JPH06266111A - 感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法

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JPH06266111A
JPH06266111A JP5079113A JP7911393A JPH06266111A JP H06266111 A JPH06266111 A JP H06266111A JP 5079113 A JP5079113 A JP 5079113A JP 7911393 A JP7911393 A JP 7911393A JP H06266111 A JPH06266111 A JP H06266111A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】レジスト材料として好適に用いられる感光性組
成物であって、短波長の光源に対して高感度、高解像性
であり、且つ膜の状態で相分離を生じることなく、安定
して微細なレジストパターンを得ることの可能な感光性
組成物を提供する。 【構成】アルカリ可溶性重合体のアルカリ可溶性基を、
酸に対して不安定な基によって保護してなる重合体と、
露光により酸を発生する化合物と、イミダゾール化合
物、アラニン化合物、アデニン化合物、及びアデノシン
化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のアミン
化合物と、フェノール化合物とを、必須成分として含有
する感光性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置、特に大規
模集積回路(LSI)の微細加工に用いられる感光性組
成物、及びパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI等の半導体装置の製造では、フォ
トリソグラフィによる微細加工技術が採用されている。
かかる技術は、具体的には、以下の如きプロセスに沿っ
て行われる。即ち、まずシリコン単結晶ウェハ等の基板
上に、例えばスピンコーティング法によってフォトレジ
スト膜を形成する。次いで、このレジスト膜に対して露
光を行った後、現像、リンス等の処理を施してレジスト
パターンを形成する。続いて、レジストパターンを耐エ
ッチングマスクとして露出するウェハ表面をエッチング
することにより微細な幅の線や窓を開孔し、所望のパタ
ーンを形成する。
【0003】LSIの製造工程においては、LSIの高
密度集積化に伴い、リソグラフィ技術において、より微
細なパターン形成の可能な加工技術が求められている。
かかる要望に対して、従来より露光光源の短波長化が試
みられている。その具体的な施策として、KrFエキシ
マレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ
(波長193nm)等のdeepUVを光源とし、更
に、レジスト材料として、露光部が現像液に対して溶解
するような機能を有するポジ型レジストを用いるリソグ
ラフィ技術が検討されている。
【0004】しかしながら、従来のレジスト材料では、
deepUVに対する吸収が過度に大きいため、露光時
において、レジスト膜の表面から離れた部分(例えば、
レジスト膜の基板と接する界面領域)にまでUV光を充
分に到達させることができない。その結果、レジスト膜
の露光部では、全膜厚に亘って露光による化学変化が充
分に起こらず膜厚方向での現像液に対する溶解性が不均
一になる。特に、上述したようなレジスト膜の表面から
離れた部分での溶解性は充分ではなく、現像後に形成さ
れるレジストパターンの断面形状が三角形となる。従っ
て、得られたレジストパターンを基板等に対する耐エッ
チングマスクとして使用する場合、目的の微細なパター
ンを基板等に転写できず問題となっていた。
【0005】このような問題を解決するレジスト材料と
して、化学増幅型と呼ばれるレジストが提案されてい
る。化学増幅型レジストとは、光照射により強酸を発生
する化合物、即ち、光酸発生剤と、発生した酸により疎
水性の基が分解され、親水性の物質に変化する化合物
と、を含有する感光性組成物である。具体的には、H.
Ito、C,G,Wilson、J.M.J.Frec
het,米国特許第4,491,628号(1985)
に、ポリ(p-ヒドロキシスチレン)の水酸基をブトキシ
カルボニル基でブロックしてなるポリマーと、光酸発生
剤としてオニウム塩とを含むポジ型レジストが開示され
ている。また、M.J.O´Brien,J.V.Cr
ivello,SPIE Vol,920,Advan
ces inResist Technology a
nd Processing,p42,(1988)に
は、m-クレゾールノボラック樹脂とナフタレン -2-カル
ボン酸-tert-ブチルエステルと、光酸発生剤としてトリ
フェニルスルホニウム塩を含むポジ型レジストが開示さ
れている。更に、H.Ito,SPIE Vol,92
0,Advances in Resist Tech
nology andProcessing,p33,
(1988)には、2,2-ビス(4-tert- ブトキシカルボ
ニルオキシフェニル)プロパンやポリフタルアルデヒド
と、光酸発生剤としてオニウム塩を含むポジ型レジスト
が開示されている。
【0006】これら化学増幅型レジストでは、光酸発生
剤より発生する酸が触媒として機能し、微量でも効率よ
くレジスト内部で化学的変化を引き起こす。その結果、
レジスト膜に露光した際、放射線が膜表面に比べて到達
し難い膜内部においても十分に反応が進行する。ひいて
は、現像処理後に、断面矩形の、特にライン部の側面が
急峻なレジストパターンを形成することが可能となる。
【0007】しかしながら、上述した化学増幅型レジス
トでは、レジスト膜の露光部で発生する酸が微量である
ため、周囲の環境、特にレジスト膜表面の雰囲気中の酸
素、水分及びその他の微量成分の影響を受け易く、安定
して微細なパターンを形成することができない。具体的
には、S.A.MacDonald,N.J.Clea
rk,H.R.Werdt,C.G.Willson,
C.D.Snyder,C.J.Knors,N.B.
Deyoe、J.G.Maltabes,J.R.Mo
rrow,A.E.McGuire and S.J.
Hplmes,Proc.SPIE,Vol.146
6,2(1991)に、雰囲気中に含まれる微量のジメ
チルアニリンが、光照射によってレジスト膜の表面付近
で発生した酸を失活させるため、当該レジスト膜表面に
難溶化層、即ち現像液に対して溶解速度が著しく小さい
層が生成し、この難溶化層が、露光及び現像処理後にレ
ジストパターンの表面に庇状に残ることが報告されてい
る。この難溶化層は、レジストの解像性能を低下させ、
これに起因してレジストパターンに生じた庇は、半導体
基板領域のエッチング精度に悪影響を及ぼす。
【0008】また、上述した化学増幅型レジストを用い
てパターン形成を行う場合、レジスト膜を形成する際、
即ち基板上にレジストの溶液を塗布する際に、成分の分
子量の差に起因して、膜中で相分離が生じて成分の濃度
分布が不均一になることがある。この結果、膜の露光部
で均一に化学的変化が進行せず、断面矩形の微細なレジ
ストパターンを安定して得ることができない。
【0009】これらのうち相分離に関しては、具体的に
は、H.Ito,J.Polymer.Sci.:Pa
rt A 24,2971(1986)に、レジスト材
料の一成分として用いられる、フェノール性水酸基が、
部分的に tert-ブトキシカルボニルによって保護されて
なるポリビニルフェノールの合成方法において、当該ポ
リマーの保護基の導入率によっては、相分離が生じるこ
とが報告されている。また、レジスト膜における成分の
濃度分布に関して、具体的には、M.Toriumi,
M.Yanagimachi and H.Masuh
ara,Proc.SPIE,Vol.1466,45
8(1991)に記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、半
導体装置製造プロセスのフォトリソグラフィ技術におい
て、レジスト材料として好適に用いられる感光性組成物
であって、特に短波長の光源に対して高感度、高解像性
であり、且つ膜の状態で相分離を生じることなく、また
周囲の雰囲気の影響を受け難く、安定して微細なレジス
トパターンを得ることの可能な感光性組成物を提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の課題
は、下記第一ないし第二の感光性組成物によって解決さ
れる。
【0012】即ち、本発明の第一の感光性組成物は、
(a)アルカリ可溶性ポリマーのアルカリ可溶性基を、
酸に対して不安定な基によって保護してなるポリマー
と、(b)露光により酸を発生する化合物と、(c)イ
ミダゾール化合物、アラニン化合物、アデニン化合物、
及びアデノシン化合物からなる群より選ばれる少なくと
も一種のアミン化合物とを、必須成分として含有する組
成物である。
【0013】かかる第一の感光性組成物は、ポジ型の化
学増幅型レジストに相当する。即ち、当該感光性組成物
をパターン形成プロセスに適用した際、その露光部で
は、成分(b)から酸が発生し、ベーキングによってこ
の酸が触媒的に作用して成分(a)に導入されている酸
に対して不安定な基を分解し、アルカリ可溶性基を生じ
させる。この結果、当該露光部は、成分(a)におい
て、アルカリ溶解性、即ちアルカリ溶液に対する溶解速
度が増大するため、アルカリ溶液を用いて現像処理する
ことによって選択的に溶解除去される。こうして、所定
幅のライン及びスペースからなる微細パターンが形成さ
れる。
【0014】特に、この第一の感光性組成物は、上記成
分(a)及び(b)に加えて、成分(c)、即ち特定の
アミン化合物を含有する。当該感光性組成物では、この
特定のアミン化合物が、成分(a)のポリマー及び成分
(b)の低分子量の化合物の相溶性を高める。このた
め、膜の状態において相分離が起こることはなく、膜全
体に亘って各成分の濃度分布が一定であり、露光等によ
る化学的変化が均一に進行する。また、前記特定のアミ
ン化合物が膜の露光部におけるアルカリ溶解性を助長す
るため、その表面における難溶化層の生成が抑制され
る。
【0015】従って、本発明の第一の感光性組成物は、
化学増幅型レジストとして特有の高感度、高解像性を保
持し、更に、パターン形成プロセスを通して安定であ
り、微細な断面矩形のパターンを供する。
【0016】一方、本発明の第二の感光性組成物は、
(a)アルカリ可溶性ポリマーのアルカリ可溶性基を、
酸に対して不安定な基によって保護してなるポリマー
と、(b)露光により酸を発生する化合物と、(d)フ
ェノール化合物とを、必須成分として含有する組成物で
ある。
【0017】かかる第二の感光性組成物も、ポジ型の化
学増幅型レジストに相当し、パターン形成プロセスに適
用した際、上述した第一の組成物と同様の機構に従って
微細なパターンを供する。
【0018】また、この第二の感光性組成物は、上記成
分(a)及び(b)に加えて、成分(d)、即ちフェノ
ール化合物を含有する。当該感光性組成物では、このフ
ェノール化合物が、成分(a)のポリマー及び成分
(b)の低分子量の化合物の相溶性を高める。このた
め、上記第一の組成物と同様、膜の状態において相分離
が起こることはなく、膜全体に亘って各成分の濃度分布
が一定であり、露光等による化学的変化が均一に進行す
る。特にこの場合、前記フェノール化合物中の水酸基
が、成分(a)のポリマーにおいて保護されず残存する
アルカリ可溶性基と反応し、分子量の高い成分(a)の
分離を防止すると考えられている。また、前記フェノー
ル化合物が膜の露光部におけるアルカリ溶解性を助長す
るため、その表面における難溶化層の生成が抑制され
る。
【0019】従って、本発明の第二の感光性組成物につ
いても、化学増幅型レジストとして特有の高感度、高解
像性を保持し、更に、パターン形成プロセスを通して安
定であり、微細な断面矩形のパターンを供する。
【0020】以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】本発明の第一及び第二の感光性組成物にお
いて成分(a)であるポリマーは、アルカリ可溶性ポリ
マーをベースポリマーとし、当該ベースポリマー中のア
ルカリ可溶性基、例えばフェノール性水酸基、カルボキ
シル基等を、酸に対して不安定な基(保護基)によって
保護し、そのアルカリ親和性を抑制させた化合物であ
る。かかるポリマーは、未露光の状態ではアルカリ溶液
に対して実質的に不溶であるが、露光時においては、成
分(b)から発生する酸によって前記保護基が分解し、
前記ベースポリマーに備わっていたアルカリ可溶性基が
再生するため、アルカリ溶解性を呈する化合物に変化す
る。尚、このポリマーの分子量は、耐熱性を向上させる
観点から、約1000以上であることが好ましい。
【0022】前記成分(a)のポリマーとして、好まし
くは、フェノール骨格を有するアルカリ可溶性ポリマー
をベースポリマーとしたエーテルまたはエステル、具体
的には、フェノール骨格を有するポリマーのフェノール
性水酸基を、適切なエーテル化剤またはエステル化剤で
処理しエステル化またはエステル化することによって保
護した化合物、を用いることができる。
【0023】前記フェノール骨格を有するアルカリ可溶
性ポリマーとしては、例えば、フェノール、クレゾー
ル、キシレノール、ビスフェノールA、ビスフェノール
S、ヒドロキシベンゾフェノン、3,3,3',3'-テトラメチ
ル-1,1'-スピロビインダン-5,6,7,5',6',7'-ヘキサノー
ル、フェノールフタレイン等をモノマー単位として有す
るポリマー、またポリビニルフェノール、ノボラック樹
脂が挙げられる。
【0024】また、前記フェノール骨格を有するアルカ
リ可溶性ポリマーに、保護基として導入されるエーテル
及びエステルとしては、例えば、テトラヒドロピラニル
エーテル、ベンジルエーテル、メチルエーテル、エチル
エーテル、n-プロピルエーテル、iso-プロピルエーテ
ル、tert- ブチルエーテル、アリルエーテル、メトキシ
メチルエーテル、p-ブロモフェナシルエーテル、トリメ
チルシリルエーテル、ベンジルオキシカルボニルエーテ
ル、tert- ブトキシカルボニルエーテル、tert-ブチル
アセテート、4-tert- ブチルベンジルエーテル、メチル
エステル、エチルエステル、n-プロピルエステル、iso-
プロピルエステル、tert- ブチルエステル、n-ブチルエ
ステル、iso-ブチルエステル、ベンジルエステル等を挙
げることができる。
【0025】尚、上述したようなポリマーでは、ベース
ポリマー中の全てのフェノール性水酸基は保護されず一
部残存する。従って、このポリマーは、実質的には、エ
ーテルまたはエステルが導入されたモノマー単位、及び
フェノール性水酸基を有するモノマー単位からなる共重
合体となっている。
【0026】前記成分(a)のポリマーとして、特に好
ましくは、下記式(1)ないし(4)で表される化合物
が挙げられる。
【0027】
【化1】 式中、R1 、R2 、R3 は、1価の有機基を表し、m及
びnは、共重合組成を表す。尚、この1価の有機基とし
ては、特に限定されるものではないが、例えば、メチ
ル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、te
rt- ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、ベンジル等を挙
げることができる。
【0028】本発明の第一及び第二の感光性組成物にお
ける、成分(b)である露光により酸を発生する化合物
は、化学増幅型レジストの光酸発生剤に相当する。かか
る化合物には、光酸発生剤として公知の化合物及び混合
物、例えば、オニウム塩、有機ハロゲン化合物、オルト
キノン -ジアジドスルホン酸クロリド、スルホン酸エス
テル類等を用いることができる。
【0029】前記オニウム塩としては、例えば、CF3
SO3 、p−CH3 PhSO3 、p−NO2 PhS
3 (但しPhはフェニル基)等を対アニオンとする
ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨ
ードニウム塩が挙げられる。
【0030】前記有機ハロゲン化合物としては、ハロゲ
ン化水素酸を形成する化合物であり、例えば、米国特許
第3,515,552号、米国特許第3,536,48
9号、米国特許第3,779,778号、及び西ドイツ
特許公開公報第2,243,621号に開示されたもの
が挙げられる。
【0031】また、上記以外の光酸発生剤としては、例
えば、特開昭54−74728号、特開昭55−241
13号、特開昭55−77742号、特開昭60−36
26号、特開昭60−138539号、特開昭56−1
7345号、及び特開昭50−36209号に開示され
た化合物が挙げられる。
【0032】このような化合物を具体例としては、ジ
(p-ターシャリーブチルベンゼン)ヨードニウムトリフ
ルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムト
リフルオロメタンスルホネート、ベンゾイントシレー
ト、オルトニトロベンジルパラトルエンスルホネート、
トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネ
ート、トリ(ターシャリーブチルフェニル)スルホニウ
ムトリフルオロメタンスルホネート、ベンゼンジアゾニ
ウムパラトルエンスルホネート、4-(ジn-プロピルアミ
ノ)- ベンゾニウムテトラフルオロボレート、4-p-トリ
ル−メルカプト -2,5-ジエトキシ -ベンゼンジアゾニウ
ムヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレー
ト、ジフェニルアミン -4-ジアゾニウムサルフェート、
4-メチル -6-トリクロロメチル -2-ピロン、4-(3,4,5-
トリメトキシ -スチリル)-6- トリクロロメチル-2- ピ
ロン、4-(4-メトキシ -スチリル)-6-(3,3,3-トリクロ
ロ -プロペニル)-2- ピロン、2-トリクロロメチル -ベ
ンズイミダゾール、2-トリブロモメチル -キノリン、2,
4-ジメチル -1-トリブロモアセチル -ベンゼン、4-ジブ
ロモアセチル- 安息香酸、1,4-ビス -ジブロモメチル -
ベンゼン、トリス -ジブロモメチル -S-トリアジン、2-
(6-メトキシ -ナフチル -2-イル)-4,6- ビス -トリク
ロロメチル -S-トリアジン、2-(ナフチル -1-イル)-
4,6- ビス -トリクロロメチル -S-トリアジン、2-(ナ
フチル -2-イル)-4,6-ビス -トリクロロメチル -S-トリ
アジン、2-(4-エトキシエチル -ナフチル -1-イル)-4,
6-ビス -トリクロロメチル -S-トリアジン、2-(ベンゾ
ピラニ -3-イル)-4,6-ビス -トリクロロメチル -S-トリ
アジン、2-(4-メトキシ -アントラシ -1-イル)-4,6-ビ
ス -トリクロロメチル -S-トリアジン、2-(フェナンチ
-9-イル)-4,6-ビス -トリクロロメチル-S- トリアジ
ン、o-ナフトキノンジアジド -4-スルホン酸クロリド等
がある。スルホン酸エステルとしては、ナフトキノンジ
アジド -4-スルホン酸エステル、ナフトキノンジアジド
-5-スルホン酸エステル、p-トルエンスルホン酸 -o-ニ
トロベンジルエステル、p-トルエンスルホン酸 -2,6-ジ
ニトロベンジルエステル等を挙げることができる。
【0033】本発明の第一及び第二の感光性組成物にお
いて、前記成分(b)の配合量は、組成物の全固形成分
中、好ましくは約0.01〜50重量%、より好ましく
は0.1〜10重量%の範囲とする。当該成分(b)の
配合量が0.01重量%未満であると、十分な感光特性
を得ることが困難になる恐れがある。一方、50重量%
を越えると、均一なレジスト膜を形成することが困難に
なったり、パターン形成後の除去に際して残渣が生じる
恐れがある。
【0034】本発明の第一の感光性組成物において、成
分(c)であるアミン化合物は、イミダゾール化合物、
アラニン化合物、アデニン化合物、及びアデノシン化合
物から選ばれる特定のアミン化合物である。
【0035】ここで、前記イミダゾール化合物とは、イ
ミダゾールまたはその誘導体である。その具体例として
は、下記式(5)で表される化合物が挙げられる。
【0036】
【化2】 式中、R4 は1価の有機基を表す。
【0037】前記アラニン化合物とは、アラニンまたは
その誘導体である。その具体例としては、下記式(6)
で表される化合物が挙げられる。
【0038】
【化3】 式中、R5 は1価の有機基を表す。前記アデニン化合物
とは、アデニンまたはその誘導体である。その具体例と
しては、下記式(7)及び式(8)で表される化合物が
挙げられる。
【0039】
【化4】 式中、R6 及びR7 は夫々1価の有機基を表す。前記ア
デノシン化合物とは、アデノシンまたはその誘導体であ
る。その具体例としては、下記式(9)で表される化合
物が挙げられる。
【0040】
【化5】 式中、R8 は1価の有機基を表す。
【0041】尚、式(5)ないし(9)の化合物におい
て、R4 、R5 、R6 、R7 、及びR8 として導入され
る1価の有機基としては、特に限定されるものではない
が、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピ
ル、n-ブチル、tert- ブチル、iso-ブチル、sec-ブチ
ル、ベンジル等を挙げることができる。
【0042】本発明の第一の感光性組成物において、前
記成分(c)の配合量は、組成物の全固形成分中、好ま
しくは約0.01〜50重量%、より好ましくは0.1
〜30重量%の範囲とする。当該成分(c)の配合量が
0.01重量%未満であると、現像処理後に残渣が生
じ、形成されるパターンの表面が荒れる恐れがあり、一
方、50重量%を越えると、レジスト膜における露光部
と未露光部とのアルカリ溶液に対する溶解速度の差が小
さくなり、解像性が低下する恐れがある。
【0043】本発明の第二の感光性組成物において、成
分(d)であるフェノール化合物は、構造中にフェノー
ル骨格、換言すればフェノール性水酸基を有する化合物
である。かかるフェノール化合物には、好ましくは、成
分(a)であるポリマー、特にフェノール骨格を有する
ポリマーをベースポリマーとしたエーテルまたはエステ
ルに比べて、低分子量のものを用いる。
【0044】前記フェノール化合物の具体例としては、
下記式(10)、式(11)、及び式(12)で表され
る化合物が挙げられる。これらのうち、特にトリフェノ
ール化合物、即ちフェノール性水酸基を3個有する化合
物が好適である。
【0045】
【化6】 本発明の第二の感光性組成物において、前記成分(d)
の配合量は、組成物の全固形成分中、好ましくは約0.
01〜50重量%、より好ましくは0.1〜10重量%
の範囲とする。当該成分(c)の配合量が0.01重量
%未満であると、十分な感光性能を得ることが困難にな
る恐れがあり、一方、50重量%を越えると、均一なレ
ジスト膜を形成することが困難になる恐れがある。
【0046】本発明の第一及び第二の感光性組成物に
は、上述したような必須成分の他、更に必要に応じて、
塗膜改質剤としての界面活性剤、反射防止剤としての染
料等を配合してもよい。
【0047】本発明の第一及び第二の感光性組成物は、
上述したような必須成分、及び必要に応じてその他の添
加剤を、適切な有機溶剤に溶解し、濾過することにより
調製され得る。ここで用いる有機溶剤としては、例え
ば、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メチル
セロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶
媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エ
チル、乳酸メチル等のエステル系溶媒、N-メチル -2-ピ
ロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。こ
れらの溶剤は、単独で使用しても、混合物の形で使用し
てもよい。また、これら溶剤は、キシレン、トルエン、
イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコールを適量含
んでいてもよい。
【0048】本発明では、前記成分(a)及び(b)に
加え、前記第一の組成物の成分(c)である特定のアミ
ン化合物、及び前記第二の組成物の成分(d)であるフ
ェノール化合物を併用することによって、更に優れた感
光性組成物が提供される。即ち、第三の感光性組成物と
して、(a)アルカリ可溶性ポリマーのアルカリ可溶性
基を、酸に対して不安定な基によって保護してなるポリ
マーと、(b)露光により酸を発生する化合物と、
(c)イミダゾール化合物、アラニン化合物、アデニン
化合物、及びアデノシン化合物からなる群より選ばれる
少なくとも一種のアミン化合物と、(d)フェノール化
合物とを、必須成分として含有する感光性組成物が提供
される。
【0049】かかる第三の感光性組成物では、前記成分
(c)及び(d)が、成分(a)のポリマー及び成分
(b)の低分子量の化合物の相溶性をより一層高めるた
め、膜の状態における相分離の発生が防止される。ま
た、成分(c)及び(d)の組合せが、膜の露光部での
アルカリ溶液に対する溶解速度を著しく高めるため、そ
の表面における難溶化層の生成が抑制され、更に、露光
部及び未露光部のコントラストが向上する。
【0050】従って、本発明の第三の感光性組成物は、
化学増幅型レジストとして特有の高感度、高解像性を保
持し、前記第一及び第二の組成物にも増してパターン形
成プロセスを通して安定であり、微細な断面矩形のパタ
ーンを供する。
【0051】前記第三の感光性組成物において、各成分
の配合量については、前記第一及び第二の組成物の場合
と同様の範囲で設定することが好ましい。
【0052】また、前記第三の感光性組成物では、成分
(c)として、好ましくはイミダゾール化合物、特に好
ましくは前記式(5)の化合物を用いる。また、成分
(d)として、好ましくは前記式(10)、式(1
1)、及び式(12)の化合物、特に好ましくはトリフ
ェノール化合物を用いる。
【0053】尚、前記第三の感光性組成物の調製、用い
る有機溶剤、更に配合され得る他の添加剤に関しては、
前記第一及び第二の組成物の場合と同様である。
【0054】次に、本発明の第一、第二、または第二の
感光性組成物を用いたレジストパターンの形成プロセス
について説明する。
【0055】まず、前記成分を有機溶剤に溶解して調製
された感光性組成物の溶液を、回転塗布法やディッピン
グ法により基板上に塗布した後、約150℃以下、好ま
しくは70〜120℃で乾燥して、上記組成物を主成分
として含む感光性の樹脂層(レジスト膜)を形成する。
ここで用いる基板としては、例えばシリコンウェハ、表
面に各種の絶縁膜や電極、配線が形成された段差を有す
るシリコンウェハ、ブランクマスク、GaAs、AlG
aAs等のIII-V 化合物半導体ウェハ等を挙げることが
できる。
【0056】次いで、前記レジスト膜にパターン露光を
行う。このとき、レジスト膜の露光部では、感光性組成
物の成分(b)から酸が発生する。
【0057】かかる露光における光源には、例えば、低
圧水銀ランプのi線、h線、g線、キセノンランプ光、
KrFやArFのエキシマレーザのようなdeepUV
等の各種紫外線、X線、電子線、γ線、イオンビーム等
が使用され得る。パターン露光の具体的な方法として
は、紫外線、X線を用いる場合、前記レジスト膜に、所
定のマスクパターンを介して選択的な露光を行う。一
方、電子線、イオンビーム等を用いる場合、マスクを用
いずこれら放射線を走査して、前記レジスト膜に直接パ
ターン露光を行う。尚、未露光部の溶解速度を遅くして
解像性を向上させるために、パターン露光部に加熱しな
がらレジスト膜全面に露光するかぶり露光を行うことも
できる。
【0058】続いて、露光後のレジスト膜を、熱板、オ
ーブンを用いて、または赤外線照射等によって熱処理
(ベーキング)する。かかるベーキングによって、レジ
スト膜の露光部では、露光時に発生した酸が拡散して成
分(a)のポリマーに作用し、導入された保護基を分解
してアルカリ可溶性基を再生させる。
【0059】尚、ベーキングの温度は、好ましくは約5
0〜160℃、より好ましくは70〜150℃の範囲に
設定する。当該温度が50℃未満であると、成分(b)
から発生した酸を、成分(a)に充分反応させることが
できない恐れがあり、160℃を越えると、レジスト膜
の露光部及び未露光部に亘って、過度の分解や硬化が発
生する恐れがある。
【0060】次いで、ベーキング後のレジスト膜をアル
カリ溶液を用いて浸漬法、スプレー法等に従って現像処
理することにより、レジスト膜の露光部を選択的に溶解
除去し、所望のパタ―ンを得る。ここで現像液として用
いるアルカリ溶液としては、例えば、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウ
ム、メタケイ酸ナトリウム等の水溶液のような無機アル
カリ溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶
液、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキ
シド水溶液、またはこれらにアルコール、界面活性剤等
を添加したもの、を挙げることができる。
【0061】現像処理後の基板及びレジスト膜(レジス
トパターン)に対しては、水等を用いてリンス処理を施
し、更に乾燥させる。
【0062】尚、上述したプロセスでは、レジストパタ
ーンの耐熱性をより向上させるべく、現像処理後におい
て、基板を徐々に加熱することによって、レジストパタ
ーン中の樹脂成分(成分(a)のポリマー)を架橋させ
るといったステップベークや、加熱しながらdeepU
Vを照射してレジストパターン中の樹脂成分(成分
(a)のポリマー)を架橋させるといったdeepUV
キュア等の処理を行うこともできる。
【0063】また、レジスト膜の未露光部のアルカリ溶
液に対する溶解速度をより低下させ、露光部とのコント
ラストを向上させるべく、露光前または露光後に、レジ
スト膜を低濃度のアルカリ溶液に浸漬し、引続きより濃
度の高いアルカリ溶液を用いて現像処理を行ってもよ
い。この場合、低濃度のアルカリ溶液に代って、トリエ
チルアミン、トリエタノールアミン、ヘキサメチルジシ
ラザン等のアミン類にレジスト膜を浸漬したり、これら
アミン類の蒸気にレジスト膜を暴露することもできる。
更に、低濃度のアルカリ溶液やアミン類に暴露したレジ
スト膜を、必要に応じて熱処理することもできる。
【0064】
【実施例】以下、本発明を実施例に沿って詳細に説明す
る。尚、これら実施例は、本発明の理解を容易にする目
的で記載されるものであり、本発明を特に限定するもの
ではない。 酸に対して不安定な基が導入されたポリマーの合成 窒素置換された四つ口フラスコ中で、ポリビニルフェノ
ール(丸善石油化学社製:PHM−C)50gをアセト
ン200mlに溶解させ、この溶液に、炭酸カリウム1
7.63g、ヨウ化カリウム8.48g、及びtert- ブ
チルブロモアセテート24.38gを添加して、攪拌し
ながら7時間還流させた。続いて、不溶分を濾過によっ
て除去した後、アセトンを留去し、残部をエタノール1
50ml中に溶解させた。この溶液を1.5mlの水中
に滴下し、ポリマーを析出させた。このポリマーを濾取
し、水300mlで5回洗浄した後、12時間乾燥させ
た。次いで、乾燥後のポリマーを再度エタノール200
mlに溶解させ、上記同様の操作で再沈及び精製させた
後、真空乾燥器中において、50℃で24時間乾燥させ
て、ポリマー52.0gを得た。
【0065】得られたポリマーを 1H−NMRスペクト
ルにより分析したことろ、ポリビニルフェノールの全フ
ェノール性水酸基のうち15%が tert-ブトキシカルボ
ニルメチルエーテルに変化した化合物であることが確認
された。かかるポリマーを[T−1]とする。
【0066】また、上記と同様の方法に従い、炭酸カリ
ウム、ヨウ化カリウム、及びtert-ブチルブロモアセテ
ートの配合量等を適宜調整することによって、ポリビニ
ルフェノール中のフェノール性水酸基の置換率、即ちエ
ーテルの導入率の異なる8種類のポリマー[T−2]な
いし[T−9]を合成した。
【0067】これらポリマーの構造及び組成を下記表1
に示す。
【0068】
【表1】 実施例1〜62 (1)感光性組成物の調製 下記表2〜7に示す処方に従って、酸に対して不安定な
基が導入されたポリマーと、光酸発生剤としてオニウム
塩(トリフェニルスルホニウムトリフレート)と、アミ
ン化合物及び/またはフェノール化合物とを、有機溶剤
に溶解させ、この溶液を細孔径0.2ミクロンのフィル
ターを介して濾過し、感光性組成物[R−1]〜[R−
62]をワニスの状態で調製した。
【0069】これら感光性組成物の調製において、組成
物[R−1]〜[R−9]ではイミダゾール化合物(A
−1〜A−3)を、[R−10]〜[R−21]ではア
ラニン化合物(A−4及びA−5)を、[R−22]〜
[R−33]ではアデニン化合物(A−6及びA−7)
を、[R−33]〜[R−39]ではアデノシン化合物
(A−8)を、[R−40]〜[R−53]ではフェノ
ール化合物(P−1〜P−7)を、[R−54]〜[R
−62]ではイミダゾール化合物及びフェノール化合物
(A−1〜A−3,P−1)を配合した。
【0070】尚、表に続いて、略号で記されたアミン化
合物、フェノール化合物及びオニウム塩の構造を示す。
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】
【表6】
【0076】
【表7】
【0077】
【化7】
【0078】
【化8】
【0079】
【化9】
【0080】
【化10】 (2)パターンの形成 上記の如く調製した感光性組成物(ワニス)の夫々を、
6インチのシリコン上にスピンコートし、ホットプレー
ト上において、90℃で90秒間プリベークして、厚さ
1.0μm の感光性組成物膜(レジスト膜)を形成し
た。続いて、このレジスト膜にKrFエキシマレーザス
テッパを用いてパターン露光した後、ホットプレート上
において95℃で90秒間ベーキングした。次いで、ベ
ーキング後のウェハを、濃度1.59%のテトラメチル
アンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)に
20秒間浸漬させてレジスト膜を現像処理し、水洗及び
乾燥させてライン及びスペースからなるパターンを得
た。
【0081】このように形成されたパターンについて、
その断面形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、解像
度としてライン及びスペースの幅を測定した。
【0082】各実施例における、感光性組成物の露光量
(感度)及び解像度を下記表8〜表13に示す。
【0083】
【表8】
【0084】
【表9】
【0085】
【表10】
【0086】
【表11】
【0087】
【表12】
【0088】
【表13】 以上の結果より、本発明の感光性組成物は、高感度であ
り且つ高解像性であることが明らかである。また、いず
れの組成物に関しても、得られたパターンの断面は矩形
状であり、ライン部の側面は急峻であった。 比較例1 酸に対して不安定な基が導入されたポリマーである[T
−1]2.0gと、光酸発生剤としてオニウム塩(トリ
フェニルスルホニウムトリフレート)30mgとをエチ
ルセロルブアセテート6.00gに溶解させ、この溶液
を細孔径0.2ミクロンのフィルターを介して濾過し、
感光性組成物[R−63]をワニスの状態で調製した。
【0089】感光性組成物[R−63]を用いて、前記
実施例と同様の方法及び条件に従ってパターン形成を行
った。
【0090】得られたパターンについて、その断面形状
を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、解像度としてライ
ン及びスペースの幅を測定したところ、露光量40mJ
/cm2 で解像度が0.35μm であった。しかしなが
ら、このパターンの表層部に庇状の難溶化層が生じてい
た。これは、感光性組成物[R−63]において、前記
実施例の如き特定のアミン化合物またはフェノール化合
物が配合されていないことによるものと考えられる。 比較例2 酸に対して不安定な基が導入されたポリマーである[T
−5]2.0gと、光酸発生剤としてオニウム塩(トリ
フェニルスルホニウムトリフレート)30mgとを、メ
チルメトキシプロピオネート6.00gに溶解させ、こ
の溶液を細孔径0.2ミクロンのフィルターを介して濾
過し、感光性組成物[R−64]をワニスの状態で調製
した。
【0091】感光性組成物[R−64]を用いて、前記
実施例と同様の方法及び条件に従ってパターン形成を行
った。
【0092】得られたパターンについて、その断面形状
を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、解像度としてライ
ン及びスペースの幅を測定したところ、露光量43mJ
/cm2 で解像度が0.40μm であった。しかしなが
ら、このパターンの表層部に庇状の難溶化層が生じてい
た。これは、感光性組成物[R−64]において、前記
実施例の如き特定のアミン化合物またはフェノール化合
物が配合されていないことによるものと考えられる。 比較例3 酸に対して不安定な基が導入されたポリマーである[T
−1]2.0gと、光酸発生剤としてオニウム塩(トリ
フェニルスルホニウムトリフレート)40mgとを、エ
チルロソルブアセテート6.00gに溶解させ、この溶
液を細孔径0.2ミクロンのフィルターを介して濾過
し、感光性組成物[R−65]をワニスの状態で調製し
た。
【0093】感光性組成物[R−65]を用いて、前記
実施例と同様の方法及び条件に従ってパターン形成を行
った。
【0094】得られたパターンについて、その断面形状
を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、解像度としてライ
ン及びスペースの幅を測定したところ、露光量40mJ
/cm2 で解像度が0.40μm であった。しかしなが
ら、このパターンの表層部に庇状の難溶化層が生じてい
た。これは、感光性組成物[R−65]において、前記
実施例の如き特定のアミン化合物またはフェノール化合
物が配合されていないことによるものと考えられる。
【0095】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
特に短波長の光源に対して高感度、高解像性であり、且
つ膜の状態で相分離を生じることなく、また周囲の雰囲
気の影響を受け難く、これを用いて安定して断面矩形の
微細なパターンを形成することの可能な感光性組成物が
提供される。かかる感光性組成物、更にこれを用いたレ
ジストパターンの形成は、半導体装置製造プロセスのフ
ォトリソグラフィ技術において顕著な効果を奏するもの
であり、その工業的価値は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 一夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 千葉 謙治 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アルカリ可溶性ポリマーのアルカ
    リ可溶性基を、酸に対して不安定な基によって保護して
    なるポリマーと、 (b)露光により酸を発生する化合物と、 (c)イミダゾール化合物、アラニン化合物、アデニン
    化合物、及びアデノシン化合物からなる群より選ばれる
    少なくとも一種のアミン化合物とを、必須成分として含
    有する感光性組成物。
  2. 【請求項2】 (a)アルカリ可溶性ポリマーのアルカ
    リ可溶性基を、酸に対して不安定な基によって保護して
    なるポリマーと、 (b)露光により酸を発生する化合物と、 (d)フェノール化合物とを、必須成分として含有する
    感光性組成物。
  3. 【請求項3】 (a)アルカリ可溶性ポリマーのアルカ
    リ可溶性基を、酸に対して不安定な基によって保護して
    なるポリマーと、 (b)露光により酸を発生する化合物と、 (c)イミダゾール化合物、アラニン化合物、アデニン
    化合物、及びアデノシン化合物からなる群より選ばれる
    少なくとも一種のアミン化合物と、 (d)フェノール化合物とを、必須成分として含有する
    感光性組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の感光性組成物を主成分と
    する樹脂層を、基板上に形成する工程と、 前記樹脂層にパターン露光する工程と、 前記露光後の樹脂層をベーキングする工程と、 前記ベーキング後の樹脂層を、現像液としてアルカリ溶
    液を用いて現像処理する工程と、を具備するパターン形
    成方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の感光性組成物を主成分と
    する樹脂層を、基板上に形成する工程と、 前記樹脂層にパターン露光する工程と、 前記露光後の樹脂層をベーキングする工程と、 前記ベーキング後の樹脂層を、現像液としてアルカリ溶
    液を用いて現像処理する工程と、を具備するパターン形
    成方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の感光性組成物を主成分と
    する樹脂層を、基板上に形成する工程と、 前記樹脂層にパターン露光する工程と、 前記露光後の樹脂層をベーキングする工程と、 前記ベーキング後の樹脂層を、現像液としてアルカリ溶
    液によって現像処理する工程と、を具備するパターン形
    成方法。
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