JP3996780B2 - 半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体レーザ装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体レーザ装置としては、図8(a)に示すように、半導体レーザ素子81と、受光素子82と、これらを収容するパッケージ83とを備えて、配線基板84に取り付けられるものがある。この配線基板84は配線パターン85を有しており、電源ノイズを抑制するコンデンサを配線パターン85上に配置している。なお、上記コンデンサ86の固定は半田等を用いて行われる。
【0003】
上記構成の半導体レーザ装置によれば、図8(b)に示すように、パッケージ83の外部の電源装置101が電気エネルギーを配線パターン85の配線を介して受光素子82に供給している。この際、上記電源装置101からのノイズが受光素子82の内部回路で増幅されて受光素子82の出力信号に発振として現れようとするのを、コンデンサ86で抑制している。つまり、上記受光素子82の発振レベルが大きくなろうとするのを、コンデンサ86が抑制している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記パッケージ83の外部にコンデンサ86を配置しているため、受光素子82とコンデンサ86との距離が10mm〜20mmと長くなり、電源ノイズの抑制効果が小さくなってしまうという問題がある。
【0005】
また、上記コンデンサ86を配置するためのスペースを配線基板84に設ける必要があるため、配線パターン85の自由が効かないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、電源ノイズの抑制効果を向上させることができ、しかも配線基板の配線パターンの自由を大きくできる半導体レーザ装置およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
上記課題を解決するため、本発明の半導体レーザ装置は、
レーザチップおよび受光素子を搭載する金属ブロックと、電極にすべきリードとが樹脂ブロックを介して一体化してなる電極ブロックを備えた半導体レーザ装置において、
上記リードにコンデンサを電気的に直接接続し、上記コンデンサと上記受光素子とを上記リードを介して互いに電気的に接続していて、
上記コンデンサは、上記樹脂ブロックに設けられた凹部に収容されていると共に、樹脂で被覆されて上記樹脂内に埋設されていることを特徴としている。
【0021】
上記構成の半導体レーザ装置によれば、上記金属ブロックに例えばOPIC(光集積回路)を取り付けた場合、リードにコンデンサが電気的に直接接続されているので、コンデンサからOPICまでの距離が短い。したがって、上記コンデンサによって電源ノイズを効率よく抑制して、電源ノイズの抑制効果を向上させることができる。
【0022】
また、上記リードにコンデンサが電気的に直接接続されているから、リードに接続する例えば配線基板上に、電源ノイズを抑制するためのコンデンサを配置しなくてもよく、その配線基板の配線パターンの自由を大きくできる。
【0023】
また、上記コンデンサを配線基板上に配置しなくてもいいから、配線基板に取り付ける部品点数を少なくすることができる。
【0024】
また、上記OPICを高速化させた場合、OPICの電力消費が増えるが、コンデンサからOPICまでの距離が短いので、OPICの電源電圧が安定に保たれ、OPICが不安定になるのを防止することができる。すなわち、上記OPICを高速化しても、OPICを安定動作させることができる。
【0025】
また、上記OPICの動作電圧を低減しても、コンデンサからOPICまでの距離が短いので、OPICは負荷の変動の影響を受け難く、OPICの動作が不安定にならない。
【0026】
また、上記コンデンサからOPICまでの距離が短いので、コンデンサの容量を大きくする必要はない。したがって、上記コンデンサの容量を小さくして、製造コストを低減することができる。
【0027】
【0028】
また、上記コンデンサが樹脂内に埋設されるので、外力によりコンデンサが故障したり、外力によりコンデンサがリードから剥がれたりする可能性が減少する。その結果、生産における歩留の向上と、取り扱いが容易になることによる作業性の向上と、コンデンサの剥離が減少することによる信頼性の向上とが同時に実現できる。
【0029】
一実施形態の半導体レーザ装置は、上記コンデンサは、上記金属ブロックに対して上記レーザチップと反対側に設けられている。
【0030】
上記実施形態の半導体レーザ装置によれば、上記コンデンサは金属ブロックに対してレーザチップと反対側に設けられるので、レーザチップを例えばAgペーストでダイボンドする際の熱がコンデンサに伝わり難くなる。したがって、上記コンデンサをリードに例えばAgペーストでダイボンドする場合、そのAgペーストの耐熱温度と、コンデンサ保護用の樹脂の耐熱温度とを低くすることができるので、材料選びが容易になり、価格低減にも繋がる。
【0031】
また、本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、
レーザチップおよび受光素子を搭載する金属ブロックと、電極にすべきリードとが樹脂ブロックを介して一体化してなる電極ブロックを備えた半導体レーザ装置の製造方法において、
上記樹脂ブロックに、上記リードを露出させる凹部を形成する工程と、
上記凹部内にコンデンサを収容し、このコンデンサと上記リードとをAgペーストで接着することにより、上記コンデンサと上記受光素子とを上記リードを介して互いに電気的に接続する工程と、
上記コンデンサを樹脂で被覆することにより、上記コンデンサを上記樹脂内に埋設する工程とを備えたことを特徴としている。
【0032】
上記構成の半導体レーザ装置の製造方法によれば、上記リードを露出させる凹部内にコンデンサを収容し、このコンデンサとリードとをAgペーストで接着するから、Agペースト塗布時、あるいはコンデンサを搭載した時のAgペーストの広がりを抑えることができる。したがって、上記Agペーストを塗付すべきでないリードに、Agペーストが塗布されるのを阻止することができる。
【0033】
また、上記リードがAgペーストによりショートしているか否かの確認は、凹部から露出しているリードに対してのみ行えばよいので、その確認のための装置を簡略化ができる。
【0034】
また、上記コンデンサを樹脂で被覆するので、耐環境性を向上をさせることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の半導体レーザ装置およびその製造方法を図示の実施の形態により詳細に説明する。
この発明の実施の形態を説明する前に、まずこの発明をより理解し易くするために参考例を説明する
【0036】
図1(a)は、本発明の参考例の半導体レーザ装置の概略上面図であり、図1(b)は上記半導体レーザ装置の等価回路図である。図1(a)では、パッケージの一部を理解容易のために省略し、図1(b)では、パッケージ内における受光素子,コンデンサ以外の構成部は省略している。
【0037】
上記半導体レーザ装置は、図1(a)に示すように、半導体レーザ素子1と、受光素子2と、この受光素子2に接続されたコンデンサ8と、半導体レーザ素子1,受光素子2およびコンデンサ8を収容するパッケージ3とを備えて、配線パターン5を有する配線基板4に取り付けられている。上記パッケージ3内には搭載部としての放熱台10を設けている。その放熱台10の一方の端部は鉤状に形成されていて、その端部の側面にサブマウント14を固定している。このサブマウント14のダイボンド面15に、半導体レーザ素子1がダイボンドされている。上記サブマウント14のダイボンド面15と、放熱台10の鉤状の端部の先端面16とは同一平面上にある。また、上記パッケージ3内、かつ、放熱台10の近傍にはリードピン7を設けている。
【0038】
また、上記受光素子2は、図1(b)に示すように、パッケージ3の外部に設けられた電源装置101と配線パターン5の配線により接続されている。上記コンデンサ8は、ワイヤボンド可能なチップコンデンサである。
【0039】
図6は、上記半導体レーザ装置を概略側面図である。図6において、3aはパッケージ3の底部であり、パッケージ3における底部3a以外の構成部はその底部3aに取り付けられていない。
【0040】
上記受光素子2は、図6に示すように、放熱台10の上面である第1のダイボンド面18にダイボンドされている。そして、上記コンデンサ8は、放熱台10の上面と放熱台10の底面との間の中間の面である第2のダイボンド面17にダイボンドされている。上記第1のダイボンド面18と第2のダイボンド面17とは互いに平行になっている。また、上記コンデンサ8のワイヤボンド面20と、受光素子2のワイヤボンド面21と、リードピン7のワイヤボンド面19とは互いに平行であり、かつ、コンデンサ8のワイヤボンド面20は、受光素子2のワイヤボンド面21とリードピン7のワイヤボンド面19との間にある。
【0041】
上記構成の半導体レーザ装置によれば、上記コンデンサ8がパッケージ3内に収容されているから、コンデンサ8から受光素子2までの距離を短くすることができる。具体的には、上記コンデンサ8のワイヤボンド面20と受光素子2のワイヤボンド面21との距離を5mm程度にすることができる。これにより、図7に示すように、図8(a),(b)に示した従来例よりも、発振レベルが小さくなっている。すなわち、上記コンデンサ8によって電源ノイズをより効率よく抑制して、電源ノイズの抑制効果を向上できたのである。
【0042】
また、上記コンデンサ8がパッケージ3内に収容されているから、電源ノイズを抑制するためのコンデンサを配線基板4上に配置しなくてもよく、配線基板4の配線パターン5の自由を大きくできる。
【0043】
また、上記第1のダイボンド面18と第2のダイボンド面17とは互いに平行になっているから、コンデンサ8から受光素子2までの距離を極めて短くすることができる。具体的には、上記コンデンサ8のワイヤボンド面20と受光素子2のワイヤボンド面21との距離を1mm〜2mmにすることができる。
【0044】
以下に、上記半導体レーザ装置の製造方法を図2,図3,…,図6を用いて説明する。
【0045】
まず、図2に示すように、上記放熱台10の鉤状の端部の側面にAgペースト11を塗付し、半導体レーザ素子1を搭載したサブマウント14を放熱台10に押し付けるようにして、サブマウント14をその鉤状の端部の側面にダイボンドする。
【0046】
次に、図3に示すように、上記放熱台10の第2のダイボンド面17にAgペースト31を塗付し、コンデンサ8を放熱台10に押し付けるようにして、コンデンサ8を放熱台10の第2のダイボンド面17にダイボンドする。このとき、上記第1のダイボンド面18は放熱台10の上面であり、第2のダイボンド面17は放熱台10の上面と放熱台10の底面との間の中間の面であることにより、Agペースト31が中間の面である第2のダイボンド面17から放熱台10の上面である第1のダイボンド面18に流れ込まない。すなわち、上記第1のダイボンド面18がAgペースト31で汚染されていない。
【0047】
その後、図4に示すように、上記放熱台10の第1のダイボンド面18に樹脂性接着剤12を塗付し、受光素子2を放熱台10に押し付けるようにして、受光素子2を第1のダイボンド面18にダイボンドする。
【0048】
次に、図5に示すように、上記放熱台10の第1のダイボンド面18に受光素子2がダイボンドされた状態で熱硬化用オーブン13内に一定時間放置することにより、樹脂性接着剤12を硬化させる。
【0049】
そして、上記樹脂性接着剤12の熱硬化が完了したら、図示しないワイヤボンド装置によりワイヤボンドを行って、図6に示すように、半導体レーザ素子1とリードピン27をワイヤ29でワイヤボンドして、受光素子2とコンデンサ8をワイヤ9でワイヤボンドし、さらにコンデンサ8とリードピン7をワイヤ49でワイヤボンドする。これと共に、上記受光素子2とリードピン7をワイヤ39でワイヤボンドする。このとき、上記受光素子2、コンデンサ8およびリードピン7のワイヤボンド面は互いに略平行であり、かつ、コンデンサ8のワイヤボンド面20は、受光素子2のワイヤボンド面21とリードピン7のワイヤボンド面19との間にあるから、受光素子2のワイヤボンド面21とコンデンサ8のワイヤボンド面20との間、および、そのコンデンサ8のワイヤボンド面20とリードピン7のワイヤボンド面19との間のワイヤボンドを無理無く行え、生産性を向上させることができる。
【0050】
また、上記第1のダイボンド面18と第2のダイボンド面17とは互いに平行になっているから、コンデンサ8と受光素子2とを同じ向きに配置することができ、それらのダイボンドおよびワイヤボンドを容易に行うことができる。
【0051】
また、上記Agペースト31で汚染されていない第1のダイボンド面18に受光素子2がダイボンドされているから、受光素子2と第1のダイボンド面18の間にAgペースト31が介在していない。つまり、上記受光素子2が第1のダイボンド面18に対して傾くのを阻止できる。
【0052】
また、上記サブマウント14のダイボンド面15と放熱台10の鉤状の端部の先端面16とが略同一面上にあるから、ダイボンド面15と先端面16とを接続するワイヤボンドを容易に行え、生産性を向上させることができる。
【0053】
上記実施の形態では、上記サブマウント14のダイボンド面15と、放熱台10の鉤状の端部の先端面16とは、同一平面上にあたったが、略同一平面上にあってもよい。
【0054】
また、上記第1のダイボンド面18と第2のダイボンド面17とは、互いに平行になっていたが、互いに略平行になってもよい。
【0055】
上記コンデンサ8のワイヤボンド面20と、受光素子2のワイヤボンド面21と、リードピン7のワイヤボンド面19とは、互いに平行であったが、互いに略平行であってもよい。
【0056】
図9は本発明の実施の形態の半導体レーザ装置としてのホログラムレーザの斜視図であり、図10は図9のX−X線から見た断面図であり、図11は図9のXI−XI線から見た断面図である。
【0057】
上記ホログラムレーザは、図9に示すように、金属ブロック92と、電極にすべき複数のリード93とが樹脂ブロック94を介して一体化してなる電極ブロック91を備えている。上記樹脂ブロック94には、リード93を露出させる凹部94aが形成されている。
【0058】
上記金属ブロック92は、図10に示すように、レーザチップとしてのLD(レーザダイオード)チップ95と、受光素子を有するOPIC96とを搭載している。上記LDチップ95は、サブマウント97を介して金属ブロック92に取り付けられている。また、上記金属ブロック92には、LDチップ95およびOPIC96を収容するキャップ98を取り付けている。このキャップ98の図中左側(金属ブロック92と反対側)の端部には、LDチップ95に対向するようにホログラム素子99を取り付けている。
【0059】
上記リード93,93は、金属ブロック92側の端部が金属ブロック92を挟み込み、金属ブロック92と反対側の端部が樹脂ブロック94から露出している。
【0060】
上記樹脂ブロック94の凹部94a内には、図11に示すように、コンデンサ100を収容している。その凹部94aを上方から見た図が図12である。この図12に示すように、コンデンサ100はリード93にAgペースト90でダイボンドされている。そして、上記コンデンサ100は、図示しない樹脂で被覆されて埋設されている。
【0061】
上記構成のホログラムレーザによれば、コンデンサ100をリード93にダイボンドしているので、リード93とコンデンサ100とを配線で接続する場合よりも、コンデンサ100からOPIC96までの距離が短くなる。その結果、上記コンデンサ100によって電源ノイズを効率よく抑制して、電源ノイズの抑制効果を向上させることができる。
【0062】
また、上記コンデンサ100がリード93にダイボンドされているので、リード93に接続する例えばフレキシル基板上にコンデンサ100を設けなくてもよく、そのフレキシル基板の配線パターンの自由を大きくできる。
【0063】
また、上記コンデンサ100をフレキシル基板上に配置しなくてもいいから、フレキシル基板に取り付ける部品点数を少なくすることができる。
【0064】
また、上記OPIC96を高速化させた場合、OPIC96の電力消費が増えるが、コンデンサからOPIC96までの距離が短いので、OPIC96の電源電圧が安定に保たれ、OPIC96が不安定になるのを防止することができる。すなわち、上記OPIC96を高速化しても、OPIC96を安定動作させることができる。
【0065】
また、上記OPIC96の動作電圧を低減しても、コンデンサからOPIC96までの距離が短いので、OPIC96は負荷の変動の影響を受け難く、OPIC96の動作が不安定にならない。
【0066】
また、上記コンデンサからOPIC96までの距離が短いので、コンデンサ100の容量を大きくする必要はない。したがって、上記コンデンサ100の容量を小さくして、製造コストを低減することができる。
【0067】
また、上記コンデンサ100が樹脂ブロック94内に埋設されるので、外力によりコンデンサ100が故障したり、外力によりコンデンサ100がリード93から剥がれたりする可能性が減少する。その結果、生産における歩留の向上、取り扱いが容易なることによる作業性の向上、コンデンサ100の剥離が減少することによる信頼性の向上が同時に実現できる。
【0068】
また、上記コンデンサ100は金属ブロック92に対してLDチップ95と反対側に設けられるので、LDチップ95をAgペーストでダイボンドする際の熱がコンデンサ100に伝わり難くなる。したがって、上記コンデンサ100をリード93にダイボンドするAgペースト90の耐熱温度と、コンデンサ保護用の樹脂の耐熱温度とを低くすることができるので、材料選びが容易になり、価格低減にも繋がる。
【0069】
次に、上記ホログラムレーザの製造方法について説明する。
【0070】
まず、上記樹脂ブロック94に、リード93を露出させる凹部94aを形成する。
【0071】
次に、上記凹部41a内にコンデンサ100を収容し、このコンデンサ100とリード93とをAgペースト90で接着する。
【0072】
そして、上記コンデンサ100を樹脂で被覆することにより、コンデンサ100を埋設する。
【0073】
このように、上記リード93を露出させる凹部41a内にコンデンサ100を収容し、このコンデンサ100とリード93とをAgペースト90で接着するから、Agペースト90の塗布時、あるいはコンデンサ100の搭載時のAgペースト90の広がりを抑えることができる。したがって、上記Agペースト90を塗付すべきでないリード93に、Agペースト90が塗布されるのを阻止することができる。
【0074】
また、上記リード93がAgペースト90によりショートしているか否かの確認は、凹部41aから露出しているリード93に対してのみ行えばよいので、その確認のための装置を簡略化ができる。
【0075】
また、上記コンデンサ100を樹脂で被覆するので、耐環境性を向上をさせることができる。
【0076】
上記ホログラムレーザは、例えば、CD(コンパクトディスク)、CD−R/RW(一度だけ書込み可能なCD/複数回のデータの書込み可能がCD)、DVD(デジタル万能ディスク)、DVD−R/RW(一度だけ書込み可能なDVD/複数回のデータの書換えが可能なDVD)等の光ディスクの信号読み取り、または、その光ディスクの書込み用光源として使用することができる。
【0077】
【発明の効果】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
以上より明らかなように、本発明の半導体レーザ装置は、金属ブロックに例えばOPICを取り付けた場合、金属ブロックと一体化したリードにコンデンサを電気的に直接接続しているので、コンデンサからOPICまでの距離が短くなり、コンデンサによって電源ノイズを効率よく抑制し、電源ノイズの抑制効果を向上させることができる。
【0084】
また、上記リードにコンデンサが電気的に直接接続されているから、リードに接続する例えば配線基板上に、電源ノイズを抑制するためのコンデンサを配置しなくてもよく、その配線基板の配線パターンの自由を大きくできる。
【0085】
また、上記コンデンサを配線基板上に配置しなくてもいいから、配線基板に取り付ける部品点数を少なくすることができる。
【0086】
また、上記OPICを高速化しても、コンデンサからOPICまでの距離が短いので、OPICの電源電圧が安定に保たれ、OPICの安定動作を維持できる。
【0087】
また、上記OPICの動作電圧を低減しても、コンデンサからOPICまでの距離が短いので、OPICは負荷の変動の影響を受け難く、OPICの安定動作を維持できる。
【0088】
また、上記コンデンサからOPICまでの距離が短いので、コンデンサの容量を大きくする必要はなく、コンデンサの容量を小さくして、製造コストを低減することができる。
【0089】
また、上記コンデンサが樹脂内に埋設されるので、外力によりコンデンサが故障したり、外力によりコンデンサがリードから剥がれたりする可能性が減少して、生産における歩留の向上と、取り扱いが容易になることによる作業性の向上と、コンデンサの剥離が減少することによる信頼性の向上とが同時に実現できる。
【0090】
一実施形態の半導体レーザ装置は、上記コンデンサは金属ブロックに対してレーザチップと反対側に設けられるので、レーザチップを例えばAgペーストでダイボンドする際の熱がコンデンサに伝わり難く、コンデンサをダイボンドするための例えばAgペーストの耐熱温度と、コンデンサ保護用の樹脂の耐熱温度とを低くすることができる。
【0091】
また、本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、金属ブロックとリードとが樹脂ブロックを介して一体化してなる電極ブロックを備えた半導体レーザ装置の製造方法において、リードを露出させる凹部内にコンデンサを収容し、このコンデンサとリードとをAgペーストで接着するから、Agペースト塗布時、あるいはコンデンサを搭載した時のAgペーストの広がりを抑えて、塗付すべきリードのみにAgペーストを塗布することができる。
【0092】
また、上記リードがAgペーストによりショートしているか否かの確認は、凹部から露出しているリードに対してのみ行えばよいので、その確認のための装置を簡略化ができる。
【0093】
また、上記コンデンサを樹脂で被覆するので、耐環境性を向上をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)は本発明の参考例の半導体レーザ装置の概略上面図であり、図1(b)は上記半導体レーザ装置の等価回路図である。
【図2】 図2は上記半導体レーザ装置の製造の一工程の概略側面図である。
【図3】 図3は上記半導体レーザ装置の製造の一工程の概略側面図である。
【図4】 図4は上記半導体レーザ装置の製造の一工程の概略側面図である。
【図5】 図5は上記半導体レーザ装置の製造の一工程の概略側面図である。
【図6】 図6は上記半導体レーザ装置の製造の一工程の概略側面図である。
【図7】 図7は上記半導体レーザの発振レベルと従来の半導体レーザ装置の発振レベルを示す図である。
【図8】 図8(a)は上記従来の半導体レーザ装置の概略上面図であり、図8(b)は上記従来の半導体レーザ装置の等価回路図である。
【図9】 図9は本発明の実施の形態の半導体レーザ装置としてのホログラムレーザの斜視図である。
【図10】 図10は図9のX−X線断面図である。
【図11】 図11は図9のXI−XI線から見た断面図である。
【図12】 図12は上記ホログラムレーザの樹脂ブロックの凹部を上方から見た図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ素子
2 受光素子
3 パッケージ
8 コンデンサ
92 金属ブロック
93 リード
95 LDチップ
94 樹脂ブロック
100 コンデンサ

Claims (3)

  1. レーザチップおよび受光素子を搭載する金属ブロックと、電極にすべきリードとが樹脂ブロックを介して一体化してなる電極ブロックを備えた半導体レーザ装置において、
    上記リードにコンデンサを電気的に直接接続し、上記コンデンサと上記受光素子とを上記リードを介して互いに電気的に接続していて、
    上記コンデンサは、上記樹脂ブロックに設けられた凹部に収容されていると共に、樹脂で被覆されて上記樹脂内に埋設されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 請求項に記載の半導体レーザ装置において、
    上記コンデンサは、上記金属ブロックに対して上記レーザチップと反対側に設けられていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  3. レーザチップおよび受光素子を搭載する金属ブロックと、電極にすべきリードとが樹脂ブロックを介して一体化してなる電極ブロックを備えた半導体レーザ装置の製造方法において、
    上記樹脂ブロックに、上記リードを露出させる凹部を形成する工程と、
    上記凹部内にコンデンサを収容し、このコンデンサと上記リードとをAgペーストで接着することにより、上記コンデンサと上記受光素子とを上記リードを介して互いに電気的に接続する工程と、
    上記コンデンサを樹脂で被覆することにより、上記コンデンサを上記樹脂内に埋設する工程とを備えたことを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
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