JP3997176B2 - 散気装置の目詰まり防止運転方法 - Google Patents

散気装置の目詰まり防止運転方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細気孔を有する散気膜を備えた散気装置について散気膜の目詰まりを防ぐことができるようにした、散気装置の目詰まり防止運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
下水、し尿、産業排水などの有機性汚水を好気性微生物により生物学的に処理して浄化する好気性生物処理においては、曝気槽内に、曝気槽内の被処理液中に気泡状の空気を吹き込んで曝気するための散気装置が設置されている。この曝気槽に設置される散気装置としては、セラミックタイプの散気板が良く知られているが、近年、多数の微細気孔(微細気泡噴出孔)を有する散気膜(メンブレン)を備えたパネル型の散気装置も使用実績を伸ばしている。このパネル型の散気装置は、平板状のベースプレート上に、多数の微細気孔を有する合成樹脂又は合成ゴム製のシート状の散気膜を張るようにして設け、曝気槽外部のブロワなどの空気供給源からの空気を、前記ベースプレートに固定された空気供給部を介して散気膜とベースプレートとの間に供給することにより、散気膜が枕状に膨らみ微細気孔が開いて各微細気孔を介して微細気泡を発生するように構成されている。
【0003】
この微細気孔を有する散気膜を備えた散気装置は、発生時に直径1mm程度の微細気泡(超微細気泡)を発生できるので、発生した気泡自身が比表面積が大きく、水中(被処理液中)をゆっくりと上昇して気泡の滞留時間が非常に長い。その結果、水中への酸素移動効率が高く、ブロワの消費動力あたりの酸素移動効率が非常に高くなるという利点がある。また、散気膜を備えたパネル型の散気装置は、送気を停止した場合、膜弾性により散気膜が萎み収縮して微細気孔が閉じるため、セラミックタイプの散気板などに比べて目詰まりし難い構造になっている。
【0004】
しかしながら、微細気孔を有する散気膜を備えた散気装置であっても、長期運転を行っていると、活性汚泥を含む被処理水中の浮遊物質成分やスライムなどの汚れ成分が、散気膜の微細気孔内に侵入したり、微細気孔近傍表面に付着したりして、散気膜の目詰まりが進行する。このため、定期的に散気装置の運転を停止し、散気装置を曝気槽内から引き上げ、清掃後、再度散気装置を曝気槽内に設置しなければならず、この清掃などの散気装置のメンテナンスに多大の手間がかかっている。
【0005】
そこで、散気膜の目詰まりを防止すべく、多数の微細気孔(微細気泡噴出孔)を備えた散気膜を、膜面が水面に対して垂直となるように配置した散気装置が提案されている(特開2002−273467号公報)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−273467号公報(第2頁、図1〜図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前述した従来の散気装置では、散気膜を膜面が水平姿勢ではなく水面に対して垂直となるように配置したものであるから、上下方向に延びる散気膜の下部側(水面から遠くて槽内底面に近い側)が水面に近い散気膜上部側に比べて水圧が高いので、散気膜下部側の方が、散気膜上部側に比べて微細気泡発生量が少なくなる。このため、低送気量にて長期運転を行う場合、散気膜下部側において目詰まりが発生しやすくなる。また、槽内底面にて垂直設置する場合は、各散気装置間における槽内底面位置に永久滞留部が生じやすくなり、その結果、浮遊物質濃度(SS濃度)が高くなって目詰まりが発生しやすい状態になる。このように、散気膜の目詰まりを防止する点において十分ではなかった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、微細気孔を有する散気膜を備えた散気装置について前記散気膜の目詰まりを防ぐことができるようにした、散気装置の目詰まり防止運転方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願発明は次のように構成されている。
【0010】
請求項1の発明は、微細気孔を有する散気膜を備えた散気装置の目詰まり防止運転方法であって、前記散気装置が設置されている曝気槽に流入する被処理水中の流入窒素濃度が一日のうち日平均濃度より低い時間帯において、通常運転中の前記散気装置への送気を停止するとともに、前記散気膜内の残存気体を排出させた後に該散気装置に再送気を行うことで、前記散気膜を伸縮させることにより、前記微細気孔内及び微細気孔近傍の汚れ成分を取り除く目詰まり防止処理を行うことを特徴とするものである。
【0015】
本願請求項1の散気装置の目詰まり防止運転方法は、微細気孔を有する散気膜を備えた散気装置について、散気装置が設置されている曝気槽に流入する被処理水中の流入窒素濃度が一日のうち日平均濃度より低い時間帯において、目詰まり防止処理として、通常運転中の散気装置への送気を停止するとともに、散気膜内(散気装置内)の残存空気を排出させた後に該散気装置に再送気を行うようにしている。長期間継続して通常運転を行っていると、汚れ成分が散気膜の微細気孔内に侵入したり、微細気孔近傍表面に付着したりして(図3(a)参照)、徐々に散気膜が目詰まりを起こして行く。
【0016】
そこで、通常運転中の散気装置への送気を停止することにより、散気膜が萎み収縮して、微細気孔が閉じて行き、ついには、散気膜は水圧によりベースプレートに密着した状態となる。このとき、前記送気停止後、直ちに散気装置の空気供給口と大気とを所定時間連通して、散気膜内の残存空気を外部に排出する。これにより、散気膜が速やかに収縮し各微細気孔が閉じて行く過程で、それらの微細気孔の一部について、該微細気孔内に侵入していた汚れ成分は、振り払われるように被処理液中に放出される(図3(b)参照)。また、速やかに各微細気孔が閉じようとすることで、微細気孔内に侵入している汚れ成分は、周囲から応力を受けて圧縮される状態となる(図3(c)参照)。そして、散気装置に再送気が行われると、散気膜が勢いよく枕状に膨らんで微細気孔が拡がり、微細気孔から微細気泡となって噴出される空気とともに汚れ成分が被処理液中に放出される(図3(d)参照)。
【0017】
このように、目詰まり防止処理として、通常運転中の散気装置への送気を停止するとともに、散気膜内の残存気体を排出させた後に散気装置に再送気を行うことにより、散気膜の微細気孔内に侵入したり、微細気孔近傍表面に付着したりしている汚れ成分を除去して、散気膜の目詰まりを防ぐことができる。この場合、目詰まり防止処理として、散気装置の通常運転を一時停止し、次に通常運転を再開するまでの間に、少なくとも合計2度の散気膜内の空気排出が可能なように少なくとも1回散気装置への再送気を行うようにすることが好ましい。1回あたりの目詰まり防止処理における前記空気排出を行う回数は、通常は2回程度であり、多くても5回程度繰り返すことでよい。なお、空気排出が1回のみでも目詰まり防止効果を発揮する。
【0018】
2回散気膜内(散気装置内)の空気排出を行うときには、目詰まり防止処理として、(1)通常運転中の散気装置への送気を停止する工程、(2)送気停止後、直ちに散気装置の空気供給口と大気とを所定時間だけ連通する工程、(3)連通遮断後、散気装置に所定時間だけ再送気する工程、(4)再送気停止後、直ちに空気供給口と大気とを所定時間だけ連通する工程、(5)連通遮断後、散気装置に送気して通常運転の再開を指令する工程、という各工程が行われる。このときの目詰まり防止処理に要する時間は、空気供給口と大気とを連通しているときの曝気停止によって生物学的処理に悪影響が生じない範囲で設定されており、2度の空気排出を行う場合、7分程度以下である。なお、散気装置の空気供給口と大気とを連通することで散気膜内の残存空気を排出することにより、水圧により散気膜がベースプレートに密着するのを待つよりも短時間で残存空気を排出できるので、目詰まり防止処理にかかる時間を短縮することも可能となる。
【0019】
また、通常運転を一時停止してから散気装置への再送気を行う目詰まり防止処理を実施する間隔ピッチは、曝気槽が備えられた各処理場での被処理水の性状によって異なり一義的に決定しにくいものの、1日〜30日(24〜720時間)の範囲の間隔ピッチで行うことがよい。目詰まり防止処理を行う間隔ピッチが、30日を超えると目詰まり防止効果が十分に発揮できず、24時間未満では必要以上に過剰となる。より好ましくは、間隔ピッチは2日〜14日(48〜336時間)程度である。
【0020】
本発明による散気装置の目詰まり防止運転方法では、散気装置が設置されている曝気槽に流入する被処理水中の流入窒素濃度が一日のうち日平均濃度より低い時間帯において、目詰まり防止処理を行うようにしている。前記時間帯をおいて目詰まり防止処理を実施することにより、それ以外の時間帯にて実施する場合に比べて、より確実に散気膜の目詰まりを防ぐことができる。
【0021】
この理由は明確ではないが、次のように考えられる。散気装置が設置されている曝気槽に流入する被処理水中の流入窒素濃度が日平均濃度より高い時間帯では、散気膜の膜面に付着している活性汚泥(微生物)の成長速度が速く、該活性汚泥の付着性(粘性)が高くなる。これに対して、流入窒素濃度が日平均濃度より低い時間帯では、散気膜の膜面に付着している活性汚泥の付着性が前記高い時間帯に比べて低いため、目詰まり防止処理によって汚れ成分を確実に除去することができると推定される。また、一時的であっても活性汚泥への酸素供給を停止する目詰まり防止処理を前記低い時間帯で実施することで、活性汚泥に対する悪影響を最小限に抑えることができる。なお、この流入窒素濃度が日平均濃度より低い時間帯は、対象の曝気槽に関してそれまで蓄積されているデータから特定することが可能である。流入窒素濃度が日平均濃度より低い時間帯のうち、特に、流入窒素濃度が最も低くなる8時間内において目詰まり防止処理を実施することがよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明が適用される散気装置の概略構成を示す斜視図である。
【0026】
パネル型の散気装置1は、図1に示すように、平板状をなす金属製又は合成樹脂製のベースプレート2の一面に、多数の微細気孔3aが形成されたシート状の散気膜3を張るようにして設けてある。散気膜3の四辺縁部とベースプレート2の四辺縁部とは、図示しないパッキンを介して金属製の枠体4に固定されている。散気膜3の材質は、ポリウレタン、シリコン、エチレンプロピレンゴム(EPDM)などの適度の弾性を有する合成樹脂又は合成ゴムからなっている。5は空気供給口である。空気供給管(空気供給ホース)を経てこの空気供給口5から散気膜3とベースプレート2との間に空気が供給されると、散気膜3が枕状に膨らみ、各微細気孔3aを介して微細気泡を発生するようになっている。
【0027】
図2は本発明を実施するための、図1に示す散気装置が設置された曝気槽を備えた設備の概略構成図である。
【0028】
図2において、10は下水処理場の曝気槽であり、曝気槽10内に複数の前記散気装置1が設置されている。11はブロワ12からの曝気用の空気を第1制御弁13を介して散気装置1の空気供給口5に送り込むための空気供給管である。また、15は空気供給管11における第1制御弁13の下流側より分岐した大気連通用分岐管である。大気連通用分岐管15は、途中に第2制御弁14が設けられており、管先端が大気中に開口している。16はタイマ機能を有し、予め設定された時間スケジュールに従って制御弁13,14に開閉指令を与える制御装置である。また、制御装置16は、曝気槽10内の溶存酸素量を制御するために送気量を変更するための指令や、予め設定された時間スケジュールに従って送気量を変更するための指令をブロワ12に与えるようになっている。
【0029】
制御装置16による制御の手順を説明する。まず、通常運転を一時停止してから散気装置1への再送気を行う目詰まり防止処理を行う場合であって、例えば、2回の散気膜内の空気排出を行う場合(1回再送気を行う場合)について説明する。散気装置1の通常運転時には第1制御弁13は開かれており、一方、第2制御弁14は閉じられている。(1)まず、第1制御弁13を閉じて散気装置1への送気を停止する。(2)この一時停止による送気停止後、直ちに第2制御弁14を所定時間だけ開き、散気膜3とベースプレート2との間の残存空気を空気供給口5より外部に排出させる。
【0030】
(3)次に、第2制御弁14を閉じて連通遮断後、第1制御弁13を開き、散気装置1に所定時間だけ再送気する。(4)第1制御弁13が閉じられ再送気が停止すると、直ちに第2制御弁14を所定時間だけ開き、散気膜3とベースプレート2との間の残存空気を空気供給口5より外部に排出させる。(5)しかる後、連通遮断後、散気装置1に送気してその通常運転を再開するよう第1制御弁13を開く指令を出力する。これにより、散気装置1の通常運転一時停止期間が終了し、散気装置1の通常運転が再開される。この2回の空気排出を行う目詰まり防止処理に要する時間は、例えば6〜7分程度である。
【0031】
次に、散気装置1の運転を通常運転状態から切り換えて送気量を増加して目詰まり防止処理を行う場合について説明する。この場合、第2制御弁14は閉じられ、第1制御弁13が開かれた状態で運転される。そして、制御装置16からブロワ12に、所定時間例えば5分間だけ、散気装置1に対する送気量を通常運転時送気量の例えば120%(通常運転時送気量×1.2)とする指令が、予め定められた間隔ピッチで与えられるようになっている。
【0032】
なお、この種の、微細気孔を有する散気膜を備えた散気装置は、曝気槽内に水平姿勢にて設置するのが一般的である。散気装置の設置高さは、曝気方式に応じて適切に設定すればよい。散気装置は、全面曝気方式の場合、曝気槽底部に左右対称に全面に配置される。この場合の設置高さは、通常、曝気槽底面近くとし、底面より約500mm以下となるように設定される。また、準全面曝気方式の場合、散気装置は左右非対称で一方の曝気槽側壁に偏ったようにして配置する。この場合の設置高さは、通常、底面から約500mmより高くなるように設定される。また、深槽式旋回流の場合、散気装置は片側配置とし、中央にバッフルが設けられる。この場合の設置高さは、水深の1/2程度に設定される。
【0033】
図3は通常運転を一時停止してから散気装置に再送気する目詰まり防止処理を行う場合における汚れ成分除去の様子を説明するための模式的説明図である。
【0034】
長期間継続して通常運転を行っていると、図3(a)に示すように、活性汚泥を含む被処理水中の浮遊物質成分やスライムなどの汚れ成分6が、散気膜3の微細気孔3a内に侵入したり、微細気孔3a近傍表面に付着したりして、徐々に散気膜が目詰まりを起こして行く。
【0035】
そこで、散気装置1への送気を停止するとともに、この送気停止後、直ちに散気装置1の空気供給口5と大気とを所定時間連通して、散気膜3とベースプレート2との間の残存空気を外部に排出する。これにより、散気膜3が速やかに収縮し各微細気孔3aが閉じて行く過程で、それらの微細気孔3aの一部について、該微細気孔3a内に侵入していた汚れ成分は、振り払われるように被処理液中に放出される(図3(b)参照)。また、速やかに各微細気孔3aが閉じようとすることで、微細気孔内に侵入している汚れ成分6は、周囲から応力を受けて圧縮される状態となる(図3(c)参照)。
【0036】
次に、散気装置1に再送気が行われると、散気膜3が勢いよく枕状に膨らんで微細気孔3aが拡がり、図3(d)に示すように、微細気孔3aから微細気泡となって噴出される空気とともに汚れ成分6が被処理液中に放出される。このように、散気膜3の目詰まりを防ぐことができる。
【0037】
表1に、目詰まり防止処理を実施する直前における散気装置の散気膜通気抵抗と、実施直後における散気膜通気抵抗とを測定した結果を示す。
【0038】
表1に示す結果は、下水処理場の曝気槽内に設置されている散気装置について散気膜通気抵抗を測定して得たものである。目詰まり防止処理は、散気装置の通常運転を一時停止し、その通常運転一時停止期間において、空気供給口と大気との連通(散気膜内の空気排出):2回、再送気:1回、を実施した。目詰まり防止処理を行う間隔ピッチは、48時間(2日)とした。曝気槽での散気装置設置位置から水面までの距離は4.5mである。なお、再送気時の送気量(Nm3/m2/h)は、通常運転時送気量と同じにした。
【0039】
【表1】
Figure 0003997176
【0040】
表1からわかるように、目詰まり防止処理を実施することにより、確実に散気膜の通気抵抗を減らすことができており、散気膜の目詰まりを防ぐことが可能となった。
【0044】
なお、複数の曝気槽を備えている下水処理設備では、目詰まり防止運転(目詰まり防止処理)を実施するタイミングを、いくつかの曝気槽群で分割させ実施することが望ましい。その理由は、このような設備の場合、各曝気槽群において同時に目詰まり防止運転を実施すると、送気量の急激な変化によりブロワに大きな負荷を与える可能性があり、また、送気量の制御も複雑になるからである。各曝気槽群での目詰まり防止運転は、互いに30分以上の時間間隔をあけて実施することがよい。
【0045】
表2に、散気装置が設置されている曝気槽に流入する被処理水中の流入窒素濃度が一日のうち日平均濃度より低い時間帯において目詰まり防止処理を実施した場合と、高い時間帯において目詰まり防止処理を実施した場合とにおいて、それぞれ、散気膜通気抵抗を測定した結果を示す。
【0046】
表2に示す結果は、下水処理場の曝気槽内に設置されている複数の散気装置のうち、特定の散気装置について散気膜通気抵抗を測定して得たものである。目詰まり防止処理は、散気装置の通常運転を一時停止し、その通常運転一時停止期間において、空気供給口と大気との連通(散気膜内の空気排出):2回、再送気:1回、を実施した。
【0047】
【表2】
Figure 0003997176
【0048】
表2からわかるように、曝気槽に流入する被処理水中の流入窒素濃度が一日のうち日平均濃度より低い時間帯において目詰まり防止処理を実施した場合(表2中、「ケース1」で示す)には、経過日数を経ても散気膜通気抵抗の増加を確実に抑制することができ、確実に散気膜の目詰まりを防ぐことができた。高い時間帯での実施(表2中、「ケース2」で示す)に比べて散気膜通気抵抗の増加をより抑制しうる理由は、次のように推定される。すなわち、流入窒素濃度が日平均濃度より低い時間帯では、散気膜の膜面に付着している活性汚泥の付着性が前記高い時間帯に比べて低いため、膜面に汚れ成分が付き難い状態にあるためと推定される。
【0052】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による散気装置の目詰まり防止運転方法は、散気装置が設置されている曝気槽に流入する被処理水中の流入窒素濃度が一日のうち日平均濃度より低い時間帯において、微細気孔を有する散気膜を備えて通常運転されている散気装置への送気を停止するとともに、散気膜内の残存気体を排出させた後に該散気装置に再送気を行うことで、散気膜を伸縮させることにより、微細気孔内及び微細気孔近傍の汚れ成分を取り除く目詰まり防止処理を行うようにしている。これにより、散気膜の目詰まりを防ぐことができ、清掃等の散気装置のメンテナンスにかかる手間を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される散気装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明を実施するための、図1に示す散気装置が設置された曝気槽を備えた設備の概略構成図である。
【図3】通常運転を一時停止してから散気装置に再送気する目詰まり防止処理を行う場合における汚れ成分除去の様子を説明するための模式的説明図である。
【符号の説明】
1…散気装置 2…ベースプレート 3…散気膜 3a…微細気孔 4…枠体5…空気供給口 6…汚れ成分 10…曝気槽 11…空気供給管 12…ブロワ 13…第1制御弁 14…第2制御弁 15…大気連通用分岐管 16…制御装置

Claims (1)

  1. 微細気孔を有する散気膜を備えた散気装置の目詰まり防止運転方法であって、前記散気装置が設置されている曝気槽に流入する被処理水中の流入窒素濃度が一日のうち日平均濃度より低い時間帯において、通常運転中の前記散気装置への送気を停止するとともに、前記散気膜内の残存気体を排出させた後に該散気装置に再送気を行うことで、前記散気膜を伸縮させることにより、前記微細気孔内及び微細気孔近傍の汚れ成分を取り除く目詰まり防止処理を行うことを特徴とする散気装置の目詰まり防止運転方法。
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