JP4010218B2 - 圧電振動片の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エッチング異方性を有す根水晶等の圧電材料からになるウエハをフォトエッチングしかつその表面に電極膜をパターニングして圧電振動片を製造する方法に関し、特に、圧電振動ジャイロのような音叉型圧電振動片の振動腕の側面に、その厚み方向に分離された電極を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、船舶・航空機・自動車等の姿勢制御や航行制御、ビデオカメラ等の手振れ防止・検出等における回転角速度センサとして、圧電振動ジャイロが広く利用されており、3次元立体マウス等の回転方向センサにも応用されている。図5は、このような圧電振動ジャイロに使用するための音叉型水晶振動片の一例を示している。音叉型水晶振動片1は、図5(A)に示すように、中央の基部2から一方の側に延出する1対の駆動用振動腕3と、それとは反対側に延出する1対の検出用振動腕4とを有する。音叉型水晶振動片1は、基部2から突出する支持部2a、2bを接着固定して所定のパッケージ内にマウントされ、圧電振動ジャイロを構成する。(例えば、下記特許文献1を参照。)
【0003】
検出用振動腕4には、図5(B)に示すように、その側面にそれぞれ厚み方向に分離された2対の検出用電極5a、5bが設けられている。駆動用振動腕3には、図5(C)に示すように、その上下主面に形成された長手方向の溝6の内面に第1の駆動用電極7a、7bが設けられ、かつその側面に第2の駆動用電極8a、8bが設けられ、互いに電気的に接続されて音叉型水晶振動片1を振動させる駆動電極を構成している。前記駆動電極に所定の交流電圧を印加すると、隣接する第1及び第2の駆動用電極7a、8a及び7b、8b間で電界が交互に発生して、その共振周波数で駆動用振動腕3が屈曲振動する。このように第1の駆動用電極7a、7bが溝6の内面に設けられた構成では、前記電界が前記各主面に平行に発生するので、電界効率が大幅に向上し、CI値を低く抑制することができる。
【0004】
この状態で音叉型水晶振動片1が図5(A)のY軸9を中心に回転すると、その回転角速度に対して、その振動方向と直交する向きに働くコリオリ力により、駆動用振動腕3は垂直方向に応力を受け、垂直方向に振動する。この振動が基部2を介して伝達されて、検出用振動腕4をその共振周波数で振動させる。これを電気信号として検出用電極5a、5bから検出することにより、音叉型水晶振動片1の回転角速度及びその回転方向等が求められる。
【0005】
従来、音叉型水晶振動片1は、フォトリソグラフィ技術を利用して水晶ウエハをウエットエッチングすることにより所望の外形及び各振動腕の溝を加工し、かつその表面にスパッタリング等で被着させた電極膜をパターニングして所望の電極や電極パッド及びそれらを接続する配線パターンを形成する。検出用電極5a、5bは、水晶ウエハが或る程度の厚みを有する場合には、検出用振動腕4の側面全面に電極膜を成膜した後、その厚み方向中央の不要部分を機械的又は化学的に剥離することによって形成できる。しかしながら最近は、電子機器の小型化に伴い圧電デバイスが小型化・薄型化されて、ウエハが非常に薄くなっているので、このような方法で電極膜を分離させることは困難である。
【0006】
圧電デバイスの小型化・薄型化に対応するために、下記特許文献1には、水晶板に振動子の外形を両面から、その厚みを一部残すようにエッチングして溝を形成しかつその側面に電極膜を形成した後、該溝のエッチング残りの部分を機械的に折って、個々の振動子を分離させると同時に、その際に溝に残存する突起によって厚み方向に分離させた電極を形成する方法が記載されている。更に下記特許文献2には、前記溝のエッチング残りの部分をエッチングで除去することにより、同様に電極を厚み方向に分割させる方法が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−18371号公報
【特許文献2】
特開平8−162874号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載される方法では、溝のエッチング残りの部分を折る際に、水晶の破片が生じて水晶振動子に付着し、その振動特性を変化させたり、隣接する水晶振動子や治具と接触して電極膜を損傷し、不良品の発生及び歩留まりの低下を招く虞がある。更に、折る位置を正確に制御できないので、水晶振動子の側面に残存する突起の大きさが均一にならず、振動腕のバランスを損なって不要な振動を発生させ、振動特性を低下させるという問題が生じる。また、エッチング残りの部分で水晶振動子を折るためには、特殊な治具が必要で、そのために作業が複雑化しかつ製造コストを増大させる結果となる。
【0009】
また、上記特許文献2の方法では、エッチングでエッチング残りの部分を完全に除去する際に、水晶の結晶異方性のために、水晶振動子の側面がオーバエッチングされて凹みが形成される虞がある。更に、エッチング残りの部分に形成したレジスト膜を剥離することにより、その上に後から形成された電極膜をリフトオフしているが、このとき除去された電極材料が電極に再付着する虞がある。
【0010】
そこで本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、フォトリソグラフィ技術を利用した従来の加工工程を用いて、複雑な工程を追加したり特別な工具や設備を用いる必要が無く、電極を損傷したり振動特性に影響を与えることなく、簡単にかつ低コストで、圧電振動片側面の厚み方向に分離した電極を有する圧電振動片を製造し得る方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記目的を達成するために、厚み方向により高いエッチングレートを有する圧電材料からなるウエハの両主面に耐蝕膜を形成する工程と、振動片の外形及びその外側に拡大した余白部分を含む予備形状を前記耐蝕膜にパターニングして、前記ウエハの表面を露出させる工程と、前記耐蝕膜の上にフォトレジスト層を形成して前記振動片外形をパターニングし、前記余白部分に対応する前記耐蝕膜の部分を露出させる工程と、前記ウエハの露出面を貫通エッチングして、前記予備形状を形成する工程と、前記余白部分に対応する前記耐蝕膜の露出部分を除去して、前記ウエハの表面を露出させる工程と、前記予備形状の側面にその厚み方向中央に突条を残すように前記ウエハの露出面をエッチングして、前記振動片外形を形成する工程と、残存する前記フォトレジスト層及び前記耐蝕膜を除去した後、前記突条を含む前記振動片側面に電極膜を形成しかつパターニングして、前記突条の先端に前記圧電材料の表面を露出させる工程と、残存する前記フォトレジスト層を除去する工程とを含むことを特徴とする圧電振動片の製造方法が提供される。
【0012】
前記ウエハは、厚み方向により高いエッチングレートを有するので、振動片外形を形成するためにウエハ露出面をエッチングする際に、ウエハはその幅方向よりも厚み方向により速くエッチングされるから、耐蝕膜のパターニングで加工範囲を限定しつつ、加工時間等の条件を調整することによって、振動片自体が小型化されても、振動片側面の厚み方向中央に突条を形成することは容易である。このように圧電材料のエッチング異方性を利用してウエハの厚み方向と幅方向とでエッチング速度を制御することにより、振動片の特性に影響を与えない程度の高さを有する突条を側面に形成し、該側面に形成される電極を従来のフォトリソグラフィ技術を利用したエッチング工程により、厚み方向に分離させることができる。従って、複雑な工程を追加したり特別な工具や設備を用いる必要が無く低コストであり、加工時に電極を損傷したり異物の付着により振動特性に影響を与えることなく、所望の圧電振動片を歩留まり良く製造することができる。
【0013】
圧電材料としては、従来から一般に採用されている水晶が好ましく、その結晶異方性からウエハの厚み方向を水晶のZ軸方向に対応して配向するのが好ましい。
【0014】
或る実施例において、ウエハ側面に形成した電極膜のパターニングは、フォトリソグラフィ技術を利用して、前記電極膜の上にフォトレジスト層を形成しかつパターニングして前記突条の先端に電極膜を露出させ、この電極膜の露出部分を除去して突条の先端に圧電材料の表面を露出させることにより、簡単に加工することができる。
【0015】
本発明の別の側面によれば、厚み方向により高いエッチングレートを有する圧電材料からなるウエハの両主面に耐蝕膜を形成する工程と、1対の振動腕を有する音叉型振動片の外形及び前記振動腕の外側に拡大した余白部分を含む予備形状を前記耐蝕膜にパターニングして、前記ウエハの表面を露出させる工程と、前記耐蝕膜の上にフォトレジスト層を形成して前記振動片外形をパターニングし、前記余白部分に対応する前記耐蝕膜の部分を露出させる工程と、前記ウエハの露出面を貫通エッチングして、前記予備形状を形成する工程と、前記余白部分に対応する前記耐蝕膜の露出部分を除去して、前記予備形状の表面を露出させる工程と、前記ウエハの側面にその厚み方向中央に突条を残すように前記ウエハの露出面をエッチングして、前記振動片外形を形成する工程と、残存する前記フォトレジスト層及び前記耐蝕膜を除去した後、前記突条を含む前記振動片側面に電極膜を形成しかつパターニングして、前記突条の先端に前記圧電材料の表面を露出させる工程と、残存する前記フォトレジスト層を除去する工程とを含むことを特徴とする圧電振動片の製造方法が提供される。
【0016】
同様に、圧電材料としては、従来から一般に採用されている水晶が好ましく、その結晶異方性から振動腕の長手方向、幅方向及び厚み方向をそれぞれ水晶のY軸方向、X軸方向及びZ軸方向に対応して配向するのが好ましい。
【0017】
また、前記ウエハ側面に形成した電極膜のパターニングは、同様に前記電極膜の上にフォトレジスト層を形成しかつパターニングして前記突条の先端に電極膜を露出させ、この電極膜の露出部分を除去して突条の先端に圧電材料の表面を露出させることにより、簡単に加工することができる。
【0018】
或る実施例では、前記音叉型振動片が前記1対の振動腕とは逆向きに延出する別の1対の振動腕を有し、前記予備形状が前記別の1対の振動腕の外側には拡大した余白部分を含まないように形成され、振動片側面に電極膜を形成しかつパターニングする前記工程において、それと同時に、前記別の1対の振動腕の全表面に電極膜を形成しかつパターニングする。これにより、図5に関連して上述した圧電ジャイロセンサのような音叉型圧電振動片の2対の振動腕を、工数を増やすことなく同時に加工することができる。
【0019】
別の実施例では、更に前記音叉型振動片が前記別の1対の振動腕の主面にその内面に駆動用電極が形成される長手方向の溝を有し、耐蝕膜上にフォトレジスト層を形成して振動片外形をパターニングする前記工程において、余白部分に対応する耐蝕膜の部分を露出させると同時に、前記溝に対応する耐蝕膜の部分を露出させ、余白部分に対応する耐蝕膜の露出部分を除去する前記工程において、それと同時に、前記溝に対応する耐蝕膜の露出部分を除去してウエハの表面を露出させ、ウエハ露出面をエッチングする前記工程において、振動片側面の厚み方向中央に突条を残すと同時に、前記別の1対の振動腕の主面に前記溝を形成する。これにより、振動腕の溝の内面に電極を設けて電界効率が大幅に向上させかつCI値を低く抑制した構成の圧電振動片を、その製造工程をそのまま利用して、工数を増やすことなく製造することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は、本発明の方法を適用して、図5に示す圧電振動ジャイロ用音叉型水晶振動片1を製造する過程を示しており、特に図1及び図2は検出用振動腕4の断面を、図3及び図4は駆動用振動腕3の断面をそれぞれ示している。先ず、図1(A)、図3(A)に示すように、本実施例において水晶である圧電材料のウエハ10の両面に耐蝕膜11を全面に形成し、かつその上にフォトレジスト層12をスピンコートによりウエハ全面に形成する。耐蝕膜11は、一般にウエハのエッチング液に対して十分な耐蝕性を有する金属材料で形成され、本実施例では、それぞれスパッタリング又は蒸着でウエハ表面に積層したCr/Au膜を使用する。
【0021】
次に、第1フォトマスクを用いてフォトレジスト層12をパターニングし、それにより露出した耐蝕膜11をエッチングにより図1(B)、図3(B)のように除去して、ウエハ10表面を露出させる。前記第1フォトマスクは、振動片1の外形及びその検出用振動腕4の外側に拡大した余白部分を含む予備形状のマスクパターンを有する。但し、この予備形状は、駆動用振動腕3の外側には余白部分を設けない。このとき、前記第1フォトマスクはウエハ10に対して、水晶の結晶異方性を考慮して、前記各振動腕の長手方向、幅方向及び厚み方向がそれぞれ水晶のY軸方向、X軸方向及びZ軸方向に対応するように配向する。
【0022】
図1(C)及び(D)、図3(C)及び(D)に示すように、残存するフォトレジスト層12を完全に除去した後、新たにフォトレジスト層13をスピンコートによりウエハ全面に形成する。フォトレジスト層13は、振動片1の外形及び駆動用振動腕3の溝6に対応するマスクパターンの第2フォトマスクを用いてパターニングする。これにより、検出用振動腕については、図1(E)に示すように前記余白部分に対応する耐蝕膜11の部分及びウエハ10表面が露出する。駆動用振動腕については、図3(E)に示すように前記溝に対応する耐蝕膜11の部分及びウエハ10表面が露出する。
【0023】
次に、ウエハ10の露出面を弗酸(HF)等の適当なエッチング液で貫通エッチングする。これにより、検出用振動腕については、図1(F)に示すように前記余白部分を含む前記予備形状の外形を、駆動用振動腕については、図3(F)に示すように所望の外形を形成する。図1(F)及び図3(F)の耐蝕膜11の各露出部分は、それぞれエッチングにより除去する。これにより、検出用振動腕については、図2(G)に示すように前記余白部分に対応するウエハ10の表面が露出し、駆動用振動腕については、図4(G)に示すように溝6に対応するウエハ10の表面が露出する。
【0024】
次に、ウエハ10の露出面を適当なエッチング液でエッチングする。検出用振動腕については、図2(H)に示すように前記余白部分が削除され、かつその側面の厚み方向中央に突条14が残るように加工する。これと同時に、駆動用振動腕については、図4(H)に示すように溝6が上下主面に形成される。上述したように前記各振動腕の長手方向、幅方向及び厚み方向をそれぞれ水晶のY軸方向、X軸方向及びZ軸方向に対応させて配向し、厚み方向のエッチングレートが幅方向よりも高くなるようにしたので、エッチング時間等の加工条件を適当に制御することによって、水晶振動片1の振動特性に実質的な影響を与えない程度の突条14を容易に形成することができる。
【0025】
残存するフォトレジスト層13及び耐蝕膜11を完全に除去すると、図2(I)、図4(I)のように所望の外形及び表面形状を有する水晶素子片15が完成する。次に、図2(J)、図4(J)に示すように、溝6の内面を含む水晶素子片15の全表面に、Cr/Au膜からなる電極膜16を形成しかつその上にフォトレジスト層17を形成する。
【0026】
フォトレジスト層17は、電極膜16を所望の電極パターンに形成するために、第3フォトマスク18を用いてパターニングする。検出用振動腕については、図2(K)に示すようにフォトレジスト層17の突条14先端に形成した部分と上下主面の中央部分とを露光しかつ現像して、図2(L)に示すようにこれらの部分に電極膜16を露出させる。同時に、駆動用振動腕については、図4(L)に示すように上下主面の溝6の両側をパターニングして、電極膜16を露出させる。
【0027】
次に、電極膜16の露出部分を適当なエッチング液で除去して、ウエハ表面を露出させる。これにより、検出用振動腕については、図2(M)に示すように、その側面に厚み方向の中央で突条14により分離された所望の検出用電極5a・5bが形成される。同時に、駆動用振動腕については、図4(M)に示すように溝6の内面と側面とに分離された駆動用電極7a・7bが得られる。最後に、残存するフォトレジスト層17を除去することにより、図5の音叉型水晶振動片1が完成する。
【0028】
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明はその技術的範囲において上記実施例に様々な変形・変更を加えて実施することができる。例えば、上記実施例ではウエハの表面をウェットエッチングにより加工したが、ドライエッチングを用いることもできる。また、上記実施例では、圧電振動ジャイロ用の圧電振動子について、その検出用電極を形成する過程を説明したが、本発明は、その側面に厚み方向に分離した電極を有する様々な圧電振動片の製造に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法を適用して圧電振動ジャイロ用音叉型水晶振動片を製造する過程を、図5のB−B断面において工程順に示す(A)〜(F)図からなる断面図。
【図2】 図1に続く過程を工程順に示す(G)〜(N)図からなる同様の断面図。
【図3】 図1に対応する過程を、図5のC−C断面において工程順に示す(A)〜(F)図からなる断面図。
【図4】 図3に続く過程を工程順に示す(G)〜(N)図からなる同様の断面図。
【図5】 (A)図は圧電振動ジャイロ用音叉型水晶振動片の平面図、(B)図はそのB−B線における検出用振動腕の断面図、(C)図はそのC−C線における駆動用振動腕の断面図である。
【符号の説明】
1 音叉型水晶振動片、2 基部、2a・2b 支持部、3 駆動用振動腕、4検出用振動腕、5a・5b 検出用電極、6 溝、7a・7b 第1の駆動用電極、8a・8b 第2の駆動用電極、9 Y軸、10 ウエハ、11 耐蝕膜、12・13 フォトレジスト層、14 突条、15 水晶素子片、16 電極膜、17 フォトレジスト層、18 第3フォトマスク
Claims (6)
- 厚み方向のエッチングレートが幅方向のエッチングレートよりも高い圧電材料からなるウエハの両主面に耐蝕膜を形成する工程と、
振動片の外形及びその前記幅方向の外側に拡大した余白部分を含む予備形状を前記耐蝕膜にパターニングして、前記ウエハの表面を露出させる工程と、
前記耐蝕膜の上にフォトレジスト層を形成して前記振動片外形をパターニングし、前記余白部分に対応する前記耐蝕膜の部分を露出させる工程と、
前記ウエハの露出面を貫通エッチングして、前記予備形状を形成する工程と、
前記余白部分に対応する前記耐蝕膜の露出部分を除去して、前記ウエハの表面を露出させる工程と、
前記ウエハの露出面をエッチング液で、前記予備形状の前記幅方向の側面にその厚み方向中央に突条を残すようにエッチングして、前記振動片外形を形成する工程と、
残存する前記フォトレジスト層及び前記耐蝕膜を除去した後、前記突条を含む前記振動片側面に電極膜を形成する工程と、
前記振動片側面に形成した前記電極膜の上にフォトレジスト層を形成しかつパターニングして、前記突条の先端に前記電極膜の表面を露出させる工程と、
前記電極膜の露出部分を除去して前記突条の先端に前記圧電材料の表面を露出させ、前記振動片側面に前記突条により厚み方向に分離させた電極を形成する工程と、
残存する前記フォトレジスト層を除去する工程とを含むことを特徴とする圧電振動片の製造方法。 - 前記圧電材料が水晶であり、前記ウエハの厚み方向を前記水晶のZ軸方向に対応させて配向することを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片の製造方法。
- 厚み方向のエッチングレートが幅方向のエッチングレートよりも高い圧電材料からなるウエハの両主面に耐蝕膜を形成する工程と、
1対の振動腕を有する音叉型振動片の外形及び前記振動腕の前記幅方向の外側に拡大した余白部分を含む予備形状を前記耐蝕膜にパターニングして、前記ウエハの表面を露出させる工程と、
前記耐蝕膜の上にフォトレジスト層を形成して前記振動片外形をパターニングし、前記余白部分に対応する前記耐蝕膜の部分を露出させる工程と、
前記ウエハの露出面を貫通エッチングして、前記予備形状を形成する工程と、
前記余白部分に対応する前記耐蝕膜の露出部分を除去して、前記ウエハの表面を露出させる工程と、
前記ウエハの露出面をエッチング液で、前記予備形状の前記幅方向の側面にその厚み方向中央に突条を残すようにエッチングして、前記振動片外形を形成する工程と、
残存する前記フォトレジスト層及び前記耐蝕膜を除去した後、前記突条を含む前記振動片側面に電極膜を形成する工程と、
前記振動片側面に形成した前記電極膜の上にフォトレジスト層を形成しかつパターニングして、前記突条の先端に前記電極膜の表面を露出させる工程と、
前記電極膜の露出部分を除去して前記突条の先端に前記圧電材料の表面を露出させ、前記振動片側面に前記突条により厚み方向に分離させた電極を形成する工程と、
残存する前記フォトレジスト層を除去する工程とを含むことを特徴とする圧電振動片の製造方法。 - 前記圧電材料が水晶であり、前記振動腕の長手方向、幅方向及び厚み方向をそれぞれ前記水晶のY軸方向、X軸方向及びZ軸方向に対応させて配向することを特徴とする請求項3に記載の圧電振動片の製造方法。
- 前記音叉型振動片が、前記1対の振動腕とは逆向きに延出する別の1対の振動腕を有し、
前記予備形状が、前記別の1対の振動腕の前記幅方向の外側には拡大した余白部分を含まないように形成され、
前記ウエハ側面に電極膜を形成しかつパターニングする前記工程において、同時に、前記別の1対の振動腕の全表面に電極膜を形成しかつパターニングすることを特徴とする請求項3又は4に記載の圧電振動片の製造方法。 - 前記音叉型振動片が、前記別の1対の振動腕の主面にその内面に駆動用電極が形成される長手方向の溝を有し、
前記耐蝕膜上にフォトレジスト層を形成して振動片外形をパターニングする前記工程において、前記余白部分に対応する前記耐蝕膜の部分を露出させると同時に、前記溝に対応する前記耐蝕膜の部分を露出させ、
前記余白部分に対応する前記耐蝕膜の露出部分を除去する前記工程において、それと同時に、前記溝に対応する前記耐蝕膜の露出部分を除去して前記ウエハの表面を露出させ、
前記ウエハ露出面をエッチングして前記振動片外形を形成する前記工程において、前記振動片側面の厚み方向中央に突条を残すと同時に、前記別の1対の振動腕の主面に前記溝を形成することを特徴とする請求項5に記載の圧電振動片の製造方法。
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