JP3997848B2 - 発振制御回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水晶発振器などの発振回路の発振状態を判別するための発振状態判別回路、および発振回路の発振状態や発振出力を制御するための発振制御回路に関し、更に詳しくは、発振回路の発振初期の不安定な動作を改善するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から水晶振動子を用いた発振回路(即ち水晶発振器)が各種の電子機器に搭載されており、近年の電子機器の小型化に伴って水晶振動子の小型化も図られている。水晶振動子を小型化すると、水晶振動子を励振する信号により水晶振動子がダメージを受けやすくなる。このため、発振回路には、発振状態が安定的に維持される限度において水晶振動子を励振する信号レベルを抑制するためのいわゆるダンピング抵抗が設けられている。
【0003】
ところで、このダンピング抵抗は、水晶振動子の励振を抑えるように作用するものであるから、例えば電源投入直後の発振初期において、発振状態が安定するまでに時間を要するという不都合がある。このような不都合を解消するため、発振初期においてダンピング抵抗の値を小さく制御し、発振状態が安定した後にダンピング抵抗を本来の値に切り替える手法が採られている。
【0004】
図13(a)に、ダンピング抵抗の切り替え技術が適用された従来技術に係る発振回路の一例を示す。同図において、水晶振動子XTは、発振周波数を設定するためのもので、インバータIAの入力部と出力部との間に接続される。インバータIAは、水晶振動子XTを励振するための反転増幅器として機能するものである。抵抗Rfは、インバータIAの動作点を設定するためのものであり、インバータIAの入力部と出力部との間に接続される。この発振回路が発振するためには、インバータIAの小振幅時の利得が水晶振動子XTでの損失分を上回る必要があり、そのような利得が得られるように抵抗RfによってインバータIAの動作点が設定される。
【0005】
ダンピング抵抗Rdは、水晶振動子XTを励振する信号レベルを抑制するためのものであり、スイッチSWはダンピング抵抗Rdの抵抗値を切り替えるためのものである。コンデンサCA,CBは、水晶振動子XTを励振して得られる発振波形から高調波成分を除去するためのものである。インバータIBは、上述のインバータIAの出力部に現れる発振信号を波形整形してクロック信号CKXとして出力するものである。タイマー回路TMは、リセット信号RSTをトリガーとして一定時間を計時するものであり、計時中にハイレベルとなる窓信号WINを出力する。タイマー回路TMが計時する一定時間は、発振動作が不安定な期間(例えば電源電圧の過渡期間)を十分に包含する程の時間に設定される。
【0006】
以下、上述の従来技術の動作を説明する。
まず、電源投入から時間が経過して、発振動作が安定状態にある場合を説明する。この場合、タイマー回路TMは機能せず、スイッチSWの接点は、ダンピング抵抗Rdの値が正規の値となるように固定されている。この状態では、インバータIAと水晶振動子XTが負帰還ループを形成して発振し、インバータIAの出力部に発振信号が現れる。このとき、発振周波数が水晶振動子XTの固有振動数からずれると、そのずれの方向に応じて水晶振動子XTが誘導性または容量性を示す。この結果、発振周波数が水晶振動子XTの固有振動数付近に安定し、インバータIBから、水晶振動子XTの固有振動数に応じた周波数を有するクロック信号CKXが出力される。このクロック信号CKXが図示しない回路系に入力され、その回路系の動作に用いられる。
【0007】
次に、電源投入時に発振動作が不安定な状態にある場合について図13(b)を参照して説明する。この場合、同図に示す時刻t11において電源VDDが投入されると、この電源VDDの電圧がある時定数をもって上昇する。そして、電源VDDにより給電される上述のインバータIAが増幅動作を行い得る状態となり、発振動作が開始し、クロック信号CKXが出力される。
一方、タイマー回路TMは、時刻t11に電源VDDが投入されると、この発振回路を搭載するシステムから、電源VDDの投入を検出して生成されたリセット信号RSTを入力する。そして、タイマー回路TMは、リセット信号RSTにより一旦リセットされた後に時刻t12までの一定時間を計時し、この計時中に窓信号WINとしてハイレベルを出力する。この窓信号WINはスイッチSWに与えられ、このスイッチSWの状態が制御される。
【0008】
即ち、時刻t11においてタイマー回路TMが計時を開始し、窓信号WINがハイレベルになる。この窓信号WINを受けてダンピング抵抗Rdの値が小さくなるようにスイッチSWの接点が切り替わる。これにより、ダンピング抵抗Rdによる励振レベルの抑制が緩和される。この結果、発振動作が促されて発振状態が速やかに安定する。また、時刻t12においてタイマー回路TMが一定時間を計時し終え、窓信号WINがローレベルになると、スイッチSWの接点が切り替わってダンピング抵抗Rdの値が本来の値になる。これにより、水晶振動子XTの励振レベルが、発振を維持する上で必要とされるレベルに抑えられる。
【0009】
ここで、タイマー回路TMが計時する一定時間は、上述のように発振動作が不安定な期間(電源の過渡期間)を含むように設定されているので、時刻t12においてスイッチSWが切り替わる時点では、すでに発振動作は安定した状態にある。従って、時刻t12においてダンピング抵抗Rdが本来の値に設定されても、このことにより発振動作が不安定になることはなく、安定した発振動作が維持される。
以上のように、従来技術によれば、発振初期の一定時間にわたってダンピング抵抗Rdの抵抗値を小さく設定することにより発振動作を速やかに安定状態に移行させ、その後、一定時間が経過した時点でダンピング抵抗Rdを本来の値に設定して発振状態を維持させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の従来技術によれば、電源投入時に発振動作が不安定となる時間の長さは、電源の時定数などの不確定要素に大きく依存する。このため、発振状態が確実に安定してからダンピング抵抗Rdを本来の値に切り替えようとすると、タイマー回路TMの計時時間(一定時間)を十分にながく設定する必要がある。しかしながら、タイマー回路TMの計時時間を長く設定すると、発振動作が安定した後もしばらくの間、ダンピング抵抗Rdが小さな値に維持され、水晶振動子XTに印加される励振レベルが大きくなるので、水晶振動子に比較的大きなストレスが加わり、水晶振動子XTにダメージを与える一因となる。
また、発振動作が不安定な状態で生成された発振信号を外部装置が入力した場合、この外部装置が異常な動作を行って故障する場合も起こり得る。
【0011】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、発振回路の発振状態を判別することを可能とする発振状態判別回路を提供することを第1の目的とし、また、発振状態を判別して速やかにダンピング抵抗を切り替えることを可能とする発振制御回路を提供することを第2の目的とし、さらに、発振回路が出力する不安定な発振信号により外部装置の異常動作を防止することを可能とする発振制御回路を提供することを第3の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の関連発明は、発振回路の発振動作が安定状態にあるか否かを判別するための発振状態判別回路であって、前記発振回路が出力する発振信号を逓倍してクロック信号を生成し、該クロック信号が前記発振信号に同期するように該クロック信号の位相を制御するPLL回路と、前記発振信号と前記クロック信号との位相関係から前記PLL回路がロック状態にあるか否かを判別する判別回路と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、PLL回路が生成するクロック信号は発振回路が出力する発振信号に同期するように位相制御されるので、発振回路の発振動作が安定状態にあれば、PLL回路がロック状態となり、発振信号とクロック信号との位相関係が一定の関係に維持される。これに対して、発振回路の発振動作が安定していない場合、発振信号の周波数が変動するため、PLL回路がロック状態ではなり、発振信号とクロック信号との位相関係が一定の関係に維持されなくなる。従って、発振回路が出力した発振信号とPLL回路が生成したクロック信号との位相関係から、PLL回路がロック状態にあるか否かを判別すれば、発振回路の発振動作が安定状態にあるか否かを判別することが可能となる。
【0014】
本発明の第2の関連発明は、発振回路に設けられたダンピング抵抗を切り替えて該発振回路の発振状態を制御する発振制御回路であって、前記発振回路が出力する発振信号を逓倍してクロック信号を生成し、該クロック信号が前記発振信号に同期するように該クロック信号の位相を制御するPLL回路と、前記発振信号と前記クロック信号との位相関係から該PLL回路がロック状態にあるか否かを判別する判別回路と、前記位相判別回路の判別結果に基づき前記ダンピング抵抗を切り替えるためのスイッチと、を備えたことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、上記請求項1に記載された発明と同様にして発振回路の発振状態が判別される。そして、この判別結果に応じてスイッチによりダンピング抵抗が切り替えられる。例えば、発振動作が安定状態にないと判別された場合、ダンピング抵抗の抵抗値が小さくなるようにスイッチが切り替わる。また、発振動作が安定状態にあると判別された場合、ダンピング抵抗が本来の抵抗値(安定状態にある場合に設定されるべき抵抗値)となるようにスイッチが切り替わる。従って、発振動作が不安定な場合にダンピング抵抗を小さな値に制御し、発振動作が安定した場合にダンピング抵抗を本来の抵抗値に切り替えることが可能となる。
【0016】
本発明の第3の関連発明は、発振回路が出力する発振信号から派生的に生成された信号の出力を制御する発振制御回路であって、前記発振信号を逓倍してクロック信号を生成し、該クロック信号が前記発振信号に同期するように該クロック信号の位相を制御するPLL回路と、前記発振信号と前記クロック信号との位相関係から該PLL回路がロック状態にあるか否かを判別する判別回路と、前記発振信号から派生的に生成された信号を入力し、前記判別回路の判別結果が否定的である場合に該信号の通過を阻止するゲート回路と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、上記第1の関連発明と同様にして発振状態が判別される。そして、この判別結果が否定的である場合(発振動作が安定していないと判別された場合)、ゲート回路が、発振回路の出力信号から派生的に生成された信号の通過を阻止する。従って、不安定な発振信号が外部に出力されることがなく、この発振信号を入力する外部装置の異常動作を防止することが可能となる。
【0017】
本発明の第4の関連発明は、発振回路が出力する発振信号から派生的に生成された信号の出力を制御する発振制御回路であって、前記発振信号に基づき所定時間を計時するタイマー回路と、前記発振信号から派生的に生成された信号を入力し、前記タイマー回路が前記所定時間の計時を終了するまでの期間において該信号の通過を阻止するゲート回路と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、発振回路が発振を開始すると、この発振回路の出力信号を受けてタイマー回路が所定時間の計時を開始する。そして、タイマー回路が所定時間の計時を終了するまでの期間、ゲート回路が発振回路の出力信号から派生した信号の通過を阻止する。従って、例えば電源投入時に発振状態が不安定となっても、不安定な発振信号が外部に出力されなくなる。よって、この発振信号を入力する外部装置の異常動作を防止することが可能となる。
【0018】
本発明の第5の関連発明は、上記関連発明において、前記判別回路が、前記PLL回路により生成されたクロック信号に基づき前記発振信号を順次取り込み、時系列的に連続した複数ビットの信号を格納するシフトレジスタと、前記シフトレジスタに格納された複数ビットの信号をデコードして、前記発振回路の発振動作が安定状態にあるときに前記複数ビットの信号の論理値として現れるべき所定の論理値の組み合わせを検出し、その検出結果を示す信号を出力するデコード回路と、前記デコード回路の出力信号に基づき前記ダンピング抵抗を切り替えるための信号を生成して出力する信号生成回路と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、発振回路が出力する発振信号とPLL回路が出力するクロック信号との位相関係に応じて、シフトレジスタに格納されるビット信号の論理値の組み合わせが定まる。ここで、PLL回路がロック状態にあれば、発振信号とクロック信号との位相関係が一定の関係を維持し、シフトレジスタに格納される複数ビットの信号の論理値が所定の論理値の組み合わせとなる。この論理値の組み合わせをデコーダ回路が検出し、信号生成回路が所定の論理値を有する信号を出力する。従って、発振回路が出力する発振信号とPLL回路が生成するクロック信号との位相関係から、PLL回路がロック状態にあるか否かを判別することが可能になる。
【0020】
これに対し、PLL回路がロック状態になければ、発振信号とクロック信号とが一定の位相関係になくなり、シフトレジスタに格納された複数ビットの信号の論理値が所定の論理値の組み合わせとならない。これにより、デコーダ回路が所定の論理値の組み合わせを検出せず、PLL回路がロック状態にないことが把握される。よって、この構成によればPLL回路がロック状態にあるか否かを判別することが可能となる。
【0021】
請求項1に記載された発明は、発振回路に設けられたダンピング抵抗を切り替えて該発振回路の発振状態を制御する発振制御回路であって、前記発振回路が出力する発振信号を逓倍してクロック信号を生成し、該クロック信号が前記発振信号に同期するように該クロック信号の位相を制御するPLL回路と、前記発振信号と前記クロック信号との位相関係から該PLL回路がロック状態にあるか否かを判別する判別回路と、前記位相判別回路の判別結果に基づき前記ダンピング抵抗を切り替えるためのスイッチと、を備え、前記判別回路が、前記PLL回路により生成されたクロック信号に基づき前記発振信号を順次取り込み、時系列的に連続した複数ビットの信号を格納するシフトレジスタと、前記シフトレジスタに格納された複数ビットの信号をデコードして、前記発振回路の発振動作が安定状態にあるときに前記複数ビットの信号の論理値として現れるべき所定の論理値の組み合わせを検出し、その検出結果を示す信号を出力するデコード回路と、前記デコード回路の出力信号に基づき前記ダンピング抵抗を切り替えるための信号を生成して出力する信号生成回路と、を備え、前記信号生成回路が、前記PLL回路により生成されたクロック信号に基づき第1の所定時間を計時してパルスを出力する第1のタイマー回路と、前記第1の所定時間で規定される期間において前記デコード回路が前記所定の論理値の組み合わせを検出したことを条件に、前記第1のタイマー回路が出力するパルスのタイミングで、前記ダンピング抵抗を切り替えるための信号として所定の信号レベルを出力する順序回路と、を備えて構成されたことを特徴とする。
この構成によれば、前記第2および第5の関連発明の作用効果に加えて、所定時間内にデコード回路が所定の論理値の組み合わせを検出した場合にダンピング抵抗を切り替えるための信号として所定の信号レベルを有する信号が生成される。従って、発振動作が安定したと判別された場合にスイッチを切り替えることが可能となる。
請求項2に記載された発明は、前記発振制御回路において、前記順序回路が、前記所定の論理値の組み合わせを示す前記デコード回路の検出結果が前記第1の所定時間に加えてさらに第2の所定時間にわたって維持された場合に、前記ダンピング抵抗を切り替えるための信号として前記所定の信号レベルを出力するように更に構成されたことを特徴とする。
【0022】
請求項3に記載された発明は、発振回路に設けられたダンピング抵抗を切り替えて該発振回路の発振状態を制御する発振制御回路であって、前記発振回路が出力する発振信号を逓倍してクロック信号を生成し、該クロック信号が前記発振信号に同期するように該クロック信号の位相を制御するPLL回路と、前記発振信号と前記クロック信号との位相関係から該PLL回路がロック状態にあるか否かを判別する判別回路と、前記位相判別回路の判別結果に基づき前記ダンピング抵抗を切り替えるためのスイッチと、を備え、前記判別回路が、前記PLL回路により生成されたクロック信号に基づき前記発振信号を順次取り込み、時系列的に連続した複数ビットの信号を格納するシフトレジスタと、前記シフトレジスタに格納された複数ビットの信号をデコードして、前記発振回路の発振動作が安定状態にあるときに前記複数ビットの信号の論理値として現れるべき所定の論理値の組み合わせを検出し、その検出結果を示す信号を出力するデコード回路と、前記デコード回路の出力信号に基づき前記ダンピング抵抗を切り替えるための信号を生成して出力する信号生成回路と、を備え、前記信号生成回路が、前記PLL回路により生成されたクロック信号に基づき第1の所定時間を計時して第1の信号を出力する第1のタイマー回路と、前記第1の所定時間で規定される期間において前記デコード回路が前記所定の論理値の組み合わせを検出したことを条件に、前記第1のタイマー回路が出力する第1の信号のタイミングで、第1の所定の信号レベルを出力する第1の順序回路と、前記第1の信号に基づき第2の所定時間を計時して第2の信号を出力すると共に、前記第1の順序回路の出力信号に基づき計時動作を初期化する第2のタイマー回路と、前記第2の信号を受けて、前記ダンピング抵抗を切り替えるための信号として第2の所定の信号レベルを出力する第2の順序回路と、を備えて構成されたことを特徴とする。
この構成によれば、上記請求項1に記載された構成と同様にダンピング抵抗を切り替えるための信号が生成されることに加え、発振回路の発振状態が一旦安定状態となった後の不安定状態を把握することが可能となり、発振状態に応じてスイッチを適応的に切り替えることが可能になる。
請求項4に記載された発明は、前記発振制御回路において、前記発振信号に基づき所定時間を計時する第3のタイマー回路と、前記発振信号を入力し、前記第3のタイマー回路が計時を終了するまでの期間において前記発振信号の通過を阻止するゲート回路と、を更に備えたことを特徴とする。この構成による作用効果は、上記請求項1ないし請求項3の作用効果に加え、上記第4の関連発明の作用効果を含む。
請求項5に記載された発明は、前記発振制御回路において、前記発振信号を入力し、前記判別回路の判別結果が否定的である場合に前記発振信号の通過を阻止するゲート回路を更に備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明の第6の関連発明は、前記関連発明において、前記信号生成回路が、前記PLL回路により生成されたクロック信号に基づき所定時間を計時して前記スイッチを切り替えるための信号を出力するタイマー回路と、前記発振回路が出力する発振信号に基づき前記デコード回路の出力信号を順次取り込み、該デコード回路の出力信号に基づき前記タイマー回路の計時動作を初期化する順序回路と、を備えて構成されたことを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、所定時間にわたって所定の論理値の組み合わせが検出されたことを示す信号を順序回路が取り込んだ場合にタイマー回路が所定時間の計時を完了する。逆に言えば、タイマー回路が所定時間の計時を完了した場合、所定時間にわたって順序回路が所定の論理値の組み合わせを検出し続けたことになる。従って、タイマー回路が所定時間の計時を完了したことから、発振状態が安定したことが把握できる。これに対し、タイマー回路の計時動作が未了のまま初期化された場合、デコード回路において所定の論理値の組み合わせが検出されないこととなる。これにより、発振動作が所定の時間にわたって安定状態にある場合にスイッチを切り替えることが可能になる。
【0025】
請求項6に記載された発明は、前記発振制御回路において、前記PLL回路が、前記発振回路が出力する発振信号をN(Nは2以上の自然数)逓倍してクロック信号を生成し、前記判別回路が、前記発振信号と前記クロック信号との位相関係に応じた(N+1)ビットの信号の論理値の組み合わせから前記PLL回路がロック状態にあるか否かを判別することを特徴とする。
【0026】
なお、上記発振制御回路において、前記信号生成回路が、前記発振回路の発振開始から所定時間が経過するまで前記デコード回路の検出結果を無効とするように構成してもよい。この構成によれば、発振状態が安定していない発振動作の開始時において発振状態についての判別が行われず、従って発振状態を判別するための無駄な動作を防止することができ、判別動作を安定的に行うことが可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
図1に、この発明の実施の形態1に係る発振制御回路100の構成と、その適用例を示す。この発振制御回路100は、発振回路OSCに設けられたダンピング抵抗Rdを切り替えて発振状態を制御するものであって、スイッチ110と発振状態判別回路120から構成され、また、発振状態判別回路120は、PLL(Phase Locked Loop)回路130と、ロック状態判別回路140とから構成される。発振回路OSCの構成については前述の図13(a)に示す構成と同様であり、図13(a)に示す要素と共通する要素には同一符号を付し、これらの説明を省略する。なお、スイッチ110は、図13(a)に示すスイッチSWに相当するものであるが、この実施の形態では発振制御回路100の構成要素として取り扱う。
【0028】
具体的に構成を説明する。
図1において、スイッチ110は、ダンピング抵抗Rdの値を切り替えるためのものであり、このダンピング抵抗Rdの値として、発振動作が安定している状態において設定されるべき本来の抵抗値と、発振動作を促進させる得る程度に小さな抵抗値とを切り替える。PLL回路130は、発振回路OSCの出力信号である発振信号CKXを逓倍してクロック信号CKPを生成するものであって、このクロック信号CKPは発振信号CKXに同期するように位相が制御されて出力される。この実施の形態1では、発振信号CKXを2逓倍してクロック信号CKPを生成するものとし、クロック信号CKPは発振信号CKXの2倍の周波数を有するものとする。
ロック状態判別回路140は、発振回路OSCが出力した発振信号CKXとPLL回路130が生成したクロック信号CKPとの位相関係から、PLL回路130がロック状態にあるか否かを判別するものであり、この判別結果に基づきスイッチ110の接点を切り替える。
【0029】
ここで、図2を参照してロック状態判別回路140の構成を説明する。
ロック状態判別回路140は、クロック信号CKPに基づき発振信号CKXを取り込むシフトレジスタ141と、デコード回路として機能する排他的論理和回路142と、それ以外の後述の信号生成回路とから構成される。
具体的にその構成を説明すると、シフトレジスタ141は、時系列的に連続した2ビット分の信号を格納するように構成され、そのデータ入力部には、上述の発振回路OSCから出力される発振信号CKXが与えられ、そのクロック入力部にはPLL回路130から出力されるクロック信号CKPが与えられる。シフトレジスタ141に格納された2ビットの信号は排他的論理和回路142に与えられる。
【0030】
また、クロック信号CKPはタイマー143,144の入力部に共通に与えられ、タイマー143の出力部はタイマー144のセット端子に接続され、タイマー144の出力部は、インバータ145の入力部とD型フリップフロップ147のクロック入力部に接続される。インバータ145の出力部と上述の排他的論理和回路142の出力部は、RS型フリップフロップ146のリセット入力部とセット入力部とにそれぞれ接続される。RS型フリップフロップ146の出力部はD型フリップフロップ147のデータ入力部に接続され、このD型フリップフロップ147の出力部に現れる信号FLGはD型フリップフロップ148のクロック入力部に与えられる。D型フリップフロップ148のデータ入力部は電源に固定される。D型フリップフロップ148の出力部に現れる信号は、上述のスイッチ110の接点を切り替えるための信号SELとされる。
【0031】
ここで、上述のタイマー143,144、インバータ145、RS型フリップフロップ146、D型フリップフロップ147,148は、排他的論理和回路142の出力信号に基づきダンピング抵抗Rdを切り替えるための信号SELを生成する信号生成回路(符号なし)を構成する。このうち、タイマー143,144は、PLL回路130が出力するクロック信号CKPに基づき所定時間を計時するタイマー回路(符号なし)を構成し、インバータ145、RS型フリップフロップ146、D型フリップフロップ147,148は、上記タイマー回路が計時する所定時間で規定される期間において、排他的論理和回路142が所定の論理値の組み合わせを検出したことを条件に信号SELを出力する順序回路(符号なし)を構成する。
【0032】
なお、制御信号RST(バー)/TRGは、この発振回路OSCを搭載する図示しないシステムの内部回路が電源の投入を検出して発生するもので、例えばパワーオンリセット信号である。この制御信号RST(バー)/TRGは、トリガー信号としてタイマー143に与えられ、リセット信号として、タイマー144、RS型フリップフロップ146、およびD型フリップフロップ147,148に与えられる。タイマー143は、リセットでハイレベルを出力し、クロック信号CKPを設定数だけカウントした後に信号CKTAとしてロウレベルを出力する。タイマー144は、リセットでロウレベルを出力し、セット端子がロウレベルになると、設定数をカウントする毎にハイレベルを繰り返し出力する。
タイマー144の構成例を図3に示す。同図に示すように、タイマー144は、4ビットのカウンタ144A、論理積回路144B、D型フリップフロップ144C、負論理入力型のバッファ144D、論理和回路144Eから構成される。ここで、カウンタ144Aのクロック端子にはクロック信号CKPが入力され、そのリセット端子には、負論理入力型のバッファ144Dおよび論理和回路144Eを介して制御信号RST(バー)/TRGが入力される。このカウンタ144Aの4ビットの出力端子には論理積回路144Bの入力部が接続され、この論理積回路144Bの出力部はD型フリップフロップ144Cのデータ入力端子に接続される。このD型フリップフロップ144Cのクロック端子にはクロック信号CKPが入力され、このデータ出力端子に現れる信号は信号CKTBとされる。この信号CKTBは、タイマー143から出力される信号CKTAと共に上述の論理和回路144Eの入力部に与えられる。
このタイマー144によれば、クロックCKPのパルスがカウンタ144Aによりカウントされ、カウンタ144Aの各ビットが「1」となったときに論理積回路144Bの出力信号がハイレベルとなる。そして、その直後のクロック信号CKPの立ち上がりエッジでD型フリップフロップ144Cから信号CKTBとしてハイレベルが出力される。即ち、クロック信号CKPの15個のパルスがカウントされた時点で信号CKTBがハイレベルとなり、計時が行われる。
【0033】
以下、図4および図5に示すタイミングチャートを参照して、図1および図2に示す構成の動作を説明する。
初期状態では、制御信号RST(バー)/TRGはロウレベルとされ、タイマー144、RS型フリップフロップ146、D型フリップフロップ147,148はリセット状態とされる。この初期状態では、スイッチ110の接点は、ダンピング抵抗Rdの値が小さくなるように切り替えられた状態とされる。このような初期状態から、図4において時刻t0で電源が投入されると、制御信号RST(バー)/TRGがハイレベルとされ、これを受けて発振制御回路100が動作し、以下に説明するように、スイッチ110を切り替えるための一連の制御が行われる。
【0034】
まず、電源が投入された時点では、ダンピング抵抗Rdが小さな値に切り替えられた初期状態にあるから、水晶振動子XTの励振レベルに対する抑制が緩和され、従って速やかに発振動作が行われる。
この後、電源電圧が徐々に上昇し、インバータIAの利得が水晶振動子XTの損失を上回る程に電源電圧が上昇すると、発振回路OSCが発振動作を開始し、発振信号CKXがインバータIBの出力部に現れる。この発振信号CKXは、発振制御回路100に入力されて発振状態が判別され、この判別結果に基づいて、ダンピング抵抗Rdが本来の値となるように、スイッチ110の接点が切り替えられる。
【0035】
具体的に発振状態の判別動作を説明する。発振回路OSCが発振状態となって発振信号CKXを出力すると、発振制御回路100を構成するPLL回路130は、発振信号CKXを逓倍し、発振信号CKXと同期したクロック信号CKPを生成して出力する。このPLL回路130は、発振信号CKXと位相が一致するようにクロック信号CKPの位相をフィードバック制御することにより、クロック信号CKPの位相を発振信号CKXに合わせる。ロック状態判別回路140は、発振信号CKXとクロック信号CKPとの位相関係からPLL回路130がロック状態にあるか否か、即ち発振信号CKXとクロック信号CKPとが同期しているか否かを判別する。
【0036】
ここで、ロック状態判別回路の140の動作原理(発振信号CKXとクロック信号CKPとの位相関係からロック状態を判別する原理)を説明する。
PLL回路130のフィードバック系の応答速度は有限であり、応答に遅延が存在するため、発振信号CKXの周波数が変化すると、遅れをもってクロック信号CKPの周波数が発振信号CKXに追従するように変化する。従って発振回路OSCの発振動作が不安定な場合、PLL回路130がロック状態になくなり、クロック信号CKPが発振信号CKXに同期した状態ではなくなる。このため、クロック信号CKPの位相が発振信号CKXの位相と一致しなくなり、位相にずれが生じる。
これに対し、発振回路OSCの発振動作が安定している場合にはPLL回路130はロック状態にあるので、クロック信号CKPが発振信号CKXに同期した状態になる。このため、クロック信号CKPの位相が発振信号CKXの位相と一致し、これらの信号が一定の位相関係を保つ。従って、発振信号CKXとクロック信号CKPとの位相関係から、PLL回路130がロック状態にあるか否か、即ち発振回路OSCの発振動作が安定状態にあるか否かを把握することが可能になる。
【0037】
図5に、発振信号CKXとクロック信号CKPとの位相関係の一例を示す。同図(a)に示す例は、発振信号CKXに対してクロック信号CKPが2倍の周波数で同期した場合の位相関係(一定の位相関係)を示す。この例では、クロック信号CKPの立ち上がりエッジにおける発振信号CKXの論理値(信号レベル)は、「1」と「0」とが交互に繰り返して現れたものとなる。
また、同図(b),(c)に示す例は、PLL回路130がロック状態になく、発振信号CKXとクロック信号CKPとが同期していない場合の位相関係を示す。ここで、同図(b)に示す例は、上述の同期した状態に対してクロック信号CKPの周波数が高くなった場合の位相関係を示し、また、同図(c)に示す例は、逆にクロック信号CKPの周波数が低くなった場合の位相関係を示す。これらの図に示すように、発振信号CKXとクロック信号CKPとが同期した位相関係ではなくなると、クロック信号CKPの立ち上がりエッジにおける発振信号CKPの論理値として「1」が連続する場合や「0」が連続する場合が出現する。
【0038】
このように、クロック信号CKPの立ち上がりエッジでの発振信号CKXの論理値の組み合わせは、発振信号CKXとクロック信号CKPとの位相関係に応じて決定され、この論理値の組み合わせから、PLL回路130がロック状態にあるか否かが把握される。この実施の形態1では、時系列的に連続したクロック信号CKPの2つの立ち上がりエッジでの発振信号CKXの論理値として「1」と「0」、または「0」と「1」が得られれば、発振回路OSCの発振状態は安定していると判別できる。これに対し、これら2つのエッジにおいて発振信号CKXの論理値として「1」と「1」の組み合わせ、または「0」と「0」の組み合わせが得られれば、発振回路OSCの発振状態は安定していないことになる。この実施の形態では、発振状態が安定している時に得られる「1」と「0」との組み合わせ、または「0」と「1」との組み合わせを所定の論理値の組み合わせとする。
なお、上述の例では、クロック信号CKPの立ち上がりエッジにおける発振信号CKXの論理値から発振状態を判別するものとして説明したが、上述の原理から明らかなように、クロック信号CKPの立ち下がりエッジにおける発振信号CKXの論理値の組み合わせから発振状態を判別するものとしてもよい。
以上、PLL回路130のロック状態を判別する原理を説明した。
【0039】
ここで、図2に説明を戻す。シフトレジスタ141および排他的論理和回路142により、上述の発振信号CKXとクロック信号CKPとから発振回路OSCの発振状態を判別する。具体的には、シフトレジスタ141は、クロック信号CKPの立ち上がりエッジで発振信号CKXを順次取り込み、時系列的に連続した2ビットの信号を保持する。排他的論理和回路142は、シフトレジスタ141に格納された2ビットの信号を入力し、これらの排他的論理和を演算する。ここで、シフトレジスタ141から入力する2ビットの信号の論理値の組み合わせが所定の論理値の組み合わせである場合、即ち「1」と「0」、または「0」と「1」であれば「1」を出力する。また、所定の論理値の組み合わせでない場合、即ち「1」と「1」、または「0」と「0」であれば「0」を出力する。このように、発振信号CKXにクロック信号CKPが同期していれば、排他的論理和回路142は「1」を出力し、同期していなければ「0」を出力する。この排他的論理和回路142の出力は、PLL回路130のロック状態(即ち発振回路OSCの発振状態)の判別結果を表す信号とされ、RS型フリップフロップ146のリセット入力部(負論理入力)に与えられる。
【0040】
上述のロック状態判別動作と並行して、時刻t0で電源が投入されると、図1に示す発振回路OSCを搭載する図示しないシステムの内部回路がこの電源の投入を検出し、制御信号RST(バー)/TRGとしてハイレベルを出力する。この制御信号RST(バー)/TRGをトリガーとして、タイマー143が計時を開始し、時刻t0から時刻t1までの所定時間(第1の所定時間)にわたって信号CKTAとしてハイレベルを出力する。タイマー144は、信号CKTAをセット信号として受け、時刻t0から時刻t1にかけて計時動作が禁止される。そして、タイマー144は時刻t1において計時動作を開始して信号CKTBを出力し、一定時間ごとに信号CKTBとしてパルスPを出力する。この信号CKTBは、インバータ145で反転されてRS型フリップフロップ146のセット入力部(負論理入力)に与えられる。
【0041】
RS型フリップフロップ146は、インバータ145を介してタイマー144から与えられる信号により一定時間毎に定期的にセットされると共に、排他的論理和回路142の出力信号により不定期にリセットされる。即ち、当初、発振回路OSCの発振動作は安定していないので、排他的論理和回路142の出力信号の論理値は「0」を維持し、RS型フリップフロップ146はリセット状態に固定される。この後、発振状態が安定すると、排他的論理和回路142の出力信号の論理値は「1」を維持するようになる。このため、RS型フリップフロップ146はリセットされることがなくなり、セットのみが行われる結果、RS型フリップフロップ146はセット状態に維持される。
【0042】
即ち、RS型フリップフロップ146は、発振回路OSCの発振動作が安定するまでリセット状態とされ、発振状態が安定すると、タイマー144が出力する信号CKTBのタイミングでセット状態に移行する。図4では、時刻t1から時刻t2までの間に発振動作が安定状態に移行し、クロック信号CKXの発振周波数と振幅が安定するものとしている。なお、図4では、発振状態が一旦安定した後、時刻t3付近で一時的に不安定となるが、この不安定状態に移行した場合の動作については後述する。
【0043】
続いて、図2において、D型フリップフロップ147は、タイマー144から出力される信号CKTBに基づき、RS型フリップフロップ146の出力信号を取り込む。RS型フリップフロップ146がセットされるタイミングと、D型フリップフロップ147がRS型フリップフロップ146の出力信号を取り込むタイミングは、同じ信号CKTBで規定されているので、これらのタイミングは一致する。従って、D型フリップフロップ147には、セットされる直前のRS型フリップフロップ146の出力信号が取り込まれる。
【0044】
図4に示す例では、信号CKTBとして最初のパルスPが発生する時刻t2の前に発振状態が安定しているが、時刻t2の時点ではRS型フリップフロップ146はいまだにリセット状態にあり、信号FLGは出力されない。そして、時刻t2の次のクロック信号CKTBのパルスの立ち上がりエッジにより、D型フリップフロップ147には、RS型フリップフロップ146の出力信号として、発振回路OSCの発振動作が安定したことを表す信号、即ちPLL回路130がロック状態にあることを示す信号が取り込まれ、信号FLGとして出力される。この信号FLGは、信号CKTBに基づきD型フリップフロップ147がRS型フリップフロップ146の出力信号を取り込み直すことで順次更新される。D型フリップフロップ147から出力された信号FLGは、D型フリップフロップ148のクロック入力部に与えられ、これを受けてD型フリップフロップ148は信号SELとしてハイレベル(電源)を出力する。
【0045】
ここで、時刻t3付近において発振回路OSCの発振状態が何らかの原因により一時的に不安定になったとする。この場合、時刻t3においてD型フリップフロップ147は、発振状態が不安定にあることを示す信号をRS型フリップフロップ146から取り込み、信号FLGとしてロウレベルを出力する。ただし、信号SELについては、D型フリップフロップ148のデータ入力部が電源に固定されているので、信号SELが一旦ハイレベルになると、仮に発振動作が不安定になったとしても、制御信号RST(バー)/TRGが入力されるまで信号SELはハイレベルを維持する。
【0046】
この後、発振回路OSCの発振動作が安定すると、時刻t4でのクロック信号CKTBの立ち上がりエッジにより、D型フリップフロップ147は、発振状態が安定していることを示す信号をRS型フリップフロップ146から取り込み、信号FLGがハイレベルに回復する。
このように、ロック状態判別回路140は、発振回路OSCが出力する発振信号CKXと、PLL回路130が出力するクロック信号CKPとの位相関係から、発振回路OSCの発振状態が安定しているか否かを判別して、スイッチ110を切り替えるための信号SELを生成し、これをスイッチ110に出力する。
【0047】
上述の動作をまとめると、発振制御回路100は、初期状態ではダンピング抵抗Rdが小さくなるようにスイッチ110の接点を制御する。これにより、電源投入時に発振回路OSCの発振動作が速やかに安定状態に達する。また、発振回路OSCが発振して安定状態に達するまでの過程において、発振制御回路100は、PLL回路の特性を利用することにより発振回路OSCの発振状態を逐次判別し、その発振動作が安定状態に到達したと判別した時点でダンピング抵抗Rdを本来の値に切り替える。以上で実施形態1を説明した。
【0048】
(実施の形態2)
以下、この発明の実施の形態2を説明する。
この実施の形態2に係る発振制御回路は、上述の実施の形態1に係る構成において、図1および図2に示すロック状態判別回路140に代え、図6に示す判別回路150を備えて構成される。ここで、図6に示す判別回路150は、図2に示すロック状態判別回路140の構成に対し、タイマー151と負論理入力型の否定的論理和回路152(以下、単に「否定的論理和回路152」と称す)とを更に備えて構成される。具体的に構成を説明すると、タイマー151のクロック入力部にはタイマー144から出力される信号CKTBが与えられ、D型フリップフロップ148のクロック入力部はタイマー151の出力部に接続される。また、否定的論理和回路152の一方の入力部にはD型フリップフロップ147が出力する信号FLGが与えられ、その他方の入力部には制御信号RST(バー)/TRGが与えられる。この否定的論理和回路152の出力信号はタイマー151のリセット信号とされる。
【0049】
以下、図7を参照して、この実施の形態2の動作を説明する。
この実施の形態2と上述の実施の形態1との動作上の相違点は、実施の形態1では最初に発振動作が安定状態にあると判別された時点で信号SELが出力されるのに対し、この実施の形態2では、タイマー151が計時する所定時間にわたって、発振状態が安定している場合に信号SELが出力される点にある。
【0050】
まず、初期状態では、タイマー151は、否定的論理和回路152を介して与えられる制御信号RST(バー)/TRGによりリセット状態とされ、D型フリップフロップ148も制御信号RST(バー)/TRGによりリセット状態とされる。これにより、初期状態ではD型フリップフロップ148は信号SELとしてロウレベルを出力した状態にある。このような初期状態から電源が投入されると、上述の実施の形態1と同様に動作してD型フリップフロップ147から信号FLGが出力される。信号FLGが出力されるまでの動作は、上述の実施の形態1と同様であるから、以下では、タイマー151に着目して、信号CKTBと信号FLGから信号SELが生成されるまでの動作を中心に説明する。
【0051】
図7において、時刻t0で電源が投入された後、時刻t2までは発振動作が安定していないと判別され、D型フリップフロップ147は、信号FLGとしてロウレベルを出力し、これを入力する否定的論理和回路152は、リセット信号としてロウレベルをタイマー151に出力する。従って、タイマー151はリセット状態(初期状態)に維持され、その出力信号CKTCとしてロウレベルをD型フリップフロップ148のクロック入力部に与える。よって、D型フリップフロップ148はリセット状態(初期状態)を維持し、信号SELとしてロウレベルを継続して出力する。
【0052】
続いて、時刻t2で発振動作が安定していると判別されると、D型フリップフロップ147は信号FLGとしてハイレベルを出力し、これを受けて否定的論理和回路152はタイマー151にリセット信号としてハイレベルを出力する。これによりタイマー151はリセット状態になくなり、タイマー144が出力する信号CKTBのパルスPをカウントして計時動作を開始する。タイマー151は、n個(nは所定の自然数)のパルスPをカウントして所定時間を計時すると、信号CKTCとしてハイレベルを出力する。
【0053】
図7に示す例では、カウント値CNTが「n」より小さい状態にある時刻t3において発振動作が安定していないと判別されて信号FLGがロウレベルとなる。これを入力する否定的論理和回路152はリセット信号としてロウレベルをタイマー151に出力する。これによりタイマー151は初期化される。そして、タイマー151は、その次にパルスPが発生する時刻t4から新たにパルスPのカウントを行い、改めて計時をやり直す。
【0054】
図7に示す例の場合、時刻t4以後では発振動作が安定し、信号FLGがハイレベルに維持されるので、その後、タイマー151はリセットされることなくカウントを続け、時刻t5でカウント値CNTが「n」に到達すると、信号CKTCとしてハイレベルを出力する。これを入力するD型フリップフロップ148は信号SELとしてハイレベルをスイッチ110に出力し、ダンピング抵抗Rdの値が本来の値に切り替えられる。
このように、この実施の形態2によれば、発振回路OSCの発振動作が安定している期間をタイマー151が計時し、所定時間にわたって発振動作が安定している場合にダンピング抵抗が本体の値に切り替えられる。従って、この実施の形態によれば、発振回路の発振動作が安定状態にあるか否かの判別結果の信頼性を向上させることが可能となり、発振動作を的確に判別してダンピング抵抗Rdの値を切り替えることが可能になる。以上で実施の形態2を説明した。
【0055】
(実施の形態3)
以下、この発明に係る実施の形態3を説明する。
上述の実施の形態1および2では、発振回路OSCの発振動作が安定しているか否かを判別してダンピング抵抗Rdを切り替えるようにしたが、この実施の形態3では、基本的には発振信号CKPに基づきタイマーにより所定時間を計時してダンピング抵抗Rdを本来の値に切り替えるものとし、発振動作が安定していない場合にはタイマーを初期化して計時をやり直す。
【0056】
この実施の形態3に係る発振制御回路は、前述の図1に示す構成において、ロック状態判別回路140に代え、図8に示すロック状態判別回路200を備えて構成され、その他の構成は図1に示す構成と同様である。図8において、シフトレジスタ201およびデコード回路202は、上述の実施の形態1および2に係るシフトレジスタ141および排他的論理回路142にそれぞれ対応するものである。ただし、シフトレジスタ201は、時系列的に連続する5ビットの信号を格納するものであり、デコード回路202は、シフトレジスタ201に格納された5ビットの信号の論理値の組み合わせを検出するように構成されている。
【0057】
D型フリップフロップ203のデータ入力部にはデコード回路202の出力部が接続され、クロック入力部には発振信号CKXが与えられる。このD型フリップフロップ203の出力信号は信号FLGとされる。D型フリップフロップ210のデータ入力部は電源(ハイレベル)に固定され、そのクロック入力部は上述のD型フリップフロップ203の出力部が接続される。タイマー204のクロック入力部には発振信号CKXが与えられ、キャリー入力部には上述のD型フリップフロップ210の出力部が接続される。D型フリップフロップ206のクロック入力部にはタイマー204の出力部が接続され、このD型フリップフロップ206のデータ入力部は電源に固定される。
【0058】
また、タイマー207のクロック入力部には発振信号CKXが与えられ、そのキャリー入力部には、上述のD型フリップフロップ206の出力部が接続される。D型フリップフロップ208のクロック入力部はタイマー207の出力部に接続され、そのデータ入力部は電源(ハイレベル)に固定される。このD型フリップフロップ208の出力信号は、前述のスイッチ110の接点を切り替えるための信号SELとされる。
なお、上述のタイマー207には、負論理入力型の否定的論理和回路209(以下、単に「否定的論理和回路209」と称す)により制御信号RST(バー)/TRGと信号FLGとの負論理入力に対する否定的論理和を演算して生成された信号がリセット信号として与えられる。シフトレジスタ201、D型フリップフロップ203、タイマー204、D型フリップフロップ206,208,210のリセット入力部には制御信号RST(バー)/TRGがリセット信号としてそのまま与えられる。
【0059】
次に、図9を参照して、この実施の形態3の動作を説明する。
時刻t11において電源が投入されると、発振回路OSCから出力される発振信号CKXの信号レベルが徐々に上昇し、不安定ながらも発振動作を開始する。このような不安定な発振状態では、発振信号CKXとクロック信号CKPとが一時的に同期する場合が起こり得る。図9に示す例では、時刻t12付近において発振信号CKXとクロック信号CKPとが一時的に同期し、デコード回路202の出力信号は、発振状態が安定したとみなす。このため、D型フリップフロップ203は、発振信号CKXに基づきデコード回路202の出力を取り込み、時刻t12において信号FLGとしてハイレベルを一時的に出力する。この後も発振状態が安定するまでは一時的に同期する場合が発生し、信号FLGとして一時的にハイレベルを出力する。
【0060】
時刻t12において信号FLGが一時的にハイレベルになると、この信号FLGをトリガーとして、D型フリップフロップ210は、そのデータ入力部に与えられているハイレベルを取り込んで出力する。タイマー204は、D型フリップフロップ210の出力信号をトリガーとしてカウントを開始し、クロック信号CKXに基づきカウントを進める。そして、所定値をカウントし終えた時刻t13において信号TM1としてハイレベルを出力する。即ち、発振信号CKXとクロック信号CKPとの同期が最初に検出された時刻t12を起点として時刻t13までの一定時間Δt2が計時され、この一定の時間Δt2が計時された後の時刻t13においてハイレベルが信号TM1としてD型フリップフロップ206に出力される。これを受けてD型フリップフロップ206はハイレベル(電源)を出力する。タイマー207は、D型フリップフロップ206の出力信号をトリガーとして発振信号CKXに基づき計時を開始する。このとき、発振回路OSCの発振動作が安定していなければ、信号FLGの信号レベルがハイレベルに確定しない。このため、発振動作が不安定となる度にタイマー207が否定的論理和回路209を介して入力する信号FLGがロウレベルになる度にリセットされ、計時をやり直す。
【0061】
そして、時刻t14に至って発振動作が安定し、信号FLGがハイレベルに安定すると、タイマー207は発振信号CKXに基づき一定時間Δt3(所定時間)を計時した後、信号TM2としてハイレベルを時刻t15においてD型フリップフロップ208に与える。これを受けてD型フリップフロップ208は時刻t15において信号SELとしてハイレベル(電源)を出力し、この出力状態を保持する。この信号SELによりスイッチ110の接点が切り替えられ、時刻t15においてダンピング抵抗Rdが小さい値から本来の値に切り替えられる。
【0062】
以上の動作をまとめると、発振信号CKX及び信号FLGを受けてタイマー204が計時を開始し、この計時が終了するまでの時間Δt2にわたってタイマー207の計時動作が禁止される。これにより、発振状態が極めて不安定な状態にあるときにタイマー207が計時動作を行うことがなく、無駄な計時動作が防止される。この後、タイマー207が計時を開始しするが、発振回路OSCの発振動作がまだ安定していなければ信号FLGによりタイマー207の計時動作が初期化され、その都度、計時をやり直す。そして、一定時間Δt3にわたって発振動作が安定していれば、信号SELとしてハイレベルが出力され、これによりスイッチ110の接点が切り替えられる。このように、この実施の形態3では、発振動作の判別結果は、タイマー207の計時動作を初期化するために使用される。以上で実施の形態3を説明した。
【0063】
(実施の形態4)
以下、この発明の実施の形態4を説明する。
図10に、この実施の形態に係る発振制御回路300の構成と、その適用例を示す。上述の実施の形態1ないし3では、発振回路OSCの発振状態を判別してダンピング抵抗Rdを切り替えるものとしたが、この実施の形態4では、上述の実施の形態1ないし3の構成に加えて、タイマーにより所定時間が経過した時にクロック信号の出力を許可するように出力状態を制御するための図10に示す発振制御回路をさらに備える。
【0064】
図10において、発振制御回路300は、タイマー302、インバータ303、論理積回路304、バッファ305から構成される。タイマー302のリセット端子に入力される制御信号(リセット信号)RST(バー)は、タイマー302を初期化する信号であって、前述の制御信号RST(バー)/TRGと同様にシステム側で電源の投入を検出して生成されたものである。
【0065】
タイマー302は発振信号CKPに基づき一定時間(所定時間)を計時して窓信号WINを出力するものである。このタイマー302が出力する窓信号WINは、インバータ303により反転されて論理積回路304の一方の入力部に与えられる。この論理積回路304の他方の入力部にはクロック信号CKPが与えられる。論理積回路304は、窓信号WINの反転信号とクロック信号CKPとの論理積を演算するものであって、その演算結果はバッファ305を介してクロック信号CLKとして出力される。これら論理積回路304およびバッファ305は、タイマー302の計時が終了するまでの一定期間クロック信号CKPの通過を阻止するゲート回路として機能する。
【0066】
以下、図11を参照して、この実施の形態4の動作を説明する。
まず、時刻t21において電源が投入されると、電源電圧が徐々に上昇して発振回路OSCが発振を開始して発振信号CKXを出力し、PLL回路130から発振信号CKPが出力される。なお、図11において期間TAは発振動作が不安定な期間を表す。また、期間TBは、発振動作が不安定となるためにクロック信号CKPが不安定となる期間を表す。
一方、時刻t21で電源が投入されると、上述の発振動作と並行して、図示しないシステム側で電源の投入が検出されてリセット信号RST(バー)がハイレベルとされる。これを受けて、さらに、クロック信号CKPがある程度安定すると、タイマー302が計時を開始し、窓信号WINがハイレベルとなる。これにより、論理積回路304は、窓信号WINの反転信号をインバータ303から入力し、クロック信号CLKをロウレベルに固定する。これにより、クロック信号CKPはクロック信号CLKとして外部に出力されなくなる。
【0067】
次に、タイマー302が一定時間Δt4を計時し終えると、時刻t22で窓信号WINがロウレベルになる。これを受けて論理積回路304の出力信号がクロック信号CKPに応じたものとなり、クロック信号CLKとして外部に出力されるようになる。
即ち、この実施の形態4によれば、タイマー302が一定時間Δt4の計時を終了するまで、クロック信号CLKがロウレベルに固定され、クロック信号CKPの出力が一時的に阻止される。そして、一定時間Δt4が経過すると、クロック信号CKPが、論理積回路304およびバッファ305を介してクロック信号CLKとして外部に出力される。従って、発振回路OSCの発振動作が不安定な期間を含むように一定時間Δt4を設定しておけば、発振動作が不安定な期間において不安定なクロック信号CKPが外部に出力されることがなくなり、クロック信号CLKとしてクロック信号CKPを入力する外部の装置が異常動作することがなくなる。以上で実施の形態4を説明した。
【0068】
上述の実施の形態1ないし4では、発振状態を判別するために、発振信号CKXを2逓倍するものとしたが、逓倍数をN(Nは2以上の自然数)に拡張することも可能である。図12に、発振信号CKXの逓倍数を「4」とした場合のクロック信号CKPの波形を例示する。同図において、クロック信号CKPの波形Aはクロック信号CKPが発振信号CKXと同期している状態にある場合のものである。これに対し、波形Bおよび波形Cは同期状態にない場合の波形を示す。このうち、波形Bはクロック信号CKPの周波数が高い場合(発振信号CKXの周波数が減少方向に変化している場合)を示し、波形CはクロックCKPの周波数が低い場合(発振信号CKXの周波数が増加方向に変化している場合)を示す。図11に示す例では、時刻t31のタイミングでシフトレジスタに取り込まれる5ビットの論理値の組み合わせは、波形Aについては、取り込まれた順に「11001」であり、波形Bについては「11100」であり、波形Cについては「11011」である。
【0069】
ここで、図11から理解されるように、仮に逓倍数と同じ数のビット数の信号を用いて発振状態を判別しようとすると、発振信号CKXに対してクロック信号CKPの位相が1クロック半以上ずれないと論理値の組み合わせに変化が生じない。しかしながら、逓倍数の4に1を加えた5ビットの論理値の組み合わせを用いて判別すれば、発振信号CKXに対してクロック信号CKPの位相が半クロック分だけずれれば論理値の組み合わせに変化が生じ、発振信号CKXとクロック信号CKPとが同期しているか否かを精度良く把握することが可能になる。これをN逓倍の場合に拡張すると、シフトレジスタに(N+1)ビットの信号を取り込み、これらのビットの論理値の組み合わせから判別すればよい。従ってこの場合、クロック信号CKPに基づき発振信号CKXを取り込むためのシフトレジスタは、時系列順に(N+1)ビットの信号を格納するものとなる。なお、必用とする精度が得られるのであれば、クロック信号CKPの逓倍数Nとシフトレジスタのビット数とを同じに設定してもよい。
【0070】
以上、この発明の実施の態を説明したが、この発明は、上述の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば上述の実施の形態4では、タイマー302により計時してクロック信号CKPの出力を阻止するものとしたが、実施の形態1ないし3の判別機能と実施の形態4の出力制御機能とを組み合わせてもよい。この場合、例えば、実施の形態1ないし3のように発振状態を判別し、発振状態が安定してからクロック信号CKPをクロック信号CLKとして出力するように構成する。即ち、実施の形態1ないし3の構成において、発振回路の出力信号から派生的に生成されたクロック信号CKPを入力し、ロック状態判別回路140の判別結果が否定的である場合にクロック信号CKPの通過を阻止するゲート回路(論理積回路304およびバッファ305に相当)を備え、ロック状態判別回路の判別結果に基づいてゲート回路を制御し、これによりクロック信号CKPの通過を阻止(禁止)するか許可するものとすればよい。
【0071】
【発明の効果】
本発明に係る発振状態判別回路によれば、発振回路の出力信号を逓倍してクロック信号を生成し、該クロック信号が前記出力信号に同期するように該クロック信号の位相を制御するPLL回路を備え、このPLL回路がロック状態にあるか否かを判別するようにしたので、発振回路の発振状態が安定しているか否かを判別することが可能となる。
また、本発明に係る発振制御回路によれば、発振回路の出力信号とPLL回路が生成したクロック信号との位相関係から該PLL回路がロック状態にあるか否かを判別し、この判別結果に基づき発振回路のダンピング抵抗を切り替えるようにしたので、発振状態を判別してダンピング抵抗を切り替えることが可能となる。
さらに、本発明に係る発振制御回路によれば、発振回路の出力信号から派生的に生成された信号の通過を一時的に阻止するゲート回路を備えたので、発振回路が出力する不安定な発振信号により外部装置の異常動作を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る発振制御回路の構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る判別回路の構成を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係るタイマーの構成を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係る判別回路の動作を説明するための波形図である。
【図5】 この発明の実施の形態1に係る判別回路の動作原理を説明するための波形図である。
【図6】 この発明の実施の形態2に係る判別回路の構成を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態1に係る判別回路の動作を説明するための波形図である。
【図8】 この発明の実施の形態3に係る判別回路の構成を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態3に係る判別回路の動作を説明するための波形図である。
【図10】 この発明の実施の形態4に係る発振制御回路の構成を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態4に係る発振制御回路の動作を説明するための波形図である。
【図12】 この発明に係る実施の形態において発振信号の逓倍数Nとシフトレジスタのビット数との関係を説明するための波形図である。
【図13】 従来技術に係る発振回路を説明するための図である。
【符号の説明】
100;発振制御回路、110;スイッチ、120;発振状態判別回路、130;PLL回路、140;ロック状態判別回路、141;シフトレジスタ、142;排他的論理和回路、143,144;タイマー、145;インバータ、146;RS型フリップフロップ、147,148;D型フリップフロップ、151;タイマー、152;否定的論理和回路(負論理入力型)、201;シフトレジスタ、202;デコード回路、203,206,208,210;D型フリップフロップ、204,207;タイマー、209;否定的論理和回路(負論理入力型)、300;発振制御回路、302;タイマー、303;インバータ、304;論理積回路、305;バッファ。
Claims (6)
- 発振回路に設けられたダンピング抵抗を切り替えて該発振回路の発振状態を制御する発振制御回路であって、
前記発振回路が出力する発振信号を逓倍してクロック信号を生成し、該クロック信号が前記発振信号に同期するように該クロック信号の位相を制御するPLL回路と、
前記発振信号と前記クロック信号との位相関係から該PLL回路がロック状態にあるか否かを判別する判別回路と、
前記位相判別回路の判別結果に基づき前記ダンピング抵抗を切り替えるためのスイッチと、
を備え、
前記判別回路が、
前記PLL回路により生成されたクロック信号に基づき前記発振信号を順次取り込み、時系列的に連続した複数ビットの信号を格納するシフトレジスタと、
前記シフトレジスタに格納された複数ビットの信号をデコードして、前記発振回路の発振動作が安定状態にあるときに前記複数ビットの信号の論理値として現れるべき所定の論理値の組み合わせを検出し、その検出結果を示す信号を出力するデコード回路と、
前記デコード回路の出力信号に基づき前記ダンピング抵抗を切り替えるための信号を生成して出力する信号生成回路と、
を備え、
前記信号生成回路が、
前記PLL回路により生成されたクロック信号に基づき第1の所定時間を計時してパルスを出力する第1のタイマー回路と、
前記第1の所定時間で規定される期間において前記デコード回路が前記所定の論理値の組み合わせを検出したことを条件に、前記第1のタイマー回路が出力するパルスのタイミングで、前記ダンピング抵抗を切り替えるための信号として所定の信号レベルを出力する順序回路と、
を備えて構成された発振制御回路。 - 前記順序回路は、前記所定の論理値の組み合わせを示す前記デコード回路の検出結果が前記第1の所定時間に加えてさらに第2の所定時間にわたって維持された場合に、前記ダンピング抵抗を切り替えるための信号として前記所定の信号レベルを出力するように更に構成されたことを特徴とする請求項1に記載された発振制御回路。
- 発振回路に設けられたダンピング抵抗を切り替えて該発振回路の発振状態を制御する発振制御回路であって、
前記発振回路が出力する発振信号を逓倍してクロック信号を生成し、該クロック信号が前記発振信号に同期するように該クロック信号の位相を制御するPLL回路と、
前記発振信号と前記クロック信号との位相関係から該PLL回路がロック状態にあるか否かを判別する判別回路と、
前記位相判別回路の判別結果に基づき前記ダンピング抵抗を切り替えるためのスイッチと、
を備え、
前記判別回路が、
前記PLL回路により生成されたクロック信号に基づき前記発振信号を順次取り込み、時系列的に連続した複数ビットの信号を格納するシフトレジスタと、
前記シフトレジスタに格納された複数ビットの信号をデコードして、前記発振回路の発振動作が安定状態にあるときに前記複数ビットの信号の論理値として現れるべき所定の論理値の組み合わせを検出し、その検出結果を示す信号を出力するデコード回路と、
前記デコード回路の出力信号に基づき前記ダンピング抵抗を切り替えるための信号を生成して出力する信号生成回路と、
を備え、
前記信号生成回路が、
前記PLL回路により生成されたクロック信号に基づき第1の所定時間を計時して第1の信号を出力する第1のタイマー回路と、
前記第1の所定時間で規定される期間において前記デコード回路が前記所定の論理値の組み合わせを検出したことを条件に、前記第1のタイマー回路が出力する第1の信号のタイミングで、第1の所定の信号レベルを出力する第1の順序回路と、
前記第1の信号に基づき第2の所定時間を計時して第2の信号を出力すると共に、前記第1の順序回路の出力信号に基づき計時動作を初期化する第2のタイマー回路と、
前記第2の信号を受けて、前記ダンピング抵抗を切り替えるための信号として第2の所定の信号レベルを出力する第2の順序回路と、
を備えて構成された発振制御回路。 - 前記発振信号に基づき所定時間を計時する第3のタイマー回路と、
前記発振信号を入力し、前記第3のタイマー回路が計時を終了するまでの期間において前記発振信号の通過を阻止するゲート回路と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載された発振制御回路。 - 前記発振信号を入力し、前記判別回路の判別結果が否定的である場合に前記発振信号の通過を阻止するゲート回路を更に備えたことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載された発振制御回路。
- 前記PLL回路が、前記発振回路が出力する発振信号をN(Nは2以上の自然数)逓倍してクロック信号を生成し、
前記判別回路が、前記発振信号と前記クロック信号との位相関係に応じた(N+1)ビットの信号の論理値の組み合わせから前記PLL回路がロック状態にあるか否かを判別することを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載された発振制御回路。
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