JP2007031402A - 多価フェノール化合物、化合物、ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents

多価フェノール化合物、化合物、ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 Download PDF

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【課題】 レジスト組成物用として使用できる低分子量の化合物、該化合物の原料として好適な多価フェノール化合物、前記化合物を含有するポジ型レジスト組成物、および該ポジ型レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】 例えば、下記式で表される多価フェノール化合物。
Figure 2007031402

【選択図】 なし

Description

本発明は、レジスト組成物に使用できる化合物、該化合物の原料として好適な多価フェノール化合物、前記化合物を含有するポジ型レジスト組成物、および該ポジ型レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法に関する。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーやArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらのエキシマレーザーより短波長のFエキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
また、微細な寸法のパターンを形成可能なパターン形成材料の1つとして、膜形成能を有する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有する化学増幅型レジスト組成物が知られている。化学増幅型レジスト組成物には、露光によりアルカリ可溶性が低下するネガ型と、露光によりアルカリ可溶性が増大するポジ型とがある。
従来、このような化学増幅型レジスト組成物の基材成分としてはポリマー(高分子化合物)が用いられており、例えばポリヒドロキシスチレン(PHS)やその水酸基の一部を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂等のPHS系樹脂、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される共重合体やそのカルボキシ基の一部を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂等が用いられている。
しかし、このようなパターン形成材料を用いてパターンを形成した場合、パターンの上面や側壁の表面に荒れ(ラフネス)が生じる問題がある。たとえばレジストパターン側壁表面のラフネス、すなわちラインエッジラフネス(LER)は、ホールパターンにおけるホール周囲の歪みや、ラインアンドスペースパターンにおけるライン幅のばらつき等の原因となるため、微細な半導体素子の形成等に悪影響を与えるおそれがある。
ラフネスの問題は、パターン寸法が小さいほど重大となってくる。そのため、例えば電子線やEUVによるリソグラフィーでは、数10nmの微細なパターン形成を目標としていることから、現状のパターンラフネスを越える極低ラフネスが求められている。
しかし、一般的に基材として用いられているポリマーは、分子サイズ(一分子当たりの平均自乗半径)が数nm前後と大きい。パターン形成の現像工程において、現像液に対するレジストの溶解挙動は通常、基材成分1分子単位で行われるため、基材成分としてポリマーを使う限り、さらなるラフネスの低減は極めて困難である。
このような問題に対し、極低ラフネスを目指した材料として、ポリマーに比べて分子量の小さい非重合性の化合物(低分子材料)を基材成分として用いるレジストが提案されている。たとえば非特許文献1,2には、水酸基、カルボキシ基等のアルカリ可溶性基を有し、その一部または全部が酸解離性溶解抑制基で保護された低分子材料が提案されている。
T.Hirayama,D.Shiono,H.Hada and J.Onodera:J.Photopolym.Sci.Technol.17(2004)、p435 Jim−Baek Kim,Hyo−Jin Yun,Young−Gil Kwon:Chemistry Letters(2002)、p1064〜1065
このような低分子材料は、低分子量であるが故に分子サイズが小さく、ラフネスを低減できると予想される。しかし現在、レジスト組成物の基材成分として実際に使用できる低分子材料はほとんど知られていないのが現状であり、かかる低分子材料に対する要求が高まっている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ポジ型レジスト組成物に使用できる低分子量の化合物、該化合物の原料として好適な多価フェノール化合物、前記化合物を含有するポジ型レジスト組成物、および該ポジ型レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第一の態様は、下記一般式(I)で表される多価フェノール化合物である。
Figure 2007031402
[式(I)中、R11〜R13はそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基であり、pは1または2であり、qは1〜3の整数であり、rは1〜3の整数であり、かつp+q+rが5以下であり、sは1または2であり、tは0〜3の整数である。]
本発明の第二の態様は、下記一般式(II)で表される化合物である。
Figure 2007031402
[式(II)中、R11〜R13はそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基であり、pは1または2であり、qは1〜3の整数であり、rは1〜3の整数であり、かつp+q+rが5以下であり、sは1または2であり、tは0〜3の整数であり、R21〜R23はそれぞれ水素原子または酸解離性溶解抑制基であり、R21〜R23のうち少なくとも1つは前記酸解離性溶解抑制基である。]
本発明の第三の態様は、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する基材成分(A)、および放射線の照射により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有するポジ型レジスト組成物であって、
前記基材成分(A)が、下記一般式(II)で表される化合物(A1)を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
Figure 2007031402
[式(II)中、R11〜R13はそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基であり、pは1または2であり、qは1〜3の整数であり、rは1〜3の整数であり、かつp+q+rが5以下であり、sは1または2であり、tは0〜3の整数であり、R21〜R23はそれぞれ水素原子または酸解離性溶解抑制基であり、R21〜R23のうち少なくとも1つは前記酸解離性溶解抑制基である。]
本発明の第四の態様は、前記第三の態様のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
なお、本発明において、「露光」は放射線の照射全般を含む概念とする。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
本発明により、ポジ型レジスト組成物に使用できる低分子量の化合物、該化合物の原料として好適な多価フェノール化合物、前記化合物を含有するポジ型レジスト組成物、および該ポジ型レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法が提供できる。
≪多価フェノール化合物≫
本発明の多価フェノール化合物(以下、多価フェノール化合物(I)という。)は、上記一般式(I)で表されるように、トリ(ヒドロキシフェニル)メタン骨格のヒドロキフェニル基の2つにR11とR12とが結合し、残りの1つのヒドロキフェニル基に任意にR13が結合した構造を有するトリ(ヒドロキシフェニル)メタン誘導体である。
式(I)中、pは1〜2の整数であり、好ましくは1である。
qは1〜3の整数であり、好ましくは1または2であり、最も好ましくは1である。
rは1〜3の整数であり、好ましくは1または2であり、最も好ましくは1である。
p+q+rは5以下、すなわち3〜5の整数であり、好ましくは3または4であり、最も好ましくは3である。
sは1又は2である。本発明においては、特に、該多価フェノール化合物を用いて製造される化合物がレジスト組成物用として好適であるため、sが1であることが好ましい。
tは0〜3の整数であり、好ましくは0〜1であり、最も好ましくは0である。
pを下付文字として付した水酸基の結合位置は、特に限定されないが、当該多価フェノール化合物を用いて製造される化合物がポジ型レジスト組成物用として好適であること、合成しやすさ等の点で、少なくとも、フェニル基のパラ位(4位)に結合していることが好ましい。
sを下付文字として付した水酸基の結合位置は、特に限定されないが、当該多価フェノール化合物を用いて製造される化合物がポジ型レジスト組成物用として好適であること、合成しやすさ等の点で、少なくとも、フェニル基のパラ位(4位)に結合していることが好ましい。
11〜R12はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基である。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状または分岐状の低級アルキル基、または炭素数5〜6の環状アルキル基が好ましい。
前記低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられ、これらの中でも、tert−ブチル基またはメチル基が好ましく、特にtert−ブチル基が好ましい。
前記環状アルキル基としてはシクロヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。
11およびR12は、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、合成のしやすさの点で、同一であることが好ましい。
11〜R12の結合位置は、特に限定されないが、後述する一般式(I−1)で表される多価フェノール化合物のように、水酸基が結合した炭素原子に隣接する炭素原子の少なくとも一方に、R11またはR12が結合していることが好ましい。かかる構造を有することにより、後述する化合物(A1)を合成する際に、酸解離性溶解抑制基が導入される水酸基の位置の選択性が高まる。すなわち、R11〜R12が結合しているヒドロキシフェニル基の水酸基には、立体障害により、酸解離性溶解抑制基が導入されにくくなり、一方、R11〜R12が結合していないヒドロキシフェニル基の水酸基には、酸解離性溶解抑制基が導入されやすくなる。特に、後述する一般式(I−2)で表される多価フェノール化合物のように、水酸基が結合した炭素原子に隣接する炭素原子の両方にR11またはR12が結合していると、さらに選択性が向上するため好ましい。
13は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基であり、該アルキル基としては、上記R11〜R12の炭素数1〜10のアルキル基と同様の基が例示できる。
13は、任意の置換基であり、あってもなくてもよいが、R13を有さないことが好ましい。これにより、R11〜R12が結合していないヒドロキシフェニル基の水酸基に酸解離性溶解抑制基が導入されやすくなり、酸解離性溶解抑制基を導入する際の選択性が向上する。
また、同様の観点から、R13を有する場合においては、R13が嵩高くない基であるほど、上記と同様、酸解離性溶解抑制基を導入する際の選択性が向上するため好ましい。したがって、R13は、直鎖状のアルキル基が好ましく、また、炭素数が少ないほど好ましい。
本発明の多価フェノール化合物(I)としては、特に、下記一般式(I−1)で表される多価フェノール化合物が、該多価フェノール化合物を用いて化合物(A1)を製造する際に、酸解離性溶解抑制基が導入される位置の選択性が高く、得られる化合物をポジ型レジスト組成物に用いた場合に優れた特性を示すため好ましく、特に、水酸基が結合した炭素原子に隣接する炭素原子にR12が結合した化合物、すなわち下記一般式(I−2)で表される多価フェノール化合物(I−2)が好ましい。
Figure 2007031402
[式(I−1)中、R11〜R12は式(I)中のR11〜R12と同様である。]
Figure 2007031402
[式中、R11〜R12は式(I)中のR11〜R12と同様である。]
式(I−1)または(I−2)で表される多価フェノール化合物の中でも、特に、合成しやすさ等の点で、R11〜R12が結合していないフェニル基のパラ位に水酸基が結合した化合物が好ましい。
多価フェノール化合物(I)は、従来公知の方法により製造でき、たとえば、下記一般式(Ia)で表されるベンズアルデヒド誘導体(Ia)と、該ベンズアルデヒド誘導体に対して約2当量倍の下記一般式(Ib)で表されるフェノール誘導体(Ib)とを酸性条件下で反応させることにより合成できる。具体的には、たとえば、ベンズアルデヒド誘導体(Ia)をメタノール等の有機溶剤に溶解し、該溶液中に、ベンズアルデヒド誘導体(Ia)に対して約2当量倍のフェノール誘導体(Ib)を添加し、さらに塩酸等の酸を添加することにより合成できる。
Figure 2007031402
[式中、R11〜R13、p、q、r、s、tは式(I)中のR11〜R13、p、q、r、s、tと同様である。]
多価フェノール化合物(I)は、多価フェノール化合物(I)と有機溶剤とのみを用いて、スピンコート法によりアモルファス(非晶質)な膜を形成しうる材料である。
ここで、アモルファスな膜とは、結晶化しない光学的に透明な膜を意味する。
スピンコート法は、一般的に用いられている薄膜形成手法の1つであり、当該化合物がスピンコート法によりアモルファスな膜を形成しうる材料であるかどうかは、8インチシリコンウエーハ上にスピンコート法により形成した塗膜が全面透明であるか否かにより判別できる。より具体的には、例えば以下のようにして判別できる。まず、当該化合物に、一般的にレジスト溶剤に用いられている溶剤を用いて、例えば多価フェノール化合物(I)100質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1570質量部の有機溶剤に溶解し、超音波洗浄器を用いて超音波処理(溶解処理)を施して溶解させ、該溶液を、ウェハ上に1500rpmにてスピンコートし、任意に乾燥ベーク(PAB,Post Applied Bake)を110℃、90秒の条件で施し、この状態で、目視にて、透明かどうかによりアモルファスな膜が形成されているかどうかを確認する。なお、透明でない曇った膜はアモルファスな膜ではない。
多価フェノール化合物(I)は、上述のようにして形成されたアモルファスな膜の安定性も良好であり、例えば上記PAB後、室温環境下で2週間放置した後でも、アモルファスな状態が維持されている。
多価フェノール化合物(I)は、ポジ型レジスト組成物用としての利用が可能な下記本発明の化合物の製造に好適に使用できる。
≪化合物≫
本発明の化合物(以下、化合物(A1)という。)は、上記一般式(II)で表される化合物である。化合物(A1)は、式(II)に示すように、上記本発明の多価フェノール化合物(I)における水酸基の一部または全部が酸解離性溶解抑制基で保護された化合物に相当する。
かかる化合物(A1)は、たとえば酸発生剤成分(B)とともにポジ型レジスト組成物に配合された場合に、露光により酸発生剤成分(B)から発生した酸が作用すると、酸解離溶解抑制基が解離して、化合物(A1)全体がアルカリ不溶からアルカリ可溶性へ変化する。そのため、レジストパターンの形成において、該ポジ型レジスト組成物からなるレジスト膜を選択的に露光すると、または露光に加えて露光後加熱すると、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することによりポジ型のレジストパターンが形成できる。
式(II)中、R11〜R13、p、q、r、s、tは、式(I)中のR11〜R13、p、q、r、s、tと同様である。
21〜R23はそれぞれ独立に水素原子または酸解離性溶解抑制基であり、R21〜R23のうち少なくとも1つは前記酸解離性溶解抑制基である必要がある。
酸解離溶解抑制基は、解離前は化合物(A1)全体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、解離後は化合物(A1)全体をアルカリ可溶性へ変化させる基である。
酸解離性溶解抑制基としては、特に制限はなく、KrFやArF用の化学増幅型レジスト組成物に用いられるヒドロキシスチレン系樹脂、(メタ)アクリル酸系樹脂等において提案されているもののなかから適宜選択して用いることができる。
具体的には、第3級アルキル基、第3級アルキルオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アルコキシアルキル基、環状エーテル基等が挙げられる。
第3級アルキル基としては、炭素数4〜12であることが好ましく、炭素数4〜10であることがより好ましい。具体的には、tert−ブチル基、tert−アミル基等の鎖状の第3級アルキル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等の、脂肪族多環式基を含む第3級アルキル基等が挙げられる。
ここで、本明細書および特許請求の範囲における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味する。「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを意味し、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
第3級アルキルオキシカルボニル基における第3級アルキル基としては、上記と同様のものが挙げられる。第3級アルキルオキシカルボニル基として、具体的には、tert−ブチルオキシカルボニル基、tert−アミルオキシカルボニル基等が挙げられる。
環状エーテル基として、具体的には、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
本発明においては、特に、本発明の効果に優れることから、下記一般式(p1)で表されるアルコキシカルボニルアルキル基、および下記一般式(p2)で表されるアルコキシアルキル基からなる群から選択される少なくとも1種の酸解離性溶解抑制基を有することが好ましい。
Figure 2007031402
[式中、RおよびRはそれぞれ独立に直鎖状、分岐状または環状のアルキル基であって、その構造中にヘテロ原子を含んでもよく;Rは水素原子または低級アルキル基であり;n’は1〜3の整数である。]
一般式(p1)において、n’は1〜3の整数であり、1であることが好ましい。
は直鎖状、分岐状または環状のアルキル基であって、その構造中にヘテロ原子を含んでもよい。すなわち、Rとしてのアルキル基は、水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む基(ヘテロ原子そのものの場合も含む)で置換されていてもよく、該アルキル基の炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよい。
ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、フッ素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む基としては、ヘテロ原子自体であってもよく、また、ヘテロ原子と炭素原子および/または水素原子とからなる基、たとえばアルコキシ基等であってもよい。
水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む基で置換されたアルキル基の例としては、たとえば、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、同一の炭素原子に結合した2つの水素原子が1つの酸素原子で置換された基(すなわちカルボニル基(C=O)を有する基)、同一の炭素原子に結合した2つの水素原子が1つの硫黄原子で置換された基(すなわちチオカルボニル基(C=S)を有する基)等が挙げられる。
アルキル基の炭素原子の一部がヘテロ原子を含む基で置換されている基としては、たとえば、炭素原子が窒素原子で置換されている例(たとえば、その構造中に−CH−を含む分岐状または環状のアルキル基において該−CH−が−NH−で置換された基)や、炭素原子が酸素原子で置換されている例(たとえば、その構造中に−CH−を含む分岐状または環状のアルキル基において該−CH−が−O−で置換された基)等が挙げられる。
としての直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基が挙げられ、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
としての分岐状のアルキル基は、炭素数が4〜10であることが好ましく、4〜8であることがより好ましい。具体的には、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基等が挙げられ、tert−ブチル基であることが好ましい。
としての環状のアルキル基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、4〜14であることがより好ましく、5〜12であることが最も好ましい。
該環状のアルキル基における基本環(置換基を除いた基本の環)の構造は、単環でも多環でもよく、特に、本発明の効果に優れることから、多環であることが好ましい。また、基本環は、炭素および水素から構成された炭化水素環であってもよく、炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された複素環であってもよい。本発明においては、特に、基本環が炭化水素環であることが好ましい。炭化水素環の具体例としては、たとえば、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンが挙げられる。これらのなかでも、アダマンタン、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンが好ましく、特にアダマンタンが好ましい。
これらの基本環は、その環上に置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、低級アルキル基、フッ素原子、フッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。該低級アルキル基としては、メチル基、エチル基等の炭素数1〜5の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。基本環が置換基を有する場合、置換基の数は、1〜3が好ましく、1がより好ましい。ここで、「置換基を有する」とは、基本環を構成する炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていることを意味する。
の環状のアルキル基としては、これらの基本環から1つの水素原子を除いた基が挙げられる。Rにおいては、該Rに隣接する酸素原子が結合する炭素原子が、上記のような基本環を構成する炭素原子の1つであることが好ましく、特に、Rに隣接する酸素原子に結合する炭素原子が、低級アルキル基等の置換基が結合した第3級炭素原子であることが、本発明の効果に優れ、好ましい。
としては、特に、分岐状または環状のアルキル基を有する酸解離性溶解抑制基が好ましく、特に環状のアルキル基を有する酸解離性溶解抑制基が好ましい。Rがかかる嵩高い構造を有することにより、化合物(A1)を合成する際に、酸解離性溶解抑制基が導入される水酸基の位置の選択性が高まる。すなわち、R11〜R12が結合しているヒドロキシフェニル基の水酸基には、酸解離性溶解抑制基の立体障害により、酸解離性溶解抑制基が導入されにくくなり、一方、R11〜R12が結合していないヒドロキシフェニル基の水酸基には、酸解離性溶解抑制基が導入されやすくなる。
特に、上述した多価フェノール化合物(I−1)、(I−2)のように、水酸基が結合した炭素原子に隣接する炭素原子の少なくとも一方にR11が結合している多価フェノール化合物を用いて化合物(A1)を合成する場合、さらに選択性が向上するため好ましい。
として環状アルキル基を有する酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記式(p1−1)〜(p1−7)で表される基が挙げられる。
Figure 2007031402
[式中、Rは低級アルキル基であり、n’は上記と同様である。]
これらの中でも、前記一般式(p1−1)で表されるものが好ましい。
の低級アルキル基は、炭素原子数1〜5のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。Rとしては、工業上入手しやすい点で、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
式(p2)中、Rとしては、上記Rと同様のものが挙げられる。中でもRとしては、直鎖状アルキル基または環状アルキル基が好ましい。
は水素原子または低級アルキル基である。Rの低級アルキル基は、炭素原子数1〜5のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。Rとしては、工業上入手しやすい点で、水素原子またはメチル基が好ましく、水素原子であることがより好ましい。
が直鎖状アルキル基である式(p2)で表される基としては、たとえば、1−エトキシエチル基、1−エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−メトキシメチル基、1−メトキシプロピル基、1−エトキシプロピル基、1−n−ブトキシエチル基、1−ペンタフルオロエトキシエチル基、1−トリフルオロメトキシエチル基、1−トリフルオロメトキシメチル基等が挙げられる。
が環状アルキル基である式(p2)で表される基としては、たとえば、下記式で表される基が挙げられる。
Figure 2007031402
[式中、Rは前記と同じである。]
これらのなかでも、下記一般式で表される基が好ましい。
Figure 2007031402
[Rは前記と同じであり、n”は0又は1〜2の整数であり、Wは2原子の水素原子又は酸素原子である。]
n”は0又は1が最も好ましい。アダマンチル基と−CHR−O−(CHn”−との結合位置は特に限定されないが、アダマンチル基の1位又は2位に結合することが好ましい。
化合物(A1)において、R21〜R23のうち、少なくとも1つが酸解離性溶解抑制基であればよく、いずれが酸解離性溶解抑制基であるかは特に限定されない。
本発明においては、当該化合物(A1)を用いて得られるポジ型レジスト組成物が感度等のリソグラフィー特性に優れることから、R21〜R23のうちの1つが酸解離性溶解抑制基であり、かつ他の2つが水素原子であることが好ましい。特に、R23が酸解離性溶解抑制基であり、かつR21およびR22が水素原子である化合物は、リソグラフィー特性に優れることに加え、合成し易いことから最も好ましい。
化合物(A1)は、酸解離性溶解抑制基の結合位置が異なる複数の構造異性体の混合物であってもよい。
化合物(A1)において、化合物(A1)中のフェノール性水酸基の保護率(モル%)、すなわち、化合物(A1)中のR21〜R23の合計の数(酸解離性溶解抑制基で保護されたフェノール性水酸基および保護されていないフェノール性水酸基の合計数)に対する化合物(A1)中の酸解離性溶解抑制基の数(酸解離性溶解抑制基で保護されたフェノール性水酸基の数)は、特に限定されず、多価フェノール化合物(I)の構造やフェノール性水酸基の数、所望する各種リソグラフィー特性等を考慮して適宜決定することができる。
たとえば解像性、ラフネス低減効果を考慮すると、保護率(モル%)は、5〜50モル%が好ましく、7〜45モル%がより好ましく、15〜45モル%がさらに好ましい。
化合物(A1)としては、特に、ポジ型レジスト組成物用として好適であること、その原料として使用できる上記多価フェノール化合物(I−1)が合成しやすい等の点で、下記式(II−1)で表される化合物(A1−1)が好ましい。
Figure 2007031402
[式(II−1)中、R11〜R12、R21〜R23は式(II)中のR11〜R12、R21〜R23と同様である。]
化合物(A1)は、たとえば、多価フェノール化合物(I)のフェノール性水酸基の水素原子の一部または全部を、周知の方法により、酸解離性溶解抑制基で置換することにより製造できる。かかる周知の方法として、具体例を挙げると、たとえば多価フェノール化合物(I)と、下記一般式(III)で表されるハロゲン化物とを、テトラヒドロフラン等の溶媒に溶解し、水素化ナトリウム等の塩基触媒の存在下で反応させることにより合成できる。
X−R24 …(III)
式(III)中、Xはハロゲン原子であり、R24は酸解離性溶解抑制基である。
Xのハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等が挙げられる。
24の酸解離性溶解抑制基は上記と同様である。
化合物(A1)は、上記多価フェノール化合物(I)と同様、化合物(A1)と有機溶剤とのみを用いて、スピンコート法によりアモルファス(非晶質)な膜を形成しうる材料である。
通常、低分子量の化合物と有機溶剤とのみを用いてスピンコート法による成膜を行った場合、膜にならなかったり、膜になったとしてもその添加量によって結晶性が高くなり、膜の透明性が低下して膜が曇ってしまい、アモルファスな膜が形成できない等の成膜性の問題がある。しかし、化合物(A1)は、成膜性が良好であり、その添加量も特に制限されないため、後述するように、ポジ型レジスト組成物の基材成分として、または溶解抑制剤として好適に使用できる。
化合物(A1)は、上述のようにして形成されたアモルファスな膜の安定性も良好であり、例えば上記PAB後、室温環境下で2週間放置した後でも、アモルファスな状態が維持されている。
上記化合物(A1)は、後述するように、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する基材成分(A)、および放射線の照射により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有するポジ型レジスト組成物において、基材成分(A)として好適に使用できる。
また、本発明の化合物(A1)は、ポジ型レジスト組成物の溶解抑制剤としても好適に用いることができる。
化合物(A1)からなる溶解抑制剤をポジ型レジスト組成物に配合することにより、該ポジ型レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜の露光前のアルカリ溶解性が抑制される。そのため、該レジスト膜を選択的に露光した際に、露光部と未露光部との間のアルカリ溶解性の差(溶解コントラスト)が大きくなり、解像性や形状が良好なレジストパターンが形成できる。
かかる溶解抑制剤は、酸解離性溶解抑制基を有する樹脂成分と酸発生剤成分とを含む2成分系の化学増幅型レジスト組成物に添加して用いることもできるし、当該溶解抑制剤を、酸解離性溶解抑制基を有さない樹脂成分と酸発生剤成分とともに配合した、いわゆる3成分系の化学増幅型のレジスト組成物としても用いることができる。
≪ポジ型レジスト組成物≫
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する基材成分(A)(以下、(A)成分ということがある)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分ということがある)とを含むものである。
前記(A)成分においては、露光により前記(B)成分から発生した酸が作用すると、(A)成分全体がアルカリ不溶性からアルカリ可溶性に変化する。そのため、レジストパターンの形成において、該レジスト組成物からなるレジスト膜を選択的に露光すると、または露光に加えて露光後加熱すると、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することによりポジ型のレジストパターンが形成できる。
[(A)成分]
本発明のポジ型レジスト組成物においては、(A)成分が、上記本発明の化合物(A1)を含有する必要がある。
化合物(A1)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分中、化合物(A1)の割合は、40質量%超であることが好ましく、50質量%超であることがより好ましく、80質量%超がさらに好ましく、最も好ましくは100質量%である。
(A)成分中の化合物(A1)の割合は、逆相クロマトグラフィー等の手段により測定することができる。
(A)成分は、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、これまで化学増幅型レジスト層の基材成分として提案されている任意の樹脂成分を含有していてもよい。
かかる樹脂成分としては、例えば従来の化学増幅型のKrF用ポジ型レジスト組成物、ArF用ポジ型レジスト組成物等のベース樹脂として提案されているものが挙げられ、レジストパターン形成時に用いる露光光源の種類に応じて適宜選択できる。
本発明のポジ型レジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚に応じて調整すればよい。
[(B)成分]
(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−0)で表される酸発生剤を好適に用いることができる。
Figure 2007031402
[式中、R51は、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基、または直鎖、分岐鎖若しくは環状のフッ素化アルキル基を表し;R52は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖若しくは分岐鎖状のハロゲン化アルキル基、または直鎖若しくは分岐鎖状のアルコキシ基であり;R53は置換基を有していてもよいアリール基であり;u’’は1〜3の整数である。]
一般式(b−0)において、R51は、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基、または直鎖、分岐鎖若しくは環状のフッ素化アルキル基を表す。
前記直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜12であることが好ましく、炭素数5〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また。該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中全水素原子の個数に対する置換したフッ素原子の個数の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
51としては、直鎖状のアルキル基またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
52は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基、直鎖、若しくは分岐鎖状のハロゲン化アルキル基、または直鎖若しくは分岐鎖状のアルコキシ基である。
52において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。
52において、アルキル基は、直鎖または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
52において、ハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。ここでのアルキル基は、前記R52における「アルキル基」と同様のものが挙げられる。置換するハロゲン原子としては上記「ハロゲン原子」について説明したものと同様のものが挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが望ましく、全て置換されていることがより好ましい。
52において、アルコキシ基としては、直鎖状または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
52としては、これらの中でも水素原子が好ましい。
53は置換基を有していてもよいアリール基であり、置換基を除いた基本環(母体環)の構造としては、ナフチル基、フェニル基、アントラセニル基などが挙げられ、本発明の効果やArFエキシマレーザーなどの露光光の吸収の観点から、フェニル基が望ましい。
置換基としては、水酸基、低級アルキル基(直鎖または分岐鎖状であり、その好ましい炭素数は5以下であり、特にメチル基が好ましい)などを挙げることができる。
53のアリール基としては、置換基を有しないものがより好ましい。
u’’は1〜3の整数であり、2または3であることが好ましく、特に3であることが望ましい。
一般式(b−0)で表される酸発生剤の好ましいものは以下の様なものを挙げることができる。
Figure 2007031402
一般式(b−0)で表される酸発生剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
また一般式(b−0)で表される酸発生剤の他のオニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物も好適に用いられる。
Figure 2007031402
[式中、R”〜R”,R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表し;R”は、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表し;R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表し、R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表す。]
式(b−1)中、R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R”〜R”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
”〜R”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n‐ブチル基、tert‐ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
”〜R”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R”〜R”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
”は、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表す。
前記直鎖のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また。該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
”としては、直鎖または環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中、R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R”〜R”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
”〜R”のアリール基としては、R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
”〜R”のアルキル基としては、R”〜R”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R”〜R”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR”としては上記式(b−1)のR”と同様のものが挙げられる。
式(b−1)、(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネートなどが挙げられる。また、これらのオニウム塩のアニオン部がメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
また、前記一般式(b−1)又は(b−2)において、アニオン部を下記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b−1)又は(b−2)と同様)。
Figure 2007031402
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 2007031402
(式(B−1)中、R31、R32はそれぞれ独立に有機基を表す。)
31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
31の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
32の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007031402
[式(B−2)中、R33は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R34はアリール基である。R35は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。]
Figure 2007031402
[式(B−3)中、R36はシアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R37は2または3価の芳香族炭化水素基である。R38は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。p’’は2または3である。]
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが好ましい。
34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントラセル(anthracyl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましく、部分的にフッ素化されたアルキル基が最も好ましい。
35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p’’は好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、WO2004/074242A2(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 2007031402
上記例示化合物の中でも、下記の4つの化合物が好ましい。
Figure 2007031402
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
本発明においては、中でも(B)成分としてフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩を用いることが好ましい。
(B)成分としては、1種の酸発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜15質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が十分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
[任意成分]
ポジ型レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という)を配合させることができる。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良く、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げらる。
これらの中でも、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましく、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−オクチルアミンが最も好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
ポジ型レジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(E)(以下、(E)成分という)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられる。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下、(S)成分ということがある)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類及びその誘導体;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体;
ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明のレジストパターン形成方法は、上記本発明のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むことを特徴とする。
より具体的には、例えば以下の様なレジストパターン形成方法によりレジストパターンを形成することができる。すなわち、まずシリコンウェーハのような基板上に、上記レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、任意にプレベーク(PAB)を施してレジスト膜を形成する。形成されたレジスト膜を、例えばArF露光装置、電子線描画装置、EUV露光装置等の露光装置を用いて、マスクパターンを介した露光、またはマスクパターンを介さない電子線の直接照射による描画等により選択的に露光した後、PEB(露光後加熱)を施す。続いて、アルカリ現像液を用いて現像処理した後、リンス処理を行って、基板上の現像液および該現像液によって溶解したレジスト組成物を洗い流し、乾燥させて、レジストパターンを得る。
これらの工程は、周知の手法を用いて行うことができる。操作条件等は、使用するポジ型レジスト組成物の組成や特性に応じて適宜設定することが好ましい。
露光光源は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、電子線、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。特に、本発明にかかるポジ型レジスト組成物は、ArFエキシマレーザー、電子線またはEUV、特に電子線に対して有効である。
なお、場合によっては、上記アルカリ現像後ポストベーク工程を含んでもよいし、基板とレジスト膜との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けてもよい。
上述したように、本発明の化合物(A1)は、(A)成分および(B)成分を含有するポジ型レジスト組成物の(A)成分として、または該ポジ型レジスト組成物に添加する溶解抑制剤として使用できる。
また、本発明の多価フェノール化合物(I)は、かかる化合物(A1)の製造において有用である。
そして、上記ポジ型レジスト組成物を用いることにより、実際に使用できるレベルでレジストパターンを形成できる。また、化合物(A1)が低分子化合物であることから、化合物(A1)を(A)成分として用いたポジ型レジスト組成物を用いて得られるレジストパターンは、ラフネスの低減されたものである。
以下、本発明を実施例を示して説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、下記合成例において、t−Buはtert−ブチル基を表す。
合成例1(多価フェノール化合物(3)の合成)
30gの4−ヒドロキシベンズアルデヒド(1)を300gのメタノール(MeOH)に溶かし、75gの2,6−ジメチルフェノール(2)を加え、そこへ70gの35質量%塩化水素水溶液(HClaq.)を加え、60℃で3日間反応させた。
反応終了後、反応液を室温に戻し、水酸化ナトリウムで中和(pH試験紙で中性を確認)し、水/酢酸エチル(質量比1:1)にて抽出し、酢酸エチル溶液を硫酸ナトリウムにて乾燥後、カラムクロマトグラフィ(充填剤としてSiO、展開溶剤としてヘプタン:酢酸エチル=2:1(質量比)を使用。)を行い、減圧濃縮して、69gの多価フェノール化合物(3)を得た。
Figure 2007031402
合成例2(多価フェノール化合物(5)の合成)
20gの4−ヒドロキシベンズアルデヒド(1)を300gのメタノールに溶かし、120gの2,6−ジ(tert−ブチル)フェノール(4)を加え、そこへ70gの35質量%塩化水素水溶液(HClaq.)を加え、60℃で3日間反応させた。
反応終了後、反応液を室温に戻し、水酸化ナトリウムで中和し、水/酢酸エチル(質量比1:1)にて抽出し、酢酸エチル溶液を硫酸ナトリウムにて乾燥後、カラムクロマトグラフィ(充填剤としてSiO、展開溶剤としてヘプタン:酢酸エチル=2:1(質量比)を使用。)を行い、減圧濃縮して、60gの多価フェノール化合物(5)を得た。
Figure 2007031402
化合物(5)について、H−NMRによる分析を行った。
H−NMRデータ(重DMSO、内部標準:テトラメチルシラン、400MHz):δ(ppm)=9.10 s 1H(Ha),6.92 s 4H(H),6.89 d Jce=8.4Hz(H),6.70 s 2H(H),6.65 d Jec=8.4Hz(H),5.16 s 1H(H),1.31 s 36H(H)。
この結果から、化合物(5)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2007031402
合成例3(化合物(7)の合成)
3.48gの多価フェノール化合物(3)を30gのテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、0℃にて、0.44gの60質量%水素化ナトリウム(NaH)溶液を加えて10分撹拌した。そこへ1.04gのクロロメチルエーテル(6)を加え、0℃にて15時間反応させた。反応終了後、水/酢酸エチル(質量比1:1)にて抽出し、酢酸エチル溶液を硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮し、3.4gの化合物(7)を得た。
Figure 2007031402
[式(7)中、Rは水素原子または1−エトキシメチル基を表す。]
化合物(7)について、H−NMRによる分析を行った。
H−NMRデータ(重DMSO、内部標準:テトラメチルシラン、400MHz):δ(ppm)=9.12−9.21 m 0.5H,7.90−8.08 m 1.50H,6.54−7.03 m 8H,4.90−5.28 m 3.00H,3.59−3.79 m 2H,2.05−2.17 m 12H,1.08−1.20 m 3H。
この結果から、化合物(7)の保護率(式(7)中のRのうち、1−エトキシメチル基である割合)が33%であることがわかった。
合成例4(化合物(8)の合成)
2gの多価フェノール化合物(5)を20gのTHFに溶解し、0℃にて、0.15gの60質量%NaH溶液を加えて10分撹拌した。そこへ0.38gのクロロメチルエーテル(6)を加え、0℃にて15時間反応させた。反応終了後、水/酢酸エチル(質量比1:1)にて抽出し、酢酸エチル溶液を硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮し、1.9gの化合物(8)を得た。
Figure 2007031402
化合物(8)について、H−NMRによる分析を行った。
H−NMRデータ(重DMSO、内部標準:テトラメチルシラン、400MHz):δ(ppm)=9.12 s 0.10H,6.63−7.20 m 8.87H,5.24−5.30 m 1H,5.13−5.20 m 1.94H,3.52−3.83 m 1.94H,1.52−1.13 m 38.91H。
この結果から、化合物(8)の保護率(式(8)中のRのうち、1−エトキシメチル基である割合)が33%であることがわかった。
合成例5(化合物(10)の合成)
2gの多価フェノール化合物(5)を15gのTHFに溶解し、0℃にて、0.16gの60質量%NaH溶液を加えて10分撹拌した。そこへ1.12gのブロモ酢酸−2−メチル−2−アダマンチル(9)を加え、室温(r.t)にて10時間反応させた。反応終了後、水/酢酸エチル(質量比1:1)にて抽出し、酢酸エチル溶液を硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮し、1.9gの化合物(10)を得た。
Figure 2007031402
化合物(10)について、H−NMRによる分析を行った。
H−NMRデータ(重DMSO、内部標準:テトラメチルシラン、400MHz):δ(ppm)=6.98 d Jac=8.8Hz(H),6.91 s 4H(H),6.82 d Jca=8.8Hz(H),6.73 s 2H(H),5.24 s 1H(H),4.65 s 2H(H),1.15−2.19 m 43H(H)。
この結果から、化合物(10)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2007031402
合成例6(化合物(12)の合成)
4gの多価フェノール化合物(5)を25gのTHFに溶解し、0℃にて、0.32gの60質量%NaH溶液を加えて10分撹拌した。そこへ1.56gのブロモ酢酸−tert−ブチル(11)を加え、0℃にて10時間反応させた。反応終了後、水/酢酸エチル(質量比1:1)にて抽出し、酢酸エチル溶液を硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮し、4.1gの化合物(12)を得た。
Figure 2007031402
化合物(12)について、H−NMRによる分析を行った。
H−NMRデータ(重DMSO、内部標準:テトラメチルシラン、400MHz):δ(ppm)=6.98 d Jac=8.8Hz(H),6.91 s 4H(H),6.80 d Jca=8.8Hz(H),6.73 s 2H(H),5.25 s 1H(H),4.59 s 2H(H),1.39 s 9H(H),1.31 s 36H(H)。
この結果から、化合物(12)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2007031402
実施例1
(A)成分として化合物(10)を100質量部と、(B)成分としてトリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートを10質量部と、トリ−n−オクチルアミン1質量部とを、PGMEA:EL=6:4(質量比)の混合溶剤1370質量部に溶解してポジ型レジスト組成物を調製した。
得られたポジ型レジスト組成物を用いて、下記の手順で、露光量の変化に対するレジスト膜の残膜率の変化(レジスト膜の溶解速度の変化)を示すグラフ(感度曲線)を作成した。
<感度曲線>
ポジ型レジスト組成物溶液を、ヘキサメチルジシラザン処理を施した8インチシリコン基板上に、スピンナーを用いて均一に塗布し、110℃、90秒間のプレベーク(PAB)条件でPAB処理を行ってレジスト膜(膜厚150nm)を成膜した。
該レジスト膜に対し、露光量(μC/cm)を変化させて、電子線描画機(製品名:HL−800D(VSB)(日立社製)、加速電圧70kV)にて描画(露光)を行い、110℃にて90秒間のベーク(PEB)条件でPEB処理を行い、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38質量%水溶液(23℃)にて60秒間の現像を行った後、純水にて30秒リンスした。
各露光量において、露光部の現像後の膜厚(nm)を測定し、下記式からレジスト膜の残膜率を求め、横軸に露光量、縦軸に残膜率をとって感度曲線を作成した。その結果を図1に示す。
残膜率=現像後のレジスト膜厚(nm)/現像前のレジスト膜厚(=150nm)
実施例2
実施例1において、化合物(10)に代えて化合物(12)を用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物を調製し、感度曲線を求めた。その結果を図2に示す。
感度曲線から、本発明の化合物(10),(12)を用いた実施例1,2のポジ型レジスト組成物によれば、良好なコントラストを得ることができることが確認できた。したがって、実施例1,2のポジ型レジスト組成物がポジ型レジストとしての性能を有していることは明らかである。
この結果から、本発明の化合物(10),(12)が、膜を形成可能であり、酸の作用によってアルカリ溶解性が増大する材料であり、ポジ型レジスト組成物において、基材成分または溶解抑制剤として機能することが確認できた。
化合物10を用いた実施例1のポジ型レジスト組成物の感度曲線(電子線の照射量(露光量)の変化に対する残膜率の変化)を示すグラフである。 化合物12を用いた実施例2のポジ型レジスト組成物の感度曲線(電子線の照射量(露光量)の変化に対する残膜率の変化)を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)で表される多価フェノール化合物。
    Figure 2007031402
    [式(I)中、R11〜R13はそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基であり、pは1または2であり、qは1〜3の整数であり、rは1〜3の整数であり、かつp+q+rが5以下であり、sは1または2であり、tは0〜3の整数である。]
  2. 下記一般式(I−1)で表される化合物である請求項1記載の多価フェノール化合物。
    Figure 2007031402
    [式(I−1)中、R11〜R12はそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基である。]
  3. 下記一般式(II)で表される化合物。
    Figure 2007031402
    [式(II)中、R11〜R13はそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基であり、pは1または2であり、qは1〜3の整数であり、rは1〜3の整数であり、かつp+q+rが5以下であり、sは1または2であり、tは0〜3の整数であり、R21〜R23はそれぞれ水素原子または酸解離性溶解抑制基であり、R21〜R23のうち少なくとも1つは前記酸解離性溶解抑制基である。]
  4. 下記一般式(II−1)で表される化合物である請求項3記載の化合物。
    Figure 2007031402
    [式(II−1)中、R11〜R12はそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基であり;R21〜R23はそれぞれ水素原子または酸解離性溶解抑制基であり、R21〜R23のうち少なくとも1つは前記酸解離性溶解抑制基である。]
  5. 酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する基材成分(A)、および放射線の照射により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有するポジ型レジスト組成物であって、
    前記基材成分(A)が、下記一般式(II)で表される化合物(A1)を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
    Figure 2007031402
    [式(II)中、R11〜R13はそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基であり、pは1または2であり、qは1〜3の整数であり、rは1〜3の整数であり、かつp+q+rが5以下であり、sは1または2であり、tは0〜3の整数であり、R21〜R23はそれぞれ水素原子または酸解離性溶解抑制基であり、R21〜R23のうち少なくとも1つは前記酸解離性溶解抑制基である。]
  6. 前記化合物(A1)が下記一般式(II−1)で表される化合物である請求項5記載のポジ型レジスト組成物。
    Figure 2007031402
    [式(II−1)中、R11〜R12はそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基であり;R21〜R23はそれぞれ水素原子または酸解離性溶解抑制基であり、R21〜R23のうち少なくとも1つは前記酸解離性溶解抑制基である。]
  7. さらに、含窒素有機化合物(D)を含有する請求項5または6記載のポジ型レジスト組成物。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。

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