JP3536762B2 - 液晶画像表示装置と画像表示装置用半導体装置の製造方法 - Google Patents

液晶画像表示装置と画像表示装置用半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラー画像表示機能
を有する液晶画像表示装置、とりわけアクティブ型の液
晶画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の微細加工技術、液晶材料技術およ
び高密度実装技術等の進歩により、5〜50cm対角の液
晶パネルでテレビジョン画像や各種の画像表示機器が商
用ベースで大量に提供されている。また、液晶パネルを
構成する2枚のガラス基板の一方にRGBの着色層を形
成しておくことによりカラー表示も容易に実現してい
る。特にスイッチング素子を絵素毎に内蔵させた、いわ
ゆるアクティブ型の液晶パネルではクロストークも少な
くかつ高速応答で高いコントラスト比を有する画像が保
証されている。
【0003】これらの液晶画像表示装置(液晶パネル)
は走査線としては200〜1200本、信号線としては200〜16
00本程度のマトリクス編成が一般的であるが、最近は表
示容量の増大に対応すべく大画面化と高精細化とが同時
に進行している。
【0004】図12は液晶パネルへの実装状態を示し、
液晶パネル1を構成する一方の透明性絶縁基板、例えば
ガラス基板2上に形成された走査線の電極端子群6に駆
動信号を供給する半導体集積回路チップ3を導電性の接
着剤を用いて接続するCOG(Chip-On-Glass)方式
や、例えばポリイミド系樹脂薄膜をベースとし、金また
は半田メッキされた銅箔の端子(図示せず)を有するT
CPフィルム4を信号線の電極端子群5に導電性媒体を
含む適当な接着剤で圧接して固定するTCP(Tape-Car
rier-Package)方式などの実装手段によって電気信号が
画像表示部に供給される。ここでは便宜上二つの実装方
式を同時に図示しているが実際には何れかの方式が適宜
選択されることは言うまでもない。
【0005】7、8は液晶パネル1のほぼ中央部に位置
する画像表示部と信号線および走査線の電極端子5,6
との間を接続する配線路で、必ずしも電極端子群5,6
と同一の導電材で構成される必要はない。9は全ての液
晶セルに共通する透明導電性の対向電極を対向面上に有
するもう1枚の透明性絶縁基板である対向ガラス基板ま
たはカラーフィルタである。
【0006】図13はスイッチング素子として絶縁ゲー
ト型トランジスタ10を絵素毎に配置したアクティブ型
液晶パネルの等価回路図を示し、11(図12では8)
は走査線、12(図12では7)は信号線、13は液晶
セルであって、液晶セル13は電気的には容量素子とし
て扱われる。実線で描かれた素子類は液晶パネルを構成
する一方のガラス基板2上に形成され、点線で描かれた
全ての液晶セル13に共通な対向電極14はもう一方の
ガラス基板9上に形成されている。絶縁ゲート型トラン
ジスタ10のOFF抵抗あるいは液晶セル13の抵抗が低
い場合や表示画像の階調性を重視する場合には、負荷と
しての液晶セル13の時定数を大きくするための補助の
蓄積容量15を液晶セル13に並列に加える等の回路的
工夫が加味される。なお16は蓄積容量15の共通母線
である。
【0007】図14は液晶パネルの画像表示部の要部断
面図を示し、液晶パネル1を構成する2枚のガラス基板
2,9は樹脂性のファイバやビーズ等のスペーサ材(図
示せず)によって数μm程度の所定の距離を隔てて形成
され、その間隙(ギャップ)はガラス基板9の周縁部に
おいて有機性樹脂よりなるシール材と封口材(何れも図
示せず)とで封止された閉空間になっており、この閉空
間に液晶17が充填されている。
【0008】カラー表示を実現する場合には、ガラス基
板9の閉空間側に着色層18と称する染料または顔料の
いずれか一方もしくは両方を含む厚さ1〜2μm程度の
有機性樹脂薄膜が被着されて色表示機能が与えられるの
で、その場合にはガラス基板9は別名カラーフィルタ
(Color Filter 略語はCF)と呼称される。そして
液晶材料17の性質によってはガラス基板9の上面また
はガラス基板2の下面の何れかもしくは両面上に偏光板
19が貼付され、液晶パネル1は電気光学素子として機
能する。現在、市販されている大部分の液晶パネルでは
液晶材料にTN(ツイスト・ネマチック)系の物を用い
ており、偏光板19は通常2枚必要である。図示はしな
いが、透過型液晶パネルでは光源として裏面光源が配置
され、下方より白色光が照射される。
【0009】液晶17に接して2枚のガラス基板2,9
上に形成された例えば厚さ0.1μm程度のポリイミド系樹
脂薄膜20は液晶分子を決められた方向に配向させるた
めの配向膜である。21は絶縁ゲート型トランジスタ1
0のドレインと透明導電性の絵素電極22とを接続する
ドレイン電極(配線)であり、信号線(ソース線)12
と同時に形成されることが多い。信号線12とドレイン
電極21との間に位置するのは半導体層23であり詳細
は後述する。カラーフィルタ9上で隣り合った着色層1
8の境界に形成された厚さ0.1μm程度のCr薄膜層24
は半導体層23と走査線11及び信号線12に外部光が
入射するのを防止するための光遮蔽で、いわゆるブラッ
クマトリクス(Black Matrix 略語はBM)として定
着化した技術である。
【0010】ここでスイッチング素子として絶縁ゲート
型トランジスタの構造と製造方法に関して説明する。絶
縁ゲート型トランジスタには2種類のものが現在多用さ
れており、そのうちの一つを従来例(エッチ・ストップ
型と呼称される)として紹介する。図15は従来の液晶
パネルを構成するアクティブ基板の単位絵素の平面図で
あり、同図のA−A’線上の断面図を図16に示し、そ
の製造工程を以下に簡単に説明する。なお、走査線11
に形成された突起部50と絵素電極22とがゲート絶縁
層を介して重なっている領域51(右下がり斜線部)が
蓄積容量15を形成しているが、ここではその詳細な説
明は省略する。
【0011】先ず、図16(a)に示したように耐熱性
と耐薬品性と透明性が高い絶縁性基板として厚さ0.5〜
1.1mm程度のガラス基板2、例えばコーニング社製の商
品名1737の一主面上にSPT(スパッタ)等の真空
製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.3μm程度の第1の金属層
として例えばCr,Ta,Mo等あるいはそれらの合金
を被着して微細加工技術により走査線も兼ねるゲート電
極11を選択的に形成する。走査線の材質は耐薬品性と
耐弗酸性と導電性とを総合的に勘案して選択すると良
い。
【0012】液晶パネルの大画面化に対応して走査線1
1の抵抗値を下げるためには走査線の材料としてAL
(アルミニウム)が用いられるが、ALは耐熱性が低い
ので上記した耐熱金属であるCr,Ta,Moまたはそ
れらのシリサイドと積層化したり、あるいはALの表面
に陽極酸化で酸化層(AL2O3)を付加することも現在で
は一般的な技術である。すなわち、走査線11は1層以
上の金属層で構成される。
【0013】次に、図16(b)に示したようにガラス
基板2の全面にPCVD(プラズマ・シーブイディ)装
置を用いてゲート絶縁層となる第1のSiNx(シリコン窒
化)層、不純物をほとんど含まず絶縁ゲート型トランジ
スタのチャネルとなる第1の非晶質シリコン(a-Si)
層、及びチャネルを保護する絶縁層となる第2のSiNx
と3種類の薄膜層を、例えば0.3-0.05-0.1μm程度の膜
厚で順次被着して30,31,32とする。
【0014】なお、ノウハウ的な技術としてゲート絶縁
層の形成に当り他の種類の絶縁層(例えばTaOxやSiO
2等、もしくは先述したAL2O3)と積層したり、あるいは
SiNx層を2回に分けて製膜し途中で洗浄工程を付与する
等の歩留向上対策が行われることも多く、ゲート絶縁層
は1種類あるいは単層とは限らない。
【0015】そして微細加工技術によりゲート11上の
第2のSiNx層をゲート11よりも幅細く選択的に残して
32’として第1の非晶質シリコン層31を露出し、同
じくPCVD装置を用いて全面に不純物として例えば燐
を含む第2の非晶質シリコン層33を例えば0.05μm程
度の膜厚で被着する。
【0016】続いて、図16(c)に示したようにゲー
ト11の近傍上にのみ第1の非晶質シリコン層31と第
2の非晶質シリコン層33とを島状31’,33’に残
してゲート絶縁層30を露出する。引き続き、図16
(d)に示したようにSPT(スパッタ)等の真空製膜
装置を用いて膜厚0.1〜0.2μm程度の透明導電層として
例えばITO(Indium-Tin-Oxide)を被着し、微細加工
技術により絵素電極22を選択的に形成する。
【0017】さらに、図16(e)に示したように走査
線11への電気的接続に必要な画像表示部の周辺部での
走査線11上のゲート絶縁層30への選択的開口部60
形成を行った後、図16(f)に示したようにSPT等
の真空製膜装置を用いて膜厚0.1μm程度の耐熱金属層と
して例えばTi,Cr,Mo等の耐熱金属薄膜層34
を、低抵抗配線層として膜厚0.3μm程度のAL薄膜層3
5を順次被着し、微細加工技術により耐熱金属層34’
と低抵抗配線層35’との積層よりなり絵素電極22を
含んで絶縁ゲート型トランジスタのドレイン電極21と
信号線も兼ねるソース電極12とを選択的に形成する。
この選択的パターン形成に用いられる感光性樹脂パター
ンをマスクとしてソース・ドレイン電極間の第2のSiNx
層32’上の第2の非晶質シリコン層33’を除去して
第2のSiNx層32’を露出するとともに、その他の領域
では第1の非晶質シリコン層31’をも除去してゲート絶
縁層30を露出する。この工程は、チャネルの保護層で
ある第2のSiNx層32’が存在するために第2の非晶質シ
リコン層33’の食刻が自動的に終了することからエッ
チ・ストップと呼称される所以である。
【0018】絶縁ゲート型トランジスタがオフセット構
造とならぬようソース・ドレイン電極12,21はゲー
ト11と一部平面的に重なった位置関係に配置されて形
成される。なお、画像表示部の周辺部で走査線11上の
開口部60を含んで信号線12と同時に走査線側の電極
端子6、または走査線11と走査線側の電極端子6とを
接続する配線路8を形成することも一般的な設計であ
る。
【0019】最後に、ガラス基板2の全面に透明性の絶
縁層として、ゲート絶縁層30と同様にPCVD装置を
用いて0.3〜0.7μm程度の膜厚のSiNx層を被着してパシ
ベーション絶縁層37とし、図16(g)に示したよう
に絵素電極22上に開口部38を形成して絵素電極22
の大部分を露出すると同時に走査線の電極端子6上にも
開口部61を形成して端子電極6の大部分を露出してア
クティブ基板2として完成する。図示はしないが画像表
示部外の領域でパターン幅を広くした信号線12の端部
上にも開口部を形成して電極端子5としている。
【0020】信号線12の配線抵抗が問題とならない場
合にはALよりなる低抵抗配線層35は必ずしも必要で
はなく、その場合にはCr,Ta,Mo等の耐熱金属材
料を選択すればソース・ドレイン配線12,21を単層
化することが可能である。なお、絶縁ゲート型トランジ
スタの耐熱性については先行例である特開平7−74368
号公報に詳細が記載されている。
【0021】絵素電極22上のパシベーション絶縁層3
7を除去する理由は、一つには液晶セルに印可される実
効電圧の低下を防止するためと、もう一つはパシベーシ
ョン絶縁層37の膜質が一般的に劣悪で、パシベーショ
ン絶縁層37内に電荷が蓄積されて表示画像の焼き付け
を生じることを回避するためである。これは絶縁ゲート
型トランジスタの耐熱性が余り高くないため、パシベー
ション絶縁層37の製膜温度がゲート絶縁層30と比較
して数10℃以上低く250℃以下の低温製膜にならざ
るを得ないからである。
【0022】以上述べたアクティブ基板の製造工程は写
真食刻工程が7回必要で、7枚マスク工程と称されるほ
ぼ標準的な製造方法である。液晶パネルの低価格化を実
現し、さらなる需要の増大に対応していくためにも製造
工程数の削減は液晶パネルメーカにとっては重要な命題
で、合理化された通称5枚マスク工程が導入されようと
している。
【0023】図17は5枚マスクに対応したアクティブ
基板の単位絵素の平面図で、同図のA−A’線上の断面
図を図18に示し、その製造工程を絶縁ゲート型トラン
ジスタに従来のエッチ・ストップ型を採用した場合につ
いて以下に簡単に説明する。なお、走査線11と同時に
形成される蓄積容量線16とドレイン電極21とがゲー
ト絶縁層を介して重なっている領域52(右下がり斜線
部)が蓄積容量15を形成しているが、ここではその詳
細な説明は省略する。
【0024】先ず、従来例と同様に図18(a)に示し
たようにガラス基板2の一主面上に、SPT(スパッ
タ)等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.3μm程度の
第1の金属層として例えばCr,Ta,Mo等あるいは
それらの合金を被着してを被着し、微細加工技術により
走査線も兼ねるゲート電極11と蓄積容量線16とを選
択的に形成する。
【0025】次に、図18(b)に示したようにガラス
基板2の全面にPCVD(プラズマ・シーブイディ)装
置を用いてゲート絶縁層となる第1のSiNx(シリコン窒
化)層、不純物をほとんど含まず絶縁ゲート型トランジ
スタのチャネルとなる第1の非晶質シリコン(a-Si)
層、及びチャネルを保護する絶縁層となる第2のSiNx
と3種類の薄膜層を、例えば0.3-0.05-0.1μm程度の膜
厚で順次被着して30,31,32とする。
【0026】そして、図18(c)に示したように微細
加工技術によりゲート11上の第2のSiNx層をゲート1
1よりも幅細く選択的に残して32’として第1の非晶
質シリコン層31を露出し、同じくPCVD装置を用い
て全面に不純物として例えば燐を含む第2の非晶質シリ
コン層33を例えば0.05μm程度の膜厚で被着する。
【0027】引き続き、図18(d)に示したようにS
PT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1μm程度の耐熱金
属層として例えばTi薄膜層34を、低抵抗配線層とし
て膜厚0.3μm程度のAL薄膜層35を、膜厚0.1μm程度
の中間導電層として例えばTi薄膜層36を順次被着
し、微細加工技術により前記金属層の積層よりなる絶縁
ゲート型トランジスタのドレイン電極21と信号線も兼
ねるソース電極12とを選択的に形成する。この選択的
パターン形成に用いられる感光性樹脂パターンをマスク
としてソース・ドレイン電極間の第2のSiNx層32’上
の第2の非晶質シリコン層33’を除去して第2のSiNx
32’を露出するとともに、その他の領域では第1の非
晶質シリコン層31をも除去してゲート絶縁層30を露
出する。
【0028】さらに上記感光性樹脂パターンを除去した
後、図18(e)に示したようにガラス基板2の全面に
透明性の絶縁層として、ゲート絶縁層と同様にPCVD
装置を用いて0.3μm程度の膜厚のSiNx層を被着して
パシベーション絶縁層37とし、ドレイン電極21上に
開口部62と走査線11の電極端子6が形成される位置
上に開口部63を形成して走査線11の一部分を露出す
る。図示はしないが画像表部外の領域で信号線の電極端
子5が形成される位置上にも開口部を形成して信号線1
2の一部分を露出する。
【0029】最後に図18(f)に示したようにSPT
(スパッタ)等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.2μ
m程度の透明導電層として例えばITO(Indium-Tin-Ox
ide)を被着し、微細加工技術により開口部62を含ん
でパシベーション絶縁層37上に絵素電極22を選択的
に形成してアクティブ基板2として完成する。開口部6
3内の露出している走査線11の一部を電極端子6とし
ても良く、図示したように開口部63を含んでパシベー
ション絶縁層37上にITOよりなる電極端子6を選択
的に形成しても良い。このように5枚マスク工程は半導
体層の島化工程と、電極端子へのコンタクト形成工程が
1回合理化されることで2回の写真食刻工程を削除する
ことができている。また、絵素電極22がアクティブ基
板2の最上層に位置するため、パシベーション絶縁層3
7を透明性の樹脂薄膜を用いて例えば 1.5 μm 以上に
厚く形成しておけば、絵素電極22が走査線11や信号
線12と重なり合っても静電容量による干渉が小さく画
質の劣化が避けられるので絵素電極22を大きく形成で
きて開口率が向上する等の利点も多い。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】5枚マスク工程におい
ては、ドレイン電極21と走査線11へのコンタクト形
成工程が同時になされるため、それらに対応した開口部
62,63内の絶縁層の厚さと種類が異なる。既に述べ
たようにパシベーション絶縁層37はゲート絶縁層30
に比べると膜質が劣悪で弗酸系のエッチング液による食
刻では食刻速度が夫々数1000Å/分、数100Å/分と1桁
も異なり、ドレイン電極21上の開口部62の断面形状
は上部に余りにも過食刻が生じて穴径が制御できないの
で、弗素系のガスを用いたドライエッチを採用せざるを
得ない。
【0031】しかしながら、ドライエッチを採用しても
ドレイン電極21上の開口部62はパシベーション絶縁
層37のみであるので、走査線11上の開口部63と比
較して過食刻になるのは避けられず中間導電層36’が
食刻ガスによって膜減りする。また、食刻終了後の感光
性樹脂パターンの除去に当たり、まずは弗素化された表
面のポリマー除去のために酸素プラズマ灰化で感光性樹
脂パターンの表面を0.1〜0.3μm程削り、その後に有機
剥離液、例えば東京応化製の剥離液106等を用いた薬
液処理がなされるのが一般的であるが、中間導電層3
6’が膜減りして下地のアルミニウム層35’が露出し
た状態になっていると、酸素プラズマ灰化処理でアルミ
ニウム35’の表面に絶縁体であるAL2O3が形成さ
れて、絵素電極22との間でオーミック接触が得られな
くなる。そこで中間導電層36’が膜減りしてもいいよ
うに、当初から膜厚を例えば0.2μmと厚く設定するこ
とでこの問題から逃れようとしている。
【0032】しかしながら、ゲート絶縁層30とパシベ
ーション絶縁層37の膜厚と膜質のガラス基板2内の面
内均一性が良好でないとこの取組みも必ずしも有効に作
用するわけではなく、また食刻速度の面内均一性が良好
でない場合にも全く同様である。開口部62,63内に
露出する走査線11と信号線12の表面は、いずれにせ
よ食刻ガスによる膜減りと酸素ガスプラズマによる酸化
の問題から逃れることは困難である。
【0033】また、ソース・ドレイン配線12,21の
パシベーションのためにパシベーション絶縁層37が合
理化されたプロセスでも採用されているが、絶縁ゲート
型トランジスタの耐熱性との関係でパシベーション絶縁
層37の製膜温度がゲート絶縁層30と比較して数10
℃以上低く250℃以下の低温製膜でもなにがしかの影
響を受けることは避けられず、特にON電流が10〜3
0%程度低下することは避けられない。絶縁ゲート型ト
ランジスタの電流駆動能力の低下は、大画面・高精細の
液晶パネルを得るためには配線抵抗の増大とともに大き
な障害となってくる。
【0034】本発明はかかる現状に鑑みなされたもの
で、コンタクト形成時の不具合を回避し、かつ絶縁ゲー
ト型トランジスタの耐熱性の低さを補うパシベーション
形成により上記した諸課題を解決せんとするものであ
る。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明においては、絶縁
ゲート型トランジスタが既にチャネル保護層を有するこ
とからソース・ドレイン配線のみを有効にパシベーショ
ンするために先行技術である特開平2−216129 号公報
に開示されている陽極酸化技術を導入するが、同公報で
は絵素電極とソース・ドレイン配線との接続に関して説
明が不充分であり、具現性に欠けている。また更なる工
程削減のためには先行技術である特開平5−268726号公
報に開示されている絵素電極の形成工程を合理化したも
のを本発明に適合させて採用している。
【0036】請求項1に記載の液晶表示装置用の半導体
装置は、ガラス基板と前記ガラス基板上に形成された金
属層からなるゲート電極と、前記ゲート電極上に1層以
上のゲート絶縁層を介して前記ゲート電極よりも幅広く
積層された不純物を含まない第1の半導体層と、前記第
1の半導体層上に前記ゲート電極よりも幅細く積層され
た保護絶縁層と、前記ゲート電極と一部重なり合って前
記保護絶縁層上と前記第1の半導体層上とに積層され、
不純物を含んでいる一対の第2の半導体層と、前記一対
の第2の半導体層上にそれぞれ積層され、表面が陽極酸
化されたソース電極および絵素電極に接続され、かつ、
表面が陽極酸化されたドレイン電極と、を備え、前記ガ
ラス基板の表面上に金属からなる接続層が形成されてお
り、前記絵素電極と前記ドレイン電極とが前記接続層を
介して接続されていることを特徴とする。
【0037】
【0038】請求項2に記載の液晶表示装置用の半導体
装置は、ガラス基板と前記ガラス基板上に形成された金
属層からなるゲート電極と、前記ゲート電極上に1層以
上のゲート絶縁層を介して前記ゲート電極よりも幅広く
積層された不純物を含まない第1の半導体層と、前記第
1の半導体層上に前記ゲート電極よりも幅細く積層され
た保護絶縁層と、前記ゲート電極と一部重なり合って前
記保護絶縁層上と前記第1の半導体層上とに積層され、
不純物を含んでいる一対の第2の半導体層と、前記一対
の第2の半導体層上にそれぞれ積層され、表面が陽極酸
化されたソース電極および絵素電極に接続され、かつ、
表面が陽極酸化されたドレイン電極と、を備え、前記絵
素電極が前記ガラス基板の表面上に形成されていること
を特徴とする。
【0039】
【0040】請求項3に記載の液晶表示装置用の半導体
装置は、請求項2に記載の液晶表示装置用の半導体装置
であって、前記絵素電極が前記ドレイン電極の表面に接
していることを特徴とする。
【0041】
【0042】請求項4に記載の液晶表示装置用の半導体
装置は、請求項2に記載の液晶表示装置用の半導体装置
であって、前記ゲート電極と前記ゲート絶縁層との間に
はプラズマ保護層が挟まれており、前記ゲート電極は前
記ガラス基板上に積層された透明導電層と金属層との積
層体からなることを特徴とする。
【0043】
【0044】請求項5に記載の画像表示装置用半導体装
置の製造方法は、ガラス基板上の一主面上に1層以上の
金属層よりなり絶縁ゲート型トランジスタのゲート電極
も兼ねる走査線を選択的に形成する工程と、1層以上の
ゲート絶縁層と不純物を含まない第1の非晶質シリコン
層と保護絶縁層とを順次被着する工程と、前記ゲート電
極上の保護絶縁層を前記ゲート電極よりも幅細く選択的
に残して前記第1の非晶質シリコン層を露出する工程
と、全面に不純物を含む第2の非晶質シリコン層を被着
する工程と、画像表示部外の領域で前記走査線上に開口
部を選択的に形成して前記走査線の一部を露出する工程
と、陽極酸化可能な金属を被着後、前記ゲート電極と一
部重なるソース電極およびドレイン電極を選択的に形成
する工程と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間
に位置する保護絶縁層上の第2の非晶質シリコン層と前
記ソース電極外および前記ドレイン電極外の領域の第1
と第2の非晶質シリコン層とを除去する工程と、透明導
電膜を被着し、前記透明導電膜上に感光性樹脂を積層し
て感光およびエッチングすることにより前記感光性樹脂
が積層された透明電極膜からなると共に前記ドレイン電
極に接続された絵素電極を選択的に形成する工程と、前
記絵素電極上に積層された前記感光性樹脂をマスクとし
て前記絵素電極を保護しつつ光を照射しながら前記ソー
ス電極の表面および前記ドレイン電極の表面を陽極酸化
する工程と、前記感光性樹脂を除去する工程と、を有す
ことを特徴とする。
【0045】
【0046】請求項6に記載の画像表示装置用半導体装
置の製造方法は、ガラス基板上の一主面上に1層以上の
金属層よりなり絶縁ゲート型トランジスタのゲート電極
も兼ねる走査線を選択的に形成する工程と、1層以上の
ゲート絶縁層と不純物を含まない第1の非晶質シリコン
層と保護絶縁層とを順次被着する工程と、前記ゲート電
極上の保護絶縁層を前記ゲート電極よりも幅細く選択的
に残して前記第1の非晶質シリコン層を露出する工程
と、全面に不純物を含む第2の非晶質シリコン層を被着
する工程と、陽極酸化可能な金属を被着後、前記ゲート
電極と一部重なるソース電極およびドレイン電極を選択
的に形成する工程と、前記ソース電極と前記ドレイン電
極との間に位置する保護絶縁層上の第2の非晶質シリコ
ン層と前記ソース電極外および前記ドレイン電極外の領
域の第1と第2の非晶質シリコン層とを除去する工程
と、画像表示部外の領域で前記走査線上に開口部を選択
的に形成して前記走査線の一部を露出する工程と、透明
導電膜を被着し、前記透明導電膜上に感光性樹脂を積層
して感光およびエッチングすることにより前記感光性樹
脂が積層された透明電極膜からなる絵素電極を選択的に
形成する工程と、前記絵素電極上に積層された前記感光
性樹脂をマスクとして前記絵素電極を保護しつつ光を照
射しながら前記ソース電極の表面および前記ドレイン電
極の表面を陽極酸化する工程と、前記感光性樹脂を除去
する工程と、を有することを特徴とする。
【0047】
【0048】請求項7に記載の画像表示装置用半導体装
の製造方法ガラス基板上の一主面上に1層以上の
金属層よりなる接続層および絶縁ゲート型トランジスタ
のゲート電極も兼ねる走査線を選択的に形成する工程
と、1層以上のゲート絶縁層と不純物を含まない第1の
非晶質シリコン層と保護絶縁層とを順次被着する工程
と、前記ゲート電極上の保護絶縁層を前記ゲート電極よ
りも幅細く選択的に残して前記第1の非晶質シリコン層
を露出する工程と、全面に不純物を含む第2の非晶質シ
リコン層を被着する工程と、前記接続層上に一対の開口
部を選択的に形成して接続層の一部を露出すると共に画
像表示部外の領域で前記走査線上に開口部を選択的に形
成して前記走査線の一部を露出する工程と、陽極酸化可
能な金属を被着後、前記ゲート電極と一部重なるソース
電極および前記ゲート電極と一部重なると共に前記一対
の開口部の一方を介して前記接続層に接続されたドレイ
ン電極を選択的に形成する工程と、前記ソース電極と前
記ドレイン電極との間に位置する保護絶縁層上の第2の
非晶質シリコン層と前記ソース電極外および前記ドレイ
ン電極外の領域の第1と第2の非晶質シリコン層とを除
去する工程と、透明導電膜を被着し、前記透明導電膜上
に感光性樹脂を積層して感光およびエッチングすること
により前記感光性樹脂が積層された透明電極膜からなる
と共に前記一対の開口部の他方を介して前記接続層に接
続された絵素電極を選択的に形成する工程と、前記絵素
電極上に積層された前記感光性樹脂をマスクとして前記
絵素電極を保護しつつ光を照射しながら前記ソース電極
の表面および前記ドレイン電極の表面を陽極酸化する工
程と、前記感光性樹脂を除去する工程と、を有すること
を特徴とする。
【0049】
【0050】請求項8に記載の画像表示装置用半導体装
の製造方法ガラス基板上の一主面上に1層以上の
金属層よりなり絶縁ゲート型トランジスタのゲート電極
も兼ねる走査線を選択的に形成する工程と、1層以上の
ゲート絶縁層と不純物を含まない第1の非晶質シリコン
層と保護絶縁層とを順次被着する工程と、前記ゲート電
極上の保護絶縁層を前記ゲート電極よりも幅細く選択的
に残して前記第1の非晶質シリコン層を露出する工程
と、全面に不純物を含む第2の非晶質シリコン層を被着
する工程と、前記ゲート電極及びその近傍に第2と第1
の非晶質シリコン層及びゲート絶縁層を残すと共に画像
表示部外の領域においては前記走査線の一部が露出する
ように前記第2と第1の非晶質シリコン層及びゲート絶
縁層とを選択的に除去する工程と、前記ガラス基板上に
透明導電性の絵素電極を選択的に形成する工程と、陽極
酸化可能な金属を被着後、前記ゲート電極と一部重なる
ソース電極および前記ゲート電極と一部重なると共に前
記絵素電極に接続されたドレイン電極を選択的に形成す
る工程と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に
位置する保護絶縁層上の第2の非晶質シリコン層を除去
する工程と、光を照射しながら前記ソース電極および前
記ドレイン電極の表面を、前記第1の非晶質シリコン層
の光電効果を利用して、陽極酸化する工程と、を有する
ことを特徴とする。
【0051】
【0052】請求項9に記載の画像表示装置用半導体装
の製造方法ガラス基板上の一主面上に1層以上の
金属層よりなり絶縁ゲート型トランジスタのゲート電極
も兼ねる走査線を選択的に形成する工程と、1層以上の
ゲート絶縁層と不純物を含まない第1の非晶質シリコン
層と保護絶縁層とを順次被着する工程と、前記ゲート電
極上の保護絶縁層を前記ゲート電極よりも幅細く選択的
に残して前記第1の非晶質シリコン層を露出する工程
と、全面に不純物を含む第2の非晶質シリコン層を被着
する工程と、前記ゲート電極及びその近傍に第2と第1
の非晶質シリコン層及びゲート絶縁層とを残すと共に画
像表示部外の領域においては前記走査線の一部が露出す
るように前記第2と第1の非晶質シリコン層及びゲート
絶縁層とを選択的に除去する工程と、陽極酸化可能な金
属を被着後、前記ゲート電極と一部重なるソース電極お
よびドレイン電極を選択的に形成する工程と、前記ソー
ス電極と前記ドレイン電極との間に位置する保護絶縁層
上の第2の非晶質シリコン層を除去する工程と、透明導
電膜を被着し、前記透明導電膜上に感光性樹脂を積層し
て感光およびエッチングすることにより前記感光性樹脂
が積層された透明電極膜からなると共に前記ドレイン電
極の表面に接続された絵素電極を選択的に形成する工程
と、前記絵素電極上に積層された前記感光性樹脂をマス
クとして前記絵素電極を保護しつつ光を照射しながら前
記ソース電極の表面および前記ドレイン電極の表面を陽
極酸化する工程と、前記感光性樹脂を除去する工程と、
を有することを特徴とする。
【0053】
【0054】請求項10に記載の画像表示装置用半導体
装置の製造方法ガラス基板上の一主面上に透明導電
層と陽極酸化可能な金属層との積層体よりなり絶縁ゲー
ト型トランジスタのゲートも兼ねる走査線と擬似絵素電
極とを選択的に形成する工程と、プラズマ保護層を含む
1層以上のゲート絶縁層と不純物を含まない第1の非晶
質シリコン層と保護絶縁層とを順次被着する工程と、前
記ゲート電極上の保護絶縁層を前記ゲート電極よりも幅
細く選択的に残して第1の非晶質シリコン層を露出する
工程と、全面に不純物を含む第2の非晶質シリコン層を
被着する工程と、前記ゲート電極及びその近傍に第2と
第1の非晶質シリコン層及びゲート絶縁層を残すと共に
画像表示部外の領域においては前記走査線の一部が露出
するように前記第2と第1の非晶質シリコン層およびゲ
ート絶縁層を選択的に除去する工程と、陽極酸化可能な
金属を被着後、前記ゲート電極と一部重なるソース電極
および前記ゲート電極と一部重なると共に前記擬似絵素
電極に接続されたドレイン電極を選択的に形成する工程
と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に位置す
る保護絶縁層上の第2の非晶質シリコン層を除去する工
程と、前記擬似絵素電極上の金属層を除去して前記透明
導電層を露出する工程と、光を照射しながら前記ソース
電極および前記ドレイン電極を、前記第1の非晶質シリ
コン層の光電効果を利用して、陽極酸化する工程と、を
有することを特徴とする。
【0055】以上の構成により、従来のようにパシベー
ション絶縁層をガラス基板の全面に被着する必要はなく
なり、絶縁ゲート型トランジスタの耐熱性が問題となる
ことはなくなる。また走査線と信号線の電極端子上にパ
シベーション絶縁層が存在しないのでコンタクト形成に
関わる不具合も発生しない。
【0056】
【0057】
【0058】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1〜図11
に基づいて説明する。図1に本発明の第1の実施形態に
係る画像表示装置用半導体装置(アクティブ基板)の平
面図を示し、図2と図3に図1のA−A’線上とB−
B’線上の製造工程の断面図を示す。同様に、第2の実
施形態は図4と図5、第3の実施形態は図6と図7、第
4の実施形態は図8と図9、第5の実施形態は図10と
図11とで夫々アクティブ基板の平面図と製造工程の断
面図を示す。なお、従来例と同一の部位については同一
の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0059】本発明の第1の実施形態について説明す
る。第1の実施形態では先ず、従来例と同様に図2
(a)に示したようにガラス基板2の一主面上に、SP
T(スパッタ)等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.3
μm程度の第1の金属層、例えばCr,Ta,Mo等あ
るいはそれらの合金を被着してを被着し、微細加工技術
により走査線も兼ねるゲート電極11(と蓄積容量線1
6と)を選択的に形成する。
【0060】次に、図2(b)に示したようにガラス基
板2の全面にPCVD(プラズマ・シーブイディ)装置
を用いてゲート絶縁層となる第1のSiNx(シリコン窒
化)層、不純物をほとんど含まず絶縁ゲート型トランジ
スタのチャネルとなる第1の非晶質シリコン(a-Si)
層、及びチャネルを保護する絶縁層となる第2のSiNx
と3種類の薄膜層を、例えば0.3-0.05-0.1μm程度の膜
厚で順次被着して30,31,32とする。
【0061】そして、図2(c)に示したように微細加
工技術によりゲート11上の第2のSiNx層をゲート11
よりも幅細く選択的に残して32’として第1の非晶質
シリコン層31を露出し、同じくPCVD装置を用いて
全面に不純物として例えば燐を含む第2の非晶質シリコ
ン層33を例えば0.05μm程度の膜厚で被着する。ここ
までは従来例と同一のプロセスで進行している。
【0062】続いて、図2(d)に示したように、画像
表示部外の領域で走査線11上に開口部60を選択的に
形成して走査線11の一部を露出する。この工程におい
ては、第2と第1の非晶質シリコン層33,31とゲー
ト絶縁層30と複数種の薄膜を食刻するので、ガスを用
いた乾式食刻(ドライエッチ)の採用が合理的である。
【0063】引き続き、図2(e)に示したように、S
PT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1μm程度の陽極酸
化可能な耐熱金属層として例えばTi,Ta等の耐熱金
属薄膜層34、低抵抗配線層として膜厚0.3μm程度のA
L薄膜層35、膜厚0.1μm程度の陽極酸化可能な導電層
として例えばTa等の中間導電層36を順次被着し、微
細加工技術により耐熱金属層34’と低抵抗配線層3
5’と中間導電層36’との積層よりなり信号線も兼ね
る絶縁ゲート型トランジスタのソース電極12とドレイ
ン電極21とを選択的に形成する。この選択的パターン
形成に用いられる感光性樹脂パターンをマスクとしてソ
ース・ドレイン電極間の第2のSiNx層32’上の第2の非
晶質シリコン層33’を除去して第2のSiNx層32’を
露出するとともに、その他の領域では第1の非晶質シリ
コン層31をも除去してゲート絶縁層30を露出する。
なお、ソース・ドレイン配線12,21の形成と同時
に、走査線上の開口部60を含んで走査線の電極端子6
も同時に形成する。
【0064】この後、図2(f)に示したようにSPT
(スパッタ)等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.2μ
m程度の透明導電層として例えばITO(Indium-Tin-Ox
ide)を被着し、微細加工技術によりドレイン電極21
上の中間導電層36’の一部を含んでゲート絶縁層30
上に絵素電極22を選択的に形成する。そして絵素電極
22の選択的パターン形成に用いられた感光性樹脂パタ
ーン65 をマスクとして光を照射しながらソース・ド
レイン配線12,21を陽極酸化してソース・ドレイン
配線12,21上に絶縁層を形成する。
【0065】ソース・ドレイン配線12,21の上面に
はTa、ソース・ドレイン配線12,21の側面にはT
a,AL,Ti,不純物を含む第2の非晶質シリコン層
33’と不純物を含まない第1の非晶質シリコン層3
1’の積層が露出しており、陽極酸化によってこれらの
薄膜は、夫々5酸化タンタル(Ta2O5)68、アルミナ
(AL2O3)69、酸化チタン(TiO2)70、不純物を含
む酸化シリコン層(SiO2)66,不純物を含ない酸化シ
リコン層(SiO2)67に変質する。酸化チタン(TiO2
70を除いて何れも絶縁層であり、パシベーション機能
を発揮することが可能である。酸化チタン(TiO2)70
は絶縁層ではないがソース・ドレイン配線12,21の
側面にわずかに露出するだけで、しかも膜厚が極めて薄
いのでパシベーション上はまず問題とならないが、耐熱
金属薄膜層34もタンタルを選択しておくことが望まし
い。しかしTaはTiと異なり下地の表面酸化層を吸収
してオーミック接触を容易にする機能に欠けることに留
意されたい。
【0066】ソース・ドレイン配線12,21の表面に
形成され、ソース・ドレイン配線12,21のパシベー
ション機能の大半を担う5酸化タンタル(Ta2O5)68
の膜厚は0.1〜0.2μm程度で十分であり、エチレングリ
コール等の化成液を用いて印可電圧は100V超で実現
できる。ソース・ドレイン配線12,21の陽極酸化に
当たって留意すべき事項は、全ての信号線12は電気的
に並列または直列に形成されている必要があり、後に続
く製造工程の何処かでこの直並列を解除しないと電気検
査のみならず、液晶表示装置としての実動作に支障があ
ることは言うまでもないだろう。また同じく留意すべき
事項は、光を照射しながら陽極酸化を実施することであ
る。これは絶縁ゲート型トランジスタのチャネルを構成
する不純物を含まない第1の非晶質シリコン層31’が
高抵抗なために、絶縁ゲート型トランジスタのリーク電
流だけではドレイン配線21の表面を陽極酸化するに十
分な電流が供給されないことから、1万ルックス程度の
十分強力な光を照射して第1の非晶質シリコン層31’
が光電効果で低抵抗となることを利用することで回避さ
れる。具体的には絶縁ゲート型トランジスタのリーク電
流がμAを越えれば、ドレイン電極21の面積から計算
して10mA/cm2程度の陽極酸化で良好な膜質を得るため
の電流密度が得られる。
【0067】また、絵素電極22を感光性樹脂パターン
65で覆っておくのは、絵素電極22を陽極酸化する必
要がないだけてなく、絶縁ゲート型トランジスタを経由
してドレイン電極21に流れる化成電流を必要以上に大
きく確保しなくて済むためである。なお、陽極酸化時に
走査線11の電極端子6上は電気的にフローティング
(中立)しているので、陽極酸化層が形成されることは
ない。また、ソース・ドレイン配線12,21の全ての
表面を陽極酸化することから、従来のように画像表示部
外の領域で信号線12の一部を電極端子5とするために
は、画像表示部内のソース・ドレイン配線12,21の
みを選択的に陽極酸化する必要がある。このために感光
性樹脂を用いた選択的マスク形成は製造コストを引き上
げるので、本発明者が先願した基板内選択的電気化学処
理装置の採用が効果的である。
【0068】上記化学処理装置は図19に示したよう
に、水平なステージ90上にガラス基板2を保持し、そ
の一端に樹脂製のオーリング91を埋めこんだ絶縁性の
枠状容器92をガラス基板2に押し付け、枠状容器92
内に化成液93を注入し、昇降可能な支持棒97に固定
された電極板94とガラス基板2との間に直流電源95
より電流計96を介して直流電圧を印可することで陽極
酸化を行う装置である。図19では4面付けされたデバ
イスの走査線11を陽極酸化するために、走査線11を
並列にまとめて接続する端子97が形成されており、電
極板94に直流電源95より−(マイナス)電位を、ま
た端子97に+(プラス)電位を与えている。このよう
に、枠状容器92とオーリング91の大きさを適宜設定
することと、陽極酸化したい複数の電極線をまとめた端
子97または電極線を電気的にまとめる機構を枠状容器
92より外周側に設置することでガラス基板2内を選択
的に陽極酸化することが可能である。
【0069】ガラス基板2内の選択的陽極酸化を実施す
れば、図1に示したように画像表示部外の領域で信号線
12の一部を電極端子5とすることができる。ガラス基
板2全体を化成液中に浸漬するような陽極酸化方法であ
れば、適当なマスク材の併用が無い限りソース・ドレイ
ン配線12,21を選択的に陽極酸化することはでき
ず、別に図示したように画像表示部外の領域で透明導電
層よりなる電極端子5は信号線12上の中間導電層3
6’を含んで形成されることになる。この構成は図2
(g)に示した絵素電極22とドレイン電極21との接
続形態と同一である。
【0070】最後に、前記感光性樹脂パターン65を除
去して図2(g)に示したようにアクティブ基板2とし
て完成する。このようにして得られたアクティブ基板2
とカラーフィルタとを貼り合わせて液晶パネル化し、本
発明の第1の実施形態が完了する。蓄積容量15の構成
に関しては、蓄積容量線16と絵素電極22とが、ゲー
ト絶縁層30を介して構成している例を図1に例示して
いる。蓄積容量15の構成はこれに限られるものではな
く、絵素電極22と前段の走査線11との間にゲート絶
縁層30を含む絶縁層を介して構成しても良い。また、
その他の構成も可能であるが詳細な説明は省略する。
【0071】第1の実施形態におけるゲート絶縁層への
開口部形成工程と、ソース・ドレイン配線の形成工程と
を前後させて同一構成の絶縁ゲート型トランジスタを得
ることができるので、それを図3を用いて説明する。
【0072】このアクティブ基板の製造方法では、図3
(c)に示した第2の非晶質シリコン層33の製膜工程
までは同一の製造工程で進行する。その後、図3(d)
に示したように、SPT等の真空製膜装置を用いて膜厚
0.1μm程度の陽極酸化可能な耐熱金属層として例えばT
i,Ta等の耐熱金属薄膜層34、低抵抗配線層として
膜厚0.3μm程度のAL薄膜層35、膜厚0.1μm程度の陽
極酸化可能な導電層として例えばTa等の中間導電層3
6を順次被着し、微細加工技術により耐熱金属層34’
と低抵抗配線層35’と中間導電層36’との積層より
なり信号線も兼ねる絶縁ゲート型トランジスタのソース
電極12とドレイン電極21とを選択的に形成する。こ
の選択的パターン形成に用いられる感光性樹脂パターン
をマスクとしてソース・ドレイン電極間の第2のSiNx
32’上の第2の非晶質シリコン層33’を除去して第2
のSiNx層32’を露出するとともに、その他の領域では
第1の非晶質シリコン層31をも除去してゲート絶縁層3
0を露出する。
【0073】続いて、図3(e)に示したように、画像
表示部外の領域で走査線11上に開口部60を選択的に
形成して走査線11の一部を露出する。この工程におい
ては、ゲート絶縁層30だけ1種類の薄膜を食刻するの
で、走査線11の材質によっては薬液を用いた湿式食刻
(ウェットエッチ)の採用が可能であり、生産設備費を
抑制することが容易である。
【0074】引き続き、図3(f)に示したように、S
PT(スパッタ)等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜
0.2μm程度の透明導電層として例えばITO(Indium-T
in-Oxide)を被着し、微細加工技術によりドレイン電極
21上の中間導電層36’を含んでゲート絶縁層30上
に絵素電極22を選択的に形成する。そして絵素電極2
2の選択的パターン形成に用いられた感光性樹脂パター
ン65をマスクとして光を照射しながらソース・ドレイ
ン配線12,21を陽極酸化してソース・ドレイン配線
12,21上に絶縁層を形成する。陽極酸化の詳細は既
に述べた通りである。なお、絵素電極22の形成と同時
に、走査線11上の開口部60を含んで透明導電層より
なる走査線の電極端子6も同時に形成する。あるいは開
口部60内の露出している走査線11を走査線の電極端
子6とすることも可能である。
【0075】ソース・ドレイン配線12,21の陽極酸
化後に、前記感光性樹脂パターン65を除去して図3
(g)に示したようにアクティブ基板2として完成す
る。このようにして得られたアクティブ基板2とカラー
フィルタとを貼り合わせて液晶パネル化し、本発明の第
1の実施形態による液晶画像表示装置が完成する。
【0076】主要製造工程であるゲート絶縁層への開口
部形成工程と、ソース・ドレイン配線の形成工程と、絵
素電極の形成工程とを前後させて異種構成の絶縁ゲート
型トランジスタを得ることができるので、それを第2〜
第4の実施形態として以下に説明する。
【0077】第2の実施形態アクティブ基板の製造方
法では、図5(c)に示した工程までは第1の実施形態
である図2(c)及び図3(c)に示した第2の非晶質
シリコン層33の製膜工程と同一の製造工程で進行す
る。ただし、絶縁ゲート型トランジスタのドレイン電極
と絵素電極とを接続するための接続層80を走査線11
と同時に形成している点が異なる。
【0078】その後、図5(d)に示したように、画像
表示部外の領域で走査線11上に開口部60を選択的に
形成して走査線11の一部と、接続層80上に1対の開
口部71,72を選択的に形成して接続層80の一部を
露出する。この工程においては複数種の薄膜を食刻する
ので、ガスを用いた乾式食刻(ドライエッチ)の採用が
合理的であることは既に述べた通りである。
【0079】続いて、図5(e)に示したように、SP
T等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1μm程度の陽極酸化
可能な耐熱金属層として例えばTi,Ta等の耐熱金属
薄膜層34、低抵抗配線層として膜厚0.3μm程度のAL
薄膜層35を順次被着し、微細加工技術により耐熱金属
層34’と低抵抗配線層35’との積層よりなり信号線
も兼ねる絶縁ゲート型トランジスタのソース電極12
と、接続層80上に形成された1対の開口部の一方71
を含んでドレイン電極21とを選択的に形成する。もち
ろん、上記選択的パターン形成に用いられる感光性樹脂
パターンをマスクとしてソース・ドレイン電極間の第2
のSiNx層32’上の第2の非晶質シリコン層33’を除
去して第2のSiNx層32’を露出するとともに、その他
の領域では第1の非晶質シリコン層31をも除去してゲー
ト絶縁層30を露出する。なお、第2、第3及び第5の
実施形態ではソース・ドレイン配線の表面がアルミニウ
ムになるので、写真食刻工程やレジスト剥離工程におけ
る表面荒れやマイグレーションを防止するために、AL
薄膜層35は数%以下の微量のシリコン、タンタル、銅
等の耐熱金属が添加されたアルミニウム合金を用いるこ
とが望ましい。その他の実施形態ではソース・ドレイン
配線の表面は耐熱性のある中間導電層36であるので必
ずしもAL薄膜層35は耐熱性を必要とはせず純アルミ
ニウムでも支障は無い。
【0080】引き続き、図5(f)に示したように、S
PT(スパッタ)等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜
0.2μm程度の透明導電層として例えばITO(Indium-T
in-Oxide)を被着し、微細加工技術により接続層80上
に形成された1対の開口部の他方72を含んでゲート絶
縁層30上に絵素電極22を選択的に形成する。そして
絵素電極22の選択的パターン形成に用いられた感光性
樹脂パターン65をマスクとして光を照射しながらソー
ス・ドレイン配線12,21を陽極酸化してソース・ド
レイン配線12,21上に絶縁層を形成する。ソース・
ドレイン配線12,21の表面にはAL、ソース・ドレ
イン配線12,21の側面にはAL,Ti,不純物を含
む第2の非晶質シリコン層33’と不純物を含まない第
1の非晶質シリコン層31’の積層が露出しており、陽
極酸化によってこれらの薄膜は、夫々アルミナ(AL
2O3)69、酸化チタン(TiO2)70、不純物を含む酸
化シリコン層(SiO2)66,不純物を含ない酸化シリコ
ン層(SiO2)67に変質する。なお、絵素電極22の形
成と同時に走査線11上の開口部60を含んで透明導電
層よりなる走査線の電極端子6も同時に形成する。
【0081】ソース・ドレイン配線12,21の陽極酸
化後に、前記感光性樹脂パターン65を除去して図5
(g)に示したようにアクティブ基板2として完成す
る。このようにして得られたアクティブ基板2とカラー
フィルタとを貼り合わせて液晶パネル化し、本発明の第
2の実施形態が完了する。基板内選択的陽極酸化が可能
であれば図4に示したように画像表示部外の領域で信号
線12の一部を電極端子5とすることが可能であり、そ
うでなければ画像表示部外の領域で透明導電層よりなる
電極端子5が信号線12近傍に形成された接続層80’
を介してゲート絶縁層30上に形成される。あるいは接
続層80’上に開口部を形成して露出した接続層80’
を電極端子としても良い。
【0082】第3の実施形態アクティブ基板の製造方
法でも、図7(c)に示した第2の非晶質シリコン層の
製膜工程までは、第1の実施形態と同一の製造工程で進
行する。
【0083】その後、図7(d)に示したように、走査
線11の近傍101(と蓄積容量線16の近傍102)
と画像表示部外の走査線11上に設ける電極端子6の配
置場所以外の領域103とを除いて第2と第1の非晶質
シリコン層33,31とゲート絶縁層30とを選択的に
除去してガラス基板2を露出する。この工程においては
複数種の薄膜を食刻するので、ガスを用いた乾式食刻
(ドライエッチ)の採用が合理的であることは既に述べ
た通りである。
【0084】続いて、図7(e)に示したように、SP
T(スパッタ)等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.2
μm程度の透明導電層として例えばITO(Indium-Tin-
Oxide)を被着し、微細加工技術により絵素電極22を
ガラス基板2上に選択的に形成する。なお、絵素電極2
2の形成と同時に、露出している走査線11上の一部7
3に透明導電層74を残しておくと、後の工程で電池効
果による副作用が回避し易い。
【0085】引き続き、図7(f)に示したように、S
PT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1μm程度の陽極酸
化可能な耐熱金属層として例えばTi,Ta等の耐熱金
属薄膜層34、低抵抗配線層として膜厚0.3μm程度のA
L薄膜層35を順次被着し、微細加工技術により耐熱金
属層34’と低抵抗配線層35’との積層よりなり信号
線も兼ねる絶縁ゲート型トランジスタのソース電極12
と、ガラス基板2上に形成された絵素電極22の一部を
含んでドレイン電極21とを選択的に形成する。なお、
ソース・ドレイン配線12,21の形成と同時に、露出
している走査線11上に残された透明導電層73を含ん
で走査線の電極端子6も同時に形成する。もちろん、上
記選択的パターン形成に用いられる感光性樹脂パターン
をマスクとしてソース・ドレイン電極間の第2のSiNx
32’上の第2の非晶質シリコン層33’を除去して第2
のSiNx層32’を露出するとともにその他の領域では第
1の非晶質シリコン層31’をも除去してゲート絶縁層3
0を露出する工程も実施される。
【0086】最後に、図7(g)に示したように光を照
射しながらソース・ドレイン配線12,21を陽極酸化
してソース・ドレイン配線12,21上に絶縁層を形成
する。このようにして得られたアクティブ基板2とカラ
ーフィルタとを貼り合わせて液晶パネル化し、本発明の
第3の実施形態が完了する。基板内選択的陽極酸化が可
能であれば図6に示したように信号線12の一部を電極
端子5とすることもできるし、そうでなければ信号線1
2が透明導電層よりなる電極端子5を部分的に含んでガ
ラス基板2上に形成される。
【0087】第3の実施形態ではソース・ドレイン配線
12,21の陽極酸化時に、ドレイン電極21と電気的
に繋がっている絵素電極22も露出しているため、絵素
電極22も同時に陽極酸化される点が第1及び第2の実
施形態と大きく異なる点で、透明導電層の膜質によって
は陽極酸化によって抵抗値の増大することもあり、その
場合には製膜条件を適宜変更して酸素不足の膜質として
おく必要があるが、陽極酸化で透明導電層の透明度が低
下することはない。また、ドレイン電極21と絵素電極
22を陽極酸化するための電流は絶縁ゲート型トランジ
スタのチャネルを通って流れるが、絵素電極22の面積
が大きいために大きな化成電流が必要となり、いくら強
い外光を照射してもチャネル部の抵抗が障害となり、化
成時間の延長だけではドレイン電極上21にソース配線
12と同等の膜質と膜厚の酸化層を形成することは対応
困難である。しかしながら、ドレイン配線21上に形成
されるアルミナ層が多少不完全であっても実用上は支障
の無い信頼性が得られることが多い。なぜならば、液晶
セルに印可される駆動信号は基本的に交流であり、対向
電極14とソース・ドレイン12,21配線との間には
直流電圧成分が少ないからである。
【0088】この陽極酸化の不具合を解消した実施形態
が第4の実施形態で、本実施の形態のアクティブ基板の
製造方法でも、図9(d)に示した半導体層とゲート絶
縁層の島化工程までは、第3の実施形態と同一の製造工
程で進行する。
【0089】その後、図9(e)に示したように、SP
T等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1μm程度の陽極酸化
可能な耐熱金属層として例えばTi,Ta等の耐熱金属
薄膜層34、低抵抗配線層として膜厚0.3μm程度のAL
薄膜層35、膜厚0.1μm程度の陽極酸化可能な導電層と
して例えばTa等の中間導電層36を順次被着し、微細
加工技術により耐熱金属層34’と低抵抗配線層35’
と中間導電層36’の積層よりなり信号線も兼ねる絶縁
ゲート型トランジスタのソース電極12とドレイン電極
21とを選択的に形成する。この選択的パターン形成に
用いられる感光性樹脂パターンをマスクとしてソース・
ドレイン電極間の第2のSiNx層32’上の第2の非晶質シ
リコン層33’を除去して第2のSiNx層32’を露出す
るとともにその他の領域では第1の非晶質シリコン層3
1’をも除去してゲート絶縁層30を露出している。な
お、ソース・ドレイン配線12,21の形成と同時に露
出している走査線11の一部73を含んで走査線の電極
端子6も同時に形成する。
【0090】続いて、図9(f)に示したように、SP
T(スパッタ)等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.2
μm程度の透明導電層として例えばITO(Indium-Tin-
Oxide)を被着し、微細加工技術によりドレイン電極2
1上の中間導電層36’を含んでガラス基板2上に絵素
電極22を選択的に形成する。そして絵素電極22の選
択的パターン形成に用いられた感光性樹脂パターン65
をマスクとして絵素電極22を保護しつつ光を照射しな
がらソース・ドレイン配線12,21を陽極酸化してソ
ース・ドレイン配線12,21上に絶縁層を形成する。
【0091】最後に、前記感光性樹脂パターン65を除
去して図9(g)に示したようにアクティブ基板2とし
て完成する。このようにして得られたアクティブ基板2
とカラーフィルタとを貼り合わせて液晶パネル化し、本
発明の第4の実施形態が完了する。なお、基板内選択的
陽極酸化が可能であれば信号線12の一部を電極端子5
とすることもできるし、そうでなければ透明導電層より
なる電極端子5が信号線12上の中間導電層36’の一
部を含んでガラス基板2上に形成される。
【0092】第5の実施形態では絵素電極形成と走査線
の形成を同時に行うことにより、上記第1〜第4の実施
形態よりも写真食刻工程の削減が可能となっている。第
5の実施形態では先ず、図11(a)に示したようにガ
ラス基板2の一主面上に、SPT(スパッタ)等の真空
製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.2μm程度の透明導電層8
1として例えばITO(Indium-Tin-Oxide)と、膜厚0.
1〜0.3μm程度の陽極酸化可能な第1の金属層82、例
えばTa,Ti等あるいはそれらの合金またはシリサイ
ドとを被着し、微細加工技術により透明導電層81と第
1の金属層82との積層よりなる走査線も兼ねるゲート
電極11と擬似絵素電極75とを選択的に形成する。ゲ
ート絶縁層を介して信号線との絶縁耐圧を向上させ、歩
留を高めるためにはこれらの電極は乾式食刻による断面
形状のテーパ制御を行うことが望ましい。
【0093】次に、図11(b)に示したようにガラス
基板2の全面にプラズマ保護層となる透明絶縁層、例え
ばTaOxやSiO2を0.1μm程度の膜厚で被着して77とす
る。このプラズマ保護層77は後続のPCVD(プラズ
マ・シーブイディ)によるSiNx形成時に、ゲート電極1
1と擬似絵素電極75のエッジ部に露出している透明導
電層81が還元されてSiNxの膜質が変動するために必要
であり、詳細は先行例特開昭 59−9962号公報を参照さ
れたい。
【0094】プラズマ保護層77の被着後は、他の実施
形態と同様にPCVD(プラズマ・シーブイディ)装置
を用いてゲート絶縁層となる第1のSiNx(シリコン窒
化)層、不純物をほとんど含まず絶縁ゲート型トランジ
スタのチャネルとなる第1の非晶質シリコン(a-Si)
層、及び第2のSiNx層と3種類の薄膜層を、例えば0.3-
0.05-0.1μm程度の膜厚で順次被着して30,31,3
2とする。
【0095】そして、図11(c)に示したように微細
加工技術によりゲート11上の第2のSiNx層をゲート1
1よりも幅細く選択的に残して32’として第1の非晶
質シリコン層31を露出し、同じくPCVD装置を用い
て全面に不純物として例えば燐を含む第2の非晶質シリ
コン層33を例えば0.05μm程度の膜厚で被着する。
【0096】その後、図11(d)に示したように、走
査線11の近傍101と画像表示部外の走査線11上に
設ける電極端子6の配置場所以外の領域103を除いて
第2と第1の非晶質シリコン層33,31とゲート絶縁
層30及びプラズマ保護層77とを選択的に除去してガ
ラス基板2と擬似絵素電極75とを露出する。この工程
においても複数種の薄膜を食刻するので、ガスを用いた
乾式食刻(ドライエッチ)の採用が合理的であることは
既に述べた通りである。
【0097】引き続き、図11(e)に示したように、
SPT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1μm程度の陽極
酸化可能な耐熱金属層として例えばTi,Ta等の耐熱
金属薄膜層34、低抵抗配線層として膜厚0.3μm程度の
AL薄膜層35を順次被着し、微細加工技術により耐熱
金属層34’と低抵抗配線層35’との積層よりなり信
号線も兼ねる絶縁ゲート型トランジスタのソース電極1
2とガラス基板2上に形成された擬似絵素電極75の一
部を含んでドレイン電極21とを選択的に形成する。な
お、ソース・ドレイン配線12,21の形成と同時に、
露出している走査線11上に残された第1の金属層78
を含んで走査線の電極端子6も同時に形成する。上記選
択的パターン形成に用いられる感光性樹脂パターンをマ
スクとしてソース・ドレイン電極間の第2のSiNx層3
2’上の第2の非晶質シリコン層33’を除去して第2の
SiNx層32’とその他の領域では第1の非晶質シリコン
層31’をも除去してゲート絶縁層30を露出した後、
擬似絵素電極75上の第1の金属層82を除去して透明
導電層81を露出することで絵素電極22が形成され
る。
【0098】最後に、図11(f)に示したように光を
照射しながらソース・ドレイン配線12,21を陽極酸
化してソース・ドレイン配線12,21上に絶縁層を形
成する。このようにして得られたアクティブ基板2とカ
ラーフィルタとを貼り合わせて液晶パネル化し、本発明
の第5の実施形態が完了する。基板内選択的陽極酸化が
可能であれば図10に示したように信号線12の一部を
電極端子5とすることもできるし、そうでなければ信号
線12が透明導電層よりなる電極端子5を部分的に含ん
でガラス基板2上に形成される。なお、第5の実施形態
では蓄積容量15は走査線11の突起部50と蓄積電極
55とが不純物を含む非晶質シリコン層33’と不純物
を含まない非晶質シリコン層31’とゲート絶縁層30
とプラズマ保護層77とよりなる積層を介して構成さ
れ、蓄積電極55は絵素電極22の一部を含んで突起部
50上に形成されている。共通容量線16を用いた蓄積
容量15を構成することも可能であるが、走査線11と
絵素電極22とを同時に形成するため、共通容量線16
を配置すると絵素電極22が共通容量線16によって上
下に2分割される点に注意する必要がある。
【0099】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、製造
工程の増加を伴わずにソース・ドレイン配線を保護する
酸化タンタル層または酸化アルミニウム層をソース・ド
レイン配線上に陽極酸化で形成できて、工業的にはコス
ト削減の観点からも特筆される特徴である。
【0100】次に、本発明によるパシベーション形成は
格別の加熱工程を伴わないので非晶質シリコン層を半導
体層とする絶縁ゲート型トランジスタに過度の耐熱性を
必要としない。換言すればパシベーション形成で電気的
な性能の劣化を生じない独特の効果が得られる。
【0101】なお、本発明の要件は上記の説明からも明
らかなようにエッチ・ストップ型の絶縁ゲート型トラン
ジスタにおいて、陽極酸化可能なソース・ドレイン配線
材を用いてソース・ドレイン配線表面を陽極酸化して絶
縁層化した点にあり、それ以外の構成に関してはゲート
電極、絵素電極、ゲート絶縁層等の材質や膜厚等が異な
った画像表示装置用半導体装置、あるいはその製造方法
の差異も本発明の範疇に属することは自明であり、同一
基板上で絵素電極と絵素電極とは所定の距離を隔てて形
成された対向電極との間で液晶に横方向の電界を与えて
制御するIPS(In-Plain-Switching)方式の液晶パネ
ルにおいても本発明の適用は容易である。加えて反射型
の液晶画像表示装置においても本発明の有用性は変ら
ず、また絶縁ゲート型トランジスタの半導体層も非晶質
シリコンに限定されるものでないことも明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の平面図
【図2】本発明の第1の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の製造工程断面図
【図3】本発明の第1の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の製造工程断面図
【図4】本発明の第2の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の平面図
【図5】本発明の第2の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の製造工程断面図
【図6】本発明の第3の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の平面図
【図7】本発明の第3の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の製造工程断面図
【図8】本発明の第4の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の平面図
【図9】本発明の第4の実施形態にかかる画像表示装置
用半導体装置の製造工程断面図
【図10】本発明の第5の実施形態にかかる画像表示装
置用半導体装置の平面図
【図11】本発明の第5の実施形態にかかる画像表示装
置用半導体装置の製造工程断面図
【図12】液晶パネルの実装状態を示す斜視図
【図13】液晶パネルの等価回路図
【図14】従来の液晶パネルの断面図
【図15】従来例のアクティブ基板の平面図
【図16】従来例のアクティブ基板の製造工程断面図
【図17】合理化されたアクティブ基板の平面図
【図18】合理化されたアクティブ基板の製造工程断面
【図19】基板内選択的電気化学処理装置の概要を示す
【符号の説明】
1 液晶パネル 2 アクティブ基板(ガラス基板) 3 半導体集積回路チップ 4 TCPフィルム 5,6 電極端子 9 カラーフィルタ(対向するガラス基板) 10 絶縁ゲート型トランジスタ 11 走査線(ゲート) 12 信号線(ソース配線、ソース電極) 16 共通容量線 17 液晶 19 偏光板 20 配向膜 21 ドレイン電極 22 (透明導電性)絵素電極 30 ゲート絶縁層(第1のSiNx層) 31 不純物を含まない(第1の)非晶質シリコン層 32 エッチング・ストッパ層(第2のSiNx層) 33 不純物を含む(第2の)非晶質シリコン層 34 (陽極酸化可能な)耐熱金属層 35 (陽極酸化可能な)低抵抗金属層(AL) 36 (陽極酸化可能な)中間導電層 37 パシベーション絶縁層 38 絵素電極上のパシベーション絶縁層に形成された
開口部 60 (走査線上の)開口部 62 (パシベーション絶縁層に形成されたドレイン電
極上の)開口部 65 (絵素電極形成の)感光性樹脂パターン 66 不純物を含む酸化シリコン層 67 不純物を含まない酸化シリコン層 68 5酸化タンタル(Ta2O5) 69 アルミナ(Al2O3) 70 酸化チタン(TiO2) 71,72 (接続層の)開口部 77 プラズマ保護層 80 接続層 81 透明導電層 82 第1の金属層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 29/78 616U 616K (56)参考文献 特開 平1−283518(JP,A) 特開 平2−55339(JP,A) 特開 平2−116831(JP,A) 特開 平6−18922(JP,A) 特開 平6−95121(JP,A) 特開 平6−148683(JP,A) 特開 平6−242467(JP,A) 特開 平6−289427(JP,A) 特開 平9−218426(JP,A) 特開 平10−261797(JP,A) 特開 平11−352503(JP,A) 特開 昭61−29820(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13 - 1/141 G09F 9/30 H01L 21/336 H01L 29/786

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板と前記ガラス基板上に形成され
    た金属層からなるゲート電極と、 前記ゲート電極上に1層以上のゲート絶縁層を介して前
    記ゲート電極よりも幅広く積層された不純物を含まない
    第1の半導体層と、 前記第1の半導体層上に前記ゲート電極よりも幅細く積
    層された保護絶縁層と、 前記ゲート電極と一部重なり合って前記保護絶縁層上と
    前記第1の半導体層上とに積層され、不純物を含んでい
    る一対の第2の半導体層と、 前記一対の第2の半導体層上にそれぞれ積層され、表面
    が陽極酸化されたソース電極および絵素電極に接続さ
    、かつ、表面が陽極酸化されたドレイン電極と、を備
    え、 前記ガラス基板の表面上に金属からなる接続層が形成さ
    れており、前記絵素電極と前記ドレイン電極とが前記接
    続層を介して接続されている、液晶表示装置用の半導体
    装置。
  2. 【請求項2】ガラス基板と前記ガラス基板上に形成され
    た金属層からなるゲート電極と、 前記ゲート電極上に1層以上のゲート絶縁層を介して前
    記ゲート電極よりも幅広く積層された不純物を含まない
    第1の半導体層と、 前記第1の半導体層上に前記ゲート電極よりも幅細く積
    層された保護絶縁層と、 前記ゲート電極と一部重なり合って前記保護絶縁層上と
    前記第1の半導体層上とに積層され、不純物を含んでい
    る一対の第2の半導体層と、 前記一対の第2の半導体層上にそれぞれ積層され、表面
    が陽極酸化されたソース電極および絵素電極に接続さ
    、かつ、表面が陽極酸化されたドレイン電極と、を備
    え、 前記絵素電極が前記ガラス基板の表面上に形成されてい
    る、液晶表示装置用の半導体装置。
  3. 【請求項3】前記絵素電極が前記ドレイン電極の表面に
    接している、請求項2に記載の液晶表示装置用の半導体
    装置。
  4. 【請求項4】前記ゲート電極と前記ゲート絶縁層との間
    にはプラズマ保護層が挟まれており、前記ゲート電極は
    前記ガラス基板上に積層された透明導電層と金属層との
    積層体からなる、請求項2に記載の液晶表示装置用の半
    導体装置。
  5. 【請求項5】ガラス基板上の一主面上に1層以上の金属
    層よりなり絶縁ゲート型トランジスタのゲート電極も兼
    ねる走査線を選択的に形成する工程と、 1層以上のゲート絶縁層と不純物を含まない第1の非晶
    質シリコン層と保護絶縁層とを順次被着する工程と、 前記ゲート電極上の保護絶縁層を前記ゲート電極よりも
    幅細く選択的に残して前記第1の非晶質シリコン層を露
    出する工程と、 全面に不純物を含む第2の非晶質シリコン層を被着する
    工程と、 画像表示部外の領域で前記走査線上に開口部を選択的に
    形成して前記走査線の一部を露出する工程と、 陽極酸化可能な金属を被着後、前記ゲート電極と一部重
    なるソース電極およびドレイン電極を選択的に形成する
    工程と、 前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に位置する保
    護絶縁層上の第2の非晶質シリコン層と前記ソース電極
    外および前記ドレイン電極外の領域の第1と第2の非晶
    質シリコン層とを除去する工程と、 透明導電膜を被着し、前記透明導電膜上に感光性樹脂を
    積層して感光およびエッチングすることにより前記感光
    性樹脂が積層された透明電極膜からなると共に前記ドレ
    イン電極に接続された絵素電極を選択的に形成する工程
    と、 前記絵素電極上に積層された前記感光性樹脂をマスクと
    して前記絵素電極を保護しつつ光を照射しながら前記ソ
    ース電極の表面および前記ドレイン電極の表面を陽極酸
    化する工程と、 前記感光性樹脂を除去する工程とを有する画像表示装
    置用半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】ガラス基板上の一主面上に1層以上の金属
    層よりなり絶縁ゲート型トランジスタのゲート電極も兼
    ねる走査線を選択的に形成する工程と、 1層以上のゲート絶縁層と不純物を含まない第1の非晶
    質シリコン層と保護絶縁層とを順次被着する工程と、 前記ゲート電極上の保護絶縁層を前記ゲート電極よりも
    幅細く選択的に残して前記第1の非晶質シリコン層を露
    出する工程と、 全面に不純物を含む第2の非晶質シリコン層を被着する
    工程と、 陽極酸化可能な金属を被着後、前記ゲート電極と一部重
    なるソース電極およびドレイン電極を選択的に形成する
    工程と、 前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に位置する保
    護絶縁層上の第2の非晶質シリコン層と前記ソース電極
    外および前記ドレイン電極外の領域の第1と第2の非晶
    質シリコン層とを除去する工程と、 画像表示部外の領域で前記走査線上に開口部を選択的に
    形成して前記走査線の一部を露出する工程と、 透明導電膜を被着し、前記透明導電膜上に感光性樹脂を
    積層して感光およびエッチングすることにより前記感光
    性樹脂が積層された透明電極膜からなる絵素電極を選択
    的に形成する工程と、 前記絵素電極上に積層された前記感光性樹脂をマスクと
    して前記絵素電極を保護しつつ光を照射しながら前記ソ
    ース電極の表面および前記ドレイン電極の表面を陽極酸
    化する工程と、 前記感光性樹脂を除去する工程とを有する画像表示装
    置用半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】ガラス基板上の一主面上に1層以上の金属
    層よりなる接続層および絶縁ゲート型トランジスタのゲ
    ート電極も兼ねる走査線を選択的に形成する工程と、 1層以上のゲート絶縁層と不純物を含まない第1の非晶
    質シリコン層と保護絶縁層とを順次被着する工程と、 前記ゲート電極上の保護絶縁層を前記ゲート電極よりも
    幅細く選択的に残して前記第1の非晶質シリコン層を露
    出する工程と、 全面に不純物を含む第2の非晶質シリコン層を被着する
    工程と、 前記接続層上に一対の開口部を選択的に形成して接続層
    の一部を露出すると共に画像表示部外の領域で前記走査
    線上に開口部を選択的に形成して前記走査線の一部を露
    出する工程と、 陽極酸化可能な金属を被着後、前記ゲート電極と一部重
    なるソース電極および前記ゲート電極と一部重なると共
    に前記一対の開口部の一方を介して前記接続層に接続さ
    れたドレイン電極を選択的に形成する工程と、 前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に位置する保
    護絶縁層上の第2の非晶質シリコン層と前記ソース電極
    外および前記ドレイン電極外の領域の第1と第2の非晶
    質シリコン層とを除去する工程と、 透明導電膜を被着し、前記透明導電膜上に感光性樹脂を
    積層して感光およびエッチングすることにより前記感光
    性樹脂が積層された透明電極膜からなると共に前記一対
    の開口部の他方を介して前記接続層に接続された絵素電
    極を選択的に形成する工程と、 前記絵素電極上に積層された前記感光性樹脂をマスクと
    して前記絵素電極を保護しつつ光を照射しながら前記ソ
    ース電極の表面および前記ドレイン電極の表面を陽極酸
    化する工程と、 前記感光性樹脂を除去する工程とを有する画像表示装
    置用半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】ガラス基板上の一主面上に1層以上の金属
    層よりなり絶縁ゲート型トランジスタのゲート電極も兼
    ねる走査線を選択的に形成する工程と、 1層以上のゲート絶縁層と不純物を含まない第1の非晶
    質シリコン層と保護絶縁層とを順次被着する工程と、 前記ゲート電極上の保護絶縁層を前記ゲート電極よりも
    幅細く選択的に残して前記第1の非晶質シリコン層を露
    出する工程と、 全面に不純物を含む第2の非晶質シリコン層を被着する
    工程と、 前記ゲート電極及びその近傍に第2と第1の非晶質シリ
    コン層及びゲート絶縁層を残すと共に画像表示部外の領
    域においては前記走査線の一部が露出するように前記第
    2と第1の非晶質シリコン層及びゲート絶縁層とを選択
    的に除去する工程と、 前記ガラス基板上に透明導電性の絵素電極を選択的に形
    成する工程と、 陽極酸化可能な金属を被着後、前記ゲート電極と一部重
    なるソース電極および前記ゲート電極と一部重なると共
    に前記絵素電極に接続されたドレイン電極を選択的に形
    成する工程と、 前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に位置する保
    護絶縁層上の第2の非晶質シリコン層を除去する工程
    と、 光を照射しながら前記ソース電極および前記ドレイン電
    極の表面を、前記第1の非晶質シリコン層の光電効果を
    利用して、陽極酸化する工程と、を有する画像表示装置
    用半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】ガラス基板上の一主面上に1層以上の金属
    層よりなり絶縁ゲート型トランジスタのゲート電極も兼
    ねる走査線を選択的に形成する工程と、 1層以上のゲート絶縁層と不純物を含まない第1の非晶
    質シリコン層と保護絶縁層とを順次被着する工程と、 前記ゲート電極上の保護絶縁層を前記ゲート電極よりも
    幅細く選択的に残して前記第1の非晶質シリコン層を露
    出する工程と、 全面に不純物を含む第2の非晶質シリコン層を被着する
    工程と、 前記ゲート電極及びその近傍に第2と第1の非晶質シリ
    コン層及びゲート絶縁層とを残すと共に画像表示部外の
    領域においては前記走査線の一部が露出するように前記
    第2と第1の非晶質シリコン層及びゲート絶縁層とを選
    択的に除去する工程と、 陽極酸化可能な金属を被着後、前記ゲート電極と一部重
    なるソース電極およびドレイン電極を選択的に形成する
    工程と、 前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に位置する保
    護絶縁層上の第2の非晶質シリコン層を除去する工程
    と、 透明導電膜を被着し、前記透明導電膜上に感光性樹脂を
    積層して感光およびエッチングすることにより前記感光
    性樹脂が積層された透明電極膜からなると共に前記ドレ
    イン電極の表面に接続された絵素電極を選択的に形成す
    る工程と、 前記絵素電極上に積層された前記感光性樹脂をマスクと
    して前記絵素電極を保護しつつ光を照射しながら前記ソ
    ース電極の表面および前記ドレイン電極の表面を陽極酸
    化する工程と、 前記感光性樹脂を除去する工程とを有する画像表示装
    置用半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】ガラス基板上の一主面上に透明導電層と
    陽極酸化可能な金属層との積層体よりなり絶縁ゲート型
    トランジスタのゲートも兼ねる走査線と擬似絵素電極と
    を選択的に形成する工程と、 プラズマ保護層を含む1層以上のゲート絶縁層と不純物
    を含まない第1の非晶質シリコン層と保護絶縁層とを順
    次被着する工程と、 前記ゲート電極上の保護絶縁層を前記ゲート電極よりも
    幅細く選択的に残して第1の非晶質シリコン層を露出す
    る工程と、 全面に不純物を含む第2の非晶質シリコン層を被着する
    工程と、 前記ゲート電極及びその近傍に第2と第1の非晶質シリ
    コン層及びゲート絶縁層を残すと共に画像表示部外の領
    域においては前記走査線の一部が露出するように前記第
    2と第1の非晶質シリコン層およびゲート絶縁層を選択
    的に除去する工程と、 陽極酸化可能な金属を被着後、前記ゲート電極と一部重
    なるソース電極および前記ゲート電極と一部重なると共
    に前記擬似絵素電極に接続されたドレイン電極を選択的
    に形成する工程と、 前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に位置する保
    護絶縁層上の第2の非晶質シリコン層を除去する工程
    と、 前記擬似絵素電極上の金属層を除去して前記透明導電層
    を露出する工程と、 光を照射しながら前記ソース電極および前記ドレイン電
    極を、前記第1の非晶質シリコン層の光電効果を利用し
    て、陽極酸化する工程とを有する画像表示装置用半導
    体装置の製造方法。
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