JP3995141B2 - 透明導電性フィルムおよびタッチパネル電極 - Google Patents

透明導電性フィルムおよびタッチパネル電極 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハードコート層を有する透明導電性フィルムおよびタッチパネル電極に関する。本発明のハードコート層付きの透明導電性フィルムは、加熱加工時にカールが生じにくく、アナログ方式タッチパネルの電極板などに好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
種々の方式のタッチパネルのうち、液晶ディスプレイと組み合わされて使用されるものは、液晶ディスプレイが薄型化や省電力化を達成するために採用されていることから、抵抗膜式タッチパネルが多く用いられている。一般に抵抗膜式タッチパネルにはマトリクス方式とアナログ方式とがあって、目的用途によって使い分けられている。マトリクス方式は、押圧側(入力操作側)基板と非押圧側(ディスプレイ側)基板とで互いに交差する方向に短冊状電極を形成しスぺーサを介して対向配置したものである。
【0003】
一方、アナログ式タッチパネルは、透明導電膜を内側にして透明導電性フィルムをスペーサを介し対向配置し、透明導電膜の一方に電流を流し他方の透明導電膜における電圧を計測するようにして、対向する透明導電膜を指やペン等による押圧操作を介して接触させ、その接触部分での電流の流れにより位置を検知するようにしたものであり、通電のために透明導電膜の端部に銀ペースト等の導電性ペーストからなるリードが設けられている。前記リードは、例えば対向配置の透明導電性フィルムの表面をフラットに保ちながら、透明導電膜間に介在させた導電性ペーストを100〜150℃で1〜2時間加熱して硬化処理する方法などにより形成される。また透明導電性フィルムの操作面には前記の押圧操作に耐えるようにするためハードコート層が設けられている。
【0004】
しかしながら、透明導電性フィルムは、前記加熱処理の際にカールする問題があり、そのカールがタッチパネルにニュートンリングを発生させて画面の視認不良などの原因となる。そこで、このような透明導電性フィルムのカールを防止するために、たとえば、特開平8−1480136号公報では、基材の両面にハードコート層を有するハードコート処理フィルムを用いることが提案されている。具体的には図2に断面図として示されるように、透明基材31の両面にハードコート層32、33を有するハードコート処理フィルム3と、透明基材12の片面に透明導電膜11を形成した導電フィルム1とを粘着剤層2を介して接着して透明導電性フィルムが提案されている。しかし、特開平8−148036号公報に記載の透明導電性フィルムは、基材の両面にハードコート層を設けたものであるため、製造コストが高くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、加熱加工時にカールが生じにくく、且つ簡便に作製できる透明導電性フィルムを提供することを目的とする。さらには当該透明導電性フィルムを用いたタッチパネル用電極板を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す透明導電性フィルムを用いることにより前記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、第一透明基材の第一面にハードコート層を形成したハードコート処理フィルム(以下、単にHCフィルムという)と、第二透明基材の第一面に透明導電膜を有する導電フィルムとを、第一透明基材の第二面と第二透明基材の第二面とが対向するように配置し、粘着剤層を介して接着した透明導電性フィルムにおいて、HCフィルムを構成する第一透明基材とハードコート層との縦方向(0°方向)及び横方向(90°方向)における各熱収縮率の差が、いずれも0.35%以内であることを特徴とする透明導電性フィルム、に関する。
【0008】
本発明は上記のようにHCフィルムの第一透明基材とハードコート層との熱収縮率差が、縦方向(0°方向)及び横方向(90°方向)のいずれにおいても0.35%以内のものであれば、第一透明基材の片面にのみハードコート層を設けたHCフィルムであっても、加熱加工時におけるカールを防止できることを見出したものである。その結果、カール防止のために両面にハードコート層を有するHCフィルムを用いる必要が無くなり、より安価で光学特性の優れたハードコート層付透明導電性フィルムを提供することが可能となった。
【0009】
前記第一透明基材とハードコート層との縦方向(0°方向)および横方向(90°方向)における各熱収縮率差はいずれも小さいほど好ましく、当該各熱収縮率差は、0.2%以内、さらには0.1%以内であるのが好ましい。
【0010】
前記透明導電性フィルムにおいて、前記第一透明基材の縦方向(0°方向)及び横方向(90°方向)における各熱収縮率が、いずれも1%以内であることが好ましい。
【0011】
第一透明基材の熱収縮率はカール防止のうえで小さいほど好ましく、縦方向(0°方向)、横方向(90°方向)のいずれの熱収縮率も、0.5%以内、さらには0.3%以内であるのが好ましい。
【0012】
前記透明導電性フィルムにおいて、前記HCフィルムと前記導電フィルムとの縦方向(0°方向)及び横方向(90°方向)における各熱収縮率の差が、いずれも0.5%以内であることが好ましい。
【0013】
前記HCフィルムと前記導電フィルムとの縦方向(0°方向)および横方向(90°方向)における各熱収縮率差はカール防止のうえでいずれも小さいほど好ましく、当該各熱収縮率差は、0.2%以内、さらには0.1%以内であるのが好ましい。
【0014】
前記透明導電性フィルムにおいて、前記HCフィルムと前記導電フィルムとの、45度毎の4方向{縦方向(0°方向)、第1斜方向(45°方向)、横方向(90°方向)及び第2斜方向(135°方向)}における各熱収縮率の差が、いずれも0.3%以内であることが好ましい。
【0015】
縦方向、横方向に加え、さらに斜方向を加えた4方向においても、HCフィルムと前記導電フィルムとの熱収縮率差が小さいものは、斜方向のカール、すなわちツイストカール防止効果が大きい。HCフィルムと導電フィルムとの熱収縮率差は、45度毎の前記4方向のいずれの方向においてもツイストカールを含めたカール防止効果のうえで小さいほど好ましく、特に当該各熱収縮率差は、0.2%以内、さらには0.1%以内であるのが好ましい。
【0016】
前記透明導電性フィルムにおいて、前記HCフィルムと前記導電フィルムの45度毎の4方向{縦方向(0°方向)、第1斜方向(45°方向)、横方向(90°方向)及び第2斜方向(135°方向)}における各熱収縮率が、いずれも1%以内であることが好ましい。
【0017】
前記HCフィルムと前記導電フィルムの熱収縮率は小さいほど好ましく、前記4方向のいずれの熱収縮率も、0.5%以内、さらには0.3%以内であるのがツイストカール含めたカール防止効果の点で好ましい。
【0018】
さらには本発明は、前記透明導電性フィルムを用いたタッチパネル用電極板、に関する。本発明の透明導電性フィルムはアナログ方式タッチパネルの電極板などとして好適に用いられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の透明導電性フィルムを図1を参照しながら説明する。図1に示す通り、透明導電性フィルムは、片面に透明導電膜11を設けた第二透明基材12からなる導電フィルム1と、粘着剤層2と、第一透明基材31の片面にハードコート層32を設けたHCフィルム3とを備え、第二透明基材12の他面と第一透明基材31の他面とが粘着剤層2で接着されたものである。
【0020】
導電フィルム1における第二透明基材12やHCフィルム3における第一透明基材31としては、例えば、透明基材を特に制限なく使用できる。たとえば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂などの適宜なプラスチックからなるフィルムが用いられる。フィルム厚は、適宜に決定しうるが一般的には、タッチパネル形成時の作業性や性能等の点より3〜300μm程度、さらには5〜250μm、特に10〜200μmが好ましい。
【0021】
第一透明基材31の熱収縮率は、前述の通り縦方向(0°方向)及び横方向(90°方向)のいずれも1%以内であるのが好ましい。また、第二透明基材12の熱収縮率についても縦方向(0°方向)及び横方向(90°方向)のいずれも1%以内であるとが好ましい。
【0022】
導電フィルム1は、第二透明基材12となるフィルムの片面に透明導電膜11を設けることにより得られる。透明導電膜11の形成は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、スプレー熱分解法、化学メッキ法、電気メッキ法またはこれらの組合わせ法などの各種薄膜形成法を適宜に選択し、第二透明基材12のフィルム上に透明導電膜形成材からなる膜を付設することにより行うことができる。透明導電膜の形成速度や大面積膜の形成性、生産性などの点から、前記薄膜形成法としては真空蒸着法やスパッタリング法を採用するのが好ましい。
【0023】
前記透明導電膜11の形成材としては、透明な導電性の膜を形成しうるものを適宜に選択して用いる。好ましくは、例えば、金、銀、白金、パラジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト、錫およびこれらの合金等からなる金属、また酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化カドミウムおよびこれらの混合物等からなる金属酸化物、ヨウ化銅等からなる他の金属化合物などが用いられる。
【0024】
透明導電膜11の厚さは、使用目的に応じて適宜に決定することができる。たとえば、抵抗膜式タッチパネル用の電極板としては、一般的には103 Ω/□以下の表面抵抗としたものが好ましい。かかる表面抵抗は、通例、金属系透明導電膜の場合には30〜600Å程度、金属酸化物系透明導電膜の場合には80〜5000Å程度の厚さとすることで達成することができる。
【0025】
なお、透明導電膜11の付設に際しては、第二透明基材12のフィルム表面にコロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、スパッタエッチング処理、アンダーコート処理等の適宜な接着処理を施して、透明導電膜11との密着性を高めることもできる。
【0026】
HCフィルム3は、第一透明基材31となるフィルムの片面をハードコート処理してハードコート層32を形成することにより得られる。ハードコート処理は、例えばアクリルウレタン系樹脂やシロキサン系樹脂などの硬質樹脂を塗布して硬化処理する方法などにより行うことができる。ハードコート処理に際しては、前記アクリルウレタン系樹脂やシロキサン系樹脂などの硬質樹脂にシリコーン樹脂等を配合して表面を粗面化して、タッチパネル等として実用した際に鏡作用による写り込みを防止しうるノングレア面を同時に形成することもできる。
【0027】
ハードコート層32を形成する際、厚さが薄いと硬度不足となり、一方厚すぎるとクラックが発生する場合がある。また、カールの防止特性等も考慮に入れると、好ましいハードコート層32の厚さは0.1〜30μm程度である。
【0028】
本発明の透明導電性フィルムは、前記の通り、第一透明基材31、ハードコート層32、HCフィルム3、導電フィルム1は小さな熱収縮率を有し、またこれら相互間における熱収縮率差が小さなものを用いたものである。前記熱収縮率、熱収縮率差を有する透明導電性フィルムを調製するには、第一透明基材31、第二透明基材12、ハードコート層32、透明導電膜11について、前記熱収縮率、熱収縮率差となるように、それらの材質を選択しおよび/またはその厚みを調整することにより行う。また、HCフィルム3、導電フィルム1は、低熱収縮化処理を施すことにより、前記熱収縮率となるように調整することもできる。
【0029】
第一透明基材31、ハードコート層32、HCフィルム3、導電フィルム1の熱収縮率は、10cm四方のサンプルについて、初期状態における寸法と150℃で1時間放置したときの寸法(放置後寸法)を測定し、これらの測定値を下記式に代入することにより求められる。寸法はオリンパスデジタル式小型顕微鏡(STM5)を用いて測定したものである。なお、ハードコート層の熱収縮率は、離型剤を塗布した適当なシート上に所望の厚さのハードコート層を設け、剥がした後に求めることができる。
熱収縮率(%)={(初期寸法−放置後寸法)/(初期寸法)}×100。
【0030】
本発明の透明導電性フィルム1における、HCフィルム3と導電フィルム1を接着するための粘着剤層2としては、透明性を有するものを適宜に選択して用いられる。例えばアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などのようにクッション性に優れるものが好ましい。特に1.0×104 〜1.0×106 N/m2 の弾性係数を有するものが好ましい。粘着剤層2の厚さは1μm以上、特に5〜500μmが好ましい。粘着剤層2の形成法は特に制限されず、適宜な段階に適宜な方式で設けることができる。たとえば、HCフィルム3又は/及び導電フィルム1に予め付設して両フィルムの接着に供してもよいし、当該接着積層時に塗工することもできる。
【0031】
なお、本発明の透明導電性フィルムを形成するHCフィルム3、導電フィルム1、粘着剤層2は、タッチパネル作成時等や、必要に応じての上記アニール処理などにおいて加熱されるものであることにから、100℃以上、さらには150℃以上の耐熱性を有することが好ましい。
【0032】
本発明の透明導電性フィルムは、タッチパネルや液晶ディスプレイなどの種々の装置の形成などに好ましく用いることができる。特に、ハードコート処理を有しているのでタッチパネルの如く、外部と接触する部品ないし接触する部位に好ましく用いることができる。
【0033】
【実施例】
以下に、本発明について実施例をあげて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0034】
実施例1
第一透明基材として熱収縮率が縦方向(以下、0°方向という)0.2%、横方向(以下、90°方向という)0.5%である厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを準備し、その片面に熱収縮率が両方向ともに0.3%であるアクリルウレタン系樹脂からなる厚さ5μmのハードコート層を設け、HCフィルムとした。当該HCフィルムの熱収縮率は、0°方向:0.2%、90°方向:0.4%であった。そして、このHCフィルムの他面に、厚さ25μmのアクリル系粘着剤層を設けた。
【0035】
別途、第二透明基材としての厚さ38μmのPETフィルムの片面に透明導電膜としてITO蒸着膜を有する、熱収縮率が0°方向:0.0%、90°方向:0.3%である導電フィルムを準備した。そして、透明導電膜とハードコート層が互いに外側を向くようにHCフィルムと導電フィルムを対向させ前記の粘着剤層を介して両フィルムを接着した。その後150℃の環境下に10時間放置して低熱収縮化処理し透明導電性フィルムを作製した。
【0036】
実施例2
第一透明基材として熱収縮率が0°方向:0.6%、90°方向:0.8%である厚さ125μmのPETフィルムを準備し、その片面に熱収縮率が両方向ともに0.5%であるアクリルウレタン系樹脂からなる厚さ5μmのハードコート層を設け、HCフィルムとした。当該HCフィルムの熱収縮率は、0°方向:0.5%、90°方向:0.8%であった。このHCフィルムの他面に、厚さ25μmのアクリル系粘着剤層を設けた。
【0037】
別途、第二透明基材としての厚さ23μmのPETフィルムの片面にITO蒸着膜を有する、熱収縮率が0°方向:0.0%、90°方向:0.3%である導電フィルムを準備した。そして、透明導電膜とハードコート層が互いに外側を向くようにHCフィルムと導電フィルムを対向させ前記の粘着剤層を介して両フィルムを接着することにより、透明導電性フィルムを作製した。
【0038】
比較例1
第一透明基材として熱収縮率が0°方向:0.1%、90°方向:1.1%である厚さ125μmのPETフィルムを準備し、その片面に熱収縮率が両方向ともに0.5%であるアクリルウレタン系樹脂からなる厚さ5μmのハードコート層を設け、HCフィルムとした。当該HCフィルムの熱収縮率は、0°方向:0.5%、90°方向:1.1%であった。そして、このHCフィルムの他面に、厚さ25μm のアクリル系粘着剤層を設けた。
【0039】
別途、第二透明基材として厚さ23μmのPETフィルムの片面にITO蒸着膜を有する、熱収縮率が0°方向:0.0%、90°方向:0.3%である導電フィルムを準備した。そして、透明導電膜とハードコート層が互いに外側を向くようにHCフィルムと導電フィルムを対向させ前記の粘着剤層を介して両フィルムを接着することにより、透明導電性フィルムを作製した。
【0040】
(評価実験)
実施例1、2及び比較例1で得られた透明導電性フィルムより、0°方向に15cm、90°方向に10cmのサイズで切り取って試験片を作製し、それを150℃の乾燥機内にITO蒸着面を上側にして1時間加熱した場合の、カールの程度を調べた。その結果を表1に示した。なお、カールの判定においては、ITO蒸着面が凹形状と場合のカールは(+)で表し、凸形状となる場合のカールは(−)で表した。
【0041】
【表1】
Figure 0003995141
表1から、0°方向および90°方向における各熱収縮率の差が、いずれも0.35%以内の実施例では、カールが発生していないか、またはその程度が比較例に比べて小さいことが認められる。なお、表中、各例の熱収縮率の差は、その絶対値で表している。
【0042】
実施例3
第一透明基材として熱収縮率が0°方向0.1%、90°方向0.5%である厚さ125μmのPETフィルムを準備し、その片面に熱収縮率が両方向ともに0.3%であるアクリルウレタン系樹脂からなる厚さ5μmのハードコート層を設け、HCフィルムとした。当該HCフィルムの熱収縮率は0°方向:0.01%、45°方向:0.13%、90°方向:0.22%、135°方向:0.17%であった。そして、このHCフィルムの他面に、厚さ25μmのアクリル系粘着剤層を設けた。
【0043】
別途、第二透明基材としての厚さ25μmのPETフィルムの片面に透明導電膜としてITO蒸着膜を有する導電フィルムを準備した。当該導電フィルムの熱収縮率は0°方向:0.02%、45°方向:0.17%、90°方向:0.51%、135°方向:0.14%であった。そして、透明導電膜とハードコート層が互いに外側を向くようにHCフィルムと導電フィルムを対向させ前記の粘着剤層を介して両フィルムを接着し透明導電性フィルムを作製した。
【0044】
比較例2
第一透明基材として熱収縮率が0°方向0.1%、90°方向1.1%である厚さ125μmのPETフィルムを準備し、その片面に熱収縮率が両方向ともに0.5%であるアクリルウレタン系樹脂からなる厚さ5μmのハードコート層を設け、HCフィルムとした。当該HCフィルムの熱収縮率は0°方向:0.32%、45°方向:0.60%、90°方向:0.67%、135°方向:0.63%であった。そして、このHCフィルムの他面に、厚さ25μmのアクリル系粘着剤層を設けた。
【0045】
別途、第二透明基材としての厚さ25μmのPETフィルムの片面に透明導電膜としてITO蒸着膜を有する導電フィルムを準備した。当該導電フィルムの熱収縮率は0°方向:0.12%、45°方向:0.23%、90°方向:0.60%、135°方向:0.17%であった。そして、透明導電膜とハードコート層が互いに外側を向くようにHCフィルムと導電フィルムを対向させ前記の粘着剤層を介して両フィルムを接着し透明導電性フィルムを作製した。
【0046】
比較例3
第一透明基材として熱収縮率が0°方向0.1%、90°方向0.6%である厚さ125μmのPETフィルムを準備し、その片面に熱収縮率が両方向ともに0.2%であるアクリルウレタン系樹脂からなる厚さ5μmのハードコート層を設け、HCフィルムとした。当該HCフィルムの熱収縮率は0°方向:0.01%、45°方向:0.13%、90°方向:0.22%、135°方向:0.17%であった。そして、このHCフィルムの他面に、厚さ25μmのアクリル系粘着剤層を設けた。
【0047】
別途、第二透明基材としての厚さ25μmのPETフィルムの片面に透明導電膜としてITO蒸着膜を有する導電フィルムを準備した。当該導電フィルムの熱収縮率は0°方向:0.00%、45°方向:0.43%、90°方向:0.85%、135°方向:0.43%であった。そして、透明導電膜とハードコート層が互いに外側を向くようにHCフィルムと導電フィルムを対向させ前記の粘着剤層を介して両フィルムを接着し透明導電性フィルムを作製した。
【0048】
(評価試験)
実施例3および比較例2、3で得られた透明導電性フィルムより、10cm角サイズで切り取って試験片を作製し、それを150℃の乾燥機内にITO蒸着面を上側にして30分間加熱した場合の、カールの程度を金尺にて測定した。その結果を表2に示した。なお、カールの判定においては、ITO蒸着面が凹形状と場合のカールは(+)で表し、凸形状となる場合のカールは(−)で表した。
【0049】
【表2】
Figure 0003995141
表1から、実施例3では、4方向における各熱収縮率の差が、いずれも0.3%以内であり、ツイストカールを含めたカールの発生が少ないことが認められる。比較例2では、0°方向および90°方向の実施例では、カールが発生していないが、45°方向および135°方向における各熱収縮率の差が、いずれも0.3%を超えておりツイストカールが認められる。なお、表中、各例の熱収縮率の差は、その絶対値で表している。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明のハードコート層付き透明導電性フィルムは、片面のみのハードコート処理でコスト面において安価で、加熱時にカールが生じにくく、タッチパネル等の組立作業を容易に生産効率よく行うことができ、ニュートンリングの発生も抑制できて外観の良好なものを形成することができる。また粘着剤層によるクッション性により透明導電膜が損傷もしにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明導電性フィルムを示す断面図である。
【図2】従来の透明導電性フィルムを示す断面図である。
【符号の説明】
1 導電フィルム
11 透明導電膜
12 第二透明基材
2 粘着剤層
3 ハードコート処理フィルム
31 第一透明基材
32、33 ハードコート層

Claims (8)

  1. 第一透明基材の第一面にハードコート層を形成したハードコート処理フィルムと、第二透明基材の第一面に透明導電膜を有する導電フィルムとを、第一透明基材の第二面と第二透明基材の第二面とが対向するように配置し、粘着剤層を介して接着した透明導電性フィルムにおいて、ハードコート処理フィルムを構成する第一透明基材とハードコート層との縦方向(0°方向)及び横方向(90°方向)における各熱収縮率の差が、いずれも0.35%以内であることを特徴とする透明導電性フィルム。
  2. 前記第一透明基材の縦方向(0°方向)及び横方向(90°方向)における各熱収縮率が、いずれも1%以内であることを特徴とする請求項1記載の透明導電性フィルム。
  3. 前記ハードコート処理フィルムと前記導電フィルムとの縦方向(0°方向)及び横方向(90°方向)における各熱収縮率の差が、いずれも0.5%以内であることを特徴とする請求項1または2記載の透明導電性フィルム。
  4. 前記ハードコート処理フィルムと前記導電フィルムとの、45度毎の4方向{縦方向(0°方向)、第1斜方向(45°方向)、横方向(90°方向)及び第2斜方向(135°方向)}における各熱収縮率の差が、いずれも0.3%以内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
  5. 前記ハードコート処理フィルムと前記導電フィルムの45度毎の4方向{縦方向(0°方向)、第1斜方向(45°方向)、横方向(90°方向)及び第2斜方向(135°方向)}における各熱収縮率が、いずれも1%以内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
  6. ハードコート層が、アクリルウレタン系樹脂またはシロキサン系樹脂からなる硬質樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
  7. ハードコート層が、前記硬質樹脂を塗布して硬化処理することにより形成されていることを特徴とする請求項6記載の透明導電性フィルム。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の透明導電性フィルムを用いたタッチパネル用電極板。
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