜4000、好ましくは2300〜3000、重量平均分子量(MW)に対する数平均分子量の(MN)の比(以下分子量分布という)が1.0〜2.0、好ましくは1.1〜1.5の範囲がよい。重量平均分子量が2000未満では、現像特性、耐熱性等に難点があり、また重量平均分子量が4000を超えると解像性が著しく低下する。さらに、分子量分布が2.0を超えるとパターニングが不安定になり、架橋化速度、架橋化度にバラツキを生じ、また現像ムラが起きやすくなる。
【0011】
(イ)成分と混合して(A)成分を構成する(ロ)成分としては、p−ヒドロキシスチレンなどのヒドロキシスチレン、α−メチルヒドロキシスチレン、α−エチルヒドロキシスチレンなどのα−アルキルヒドロキシスチレンモノマーのラジカル重合体またはイオン重合体が挙げられ、特にポリ(p−ヒドロキシスチレン)が好ましい。前記(ロ)成分は架橋化速度、架橋化度のバランスを整えるため、また現像ムラを生じさせないため重量平均分子量を2000〜4000、分子量分布が1.0〜2.0の範囲とするのがよい。
【0012】
上記(イ)成分は、その23℃における2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度は50〜200nm/s、好ましくは60〜150nm/s、さらに好ましくは80〜100nm/sにあることが必要である。溶解速度が50nm/s未満ではコントラストの低下が著しく、また溶解速度が200nm/sを超えると光硬化部の膜減りが生じ好ましくない。前記23℃における2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度(以下「溶解速度」という)とは、アルカリ可溶性樹脂を溶媒に溶解したのちシリコンウエーハ上に約1.0μmの膜厚に塗布し、110℃で90秒間加熱したのち、23℃の2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中に浸したときの単位時間(秒)当たりの膜減り量(nm)をいう。
【0013】
(A)成分の溶解速度を50〜200nm/sに調整するには(イ)成分のヒドロキシスチレン構成単位とヒドロキシスチレン構成単位以外の構成単位とをモル比で80:20〜90:10、好ましくは80:20〜85:15の範囲とするか、または前記(イ)成分と(ロ)成分とを混合するのがよい。しかし、溶解速度を200〜300nm/sに調整する場合には前記(イ)成分と(ロ)成分とを混合する必要がある。特に、3.0μm以上の膜厚のレジストパターンを形成する場合には(ロ)成分を混合する混合系が、感度、形状特性に優れた化学増幅型ネガ型レジスト組成物を調製でき好適である。なお、3.0μm以上の膜厚のレジストパターンを形成する場合においては、(イ)成分と(ロ)成分とを混合した(A)成分の溶解速度が50〜300nm/s、好ましくは150〜280nm/s、さらに好ましくは200〜250nm/sになるように調整することがよく、それには(イ)成分と(ロ)成分との混合割合を重量比で2:1〜1:2、好ましくは約1:1の範囲で混合するのがよい。
【0014】
本発明の(B)成分としては、
【0019】
一般式化7
【0020】
【化7】
(式中、R 11 は、一価〜三価の有機基、R 12 は置換、未置換の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基または芳香族性化合物基を示し、nは1〜3の自然数を示す。)
で表わされる化合物、中でも一般式化8
【0021】
【化8】
(式中、R 13 、R 14 は、それぞれ置換、未置換の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基または芳香族性化合物基を表すが、R 13 、R14が同時に芳香族性化合物基であることはない。)
で表わされる化合物および一般式化9
【0022】
【化9】
(式中、R 15 は二価の有機基、R 16 は置換、未置換の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基または芳香族性化合物基である。)
で表わされる化合物が好ましい。ここで芳香族性化合物基とは、芳香族化合物に特有な物理的・化学的性質を示す化合物の基を指し、例えばフェニル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基や、フリル基、チエニル基などの複素環基が挙げられる。これらは環上に適当な置換基、例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基などを1個以上有していてもよい。また、R 1 6 は炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
【0023】
前記酸発生剤は1種を用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。前記一般式化7で表わされる酸発生剤は昇華性が低く、被膜の乾燥工程、加熱工程等において被膜から昇華して装置内壁を汚染することがない。中でも一般式化8で表わされる酸発生剤はi線(365nm)用酸発生剤として好ましく、特にR 13 が芳香族性化合物基、R 1 4 が低級アルキル基の化合物が好ましい。上記一般式化8で表わされる酸発生剤としては、R 13 がフェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基のいずれかであって、R 14 がメチル基の化合物、具体的にはα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メチルフェニル)アセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メトキシフェニル)アセトニトリルが好適である。特にα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−フェニルアセトニトリルは透明性に優れ、3.0〜6.0μmの厚膜用として好ましい。一般式化9で表わされる酸発生剤としては、具体的には下記化学式化10〜17
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】
【化14】
【0029】
【化15】
【0030】
【化16】
【0031】
【化17】
で表わされる酸発生剤が挙げられる。上記一般式化8で表わされる酸発生剤は、i線に対する吸収性が強いところから、(イ)成分と(ロ)成分の混合物を用い3.0〜6.0μmの厚膜用のレジスト組成物に含有する時には一般式化9で表わされる酸発生剤と併用するのがよい。特にα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メトキシフェニル)アセトニトリルと化学式化14で表わされる酸発生剤との組合せが好適である。
【0033】
上記酸発生剤は、(A)成分100重量部に対し0.5〜30重量部の割合で配合するのがよい。酸発生剤が0.5重量部未満の配合では効果が不十分であり、また30重量部を超えると、溶剤に溶け切れない上に、樹脂成分との混和性が悪くなる。
【0034】
本発明の(C)酸の存在下で架橋化反応する化合物(以下架橋剤という)としては、従来公知の架橋剤が使用でき、特に制限はないが、例えばヒドロキシル基またはアルコキシル基を有するアミノ樹脂、具体的にはメトキシメチル化メラミン樹脂、エトキシメチル化メラミン樹脂、プロポキシメチル化メラミン樹脂、ブトキシメチル化メラミン樹脂、メトキシメチル尿素樹脂、市販品のニカラックMX−750、ニカラックMX−706、ニカラックMX−101、ニカラックMX−032、ニカラックMX−708、ニカラックMX−40、ニカラックMX−31、ニカラックMS−11、ニカラックMW−22及びニカラックMW−30(以上アルコキシメチル化メラミン樹脂の商品名、三和ケミカル社製)、ニカラックMX−290及びニカラックN−2009(以上アルコキシメチル化尿素樹脂の商品名、三和ケミカル社製)、アルコキシル基を有するベンゼン化合物、ヒドロキシル基またはアルコキシル基を有するフェノール化合物、特開平4−215668号公報、特開平7−306531号公報などに記載の化合物を挙げることができる。
【0035】
上記架橋剤は、(A)成分100重量部に対し3〜70重量部割合で配合するのがよい。架橋剤が3重量部未満ではレジストパターンの形成が不良となり、また70重量部を超えると現像性が低下する。
【0036】
上記に加えて、本発明の化学増幅型ネガ型レジスト組成物は、経時安定性、露光余裕度の向上のため有機カルボン酸類やアミン類を含有するのがよい。前記有機カルボン酸類としては飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、オキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ケトカルボン酸、芳香族カルボン酸などいずれも使用でき、特に限定されるものではなく、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などの1価或は多価脂肪族カルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,1−シクロヘキシルジ酢酸などの脂環式カルボン酸、アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、3−ブテン酸、メタクリル酸、4−ペンテン酸、プロピオル酸、2−ブチン酸、マレイン酸、フマル酸、アセチレンカルボン酸などの不飽和脂肪族カルボン酸、オキシ酢酸などのオキシカルボン酸、メトキシ酢酸、エトキシ酢酸などのアルコキシカルボン酸、ピルビン酸などのケトカルボン酸などが挙げることができるが、特に脂環式カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸、及び芳香族カルボン酸が好ましく使用される。
【0037】
上記芳香族カルボン酸類としては、例えばp−ヒドロキシ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−3−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、2−ニトロ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2ービニル安息香酸、4ービニル安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フェノール化合物として市販されているSAX(商品名、三井東圧化学社製)などを挙げることができ、特にo−位に置換基を有する安息香酸、例えばo−ヒドロキシ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、フタル酸などが好適である。
【0038】
上記芳香族カルボン酸類は、それぞれ単独でも2種以上を混合して用いてもよい。これらの芳香族カルボン酸類の配合により断面形状の良好なレジストパターンを形成することができるとともに、露光後の引置き経時安定性が優れ、露光後に施される加熱処理までの時間の長さに関係なく、良好なプロファイル形状が形成できる。
【0039】
上記有機カルボン酸類の配合量としては、(A)成分100重量部に対して0.01〜3重量部の範囲で用いられる。有機カルボン酸類の配合量が0.01重量部未満では添加することの効果が十分に得られず、また3重量部を超えると現像性が低下するため好ましくない。
【0040】
また、アミン類としては脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミンなどが挙げられる。前記脂肪族アミンとしては、具体的にメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、トリペンチルアミンなどが挙げられる。また、芳香族アミンとしては、具体的にベンジルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、p−メチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ジフェニルアミン、ジ−p−トリルアミンなどが挙げられる。さらに複素環式アミンとしては、具体的にピリジン、o−メチルピリジン、o−エチルピリジン、2,3−ジメチルピリジン、4−エチル−2−メチルピリジン、3−エチル−4−メチルピリジン等が挙げられるが、特に強塩基性で低沸点のアミン、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリペンチルアミンのような脂肪族アミンが好ましく、中でもトリエチルアミン、トリペンチルアミンが好適である。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0041】
上記アミン類の配合量としては、(A)成分100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲が用いられる。
【0042】
さらに、本発明の化学増幅型ネガ型レジスト組成物には吸光剤を配合するのがよい。前記吸光剤としては、例えば1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタンなどのポリフェノール類のナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸エステル、ベンゾフエノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,4,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ−2’,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、5−アミノ−3−メチル−1−フェニル−4−(4−ヒドロキシフェニルアゾ)ピラゾール、4−ジメチルアミノ−4’−ヒドロキシアゾベンゼン、4−ジエチルアミノ−4’−エトキシアゾベンゼン、4−ジエチルアミノアゾベンゼン、クルクミンなどを挙げることができ、これらの吸光剤を配合することにより感度及び解像性の向上効果が図られるとともに、断面形状が波状とならず矩形のレジストパターンを形成することができ好ましく使用できる。この吸光剤の配合量としては上記した(A)成分100重量部に対して0.5〜15重量部の範囲で配合できる。前記配合量が15重量部を超えるとプロファイル形状が悪くなるため好ましくない。さらに所望により混和性のある添加物、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、安定剤、着色剤、界面活性剤、ヘキサメチルジシラザン等のカップリング剤などを組成物の性能を損なわない範囲で添加含有させることができる。
【0043】
本発明の化学増幅型ネガ型レジスト組成物は、その使用に当たっては上記各成分を溶剤に溶解した溶液の形で用いるのが好ましい。このような溶剤の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフエニルエーテルなどの多価アルコール類及びそれらの誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;及び乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0044】
本発明の化学増幅型ネガ型レジスト組成物の使用方法としては、上記溶剤に溶解し調製した塗布液をシリコンウエーハやガラス基板などの基板上に従来から知られているスピンナー塗布法などの塗布方法で0.5〜6.0μm程度に塗布し、それを乾燥してレジスト層を形成し、次いで、所望のマスクパターンを介して縮小投影露光装置などにより、紫外線、deepーUV、エキシマレーザー光を照射するか、或は電子線により描画し加熱したのち、現像液、例えば1〜10重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液のようなアルカリ性水溶液に浸漬するなどして未露光部を選択的に溶解除去してレジストパターンを形成する方法が挙げられる。特に3.0μmを超えない膜厚のレジスト層を形成する場合には(A)成分として溶解速度が50〜200nm/s、好ましくは80〜100nm/sの(イ)成分を単独で用いることが好ましいが、イオンプランテーション(ion plantation)と呼ばれるシリコン基板やポリシリコンにリンやホウ素などのイオンを注入する方法においてマスクとして用いる3.0〜6.0μmの比較的厚膜のレジスト層を形成するには(A)成分としては(イ)成分と(ロ)成分とを混合し、溶解速度が50〜300nm/s、好ましくは150〜280nm/s、さらに好ましくは200〜250nm/sとなるように調整したものを用いるのがよい。
【0045】
【発明の実施の形態】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0046】
実施例1
重量平均分子量2500、分子量分布(Mw/Mn)1.13のポリp−ヒドロキシスチレン(溶解速度=400nm/s)50重量部と重量平均分子量2500、分子量分布(Mw/Mn)1.23のp−ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体[p−ヒドロキシスチレン:スチレン=85:15(モル比)、溶解速度=98nm/s]50重量部とからなるアルカリ可溶性樹脂成分(溶解速度=230nm/s)、メラミン樹脂のニカラックMW−100LM(三和ケミカル社製)15重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート180重量部に溶解し、これに酸発生剤であるα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−フェニルアセトニトリル15重量部を溶解してネガ型レジスト溶液を調製した。
【0047】
次に上記調製したレジスト溶液をスピンナーを用いてシリコンウエ−ハ上に塗布し、ホットプレート上で110℃にて90秒間乾燥して膜厚3.0μmのレジスト層を形成した。このレジスト層に縮小投影露光装置NSR−2005i10D(ニコン社製)を用い、i線を選択的に照射したのち、110℃で90秒間加熱し、その後2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃にて65秒間現像処理し、30秒間水洗後乾燥した。感度は150ms、解像性は0.6μmであった。なお、感度は、現像後に1.0μmのラインアンドスペースのレジストパターンが1:1で形成される露光時間とし、ミリ秒(ms)単位で表わした値、また解像性は、1.0μmのマスクパターンを再現する露光量における限界解像度で表わした値である。
【0048】
得られた1.0μmのレジストパターンの断面形状をSEM(走査型電子顕微鏡)写真で観察したところ、基板に対して垂直な矩形なレジストパターンであった。また、側面の波打ち現象もみられず、パターン上部がやや丸みを帯びるにとどまる良好なレジストパターンであった。
【0049】
実施例2
実施例1の成分にさらに2,3,3’,4,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン3.0重量部を加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート180重量部を247重量部とした以外実施例1と同様にして膜厚3.0μmのレジスト層を基板上に形成した。
【0050】
上記レジスト層について実施例1と同様にしてレジストパターンを形成したところ、感度は280ms、解像性は0.6μmであった。得られた1.0μmのレジストパターンの断面形状を観察したところ、基板に対して垂直な矩形のレジストパターンが得られた。該レジストパターンには側面の波打ち現象もみられず、パターン上部の丸みもみれない形状の良好なものであった。
【0051】
実施例3
重量平均分子量2500、分子量分布(Mw/Mn)1.13のポリp−ヒドロキシスチレン(溶解速度=400nm/s)60重量部と重量平均分子量2500、分子量分布(Mw/Mn)1.23のp−ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体[p−ヒドロキシスチレン:スチレン=85:15(モル比)、溶解速度=98nm/s]40重量部とからなるアルカリ可溶性樹脂成分(溶解速度=250nm/s)、メラミン樹脂のニカラックMW−100LM(三和ケミカル社製)10重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート226重量部に溶解し、これに酸発生剤であるα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メトキシフェニル)アセトニトリル0.5重量部および化学式化18
【0052】
【化18】
で表わされる化合物3.0重量部を溶解してネガ型レジスト溶液を調製した。
【0053】
上記調製したネガ型レジスト溶液を用いて膜厚を4.0μmに代えた以外は実施例1と同様にしてレジスト層を基板上に形成した。このレジスト層について実施例1と同様にしてレジストパターンを形成したところ、感度は280ms、解像性は0.6μmであった。得られた1.0μmのレジストパターンの断面形状をSEM写真で観察したところ、基板に対して垂直な矩形のレジスパターンであった。また、側面の波打ち現象もみられず、パターン上部がやや丸みを帯びるにとどまる良好なレジストパターンであった。
【0054】
実施例4
実施例1において、酸発生剤のα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−フェニルアセトニトリル15重量部を、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メチルフェニル)アセトニトリル15重量部、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メトキシフェニル)アセトニトリル5重量部に、またプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート247重量部を414重量部とした以外実施例1と同様にして膜厚1.2μmのレジスト層を基板上に形成した。
【0055】
上記レジスト層について実施例1と同様にしてレジストパターンを形成したところ、感度は90ms、解像性は0.4μmであった。得られた1.0μmのレジストパターンの断面形状を観察したところ、基板に対して垂直な矩形なレジストパターンであった。また、側面の波打ち現象もみられず、パターン上部の丸みもみれない形状の良好なレジストパターンであった。
【0056】
比較例1
実施例1において、重量平均分子量2500、分子量分布(Mw/Mn)1.23のp−ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体[p−ヒドロキシスチレン:スチレン=85:15(モル比)、溶解速度=98nm/s]50重量部を重量平均分子量2500、分子量分布(Mw/Mn)1.13のポリp−ヒドロキシスチレン(溶解速度=400nm/s)50重量部に代えた以外実施例1と同様にしてレジストパターンを形成した。感度は300ms、解像性は0.6μmであった。
【0057】
得られた1.0μmのレジストパターンの断面形状をSEM写真で観察したところ、パターンとパターンとの間にマイクロブリッジが多数発生し、パターンの上部が大きく膜減った形状のパターンであった。
【0058】
比較例2
実施例1における両重合体100重量部を重量平均分子量5000、分子量分布(Mw/Mn)1.23のp−ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体[p−ヒドロキシスチレン:スチレン=85:15(モル比)、溶解速度=17nm/s]100重量部に代えた以外実施例1と同様にしてレジストパターンを形成した。感度は200ms、解像性は0.75μmであった。
【0059】
得られた1.0μmのレジストパターンの断面形状をSEM写真で観察したところ、テーパー形状で、コントラストが著しく悪いものであった。
【0060】
実施例5
重量平均分子量2500、分子量分布(Mw/Mn)1.23のp−ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体[p−ヒドロキシスチレン:スチレン=85:15(モル比)、溶解速度=98nm/s]100重量部、メラミン樹脂のニカラックMW−30(三和ケミカル社製)15重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート617重量部に溶解し、これに酸発生剤であるα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−フェニルアセトニトリル3.5重量部を、さらに2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン2.0重量部、トリペンチルアミン0.5重量部、o−オキシ安息香酸0.5重量部を溶解してネガ型レジスト溶液を調製した。
【0061】
調製されたレジスト溶液をスピンナーを用いてシリコンウエ−ハ上に塗布し、ホットプレート上で100℃にて90秒間乾燥して膜厚0.8μmのレジスト層を形成した。このレジスト層に縮小投影露光装置NSR−2005i10D(ニコン社製)を用い、i線を選択的に照射したのち、120℃で90秒間加熱し、その後2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃にて65秒間現像処理し、30秒間水洗後乾燥した。感度は200ms、解像性は0.32μmであった。なお、感度は、現像後に0.5μmのラインアンドスペースのレジストパターンが1:1で形成される露光時間とし、ミリ秒(ms)単位で表わした値、また解像性は、0.5μmのマスクパターンを再現する露光量における限界解像度で表わした値である。
【0062】
得られた0.5μmのレジストパターンの断面形状をSEM写真で観察したところ、基板に対して垂直な矩形のレジストパターンであった。また、パターン上部の先細り現象、側面の波打ち現象はいずれも発生せず、形状の優れたレジストパターンであった。
【0063】
比較例3
実施例5において重量平均分子量2500、分子量分布(Mw/Mn)1.23のp−ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体[p−ヒドロキシスチレン:スチレン=85:15(モル比)、溶解速度=98nm/s]を重量平均分子量3500、分子量分布(Mw/Mn)2.10のポリp−ヒドロキシスチレン(溶解速度=400nm/s)に代えた以外実施例5と同様にしてレジストパターンを形成した。感度は420ms、解像性は0.40μmであった。
【0064】
得られた0.5μmのレジストパターンの断面形状をSEM写真で観察したところ、パターンの上部が大きく膜減って丸みを帯び、パターンの下部は裾を引いた形状のパターンであった。
【0065】
比較例4
実施例5において重量平均分子量2500、分子量分布(Mw/Mn)1.23のp−ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体[p−ヒドロキシスチレン:スチレン=85:15(モル比)、溶解速度=98nm/s]を重量平均分子量1500、分子量分布(Mw/Mn)1.26のp−ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体(p−ヒドロキシスチレン:スチレン=70:30(モル比)、溶解速度=40nm/s)に代えた以外実施例5と同様にしてレジストパターンを形成した。感度は240ms、解像性は0.50μmであった。
【0066】
得られた0.5μmのレジストパターンの断面形状をSEM写真で観察したところ、パターンとパターンの間に現像残りを生じ、コントラストが著しく悪いものであった。
【0067】
比較例5
実施例5において重量平均分子量2500、分子量分布(Mw/Mn)1.23のp−ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体[p−ヒドロキシスチレン:スチレン=85:15(モル比)、溶解速度=98nm/s])を重量平均分子量5000、分子量分布(Mw/Mn)1.23のp−ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体[p−ヒドロキシスチレン:スチレン=85:15(モル比)、溶解速度=17nm/sec]に代えた以外実施例5と同様にしてレジストパターンを形成した。感度は180ms、解像性は0.45μmであった。
【0068】
得られた0.5μmのレジストパターンの断面形状をSEM写真で観察したところ、パターンとパターンの間に現像残りを生じ、コトラストが著しく悪いものであった。
【0072】
【発明の効果】
本発明の化学増幅型ネガ型レジスト組成物は、高感度、高解像性で、耐熱性に優れている上に、プロファイル形状の優れたレジストパターンを形成できるネガ型レジスト組成物である。本発明の化学増幅型ネガ型レジスト組成物を用いることで厚膜のレジストパターンを容易に形成でき、膜厚3.0〜6.0μmのレジストパターンも(イ)成分と(ロ)成分との混合物からなる(A)成分を用いて300〜500nmの活性光線を選択的に照射することでプロファイル形状よく形成できる。
Claims (13)
- (A)アルカリ可溶性樹脂、(B)放射線の照射により酸を発生する化合物、および(C)酸の存在下で架橋化反応する化合物を含有する化学増幅型ネガ型レジスト組成物において、前記(A)成分が、(イ)ヒドロキシスチレン構成単位とスチレン構成単位を有し、重量平均分子量(M W )が2000〜4000、重量平均分子量と数平均分子量(M N )との比(M W /M N )が1.0〜2.0の範囲にある共重合体単独、または前記(イ)成分と(ロ)ヒドロキシスチレン単独重合体との混合物からなり、23℃における2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が50〜300nm/sの範囲で、かつ、前記(B)成分が、一般式化1
基または芳香族性化合物基を表すが、R 1 、R 2 が同時に芳香族性化合物基であることはない。)
で表わされる化合物単独またはそれらの混合物であることを特徴とする化学増幅型ネガ型レジスト組成物。 - (イ)成分のヒドロキシスチレン構成単位とスチレン構成単位とがモル比で80:20〜90:10であることを特徴とする請求項1記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物。
- (イ)成分の23℃における2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が50〜200nm/sであることを特徴とする請求項1又は2記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物。
- (A)アルカリ可溶性樹脂、(B)放射線の照射により酸を発生する化合物、および(C)酸の存在下で架橋化反応する化合物を含有する化学増幅型ネガ型レジスト組成物において、前記(A)成分が、(イ)ヒドロキシスチレン構成単位とスチレン構成単位を有し、重量平均分子量(M W )が2000〜4000、重量平均分子量と数平均分子量(M N )との比(M W /M N )が1.0〜2.0の範囲にある共重合体と(ロ)ヒドロキシスチレン単独重合体との混合物からなり、23℃における2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が50〜300nm/sの範囲で、かつ、前記( B )成分が、一般式化2
飽和炭化水素基または芳香族性化合物基を示し、nは2、3の自然数を示す。) で表わされる化合物単独またはそれらの混合物であることを特徴とする化学増幅型ネガ型レジスト組成物。 - (ロ)成分のM W が2000〜4000、M W /M N が1.0〜2.0であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物。
- (A)成分が(イ)成分と(ロ)成分との重量比で1:2〜2:1の混合物であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物。
- (イ)成分と(ロ)成分の混合物の23℃における2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が150〜280nm/sであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物。
- (B)成分が一般式化3
で表わされる化合物であることを特徴とする請求項4記載の化学増幅型ネガ型レ
ジスト成物。 - (B)成分が一般式化4で表わされる化合物
と一般式化5
で表わされる化合物との混合物であることを特徴とする請求項4記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物。 - (B)成分がα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メトキシフェニル)アセトニトリルと化学式化6
- 請求項1ないし10のいずれか1項記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物の塗布液を基板上に塗布したのち、200〜500nmの活性光線を選択的に照射し、次いでアルカリ水溶液で現像処理することを特徴とするネガ型レジストパターンの形成方法。
- (A)成分が(イ)成分である請求項1記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物の塗布液を基板上に塗布、乾燥した後、3.0μmを超えない膜厚のレジスト層を形成し、次いで200〜500nmの活性光線を選択的に照射し、アルカリ水溶液で現像処理することを特徴とするネガ型レジストパターンの形成方法。
- (A)成分が(イ)成分と(ロ)成分との混合物である請求項1、4ないし10のいずれか1項記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物の塗布液を基板上に塗布、乾燥した後、3.0〜6.0μmの膜厚のレジスト層を形成し、次いで300〜500nmの活性光線を選択的に照射し、アルカリ水溶液で現像処理することを特徴とするネガ型レジストパターンの形成方法。
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