JP2008131527A - 音叉型圧電振動片および圧電デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】 CI値の上昇およびばらつきを抑えながら振動腕の長さを短くした音叉型圧電振動片または圧電デバイスを提供する。
【解決手段】 音叉型圧電振動片(20)は、圧電材料により形成された基部(29)と、基部の一端側から所定方向に伸びる振動腕(21−1)と、振動腕の表面部と裏面部に形成された溝部(27−1)と、振動腕に形成された電極(23,25)と、を備える。そして、溝部(27−1)は所定方向に伸びる非直線的な部分(のこぎり歯)を有する。
【選択図】図1
【解決手段】 音叉型圧電振動片(20)は、圧電材料により形成された基部(29)と、基部の一端側から所定方向に伸びる振動腕(21−1)と、振動腕の表面部と裏面部に形成された溝部(27−1)と、振動腕に形成された電極(23,25)と、を備える。そして、溝部(27−1)は所定方向に伸びる非直線的な部分(のこぎり歯)を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、音叉型圧電振動片と、パッケージ内に音叉型圧電振動片を収容した圧電デバイスとの改良に関する。特に小型化に伴うCI(クリスタルインピーダンス)値の上昇を抑える音叉型圧電振動片に関する。
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話などのクロック源等において、音叉型圧電振動片や圧電発振器等の圧電デバイスが広く使用されている。
特許文献1に示される音叉型圧電振動片は、水晶単結晶ウエハなどの圧電材料をウェットエッチングすることにより、音叉型の外形形状を形成する。音叉型圧電振動片はパッケージに実装する矩形の基部と、基部から延長された一対の振動腕を備えている。これら振動腕の主面(表裏面)に長溝を形成するとともに、必要な駆動用の電極を形成している。このような音叉型圧電振動片においては、駆動用の電極を介して駆動電圧が印加されると、各振動腕の先端部を近接・離間するようにして、屈曲振動することにより、所定の周波数の信号が取り出されるようになっている。音叉型圧電振動片の矩形の基部には、引出し電極が2箇所形成される。引出し電極に導電接着剤を塗布して、音叉型圧電振動片がセラミックなどのパッケージに実装される。
しかし、振動腕の長さをより短くして、音叉型圧電振動片の小型化を図りたい要望は大きい。特に、振動腕は長いのでこの振動腕の長さをできるだけ短くすれば、それだけ小型化できることになる。一方で、振動腕の長さを短くすればCI値(クリスタルインピーダンス)が大きくなってしまい、また圧電振動片ごとのCI値のばらつきも大きくなる問題が生じている。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、小型化を進める上で、CI値の上昇およびばらつきを抑えながら振動腕の長さを短くした音叉型圧電振動片または圧電デバイスを提供することを目的とする。
第1の観点の音叉型圧電振動片は、圧電材料により形成された基部と、基部の一端側から所定方向に伸びる振動腕と、振動腕に形成された電極と、を備える。そして、振動腕は所定方向に伸びる非直線的な部分を有する。
第1の観点の構成によれば、振動腕には電極が形成され、その振動腕が所定方向に伸びる非直線的な部分を有しているため、振動腕の長さを短くしてもCI値が大きくなることを抑制することができる。または第1の観点の構成は、圧電振動片ごとのCI値のばらつきも小さくすることができる。
第1の観点の構成によれば、振動腕には電極が形成され、その振動腕が所定方向に伸びる非直線的な部分を有しているため、振動腕の長さを短くしてもCI値が大きくなることを抑制することができる。または第1の観点の構成は、圧電振動片ごとのCI値のばらつきも小さくすることができる。
第2の観点による音叉型圧電振動片は、圧電材料により形成された基部と、基部の一端側から所定方向に伸びる振動腕と、振動腕の表面部と裏面部に形成された溝部と、溝部に形成された電極と、を備える。そして、溝部は所定方向に伸びる非直線的な部分を有する。
第2の観点の構成によれば、溝部には電極が形成され、その溝部が所定方向に伸びる非直線的な部分を有しているため、振動腕の長さを短くしてもCI値が大きくなることを抑制することができる。または第2の観点の構成は、圧電振動片ごとのCI値のばらつきも小さくすることができる。
第2の観点の構成によれば、溝部には電極が形成され、その溝部が所定方向に伸びる非直線的な部分を有しているため、振動腕の長さを短くしてもCI値が大きくなることを抑制することができる。または第2の観点の構成は、圧電振動片ごとのCI値のばらつきも小さくすることができる。
第3の観点による音叉型圧電振動片の非直線的な部分は、のこぎり歯形状、波形状または凹凸形状を含む。
CI値を小さくしたり、圧電振動片ごとのCI値のばらつきを小さくしたりするためには、振動腕の電極面積を大きくする必要がある。この第3の観点の構成によれば、のこぎり歯形状、波形状または凹凸形状により、所定方向の長さを短くしても電極面積は維持または長くできる。このため、音叉型水晶振動片の振動腕の長さを短くすることができる。
CI値を小さくしたり、圧電振動片ごとのCI値のばらつきを小さくしたりするためには、振動腕の電極面積を大きくする必要がある。この第3の観点の構成によれば、のこぎり歯形状、波形状または凹凸形状により、所定方向の長さを短くしても電極面積は維持または長くできる。このため、音叉型水晶振動片の振動腕の長さを短くすることができる。
第4の観点による音叉型圧電振動片の非直線的な部分は、基部の一端の近傍に形成されている。
基部の近傍の振動腕または溝部には、電極を形成することが必要である。第4の観点による音叉型圧電振動片の構成によれば、その近傍が非直線的な形状であるため、音叉型圧電振動片のCI値を小さくしたり、圧電振動片ごとのCI値のばらつきを小さくしたりすることができる。
基部の近傍の振動腕または溝部には、電極を形成することが必要である。第4の観点による音叉型圧電振動片の構成によれば、その近傍が非直線的な形状であるため、音叉型圧電振動片のCI値を小さくしたり、圧電振動片ごとのCI値のばらつきを小さくしたりすることができる。
第5の観点による音叉型圧電振動片は、非直線的な部分と、前記電極が形成されている部分とが一致する。
不要に非直線的な部分を増やしても、振動腕または溝部の強度(剛性)が弱くなるだけである。第5の観点の構成によれば、非直線的な部分と電極が形成されている部分とがほぼ一致するため、強度とCI値の低減とを両立することができる。
不要に非直線的な部分を増やしても、振動腕または溝部の強度(剛性)が弱くなるだけである。第5の観点の構成によれば、非直線的な部分と電極が形成されている部分とがほぼ一致するため、強度とCI値の低減とを両立することができる。
第6の観点による音叉型圧電振動片は、非直線部の所定方向と直交する方向の最大長さと最小長さとの比率は、1.05から1.30である。
CI値の低減の低減およびCI値のばらつきを押さえるためには、電極の面積を増やすことが必要であるが、あまりに非直線部分、たとえば波形状の振幅が大きくなると、振動腕または溝部の強度が弱くなる。第6の観点の構成によれば、第6の観点において、非直線部の所定方向と直交する方向の最大長さと最小長さとの比率は、1.05から1.30であるので、強度とCI値の低減とを両立することができる。
CI値の低減の低減およびCI値のばらつきを押さえるためには、電極の面積を増やすことが必要であるが、あまりに非直線部分、たとえば波形状の振幅が大きくなると、振動腕または溝部の強度が弱くなる。第6の観点の構成によれば、第6の観点において、非直線部の所定方向と直交する方向の最大長さと最小長さとの比率は、1.05から1.30であるので、強度とCI値の低減とを両立することができる。
また、第7の観点による音叉型圧電振動片にあっては、非直線部的な部分は、基部の一端から振動腕の先端側へ離れるに従い比率が徐々に小さくなる。
第7の観点の構成によれば、基部の近傍では振動しやすくなるように、且つ電極面積を多く取るように比率が大きい。先端側では強度などを考慮して比率が小さくなっている。
第7の観点の構成によれば、基部の近傍では振動しやすくなるように、且つ電極面積を多く取るように比率が大きい。先端側では強度などを考慮して比率が小さくなっている。
第8の観点による音叉型圧電振動片の非直線部的な部分は、ウェットエッチング工程により形成される。
第8の観点の構成によれば、ウェットエッチング工程を行えば、XY平面の伸びる、のこぎり歯形状、波形状または凹凸形状を容易に形成することができる。
第8の観点の構成によれば、ウェットエッチング工程を行えば、XY平面の伸びる、のこぎり歯形状、波形状または凹凸形状を容易に形成することができる。
第9の観点による圧電デバイスは、第1ないし第8の観点の音叉型圧電振動片と、音叉型圧電振動片を収容するパッケージと、パッケージを封止する封止蓋と、を備える。
第9の観点の構成によれば、小型の音叉型圧電振動片、特に振動腕の長さを短くした音叉型圧電振動片をパッケージして圧電デバイスを形成できるため、小型の圧電デバイスを提供することができる。
第9の観点の構成によれば、小型の音叉型圧電振動片、特に振動腕の長さを短くした音叉型圧電振動片をパッケージして圧電デバイスを形成できるため、小型の圧電デバイスを提供することができる。
本発明の音叉型圧電振動片または圧電デバイスは、振動腕または溝部に非直線部分を有し、その非直線部分に電極が形成されているため、小型化してもCI値が大きくならず、またCI値のばらつきも小さいという利点がある。
<第1圧電振動片の構成>
図1は、本発明の音叉型水晶振動片20の実施形態を示した平面図である。
音叉型水晶振動片20は、たとえば水晶Z板10となるように水晶単結晶ウエハを切り出して形成されている。水晶以外にもタンタル酸リチウム,ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。また、図1に示す音叉型水晶振動片20は32.768kHzで信号を発振する振動片であるため、極めて小型の振動片となっている。
この音叉型水晶振動片20は、基部29を有している。そして、この基部29からY方向に突出するように振動腕部である振動腕21が2本形成されている。また、この振動腕21の表面には、溝部27−1が図1に示すように各振動腕21に2箇所ずつ形成されている。この溝部27−1は、振動腕21の裏面側にも同様に形成されているため、振動腕21の溝部27−1の断面図は、図2(b)に示すようにほぼH型になっている。溝部27−1は、CI(クリスタル・インピーダンス)値の上昇を抑えるために設けられている。
図1は、本発明の音叉型水晶振動片20の実施形態を示した平面図である。
音叉型水晶振動片20は、たとえば水晶Z板10となるように水晶単結晶ウエハを切り出して形成されている。水晶以外にもタンタル酸リチウム,ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。また、図1に示す音叉型水晶振動片20は32.768kHzで信号を発振する振動片であるため、極めて小型の振動片となっている。
この音叉型水晶振動片20は、基部29を有している。そして、この基部29からY方向に突出するように振動腕部である振動腕21が2本形成されている。また、この振動腕21の表面には、溝部27−1が図1に示すように各振動腕21に2箇所ずつ形成されている。この溝部27−1は、振動腕21の裏面側にも同様に形成されているため、振動腕21の溝部27−1の断面図は、図2(b)に示すようにほぼH型になっている。溝部27−1は、CI(クリスタル・インピーダンス)値の上昇を抑えるために設けられている。
音叉型水晶振動片20の基部29は、その全体がほぼ板状に形成されている。そして、図において縦方向の長さL2が、たとえば0.58mmないし0.64mmに形成されている。一方、この基部29から突出して配置されている振動腕21の図において縦方向の長さL1は約1.45mmないし1.65mmに形成されている。したがって、この振動腕21に対する基部29の長さは、約40パーセントとなっている。
基部29は、各振動腕21側の第1基部29−1と接着領域33側の第2基部29−2とを形成している。第1基部29−1はX方向の長さ(幅)がW1であり、第2基部29−2はX方向の長さ(幅)が、第1基部29−1の幅W1よりも広い幅W2である。幅W1は幅W2の約75パーセントから90パーセントである。たとえば、幅W1は0.42mmに幅W2は0.50mmに形成されている。このため、振動腕21の振動により、溝部27−1から漏れてきた漏れ振動は、第2基部29−2に伝わり難くなる。
また、第2基部29−2には、2箇所の連結部28が形成されている。2箇所の連結部28は、この水晶単結晶ウエハから音叉型水晶振動片20を切り取る際に残る部材であり、一枚の水晶単結晶ウエハには、数千個の音叉型水晶振動片20が連結されている。
また、第2基部29−2には、2箇所の連結部28が形成されている。2箇所の連結部28は、この水晶単結晶ウエハから音叉型水晶振動片20を切り取る際に残る部材であり、一枚の水晶単結晶ウエハには、数千個の音叉型水晶振動片20が連結されている。
音叉型水晶振動片20の振動腕21および基部29には、第1電極パターン23と第2電極パターン25とが形成されている。第1電極パターン23と第2電極パターン25とはともに、50オングストローム〜700オングストロームのクロム(Cr)層の上に400オングストローム〜3000オングストロームの金(Au)層が形成された構成になっている。クロム(Cr)層の代わりに、タングステン(W)層またはチタン(Ti)層を使用してもよく、また、金(Au)層の代わりに、銀(Ag)層を使用してもよい。また、一層からなる場合もあり、一層の場合には、たとえばAl(アルミ)層などが用いられる。音叉型水晶振動片20の基部29−2には、第1基部電極23aと第2基部電極25aとが形成され、パッケージ側電極に接続される。
<振動腕21の外形形状および溝部27の形状>
<<第1実施形態>>
図2(a)は図1に示した音叉型水晶振動片20の振動腕21−1と第1基部29−1の拡大図である。図2(b)は、図2(a)のB−B断面図である。
片方の振動腕21−1の表面には二つの溝部27−1が形成され、裏面にも二つの溝部27−1が形成されている。溝部27−1自体はY方向に伸びており、その側面は、のこぎり歯形状になっている。
<<第1実施形態>>
図2(a)は図1に示した音叉型水晶振動片20の振動腕21−1と第1基部29−1の拡大図である。図2(b)は、図2(a)のB−B断面図である。
片方の振動腕21−1の表面には二つの溝部27−1が形成され、裏面にも二つの溝部27−1が形成されている。溝部27−1自体はY方向に伸びており、その側面は、のこぎり歯形状になっている。
一つの溝部27−1の長さL3は、0.25mmから0.5mm程度であり、二つの溝部27−1の間隔L4は、0.01mmから0.1mm程度である。また、溝部27−1の深さは、振動腕21−1の厚さの30パーセントから45パーセントであり、0.03mmから0.45mmとなる。一対の振動腕21−1の溝部27−1には、第1溝電極23dおよび第2溝電極25dがそれぞれ形成され、溝部27−1の周囲にも形成されている。また、(b)に示すように、一対の振動腕21−1の両側面には、第2側面電極25bおよび第1溝電極23bが形成されている。
振動腕21−1の幅W3は、0.1mm程度であり、溝部27−1の幅W4は約80パーセントで0.08mm程度である。ただし、溝部27−1の側面はのこぎり歯形状であるので、幅W4は幅方向(X方向の)平均である。振動腕21−1の溝部27−1はウェットエッチングで形成するが、溝部が貫通しないように途中でエッチングを終了するハーフエッチングで形成する。なお、ウェットエッチングにより、水晶の方向性の関係で図のように必ずしも垂直にエッチングできない場合がある。
溝部27−1が凹んでいること、且つ溝部27−1の側面がのこぎり形状になっていることにより、第1溝電極23dおよび第2溝電極25dの面積が広くなり、CI値が小さくなるとともにCI値のばらつきが少なくなる。このため、振動腕21−1の長さL1を短くしても、CI値を小さく抑えられるとともにCI値が安定する。
溝部27−1が凹んでいること、且つ溝部27−1の側面がのこぎり形状になっていることにより、第1溝電極23dおよび第2溝電極25dの面積が広くなり、CI値が小さくなるとともにCI値のばらつきが少なくなる。このため、振動腕21−1の長さL1を短くしても、CI値を小さく抑えられるとともにCI値が安定する。
<<第2実施形態>>
図3(a)は、第2実施形態の音叉型水晶振動片20の振動腕21−2と第1基部29−1の拡大図である。
振動腕21−2は側面が波形状であり、その幅W3は、0.1mm程度である。ただし、振動腕21−2の側面は波形状であるので、幅W3は幅方向(X方向の)平均である。溝部27−2の幅W4は約80パーセントで0.08mm程度である。第1実施形態と異なり、片方の振動腕21−2の表面には一つの溝部27−2が形成され、裏面にも一つの溝部27−2が形成されている。一つの溝部27−2の長さL5は、0.5mmから1.1mm程度である。
図3(a)は、第2実施形態の音叉型水晶振動片20の振動腕21−2と第1基部29−1の拡大図である。
振動腕21−2は側面が波形状であり、その幅W3は、0.1mm程度である。ただし、振動腕21−2の側面は波形状であるので、幅W3は幅方向(X方向の)平均である。溝部27−2の幅W4は約80パーセントで0.08mm程度である。第1実施形態と異なり、片方の振動腕21−2の表面には一つの溝部27−2が形成され、裏面にも一つの溝部27−2が形成されている。一つの溝部27−2の長さL5は、0.5mmから1.1mm程度である。
振動腕21−2は、側面が波形状になっていることにより、第1溝電極23bおよび第2溝電極25bの面積が広くなり、CI値が小さくなるとともにCI値のばらつきが少なくなる。このため、振動腕21−2の長さL1を短くしても、CI値を小さく抑えられるとともにCI値が安定する。
<<第3実施形態>>
図3(b)は、第3実施形態の音叉型水晶振動片20の振動腕21−2の拡大図である。
振動腕21−2は第2実施形態と同じであるが、溝部27−3は第一基部29−1の近傍の側面が波形状になっており、溝部27−3の先端側の側面は直線状になっている。直線部分の側面は、波形状の側面より振動腕の強度(剛性)が強くなる。そのため直線部分の長さL6は、CI値と強度との関係で適宜決定することができる。このように、振動腕21−2の側面が波形状になっており、溝部27−3の一部が波形状になっていることにより、第1溝電極23bおよび第2溝電極25bの面積、または第1溝電極23dおよび第2溝電極25dの面積が広くなる。したがって、振動腕21−2の長さL1を短くしても、CI値を小さく抑えられるとともにCI値が安定する。
図3(b)は、第3実施形態の音叉型水晶振動片20の振動腕21−2の拡大図である。
振動腕21−2は第2実施形態と同じであるが、溝部27−3は第一基部29−1の近傍の側面が波形状になっており、溝部27−3の先端側の側面は直線状になっている。直線部分の側面は、波形状の側面より振動腕の強度(剛性)が強くなる。そのため直線部分の長さL6は、CI値と強度との関係で適宜決定することができる。このように、振動腕21−2の側面が波形状になっており、溝部27−3の一部が波形状になっていることにより、第1溝電極23bおよび第2溝電極25bの面積、または第1溝電極23dおよび第2溝電極25dの面積が広くなる。したがって、振動腕21−2の長さL1を短くしても、CI値を小さく抑えられるとともにCI値が安定する。
<<第4実施形態>>
図4(a)は、第4実施形態の音叉型水晶振動片20の振動腕21−3の拡大図である。
溝部27−3は第3実施形態と同じであるが、振動腕21−3は第一基部29−1の近傍が波形状になっており、振動腕21−2の先端側の側面は直線状になっている。このため、溝部27−3と振動腕21−2とが相似または同一の形状になっている。直線部分の側面は、波形状の側面より振動腕の強度(剛性)が強くなる。そのため直線部分の長さL6は、CI値と強度との関係で適宜決定することができる。このように、振動腕21−3の一部の側面が波形状になっており、溝部27−3の一部が波形状になっていることにより、第1溝電極23bおよび第2溝電極25bの面積、または第1溝電極23dおよび第2溝電極25dの面積が広くなる。したがって、振動腕21−3の長さL1を短くしても、CI値を小さく抑えられるとともにCI値が安定する。
図4(a)は、第4実施形態の音叉型水晶振動片20の振動腕21−3の拡大図である。
溝部27−3は第3実施形態と同じであるが、振動腕21−3は第一基部29−1の近傍が波形状になっており、振動腕21−2の先端側の側面は直線状になっている。このため、溝部27−3と振動腕21−2とが相似または同一の形状になっている。直線部分の側面は、波形状の側面より振動腕の強度(剛性)が強くなる。そのため直線部分の長さL6は、CI値と強度との関係で適宜決定することができる。このように、振動腕21−3の一部の側面が波形状になっており、溝部27−3の一部が波形状になっていることにより、第1溝電極23bおよび第2溝電極25bの面積、または第1溝電極23dおよび第2溝電極25dの面積が広くなる。したがって、振動腕21−3の長さL1を短くしても、CI値を小さく抑えられるとともにCI値が安定する。
<<第5実施形態>>
図4(b)は、第5実施形態の音叉型水晶振動片20の振動腕21−4の拡大図である。
振動腕21−4の側面は第一基部29−1の近傍が直線状になっており、振動腕21−2の先端側の側面は波形状になっている。溝部27−4の側面は全体が波形状になっている。直線部分の側面は、波形状の側面より振動腕の強度(剛性)が強くなる。特に音叉型水晶振動片を小型化したために振動腕の強度または耐久性に不安があるときには好ましい。このように、振動腕21−4の一部の側面が波形状になっており、溝部27−4の全体が波形状になっていることにより、第1溝電極23bおよび第2溝電極25bの面積、または第1溝電極23dおよび第2溝電極25dの面積が広くなる。したがって、振動腕21−4の長さL1を短くしても、CI値を小さく抑えられるとともにCI値が安定する。
図4(b)は、第5実施形態の音叉型水晶振動片20の振動腕21−4の拡大図である。
振動腕21−4の側面は第一基部29−1の近傍が直線状になっており、振動腕21−2の先端側の側面は波形状になっている。溝部27−4の側面は全体が波形状になっている。直線部分の側面は、波形状の側面より振動腕の強度(剛性)が強くなる。特に音叉型水晶振動片を小型化したために振動腕の強度または耐久性に不安があるときには好ましい。このように、振動腕21−4の一部の側面が波形状になっており、溝部27−4の全体が波形状になっていることにより、第1溝電極23bおよび第2溝電極25bの面積、または第1溝電極23dおよび第2溝電極25dの面積が広くなる。したがって、振動腕21−4の長さL1を短くしても、CI値を小さく抑えられるとともにCI値が安定する。
<<第6実施形態>>
図5(a)は、第6実施形態の音叉型水晶振動片20の振動腕21−5の拡大図である。
振動腕21−5の側面は第一基部29−1の近傍が大きなうねりの波形状になっており、振動腕21−2の先端側の側面は小さなうねりの波形状になっている。溝部27−4も同様に第一基部29−1の近傍が大きなうねりの波形状になっており、溝部27−4の先端側の側面は小さなうねりの波形状になっている。うねりの小さな波形状の側面は、うねりの大きな波形状の側面より振動腕の強度(剛性)が強くなる。このように、振動腕21−5の全体の側面が波形状になっており、溝部27−4の全体が波形状になっていることにより、第1溝電極23bおよび第2溝電極25bの面積、または第1溝電極23dおよび第2溝電極25dの面積が広くなる。したがって、振動腕21−4の長さL1を短くしても、CI値を小さく抑えられるとともにCI値が安定する。
図5(a)は、第6実施形態の音叉型水晶振動片20の振動腕21−5の拡大図である。
振動腕21−5の側面は第一基部29−1の近傍が大きなうねりの波形状になっており、振動腕21−2の先端側の側面は小さなうねりの波形状になっている。溝部27−4も同様に第一基部29−1の近傍が大きなうねりの波形状になっており、溝部27−4の先端側の側面は小さなうねりの波形状になっている。うねりの小さな波形状の側面は、うねりの大きな波形状の側面より振動腕の強度(剛性)が強くなる。このように、振動腕21−5の全体の側面が波形状になっており、溝部27−4の全体が波形状になっていることにより、第1溝電極23bおよび第2溝電極25bの面積、または第1溝電極23dおよび第2溝電極25dの面積が広くなる。したがって、振動腕21−4の長さL1を短くしても、CI値を小さく抑えられるとともにCI値が安定する。
<<第7実施形態>>
図5(b)は、第7実施形態の音叉型水晶振動片20の振動腕21−6の拡大図である。
振動腕21−6の側面はのこぎり歯形状になっている。溝部27−1は第1実施形態で説明したものと同じく、一つの振動腕21の表面に二つの溝部27−1、裏面に二つの溝部27−1を有している。第1実施形態と比べると強度が弱いが、振動腕21−6の根元から振動しやすい。
図5(b)は、第7実施形態の音叉型水晶振動片20の振動腕21−6の拡大図である。
振動腕21−6の側面はのこぎり歯形状になっている。溝部27−1は第1実施形態で説明したものと同じく、一つの振動腕21の表面に二つの溝部27−1、裏面に二つの溝部27−1を有している。第1実施形態と比べると強度が弱いが、振動腕21−6の根元から振動しやすい。
<<第8実施形態>>
図6(a)は、第8実施形態の音叉型水晶振動片20の振動腕21−7の拡大図である。
振動腕21−7の側面は凹凸形状になっている。溝部27−6の側面も振動腕21−7の側面に合わせて凹凸形状になっている。この形状は、振動腕21のY方向の所定長さに対して表面積が一番大きく確保できる。このため、振動腕21−7の長さを一番短くしても、CI値を小さく抑えられるとともにCI値が安定する。
図6(a)は、第8実施形態の音叉型水晶振動片20の振動腕21−7の拡大図である。
振動腕21−7の側面は凹凸形状になっている。溝部27−6の側面も振動腕21−7の側面に合わせて凹凸形状になっている。この形状は、振動腕21のY方向の所定長さに対して表面積が一番大きく確保できる。このため、振動腕21−7の長さを一番短くしても、CI値を小さく抑えられるとともにCI値が安定する。
<<第9実施形態>>
図6(b)は、第9実施形態の音叉型水晶振動片20の振動腕21−2の拡大図である。
振動腕21−2は、図3で示した第2実施形態または第3実施形態と同じである。溝部27−7は、一つの振動腕21−2の表面に二つの溝部27−7、裏面に二つの溝部27−7を有している。図では示していないが、二つの溝部27−7が一つになった溝部27よりも、溝部の無い箇所があるため強度が強くなる。
図6(b)は、第9実施形態の音叉型水晶振動片20の振動腕21−2の拡大図である。
振動腕21−2は、図3で示した第2実施形態または第3実施形態と同じである。溝部27−7は、一つの振動腕21−2の表面に二つの溝部27−7、裏面に二つの溝部27−7を有している。図では示していないが、二つの溝部27−7が一つになった溝部27よりも、溝部の無い箇所があるため強度が強くなる。
以上、第1実施形態から第9実施形態までいろいろな側面を有した振動腕21と溝部27とを示してきた。図で示していない組み合わせおよび図で示していない形状などがあるが、本発明の開示は適宜変更可能である。すなわち、振動腕21の所定の長さの範囲で、第1溝電極23bおよび第2溝電極25bの面積を大きくする、または第1溝電極23dおよび第2溝電極25dの面積を大きくするようにすればよい。その一方で振動腕21の強度および耐久性を維持するようにすればよい。この条件の組み合わせで音叉型水晶振動片20の長さをさらに小さくすることができる。なお、振動腕21の先端は、周波数調整のために錘部を形成しているため、振動腕21の最先端まで波形状、のこぎり歯形状または凹凸形状を形成する必要は無い。
本実施形態では、ウェットエッチングによる製造の容易性を考慮して、X方向に伸びる波形状、のこぎり歯形状または凹凸形状を形成した。しかし、レーザー加工などを考慮すれば、Z方向に伸びる波形状、のこぎり歯形状または凹凸形状を形成してもよい。
<第1実施形態ないし第9実施形態の水晶振動片のパッケージ>
<<音叉型水晶振動子の構成>>
図7(a)は、本実施形態に係るセラミック製のパッケージ音叉型水晶振動子50を示す断面図である。このセラミック製のパッケージ音叉型振動子50は、上述の複数の実施形態の音叉型水晶振動片20を使用している。音叉型水晶振動片20はパッケージ51に導電接着剤31によって実装される。その後、蓋体56と封止材58とがシーム溶接などで固定されることで、音叉型水晶振動片20がパッケージ51内に封止される。
<<音叉型水晶振動子の構成>>
図7(a)は、本実施形態に係るセラミック製のパッケージ音叉型水晶振動子50を示す断面図である。このセラミック製のパッケージ音叉型振動子50は、上述の複数の実施形態の音叉型水晶振動片20を使用している。音叉型水晶振動片20はパッケージ51に導電接着剤31によって実装される。その後、蓋体56と封止材58とがシーム溶接などで固定されることで、音叉型水晶振動片20がパッケージ51内に封止される。
<<音叉水晶発振器の構成>>
図7(b)は、音叉水晶発振器60を示す図である。この音叉水晶発振器60は、上述のセラミック製のパッケージ音叉型振動子50と多くの部分で構成が共通している。したがって、セラミック製のパッケージ音叉型振動子50と音叉型水晶振動片20の構成、作用等については、同一符号を付する等して、その説明を省略する。
図7(b)は、音叉水晶発振器60を示す図である。この音叉水晶発振器60は、上述のセラミック製のパッケージ音叉型振動子50と多くの部分で構成が共通している。したがって、セラミック製のパッケージ音叉型振動子50と音叉型水晶振動片20の構成、作用等については、同一符号を付する等して、その説明を省略する。
図7(b)に示す音叉型水晶発振器60は、図7(a)に示すセラミック製のパッケージ音叉振動子50の音叉型水晶振動片20の下方で、ベース部51aの上に集積回路61を配置したものである。すなわち、音叉水晶発振器60では、その内部に配置された、音叉型水晶振動片20が振動すると、その振動は、集積回路61に入力され、その後、所定の周波数信号を取り出すことで、発振器として機能することになる。このような集積回路61がパッケージ51に実装され、引き続き音叉型水晶振動片20がパッケージ51に導電接着剤31によって実装される。
<<シリンダータイプ音叉水晶発振器の構成>>
図7(c)は、シリンダータイプ音叉振動子70を示す概略図である。このシリンダータイプ音叉振動子70は、上述の音叉型水晶振動片20を使用している。シリンダータイプ音叉振動子70は、その内部に音叉型水晶振動片20を収容するための金属製のキャップ75を有している。このキャップ75は、ステム73に対して圧入され、その内部が真空状態に保持されるようになっている。また、キャップ75に収容された音叉型水晶振動片20を保持するためのリード71が2本配置されている。リード71と音叉型水晶振動片20とは導電接着剤31で導電接合される。この音叉型水晶振動片20は、電極部から一定の電流が与えられると振動するようになっている。
図7(c)は、シリンダータイプ音叉振動子70を示す概略図である。このシリンダータイプ音叉振動子70は、上述の音叉型水晶振動片20を使用している。シリンダータイプ音叉振動子70は、その内部に音叉型水晶振動片20を収容するための金属製のキャップ75を有している。このキャップ75は、ステム73に対して圧入され、その内部が真空状態に保持されるようになっている。また、キャップ75に収容された音叉型水晶振動片20を保持するためのリード71が2本配置されている。リード71と音叉型水晶振動片20とは導電接着剤31で導電接合される。この音叉型水晶振動片20は、電極部から一定の電流が与えられると振動するようになっている。
<圧電振動デバイスの製造工程>
図8は、本実施形態のパッケージ音叉型振動子50の製造の全工程を示したフローチャートである。
<<圧電振動片の外形形成および振動腕の溝部形成の工程>>
図8は、本実施形態のパッケージ音叉型振動子50の製造の全工程を示したフローチャートである。
<<圧電振動片の外形形成および振動腕の溝部形成の工程>>
ステップS112では、水晶単結晶ウエハ10の全面に、耐蝕膜をスパッタリングもしくは蒸着などの手法により形成する。すなわち、圧電材料としての水晶単結晶ウエハ10を使用する場合に、金(Au)や銀(Ag)等を直接成膜することは困難なため、下地としてクロム(Cr)やチタン(Ti)等を使用する。つまり、この実施形態では、耐蝕膜としてクロム層の上に金層を重ねた金属膜を使用する。たとえば、クロム層の厚みは500オングストローム、金層の厚みも500オングストローム程度とする。
ステップS114では、クロム層および金層が形成された水晶単結晶ウエハ10に、フォトレジスト層を全面にスピンコートなどの手法で均一に塗布する。フォトレジスト層としては、たとえば、ノボラック樹脂によるポジフォトレジストを使用できる。
次に、ステップS116では、露光装置を用いて、図9に示す第1フォトマスク91に描かれた音叉型水晶振動片20のパターンをフォトレジスト層が塗布された水晶単結晶ウエハ10を露光する。第1フォトマスク91は、図5(b)で示した音叉型水晶振動片20用のマスクである。ステップS116では、両面露光装置を使って365nmのi線の露光光を用いて水晶単結晶ウエハ10の両面に第1フォトマスク91に描かれた音叉型水晶振動片20のパターンを露光する。
ステップS118では、水晶単結晶ウエハ10のフォトレジスト層を現像して、感光したフォトレジスト層を除去する。さらに、フォトレジスト層から露出した金層をたとえば、ヨウ素とヨウ化カリウムの水溶液を用いて、金層をエッチングする。次いで、金層が除去されて露出したクロム層を、たとえば硝酸第2セリウムアンモニウムと酢酸との水溶液でエッチングする。水溶液の濃度、温度および水溶液に浸している時間を調整して余分な箇所が侵食されないようにする。これで耐蝕膜を除去することができる。
ステップS120では、溝部27を形成するためのフォトレジスト層を全面にスピンコートまたはスプレー塗布などの手法で均一に塗布する。
ステップS122では、溝部27に対応した第2フォトマスク96(図9)を用意して、溝部27をフォトレジスト層が塗布された水晶単結晶ウエハ10を露光する。溝部27は音叉型水晶振動片20の両面に形成する必要があるため、露光光を用いて音叉型水晶振動片20の両面を露光する。両面露光装置を使って音叉型水晶振動片20の両面を一度に露光することもでき、また、片面露光装置を使って音叉型水晶振動片20の片面を露光し、音叉型水晶振動片20を裏返して他方の片面を露光することもできる。
ステップS124では、フォトレジスト層を現像後、感光したフォトレジストを除去する。残るフォトレジストは溝部27と対応したフォトレジストになる。フォトレジスト層から露出した金層はここではエッチングせず、ステップS128でエッチングする。
ステップS122では、溝部27に対応した第2フォトマスク96(図9)を用意して、溝部27をフォトレジスト層が塗布された水晶単結晶ウエハ10を露光する。溝部27は音叉型水晶振動片20の両面に形成する必要があるため、露光光を用いて音叉型水晶振動片20の両面を露光する。両面露光装置を使って音叉型水晶振動片20の両面を一度に露光することもでき、また、片面露光装置を使って音叉型水晶振動片20の片面を露光し、音叉型水晶振動片20を裏返して他方の片面を露光することもできる。
ステップS124では、フォトレジスト層を現像後、感光したフォトレジストを除去する。残るフォトレジストは溝部27と対応したフォトレジストになる。フォトレジスト層から露出した金層はここではエッチングせず、ステップS128でエッチングする。
ステップS126では、フッ酸溶液をエッチング液として、フォトレジスト層および耐蝕膜から露出した水晶材料を、音叉型水晶振動片20の外形になるようにウェットエッチングを行う。このウェットエッチングは、フッ酸溶液の濃度や種類、温度等により時間が変化するが、約6時間ないし約15時間かかる。
次いで、ステップS128では、溝部27のエッチングを行う。すなわち、溝部27と対応した露出した金層をたとえば、ヨウ素とヨウ化カリウムの水溶液でエッチングする。
次いで、ステップS128では、溝部27のエッチングを行う。すなわち、溝部27と対応した露出した金層をたとえば、ヨウ素とヨウ化カリウムの水溶液でエッチングする。
続いて、ステップS130で、フッ酸溶液をエッチング液として、耐蝕膜から露出した水晶材料を、溝部27の外形になるようにウェットエッチングを行う。溝部27が貫通孔にならないように途中でエッチングを終了するハーフエッチングを行う。これらの工程を経て、音叉型水晶振動片20に溝部27が正確な位置に形成される。
ステップS132では、不要となったフォトレジスト層と耐蝕膜を除去することによりに、図5(b)で示した第7実施形態の振動腕21−6、溝部27−1および基部29を有する音叉型水晶振動片20が形成される。
<<電極の形成の工程>>
ステップS134では、音叉型水晶振動片20を純水で洗浄し、音叉型水晶振動片20の全面に駆動電極としての励振電極などを形成するための金属膜を蒸着またはスパッタリング等の手法により形成する。
ステップS136では、スプレーを使って全面にフォトレジストを塗布する。溝部27などが形成されているため、溝部27にも均一にフォトレジストを塗布する。
ステップS134では、音叉型水晶振動片20を純水で洗浄し、音叉型水晶振動片20の全面に駆動電極としての励振電極などを形成するための金属膜を蒸着またはスパッタリング等の手法により形成する。
ステップS136では、スプレーを使って全面にフォトレジストを塗布する。溝部27などが形成されているため、溝部27にも均一にフォトレジストを塗布する。
ステップS138では、電極パターンと対応した第3フォトマスク(不図示)を用意して、電極パターンをフォトレジスト層が塗布された水晶単結晶ウエハ10を露光する。電極パターンは音叉型水晶振動片20の両面に形成する必要がある。
ステップS140では、フォトレジスト層を現像後、感光したフォトレジストを除去する。残るフォトレジストは電極パターンと対応したフォトレジストになる。次いで、電極となる金属膜のエッチングを行う。すなわち、電極パターンと対応したフォトレジスト層から露出した金層をたとえば、ヨウ素とヨウ化カリウムの水溶液でエッチングし、次にクロム層をたとえば硝酸第2セリウムアンモニウムと酢酸との水溶液でエッチングする。
続いて、ステップS142でフォトレジストを除去する。これらの工程を経て、音叉型水晶振動片20に励振電極などが正確な位置および電極幅で形成される。
続いて、ステップS142でフォトレジストを除去する。これらの工程を経て、音叉型水晶振動片20に励振電極などが正確な位置および電極幅で形成される。
<<周波数調整およびパッケージングの工程>>
これまでの工程により、電極および溝部27が形成された音叉型水晶振動片20が得られたため、ステップS144では、セラミック製のパッケージ51に音叉型水晶振動片20を導電性接着剤31で接着する。具体的には、音叉型水晶振動片20の基部29を、電極部52に塗布した導電性接着剤31の上に載置して、導電性接着剤31を仮硬化させる。次に、硬化炉で導電性接着剤31を本硬化することにより音叉型水晶振動片20を引出電極に対して接合する。
これまでの工程により、電極および溝部27が形成された音叉型水晶振動片20が得られたため、ステップS144では、セラミック製のパッケージ51に音叉型水晶振動片20を導電性接着剤31で接着する。具体的には、音叉型水晶振動片20の基部29を、電極部52に塗布した導電性接着剤31の上に載置して、導電性接着剤31を仮硬化させる。次に、硬化炉で導電性接着剤31を本硬化することにより音叉型水晶振動片20を引出電極に対して接合する。
ステップS146では、さらに、音叉型水晶振動片20の振動腕21の先端にレーザー光を照射して、振動腕21の錘金属の一部を蒸散・昇華させ、質量削減方式による周波数調整を行う。
次に、ステップS148で、真空チャンバ内などに音叉型水晶振動片20を収容したパッケージ51を移し、蓋体56を封止材58により接合する。
続いてステップS150で、最後に圧電振動デバイス50の駆動特性などの検査を行い、圧電振動デバイス50を完成させる。
次に、ステップS148で、真空チャンバ内などに音叉型水晶振動片20を収容したパッケージ51を移し、蓋体56を封止材58により接合する。
続いてステップS150で、最後に圧電振動デバイス50の駆動特性などの検査を行い、圧電振動デバイス50を完成させる。
<露光マスクの構成>
図9は、図5(b)で示した音叉型水晶振動片20用の第1フォトマスク91の一部と第2フォトマスク96の一部とを示した図である。
図9の第1フォトマスク91は、フォトレジスト層がポジフォトレジストの場合には、マスク枠92と音叉型振動片パターン93とは、石英ガラスの上にクロムで描かれている。斜線部94は透過領域で透明な石英ガラスのままである。フォトレジスト層がポジフォトレジストの場合には、逆に、斜線部94がクロムで遮光された状態になっている。本実施形態では以下、ポジフォトレジストを前提として説明する。
音叉型振動片パターン93は、図5(b)で示した音叉型水晶振動片20の一対の振動腕21−6および基部29の外形と一致する。また、溝パターン98は、図5(b)で示した溝部27−1の外形と一致する。このようにフォトリソグラフィ工程を用いれば、図3ないし図6に示した音叉型水晶振動片20の振動腕21および溝部27の形状を、第1フォトマスク91、第2フォトマスク96で形成すれば、簡単に製造することができる。
図9は、図5(b)で示した音叉型水晶振動片20用の第1フォトマスク91の一部と第2フォトマスク96の一部とを示した図である。
図9の第1フォトマスク91は、フォトレジスト層がポジフォトレジストの場合には、マスク枠92と音叉型振動片パターン93とは、石英ガラスの上にクロムで描かれている。斜線部94は透過領域で透明な石英ガラスのままである。フォトレジスト層がポジフォトレジストの場合には、逆に、斜線部94がクロムで遮光された状態になっている。本実施形態では以下、ポジフォトレジストを前提として説明する。
音叉型振動片パターン93は、図5(b)で示した音叉型水晶振動片20の一対の振動腕21−6および基部29の外形と一致する。また、溝パターン98は、図5(b)で示した溝部27−1の外形と一致する。このようにフォトリソグラフィ工程を用いれば、図3ないし図6に示した音叉型水晶振動片20の振動腕21および溝部27の形状を、第1フォトマスク91、第2フォトマスク96で形成すれば、簡単に製造することができる。
本発明は上述の実施形態に限定されない。各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたりしてもよい。また、音叉型水晶振動片20または第2音叉型水晶振動片120では、一対の振動腕21を形成しているが、これに限らず、振動腕21は3本でも、4本以上でもよい。
10 … 水晶単結晶ウエハ
20 … 音叉型水晶振動片
21 … 振動腕
23,25 … 電極
27 … 溝部
29 … 基部、29−1 … 第1基部、29−2 … 第2基部
50 … パッケージ音叉型振動子
51 … パッケージ
60 … 音叉型水晶振動子
70 … シリンダータイプ音叉振動子
91、96 … 第1フォトマスク、第2フォトマスク
20 … 音叉型水晶振動片
21 … 振動腕
23,25 … 電極
27 … 溝部
29 … 基部、29−1 … 第1基部、29−2 … 第2基部
50 … パッケージ音叉型振動子
51 … パッケージ
60 … 音叉型水晶振動子
70 … シリンダータイプ音叉振動子
91、96 … 第1フォトマスク、第2フォトマスク
Claims (9)
- 圧電材料により形成された基部と、
前記基部の一端側から所定方向に伸びる振動腕と、
前記振動腕に形成された電極と、を備え、
前記振動腕は、前記所定方向に伸びる非直線的な部分を有することを特徴とする音叉型圧電振動片。 - 圧電材料により形成された基部と、
前記基部の一端側から所定方向に伸びる振動腕と、
前記振動腕の表面部と裏面部に形成された溝部と、
前記溝部に形成された電極と、を備え、
前記溝部は、前記所定方向に伸びる非直線的な部分を有することを特徴とする音叉型圧電振動片。 - 前記非直線的な部分は、のこぎり歯形状、波形状または凹凸形状を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音叉型圧電振動片。
- 前記非直線的な部分は、前記基部の一端の近傍に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の音叉型圧電振動片。
- 前記非直線的な部分と、前記電極が形成されている部分とが一致することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の音叉型圧電振動片。
- 前記非直線部の前記所定方向と直交する方向の最大長さと最小長さとの比率は、1.05から1.30であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の音叉型圧電振動片。
- 前記非直線部的な部分は、前記基部の一端から前記振動腕の先端側へ離れるに従い前記比率が徐々に小さくなることを特徴とする請求項6に記載の音叉型圧電振動片。
- 前記非直線部的な部分は、ウェットエッチング工程により形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の音叉型圧電振動片。
- 請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の音叉型圧電振動片と、
前記音叉型圧電振動片を収容するパッケージと、
前記パッケージを封止する封止蓋と
を備える圧電デバイス。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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