JP2001356367A - 液晶画像表示装置及び画像表示装置用半導体装置の製造方法 - Google Patents

液晶画像表示装置及び画像表示装置用半導体装置の製造方法

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JP2001356367A
JP2001356367A JP2000176434A JP2000176434A JP2001356367A JP 2001356367 A JP2001356367 A JP 2001356367A JP 2000176434 A JP2000176434 A JP 2000176434A JP 2000176434 A JP2000176434 A JP 2000176434A JP 2001356367 A JP2001356367 A JP 2001356367A
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insulating
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Kiyohiro Kawasaki
清弘 川崎
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走査線上の絶縁層にピンホールや欠損部が発
生して信号線と短絡する不良率を確実に低下させる 【解決手段】 走査線上(及び共通容量線上または対
向電極上)の絶縁層のピンホールまたは欠損部を電着法
により有機性薄膜で埋める、陽極酸化により絶縁体を
形成する材質を走査線材料に選択し、走査線上(及び共
通容量線上または対向電極上)の絶縁層のピンホール内
または欠損部内の走査線(及び共通容量線または対向電
極)を陽極酸化により絶縁化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 〔発明の詳細な説明〕本発明は画像表示機能を有する液
晶画像表示装置、とりわけ画素毎にスイッチング素子を
有するアクティブ型の液晶画像表示装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年の微細加工技術、液晶材料技術およ
び高密度実装技術等の進歩により、5〜50cm対角の液
晶パネルでテレビジョン画像や各種の画像表示機器が商
用ベースで大量に提供されている。また、液晶パネルを
構成する2枚のガラス基板の一方にRGBの着色層を形
成しておくことによりカラー表示も容易に実現してい
る。特にスイッチング素子を絵素毎に内蔵させた、いわ
ゆるアクティブ型の液晶パネルではクロストークも少な
くかつ高速応答で高いコントラスト比を有する画像が保
証されている。
【0003】これらの液晶画像表示装置(液晶パネル)
は走査線としては200〜1200本、信号線としては200〜30
00本程度のマトリクス編成が一般的であるが、最近は表
示容量の増大に対応すべく大画面化と高精細化とが同時
に進行している。
【0004】図11は液晶パネルへの実装状態の斜視図
を示し、液晶パネル1を構成する一方の透明性絶縁基
板、例えばガラス基板2上に形成された走査線の電極端
子群6に駆動信号を供給する半導体集積回路チップ3を
導電性の接着剤を用いて接続するCOG(Chip-On-Glas
s)方式や、例えばポリイミド系樹脂薄膜をベースと
し、金または半田メッキされた銅箔の端子(図示せず)
を有するTCPフィルム4を信号線の端子群5に導電性
媒体を含む適当な接着剤で圧接して固定するTCP(Ta
pe-Carrier-Package)方式などの実装手段によって電気
信号が画像表示部に供給される。ここでは便宜上二つの
実装方式を同時に図示しているが実際には何れかの方式
が適宜選択されることは言うまでもない。
【0005】7,8は液晶パネル1のほぼ中央部に位置
する画像表示部と信号線および走査線の電極端子5,6
との間を接続する配線路で、必ずしも電極端子群5,6
と同一の導電材で構成される必要はない。9は全ての液
晶セルに共通の透明導電性の対向電極を対向面上に有す
るもう1枚の透明性絶縁基板である対向ガラス基板また
はカラーフィルタである。
【0006】図12はスイッチング素子として絶縁ゲー
ト型トランジスタ10を絵素毎に配置したアクティブ型
液晶画像表示装置(液晶パネル)の等価回路図を示し、
11(図5では8)は走査線、12(図5では7)は信
号線、13は液晶セルであって、液晶セル13は電気的
には容量素子として扱われる。実線で描かれた素子類は
液晶パネル1を構成する一方のガラス基板2上に形成さ
れ、点線で描かれた全ての液晶セル13に共通な対向電
極14はもう一方のガラス基板9上に形成されている。
絶縁ゲート型トランジスタ10のOFF抵抗あるいは液晶
セル13の抵抗が低い場合や表示画像の階調性を重視す
る場合には、負荷としての液晶セル13の時定数を大き
くするための補助の蓄積容量15を液晶セル13に並列
に加える等の回路的工夫が加味される。なお16は蓄積
容量15の共通母線である。
【0007】図13は液晶パネルの画像表示部の要部断
面図を示し、液晶パネル1を構成する2枚のガラス基板
2,9は樹脂性のファイバやビーズ等のスペーサ材(図
示せず)によって数μm程度の所定の距離を隔てて形成
され、その間隙(ギャップ)はガラス基板9の周縁部に
おいて有機性樹脂よりなるシール材と封口材(何れも図
示せず)とで封止された閉空間になっており、この閉空
間に液晶17が充填されている。
【0008】カラー表示を実現する場合には、ガラス基
板9の閉空間側に着色層18と称する染料または顔料の
いずれか一方もしくは両方を含む厚さ1〜2μm程度の
有機薄膜が被着されて色表示機能が与えられるので、そ
の場合にはガラス基板9は別名カラーフィルタ(Color
Filter 略語はCF)と呼称される。そして液晶材料
17の性質によってはガラス基板9の上面またはガラス
基板2の下面の何れかもしくは両面上に偏光板19が貼
付され、液晶パネル1は電気光学素子として機能する。
現在、市販されている大部分の液晶パネルでは液晶材料
にTN(ツイスト・ネマチック)系の物を用いており、
偏光板19は通常2枚必要である。透過型液晶画像表示
装置においては図示しないが下方に設置された裏面光源
より白色光が照射される。
【0009】液晶17に接して2枚のガラス基板2,9
上に形成された例えば厚さ0.1μm程度のポリイミド系樹
脂薄膜20は液晶分子を決められた方向に配向させるた
めの配向膜である。21は絶縁ゲート型トランジスタ1
0のドレインと透明導電性の絵素電極22とを接続する
ドレイン電極(配線)であり、信号線(ソース線)12
と同時に形成されることが多い。信号線12とドレイン
電極21との間に位置するのは半導体層23であり詳細
は後述する。カラーフィルタ9上で隣り合った着色層1
8の境界に形成された厚さ0.1μm程度のCr薄膜層24
は半導体層23と、走査線11及び信号線12に外部光
が入射するのを防止するための光遮蔽で、いわゆるブラ
ックマトリクス(Black Matrix 略語はBM)として
定着化した技術である。
【0010】ここでスイッチング素子として絶縁ゲート
型トランジスタの構造と製造方法に関して説明する。絶
縁ゲート型トランジスタには2種類のものが現在多用さ
れており、そのうちの一つを従来例(エッチ・ストップ
型と呼称される)として紹介する。図14は従来の液晶
パネルを構成するアクティブ基板(画像表示装置用半導
体装置)の単位絵素の平面図であり、同図のA−A’線
上の断面図を図15に示し、その製造工程を以下に簡単
に説明する。なお、走査線11に形成された突起部50
と絵素電極22とがゲート絶縁層を介して重なっている
領域48(右下がり斜線部)が蓄積容量15を形成して
いるが、ここではその詳細な説明は省略する。
【0011】先ず、図15(a)に示したように耐熱性
と耐薬品性と透明性が高い絶縁性基板として厚さ0.5〜
1.1mm程度のガラス基板2、例えばコーニング社製の商
品名1737の一主面上にSPT(スパッタ)等の真空
製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.3μm程度の第1の金属層
として例えばCr,Ta,Mo等あるいはそれらの合金
やシリサイドを被着して微細加工技術により走査線も兼
ねるゲート電極11を選択的に形成する。走査線の材質
は耐薬品性と耐弗酸性と導電性とを総合的に勘案して選
択すると良い。
【0012】液晶パネルの大画面化に対応して走査線の
抵抗値を下げるためには走査線の材料としてAL(アル
ミニウム)が用いられるが、ALは単体では耐熱性が低
いので上記した耐熱金属であるCr,Ta,Moまたは
それらのシリサイドと積層化したり、あるいはALの表
面に陽極酸化で酸化層(AL2O3)を付加することも現在
では一般的な技術である。すなわち、走査線11は1層
以上の金属層で構成される。
【0013】次に、図15(b)に示したようにガラス
基板2の全面にPCVD(プラズマ・シーブイディ)装
置を用いてゲート絶縁層となる第1のSiNx(シリコン窒
化)層、不純物をほとんど含まず絶縁ゲート型トランジ
スタのチャネルとなる第1の非晶質シリコン(a-Si)
層、及びチャネルを保護する第2のSiNx層と3種類の薄
膜層を、例えば0.3-0.05-0.1μm程度の膜厚で順次被着
して30〜32とする。
【0014】なお、ノウハウ的な技術としてゲート絶縁
層の形成に当り他の種類の絶縁層(例えばTaOxやSiO2
等、もしくは先述したAL2O3)と積層したり、あるいはS
iNx層を2回に分けて製膜し途中で洗浄工程を付与する
等の歩留向上対策が行われることも多く、ゲート絶縁層
は1種類あるいは単層とは限らない。
【0015】そして微細加工技術によりゲート11上の
第2のSiNx層をゲート11よりも幅細く選択的に残して
32’として第1の非晶質シリコン層31を露出し、同
じくPCVD装置を用いて全面に不純物として例えば燐
を含む第2の非晶質シリコン層33を例えば0.05μm程
度の膜厚で被着する。
【0016】続いて、図15(c)に示したようにゲー
ト11の近傍上にのみ第1の非晶質シリコン層31と第
2の非晶質シリコン層33とを島状31’,33’に残
してゲート絶縁層30を露出する。引き続き図15
(d)に示したようにSPT等の真空製膜装置を用いて
膜厚0.1〜0.2μm程度の透明導電層として例えばITO
(Indium-Tin-Oxide)を被着し、微細加工技術により絵
素電極22を露出したゲート絶縁層30上に選択的に形
成する。
【0017】さらに図示はしないが、走査線11への電
気的接続に必要な画像表示部の周辺部での走査線11上
のゲート絶縁層30への選択的開口部形成を行った後、
図15(e)に示したようにSPT等の真空製膜装置を
用いて膜厚0.1μm程度の耐熱金属層として例えばTi,
Cr,Mo等の耐熱金属薄膜層34を、膜厚0.3μm程度
の低抵抗配線層としてAL薄膜層35を順次被着し、微
細加工技術により耐熱金属層34’と低抵抗配線層3
5’との積層よりなる絶縁ゲート型トランジスタのドレ
イン電極21と信号線も兼ねるソース電極12とを選択
的に形成する。この選択的パターン形成に用いられる感
光性樹脂パターンをマスクとしてソース・ドレイン電極
間の第2のSiNx層32’上の第2の非晶質シリコン層3
3’を除去して第2のSiNx層32’を露出するととも
に、その他の領域では第1の非晶質シリコン層31’をも
除去してゲート絶縁層30を露出する。この工程はチャ
ネルの保護層である第2のSiNx層32’が存在するため
に第2の非晶質シリコン層33’の食刻が自動的に終了
することからエッチ・ストップと呼称される所以であ
る。
【0018】絶縁ゲート型トランジスタがオフセット構
造とならぬようソース・ドレイン電極12,21はゲー
ト11と一部平面的に重なって(数μm)形成される。
この重なりは寄生容量として電気的に作用するので小さ
いほど良いが、露光機の合わせ精度とマスクの精度とガ
ラス基板の膨張係数及び露光時のガラス基板温度で決定
され、実用的な数値は精々2μm程度である。なお、画
像表示部の周辺部で走査線11上の開口部を含んで信号
線12と同時に走査線側の端子電極6、または走査線1
1と走査線側の端子電極6とを接続する配線路8を形成
することも一般的なパターン設計である。
【0019】最後に、ガラス基板2の全面に透明性の絶
縁層として、ゲート絶縁層30と同様にPCVD装置を
用いて0.3〜0.7μm程度の膜厚のSiNx層を被着してパシ
ベーション絶縁層37とし、図15(f)に示したよう
に絵素電極22上に開口部38を形成して絵素電極22
の大部分を露出すると同時に図示はしないが周辺部の端
子電極5,6上にも開口部を形成して端子電極5,6の
大部分を露出してアクティブ基板2として完成する。
【0020】信号線12の配線抵抗が問題とならない場
合にはALよりなる低抵抗配線層35は必ずしも必要で
はなく、その場合にはCr,Ta,Mo等の耐熱金属材
料を選択すればソース・ドレイン配線12,21を単層
化することが可能である。なお、絶縁ゲート型トランジ
スタの耐熱性については先行例である特開平7-74368号
公報に詳細が記載されている。
【0021】絵素電極22上のパシベーション絶縁層3
7を除去する理由は、一つには液晶セルに印可される実
効電圧の低下を防止するためと、もう一つはパシベーシ
ョン絶縁層37の膜質が一般的に劣悪で、パシベーショ
ン絶縁層37内に電荷が蓄積されて表示画像の焼き付け
を生じることを回避するためである。これは絶縁ゲート
型トランジスタの耐熱性が余り高くないため、パシベー
ション絶縁層37の製膜温度がゲート絶縁層30と比較
して数10℃以上低く250℃以下の低温製膜にならざ
るを得ないからである。
【0022】ここで、最近商品化が活発な広視野角の表
示が可能なIPS(In-Plain-Switching)方式の液晶パ
ネルについて説明する。図16はIPS型液晶パネルの
画像表示部の要部断面図を示し、図13に示した従来の
ものとの差違は、液晶セルが所定の距離を隔てて形成さ
れた導電性の対向電極40と絵素電極41(21)と液
晶17とで構成され、液晶17は対向電極40と絵素電
極41との間に働く横方向の電界でスイッチングされる
点にある。したがってカラーフィルタ9上に透明導電性
の対向電極14は不要であり、また同様にアクティブ基
板2上にも透明導電性の絵素電極22は不要となる。す
なわち、アクティブ基板2の製造工程の削減も同時にな
されている。
【0023】図17はIPS型の液晶パネルを構成する
アクティブ基板の単位絵素の平面図で、同図のA−A’
線上の断面図を図18に示し、その製造工程を、絶縁ゲ
ート型トランジスタに従来のうちのもう一つ(チャネル
・エッチ型と呼称される)を採用した場合について以下
に簡単に説明する。なお、対向電極40と絵素電極41
(21)の一部とがゲート絶縁層を介して重なっている
領域49(二重斜線部)が蓄積容量15を形成している
が、ここではその詳細な説明は省略する。
【0024】先ず、従来例と同様に図18(a)に示し
たようにガラス基板2の一主面上に、SPT等の真空製
膜装置を用いて膜厚0.1〜0.3μm程度の第1の金属層を
被着し、微細加工技術により走査線も兼ねるゲート電極
11と対向電極40とを選択的に形成する。
【0025】次に、図18(b)に示したようにガラス
基板2の全面にPCVD装置を用いてゲート絶縁層とな
るSiNx層、不純物をほとんど含まず絶縁ゲート型トラン
ジスタのチャネルとなる第1の非晶質シリコン層、及び
不純物を含み絶縁ゲート型トランジスタのソース・ドレ
インとなる第2の非晶質シリコン層と3種類の薄膜層
を、例えば0.3-0.2-0.05μm程度の膜厚で順次被着して
30,31,33とする。
【0026】そして、図18(c)に示したようにゲー
ト11上に第1と第2の非晶質シリコン層よりなる半導
体層を島状31’,33’に残してゲート絶縁層30を
露出する。続いて図示はしないが、走査線11への電気
的接続に必要な画像表示部の周辺部での走査線11上の
ゲート絶縁層30への選択的開口部形成を行う。
【0027】引き続き、図18(d)に示したようにS
PT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1μm程度の耐熱金
属層として例えばTi薄膜層34を、膜厚0.3μm程度の
低抵抗配線層としてAL薄膜層35を順次被着し、微細
加工技術により絵素電極41も兼ねる絶縁ゲート型トラ
ンジスタのドレイン電極21と信号線も兼ねるソース電
極12とを選択的に形成する。この選択的パターン形成
は、ソース・ドレイン配線の形成に用いられる感光性樹
脂パターン43をマスクとしてAL薄膜層35、Ti薄
膜層34、第2の非晶質シリコン層33’を順次食刻
し、第1の非晶質シリコン層31’は0.05〜0.1μm程度
残して食刻することによりなされるので、チャネル・エ
ッチと呼称される。
【0028】最後に、上記感光性樹脂パターン43を除
去した後、図18(e)に示したようにガラス基板2の
全面に透明性の絶縁層として、ゲート絶縁層と同様にP
CVD装置を用いて0.3μm程度の膜厚のSiNx層を被
着してパシベーション絶縁層37とし、図示はしないが
周辺部の端子電極5,6上に開口部を形成して端子電極
5,6の大部分を露出してアクティブ基板として完成す
る。
【0029】以上の説明で明らかなように、対向電極4
0は走査線11と同時に、また絵素電極41はソース・
ドレイン配線12,21と同時に形成されるので絵素電
極となる透明導電層22は不要であり、先に記載した製
造過程と比較すると製造工程の削減がなされていること
が容易に理解されよう。
【0030】一方、チャネル・エッチ型の絶縁ゲート型
トランジスタは製膜プロセスと食刻プロセスの均一性の
観点から、エッチ・ストップ型と比較して不純物を含ま
ない第1の非晶質シリコン層を厚く製膜する必要があ
り、PCVD装置の稼動とパーティクル発生に関しては
生産能力上の課題が、また電子の移動度が小さいことか
ら絶縁ゲート型トランジスタの性能指数上に課題があ
る。しかしながら、絶縁ゲート型トランジスタの平面的
な大きさが小さく、ゲートとソース・ドレイン間の平面
的な重なり(寄生容量)が小さくなるので大画面あるい
は高精細デバイスには適しているとも言えるが、ここで
は詳細な説明は省略する。
【0031】以上述べたようにアクティブ基板の製造工
程は写真食刻工程が通常は6〜7回必要で、7枚マスク
工程と称されるほぼ標準的な製造方法である。液晶パネ
ルの低価格化を実現し、さらなる需要の増大に対応して
いくためにも製造工程数の削減は液晶パネルメーカにと
っては重要な命題で、合理化された通称5枚マスク工程
が導入されようとしている。
【0032】図19は5枚マスクに対応したアクティブ
基板の単位絵素の平面図で、同図のA−A’線上の断面
図を図20に示し、その製造工程を絶縁ゲート型トラン
ジスタに従来のエッチ・ストップ型を採用した場合につ
いて以下に簡単に説明する。なお、走査線11と同時に
形成される蓄積容量線16とドレイン電極21とがゲー
ト絶縁層を介して重なっている領域52(右下がり斜線
部)が蓄積容量15を形成しているが、ここではその詳
細な説明は省略する。
【0033】先ず、従来例と同様に図20(a)に示し
たようにガラス基板2の一主面上に、SPT等の真空製
膜装置を用いて膜厚0.1〜0.3μm程度の第1の金属層と
して例えばCr,Ta,Mo等あるいはそれらの合金や
シリサイドを被着し、微細加工技術により走査線も兼ね
るゲート電極11と蓄積容量線16とを選択的に形成す
る。
【0034】次に、図20(b)に示したようにガラス
基板2の全面にPCVD装置を用いてゲート絶縁層とな
る第1のSiNx(シリコン窒化)層、不純物をほとんど含
まず絶縁ゲート型トランジスタのチャネルとなる第1の
非晶質シリコン(a-Si)層、及びチャネルを保護する絶
縁層となる第2のSiNx層と3種類の薄膜層を、例えば0.
3-0.05-0.1μm程度の膜厚で順次被着して30〜32と
する。
【0035】そして、図20(c)に示したように微細
加工技術によりゲート11上の第2のSiNx層をゲート1
1よりも幅細く選択的に残して32’として第1の非晶
質シリコン層31を露出し、同じくPCVD装置を用い
て全面に不純物として例えば燐を含む第2の非晶質シリ
コン層33を例えば0.05μm程度の膜厚で被着する。
【0036】引き続き、図20(d)に示したようにS
PT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1μm程度の耐熱金
属層として例えばTi薄膜層34を、膜厚0.3μm程度の
低抵抗配線層としてAL薄膜層35を、膜厚0.1μm程度
の中間導電層として例えばTi薄膜層36を順次被着
し、微細加工技術により前記金属層の積層よりなる絶縁
ゲート型トランジスタのドレイン電極21と信号線も兼
ねるソース電極12とを選択的に形成する。この選択的
パターン形成に用いられる感光性樹脂パターンをマスク
としてソース・ドレイン電極間の第2のSiNx層32’上
の第2の非晶質シリコン層33’を除去して第2のSiNx層
32’を露出するとともに、その他の領域では第1の非
晶質シリコン層31をも除去してゲート絶縁層30を露
出する。
【0037】さらに上記感光性樹脂パターンを除去した
後、図20(e)に示したようにガラス基板2の全面に
透明性の絶縁層として、ゲート絶縁層と同様にPCVD
装置を用いて0.3μm程度の膜厚のSiNx層を被着して
パシベーション絶縁層37とし、ドレイン電極21上に
開口部62と画像表示部外の領域で走査線11の電極端
子6が形成される位置に開口部63を形成して走査線1
1の一部分を露出する。同じく図示はしないが画像表部
外の領域で信号線の電極端子5が形成される位置上にも
開口部を形成して信号線12の一部分を露出する。
【0038】最後に図20(f)に示したようにSPT
等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.2μm程度の透明
導電層として例えばITO(Indium-Tin-Oxide)を被着
し、微細加工技術により開口部62を含んでパシベーシ
ョン絶縁層37上に絵素電極22を選択的に形成してア
クティブ基板2として完成する。開口部63内の露出し
ている走査線11の一部を電極端子6としても良く、図
示したように開口部63を含んでパシベーション絶縁層
37上にITOよりなる電極端子6を選択的に形成して
も良い。このように5枚マスク工程は半導体層の島化工
程と、電極端子へのコンタクト形成工程が1回合理化さ
れることで2回の写真食刻工程を削除することができて
いる。また、絵素電極22がアクティブ基板2の最上層
に位置するため、パシベーション絶縁層37を透明性の
樹脂薄膜を用いて例えば 1.5 μm以上に厚く形成してお
けば、絵素電極22が走査線11や信号線12と重なり
合っても静電容量による干渉が小さく画質の劣化が避け
られるので絵素電極22を大きく形成できて開口率が向
上する等の利点も多い。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】アクティブ基板(画像
表示装置用半導体装置)の製作に当たり、必要とされる
解像力は3〜5μm、合わせ精度も3μm程度で十分で
あるが、ガラス基板の大きさが現在550×650または600
×720 mm と極めて大面積であることが最大のネックと
なって、生産設備やクリーンルーム環境から発生する大
小の様々な異物・パーティクルの影響を受けて歩留が高
くならないことが工業上の大きな課題である。
【0040】最近は大画面化と高精細化とが同時に進行
し、かつ階調性もフルカラー表示が要求されるようにな
ると、ごくわずかなの染みや斑までもが不良として取り
扱われるようになり、歩留の向上がますます困難になっ
てきている。
【0041】アクティブ基板2の作製に当たり用いられ
る絶縁層30,37の形成時にも微小な異物・パーティ
クルの影響でピンホールの発生を皆無とすることは不可
能であり、また数回の写真食刻工程において食刻のマス
クとして用いられる感光性樹脂中にピンホールの発生を
皆無とすることにも無理があり、特にゲート絶縁層30
にはPCVD装置の特性としてダスト発生が避けられ
ず、ピンホールまたはゲート絶縁層の欠損が発生し易
い。
【0042】これらのピンホールまたはゲート絶縁層の
欠損は走査線と信号線との間の層間短絡として重大欠陥
をもたらすので、様々な歩留向上のためのプロセスや冗
長設計が加味され、その結果として歩留は向上するが、
アクティブ基板の検査・修正も含めて製造コストが上昇
したり、開口率が低下する等の副作用から免れない。ま
た、歩留課題とは別に走査線上の絶縁層にピンホールが
存在するとアクティブ液晶パネルの走査線11には通常
0〜−(マイナス)数ボルトの電位が与えられ続けるの
で対向電極14(通常のTN系液晶パネル)または40
(IPS型液晶パネル)との間に直流電流が常時流れ続
けることになり、長期間または高温動作時にピンホール
近傍の液晶は加水分解により劣化して褐色から黒色に変
質してしまう不良モードが発生する品質上の課題が指摘
されていた。
【0043】本発明はかかる現状に鑑みなされたもの
で、走査線上(及び共通容量線上または対向電極上)に
形成された絶縁層のピンホールまたは前記絶縁層の欠損
部が絶縁性材料で埋められた液晶画像表示装置を提供す
ることを目的とする。
【0044】
【課題を解決するための手段】走査線上(及び共通容量
線上または対向電極上)に形成された絶縁層のピンホー
ルまたは前記絶縁層の欠損部を絶縁性材料で埋めるため
に本発明では二つの手段を用いている。一つの解決手段
では電着法により絶縁層のピンホール内または前記絶縁
層の欠損部内の走査線上(及び共通容量線上または対向
電極上)に有機性絶縁薄膜を形成している。また二つ目
の解決手段では陽極酸化により良好な絶縁層を形成する
材料を走査線に選び、絶縁層のピンホール内または前記
絶縁層の欠損部内の走査線上(及び共通容量線上または
対向電極上)に陽極酸化膜を形成している。
【0045】請求項1に記載の液晶画像表示装置は、一
主面上に少なくとも複数本の1層以上の金属層よりなり
ゲートも兼ねる走査線と(共通容量線または対向電極
と)、1層以上の絶縁層を介して前記走査線と概ね直交
する複数本の1層以上の金属層よりなる信号線と、走査
線と信号線の交点毎に絶縁ゲート型トランジスタと前記
絶縁ゲート型トランジスタのドレインに接続された絵素
電極とを有する絶縁性基板と、前記絶縁性基板と対向す
る透明性絶縁基板またはカラーフィルタとの間に液晶を
充填してなる液晶画像表示装置において、前記走査線上
(及び共通容量線上または対向電極上)に形成された絶
縁層のピンホールまたは前記絶縁層の欠損部が絶縁性材
料で埋められていることを特徴とする。
【0046】この構成により、走査線と信号線との間で
層間短絡を起こす不良は皆無となり、歩留が向上するだ
けでなく、長期間または高温動作時にも液晶が劣化して
黒ずんでくる品質上の問題も阻止することが可能とな
る。
【0047】請求項2に記載の液晶画像表示装置は、同
じく走査線上(及び共通容量線上または対向電極上)に
形成された絶縁層のピンホール内または前記絶縁層の欠
損部内の前記走査線上(と共通容量線上または対向電極
上と)に有機性絶縁薄膜が形成されていることを特徴と
する。
【0048】この構成により、請求項1に記載された液
晶画像表示装置が有する作用・効果が得られる。
【0049】請求項3に記載の液晶画像表示装置は、同
じく走査線(と共通容量線または対向電極と)が陽極酸
化可能な金属層よりなり、前記走査線上(及び共通容量
線上または対向電極上)に形成された絶縁層のピンホー
ル内または前記絶縁層の欠損部内の前記走査線(と共通
容量線または対向電極と)が陽極酸化されていることを
特徴とする。
【0050】この構成により、請求項1に記載された液
晶画像表示装置が有する作用・効果が得られる。
【0051】請求項4に記載の液晶画像表示装置は、一
主面上に少なくとも複数本の1層以上の金属層よりなり
ゲートも兼ねる走査線と(共通容量線または対向電極
と)、1層以上の絶縁層を介して前記走査線と概ね直交
する複数本の1層以上の金属層よりなる信号線と、走査
線と信号線の交点毎に絶縁ゲート型トランジスタと前記
絶縁ゲート型トランジスタのドレインに接続された絵素
電極とを有する絶縁性基板と、前記絶縁性基板と対向す
る透明性絶縁基板またはカラーフィルタとの間に液晶を
充填してなる液晶画像表示装置において、前記絶縁ゲー
ト型トランジスタを構成する半導体層が1層以上のゲー
ト絶縁層を介してゲートよりも幅細くゲート上に形成さ
れ、前記走査線上(及び共通容量線上または対向電極
上)に形成された絶縁層のピンホールまたは前記絶縁層
の欠損部が絶縁性材料で埋められていることを特徴とす
る。
【0052】この構成により、請求項1に記載された液
晶画像表示装置が有する作用効果に加えて裏面からの光
照射の影響を受けない格別の効果が得られる。
【0053】請求項5に記載の液晶画像表示装置は、同
じく前記絶縁ゲート型トランジスタを構成する半導体層
が1層以上のゲート絶縁層を介してゲートよりも幅細く
ゲート上に形成され、走査線上(及び共通容量線上また
は対向電極上)に形成された絶縁層のピンホール内また
は前記絶縁層の欠損部内の前記走査線上(と共通容量線
上または対向電極上と)に有機性絶縁薄膜が形成されて
いることを特徴とする。
【0054】この構成により、請求項4に記載された液
晶画像表示装置が有する作用・効果が得られる。
【0055】請求項6に記載の液晶画像表示装置は、同
じく前記絶縁ゲート型トランジスタを構成する半導体層
が1層以上のゲート絶縁層を介してゲートよりも幅細く
ゲート上に形成され、走査線(と共通容量線または対向
電極と)が陽極酸化可能な金属層よりなり、前記走査線
上(及び共通容量線上または対向電極上)に形成された
絶縁層のピンホール内または前記絶縁層の欠損部内の前
記走査線(と共通容量線または対向電極と)が陽極酸化
されていることを特徴とする。
【0056】この構成により、請求項4に記載された液
晶画像表示装置が有する作用・効果が得られる。
【0057】請求項7に記載の液晶画像表示装置は、一
主面上に少なくとも複数本の1層以上の導電層よりなる
信号線と、1層以上の絶縁層を介して前記走査線と概ね
直交する複数本の1層以上の金属層よりなる走査線と、
信号線と走査線の交点毎に絶縁ゲート型トランジスタと
前記絶縁ゲート型トランジスタのドレインに接続された
絵素電極とを有する絶縁性基板と、前記絶縁性基板と対
向する透明性絶縁基板またはカラーフィルタとの間に液
晶を充填してなる液晶画像表示装置において、前記信号
線上に形成された絶縁層のピンホールまたは前記絶縁層
の欠損部が絶縁性材料で埋められていることを特徴とす
る。
【0058】この構成により、絶縁ゲート型トランジス
タの構成が異なっても、請求項1に記載された液晶画像
表示装置と同様に、走査線と信号線との間で層間短絡を
起こす不良は皆無となり、歩留が確実に向上する。
【0059】請求項8は請求項1に記載の液晶画像表示
装置の製造方法であって、少なくとも絶縁性基板上の一
主面上に1層以上の金属層よりなり絶縁ゲート型トラン
ジスタのゲートも兼ねる走査線を形成する工程と、1層
以上のゲート絶縁層と不純物を含まない第1の非晶質シ
リコン層と不純物を含む第2の非晶質シリコン層とを被
着する工程と、1層以上の金属層よりなる信号線を形成
する工程と、(透明導電性の)絵素電極を形成する工程
とを有する画像表示装置用半導体装置の製造方法におい
て、信号線の形成前に前記走査線上(及び共通容量線上
または対向電極上)に形成された絶縁層のピンホールま
たは前記絶縁層の欠損部を絶縁性材料で埋める工程を有
することを特徴とする。
【0060】この構成により、走査線と信号線との間で
層間短絡を起こす不良は皆無となり、歩留が向上するだ
けでなく、長期間または高温動作時にも液晶が劣化して
黒ずんでくる品質上の問題も阻止することが可能とな
る。
【0061】請求項9は請求項8に記載の画像表示装置
用半導体装置の製造方法であって、走査線上(及び共通
容量線上または対向電極上)に形成された絶縁層のピン
ホールまたは前記絶縁層の欠損部を絶縁性材料で埋める
工程に先立ち、液晶画像表示装置の画像表示部外の領域
で走査線上(及び共通容量線上または対向電極上)に開
口部を形成して走査線(及び共通容量線または対向電
極)の一部を露出する工程を有することを特徴とする。
【0062】この構成により、従来の製造方法に大幅な
変更を加えることなく本発明の実施が可能となる。
【0063】請求項10は請求項9に記載の画像表示装
置用半導体装置の製造方法であって、露出した走査線
(及び共通容量線または対向電極)の一部を陽極として
電着法により有機性絶縁薄膜を走査線上(及び共通容量
線上または対向電極上)に形成された絶縁層のピンホー
ル内または前記絶縁層の欠損部内の走査線上(及び共通
容量線上または対向電極上)に形成することを特徴とす
る。
【0064】請求項11も請求項9に記載の画像表示装
置用半導体装置の製造方法であって、走査線(と共通容
量線または対向電極)が陽極酸化可能な金属層よりな
り、露出した走査線(及び共通容量線または対向電極)
の一部を陽極として陽極酸化により絶縁層を走査線上
(及び共通容量線上または対向電極上)に形成された絶
縁層のピンホール内または前記絶縁層の欠損部部内の走
査線上(及び共通容量線上または対向電極上)に形成す
ることを特徴とする。
【0065】請求項12は請求項8に記載の画像表示装
置用半導体装置の製造方法であって、走査線(及び共通
容量線または対向電極)の一部を露出するため、1層以
上のゲート絶縁層と不純物を含まない第1の非晶質シリ
コン層と不純物を含む第2の非晶質シリコン層とを被着
する工程がマスク製膜で行われることを特徴とする。
【0066】この構成により、走査線(及び共通容量線
または対向電極)の一部を露出するための製造工程を簡
素化することができ、コンタクト形成前に信号線が形成
される5枚マスクプロセスにおいても本発明の実施が可
能となる。
【0067】請求項13は請求項12に記載の画像表示
装置用半導体装置の製造方法であって、マスク製膜で露
出した走査線(及び共通容量線または対向電極)の一部
を陽極として電着法により有機性絶縁薄膜を走査線上
(及び共通容量線上または対向電極上)に形成された絶
縁層のピンホール内または前記絶縁層の欠損部内の走査
線上(及び共通容量線上または対向電極上)に形成する
ことを特徴とする。
【0068】請求項14も請求項12に記載の画像表示
装置用半導体装置の製造方法であって、走査線(と共通
容量線または対向電極)が陽極酸化可能な金属層よりな
り、マスク製膜で露出した走査線(及び共通容量線また
は対向電極)の一部を陽極として陽極酸化により絶縁層
を走査線上(及び共通容量線上または対向電極上)に形
成された絶縁層のピンホール内または前記絶縁層の欠損
部内の走査線上(及び共通容量線上または対向電極上)
に形成することを特徴とする。
【0069】請求項15は請求項4に記載の液晶画像表
示装置の製造方法であって、少なくとも絶縁性基板上の
一主面上に1層以上の金属層よりなり絶縁ゲート型トラ
ンジスタのゲートも兼ねる走査線を形成する工程と、1
層以上のゲート絶縁層と不純物を含まない第1の非晶質
シリコン層と不純物を含む第2の非晶質シリコン層とを
被着する工程と、1層以上の金属層よりなる信号線を形
成する工程と、(透明導電性の)絵素電極を形成する工
程とを有する画像表示装置用半導体装置の製造方法にお
いて、絶縁ゲート型トランジスタを構成する半導体層が
1層以上のゲート絶縁層を介してゲートよりも幅細くゲ
ート上に形成される工程と、信号線の形成前に前記走査
線上(及び共通容量線上または対向電極上)に形成され
た絶縁層のピンホールまたは前記絶縁層の欠損部を絶縁
性材料で埋める工程を有することを特徴とする。
【0070】請求項16は請求項7に記載の液晶画像表
示装置の製造方法であって、少なくとも絶縁性基板上の
一主面上に1層以上の導電層よりなる絶縁ゲート型トラ
ンジスタのソース(信号線)・ドレイン配線を形成する
工程と、不純物を含む第2の非晶質シリコン層と不純物
を含まない第1の非晶質シリコン層と1層以上のゲート
絶縁層とを被着する工程と、1層以上の金属層よりなり
ゲートも兼ねる走査線を形成する工程と、(透明導電性
の)絵素電極を形成する工程とを有する画像表示装置用
半導体装置の製造方法において、走査線の形成前に前記
ソース(信号線)・ドレイン配線上に形成された絶縁層
のピンホールまたは前記絶縁層の欠損部を絶縁性材料で
埋める工程を有することを特徴とする。
【0071】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1〜図10
に基づいて説明する。図1と図2は本発明の第1の実施
形態に係る画像表示装置用半導体装置の平面図と断面図
を示し、図3は基板内選択的電気化学処理装置の構成図
を示す。以下、図4と図5は本発明の第2の実施形態に
係る画像表示装置用半導体装置の平面図と断面図を、図
6と図7は本発明の第3の実施形態に係る画像表示装置
用半導体装置の平面図と断面図を、図8は本発明の第4
の実施形態に係る画像表示装置用半導体装置の平面図
を、図9と図10は本発明の第5の実施形態に係る画像
表示装置用半導体装置の平面図と断面図を示す。なお、
従来例と同一の部位については同一の符号を付して詳細
な説明は省略する。
【0072】図1と図2を参照しながら本発明の第1の
実施形態について説明する。図1は図14に示した画像
表示装置用半導体装置(アクティブ基板)と同一の平面
図であり、同図のB−B’線上の断面図を図2に示す。
走査線11と信号線12との交差領域のゲート絶縁層3
0に微小なピンホール44が生じていても、走査線11
を陽極として電着法により有機性絶縁薄膜をピンホール
内に形成してピンホールを埋める技術が本発明のポイン
トであり、ゲート絶縁層30と第1の非晶質シリコン層
31及びエッチストップ層32の製膜後、またはコンタ
クト形成後に、あるいは信号線12の形成前の、何れの
工程でも実施可能であるが、微細加工の度にアクティブ
基板上にピンホールが発生することを考慮すると信号線
12の形成前が最適である。
【0073】走査線11を陽極として電着を行うために
は、走査線11の一部がアクティブ基板2上で露出して
いる必要があり、従来の製造方法ではコンタクト形成工
程で走査線11の一部が画像表示部外の領域で端子電極
を形成するために露出されるので、この露出した走査線
11に適当な手段を用いて直流電源より+(プラス)の
電位を与えれば良い。図2(d)は図15(d)に示し
たコンタクト形成後の断面図であり、ゲート絶縁層30
に微小なピンホール44が形成されている。しかしなが
ら、アクティブ基板2を電着液中に放置して露出してい
る走査線の一部に電位を与えながら、同時に露出してい
る走査線の一部に有機性絶縁薄膜の形成を阻止するため
には適当なマスク手段が必要となり、そのために例えば
感光性樹脂パターンの形成工程や除去工程が増加するの
では製造コストの増大を招くので、本発明者が先願例、
特願2000-107577 で開示した図3に示した基板内選択
的電気化学処理装置を用いるのが合理的である。
【0074】基板内選択的電気化学処理装置は、その一
端にO(オー)リング91を埋め込んだ枠状または枡状
容器92を基板ステージ90上の絶縁基板2に押し付
け、枠状または枡状容器92内に陰極板94を配置し、
絶縁基板2と陰極板94との間隙を処理空間とするもの
で、絶縁基板2全体を化学処理液中に浸す必要がないこ
とが特徴である。走査線11の端子電極形成位置に形成
された開口部を通じて液晶パネルの実装工程と同様に適
当な導電性金属板66を導電性媒体であるACF67を
介して露出した走査線11の一部に押し付けて導電性金
属板66に直流電源95より+(プラス)電位を、電極
板94に直流電源より−(マイナス)電位を与えて電着
を行う。図3では4面付けされたデバイス配置が示され
ており、走査線11を並列にまとめて接続した端子97
を形成しておき、端子97に直流電源95より+(プラ
ス)電位を与えて電着を行っても良い。このように、枠
状容器92とオーリング91の大きさを適宜設定するこ
とと、電着したい複数の電極線(走査線または共通容量
線あるいは対向電極)をまとめた端子97または電極線
を電気的にまとめる機構を枠状容器92より外周側に設
置することでガラス基板2内を選択的に電気化学処理す
ることが可能である。有機性絶縁薄膜の形成方法につい
ては文献である電学論C 112巻12号、平成4年に
も記載されているように、ポリアミック酸塩を0.01%程
度含む溶液を電着液93として電着を行えば、図2
(d’)に示したようにピンホール44内をポリイミド
層71で埋めることができる。電着電圧は数V程度でポ
リイミド層71の厚みをゲート絶縁層30の厚みよりも
わずかに厚く0.4 μm程度とするのは容易である。ポリ
イミド層71の形成後は、好ましくは200〜300℃、数分
〜数10分の熱処理を施してポリイミド層71の絶縁特性
と耐薬品性とを高めると良いが、必要とされる絶縁特性
は絶縁ゲート型トランジスタの耐熱性と液晶材料の組成
によって支配されるので、加熱条件は実験的に決めれば
良い。
【0075】走査線11と信号線12との交差領域に生
じた微小なピンホール44を有機性絶縁薄膜71で埋め
た後は、従来の製造方法と同じく図2(e)に示したよ
うに信号線12の形成工程と、図2(f)に示したよう
にパシベーション絶縁層37の形成が行われ、本発明の
第1の実施形態が終了する。
【0076】次に、図4と図5を参照しながら本発明の
第2の実施形態について説明する。図4は図17に示し
た画像表示装置用半導体装置(アクティブ基板)と同一
の平面図であり、同図のA−A’線上の断面図を図5に
示す。ゲート絶縁層30、第1の非晶質シリコン層31
及び第2の非晶質シリコン層33の製膜後またはコンタ
クト形成後あるいは信号線12の形成前に、ゲート11
と信号線12またはドレイン電極21との交差領域、す
なわち絶縁ゲート型トランジスタの形成領域に上記薄膜
の欠損部45が生じてゲート11の一部が露出していて
も、ゲート11を陽極として陽極酸化して絶縁化するこ
とが可能であり、そのためにはゲート11の表面は陽極
酸化によって良好な絶縁層を形成するようなTa,AL
合金,あるいはシリサイド等であればよく、ゲート11
は必要に応じてこれらの材料を適宜、単層または積層で
構成すれば良い。例えば、AL(Zr,Ta)合金等の単層構成
あるいはAL/Ta,Ta/AL/Ta,Ti/AL/Ta ,Ti/AL(Zr,Ta)合
金,AL/AL(Zr,Ta)合金等の積層構成が選択可能である。
なおAL(Zr,Ta) は数%以下のZr,Ta等が添加されたAL合
金を意味している。陽極酸化層の厚みを大きく、例えば
0.3 μm程度に設定するならば、ALの上に0.1 μm程
度のTiが積層されていても、Tiに加えてALまでも
陽極酸化されるのでTi/AL/ Ti 構成でも支障無く、適用
可能な材料の範囲を広げることが可能となる。
【0077】ゲート11を陽極として陽極酸化を行うた
めには、走査線11の一部がアクティブ基板2上で露出
している必要があり、従来の製造方法ではコンタクト形
成工程で走査線の一部が画像表示部外の領域で端子電極
を形成するために露出されるので、この露出した走査線
に適当な手段を用いて直流電源より+(プラス)の電位
を与えれば良く、また先述したように図3に示した基板
内選択的電気化学処理装置を用いるのが合理的である。
図5(c)は図18(d)に示したコンタクト形成後の
断面図である。ゲート絶縁層30に欠損部45が形成さ
れゲート11の一部が露出している。蓚酸またはエチレ
ングリコール等の化成液93を選択し、走査線11に+
(プラス)電位を、また高純度SUSよりなる電極板9
4あるいは貴金属をコートされたSUS板94に−(マ
イナス)電位を与えれば、図5(c’)に示したように
ゲート絶縁層30の欠損部45内のゲート11は陽極酸
化されて上記した走査線材料の場合、夫々陽極酸化層7
2であるTa2O5,AL2O3,SiO2が形成される。化成電圧は
100〜200Vで陽極酸化層72の厚みは0.2〜0.5μmとな
り、ゲート絶縁層30と同等の十分な絶縁耐圧を付与す
ることができる。
【0078】ゲート11と信号線12またはドレイン電
極21との交差領域に生じたゲート絶縁層30を含む薄
膜の欠損部45内のゲート11を陽極酸化で絶縁化した
後は従来の製造方法と同じく、図5(d)に示したよう
に信号線12及びドレイン電極21(対向電極41)の
形成工程と、図5(e)に示したようにパシベーション
絶縁層37の形成が行われて本発明の第2の実施形態が
終了する。
【0079】次に図6と図7を参照しながら本発明の第
3の実施形態について説明する。第3の実施形態では第
2の実施形態と同様にIPS型液晶パネルを構成するア
クティブ基板で、絶縁ゲート型トランジスタはチャネル
・エッチで作製している。従来例で説明したように絶縁
ゲート型トランジスタのチャネルを構成する1の非晶質
シリコン層はゲート絶縁層上にゲートよりも幅太く形成
される。その主な理由は第1の非晶質シリコン層の厚み
はチャネルエッチ型でも高々0.2 μmしかないが、ゲー
ト絶縁層とともに走査線と信号線との間の絶縁耐圧を高
め歩留の向上に大きく寄与するからである。ところが、
アクティブ基板の裏面からの光源光がゲートよりはみ出
している領域で反射してチャネル部に入射する現象があ
り(光導電現象)、明るい画像を得るために光源光の強
度を上げる時に問題となる。これに対して、第3の実施
例では島状の半導体層31”,33”を図6と図7に示
したようにゲート11よりも幅細く形成しているため、
光源光の影響を殆ど受けなくすることができる。このよ
うな構成が可能となる理由は、本発明ではゲート11上
の絶縁層30のピンホールまたは欠損部が絶縁性薄膜で
埋められているため、原理的にゲート11と信号線12
あるいはドレイン電極21との間で短絡を起こさないか
らである。
【0080】島状の半導体層31”,33”をゲート1
1よりも幅細く形成するためには、マスク露光によるア
クティブ基板2上からの紫外線照射では合せ精度を確保
することが困難であるので、裏面露光による自己整合的
なパターン形成の併用が合理的であろう。ただし、エッ
チストップ型の絶縁ゲート型トランジスタでは半導体層
の厚みが0.1 μmと薄く裏面露光が比較的容易に行える
が、図17と図18に示したチャネルエッチ型の絶縁ゲ
ート型トランジスタを採用した第3の実施形態では半導
体層の厚みが0.2〜0.3 μm と厚くなるので、裏面露光
の照射電力を大きくするか照射時間を長くする必要があ
る。
【0081】第3の実施形態と第1及び第2の実施形態
との差異は、島状の半導体層がゲートよりも幅細く形成
されているだけであり、アクティブ基板の製造方法はゲ
ートに形成された絶縁層のピンホールまたは前記絶縁層
の欠損部を絶縁性材料で埋める工程が付加される以外は
従来例と同一なので、第3の実施形態の詳細な説明は省
略する。
【0082】第4の実施形態は走査線の一部を選択的に
露出する製造方法に関するものである。従来例でも述べ
たように5枚マスクプロセスではコンタクト形成前に信
号線が形成されるので、信号線と重なる領域のゲート上
の絶縁層に形成されたピンホールまたは欠損部を埋める
ことができない。そこで本発明ではゲート絶縁層(と半
導体層と)の製膜時に、適当なマスクを用いたマスク製
膜により走査線の一部上を露出した状態を確保するもの
である。しかしながら、走査線の端子電極の位置はデバ
イス毎に異なるので、製造ラインで生産品種毎にマスク
を切り換える操作が必要となり、PCVD装置のような
加熱機構を備えた真空製膜装置ではマスク交換の度に降
温、交換、昇温(真空排気)と一連の段取り作業の間
(多くの場合、半日以上必要)は生産ができず、稼働率
に大きく影響を及ぼす。そこで図8に示したように、走
査線11を直列または並列に束ねた配線路80をデバイ
ス毎に形成し、さらにその配線路80を接続する接続配
線81を配置して、接続配線81の先端部82のみをア
クティブ基板2の外周部の適当な位置に配置してマスク
製膜で露出状態を確保するようにすると好都合である。
先端部82の大きさは数 mm もあれば十分であり、ア
クティブ基板2の外周部に最低1個配置すれば良いの
で、先端部82の位置を決めておけば作製されるデバイ
ス毎にマスク製膜のためのマスク交換を不要とすること
ができる。もちろん、走査線11を並列に束ねた配線路
80はアクティブ基板2として完成した状態での電気検
査時または液晶画像表示装置として動作させる場合には
適当な手段、例えばレーザ等の高エネルギ光で蒸散させ
て、面付けされたデバイス毎に端子電極を分離する必要
がある。
【0083】走査線11を並列に束ねた配線の先端部8
2のみを露出したアクティブ基板2に対しても、ゲート
上のゲート絶縁層内のピンホールまたは欠損部を電着法
による有機絶縁薄膜で埋めたり、陽極酸化可能な走査線
材を用いてゲート上のゲート絶縁層内のピンホールまた
は欠損部内のゲートの表面に陽極酸化による絶縁層を形
成して歩留を上げる実施の形態については詳細な説明は
省略するが、先述したような基板内選択的電気化学処理
装置を用いなくても、先端部82のみを液面より露出さ
せて、アクティブ基板を処理薬液中に浸して電着あるい
は陽極酸化を行う通常の化学処理装置を用いることも可
能である。また、図示はしないが走査線11の他に、走
査線11と同時に形成される共通容量線16あるいはI
PS型液晶パネルの場合の対向電極40についても同様
に、それらの電極線を束ねた配線の先端部をマスク製膜
で保護しておくことは言うまでもないだろう。あるいは
それらの電極線を束ねた配線を先述した走査線の先端部
82に接続しておいても良い。
【0084】第5の実施形態は絶縁ゲート型トランジス
タのゲートとソース・ドレインの上下関係が今まで述べ
てきたボトムゲート型とは逆のトップゲート型トランジ
スタに関するものであり、図9と図10を参照しながら
説明する。
【0085】図9に示した画像表示装置用半導体装置は
以下に記載する製造工程によって得られる。先ず、図1
0(a)に示したように、絶縁性基板上にスパッタ等の
真空製膜装置を用いて全面に透明導電層100と第1の
金属層101、例えばCr,Ta,Mo等を夫々0.1〜
0.3μm程度の膜厚で被着し、引き続きPCVD装置を用
いて不純物を含む第2の非晶質シリコン層33を0.05
μm程度の膜厚で被着した後、微細加工技術によりこれ
ら3種類の薄膜の積層よりなるソース・ドレイン配線1
2,21を選択的に形成する。
【0086】次に、図10(b)に示したように全面に
不純物を含まない第1の非晶質シリコン層31を0.1μm
程度の膜厚で被着し、微細加工技術によりソース・ドレ
イン配線間を含んで第1と第2の非晶質シリコン層を島
状31’,33’に形成する。この時、過食刻により島
状領域外の不純物を含む第2の非晶質シリコン層33は
除去され、ソース・ドレイン配線12’,21’は透明
導電層100’と第1の金属層101’との積層で構成
される。
【0087】さらに、図10(c)に示したようにPC
VD装置を用いて全面にゲート絶縁層30を被着した
後、微細加工技術により図示はしないが信号線12’の
先端部上に開口部を形成して第1の金属層を露出する。
ここでは絶縁ゲート型トランジスタの信号線12’上の
絶縁層30にピンホール44が発生しているとする。
【0088】信号線12の一部が露出した時点で、先述
した基板内選択的電気化学処理装置を用いて本発明では
ソース・ドレイン配線12’,21’上のゲート絶縁層
30のピンホール44または欠損部を絶縁性材料で埋め
る工程が付加される。この時、アクティブ基板2に強い
光を照射して不純物を含まない第1の非晶質シリコン層
31’の導電率を高めておくと電着で有機絶縁薄膜71
を形成することができる。あるいは陽極酸化によりピン
ホール33内の第2の非晶質シリコン層33’さらには
第1の非晶質シリコン層31’の一部をも含んで絶縁体
である酸化シリコン層を形成することもできる。
【0089】もちろん、ソース・ドレイン配線12’,
21’上の第1と第2の非晶質シリコン層31’,3
3’及びゲート絶縁層30を貫通するように形成された
ピンホールまたは欠損部を絶縁性材料で埋めることも可
能である。ただしそのような場合、有機性絶縁薄膜の電
着による形成は走査線材料を選ばないが、陽極酸化によ
る走査線表面の絶縁化のためには先述したように、少な
くとも第1の金属層はCrではなく陽極酸化可能なTa
あるいはAL合金もしくはシリサイドをその表面に有す
ることが必要である。
【0090】第1の非晶質シリコン層31とゲート絶縁
層30の製膜時に適当なマスクを用いたマスク製膜によ
っても信号線12の一部を露出させておくことも可能で
あるが、この場合には信号線12を並列に接続する配線
路を形成しておくと品種切り換えの度にマスクを交換す
る必要が無くなることと、後工程でこの配線路を切断し
て信号線を分離する必要があることは既に述べた通りで
ある。
【0091】ソース・ドレイン配線12’,21’上の
ゲート絶縁層30のピンホール44または欠損部を絶縁
性材料で埋めた後、図10(d)に示したように、全面
にスパッタ等の真空製膜装置を用いて例えば、0.1〜0.3
μm程度の膜厚のアルミニウムを被着し、微細加工技術
によりソース・ドレイン配線間上にゲート配線11を選
択的に形成する。この時、図示はしないが信号線12’
の先端部の開口部を含んで信号線の端子電極も形成され
る。
【0092】最後にPCVD装置を用いて全面にパシベ
ーション絶縁層37を被着し、図10(e)に示したよ
うに微細加工技術により画素内の絵素電極形成領域に開
口部38と、走査線11と信号線12’の端子電極上に
開口部を形成する。そして、パシベーション絶縁層37
とゲート絶縁層30を食刻した後、開口部38内の第1
の金属層101’を除去して透明導電層100’を露出
すれば、これが絵素電極22となる透過型の画像表示装
置用半導体装置が得られ、本発明の第5の実施例が終了
する。
【0093】なお、トップゲート型トランジスタのソー
ス・ドレイン配線は上記したように透明導電層と金属層
との積層である必要は無く透明導電層のみで構成するこ
とも可能である。その場合ソース・ドレイン配線の低抵
抗化は、例えばトップゲート型トランジスタの光シール
ド電極と同時に形成される金属配線層をソース・ドレイ
ン配線に並列に構成する等の構成が知られている。その
ような意味でソース・ドレイン電極は他の実施形態のよ
うに必ずしも金属層である必要はなく、導電層で構成さ
れる表現で何ら支障はない。
【0094】
【発明の効果】以上述べたように本発明に記載の液晶画
像表示装置及び画像表示装置用半導体装置の製造方法に
よれば、走査線(または信号線)上のゲート絶縁層に形
成されたピンホールまたは欠損部が絶縁性材料で埋めら
れるので、ゲート絶縁層を介して形成される信号線(ま
たは走査線)との間で層間短絡を生じることが皆無とな
り、製造歩留が確実に向上する。
【0095】次に、走査線上のゲート絶縁層にピンホー
ルまたは欠損部が存在しないので、長時間あるいは高温
動作時にも液晶が劣化して褐色の染みや斑が発生する信
頼性上の課題も同時に解決し、ロスコストの削減とエー
ジング試験に関わる設備費と維持費の低減効果には著し
いものが得られる。
【0096】さらに、ゲート上の半導体層をゲートより
も幅細く形成した液晶画像表示装置では、裏面光源光の
影響を受けることが少なく、裏面光源光の強度を上げて
明るい画像を得ることが用意となり、例えば投射型の液
晶画像表示装置等には極めて有効である。
【0097】なお、本発明の要件は上記の説明からも明
らかなように走査線(信号線)上の絶縁層に形成された
ピンホールまたは欠損部を絶縁性材料で埋めて不活性化
する点にあり、それ以外の構成に関して絶縁ゲート型ト
ランジスタ、信号線及びゲート絶縁層等の材質や膜厚等
が異なった画像表示装置用半導体装置、あるいはその製
造方法の差異も本発明の範疇に属することは自明であ
り、絶縁ゲート型トランジスタの半導体層も非晶質シリ
コンに限定されるものでないことも明らかである。ま
た、理解を容易とするため主として走査線のみについて
説明してきたが、走査線と同時に形成される共通容量線
や対向電極に対しても本発明が適用されてことは言うま
でもないことである。さらに、透明導電性の絵素電極を
必要としないIPS型の液晶画像表示装置においても、
あるいは反射型の液晶画像表示装置においても本発明の
有効性は損なわれるものではないことを補足しておく。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の平面図
【図2】本発明の第1の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の断面図
【図3】基板内選択的電気化学処理装置の斜視図
【図4】本発明の第2の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の平面図
【図5】本発明の第2の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の断面図
【図6】本発明の第3の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の平面図
【図7】本発明の第3の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の断面図
【図8】本発明の第4の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の平面図
【図9】本発明の第5の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の平面図
【図10】本発明の第5の実施形態にかかる画像表示装
置用半導体装置の断面図
【図11】液晶パネルの実装状態を示す斜視図
【図12】液晶パネルの等価回路図
【図13】従来の液晶パネルの断面図
【図14】従来例のアクティブ基板の平面図
【図15】従来例のアクティブ基板の製造工程断面図
【図16】IPS方式の液晶パネルの断面図
【図17】IPS方式のアクティブ基板の平面図
【図18】IPS方式のアクティブ基板の製造工程断面
【図19】合理化されたアクティブ基板の平面図
【図20】合理化されたアクティブ基板の製造工程断面
【符号の説明】
1 液晶パネル 2 アクティブ基板(ガラス基板) 3 半導体集積回路チップ 4 TCPフィルム 5,6 端子電極 9 カラーフィルタ(対向するガラス基板) 10 絶縁ゲート型トランジスタ 11 走査線(ゲート) 12 信号線(ソース配線、ソース電極) 16 共通容量線 17 液晶 19 偏光板 20 配向膜 21 ドレイン電極 22 (透明導電性)絵素電極 24 ブラックマトリクス(BM) 30 ゲート絶縁層(第1のSiNx層) 31 不純物を含まない(第1の)非晶質シリコン層 32 エッチング・ストッパ層(第2のSiNx層) 33 不純物を含む(第2の)非晶質シリコン層 34 耐熱バリア金属層(Ti) 35 低抵抗金属層(AL) 37 パシベーション絶縁層 38 絵素電極上のパシベーション絶縁層に形成された
開口部 40 (IPS液晶パネルの)対向電極 41(21) (IPS液晶パネルの)絵素電極 44 ピンホール 45 絶縁層の欠損部 71 有機性絶縁薄膜 72 (走査線の)陽極酸化層 80 (走査線11を直列または並列に束ねた)配線路 82 接続線路の先端部 90 基板ステージ 91 Oリング 92 枠状または枡条容器 93 薬液(化成液あるいは電着液) 94 陰極(板) 95 直流電源 96 電流計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/336 H01L 29/78 617W 619A Fターム(参考) 2H092 GA14 JA24 JA36 JA40 JB05 JB56 JB57 KA05 KA12 KA18 MA08 MA11 MA24 MA37 MA42 NA16 NA27 NA29 PA08 QA07 5C094 AA10 AA42 AA44 BA03 BA43 CA19 CA24 DA14 DA15 DB04 EA04 EA07 EB02 ED03 ED14 FB12 FB14 FB15 5F110 AA26 BB01 CC05 CC07 DD02 EE03 EE04 EE05 EE06 EE14 EE15 EE44 FF24 FF30 GG02 GG15 GG24 GG25 GG35 HK04 HK09 HK16 HK21 HK33 HK35 HK42 NN02 NN72 QQ12 5G435 AA00 AA03 AA17 BB12 BB15 BB16 EE33 HH12 HH13 HH14 KK05

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一主面上に少なくとも複数本の1層以上の
    金属層よりなりゲートも兼ねる走査線と、1層以上の絶
    縁層を介して前記走査線と概ね直交する複数本の1層以
    上の金属層よりなる信号線と、走査線と信号線の交点毎
    に絶縁ゲート型トランジスタと前記絶縁ゲート型トラン
    ジスタのドレインに接続された絵素電極とを有する絶縁
    性基板と、前記絶縁性基板と対向する透明性絶縁基板ま
    たはカラーフィルタとの間に液晶を充填してなる液晶画
    像表示装置において、 前記走査線上に形成された絶縁層のピンホールまたは前
    記絶縁層の欠損部が絶縁性材料で埋められていることを
    特徴とする液晶画像表示装置。
  2. 【請求項2】走査線上に形成された絶縁層のピンホール
    内または前記絶縁層の欠損部内の前記走査線上に有機性
    絶縁薄膜が電着形成されていることを特徴とする請求項
    1に記載の液晶画像表示装置。
  3. 【請求項3】走査線が陽極酸化可能な金属層よりなり、
    前記走査線上に形成された絶縁層のピンホール内または
    前記絶縁層の欠損部内の前記走査線が陽極酸化されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の液晶画像表示装
    置。
  4. 【請求項4】一主面上に少なくとも複数本の1層以上の
    金属層よりなりゲートも兼ねる走査線と、1層以上の絶
    縁層を介して前記走査線と概ね直交する複数本の1層以
    上の金属層よりなる信号線と、走査線と信号線の交点毎
    に絶縁ゲート型トランジスタと前記絶縁ゲート型トラン
    ジスタのドレインに接続された絵素電極とを有する絶縁
    性基板と、前記絶縁性基板と対向する透明性絶縁基板ま
    たはカラーフィルタとの間に液晶を充填してなる液晶画
    像表示装置において、 前記絶縁ゲート型トランジスタを構成する半導体層が1
    層以上のゲート絶縁層を介してゲートよりも幅細くゲー
    ト上に形成され、 前記走査線上に形成された絶縁層のピンホールまたは前
    記絶縁層の欠損部が絶縁性材料で埋められていることを
    特徴とする液晶画像表示装置。
  5. 【請求項5】走査線上に形成された絶縁層のピンホール
    内または前記絶縁層の欠損部内の前記走査線上に有機性
    絶縁薄膜が電着形成されていることを特徴とする請求項
    4に記載の液晶画像表示装置。
  6. 【請求項6】走査線が陽極酸化可能な金属層よりなり、
    前記走査線上に形成された絶縁層のピンホール内または
    前記絶縁層の欠損部内の前記走査線が陽極酸化されてい
    ることを特徴とする請求項4に記載の液晶画像表示装
    置。
  7. 【請求項7】一主面上に少なくとも複数本の1層以上の
    導電層よりなる信号線と、1層以上の絶縁層を介して前
    記走査線と概ね直交する複数本の1層以上の金属層より
    なる走査線と、信号線と走査線の交点毎に絶縁ゲート型
    トランジスタと前記絶縁ゲート型トランジスタのドレイ
    ンに接続された絵素電極とを有する絶縁性基板と、前記
    絶縁性基板と対向する透明性絶縁基板またはカラーフィ
    ルタとの間に液晶を充填してなる液晶画像表示装置にお
    いて、 前記信号線上に形成された絶縁層のピンホールまたは前
    記絶縁層の欠損部が絶縁性材料で埋められていることを
    特徴とする液晶画像表示装置。
  8. 【請求項8】少なくとも絶縁性基板上の一主面上に1層
    以上の金属層よりなり絶縁ゲート型トランジスタのゲー
    トも兼ねる走査線を形成する工程と、1層以上のゲート
    絶縁層と不純物を含まない第1の非晶質シリコン層と不
    純物を含む第2の非晶質シリコン層とを被着する工程
    と、1層以上の金属層よりなる信号線を形成する工程
    と、絵素電極を形成する工程とを有する画像表示装置用
    半導体装置の製造方法において、信号線の形成前に前記
    走査線上に形成された絶縁層のピンホールまたは前記絶
    縁層の欠損部を絶縁性材料で埋める工程を有することを
    特徴とする画像表示装置用半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】走査線上に形成された絶縁層のピンホール
    または前記絶縁層の欠損部を絶縁性材料で埋める工程に
    先立ち、液晶画像表示装置の画像表示部外の領域で走査
    線上に開口部を形成して走査線の一部を露出する工程を
    有することを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置
    用半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】露出した走査線の一部を陽極として電着
    法により有機性絶縁薄膜を走査線上に形成された絶縁層
    のピンホール内または前記絶縁層の欠損部内の走査線上
    に形成することを特徴とする請求項9に記載の画像表示
    装置用半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】走査線が陽極酸化可能な金属層よりな
    り、露出した走査線の一部を陽極として陽極酸化により
    絶縁層を走査線上に形成された絶縁層のピンホールまた
    は前記絶縁層の欠損部部内の走査線上に形成することを
    特徴とする請求項9に記載の画像表示装置用半導体装置
    の製造方法。
  12. 【請求項12】走査線の一部を露出するため、1層以上
    のゲート絶縁層と不純物を含まない第1の非晶質シリコ
    ン層と不純物を含む第2の非晶質シリコン層とを被着す
    る工程がマスク製膜で行われることを特徴とする請求項
    8に記載の画像表示装置用半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】マスク製膜で露出した走査線の一部を陽
    極として電着法により有機性絶縁薄膜を走査線上に形成
    された絶縁層のピンホールまたは前記絶縁層の欠損部部
    内の走査線上に形成することを特徴とする請求項12に
    記載の画像表示装置用半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】走査線が陽極酸化可能な金属層よりな
    り、マスク製膜で露出した走査線の一部を陽極として陽
    極酸化により絶縁層を走査線上に形成された絶縁層のピ
    ンホールまたは前記絶縁層の欠損部部内の走査線上に形
    成することを特徴とする請求項12に記載の画像表示装
    置用半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】少なくとも絶縁性基板上の一主面上に1
    層以上の金属層よりなり絶縁ゲート型トランジスタのゲ
    ートも兼ねる走査線を形成する工程と、1層以上のゲー
    ト絶縁層と不純物を含まない第1の非晶質シリコン層と
    不純物を含む第2の非晶質シリコン層とを被着する工程
    と、1層以上の金属層よりなる信号線を形成する工程
    と、絵素電極を形成する工程とを有する画像表示装置用
    半導体装置の製造方法において、絶縁ゲート型トランジ
    スタを構成する半導体層が1層以上のゲート絶縁層を介
    してゲートよりも幅細くゲート上に形成される工程と、
    信号線の形成前に前記走査線上に形成された絶縁層のピ
    ンホールまたは前記絶縁層の欠損部を絶縁性材料で埋め
    る工程とを有することを特徴とする画像表示装置用半導
    体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】少なくとも絶縁性基板上の一主面上に1
    層以上の導電層よりなる絶縁ゲート型トランジスタのソ
    ース・ドレイン配線を形成する工程と、不純物を含む第
    2の非晶質シリコン層と不純物を含まない第1の非晶質
    シリコン層と1層以上のゲート絶縁層とを被着する工程
    と、1層以上の金属層よりなりゲートも兼ねる走査線を
    形成する工程と、絵素電極を形成する工程とを有する画
    像表示装置用半導体装置の製造方法において、走査線の
    形成前に前記ソース・ドレイン配線上に形成された絶縁
    層のピンホールまたは前記絶縁層の欠損部を絶縁性材料
    で埋める工程を有することを特徴とする画像表示装置用
    半導体装置の製造方法。
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