JP3996661B2 - ドアクローザ用閉扉速度調整弁 - Google Patents

ドアクローザ用閉扉速度調整弁 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、作動油を用いたダッシュポット式スプリング緩衝機構を有するドアクローザの閉扉速度調整弁(以下単に調整弁という)の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のドアクローザでよく利用されているものとしては、例えば、実開平2−85780号公報に記載されている形式のものを挙げることができる。
【0003】
このクローザは、扉閉鎖時の戻しばね及び慣性による過大な閉鎖力を作動油の流体抵抗により減衰させて緩衝するようにしたもので、作動油が封入されたシリンダと、シリンダを前方の第1室と後方の第2室とに仕切るピストンと、オリフィスを介して第1室と第2室とを連通された導通路と、ピストンを第1室に向け付勢させる戻しばねと、ピストンに設けられたラックと、ラックに噛み合うピニオンと、シリンダに支承されると共に、ピニオン及びアームが固定される回転軸とから成る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のクローザは、作動油がオリフィスを通過する際の流体抵抗を利用してクローザの閉鎖運動を緩衝するようにしているため、環境の温度変化により作動油の粘度も大きく変化し、従って扉の閉鎖時間を略一定に保持するには、環境の温度変化に応じて調整弁の調整をすることが不可欠であった。
【0005】
しかしながら、通常ドアクローザは扉の上方部に取付けられていること、及び調整弁の調整には特殊工具を必要とすること等から、一般のユーザには調整弁を操作することは不可能に近く、已むを得ず、扉の閉鎖時間は季節の移り変りによって変化するままに放置されていたというのが実態である。
【0006】
この発明は、調整弁のオリフィスの形状を改善して、環境の温度変化による作動油の粘性が変っても扉の閉鎖時間が大きく変らないようにすることを目的として提案されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、軸先端部に、軸端位置において深さが最も深く、軸の基部に向けて直線的に浅くなるV字溝を母線に沿って形成したスプール軸と、このスプール軸と嵌合するスプール軸受とから構成されたダッシュポット式調整弁において、スプール軸の先端部が挿入される開口端部を除いて、スプール孔の内孔を拡径し、以て温度によって変化する管摩擦抵抗を減少させ、温度変化に起因する作動油の粘性の変化による閉扉速度の変化を小さく押えることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基いてこの発明について説明する。
図1は、ドアクローザのダッシュポット式の調整弁を内蔵したシリンダキャップ10の縦断面図で、ハウジング20及び調整軸30を有している。
【0009】
ハウジング20の外周部にはねじ21が形成され、図示しない筒状のドアクローザ本体に螺着されて取付けられる。
【0010】
ハウジング20の図1における右端は図示しないシリンダ内に臨んでおり、その端面に形成された付番しない凹陥部にはフィルター22とスプール軸受23とが嵌着されている。
【0011】
上記スプール軸受23の中心には、これを貫通するようにして、後述するスプール軸と嵌合するスプール孔24が形成されている。
【0012】
一方、ハウジング20の中心にはねじ孔25及び収納孔26が同軸に連設され、また、ハウジング20の中央部には、これを半径方向に貫通して内端がねじ孔25に開口する導油孔27が穿設されている。
【0013】
また、ハウジング20内にこれと同軸に収納される調整軸30は、先端(図1で右端)にその母線に沿ってV字溝31を形成したスプール軸32と、外周面に上記ねじ孔25に螺合する雄ねじを形成した基部33と、パッキン34を嵌装した頭部35とを連設してなる。
【0014】
その頭部35の外端面にはドライバ等の工具を係合させるためのスリワリ36が形成され、このスリワリに工具の先端を係合させて回転させることにより、調整軸30を回転させることができる。
【0015】
上記したように調整軸30はねじ孔25と螺合しているから、調整軸30を回動することにより調整軸30をシリンダキャップ10内で前後方向(図1で左右方向)に移動させることができる。
【0016】
扉閉鎖時には、図示しない戻しばねの力によりシリンダー内のピストンは左方向に押され、ピストンに押された作動油はフィルター22を通過して矢印41に示したようにスプール軸受23のスプール孔24内に流入する。
【0017】
スプール孔24内に流入した作動油は、V字溝31を通ってねじ孔25とスプール軸32の間のスペース28内に入り、矢印42に示すように、導油孔27及び図示しない導通路を経由してシリンダの低圧側に戻される。
【0018】
作動油がV字溝31を通過するとき、V字溝31の横断面積は非常に小さいため、ここにおいて大きな流体抵抗が生じ、ピストンの移動速度を、実用上充分な速度にまで減少させることが可能となっている。
【0019】
しかして、スプール軸受23の内側の端面23a(図2参照)とスプール軸32の先端面32aとの距離、すなわち、スプール軸32の挿入長さは、前述したように調整軸30の頭部35を回転させることにより調整可能である。
【0020】
V字溝31は、スプール軸32の先端面32aにおいて最も深く、基部33に向けて直線的に浅くなるように形成されている。
【0021】
したがって、スプール軸32の挿入長さを増減させることにより、作動油が通過するスプール孔24内のV字溝31の長さ、及びスプール軸受23の端面23aによって切断されるV字溝の断面積を増減させることにより作動油の流体抵抗を調節できるから、その結果として扉閉鎖速度を調節することができる。
【0022】
なお、クローザの種類により、作動油の流れ方向が図1の矢印41及び42とは反対の調整弁がある。
【0023】
以上は、ダッシュポット式緩衝機構の調整弁の一般的な構造であって、ドアクローザに関する工業分野においては公知のものであり、更に詳細な説明は省略する。
【0024】
しかして、この発明による調整弁の特徴的な構成は、スプール孔24の内孔が、スプール軸32が挿入される開口端部(図1で左端部)を除いて拡径されていることである。
【0025】
換言すれば、図2に示すように、スプール孔24は大径部24aと小径部24bとを連設してなる。
【0026】
小径部24bは、スプール軸受23の軸線方向においてその端面23aから例えば0.5mmの奥行きまでの部分に形成され、その内径はスプール軸32の外径よりも0.001mm乃至0.02mm大きく設定されており、スプール軸32としっくり嵌合してスプール外周面との間の隙間が極力小さくなるように設定されている。
【0027】
上記小径部24bの軸線方向の寸法は、スプール軸受け23の材質及び作動油の圧力を勘案し、作動油の圧力によって塑性変形しない程度に定めるものとするが、後述の管摩擦抵抗を小さくするため、なるべく小さい方が望ましい。
【0028】
大径部24aは、小径部の奥(図2において右側)の部分に形成され、その内径は、スプール軸32の外径よりも十分に大きく、例えば小径部24bの内径よりも2mm以上大きく設定されている。
【0029】
この発明による調整弁は上記のように構成されているから、その流体抵抗は従来の調整弁のそれと比較して次に述べるように変化する。
【0030】
良く知られているように、流体抵抗は2種類あり、その一つは流体が細い管中を通るときの抵抗で、管摩擦抵抗(チョーク抵抗)と呼ばれている。
【0031】
図示の実施例においては、図3に示すように、上部が大径部24aの円弧、下部がV字状溝により囲まれた扇形状の断面を有する管路を作動油が流れるときの管摩擦抵抗R1である。
【0032】
流体力学の教えるところによれば、円管の管摩擦抵抗R1は次式で示される。
【0033】
【数1】
Figure 0003996661
【0034】
ここで、λは管摩擦係数で、流体の粘性、流速、管内径及び管の表面粗度に大きく関係し、粘性が大きいほどλの値は大きい。また、lは管の長さ、dは管の内径、vは流速、gは重力の加速度である。
【0035】
V字溝の場合は、横断面が円形の管ではないので上式がそのままでは当てはまらないが、内径dの値をV字溝に相当する値に選ぶことにより適用可能である。
【0036】
流体抵抗の他の1つは、流路に設けられた衝立の小開口(オリフィス)を流体が通るときの抵抗で、断面急変部抵抗(オリフィス抵抗)と呼ばれている。
【0037】
図示の実施例では、図4及び図5に示すように、スプール軸受端面23aがV字状溝31を切断する溝断面から形成される開口部37から作動油がスペース28に流出するときの断面急変部抵抗R2である。
【0038】
上記の開口部37は、図5に示すように、上部がスプール孔24の小径部24bの円弧で、下部はV字状の扇形となっている。
【0039】
しかして、流体力学の教えるところによれば、断面急変部抵抗R2は次式で示される。
【0040】
【数2】
Figure 0003996661
【0041】
ここで、ξは断面急変部の形状により決まる定数であるが、ほぼ1に等しいとされている。又、v1、v2は断面急変部の前後における流体の流速、gは重力の加速度である。
【0042】
上記した2つの流体抵抗において、管摩擦抵抗R1は、前述したように流体の粘性に関係するが、断面急変部抵抗R2は粘性には関係しないことが、上記の2つの式によって明らかである。
【0043】
しかしてこの発明では、スプール孔24は、小径部24bの部分を除き、大径部24aの部分はスプール軸32の外周に大きな空間を形成している。
【0044】
従って、この部分における相当管径dは著しく大きな値となっており、流体の流速vは著しく小さくなる。その結果、管摩擦抵抗R1は断面急変部抵抗R2に比較して非常に小さく粘性の変化による閉扉速度の変化を小さく押さえることができる。
【0045】
次に、従来から使用されている調整弁との相違について実用寸法を用いて説明する。
【0046】
図6は、従来から使用されている調整弁のスプール軸32とスプール孔24との配置を示し、スプール軸の直径は4.5mm、V字溝31の水平長さは3.5mm、V字溝31の最大深さは1.7mm、V字溝31のV字の角度は60°である。
【0047】
しかして、作動油はスプール孔24の内周面の円弧と、V字溝31の側面のV字とから構成される扇形の断面内を流れてスプール軸端面23aの外部に流出する。
【0048】
計算によれば、上記扇形の断面積は、スプール軸の先端面32aの位置において、約1.5mm2である。
【0049】
一方、この発明の調整弁においては、図3に示すように、スプール軸のV字状31の大部分は、スプール孔の大径部24a内に挿入されているので、扇形の断面積は著しく大きい。
【0050】
大径部24aの直径を比較的小さく設定し、小径部の直径よりも2mm大きくして、6.5mmとした場合でも、計算によれば扇形の断面積はスプール軸の先端面32aの位置において約3.8mm2である。
【0051】
従って、この発明によれば、従来のものに比べて扇形の断面積は約2.5倍に増大し、逆に流速は1/2.5に減少する。
【0052】
以上の比較からも明らかなように、この発明の調整弁では、粘性に影響される管摩擦抵抗RIが従来に比較して著しく減少し、主として粘性に影響されない断面急変化抵抗R2のみによって流体の速度を制御するので、季節変化等による作動油の粘性変化の影響を小さくすることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明の調整弁は、従来から使用されている調整弁のスプール孔に大径部を形成させるだけで環境温度変化による閉扉時間の影響を小さくすることができ、使用にあたって格段の効果を奏する。
【0054】
また、この発明の実施にあたっては、従来の調整弁の構造を変えることなく、製造コストの面でも何ら変るところがないという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の調整弁を備えたシリンダキャップの縦断面図。
【図2】この発明の調整弁のスプール軸とスプール軸受の拡大断面図。
【図3】管摩擦抵抗を説明するための線図。
【図4】断面急変部抵抗を説明するための線図。
【図5】断面急変部の開口を説明するためのスプール軸の横断面図。
【図6】従来の調整弁のスプール軸とスプール軸受の拡大縦断面図。
【符号の説明】
10 シリンダキャップ
20 ハウジング
22 フィルター
23 スプール軸受
23a 端面
24 スプール孔
24a 大径部
24b 小径部
25 ねじ孔
26 収納孔
30 調整軸
31 V字溝
32 スプール軸
32a 先端面

Claims (1)

  1. 軸先端部に、軸端位置において深さが最も深く、軸の基部に向けて直線的に浅くなるV字溝を母線に沿って形成したスプール軸と、このスプール軸と嵌合するスプール孔を有するスプール軸受とから構成されたダッシュポット式調整弁において、スプール軸の先端部が挿入される開口端部を除いて、スプール孔の内孔を拡径し、以て温度によって変化する管摩擦抵抗を減少させ、温度変化に起因する作動油の粘性の変化による閉扉速度の変化を小さく押えることを特徴とするドアクローザ用閉扉速度調整弁。
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