JP3997340B2 - 排煙脱硫装置の吸収塔循環ポンプ台数制御方法 - Google Patents

排煙脱硫装置の吸収塔循環ポンプ台数制御方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭焚ボイラの下流に備えられる排煙脱硫装置の吸収塔循環ポンプ台数制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、吸収剤として石灰(石灰石、消石灰又は生石灰)を用いた排煙脱硫装置は、一般に図7に示されるように、下部に形成された液溜り部1の吸収液2を、複数台(図7の例では十台)の循環ポンプ3の作動により、上部に配設されたスプレーノズル4から噴霧して循環させると共に、図示していない石炭焚のボイラから供給される排ガスを前記スプレーノズル4から噴霧された吸収液2と接触せしめた後排出させる吸収塔5の前記液溜り部1に、酸化用の空気を供給する酸化空気ブロワ6を接続すると共に、液溜り部1内の吸収液2を撹拌する撹拌7を設け、後述する母液タンク25から供給される吸収液23とサイロ8から供給される石灰9を混合して吸収剤スラリー10を生成し且つ該吸収剤スラリー10を前記吸収塔5の液溜り部1に供給するための吸収剤スラリーピット11を設け、前記吸収塔5の底部から吸収液2の一部が供給され且つ前記吸収塔5の液溜り部1へ供給されるカセイソーダ等の中和剤12の一部が供給され前記吸収液2と中和剤12を混合撹拌する中和タンク13を設け、該中和タンク13から抽出された吸収液14を濃縮せしめるシックナ15を設け、該シックナ15で濃縮された吸収液16が供給され該吸収液16を撹拌する石膏分離機供給タンク17を設け、該石膏分離機供給タンク17から抽出される吸収液16を脱水し石膏19を生成するための石膏分離機20を設け、該石膏分離機20で脱水された水21が供給され該水21の一部を前記シックナ15へ供給するための濾液ピット22を設け、更に、前記シックナ15から上澄みの吸収液23が供給され該吸収液23の一部を排水処理装置24と吸収剤スラリーピット11へ供給し且つ残りを前記吸収塔5の液溜り部1へ送るための母液タンク25を設けてなる構成を有している。
【0003】
尚、図7中、18は吸収塔5へ適宜補給される補給水、26は吸収剤スラリー10を吸収塔5へ供給するための吸収剤スラリーポンプである。
【0004】
前述の如き排煙脱硫装置の場合、吸収液2が循環ポンプ3の作動により循環しており、吸収塔5に送り込まれた排ガスは、スプレーノズル4から噴霧される吸収液2と接触することにより、SO2(硫黄酸化物)が吸収除去された後、外部へ排出される。
【0005】
一方、前記排ガスからSO2を吸収した吸収液2の一部は、吸収塔5の液溜り部1の底部から中和タンク13へ供給され、該中和タンク13において中和剤12と混合撹拌され、該混合撹拌された吸収液14がシックナ15へ送られ、該シックナ15において濃縮され、該濃縮された吸収液16が石膏分離機供給タンク17を経て石膏分離機20へ送られ、該石膏分離機20において水分が除去され石膏19が生成される。
【0006】
前記石膏分離機20で脱水された水21は、濾液ピット22を経て前記シックナ15へ戻され、又、該シックナ15における前記吸収液14の濃縮時に出る上澄みの吸収液23は、母液タンク25を経て排水処理装置24と吸収剤スラリーピット11へ供給されると共に、前記吸収塔5の液溜り部1へ送られる。
【0007】
前記吸収剤スラリーピット11へ供給された吸収液23は、該吸収剤スラリーピット11においてサイロ8から供給される石灰9と混合され、吸収剤スラリー10として吸収剤スラリーポンプ26の作動により前記吸収塔5の液溜り部1に供給される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の如き従来の排煙脱硫装置においては、循環ポンプ3の運転台数は、ボイラ負荷指令(発電機出力指令)[MW]とは無関係に、脱硫性能に余裕を見込んだ台数として略一定に制御されており、必要以上に噴霧される吸収液2の量が多くなって消費電力も嵩み無駄が多くなるという欠点を有していた。
【0009】
このため、最近では、ボイラ負荷目標値に応じて循環ポンプ3の運転台数を先行的に制御する方法も提案されている。
【0010】
実際の発電所等においては、ボイラの燃料としてさまざまな種類の石炭が単独で或いはブレンドされて使用され、同じボイラ負荷であっても炭種が異なると、排煙脱硫装置に導入される排ガス中のSO2濃度並びに排ガス量が変化するため、本来ならば、前記炭種の変更、即ち排ガス中のSO2濃度並びに排ガス量の変化に応じて循環ポンプ3の運転台数を増減させるのが理想であるが、前述の如きボイラ負荷目標値に応じて循環ポンプ3の運転台数を先行的に制御する方法の場合、ボイラの燃料として使用される炭種に応じて循環ポンプ3の運転台数を変化させるようにはなっておらず、どんな炭種が来てもいいようにある程度の余裕を見込んだ運転台数を、ボイラ負荷に対する関数として設定しているため、依然として無駄が多くなることは避けられないのが現状であった。
【0011】
また、従来における石炭焚ボイラにおいては、ボイラに微粉炭を供給するミルの起動時と停止時に、ボイラ出口、即ち吸収塔入口のSO2濃度が上昇することが知られているが、このようなミルの起動、停止時におけるSO2濃度の上昇をも考慮した余裕のある運転台数を設定する必要があるために、更に無駄が多くなるという問題を有していた。
【0012】
本発明は、斯かる実情に鑑み、必要以上に噴霧される吸収液の量を最小限に抑えて消費電力の無駄を抑制しつつ、所望の脱硫性能を確保し得る排煙脱硫装置の吸収塔循環ポンプ台数制御方法を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、吸収剤として石灰を用いた吸収液を複数台の循環ポンプの作動により噴霧して循環させつつ、石炭焚ボイラから排出される排ガスと接触せしめて排ガス中のSO2を吸収除去する吸収塔を備えた排煙脱硫装置の吸収塔循環ポンプ台数制御方法であって、
排煙脱硫装置の運転の開始時は、予めわかっている炭種の試運転でのデータに基づき、ボイラ負荷に対する吸収塔入口SO 2 濃度の換算値を表わす第一の関数と、ボイラ負荷に対する吸収塔入口排ガス量の換算値を表わす第二の関数を想定し、更に、第一の関数により求めた吸収塔入口SO 2 濃度と第二の関数により求めた吸収塔入口排ガス量を入力して目標脱硫率を得るための適正なポンプ台数を求める第三の関数を想定して、ボイラ負荷目標値に対応した適正な運転台数になるように先行的に循環ポンプの運転台数を制御して運転を開始し、
運転開始後は検出される実際の吸収塔入口SO2濃度と吸収塔入口排ガス量とに基づき、ボイラ負荷に対する吸収塔入口SO2濃度の換算値を表わす第一の関数と、ボイラ負荷に対する吸収塔入口排ガス量の換算値を表わす第二の関数とを最新のデータに基づき時々刻々書き換え、ボイラ負荷目標値から前記第一の関数により求めた吸収塔入口SO 2 濃度とボイラ負荷目標値から前記第二の関数により求めた吸収塔入口排ガス量が時々刻々書き換えられて第三の関数に入力されることにより目標脱硫率を得るための適正なポンプ台数が求められて、与えられるボイラ負荷目標値に対応してその時点での適正な運転台数になるように先行的に循環ポンプの運転台数を制御し、
更に、ミル起動時における吸収塔入口SO2濃度の上昇を考慮したミル起動時係数を予め求めると共に、ミル停止時における吸収塔入口SO2濃度の上昇を考慮したミル停止時係数を予め求めておき、ミル起動指令の発生時にミル起動時係数を前記第一の関数に掛算し、またミル停止指令の発生時にミル停止時係数を前記第一の関数に掛算して得られる補正ポンプ台数により循環ポンプの運転台数を制御することを特徴とする排煙脱硫装置の吸収塔循環ポンプ台数制御方法、に係るものである。
【0014】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0015】
排煙脱硫装置の運転の開始時は、予めわかっている炭種の試運転でのデータに基づき、ボイラ負荷に対する吸収塔入口SO 2 濃度の換算値を表わす第一の関数と、ボイラ負荷に対する吸収塔入口排ガス量の換算値を表わす第二の関数を想定し、更に、第一の関数により求めた吸収塔入口SO 2 濃度と第二の関数により求めた吸収塔入口排ガス量を入力して目標脱硫率を得るための適正なポンプ台数を求める第三の関数を想定して、ボイラ負荷目標値に対応した適正な運転台数になるように先行的に循環ポンプの運転台数を制御して運転を開始する。
運転開始後は、検出される実際の吸収塔入口SO2濃度と吸収塔入口排ガス量とに基づき、ボイラ負荷に対する吸収塔入口SO2濃度を表わす第一の関数と、ボイラ負荷に対する吸収塔入口排ガス量を表わす第二の関数とが、最新のデータに基づいて時々刻々書き換えられボイラ負荷目標値から前記第一の関数により求めた吸収塔入口SO 2 濃度とボイラ負荷目標値から前記第二の関数により求めた吸収塔入口排ガス量が時々刻々書き換えられて第三の関数に入力されることにより目標脱硫率を得るための適正なポンプ台数が求められるので、与えられるボイラ負荷目標値に対応してその時点での適正な運転台数になるように、先行的に循環ポンプの運転台数が制御される。
【0016】
この結果、実際の発電所等において、ボイラの燃料としてさまざまな種類の石炭が単独で或いはブレンドされて使用された場合、同じボイラ負荷であっても炭種の変化により、排煙脱硫装置に導入される排ガス中のSO2濃度並びに排ガス量は変化するが、本発明においては、最新のデータに基づいて時々刻々書き換えられる第三の関数によりボイラ負荷目標値から先行的に循環ポンプの運転台数を制御しているため、該循環ポンプの運転台数は常にその時点における最適な台数となり、吸収液が必要以上に噴霧されることがなくなり、消費電力も抑えられ、無駄がなくなる。
【0017】
一方、ミル起動時における吸収塔入口SO2濃度の上昇を考慮したミル起動時係数を予め求めると共に、ミル停止時における吸収塔入口SO2濃度の上昇を考慮したミル停止時係数を予め求めておき、ミル起動指令の発生時にミル起動時係数を前記第一の関数に掛算し、またミル停止指令の発生時にミル停止時係数を前記第一の関数に掛算して得られる補正ポンプ台数により循環ポンプの運転台数を制御するようにしているので、循環ポンプの運転台数を、ミル起動、停止時の吸収塔入口SO2濃度の変動を考慮して、先行的に最適台数に制御することができ、よって吸収液を必要以上に噴霧させることを防止して、消費電力を抑える効果を更に高め得る。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0019】
図1〜図6は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図7と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図7に示す従来のものと同様である。
【0020】
図1及び図2に示す如く、濃度分析計27と流量検出器28とによって検出される実際の吸収塔入口SO2濃度27aと吸収塔入口排ガス量28aが脱硫制御装置29に入力され、また、脱硫制御装置29にはボイラ制御装置30からのボイラ負荷目標値31(図5参照)が与えられており、ボイラ制御装置30から与えられるボイラ負荷目標値31対応させて、前記脱硫制御装置29から出力される循環ポンプ制御信号32によって先行的に循環ポンプ3の運転台数を制御するようにしている。
【0021】
煙脱硫装置の運転を開始する時点における循環ポンプ3の運転台数については、前記濃度分析計27と流量検出器28とによって検出される実際の吸収塔入口SO2濃度27aと吸収塔入口排ガス量28aのデータを用いることはできないが、運転開始前には、これから使用される炭種は予めわかっているため、該炭種に対応させて、図2に示すように試運転でのデータに基づきボイラ負荷に対する吸収塔入口SO 2 濃度の換算値を表わす第一の関数 1 (x)(図3参照)と、ボイラ負荷に対する吸収塔入口排ガス量の換算値を表わす第二の関数F2(x)(図4参照)とを想定し、更に、第一の関数により求めた吸収塔入口SO 2 濃度x 1 と第二の関数により求めた吸収塔入口排ガス量x 2 を入力して目標脱硫率を得るための適正なポンプ台数Yを後述の式(I)により求める第三の関数F3(x1,x2(図示せず)を想定し前記ボイラ制御装置30から与えられるボイラ負荷目標値31に対応させて、前記脱硫制御装置29から出力される循環ポンプ制御信号32によって先行的に循環ポンプ3の運転台数を制御するようにしてある。
【0022】
排煙脱硫装置の運転が開始されると、濃度分析計27により吸収塔入口SO2濃度27aが検出されると共に、流量検出器28により吸収塔入口排ガス量28aが検出されることにより、ボイラ負荷に対する吸収塔入口SO 2 濃度を表わす第一の関数F1(x)(図3の傾き)と、ボイラ負荷に対する吸収塔入口排ガス量を表わす第二の関数F2(x)(図4の傾き)が、最新のデータに基づいて時々刻々書き換えられ、従って、ボイラ負荷目標値から前記第一の関数により求めた吸収塔入口SO 2 濃度x 1 とボイラ負荷目標値から前記第二の関数により求めた吸収塔入口排ガス量x 2 が時々刻々書き換えられて第三の関数F3(x1,x2に入力される。これにより、書き換えられた循環ポンプ制御信号32によっ て、与えられるボイラ負荷目標値に対応してその時点での適正な運転台数になるように、先行的に循環ポンプの運転台数を制御するようにしてある。
【0023】
一方、図1に示すように、脱硫制御装置29に、ミル起動指令33と、ミル停止指令34を入力している。
【0024】
脱硫制御装置29にミル起動指令33が入力されると、図2に示すように、予め求められたミル起動時係数K1が、ボイラ負荷目標値から求められた吸収塔入口SO2濃度に掛算されるようになっている。
【0025】
また、脱硫制御装置29にミル停止指令34が入力されると、図2に示すように、予め求められたミル停止時係数K2が、ボイラ負荷目標値から求めた吸収塔入口SO2濃度に掛算されるようになっている。
【0026】
前記、ミル起動時係数K1は、K1=1+g1(t)であり、またミル停止時係数K2は、K2=1+g2(t)であり、この時のg1(t)、g2(t)は、ミル起動時とミル停止時における吸収塔入口SO2濃度の上昇割合と、上昇した時間帯(分)とを予め求めたSO2濃度増加信号である。
【0027】
SO2濃度増加信号g1(t)、g2(t)は、硫黄含有量の多い石炭をボイラで燃焼させる試験を行って得るようにしたものであり、図6に示した例では、ミル起動指令33の発生時には、破線で示すように、ミル起動指令33の発生から例えば1分後に吸収塔入口SO2濃度が増加して、3分後に最大の0.1倍まで増加し、その後はその状態を保持し、7分後に減少して10分後には吸収塔入口SO2濃度の増加がなくなっている。
【0028】
また、ミル停止指令34の発生時には、図6に実線で示すように、ミル停止指令34の発生から例えば1分後に吸収塔入口SO2濃度が増加して3分後に最大の0.2倍まで増加し、その後はその状態を保持し、7分後に減少して10分後には吸収塔入口SO2濃度の増加がなくなっている。
【0029】
図6から明らかなように、ミル起動指令33発生時におけるSO2濃度増加信号g1(t)に対して、ミル停止指令34発生時におけるSO2濃度増加信号g2(t)の方が一般に大きな値となっている。
【0030】
上記図6のようにして得たSO2濃度増加信号g1(t)、g2(t)の夫々に、「1」を加算してミル起動時係数K1、ミル停止時係数K2を求めておき、ミル起動指令33、又はミル停止指令34の発生時に、ミル起動時係数K1、ミル停止時係数K2を図2に示すように吸収塔入口SO2濃度を表わす第一の関数F 1 (x)に掛算し、このようにして求めた吸収塔入口SO2濃度と前記吸収塔入口排ガス量とを第三の関数F3(x1,x2)に代入して、式
[数1]
Y=F3(x1,x2)…(I)
Y:目標脱硫率を得る適正ポンプ台数
1:ボイラ負荷目標値からF1(x)によって求めた吸収塔入口SO2濃度
2:ボイラ負荷目標値からF2(x)によって求めた吸収塔入口排ガス量
から目標脱硫率を得る適正ポンプ台数を求めることにより、ミル起動時とミル停止時における吸収塔入口SO2濃度の上昇を考慮した制御を行えるようにしている。
【0031】
次に、上記図示例の作動を説明する。
【0032】
排煙脱硫装置の運転時には、濃度分析計27と流量検出器28とによって検出される実際の吸収塔入口SO2濃度27aと吸収塔入口排ガス量28aとに基づき、脱硫制御装置29において、ボイラ負荷に対する吸収塔入口SO2濃度27aを表わす第一の関数F1(x)(図3参照)と、ボイラ負荷に対する吸収塔入口排ガス量28aを表わす第二の関数F2(x)(図4参照)と、吸収塔入口SO2濃度27aと吸収塔入口排ガス量28aから目標脱硫率を得るための適正な循環ポンプ台数を求める第三の関数F3(x1,x2)とが最新のデータに基づいて時々刻々書き換えられ、最新となる第三の関数F3(x1,x2)が使用され、ボイラ制御装置30から与えられるボイラ負荷目標値31(図5参照)に対応させて、前記脱硫制御装置29から出力される循環ポンプ制御信号32によって先行的に循環ポンプ3の運転台数が制御される。
【0033】
この結果、実際の発電所等において、ボイラの燃料としてさまざまな種類の石炭が単独で或いはブレンドされて使用された場合、同じボイラ負荷であっても炭種の変化により、排煙脱硫装置に導入される排ガス中のSO2濃度並びに排ガス量は変化するが、本図示例においては、最新のデータに基づいて時々刻々書き換えられる第三の関数F3(x1,x2)によりボイラ負荷目標値31から先行的に循環ポンプ3の運転台数を制御しているため、該循環ポンプ3の運転台数は常にその時点における最適な台数となり、吸収液2が必要以上に噴霧されることがなくなり、消費電力も抑えられ、無駄がなくなる。
【0034】
一方、図6に示したミル起動時における吸収塔入口SO2濃度の上昇、即ちSO2濃度増加信号g1(t)を考慮したミル起動時係数K1を予め求めると共に、ミル停止時における吸収塔入口SO2濃度の上昇、即ちSO2濃度増加信号g2(t)を考慮したミル停止時係数K2を予め求めておき、ミル起動時係数K1、ミル停止時係数K2を図2に示すように吸収塔入口SO2濃度に掛算し、このようにして求めた吸収塔入口SO2濃度と前記吸収塔入口排ガス量とを第三の関数F3(x1,x2)に代入して前記式(I)から目標脱硫率を得る補正ポンプ台数を求めることにより、ミル起動時とミル停止時における吸収塔入口SO2濃度の上昇を考慮した制御を行うことができる。
【0035】
こうして、必要以上に噴霧される吸収液の量を最小限に抑えて消費電力の無駄を抑制しつつ、所望の脱硫性能を確保し得る。
【0036】
尚、本発明の排煙脱硫装置の吸収塔循環ポンプ台数制御方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0037】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の排煙脱硫装置の吸収塔循環ポンプ台数制御方法によれば、ボイラ負荷目標値から先行的に循環ポンプの運転台数を制御すると共に、ミル起動、停止時の吸収塔入口SO2濃度の変動をも考慮して、循環ポンプの運転台数が最適台数になるように先行的に制御しているので、必要以上に噴霧される吸収液の量を最小限に抑えて消費電力の無駄を抑制しつつ、所望の脱硫性能を確保し得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する形態の一例の全体概要構成図である。
【図2】 本発明を実施する形態の一例のフローチャートである。
【図3】 本発明を実施する形態の一例における第一の関数F1(x)を表わす線図である。
【図4】 本発明を実施する形態の一例における第二の関数F2(x)を表わす線図である。
【図5】 本発明を実施する形態の一例におけるボイラ負荷目標値のスケジュールの一例を表わす線図である。
【図6】 本発明を実施する形態の一例におけるSO2濃度増加信号g1(t)と、SO2濃度増加信号g2(t)を表わす線図である。
【図7】 従来例の全体概要構成図である。
【符号の説明】
2 吸収液
3 循環ポンプ
5 吸収塔
9 石灰
27a 吸収塔入口SO2濃度
28a 吸収塔入口排ガス量
31 ボイラ負荷目標値
33 ミル起動指令
34 ミル停止指令
1 ミル起動時係数
2 ミル停止時係数
1(x) 第一の関数
2(x) 第二の関数
3(x1,x2) 第三の関数

Claims (1)

  1. 吸収剤として石灰を用いた吸収液を複数台の循環ポンプの作動により噴霧して循環させつつ、石炭焚ボイラから排出される排ガスと接触せしめて排ガス中のSO2を吸収除去する吸収塔を備えた排煙脱硫装置の吸収塔循環ポンプ台数制御方法であって、
    排煙脱硫装置の運転の開始時は、予めわかっている炭種の試運転でのデータに基づき、ボイラ負荷に対する吸収塔入口SO 2 濃度の換算値を表わす第一の関数と、ボイラ負荷に対する吸収塔入口排ガス量の換算値を表わす第二の関数を想定し、更に、第一の関数により求めた吸収塔入口SO 2 濃度と第二の関数により求めた吸収塔入口排ガス量を入力して目標脱硫率を得るための適正なポンプ台数を求める第三の関数を想定して、ボイラ負荷目標値に対応した適正な運転台数になるように先行的に循環ポンプの運転台数を制御して運転を開始し、
    運転開始後は検出される実際の吸収塔入口SO2濃度と吸収塔入口排ガス量とに基づき、ボイラ負荷に対する吸収塔入口SO2濃度の換算値を表わす第一の関数と、ボイラ負荷に対する吸収塔入口排ガス量の換算値を表わす第二の関数とを最新のデータに基づき時々刻々書き換え、ボイラ負荷目標値から前記第一の関数により求めた吸収塔入口SO 2 濃度とボイラ負荷目標値から前記第二の関数により求めた吸収塔入口排ガス量が時々刻々書き換えられて第三の関数に入力されることにより目標脱硫率を得るための適正なポンプ台数が求められて、与えられるボイラ負荷目標値に対応してその時点での適正な運転台数になるように先行的に循環ポンプの運転台数を制御し、
    更に、ミル起動時における吸収塔入口SO2濃度の上昇を考慮したミル起動時係数を予め求めると共に、ミル停止時における吸収塔入口SO2濃度の上昇を考慮したミル停止時係数を予め求めておき、ミル起動指令の発生時にミル起動時係数を前記第一の関数に掛算し、またミル停止指令の発生時にミル停止時係数を前記第一の関数に掛算して得られる補正ポンプ台数により循環ポンプの運転台数を制御することを特徴とする排煙脱硫装置の吸収塔循環ポンプ台数制御方法。
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