JP3998515B2 - 振動片、振動子、振動型ジャイロスコープおよび振動片の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動片、振動子、振動型ジャイロスコープおよび振動片の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、振動型ジャイロスコープを自動車に搭載し、自動車の車体の方向の制御に使用することが検討されている。例えば自動車の車体回転速度フィードバック式の車両制御方法に用いる回転速度センサーに振動型ジャイロスコープを使用するときには、操舵輪の方向自身は、ハンドルの回転角度によって検出する。これと同時に、実際に車体が回転している回転速度を振動ジャイロスコープによって検出する。そして、操舵輪の方向と実際の車体の回転速度を比較して差を求め、この差に基づいて車輪トルク、操舵角に補正を加えることによって、安定した車体制御を実現する。
【0003】
車載用途においては、振動型ジャイロスコープの使用温度範囲がきわめて広く、例えば、−40℃−+85℃の温度範囲において安定に動作することが要求される。そして、室温において、一対の屈曲振動片の共振周波数を一定値に調節していても、周囲温度が高温や低温に大きく変化したときには、共振周波数の変動やバラツキが大きくなることがある。この結果、いわゆるゼロ点温度ドリフトが発生する。
【0004】
本出願人は、特開2001−12952号公報において、屈曲振動片の両側面の付け根にそれぞれテーパー部を設けることによって、ゼロ点温度ドリフトを抑制することを開示した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本発明者が更に検討を進めると、振動子の材質などによっては新たな問題点があることが判明してきた。即ち、特開2001−12952号公報に記載されているように、屈曲振動片の両側面の付け根にそれぞれテーパー部を設け、これらのテーパー部の形状をほぼ同じにすることによって、屈曲振動片の振動モードの対称性が高まり、ゼロ点温度ドリフトは減少するものと考えられる。しかし、製造された振動子ごとにゼロ点温度ドリフトを測定すると、各振動子ごとに、ゼロ点温度ドリフトの値にバラツキが発生することがあった。この場合には、確かに振動子のゼロ点温度ドリフトは全体的に低減されていた。しかし、個々の振動子ごとのゼロ点温度ドリフトのバラツキが大きくなり、結果的に不良品の割合が増大することがあった。
【0006】
なぜなら、振動子のゼロ点温度ドリフトをゼロにすることはできなくとも、ゼロ点温度ドリフトが一定値であれば、振動型ジャイロスコープの検出回路に温度ドリフトの補正回路を組み込むことによって、ゼロ点温度ドリフトを相殺することが可能である。しかし、製造されたこの振動子のゼロ点温度ドリフトのバラツキが大きくなると、ある振動子において補正回路によってゼロ点温度ドリフトを相殺できたとしても、他の振動子においてはゼロ点温度ドリフトを相殺できず、その振動型ジャイロスコープの動作が不良になってしまう。
【0007】
本発明の課題は、一対の主面と一対の側面とを備える振動片において、振動子からの出力のゼロ点温度ドリフトについて、振動子ごとの偏差を少なくすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第一の態様に係る発明は、一対の主面と一対の側面とを備えており、振動片の前記一方の主面の幅が前記他方の主面の幅よりも小さい振動片を製造する方法であって、
基板の一方の主面に所定の開口を有するマスクをパターニングして形成し、基板の他方の主面にマスクを設けることなしに、基板を一方の主面および他方の主面からエッチングすることによって振動片を成形することを特徴とする。
【0009】
第二の態様に係る発明は、一対の主面と一対の側面とを備えており、前記一方の主面の幅が前記他方の主面の幅よりも小さい振動片を製造する方法であって、基板の一方の主面に所定の開口を有する第一のマスクをパターニングして形成する第一のマスク形成工程;基板の他方の主面に未硬化のレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程;第一のマスク側の開口から活性エネルギー線を照射し、未硬化のレジスト膜を露光する露光工程;レジスト膜を現像し、開口のパターンに対応する現像パターンを形成する現像工程;現像パターンを利用して第二のマスクを形成する第二のマスク形成工程;および基板を一方の主面および他方の主面からエッチングすることによって振動片を成形するエッチング工程を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記方法によって製造された振動片、および、この振動片と振動片を固定する固定部を有する振動子に係るものである。また、本発明は、前記振動子を備えていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープに係るものである。
【0011】
互いに略平行な一対の主面と、一対の側面とを備える振動片において、一方の主面の幅が他方の主面の幅よりも小さくなるように設計することで、前述したような振動子ごとのゼロ点温度ドリフトのバラツキを低減できる。
【0012】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明を更に詳細に説明する。図1(a)は、本発明によって製造可能な振動子1を示す平面図であり、図1(b)は、振動子1の側面図であり、図2は、振動片2の横断面の輪郭を示す図である。
【0013】
振動子1は、固定部4と、固定部4から伸びる細長い振動片2とを備えている。振動片2は、紙面(所定平面:X−Y平面)に対して略平行な一対の主面2c、2dと、所定平面に略垂直な一対の側面2a、2bとを有する。そして、振動片2の付け根部分5の一方の側面2a側には一方のテーパー部3Aが設けられており、他方の側面2b側には他方のテーパー部3Bが設けられている。本例の振動片2は、所定平面に沿って矢印Aのように屈曲振動するものである。振動片の横断面の輪郭は、図2に示すように略台形をなしている。即ち、一方の主面2cの幅TAは、他方の主面2dの幅TBよりも小さい。
【0014】
このような形態の振動子によって、前述した個々の振動子ごとのゼロ点温度ドリフトのバラツキを抑制できる理由は、以下のように考えられる。
【0015】
図3に示す振動片7の横断面輪郭は略長方形である。従って、一方の主面7cの幅と他方の主面7dの幅とは略同一であり、側面7aの幅と7bの幅とは略同一である。これに対して、振動片2は、図2に示すように例えば略台形をなしている。
【0016】
ここで、当業者の常識から考えると、図2に示すような異形の横断面形状を採用することは、通常は考えにくい。なぜなら、図3に示すような略長方形の振動片を、例えば矢印A方向に屈曲振動させ、振動片をZ軸を中心として回転させたものとする。ここで、Z方向の不要な振動成分が生ずると、回転角速度の検出時にノイズとして現れる。このようなノイズは温度変化の影響を受ける。従って、Z方向のノイズ成分をできるだけカットすることが、ゼロ点温度ドリフトを低減するために必要である。
【0017】
ここで、図3に示すような略長方形状の輪郭は、Z方向の不要なノイズ振動成分を低減するためには望ましい。これに対して、図2に示すような異形の横断面形状は、Z方向のノイズ成分を発生させやすい。従って、ゼロ点温度ドリフトの増大に寄与するものと考えられる。以上の理由から、ゼロ点温度ドリフトを低減するためには、図3に示すような長方形状の横断面形状を採用することが当業者の常識である。
【0018】
ところが、本発明者が実際に量産プロセスを検討していく過程で、図2に示すような横断面形状を有する振動子2が、振動子7よりも、個々の振動子ごとのゼロ点温度ドリフトのバラツキを低減する上で好適であることを見いだした。
【0019】
この理由は明確ではないが、以下のように推定される。即ち、振動片の外形輪郭を形成するためには、例えば圧電性単結晶からなるウエハーをエッチング処理する。エッチング処理の段階では、ウエハーの表面側と裏面側との双方に例えばホトレジストを塗布し、その上にホトマスクを設置し、表面側ホトマスクと裏面側ホトマスクとのアライメントを行う。そして、ホトレジストを露光して硬化させ、ホトマスクを除去し、ホトレジストのパターニングを行う。そしてウエハーをエッチングし、ホトレジストのパターンに対応した輪郭をウエハーに形成する。
【0020】
ここで、ウエハーの表面側と裏面側との双方にホトマスクを設置し、アライメントする際に、両方のマスクに若干の位置ずれが発生することがある。この場合には、図3に点線で示すように、振動片7の横断面輪郭が平行四辺形となる。この状態で振動片7を矢印A方向に駆動すると、Z方向の不要な振動成分が発生し、このノイズ成分が環境温度に応じて変化することから、ゼロ点温度ドリフトを発生させる。このような振動片の横断面形状のズレが、ゼロ点温度ドリフトの大きな原因となっているものと思われる。
【0021】
図2に示すような設計の場合にも、ウエハーの表面側と裏面側との双方にホトマスクを設置し、アライメントする際に、両方のマスクに若干の位置ずれが発生する。この場合には、図2に点線で示すように、振動片7の横断面輪郭は、歪んだ台形となる。この状態で振動片7を矢印A方向に駆動すると、やはりゼロ点温度ドリフトを発生させるはずである。
【0022】
ここで、ゼロ点温度ドリフトの大きさそれ自体への寄与は、図3に示すような振動片7の方が小さいものと思われる。しかし、ゼロ点温度ドリフトそれ自体が大きくとも、個々の振動子ごとのゼロ点温度ドリフトのバラツキがほぼ一定であれば、振動子に補正回路を接続することで対応可能である。ところが、図3に実線で示す場合と点線で示す場合とでは、ゼロ点温度ドリフトへの横断面形状の寄与が大きく異なっている。なぜなら、図3に実線で示す場合には、ゼロ点温度ドリフトへの振動片の横断面形状の寄与はほとんどないと考えられるが、点線の場合にはゼロ点温度ドリフトへの横断面形状の寄与が大きいからである。これに対して、図2に示す場合には、振動片の横断面形状が実線で示すように略台形である場合と、振動片の横断面形状が点線で示すように歪んだ台形である場合とで、ゼロ点温度ドリフトへの寄与のバラツキは小さい。
【0023】
一方の主面の幅TAと他方の主面の幅TBとの割合は特に限定されない。しかし、本発明の効果を奏する上では、一方の主面の幅TAが他方の主面の幅TBの99%以下であることが好ましく、98%以下であることが更に好ましい。しかし、一方の主面の幅TAの他方の主面の幅TBに対する割合が小さくなると、不要なノイズ振動成分が大きくなり、ゼロ点温度ドリフトが増大する傾向がある。従って、ノイズ振動成分を抑制するという観点からは、TAがTBの90%以上であることが好ましく、94%以上であることが更に好ましい。
【0024】
好適な実施形態においては、振動片の横断面形状が略台形である。ただし、横断面形状が幾何学的に正確な台形である必要はなく、製造上の誤差は許容される。
【0025】
また、本発明の効果を奏するという観点からは、他方の主面2dと側面2b(または2a)とがなす角度θは89゜以下であることが好ましく、88゜以下であることが更に好ましい。ただし、θが小さくなりすぎると、不要なノイズ振動成分が大きくなり、ゼロ点温度ドリフトが増大する傾向がある。従って、ノイズ振動成分を抑制するという観点からは、θは80゜以上であることが好ましく、83゜以上であることが更に好ましい。
【0026】
前記振動子は、図4、図5を参照しつつ説明する方法によっても形成できる。
【0027】
図4(a)に示すように、圧電性単結晶からなる基板(ウエハー)13を準備する。基板13はZ板、X板であってよい。次いで、基板13の表面13aおよび裏面13bをエッチングすることによって、加工変質層を除去する。次いで、基板13を洗浄することによって、パーティクルを減らす。この際の洗浄液としては、アルカリ系洗剤、超純水、イソプロピルアルコール(ELグレード)などがある。
【0028】
次いで、基板13の表面13aおよび裏面13bの全体にわたってマスク用の金属膜15A、15Bを形成する。金属膜の材質は、エッチャントによって腐食を受けにくい材質であれば特に限定されない。しかし、圧電性単結晶、特に水晶からなる基板13をエッチングする場合には、金属膜15A、15Bの材質は、金、タングステン、モリブデン、またはこれらの合金であることが好ましく、金または金の合金であることが特に好ましい。
【0029】
好ましくは、金属膜15A、15Bを形成する前に、下地膜14A、14Bを形成することによって、金属膜と基板との密着性を高める。下地膜の材質は、金、クロム、チタンまたはこれらの合金が好ましい。こうした下地膜は、2層以上設けることができる。特に好ましくは、下地層の少なくとも基板と接触する部分がクロムまたはチタンからなる。下地層の成膜装置としては、蒸着機あるいはスパッタ機を使用できる。
【0030】
下地膜14A、14Bの上に金属膜15A、15Bを形成する場合には、蒸着装置あるいはスパッタ装置を採用することが好ましい。膜の厚さは、エッチングピットの減少という観点からは0.1μm以上が好ましく、寸法ばらつきを減少させるという観点からは0.5μm以下が好ましい。
【0031】
金属膜15A、15B上にレジスト16A、16Bを塗布し、次いでホトマスク17A、17Bを設置する。ホトマスク17A、17Bには開口18A、18Bが形成されている。開口は、前述した振動片の輪郭に対応した形状を有する。具体的には、開口18Aの幅TCを、開口18Bの幅TDよりも小さくする。これによって、図2に示すような略台形の横断面形状を形成可能である。
【0032】
ここで、TCとTDとの偏差は特に限定されない。しかし、本発明の効果を奏する上では、TCがTDの98%以下であることが好ましく、96%以下であることが更に好ましい。ノイズ振動成分を抑制するという観点からは、TCがTDの90%以上であることが好ましく、94%以上であることが更に好ましい。
【0033】
露光時にはコンタクトアライナーを使用できる。また、レジストとしては、ポジレジスト、ネガレジストのいずれも使用できる。また、いわゆるリフトオフ法を利用してもよい。
【0034】
次いで、開口18A、18Bからレジストを露光してパターニングし、レジストの一部を開口させる。次いで、金属膜15A、15B、下地膜14A、14Bをウエットエッチングし、図4(b)に示すように開口20A、20Bを形成する。次いで、レジスト層16A、16Bを除去することで、図5(a)に示すマスク30A、30Bを形成する。マスク30A、30Bは、下地膜14A、14Bと、金属膜15A、15Bとからなる。金属メッキ被膜や下地層のエッチング方法は公知である。例えば、金用エッチャントとしては、よう素とよう化カリウムの水溶液が好ましく、クロム用エッチャントとしては、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸の水溶液が好ましい。
【0035】
次いで、開口20A、20Bにおいて、基板13を、ふっ酸を含有する水溶液に接触させることによってウエットエッチングし、図5(b)に示すような開口23を形成する。そして、一対の開口23の間に振動片2の輪郭を形成できる。
【0036】
ここで、図4(a)において、表面側のホトマスク17Aの位置と裏面側のホトマスク17Bとが位置ずれすると、図2に点線で示すように振動片2の横断面形状が歪む。
【0037】
第一の態様に係る発明は、一対の主面と一対の側面とを備えており、前記一方の主面の幅が前記他方の主面の幅よりも小さい振動片を製造する方法であって、基板の一方の主面に所定の開口を有するマスクをパターニングして形成し、基板の他方の主面にマスクを設けることなしに、基板を一方の主面および他方の主面からエッチングすることによって振動片を成形することを特徴とする。
【0038】
前述したように、基板の表面側と裏面側との双方にホトマスクを設置し、アライメントする際に、両方のマスクに若干の位置ずれが発生することがある。この位置ずれの度合いが各基板ごとに微妙に異なることによって、各振動子ごとのゼロ点温度ドリフトの偏差が発生する。
【0039】
これに対して、基板の一方の主面にマスクを設置し、他方の主面側にマスクを設けることなく、基板の両面からエッチングを行うことによって、振動子を成形することを考案した。この方法によれば、基板の表面側のホトマスクのみをアライメントし、基板の裏面側のマスクのアライメントを行わない。従って、前述したような、基板の表面と裏面とにおけるマスクの位置ずれに起因するゼロ点温度ドリフトの偏差が生じない。
【0040】
図6は、本方法の各工程を模式的に示すものである。まず基板13を準備し、基板13の主面13a、13bをエッチングして加工変質層を除去し、次いで、基板13を前述のように洗浄する。次いで、基板13の表面13aの全体にわたって、図6(a)に示すように、下地膜14A、金属膜15Aを前述のように形成する。金属膜15A上にレジスト16Aを塗布し、次いでホトマスク17Aを設置する。
【0041】
この状態で、図6(b)に示すように、開口18A、18Bからレジストを露光してパターニングし、レジストの一部を開口させる。次いで、金属膜15A、下地膜14Aをウエットエッチングし、開口20Aを形成する。次いで、レジスト層16Aを除去することで金属マスク30Aを形成する。
【0042】
次いで、開口20Aにおいて、基板13の表面13aを、ふっ酸を含有する水溶液に接触させることによってウエットエッチングする。これと同時に、基板13の裏面13bをウエットエッチングすることによって、裏面13b側を徐々に除去していく。最終的に、図6(c)に示すような開口23が形成され、一対の開口23の間に振動片22の輪郭を形成できる。22c、22dは一対の主面であり,22a、22bは一対の側面である。開口20Aからエッチングが進行すると、エッチング孔の径は深くなるのにつれて徐々に小さくなる傾向がある。従って、本例では、一方の主面22cの幅よりも他方の主面22dの幅の方が大きくなり易い。
【0043】
また、第二の態様に係る発明は、一対の主面と一対の側面とを備えており、一方の主面の幅が他方の主面の幅よりも小さい振動片を製造する方法であって、
基板の一方の主面に所定の開口を有する第一のマスクをパターニングして形成する第一のマスク形成工程;
基板の他方の主面に未硬化のレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程;
第一のマスク側の開口から活性エネルギー線を照射し、未硬化のレジスト膜を露光する露光工程;
レジスト膜を現像し、開口のパターンに対応する現像パターンを形成する現像工程;
現像パターンを利用して第二のマスクを形成する第二のマスク形成工程;および
基板を一方の主面および他方の主面からエッチングすることによって振動片を成形するエッチング工程
を有することを特徴とする。
【0044】
この方法によれば、基板の一方の主面側の第一のマスクをパターニングした後に、この第一のマスクパターンを利用して基板の他方の主面側のレジスト膜を現像し、このレジスト膜の現像パターンを第二のマスクに転写している。従って、第一のマスクと第二のマスクとの相対的位置関係が、製造される個々の振動子において大きく変動することがない。従って、基板の表面と裏面とにおけるマスクの位置ずれに起因するゼロ点温度ドリフトの偏差が生じにくい。
【0045】
図7〜図9は第二の発明の各工程を模式的に示す断面図である。
(第一のマスク形成工程)
基板13の一方の主面13aに、所定の開口18Aを有する第一のマスク30Aをパターニングして形成する(図7(a)、(b))。
【0046】
この工程においては、基板13の表面13aおよび裏面13bをエッチングして加工変質層を除去し、基板13を前述のように洗浄する。次いで、基板13の表面13aの全体にわたって、下地膜14A、金属膜15Aを前述のように形成する。金属膜15A上にレジスト16Aを塗布し、次いでホトマスク17Aを設置する。この状態で、開口18Aからレジストを露光してパターニングし、レジストの一部を開口させる。次いで、金属膜15A、下地膜14Aをウエットエッチングし、開口20Aを形成する。次いで、レジスト層16Aを除去することで金属マスク30Aを形成する。
【0047】
(レジスト膜形成工程)
本工程では、図7(c)に示すように、基板13の他方の主面13bに未硬化のレジスト膜24を形成する。
【0048】
(露光工程)
本工程では、図8(a)に示すように、マスク30A側の開口20Aから活性エネルギー線を矢印のように照射し、未硬化のレジスト膜24を露光する。この露光によって、レジスト膜24のうち、開口20Aに対応する領域24aが硬化する。
【0049】
(現像工程)
次いで、露光後のレジスト膜24を現像し、未硬化領域24bを除去する。現像方法それ自体は周知である。この結果、図8(b)に示すように、開口20Aのパターンに対応する現像パターン25が形成される。
【0050】
(マスク形成工程)
この現像パターン25を利用して第二のマスクを形成する。この際の具体的方法は特に限定されない。特に好ましくは、基板13の裏面13bの全面にわたって、現像パターン25を被覆するように金属膜を形成し、次いで現像パターンとその上の金属膜とをリフトオフする。
【0051】
即ち、図8(c)に示すように、裏面13b上に下地膜14Bおよび金属膜15Bを成膜する。この際、下地膜14Bおよび金属膜15Bが、現像パターン25を被覆するようにする。次いで、現像パターン25をリフトオフすると、図9(a)に示すような金属マスクパターン30Bが形成される。
【0052】
次いで、開口20Aおよび20Bの両方からエッチングを行うことによって、図9(b)に示すように基板13に開口26が形成される。そして、一対の開口26の間に振動片27が成形される。次いで金属マスクを除去し、図9(c)に示す振動片27を得る。
【0053】
ここで、図8(b)の段階においては、現像パターン25には開口20Aのパターンが転写される。従って、開口20Bのパターンにも開口20Aのパターンが転写される。ただし、開口20Aの幅TEと開口20Bの幅TFとは、ほぼ同じになる場合もあるが、TCがTDよりも大きくなる場合もあり、またTCがTDより小さくなる場合もある。
【0054】
即ち、図8(a)に示す露光工程において、活性エネルギー線が開口20Aから基板13に入射した後に、そのビームが広がった場合には、レジスト膜24の露光領域24aが広くなり、従って開口20Bの幅TFは大きくなる。一方、活性エネルギー線のビームの形態を調節することによって、活性エネルギー線が開口20Aから基板13に入射した後に、ビームが広がらないようにすることができる。この場合には、レジスト膜24の露光領域24aの幅が小さくなり、TEとTFとがほぼ同じになるか、あるいはTFの方が小さくなる。こうしたエネルギー線ビームの調節方法それ自体は公知である。
【0055】
そして、マスクの開口の幅TE、TFが変化すると、当然、図9(c)に示す振動片の一方の主面27cの幅TAおよび他方の主面27dの幅TBもそれに応じて変化する。なお、27a、27bは側面である。
【0056】
TEとTFとが等しい場合であっても、等しくない場合であっても、開口20Aのパターンが開口20Bのパターンに転写される。従って、振動子ごとに、開口20Aと20Bとの平面的な位置関係が変動するという問題点は生じない。
【0057】
好適な実施形態においては、振動片が圧電性単結晶からなる。圧電性単結晶としては、水晶、LiNbO3、LiTaO3、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体(Li(Nb,Ta)O3)単結晶、ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイト単結晶を例示できる。
【0058】
特に好ましくは、振動子が、所定平面内に3回回転対称のa軸を有し、かつ所定平面に垂直な方向にc軸を有する圧電性単結晶からなる。これは特に好ましくは水晶である。
【0059】
好適な実施形態においては、一方の側面が
【数3】
面であり、他方の側面が
【数4】
面である。この場合には、特に他方の側面2b上の突起の開始点にバラツキが発生しやすく、このためにゼロ点温度ドリフトのバラツキが大きくなりやすい。
【0060】
本発明の振動子は、平板状の振動片を備えている。ここで、振動片の動作モードは限定されないが、屈曲振動モードであることが特に好ましい。また、振動片が所定平面に沿って形成されていることが好ましい。ただし、「振動片が所定平面に沿って形成されている」とは、幾何学的に厳密な意味ではなく、製造上の誤差は許容される。この場合には、振動片以外の部分は平板状でなくともよい。ただし、好適な実施形態においては、振動子の全体が平板状である。
【0061】
本発明の振動子からの出力に基づいたゼロ点温度ドリフトは、振動子がどのような形成方法によって形成されていたとしても、前述したような振動片の横断面形状の影響を受ける。従って、本発明の振動片および振動子の形成方法は特に限定されず、ウエットエッチング法、ドライエッチング法の他、レーザー光線を使用した成形法でもよい。
【0062】
ただし、実際の量産という観点からは、ウエットエッチング法が最も好ましい。この場合、エッチャントは限定されないが、以下のものが好ましい。エッチャントは、ふっ酸を含有していることが好ましく、ふっ酸水溶液か、あるいはふっ酸とフッ化アンモニウムとを任意の割合で混合した水溶液が好ましい。エッチャントの濃度は、40重量%以下が好ましく、エッチャントの温度は、40〜80℃が好ましい。
【0063】
本発明の振動型ジャイロスコープは、前述の振動子を備えている。この振動型ジャイロスコープは、更に駆動手段、検出手段を備えている。駆動手段、検出手段は、一般には振動子上に形成される電極の形態をしている。
【0064】
好適な実施形態においては、本発明の振動型ジャイロスコープは、振動片が設けられる所定平面XYに対して略垂直な回転軸Zの回りの回転角速度を測定するものである。特に好ましくは、各振動片が、所定平面XYに沿って屈曲振動する。図10は、この実施形態に係る振動子を示す平面図であり、図11は、図10の振動子の斜視図である。
【0065】
振動子12は、所定平面(XY平面)に対して略垂直なZ軸を中心とする回転角速度を測定できるものである。振動子12の固定部4Bは、振動子の重心GOを中心として4回対称の正方形をしている。固定部4Bの周縁部から細長い支持部6が突出している。各支持部6の先端部分4Aから、支持部6に直交する方向に、一対の屈曲振動片2A、2Bまたは2C、2Dが延びている。各屈曲振動片の付け根部分5は、先端部分4Aから突出しており、先端部分4Aが各屈曲振動片の固定部として機能する。各屈曲振動片2A、2B、2C、2Dと各付け根部分5とによって、各屈曲振動子1A、1B、1C、1Dが構成されている。各屈曲振動片には、それぞれ駆動電極8が設けられている。
【0066】
固定部4Bの周縁部から、細長い周方向屈曲振動片2E、2Fが突出している。各屈曲振動片2E、2Fと各付け根部分5とによって、各屈曲振動子1E、1Fが構成されている。各屈曲振動片には、それぞれ検出電極9が設けられている。各振動片1E、1Fの先端にはそれぞれ重量部10が設けられている。
【0067】
駆動モードにおいては、各屈曲振動片2A、2B、2C、2Dが、固定部4Aを中心として、矢印Aのように屈曲振動する。検出モードにおいては、各支持部6が、固定部4Bへの付け根を中心として矢印Cのように周方向に屈曲振動する。これに対応して、各屈曲振動片2E、2Fが、矢印Bのように屈曲振動する。各屈曲振動片2E、2Fに励起される各検出振動を測定することによって、垂直軸Zの周りの回転角速度を測定する。
【0068】
各駆動振動片2A、2B、2C、2Dは、それぞれ、+X面側の側面2aと、−X面側の側面2bとを備えている。そして、各付け根部分5において、+X面2a側には一方のテーパー部3C、3Eが設けられており、−X面2b側には他方のテーパー部3D、3Fが設けられている。
【0069】
各検出振動片2E、2Fは、それぞれ、+X面側の側面2aと、−X面側の側面2bとを備えている。そして、付け根部分5において、+X面2a側には一方のテーパー部3Gが設けられており、−X面2b側には他方のテーパー部3Hが設けられている。
【0070】
【実施例】
(参考実験)
図4、図5を参照しつつ説明した方法に従って、図10、図11に示す振動子および振動型ジャイロスコープを作製した。具体的には、厚さ0.3mmの水晶のZ板のウエハー13に、スパッタ法によって、厚さ200オングストロームのクロム膜14A、14Bと、厚さ1000オングストロームの金膜15A、15Bとを順番に形成した。ウエハーの両面にレジスト16A、16Bをコーティングし、ホトマスク17A、17Bを設置し、露光した。
【0071】
このウエハーを、ヨウ素とヨウ化カリウムとの水溶液に浸漬し、余分な金膜15A、15Bをエッチングによって除去し、更に硝酸セリウムアンモニウムと過塩素酸との水溶液にウエハーを浸漬し、余分なクロム膜14A、14Bをエッチングして除去した。
【0072】
温度80℃の重フッ化アンモニウムに20時間ウエハー13を浸漬し、ウエハーをエッチングし、振動子の外形を形成した。メタルマスクを使用して、厚さ2000オングストロームのアルミニウム膜を電極膜として形成した。
【0073】
得られた振動子12の固定部4Bの寸法は6.0mm×6.0mmである。各駆動振動片2A〜2Dの長さは6.0mmである。各駆動電極8の寸法は、幅0.6mm×長さ2.8mmである。各検出振動片2E、2Fの長さは6.0mmである。各検出電極9の寸法は、幅0.6mm×長さ2.8mmである。
【0074】
次いで、振動子の固定部4Bの中央に0.75mm×0.75mmの正方形の支持孔を形成し、この支持孔に直径0.6mmの金属ピンを通し、金属ピンに対して振動子をシリコーン樹脂接着剤によって接着した。得られた各振動型ジャイロスコープについて、検出信号の測定値の−40℃より+85℃の温度域におけるゼロ点信号の温度変動を測定した。
【0075】
ここで、比較例においては、各屈曲振動片2A−2Fを形成するのに際して、図4(a)に示すようにホトマスク17A、17Bを設置するときに、TCもTDも300μmに設計した。この結果、図3に示すような振動片7が得られた。主面7c、7dの幅は 997μmであり、側面7a、7bの幅は305μmであった。10個の振動子について、それぞれ−40℃より+85℃の温度域におけるゼロ点信号の最大値と最小値との差を測定した。この結果、前記最大値と最小値との差の平均値は3.7%であり、標準偏差は4.2%であった。
【0076】
参考例においては、各屈曲振動片2A−2Fを形成するのに際して、図4(a)に示すようにホトマスク17A、17Bを設置するときに、TCを264μmとし、TDを300μmに設計した。この結果、図2に示すような振動片2が得られた。主面2cの幅TAは977μmであり、主面2dの幅TBは997μmであり、側面7a、7bの幅は304μmであった。10個の振動子について、それぞれ−40℃より+85℃の温度域におけるゼロ点信号の最大値と最小値との差を測定した。この結果、前記最大値と最小値との差の平均値は5.2%であり、標準偏差は0.7%であった。
【0077】
(本発明例)
図7〜図9を参照しつつ説明した方法に従って、振動子を製造した。具体的には、縦2mm、横2mm、厚さ0.1mmの水晶基板を希フッ酸にてエッチング洗浄した後、スピンドライヤーにて乾燥し、清浄な水晶基板13を製作した。次に、スパッタ装置を用いて水晶基板13の一方の主面13aに、下地層14A(Cr層)を0.05μm の膜厚にて成膜し、その上に金属膜15A(Au膜)を0.2μmの膜厚で成膜した。次に、金属膜15Aの成膜面上にスピンコーターによりポジ型ホトレジストを塗布してレジスト膜16Aを形成した。露光装置を用いて、所望のホトマスクパターンをレジスト膜16Aに転写し、レジストパターンを形成した。次に、このレジストパターンをマスクとして硝酸セリウムアンモニウムと塩酸の混合液にて金属膜15Aおよび下地膜14Aをエッチング除去し、図7(b)に示すマスクパターン30Aを形成した。
【0078】
次に、他方の主面13bにネガ型フォトレジスト24をスピンコーターによって塗布した。この状態で露光装置に、マスク30Aが上方になるように基板13を設置し、500mJの露光光量にて露光した。露光に使用する紫外線は、水晶基板13中を透過し、レジスト面を露光する。次に、スパッタ装置を用いてレジストパターン面に下地膜14B(Cr膜)を0.05μm の膜厚にて成膜し、その上に金属膜15B(Au膜)を0.2 μm の膜厚で成膜した。次に、リフトオフ工程にて、レジスト膜25及びレジスト膜25上に成膜されたAuとCrの膜を有機溶剤にて除去し、初期に形成したパターンとアライメントずれのないマスクパターン30Bを得た。その後、基板13を、70℃に加熱した40%フッ化水素アンモニウム溶液に10時間浸漬し、水晶をエッチング加工し、図11に示す振動子形状を得た。その後、得られた振動子上に配線パターンをフォトリソグラフによって形成し、ジャイロ振動子を得た。
【0079】
この振動子を使用し、実験Aと同様にして振動型ジャイロスコープを製造し、検出信号の測定値の−40℃より+85℃の温度域におけるゼロ点信号の温度変動を測定した。この結果、実験Aと同様の結果を得た。
【0080】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、一対の主面と一対の側面とを備えており、一方の主面の幅が他方の主面の幅よりも小さい振動片を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明で製造できる振動子1を概略的に示す平面図であり、(b)は、振動子1を概略的に示す側面図である。
【図2】 振動子2の横断面の輪郭を示す図である。
【図3】 振動子7の横断面の輪郭を示す図である。
【図4】 (a)、(b)は、振動子の成形プロセスの参考例を説明するための断面図である。
【図5】 (a)、(b)、(c)は、振動子の成形プロセスの参考例を説明するための断面図である。
【図6】 (a)、(b)、(c)は、第一の発明の好適例において、振動子の形成プロセスの各工程を説明するための模式的断面図である。
【図7】 第二の発明の好適例の成形プロセスに関するものであり、(a)は、基板13の一方の主面13a上に金属膜、レジスト膜およびホトマスクを設置した状態を示し、(b)は、基板13の一方の主面13a上のマスク30Aを示し、(c)は、基板13の他方の主面13b上にレジスト膜24を設けた状態を示す。
【図8】 第二の発明の好適例の成形プロセスに関するものであり、(a)は、マスク30Aの開口20Aからレジスト膜24を露光する工程を示し、(b)は、レジスト膜24を現像して得られた現像パターン25を示し、(c)は、基板13の他方の主面13b上に下地膜14Bおよび金属膜15Bを形成した状態を示す。
【図9】 第二の発明の好適例の成形プロセスに関するものであり、(a)は、基板13に設けられたマスク30Aおよび30Bを示し、(b)は基板13のエッチング工程を示し、(c)は、マスクを除去して得られた振動片27を示す。
【図10】 振動子12を概略的に示す平面図である。
【図11】 振動子12を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、12 振動子
2、2A、2B、2C、2D、2E、2F、22、27 振動片 2a、22a、27a 振動片2の一方の側面 2b、22b、27b 振動片2の他方の側面 2c、22c、27c 振動片2の一方の主面 2d、22d、27d 振動片2の他方の主面 4、4A、4B 固定部 5 付け根部分 8 駆動手段(駆動電極) 9 検出手段(検出電極) 13 基板 14A、14B 下地膜 15A、15B 金属膜 16A、16B レジスト 17A、17B ホトマスク 18A、18B レジスト露光用の開口 20A、20B 基盤13のエッチング用の開口 24 レジスト膜 24a レジスト膜24の露光領域 24b レジスト膜24の未露光領域 D 活性エネルギー線 TA 一方の主面2cの幅 TB 他方の主面2dの幅 TC ホトマスク17Aの開口の幅 TD ホトマスク17Bの開口の幅 θ 他方の主面と側面とがなす角度
Claims (13)
- 一対の主面と一対の側面とを備えており、前記一方の主面の幅が前記他方の主面の幅よりも小さい振動片を製造する方法であって、
基板の一方の主面に所定の開口を有するマスクをパターニングして形成し、前記基板の他方の主面にマスクを設けることなしに、前記基板を前記一方の主面および前記他方の主面からエッチングすることによって前記振動片を成形することを特徴とする、振動片の製造方法。 - 前記基板が圧電性単結晶からなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 前記圧電性単結晶が水晶であることを特徴とする、請求項2記載の方法。
- 前記振動片が、前記主面に略平行な平面に沿って屈曲振動することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 一対の主面と一対の側面とを備えており、前記一方の主面の幅が前記他方の主面の幅よりも小さい振動片を製造する方法であって、
基板の一方の主面に所定の開口を有する第一のマスクをパターニングして形成する第一のマスク形成工程;
前記基板の他方の主面に未硬化のレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程;
前記マスク側の前記開口から活性エネルギー線を照射し、前記未硬化のレジスト膜を露光する露光工程;
前記レジスト膜を現像し、前記開口のパターンに対応する現像パターンを形成する現像工程;
この現像パターンを利用して第二のマスクを形成する第二のマスク形成工程;および
前記基板を前記一方の主面および前記他方の主面からエッチングすることによって前記振動片を成形するエッチング工程
を有することを特徴とする、振動片の製造方法。 - 前記基板が圧電性単結晶からなることを特徴とする、請求項5記載の方法。
- 前記圧電性単結晶が水晶であることを特徴とする、請求項6記載の方法。
- 前記振動片が、前記主面に略平行な平面に沿って屈曲振動することを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 前記第一のマスクの前記パターニングを、ポジ型フォトレジストを用いて行うことを特徴とする、請求項5〜8のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 前記現像パターンを形成した後、前記他方の主面および前記現像パターンを被覆するように金属膜を形成し、次いで前記現像パターン上の前記金属膜を、前記現像パターンと共にリフトオフ法によって除去することによって、前記第二のマスクを形成することを特徴とする、請求項5〜9のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 請求項1〜10のいずれか一つの請求項に記載の方法によって製造されたことを特徴とする、振動片。
- 請求項11記載の振動片およびこの振動片を固定する固定部を有することを特徴とする、振動子。
- 請求項12記載の振動子を備えていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープ。
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