JP3995903B2 - 液晶画像表示装置 - Google Patents

液晶画像表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3995903B2
JP3995903B2 JP2001166614A JP2001166614A JP3995903B2 JP 3995903 B2 JP3995903 B2 JP 3995903B2 JP 2001166614 A JP2001166614 A JP 2001166614A JP 2001166614 A JP2001166614 A JP 2001166614A JP 3995903 B2 JP3995903 B2 JP 3995903B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
electrode
layer
insulating substrate
image display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001166614A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002062542A (ja
Inventor
清弘 川崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2001166614A priority Critical patent/JP3995903B2/ja
Publication of JP2002062542A publication Critical patent/JP2002062542A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3995903B2 publication Critical patent/JP3995903B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカラー画像表示機能を有する液晶画像表示装置、とりわけ視野角の広い液晶画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の微細加工技術、液晶材料技術および高密度実装技術等の進歩により、5〜50cm対角の液晶パネルでテレビジョン画像や各種の画像表示機器が商用ベースで大量に提供されている。また、液晶パネルを構成する2枚のガラス基板の一方にRGBの着色層を形成しておくことによりカラー表示も容易に実現している。特にスイッチング素子を絵素毎に内蔵させた、いわゆるアクティブ型の液晶パネルではクロストークも少なくかつ高速応答で高いコントラスト比を有する画像が保証されている。
【0003】
これらの液晶画像表示装置(液晶パネル)は走査線としては200〜1000本、信号線としては200〜3000本程度のマトリクス編成が一般的であるが、最近は表示容量の増大に対応すべく大画面化と高精細化とが同時に進行している。
【0004】
図6は液晶パネルへの実装状態を示し、液晶パネル1を構成する一方の透明性絶縁基板、例えばガラス基板2上に形成された走査線の電極端子群6に駆動信号を供給する半導体集積回路チップ3を導電性の接着剤を用いて接続するCOG(Chip-On-Glass)方式や、例えばポリイミド系樹脂薄膜をベースとし、金または半田メッキされた銅箔の端子(図示せず)を有するTCPフィルム4を信号線の端子群5に導電性媒体を含む適当な接着剤で圧接して固定するTCP(Tape-Carrier-Package)方式などの実装手段によって電気信号が画像表示部に供給される。ここでは便宜上二つの実装方式を同時に図示しているが実際には何れかの方式が適宜選択されることは言うまでもない。
【0005】
7,8は液晶パネル1のほぼ中央部に位置する画像表示部と信号線および走査線の電極端子5,6との間を接続する配線路で、必ずしも電極端子群5,6と同一の導電材で構成される必要はない。9は全ての液晶セルに共通の透明導電性の対向電極を有するもう1枚の透明性絶縁基板である対向ガラス基板である。
【0006】
図7はスイッチング素子として絶縁ゲート型トランジスタ10を絵素毎に配置したアクティブ型液晶パネルの等価回路図を示し、11(図6では8)は走査線、12(図6では7)は信号線、13は液晶セルであって、液晶セル13は電気的には容量素子として扱われる。実線で描かれた素子類は液晶パネルを構成する一方のガラス基板2上に形成され、点線で描かれた全ての液晶セル13に共通な対向電極14はもう一方のガラス基板9上に形成されている。絶縁ゲート型トランジスタ10のOFF抵抗あるいは液晶セル13の抵抗が低い場合や表示画像の階調性を重視する場合には、負荷としての液晶セル13の時定数を大きくするための補助の蓄積容量15を液晶セル13に並列に加える等の回路的工夫が加味される。なお16は蓄積容量15の共通母線である。
【0007】
図8は液晶パネルの画像表示部の要部断面図を示し、液晶パネル1を構成する2枚のガラス基板2,9は樹脂性のファイバやビーズ等のスペーサ材(図示せず)によって数μm程度の所定の距離を隔てて形成され、その間隙(ギャップ)はガラス基板9の周縁部において有機性樹脂よりなるシール材と封口材(何れも図示せず)とで封止された閉空間になっており、この閉空間に液晶17が充填されている。
【0008】
カラー表示を実現する場合には、ガラス基板9の閉空間側に着色層18と称する染料または顔料のいずれか一方もしくは両方を含む厚さ1〜2μm程度の有機薄膜が被着されて色表示機能が与えられるので、その場合にはガラス基板9は別名カラーフィルタ(Color Filter 略語はCF)と呼称される。そして液晶材料17の性質によってはガラス基板9の上面またはガラス基板2の下面の何れかもしくは両面上に偏光板19が貼付され、液晶パネル1は電気光学素子として機能する。現在、市販されている大部分の液晶パネルでは液晶材料にTN(ツイスト・ネマチック)系の物を用いており、偏光板19は通常2枚必要である。なお、光源としての裏面光源についての記載は省略した。
【0009】
液晶17に接して2枚のガラス基板2,9上に形成された例えば厚さ0.1μm程度のポリイミド系樹脂薄膜20は液晶分子を決められた方向に配向させるための配向膜である。21は絶縁ゲート型トランジスタ10のドレインと透明導電性の絵素電極22とを接続するドレイン電極(配線)であり、信号線(ソース線)12と同時に形成されることが多い。信号線12とドレイン電極21との間に位置するのは半導体層23であり詳細は後述する。カラーフィルタ9上で隣り合った着色層18の境界に形成された厚さ0.1μm程度のCr薄膜層24は半導体層23と、走査線11及び信号線12に外部光が入射するのを防止するための光遮蔽で、いわゆるブラックマトリクス(Black Matrix 略語はBM)として定着化した技術である。
【0010】
ここでスイッチング素子として絶縁ゲート型トランジスタの構造と製造方法に関して説明する。絶縁ゲート型トランジスタには2種類のものが現在多用されており、そのうちの一つを従来例(エッチ・ストップ型と呼称される)として紹介する。図9は従来の液晶パネルを構成するアクティブ基板の単位絵素の平面図であり、同図のA−A’線上の断面図を図10に示し、その製造工程を以下に簡単に説明する。なお、走査線11に形成された突起部50と絵素電極22とがゲート絶縁層を介して重なっている領域52(右下がり斜線部)が蓄積容量15を形成しているが、ここではその詳細な説明は省略する。
【0011】
先ず、図10(a)に示したように耐熱性と耐薬品性と透明性が高い絶縁性基板として厚さ0.5〜1.1mm程度のガラス基板2、例えばコーニング社製の商品名1737の一主面上にSPT(スパッタ)等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.3μm程度の第1の金属層として例えばCr,Ta,Mo等あるいはそれらの合金を被着して微細加工技術により走査線も兼ねるゲート電極11を選択的に形成する。
【0012】
液晶パネルの大画面化に対応して走査線の抵抗値を下げるためには走査線の材料としてAL(アルミニウム)が用いられるが、ALは耐熱性が低いので上記した耐熱金属であるCr,Ta,Moまたはそれらのシリサイドと積層化したり、あるいはALの表面に陽極酸化で酸化層(AL2O3)を付加することも現在では一般的な技術である。すなわち、走査線11は1層以上の金属層で構成される。
【0013】
次に、図10(b)に示したようにガラス基板2の全面にPCVD(プラズマ・シーブイディ)装置を用いてゲート絶縁層となる第1のSiNx(シリコン窒化)層、不純物をほとんど含まず絶縁ゲート型トランジスタのチャネルとなる第1の非晶質シリコン(a-Si)層、及び第2のSiNx層と3種類の薄膜層を、例えば0.3-0.05-0.1μm程度の膜厚で順次被着して30〜32とする。
【0014】
なお、ノウハウ的な技術としてゲート絶縁層の形成に当り他の種類の絶縁層(例えばTaOxやSiO2等、もしくは先述したAL2O3)と積層したり、あるいはSiNx層を2回に分けて製膜し途中で洗浄工程を付与する等の歩留向上対策が行われることも多く、ゲート絶縁層は1種類あるいは単層とは限らない。
【0015】
そして、微細加工技術によりゲート11上の第2のSiNx層をゲート11よりも幅細く選択的に残して32’として第1の非晶質シリコン層31を露出し、同じくPCVD装置を用いて全面に不純物として例えば燐を含む第2の非晶質シリコン層33を例えば0.05μm程度の膜厚で被着する。
【0016】
続いて、図10(c)に示したようにゲート11の近傍上にのみ第1の非晶質シリコン層31と第2の非晶質シリコン層33とを島状31’,32’に残してゲート絶縁層30を露出する。引き続き図10(d)に示したようにSPT(スパッタ)等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.2μm程度の透明導電層として例えばITO(Indium-Tin-Oxide)を被着し、微細加工技術により絵素電極22を選択的に形成する。
【0017】
さらに図示はしないが、走査線11への電気的接続に必要な画像表示部の周辺部での走査線11上のゲート絶縁層30への選択的開口部形成を行った後、図10(e)に示したようにSPT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1μm程度の耐熱金属層として例えばTi,Cr,Mo等の耐熱金属薄膜層34を、低抵抗配線層として膜厚0.3μm程度のAL薄膜層35を順次被着し、微細加工技術により耐熱金属層34’と低抵抗配線層35’との積層よりなる絶縁ゲート型トランジスタのドレイン電極21と信号線も兼ねるソース電極12とを選択的に形成する。この選択的パターン形成に用いられる感光性樹脂パターンをマスクとしてソース・ドレイン電極間の第2のSiNx層32’上の第2の非晶質シリコン層33’を除去して第2のSiNx層32’を露出するとともに、その他の領域では第1の非晶質シリコン層31’をも除去してゲート絶縁層30を露出する。
【0018】
絶縁ゲート型トランジスタがオフセット構造とならぬようソース・ドレイン電極12,21はゲート11と一部平面的に重なった位置関係に配置されて形成される。なお、画像表示部の周辺部で走査線11上の開口部を含んで信号線12と同時に走査線側の端子電極6、または走査線11と走査線側の端子電極6とを接続する配線路8を形成することも一般的な設計である。
【0019】
最後に、ガラス基板2の全面に透明性の絶縁層として、ゲート絶縁層30と同様にPCVD装置を用いて0.3〜0.7μm程度の膜厚のSiNx層を被着してパシベーション絶縁層37とし、図10(f)に示したように絵素電極22上に開口部38を形成して絵素電極22の大部分を露出すると同時に、図示はしないが周辺部の端子電極5,6上にも開口部を形成して端子電極5,6の大部分を露出してアクティブ基板2として完成する。
【0020】
信号線12の配線抵抗が問題とならない場合にはALよりなる低抵抗配線層35は必ずしも必要ではなく、その場合にはCr,Ta,Mo等の耐熱金属材料を選択すればソース・ドレイン配線12,21を単層化することが可能である。なお、絶縁ゲート型トランジスタの耐熱性については先行例である特開平7-74368号公報に詳細が記載されている。
【0021】
絵素電極22上のパシベーション絶縁層37を除去する理由は、一つには液晶セルに印可される実効電圧の低下を防止するためと、もう一つはパシベーション絶縁層37の膜質が一般的に劣悪で、パシベーション絶縁層37内に電荷が蓄積されて表示画像の焼き付けを生じることを回避するためである。これは絶縁ゲート型トランジスタの耐熱性が余り高くないため、パシベーション絶縁層37の製膜温度がゲート絶縁層30と比較して数10℃以上低く250℃以下の低温製膜にならざるを得ないからである。
【0022】
ここで、最近商品化が活発な広視野角の表示が可能なIPS(In-Plain-Switching)方式の液晶パネルについて説明する。図11はIPS型液晶パネルの画像表示部の要部断面図を示し、図8に示した従来のものとの差違は、液晶セルが所定の距離を隔てて形成された導電性の対向電極40と絵素電極41(21)と液晶17とで構成され、液晶17は対向電極40と絵素電極41との間に働く横方向の電界でスイッチングされる点にある。したがってカラーフィルタ9上に透明導電性の対向電極14は不要であり、また同様にアクティブ基板2上にも透明導電性の絵素電極22は不要となる。すなわち、アクティブ基板2の製造工程の削減も同時になされている。
【0023】
図12はIPS型の液晶パネルを構成するアクティブ基板の単位絵素の平面図で、同図のA−A’線上の断面図を図13に示し、その製造工程を、絶縁ゲート型トランジスタに従来のうちのもう一つ(チャネル・エッチ型と呼称される)を採用した場合について以下に簡単に説明する。なお、対向電極40と絵素電極41(21)の一部とがゲート絶縁層を介して重なっている領域53(二重斜線部)が蓄積容量15を形成しているが、ここではその詳細な説明は省略する。
【0024】
先ず、従来例と同様に図13(a)に示したようにガラス基板2の一主面上に、SPT(スパッタ)等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.3μm程度の第1の金属層を被着し、微細加工技術により走査線も兼ねるゲート電極11と対向電極40とを選択的に形成する。
【0025】
次に、図13(b)に示したようにガラス基板2の全面にPCVD(プラズマ・シーブイデイ)装置を用いてゲート絶縁層となるSiNx層、不純物をほとんど含まず絶縁ゲート型トランジスタのチャネルとなる第1の非晶質シリコン層、及び不純物を含み絶縁ゲート型トランジスタのソース・ドレインとなる第2の非晶質シリコン層と3種類の薄膜層を、例えば0.3-0.2-0.05μm程度の膜厚で順次被着して30,31,33とする。
【0026】
そして、図13(c)に示したようにゲート11上に第1と第2の非晶質シリコン層よりなる半導体層を島状31’,33’に残してゲート絶縁層30を露出する。続いて図示はしないが、走査線11への電気的接続に必要な画像表示部の周辺部での走査線11上のゲート絶縁層30への選択的開口部形成を行う。
【0027】
引き続き、図13(d)に示したようにSPT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1μm程度の耐熱金属層として例えばTi薄膜層34を、低抵抗配線層として膜厚0.3μm程度のAL薄膜層35を順次被着し、微細加工技術により絵素電極41も兼ねる絶縁ゲート型トランジスタのドレイン電極21と信号線も兼ねるソース電極12とを選択的に形成する。この選択的パターン形成は、ソース・ドレイン配線の形成に用いられる感光性樹脂パターン43をマスクとしてAL薄膜層35、Ti薄膜層34、第2の非晶質シリコン層33’を順次食刻し、第1の非晶質シリコン層31’は0.05〜0.1μm程度残して食刻することによりなされるので、チャネル・エッチと呼称される。
【0028】
最後に、上記感光性樹脂パターン43を除去した後、図13(e)に示したようにガラス基板2の全面に透明性の絶縁層として、ゲート絶縁層と同様にPCVD装置を用いて0.3μm程度の膜厚のSiNx層を被着してパシベーション絶縁層37とし、図示はしないが周辺部の端子電極5,6上に開口部を形成して端子電極5,6の大部分を露出してアクティブ基板として完成する。
【0029】
以上の説明で明らかなように、対向電極40は走査線11と同時に、また絵素電極41はソース・ドレイン配線12,21と同時に形成されるので絵素電極となる透明導電層22は不要であり、先に記載した製造過程と比較すると製造工程の削減がなされていることが容易に理解されよう。
【0030】
一方、チャネル・エッチ型の絶縁ゲート型トランジスタは製膜プロセスと食刻プロセスの均一性の観点から、エッチ・ストップ型と比較して不純物を含まない第1の非晶質シリコン層を厚く製膜する必要があり、PCVD装置の稼動とパーティクル発生に関して課題が指摘されている点は見逃せない。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
アクティブ型液晶パネルの大画面化と高精細化は今後のトレンドであり、また視野角の拡大も永遠に求められる技術課題である。対角25cm以上の大型パネルにおいても表示容量の増大への対応と表示画質の向上のために高精細化が同時に進行し開口率の確保も要求される結果、BM幅を細くしたり、同時に液晶パネルを構成する2枚の基板2,9の貼り合せ精度の向上が技術的課題となってくる。
【0032】
視野角を拡大する技術は既に説明したIPS方式の他にも、配向分割、垂直配向、OCB液晶、光学補償フィルムと数多くの方式があるが、いずれの方式も一長一短で確立しているとは言えない状況である。その中でもIPS方式が注目される理由の一つは製造工程が短縮され、低コスト化への寄与が高いことである。しかしながら、IPS方式の最大の欠点は表示に寄与するのが絵素電極と共通電極との隙間だけで表示電極そのものは表示に寄与できず、開口率が他の方式と比べて半分以下の30%程度しか到達しないことである。絵素電極と共通電極自身を出来るだけ細くパターン化すれば良いとは言え、液晶パネル作製の原板となるガラス基板サイズが50cmを越える状況で、例えば1μmのパターニングを可能とする高解像力を有する露光装置、均一性の高い食刻装置などの製造装置やマスク合せ精度等、超えなければならない技術的障害は高く、実現はかなり先のこととなる。
【0033】
このため、IPS方式の液晶パネルは消費電力がさほど問題にならない卓上型の液晶モニタに限定されて商品化されているに過ぎない。開口率を高めて裏面光源に過度の電力を必要としないようにすることが急がれる。
次に図13(e)からも明らかなように、絵素電極41と対向電極40との間に働く横方向の電界中にパシベーション絶縁層37が存在するために、不要な電荷の蓄積が生じて表示画像に残像が発生し易いこともIPS方式の液晶パネルの使用方法を制限する大きな課題となっている。すなわち、静止画像を長時間表示し続けるような使用環境では画像の切替時に残像が発生してしばらくは画像の品位が低下する。
【0034】
更に加えて配向処理に関して今少し詳細に述べる。TN方式の液晶セルでは、図10(f)にも示したように表示電極である透明な絵素電極22の周囲のパシベーション絶縁層37に開口された開口部38の段差がラビング布による配向膜の配向処理の大きな障害となり、開口部38の周囲での非配向による黒表示時の光抜けによるコントラストの低下と言う配向品質並びに配向品位上の問題を発生し易い。これに対しては開口率の低下という多少の犠牲を覚悟すれば開口部38の周囲をBMで光シールドすることで実用になっている。しかしながら、IPS方式の液晶セルでも図12と図13(f)からも分かるように表示電極長が長く、表示電極の有する段差がもたらす配向品質の低下を生じ易い課題を有する。特に大画面対応で信号線の抵抗値を下げるために信号線12の膜厚を厚くすると絵素電極41の膜厚も自動的に厚くなり、段差の影響を回避する手段も講ずる必要が高くなる。
【0035】
本発明はかかる現状に鑑みなされたもので、開口率を高めるとともに残像の生じないIPS方式の液晶パネルを提供することを目的とする。また別の目的は配向処理が容易な液晶パネルを得ることにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】
本発明においてはアクティブ基板を透明性樹脂で平坦化し、平坦化された透明性樹脂上に表示電極を形成している。この結果、対向電極の一部を走査線上と信号線上とに形成することが可能となり開口率が向上する。また表示電極上に従来のパシベーション絶縁層を用いず、透明性樹脂による被覆または陽極酸化層の形成で新たなパシベーション機能を施すことで残像の発生を回避している。さらに、表示電極上に陽極酸化層を形成するとともに表示電極間を第2の透明性樹脂で埋めて平坦化しているので、信頼性の確保と配向性の向上にも大きな技術的前進が得られる。
【0037】
請求項1に記載の液晶画像表示装置は、一主面上に、少なくとも、絶縁ゲート型トランジスタと、前記絶縁ゲート型トランジスタのドレイン電極に接続された絵素電極と、前記絵素電極とは所定の距離を隔てて形成された対向電極とを有する単位絵素が二次元のマトリクスに配列された第1の透明性絶縁基板と、前記第1の透明性絶縁基板と対向する第2の透明性絶縁基板またはカラーフィルタと、前記第1の透明性絶縁基板と前記第2の透明性絶縁基板またはカラーフィルタとの間に充填された液晶と、を備えるIPS方式の液晶画像表示装置であって、前記絶縁ゲート型トランジスタには、チャネル部を保護する絶縁層が形成され、前記第1の透明性絶縁基板の前記一主面上に、前記対向電極と走査線とが形成され、前記絵素電極と信号線とが前記対向電極と1層以上の絶縁層を介して同一面上に形成され、前記絵素電極及び信号線の上面に陽極酸化層が形成され、前記絵素電極と信号線との間は、感光性の透明樹脂で埋められて平坦化されていることを特徴とする。
【0038】
この構成により、エッチ・ストップ型のTFTを有するアクティブ基板において、絵素電極と対向電極との間には従来の劣悪な膜質のパシベーションが存在しないので残像の発生が抑制される。加えて絵素電極と信号線の上面は陽極酸化層で覆われているので液晶セルとしての信頼性も確保されている。
【0039】
絶縁ゲート型トランジスタのチャネル部を保護する絶縁層が形成され、第1の透明性絶縁基板の一主面上に対向電極と走査線とが形成され、絵素電極と信号線とが対向電極と1層以上の絶縁層を介して同一面上に形成され陽極酸化可能な金属層よりなる絵素電極と信号線の上面に陽極酸化層が形成され、絵素電極と信号線との間が透明性樹脂で埋められて平坦化されている
【0040】
この場合、エッチ・ストップ型のTFTを有するアクティブ基板において、絵素電極と対向電極との間には従来の劣悪な膜質のパシベーションが存在しないので残像の発生が抑制される。さらに絵素電極と対向電極の上面は陽極酸化層で覆われ、また側面は透明性樹脂で埋められているので液晶セルとしての信頼性が一段と強化されている。そして平坦化された表面を有するために配向膜のラビングによる配向処理においても高い配向品質が得られ易くなる。
【0041】
請求項に記載の液晶画像表示装置は、同じく絶縁ゲート型トランジスタには、チャネル部を保護する絶縁層が形成され、前記絶縁ゲート型トランジスタの上面に第1の透明性樹脂が形成され、上面に陽極酸化層を有する前記絵素電極と、走査線上及び信号線上に設けられるとともに上面に陽極酸化層を有する対向電極とが、前記第1の透明性樹脂上に形成され、前記絵素電極と前記対向電極との間は、感光性の第2の透明性樹脂で埋められて平坦化されていることを特徴とする。
【0042】
この構成により、エッチ・ストップ型のTFTを有するアクティブ基板において、走査線上と信号線上とに対向電極の一部を配置することが可能となり開口率が向上する。また、絵素電極と対向電極との間には従来の劣悪な膜質のパシベーションが存在しないので残像の発生が抑制される。。加えて絵素電極と対向電極の上面は陽極酸化層で覆われているので液晶セルとしての信頼性も確保されている。
【0043】
絶縁ゲート型トランジスタのチャネル部を保護する絶縁層が形成され、第1の透明性絶縁基板が第1の透明性樹脂で平坦化され、陽極酸化可能な金属層よりなりその上面に陽極酸化層を有するとともにドレイン電極上の透明性樹脂に形成された開口部を含んで絵素電極と、同じく走査線上及び信号線上を含んで対向電極とが前記第1の透明性樹脂上に形成され、絵素電極と対向電極との間が第2の透明性樹脂で埋められて平坦化されている
【0044】
この場合、エッチ・ストップ型のTFTを有するアクティブ基板において、走査線上と信号線上とに対向電極の一部を配置することが可能となり開口率が向上する。また、絵素電極と対向電極との間には従来の劣悪な膜質のパシベーションが存在しないので残像の発生が抑制される。さらに絵素電極と対向電極の上面は陽極酸化層で覆われ、また側面は第2の透明性樹脂で埋められているので液晶セルとしての信頼性が一段と強化されている。そして平坦化された表面を有するために配向膜のラビングによる配向処理においても高い配向品質が得られ易くなる。
【0047】
本発明の画像表示装置用半導体装置の製造方法は、透明性絶縁基板の一主面上に少なくとも1層以上の第1の金属層よりなる走査線と対向電極とを形成する工程と、チャネル上に保護絶縁層を有するエッチストップ型の絶縁ゲート型トランジスタを形成する工程と、全面に陽極酸化可能な金属層を含む1層以上の第2の金属層を被着する工程と、感光性樹脂パターンを用いて信号線上と絵素電極上に陽極酸化層を選択的に形成する工程と、信号線と絵素電極とを選択的に形成する工程とを有する。
【0048】
この構成により信号線と絵素電極の上面は陽極酸化層で覆われてパシベーション絶縁層として機能する。
【0049】
また、透明性絶縁基板の一主面上に少なくとも1層以上の第1の金属層よりなる走査線と対向電極と、チャネル上に保護絶縁層を有する絶縁ゲート型トランジスタと、全面に陽極酸化可能な金属層を含む1層以上の第2の金属層を被着する工程と、感光性樹脂パターンを用いて信号線上と絵素電極上に陽極酸化層を選択的に形成する工程と、信号線と絵素電極とを選択的に形成する工程と、全面に感光性の透明樹脂を塗布し裏面露光により信号線と絵素電極との間を透明性樹脂で埋める工程とを有する画像表示装置用半導体装置の製造方法としてもよい。
【0050】
この場合信号線と絵素電極の上面は陽極酸化層で、また側面は透明性樹脂で埋められてパシベーション機能がほぼ満たされる。
【0051】
本発明の液晶画像表示装置の製造方法としては、透明性絶縁基板の一主面上に少なくとも1層以上の第1の金属層よりなる走査線と、チャネル上に保護絶縁層を有する絶縁ゲート型トランジスタと、1層以上の第2の金属層よりなるソース(信号線)・ドレイン配線とを形成する工程と、全面に第1の感光性透明樹脂を塗布しドレイン電極上に開口部を形成する工程と、全面に陽極酸化可能な金属層を被着する工程と、ドレイン電極上の開口部を含んで絵素電極上と走査線上及び信号線上を含んで対向電極上に感光性樹脂パターンを用いて陽極酸化層を選択的に形成する工程と、絵素電極と対向電極とを選択的に形成する工程とを有する方法を挙げることができる。
【0052】
この場合、絵素電極と対向電極の上面は陽極酸化層で覆われてパシベーション絶縁層として機能する。
【0053】
その他の画像表示装置用半導体装置の製造方法としては、透明性絶縁基板の一主面上に少なくとも1層以上の第1の金属層よりなる走査線と、チャネル上に保護絶縁層を有する絶縁ゲート型トランジスタと、1層以上の第2の金属層よりなるソース(信号線)・ドレイン配線とを形成する工程と、全面に第1の感光性透明樹脂を塗布しドレイン電極上に開口部を形成する工程と、全面に陽極酸化可能な金属層を被着する工程と、ドレイン電極上の開口部を含んで絵素電極上と走査線上及び信号線上を含んで対向電極上に感光性樹脂パターンを用いて陽極酸化層を選択的に形成する工程と、絵素電極と対向電極とを選択的に形成する工程と、全面に第2の感光性透明樹脂を塗布し裏面露光により絵素電極と対向電極との間を第2の透明性樹脂で埋める工程とを有する。
【0054】
この構成により絵素電極と対向電極の上面は陽極酸化層で、また側面は透明性樹脂で埋められてパシベーション機能がほぼ満たされる。
【0055】
さらに他の画像表示装置用半導体装置の製造方法としては、透明性絶縁基板の一主面上に少なくとも1層以上の第1の金属層よりなる走査線と、チャネル上に保護絶縁層を有する絶縁ゲート型トランジスタと、1層以上の第2の金属層よりなるソース(信号線)・ドレイン配線とを形成する工程と、全面に第1の感光性透明樹脂を塗布しドレイン電極上に開口部を形成する工程と、全面に陽極酸化可能な金属層を被着する工程と、ドレイン電極上の開口部を含んで絵素電極上と走査線上及び信号線上を含んで対向電極とを選択的に形成する工程と、対向電極の表面に陽極酸化層を選択的に形成する工程と、全面に第2の感光性透明樹脂を塗布し裏面露光により絵素電極と対向電極との間を第2の透明性樹脂で埋める工程とを有する方法を挙げることができる。
【0056】
この構成により、対向電極の上面は陽極酸化層で覆われて、また絵素電極と対向電極の側面は透明性樹脂で覆われてパシベーション機能がほぼ満たされる。
【0057】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1は本発明の第1と第2の実施形態に係る、また図2は本発明の第3〜第5の実施形態に係る画像表示装置用半導体装置(アクティブ基板)上の平面図を示し、図1のA−A’線上の断面図である図3と図2のA−A’線上の断面図である図4、図5は同じく画像表示装置用半導体装置の製造工程の断面図を示す。なお、従来例と同一の部位については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0058】
本発明の第1の実施形態について説明する。第1の実施形態ではアクティブ基板2の形成に当たり、チャネル上に保護絶縁層を有するエッチ・ストップ型の絶縁ゲート型トランジスタを形成する必要があり、図10に示した従来例よりも製造工程の短い先行例を採用して説明する。
【0059】
先ず、図3(a)に示したように耐熱性と耐薬品性と透明性が高い絶縁性基板として厚さ0.5〜1.1mm程度のガラス基板2、例えばコーニング社製の商品名1737の一主面上に、SPT(スパッタ)等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.3μm程度の第1の金属層として例えばCr,Ta,Mo等あるいはそれらの合金を被着して微細加工技術により走査線も兼ねるゲート電極11と対向電極40とを選択的に形成する。
【0060】
次に、ガラス基板2の全面にPCVD(プラズマ・シーブイディ)装置を用いてゲート絶縁層となる第1のSiNx(シリコン窒化)層、不純物をほとんど含まず絶縁ゲート型トランジスタのチャネルとなる第1の非晶質シリコン(a-Si)層、及び第2のSiNx層と3種類の薄膜層を、例えば0.3-0.05-0.1μm程度の膜厚で順次被着して30〜32とする。
【0061】
そして、図3(b)に示したように微細加工技術によりゲート11上の第2のSiNx層をゲート11よりも幅細く選択的に残して32’として第1の非晶質シリコン層31を露出する。その後、同じくPCVD装置を用いて全面に不純物として例えば燐を含む第2の非晶質シリコン層33を例えば0.05μm程度の膜厚で被着する。
【0062】
引き続いて図示はしないが、走査線11への電気的接続に必要な画像表示部の周辺部での走査線11上のゲート絶縁層30への選択的開口部形成を行った後、図3(c)に示したようにSPT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1μm程度の耐熱金属層として例えばTi,Cr,Mo等の耐熱金属薄膜層34を、そして陽極酸化可能な金属の中から低抵抗配線層として膜厚0.3μm程度のAL薄膜層35を順次被着する。そしてAL薄膜層35上に信号線と絵素電極の形成される領域が選択的に除去された感光性樹脂パターン50を形成する。
【0063】
図示はしないが、蓚酸やエチレングリコールを主成分とする化成液中での陽極酸化により感光性樹脂パターン50をマスクとしてAL薄膜層35上に選択的に陽極酸化層51を形成する。陽極酸化層51の膜厚は0.1〜0.3μm程度で良い。陽極酸化層51の形成後に上記感光性樹脂パターン50を除去し、図3(d)に示したように陽極酸化層51をマスクとしてAL薄膜層35、耐熱金属層(Ti)34、そして第2のSiNx層32’上の第2の非晶質シリコン層33’を順次食刻して第2のSiNx層32’を露出するとともに、その他の領域では第1の非晶質シリコン層31’をも除去してゲート絶縁層30を露出するとともに信号線12と絵素電極41とを形成する。このようにして得られたアクティブ基板2とカラーフィルタとを貼り合わせて液晶パネル化し、本発明の第1の実施形態が完了する。製造工程の短縮は信号線12と絵素電極41の形成時に第1と第2の非晶質シリコン層を同時に除去することで半導体層の島化工程が削除されていることを理解されたい。
【0064】
第1の実施形態では上記したように信号線12と絵素電極41の上面に絶縁体であるアルミニウムの陽極酸化層51が形成されており、これがパシベーション絶縁層として信号線12と絵素電極41を電気的に保護するが、これらの電極の側面には導電性部材がわずかではあるが露出しているので信頼性上は万全とは言えない。そこで第2の実施形態では信号線12と絵素電極41の側面を透明性樹脂で埋めて信頼性の更なる向上を図っている。
【0065】
第2の実施形態では、図3(e)に示した様に第1の実施形態で得られるアクティブ基板2の全面に先述したような感光性透明樹脂60を塗布し、紫外線61による裏面露光を行ってからの現像処理が追加される。感光性透明樹脂60の膜厚は信号線12(絵素電極41)の膜厚と信号線12(絵素電極41)上に形成された陽極酸化層51の膜厚との和で良い。この結果、図3(f)に示したようにアクティブ基板2の一主面上では光遮断性の部材、すなわち、走査線11(対向電極41)、信号線12(絵素電極41)及び絶縁ゲート型トランジスタ上には透明性樹脂60’は形成されない。対向電極41上に透明性樹脂60’の欠損部62があっても、対向電極41の近傍にまで透明樹脂60’が存在すれば少なくとも突起がない表面を有するアクティブ基板2が得られたわけで、配向処理時に絵素電極41と対向電極40の周囲にラビング布からの転写異物が残って非配向にはならないことが理解されよう。
【0066】
また、絶縁ゲート型トランジスタ上にも透明性樹脂60’が形成されないことからチャネル上に保護絶縁層32’を有するデバイスでなければならない必然性も容易に理解されよう。このようにして得られたアクティブ基板2とカラーフィルタとを貼り合わせて液晶パネル化し、本発明の第2の実施形態が完了する。
【0067】
従来のIPS液晶パネルでは開口率が低い欠点があり、厚い透明性樹脂を採用して走査線上と信号線上に対向電極の一部を配置することで表示電極の有効開口率を高める先行例として例えば特願平 9-107978号が挙げられる。以下の実施形態ではその技術を一部採用して本発明の目的を達成しており、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0068】
第3の実施形態では、図4(a)と図4(b)に示したようにソース・ドレイン配線となる耐熱金属層(Ti)34及びAL薄膜層35の被着工程までは第2の実施形態と同一の製造工程を経て、図4(c)に示したように微細加工技術により耐熱金属層34’と低抵抗配線層35’との積層よりなる絶縁ゲート型トランジスタのドレイン電極21と信号線も兼ねるソース電極12とを選択的に形成する。この選択的パターン形成に用いられる感光性樹脂パターンをマスクとしてソース・ドレイン電極間の第2のSiNx層32’上の第2の非晶質シリコン層33’を除去して第2のSiNx層32’を露出するとともに、その他の領域では第1の非晶質シリコン層31’をも除去してゲート絶縁層30を露出する。
【0069】
引き続き、ガラス基板2上にアクリル系の樹脂を主成分とする透明性と耐熱性に優れた感光性樹脂70として、例えば日本合成ゴム製の商品名オプトマPC302を、例えば1.5μmの膜厚で塗布し、マスク露光によりドレイン電極21上に開口部64を形成する。この時、必要とあらば端子電極5,6上にも開口部を設けておくと良い。
【0070】
そしてアクティブ基板2上に陽極酸化可能な金属薄膜として、AL,Ta,Ti等の中から、例えばAL薄膜層71を0.1〜0.2μmの膜厚で被着し、図1と図4(d)に示したようにドレイン電極21上の開口部64を含んで形成される絵素電極41と、走査線11上及び信号線12上を含んで形成される対向電極40とが形成される領域が選択的に除去された感光性樹脂パターン65をAL薄膜層71上に形成する。
【0071】
図示はしないが、蓚酸やエチレングリコールを主成分とする化成液中での陽極酸化により、感光性樹脂パターン65をマスクとしてAL薄膜層71上に選択的に陽極酸化層72’を形成する。陽極酸化層72’の膜厚は0.1〜0.3μm程度で良い。陽極酸化膜72’の形成後に上記感光性樹脂パターン65を除去し、図4(e)に示したように陽極酸化層72’をマスクとしてAL薄膜層71を選択的に除去して透明性樹脂70を露出し、表面に陽極酸化層72’を有する絵素電極41と対向電極40とを形成する。このようにして得られたアクティブ基板2とカラーフィルタとを貼り合わせて液晶パネル化し、本発明の第3の実施形態が完了する。
【0072】
第4の実施形態では、第3の実施形態におけるパシベーション機能の不完全さを第2の実施形態と同様にして補強するものであり、その製造工程は図4(f)と図4(g)に示した第2の感光性透明樹脂60の塗布・裏面露光・現像に関わる工程のみである。第2の実施形態との差異は、対向電極40がアクティブ基板2上で絵素電極41と同じレベルに有ることで、その結果、図4(g)に示したように対向電極40と絵素電極41との間は第2の透明性樹脂60’で埋められてほぼ平坦な表面となる点と、対向電極40の一部は第1の透明樹脂70を介して走査線11と信号線12の上に形成することが可能なので開口率が高くなる点にある。このようにして得られたアクティブ基板2とカラーフィルタとを貼り合わせて液晶パネル化し、本発明の第4の実施形態が完了する。
【0073】
第5の実施形態は、アクティブ基板2上に陽極酸化可能な金属薄膜としてAL薄膜層71を被着するまでは第3の実施形態と同一の製造工程を経て、図5(d)に示したように微細加工技術により絵素電極41と対向電極40とを選択的に形成する。対向電極40は第1の透明性樹脂70上で格子状に繋がっているので、蓚酸やエチレングリコールを主成分とする化成液中での陽極酸化により対向電極40上に選択的に陽極酸化層72”を形成することが可能である。その後は図5(e)と図5(f)に示した第2の感光性透明樹脂60の塗布・裏面露光・現像に関わる工程のみである。その結果、図5(f)に示したように表面に陽極酸化層72”を有する対向電極40と絵素電極41との間は第2 の透明性樹脂60’で埋められてほぼ平坦な表面となる点と、対向電極40の一部は第1の透明性樹脂70を介して走査線11と信号線12の上に形成することが可能なので、開口率が高くなる点にある。このようにして得られたアクティブ基板2とカラーフィルタとを貼り合わせて液晶パネル化し、本発明の第5の実施形態が完了する。
なお、本発明の要件は、上記の説明からも明らかなように厚い透明性樹脂でアクティブ基板を平坦化した点と、表示電極を陽極酸化可能な金属層を用いてその上面(表面)に絶縁層である陽極酸化層を形成した点と、表示電極の有する段差を同じく透明性樹脂で平坦化した点にあり、それ以外の構成に関しては走査線、信号線及びゲート絶縁層等の材質や膜厚等が異なった画像表示装置用半導体装置、あるいはその製造方法の差異も本発明の範疇に属することは自明であり、絶縁ゲート型トランジスタの半導体層も非晶質シリコンに限定されるものでないことも明らかである。
【0074】
【発明の効果】
以上述べたように本発明に記載の液晶画像表示装置によれば、先ず配向膜を介して液晶に接する表示電極(絵素電極と対向電極)の少なくとも一方の上面(表面)には絶縁層である陽極酸化層が形成され、パシベーション機能を付与されている。この絶縁層は絶縁層と言うよりはむしろ高抵抗体と称すべき性質を持ち電荷の蓄積が生じにくい特徴を有しており、残像の発生が抑制される。
【0075】
次に、表示電極の間が透明性樹脂で埋められて平坦な表面を有するアクティブ基板となっているために、ラビング布による配向処理時に表示電極の周辺でラビングが均一に行われて配向品質が向上する。
【0076】
さらに、請求項3記載の液晶画像表示装置によれば、厚い透明性樹脂を介して走査線上と信号線上に対向電極の一部を配置して格子状に形成することが可能となり、対向電極の電流通路が拡張されて対向電極のパターン幅を狭めることが可能となるだけでなく、単位絵素内での光使用効率が改善されて開口率が向上する等の優れた効果が得られる。走査線上と信号線上に形成された対向電極の一部が厚い透明性樹脂を介して走査線や信号線と形成する電気容量は透明性樹脂のその厚さ故に小さく、寄生容量が増大しない点に厚い透明性樹脂を導入する技術的価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1と第2の実施形態にかかる画像表示装置用半導体装置の平面図
【図2】本発明の第3〜第5の実施形態にかかる画像表示装置用半導体装置の平面図
【図3】本発明の第1と第2の実施形態にかかる画像表示装置用半導体装置の製造工程断面図
【図4】本発明の第3と第4の実施形態にかかる画像表示装置用半導体装置の製造工程断面図
【図5】本発明の第5の実施形態にかかる画像表示装置用半導体装置の製造工程断面図
【図6】液晶パネルの実装状態を示す斜視図
【図7】液晶パネルの等価回路図
【図8】従来の液晶パネルの断面図
【図9】従来例のアクティブ基板の平面図
【図10】従来例のアクティブ基板の製造工程断面図
【図11】IPS方式の液晶パネルの断面図
【図12】IPS方式のアクティブ基板の平面図
【図13】IPS方式のアクティブ基板の製造工程断面図
【符号の説明】
1 液晶パネル
2 アクティブ基板(ガラス基板)
3 半導体集積回路チップ
4 TCPフィルム
5,6 端子電極
9 カラーフィルタ(対向するガラス基板)
10 絶縁ゲート型トランジスタ
11 走査線(ゲート)
12 信号線(ソース配線、ソース電極)
16 共通容量線
17 液晶
19 偏光板
20 配向膜
21 ドレイン電極
22 (透明導電性)絵素電極
24 ブラックマトリクス(BM)
30 ゲート絶縁層(第1のSiNx層)
31 不純物を含まない(第1の)非晶質シリコン層
32 エッチング・ストッパ層(第2のSiNx層)
33 不純物を含む(第2の)非晶質シリコン層
34 耐熱バリア金属層(Ti)
35 (陽極酸化可能な)低抵抗金属層(AL)
37 パシベーション絶縁層
38 絵素電極上のパシベーション絶縁層に形成された開口部
40 (IPS液晶パネルの)対向電極
41(21) (IPS液晶パネルの)絵素電極
50 (陽極酸化防止)感光性樹脂パターン
51 陽極酸化層
60 (第2の感光性)透明性樹脂
61 紫外線
62 (第2の感光性)透明性樹脂の欠損部
64 ドレイン電極上の透明性樹脂に形成された開口部
65 (陽極酸化防止)感光性樹脂パターン
70 (第1の感光性)透明性樹脂
71 陽極酸化可能な金属層
72 (陽極酸化可能な金属層の)陽極酸化層

Claims (5)

  1. 一主面上に、少なくとも、絶縁ゲート型トランジスタと、前記絶縁ゲート型トランジスタのドレイン電極に接続された絵素電極と、前記絵素電極とは所定の距離を隔てて形成された対向電極とを有する単位絵素が二次元のマトリクスに配列された第1の透明性絶縁基板と、
    前記第1の透明性絶縁基板と対向する第2の透明性絶縁基板またはカラーフィルタと、
    前記第1の透明性絶縁基板と前記第2の透明性絶縁基板またはカラーフィルタとの間に充填された液晶と、を備えるIPS方式の液晶画像表示装置であって、
    前記絶縁ゲート型トランジスタには、チャネル部を保護する絶縁層が形成され、
    前記第1の透明性絶縁基板の前記一主面上に、前記対向電極と走査線とが形成され、
    前記絵素電極と信号線とが前記対向電極と1層以上の絶縁層を介して同一面上に形成され、
    前記絵素電極及び信号線の上面に陽極酸化層が形成され、
    前記絵素電極と信号線との間は、感光性の透明樹脂で埋められて平坦化されていることを特徴とする液晶画像表示装置。
  2. 前記感光性の透明樹脂は、その膜厚が前記絵素電極の膜厚と前記絵素電極上に形成された前記陽極酸化膜の膜厚との和に等しくなるよう形成されたことを特徴とする請求項1記載の液晶画像表示装置。
  3. 一主面上に、少なくとも、絶縁ゲート型トランジスタと、前記絶縁ゲート型トランジスタのドレイン電極に接続された絵素電極と、前記絵素電極とは所定の距離を隔てて形成された対向電極とを有する単位絵素が二次元のマトリクスに配列された第1の透明性絶縁基板と、
    前記第1の透明性絶縁基板と対向する第2の透明性絶縁基板またはカラーフィルタと、
    前記第1の透明性絶縁基板と前記第2の透明性絶縁基板またはカラーフィルタとの間に充填された液晶と、を備えるIPS方式の液晶画像表示装置であって、
    前記絶縁ゲート型トランジスタには、チャネル部を保護する絶縁層が形成され、
    前記絶縁ゲート型トランジスタの上面に第1の透明性樹脂が形成され、
    上面に陽極酸化層を有する前記絵素電極と、走査線上及び信号線上に設けられるとともに上面に陽極酸化層を有する対向電極とが、前記第1の透明性樹脂上に形成され、
    前記絵素電極と前記対向電極との間は、感光性の第2の透明性樹脂で埋められて平坦化されていることを特徴とする液晶画像表示装置。
  4. 前記第2の透明性樹脂は、その膜厚が前記絵素電極の膜厚と前記絵素電極上に形成された前記陽極酸化膜の膜厚との和に等しくなるよう形成されたことを特徴とする請求項3記載の液晶画像表示装置。
  5. 前記第1の透明性絶縁基板の平坦化された面上にラビング処理が施された配向膜が形成されたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液晶画像表示装置。
JP2001166614A 2001-06-01 2001-06-01 液晶画像表示装置 Expired - Fee Related JP3995903B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001166614A JP3995903B2 (ja) 2001-06-01 2001-06-01 液晶画像表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001166614A JP3995903B2 (ja) 2001-06-01 2001-06-01 液晶画像表示装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28808999A Division JP3216640B2 (ja) 1999-10-08 1999-10-08 液晶画像表示装置と画像表示装置用半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002062542A JP2002062542A (ja) 2002-02-28
JP3995903B2 true JP3995903B2 (ja) 2007-10-24

Family

ID=19009128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001166614A Expired - Fee Related JP3995903B2 (ja) 2001-06-01 2001-06-01 液晶画像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3995903B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4604145B2 (ja) * 2003-08-20 2010-12-22 奇美電子股▲ふん▼有限公司 Ips液晶ディスプレイ及び輝点の滅点化方法
KR20060104708A (ko) * 2005-03-31 2006-10-09 엘지.필립스 엘시디 주식회사 횡전계 방식 액정표시장치용 어레이 기판과 그 제조방법
US8218120B2 (en) 2005-03-31 2012-07-10 Lg Display Co., Ltd. Array substrate for in-plane switching liquid crystal display device and method of fabricating the same
KR101473839B1 (ko) 2007-10-17 2014-12-18 엘지디스플레이 주식회사 횡전계방식 액정표시장치 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002062542A (ja) 2002-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100710532B1 (ko) 액정표시장치와 그 제조방법
JP3793915B2 (ja) 液晶表示装置
KR100493869B1 (ko) 횡전계 방식의 액정표시장치 및 그 제조방법
JP2600929B2 (ja) 液晶画像表示装置およびその製造方法
JP4646539B2 (ja) 液晶表示装置とその製造方法
JP2004317685A (ja) 液晶表示装置とその製造方法
WO2010071159A1 (ja) 絶縁ゲート型トランジスタ、アクティブマトリクス基板、液晶表示装置及びそれらの製造方法
JP2005283690A (ja) 液晶表示装置とその製造方法
JP3995903B2 (ja) 液晶画像表示装置
JP2004319655A (ja) 液晶表示装置とその製造方法
JP3216640B2 (ja) 液晶画像表示装置と画像表示装置用半導体装置の製造方法
JP2002368011A (ja) 絶縁ゲート型トランジスタと液晶表示装置
JP2000250065A (ja) 液晶画像表示装置および画像表示装置用半導体装置の製造方法
JP3391304B2 (ja) 液晶画像表示装置と画像表示装置用半導体装置の製造方法
JP2005019664A (ja) 液晶表示装置とその製造方法
JP2005017669A (ja) 液晶表示装置とその製造方法
JP2001356367A (ja) 液晶画像表示装置及び画像表示装置用半導体装置の製造方法
JP2005106881A (ja) 液晶表示装置とその製造方法
JP3536762B2 (ja) 液晶画像表示装置と画像表示装置用半導体装置の製造方法
JP3391312B2 (ja) 反射型液晶画像表示装置と画像表示装置用半導体装置の製造方法
JP2002190600A (ja) 液晶画像表示装置と画像表示装置用半導体装置の製造方法
JP4871507B2 (ja) 液晶表示装置とその製造方法
JP2000250072A (ja) 液晶画像表示装置および画像表示装置用半導体装置の製造方法
JP2001075126A (ja) 液晶画像表示装置と画像表示装置用半導体装置の製造方法
JP3077439B2 (ja) マトリクス基板及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040722

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050128

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050209

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20050304

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050620

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070801

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110810

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120810

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130810

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130810

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140810

Year of fee payment: 7

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees