JP3994936B2 - 積層型セラミック電子部品およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、積層型セラミック電子部品およびその製造方法に関するもので、特に、たとえば多層セラミック基板のような積層型セラミック電子部品の外部端子電極の構造およびその形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、チップアンテナ、ディレイライン、高周波複合スイッチモジュール、受信デバイス用デバイスなどの電子部品は、積層型セラミック電子部品をもって構成されることが多い。このような積層型セラミック電子部品は、適宜の実装基板上に実装された状態で用いられ、そのため、実装基板と電気的に接続される外部端子電極を備えている。
【0003】
図11は、この発明にとって興味ある従来の積層型セラミック電子部品1の一部であって、外部端子電極2が形成された部分を断面図で示している(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
図11には、全体的な構成が現れていないが、積層型セラミック電子部品1は、積層された複数のセラミック層3をもって構成される、部品本体4と、部品本体4の内部に設けられる、内部回路要素としての内部導体膜5およびビアホール導体6とを備えている。そして、前述した外部端子電極2は、セラミック層3の延びる方向に延びる部品本体4の第1主面7上に設けられ、図示しない実装基板に電気的に接続されるように用いられる。
【0005】
外部端子電極2は、通常、導電性ペーストを焼き付けることによって形成されるものである。
【0006】
なお、このような外部端子電極2は、焼結後の部品本体4の主面7上に導電性ペーストを付与し、これを焼き付けることによって形成されることもあるが、外部端子電極2のための導電性ペーストを焼き付ける工程を、セラミックの焼成工程と同時に行なうのが工程の能率化および低コスト化にとって有利である。そのため、外部端子電極2を形成するための導電性ペーストは、セラミック層3を与えるセラミックグリーンシート上に付与されたり、焼成前の生の状態にある部品本体4の主面7上に付与されたりすることによって、焼結後の部品本体4を得るための焼成工程において、この導電性ペーストが同時に焼成されるようにすることが好ましい。
【0007】
また、上述のように、焼き付けによって形成された外部端子電極2上には、必要に応じて、ニッケルめっきおよび金めっきまたはニッケルめっきおよび錫めっきが施されることがある。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−267744号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような積層型セラミック電子部品1が、特に数100MHzないし数GHzの高周波帯で使用されるとき、高周波信号の挿入損失を低減するため、内部導体膜5やビアホール導体6のような内部回路要素についても言えることではあるが、特に、外部端子電極2が低抵抗であり、緻密であり、表面の平滑性が良好であることに加えて、外部端子電極2のエッジ角度θが比較的大きいことが望まれる。
【0010】
上述した要望のうち、外部端子電極2が低抵抗であることについては、外部端子電極2を形成するために用いられる導電性ペーストの導電成分として銀や銅のような低抵抗材料を用いることによって、これを満たすことができる。なお、このような銀や銅は、その融点が比較的低いことから、前述したように、外部端子電極2の形成のための焼付けとセラミック層3を得るための焼成とが同時に行なわれる場合には、セラミック層3を構成するセラミック材料として、約1000℃以下の温度で焼結し得る、いわゆる低温焼結セラミック材料が用いられる。
【0011】
また、上述した要望のうち、外部端子電極2が緻密であることおよび表面の平滑性が良好であることについては、外部端子電極2を形成するために用いられる導電性ペーストの組成や添加物あるいは導電性ペーストの焼き付け条件等を適正化することにより、これらの要望を比較的容易に満たすことができる。
【0012】
しかしながら、外部端子電極2のエッジ角度θを大きくすることについては、以下に説明するように、それほど容易に解決され得るものではない。
【0013】
外部端子電極2のエッジ角度θが小さくなるのは、次の原因による。
【0014】
まず、外部端子電極2を形成するための導電性ペーストがスクリーン印刷によって付与されるとき、スクリーン版における導電性ペーストの通過を許容するパターン部の周縁部に導電性ペーストが付着したまま残り、外部端子電極2を与える導電性ペースト膜がその周囲部分において厚みが薄くなる傾向があるためである。
【0015】
また、プレス工程によって導電性ペースト膜が厚み方向に潰されるためである。その結果、外部端子電極2のエッジ角度θは、通常、10〜25度程度となる。
【0016】
なお、外部端子電極2において、エッジ角度θを規定する先細り部分の寸法Aは、外部端子電極2の厚みや面積または形状にもよるが、平均的には約30μm程度である。
【0017】
前述したエッジ角度θを大きくするには、たとえば、(1)導電性ペースト膜を厚くすること、(2)プレスによって導電性ペースト膜が潰れないように、導電性ペースト内に硬化樹脂を添加し、乾燥後の導電性ペースト膜がより固くなるようにすること、(3)金属箔のエッチング、フォトリソグラフィ技術およびアディティブめっきによる金属箔の形成、または、感光性ペーストを用いてのエッチングを適用したりして、形成された外部端子電極2のエッジを立ち上がらせ、エッジ角度θを大きくすることが考えられる。
【0018】
しかしながら、上記(1)の方法が採用される場合、外部端子電極2を形成するための導電性ペーストとセラミック層3を与えるセラミックとの間での焼成収縮挙動の差がより大きくなる。
【0019】
そのため、焼結後の部品本体4においてクラックが生じたり、外部端子電極2の下にボイド(空洞)が生じたり、部品本体4の強度を低下させたり、めっき液の浸入によってセラミック層3の電気絶縁性が劣化したり部品本体4のQが劣化したりして、高周波特性を劣化させることがある。また、部品本体4にうねりや反りが生じて、コプラナリティが悪化し、この積層型セラミック電子部品1を適宜の実装基板上に実装する際の積層型セラミック電子部品1と実装基板との接続信頼性や部品本体4上にIC等の搭載部品を実装する際の搭載部品と部品本体4との接続信頼性を悪化させる。
【0020】
また、上記(2)の方法が採用される場合には、スクリーン版上に導電性ペーストを供給したとき、局所的または経時的に導電性ペーストの硬化が進み、印刷性を悪化させることがある。
【0021】
また、焼成工程において、硬化樹脂を円滑に飛ばすことが困難になり、そのため、ボイドやデラミネーションの原因となることがある。
【0022】
さらに、通常の導電性ペーストの場合には、それを乾燥させるため、たとえば100℃の温度を2分間付与すれば足りていたのに対し、硬化樹脂を添加した場合には、この硬化樹脂を硬化させることが必要となり、そのため、乾燥させるため、たとえば150℃の温度を5分間付与するというように、乾燥条件をより厳しくしなければならない。その結果、セラミックグリーンシート上に導電性ペーストを付与する場合には、セラミックグリーンシート内に含有されている可塑剤が乾燥工程において抜けてしまうことがあり、そのため、セラミックグリーンシートが脆くなり、これを取り扱う際、欠けたり破断したり割れたりすることがある。また、セラミックグリーンシートにおいて、乾燥のための収縮が比較的大きく生じ、複数のセラミックグリーンシートを積層した際、積層の位置ずれを引き起こすこともある。
【0023】
また、上記(3)の方法を採用する場合、たとえば、フォトレジストのコート、露光、レジスト剥離、エッチング、水洗等の工程が増える。その結果、コストの上昇を招き、あまり実用的ではない。
【0024】
このように、外部端子電極2のエッジ角度θを小さくするのに有効な方法がないのが現状である。
【0025】
さらに、積層型セラミック電子部品1がたとえば多層セラミック基板である場合、その小型化かつ配線の高密度化の要望のため、種々の回路が内蔵され、また機能が複合化されることによって、外部端子電極2の数を増やす必要があり、そのため、各外部端子電極2の面積はより小さくなる傾向がある。このような小さい面積の外部端子電極2を形成しようとすると、外部端子電極2のための導電性ペースト膜の厚みはより薄くなり、その結果、エッジ角度θもより小さくなる傾向がある。
【0026】
外部端子電極2のエッジ角度θが小さい場合、より具体的には、次のような問題を引き起こす。
【0027】
図12は、図11に示した積層型セラミック電子部品1におけるビアホール導体6に接続された外部端子電極2を図解的に示す断面図である。
【0028】
図12を参照して、微弱電流がビアホール導体6から外部端子電極2へと流れる場合、この微弱電流が高周波になればなるほど、表皮効果がより顕著に現れ、矢印8で示すように、外部端子電極2の表面近傍を流れることになる。そのため、外部端子電極2のエッジ角度θが小さいほど、損失が大きくなる。このエッジ角度θと損失との関係を求めた結果が表1に示されている。
【0029】
【表1】
【0030】
表1には、外部端子電極2を高周波信号が通過するときの損失が示され、この損失は、エッジ角度θが17度の場合を1.00としたときの相対値で表わされている。
【0031】
表1から、損失を小さくするためには、エッジ角度θをより大きくすることが望ましいことがわかる。
【0032】
図13は、図11に示した積層型セラミック電子部品1における2つのビアホール導体6にそれぞれ接続された隣り合う2つの外部端子電極2を図解的に示す断面図である。
【0033】
図13を参照して、たとえば多層セラミック基板を構成する積層型セラミック電子部品1の小型化かつ高密度化または複合化による外部端子電極2の数の増加に伴い、隣り合う外部端子電極2間のギャップ9は、たとえば0.1〜0.4mmというように小さくなってきている。このような場合、外部端子電極2のエッジ角度θが小さいと、このエッジの先端に電界が集中し、隣り合う外部端子電極2間で電流が流れやすくなり、耐電圧性が低下する。たとえば、通信機の送信系や自動車用部品等の大電流が流れる用途に、積層型セラミック電子部品1が向けられる場合、特に、上述の問題が深刻になる。
【0034】
図14は、図11に示した積層型セラミック電子部品1が実装基板10に実装された状態を図解的に示している。
【0035】
図14において、積層型セラミック電子部品1に備える部品本体4は省略的に図示され、また、実装基板10も省略的に図示されている。部品本体4上には搭載部品11が実装され、また、搭載部品11を覆うように、金属カバー12が部品本体4上に装着されている。
【0036】
積層型セラミック電子部品1が高周波用途に向けられる場合、これが実装されたとき、グラウンドを強化することが電気的特性の向上にとって重要である。そのため、積層型セラミック電子部品1にあっては、部品本体4における実装基板10の近傍にグラウンド導体(図示せず。)を配置し、他方、実装基板10にあっては、部品本体4側のグラウンド導体と同電位にすべく、その表面近傍にグラウンド導体13が配置される。
【0037】
図14に示した実装構造において、外部端子電極2は、マイクロストリップラインとして機能する。このマイクロストリップラインの損失は、マイクロストリップラインのエッジ部分すなわち外部端子電極2の図14において破線の円によって囲まれたエッジ部分におけるエッジ角度θの影響を受け、エッジ角度θが小さいほど、損失がより大きくなる。
【0038】
再び図11を参照して、外部端子電極2のエッジ角度θが小さく、そのため、このエッジ部分が薄くなると、このエッジ部分での電極カバレッジが低下する。そのため、たとえば、ガラス成分を含む低温焼結セラミック材料がセラミック層3を構成するために用いられると、このエッジ部分にガラス成分が浮き出て、めっき付与性を悪くする。そのため、外部端子電極2上に錫などのめっき膜を適正に析出させることが困難になり、その結果、半田付け性が低下し、実装基板との接続信頼性を低下させてしまう。また、外部端子電極2において、その導電成分として、酸化されやすい銅が用いられると、上述のようにめっき付与性が悪いと、銅が剥き出しになり、酸化されやすく、このことも、接続信頼性の低下につながる。
【0039】
以上のように、外部端子電極2のエッジ角度θが小さいと、種々の問題を引き起こす。しかしながら、一方では、外部端子電極2のエッジ角度θを、実用的な方法によって大きくすることは容易ではない。
【0040】
そこで、この発明の目的は、上述のような問題を解決し得る、積層型セラミック電子部品およびその製造方法を提供しようとすることである。
【0041】
【課題を解決するための手段】
この発明は、外部端子電極のエッジ角度が小さいことによって引き起こされる問題を、このエッジ角度をより大きくすることによらずに、他の手段によって解決しようとするものである。
【0042】
この発明は、まず、適宜の実装基板上に実装される積層型セラミック電子部品部品に向けられる。この積層型セラミック電子部品は、積層された複数のセラミック層をもって構成される、部品本体と、部品本体の内部に設けられる、内部回路要素と、セラミック層の延びる方向に延びる部品本体の第1主面上に設けられ、実装基板に電気的に接続されるように用いられる、外部端子電極とを備えている。
【0043】
上述の外部端子電極は、導電性ペーストを焼き付けることによって得られたものであるが、前述した技術的課題を解決するため、部品本体の第1主面に露出する露出部と、その周縁部の少なくとも一部において、部品本体の内部に埋まるように延びる埋設部とを有していることを特徴としている。
【0044】
さらに、この発明の第1の局面では、上述の埋設部は、外部端子電極の露出部の周縁に第1折り曲げ部分が与えられ、さらに、第1折り曲げ部分に連なる第2折り曲げ部分が与えられることによって形成されることを特徴としている。
この発明の第2の局面では、外部端子電極の周縁部は、その平面形状において、円弧状に延びる部分を有していることを特徴としている。
【0045】
埋設部は、部品本体の第1主面に平行な方向に30μm以上の長さで延びていることが好ましい。
【0046】
外部端子電極は、好ましくは、たとえばビアホール導体等によって、内部回路要素と電気的に接続されている。
【0048】
前述のように、外部端子電極の埋設部が、その露出部の周縁に第1折り曲げ部分が与えられることによって形成されている場合、この発明の第3の局面では、第1折り曲げ部分は、折り曲げ状態での外側に位置する外側屈曲部と内側に位置する内側屈曲部とを有し、外側屈曲部は、第1主面に対して垂直な第1仮想直線上にあり、内側屈曲部は、第1仮想直線と平行でかつそれと重ならない第2仮想直線上にあることを特徴としている。
【0049】
上述の場合、第1仮想直線は、第2仮想直線よりも埋設部側にあり、第1仮想直線と第2仮想直線との間の距離は、2〜20μmであることが好ましい。
【0050】
この発明に係る積層型セラミック電子部品において、外部端子電極の埋設部の平均厚みは、露出部の厚みよりも小さいことが好ましい。この場合、より好ましくは、埋設部の平均厚みが2〜20μmであり、露出部の厚みが4〜30μmである。
【0051】
また、この発明に係る積層型セラミック電子部品において、外部端子電極の埋設部の、部品本体の内部に向く側は、円弧状に形成されていることが好ましい。
【0052】
また、この発明に係る積層型セラミック電子部品において、グラウンド電極が、部品本体の内部に、外部端子電極に対向するように設けられているとき、グラウンド電極には、外部端子電極の埋設部の形状に対応する凹部が形成されていることが好ましい。
【0053】
この発明は、上述のような特徴的構成を備える積層型セラミック電子部品の製造方法にも向けられる。
【0054】
この発明に係る積層型セラミック電子部品の製造方法は、第1の実施態様では、次のような構成を備えることを特徴としている。
【0055】
すなわち、この発明に係る積層型セラミック電子部品の製造方法は、まず、積層された複数のセラミックグリーンシートをもって構成され、かつ内部に内部回路要素が設けられた、生の積層体本体を作製する工程と、セラミックグリーンシートの延びる方向に延びる生の積層体本体の第1主面上に、実装基板に電気的に接続されるための外部端子電極を形成する工程とを備えている。
【0056】
上述の生の積層体本体を作製する工程は、生の積層体本体の第1主面側であって外部端子電極を形成すべき領域が凸部となるように、生の積層体本体を成形すする工程を備えている。
【0057】
また、外部端子電極を形成する工程は、キャリアフィルムによって裏打ちされ、かつ前述の凸部に対応する領域においてキャリアフィルムを部分的に露出させる穴が設けられた外層用セラミックグリーンシートを用意する工程と、穴内に露出するキャリアフィルム上から外層用セラミックグリーンシートの穴を規定する周縁部にまで延びるように、外部端子電極となる導電性ペースト膜を形成する工程と、穴と凸部とが位置合わせされた状態で、キャリアフィルムによって裏打ちされた外層用セラミックグリーンシートと生の積層体本体とを積み重ねることによって、生の部品本体を得る工程と、キャリアフィルムを外層用セラミックグリーンシートから剥離する工程と、生の部品本体を積層方向にプレスする工程とを備えている。
【0058】
そして、さらに、生の部品本体を焼成する工程が実施される。
【0059】
このような第1の実施態様において、外層用セラミックグリーンシートを用意する工程は、キャリアフィルムによって裏打ちされた外層用セラミックグリーンシートを、凸部に対応する領域においてキャリアフィルムから除去し、それによって、穴を外層用セラミックグリーンシートに設ける工程を備えることが好ましい。
【0060】
また、第1の実施態様において、導電性ペースト膜は、外層用セラミックグリーンシートの穴を規定する周縁部において30μm以上の幅をもって延びるように形成されることが好ましい。
【0061】
また、外層用セラミックグリーンシート上には、穴を規定する周縁部を除いて、導電性ペースト膜が形成されないことが好ましい。
【0062】
また、生の積層体本体を成形する工程では、凸部に対応する凹部を有する金型を用いて、生の積層体本体を積層方向にプレスする工程が実施されることが好ましい。
【0063】
この発明に係る積層型セラミック電子部品の製造方法は、第2の実施態様では、次のような構成を備えることを特徴としている。
【0064】
すなわち、まず、積層された複数のセラミックグリーンシートをもって構成され、かつ内部に内部回路要素が設けられ、さらにセラミックグリーンシートの延びる方向に延びる第1主面上に、実装基板に電気的に接続されるための外部端子電極となる導電性ペースト膜が形成された、生の積層体本体が作製される。
【0065】
次に、生の積層体本体の第1主面側であって導電性ペースト膜が形成された領域に凸部が形成されかつ外部端子電極を形成すべきでない領域に凹部が形成されるとともに、凸部と凹部との境界部分にも導電性ペーストが位置するように、生の積層体本体が成形される。
【0066】
他方、上述の凸部に対応する領域において穴が設けられた外層用セラミックグリーンシートが用意される。
【0067】
そして、穴と凸部とが位置合わせされた状態で、外層用セラミックグリーンシートと前述した生の積層体本体とを積み重ねることによって、生の部品本体が得られる。
【0068】
次に、生の部品本体が積層方向にプレスされる。
【0069】
そして、この生の部品本体を焼成する工程を経て、目的とする積層型セラミック電子部品が得られる。
【0070】
このような第2の実施態様において、導電性ペースト膜は、外部端子電極を形成すべき領域より30μm以上の幅で広い領域に形成されることが好ましい。
【0071】
また、生の積層体本体の第1主面上であって外部端子電極を形成すべきでない領域には、凸部と凹部との境界部分を除いて、導電性ペースト膜が形成されないことが好ましい。
【0072】
また、生の積層体本体を成形する工程では、生の積層体本体に形成されるべき凸部に対応する凹部および生の積層体本体に形成されるべき凹部に対応する凸部を有する金型を用いて、生の積層体本体を積層方向にプレスする工程が実施されることが好ましい。
【0073】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の第1の実施形態を説明するためのもので、図1(4)には、積層型セラミック電子部品21が断面図で示され、図1(1)ないし(3)は、この積層型セラミック電子部品21を製造するために実施される工程が順次断面図で示されている。
【0074】
図1(4)を参照して、積層型セラミック電子部品21は、積層された複数のセラミック層22をもって構成される、部品本体23と、部品本体23の内部に設けられる、内部回路要素としてのいくつかの内部導体膜24およびいくつかのビアホール導体25とを備えている。これら内部導体膜24およびビアホール導体25は、互いに電気的に接続され、この積層型セラミック電子部品21において必要とする配線を与えたり、コンデンサおよび/またはインダクタのような受動素子を構成したりしている。
【0075】
セラミック層22の延びる方向に延びる部品本体23の第1主面26上には、いくつかの外部端子電極27が設けられている。外部端子電極は、特定のビアホール導体25と電気的に接続される。これら外部端子電極27は、この積層型セラミック電子部品21を適宜の実装基板(図示せず。)上に実装する際、実装基板に電気的に接続されるように用いられるものである。
【0076】
部品本体23の第2主面28上には、いくつかの外部導体膜29が設けられている。外部導体膜29は、特定のビアホール導体25と電気的に接続されている。外部導体膜29は、この積層型セラミック電子部品21において必要とする配線を与えたり、破線で示すように、部品本体23上に搭載されるICまたは他のチップ部品等の搭載部品30を電気的に接続するための導電ランドとして用いられる。
【0077】
また、上述の搭載部品30を覆うように、破線で示すように、金属カバー31が、必要に応じて、部品本体23に装着される。
【0078】
この積層型セラミック電子部品21において、第1主面26上に形成されている外部端子電極27は、導電性ペーストを焼き付けることによって得られたものである。そして、この外部端子電極27は、部品本体23の第1主面26に露出している露出部33と、その周縁部の少なくとも一部において、部品本体23の内部に埋まるように延びる埋設部32とを有している。
【0079】
このような積層型セラミック電子部品21を製造するため、次のような工程が実施される。
【0080】
まず、図1(1)に示すように、複数のセラミックグリーンシート41が用意される。セラミックグリーンシート41は、たとえば低温焼結セラミック材料のようなセラミック原料粉末に、バインダ、可塑剤、分散剤および溶剤を混合して得られたスラリーをシート状に成形することによって得られるもので、たとえば10〜200μm程度の厚みを有している。スラリーをシート状に成形するため、たとえばポリエチレンテレフタレート等の樹脂からなる厚み50〜100μm程度のキャリアフィルムが用いられ、このキャリアフィルム上で、スラリーに対して、ドクターブレード、ダイコーターまたはリバースロールコーター等を適用することが行なわれる。
【0081】
次に、特定のセラミックグリーンシート41に、ビアホール導体25のための貫通孔が、たとえば直径50〜200μm程度の大きさをもって設けられ、各貫通孔に、たとえば銀または銅を導電成分として含む導電性ペーストが充填され、ビアホール導体25となるべき導電性ペースト体42が形成される。
【0082】
また、上述の導電性ペーストと同様の導電性ペーストを用いて、これをたとえばスクリーン印刷することによって、セラミックグリーンシート41の特定のものに、内部導体膜24となる導電性ペースト膜43が形成され、また、最も上に積層されるセラミックグリーンシート41上には、外部導体膜29となる導電性ペースト膜44が形成される。
【0083】
次に、図1(2)の上部に示すように、複数のセラミックグリーンシート41が積層され、それによって生の積層体本体45が作製される。
【0084】
この生の積層体本体45に対しては、上述の積層の後、セラミックグリーンシート41の延びる方向に延びる第1主面46側であって図1(4)に示した外部端子電極27を形成すべき領域が凸部47となるように成形するための工程が実施される。この成形にあたっては、たとえば、上述の凸部47に対応する凹部を有する金型(図示せず。)を用いて、生の積層体本体45を積層方向にプレスすることが行なわれる。このプレスには、たとえば、100〜1500kg/cm2 の圧力および常温から150℃程度までの温度が付与される。
【0085】
なお、凸部47を与えるための立ち上がり面は、図1(2)に示すように、斜面を形成していることが好ましい。
【0086】
他方、図1(2)の下部に示すように、セラミックグリーンシート41と同様の組成を有する外層用セラミックグリーンシート48が用意される。外層用セラミックグリーンシート48は、その成形時に用いたキャリアフィルム49によって裏打ちされた状態のまま、以下のように処理される。
【0087】
まず、たとえばレーザを用いて、キャリアフィルム49を貫通させないように外層用セラミックグリーンシート48に連続的な穴を設け、この連続的な穴によって囲まれた部分をキャリアフィルム49から剥ぎ取ることによって、前述した凸部47に対応する領域において外層用セラミックグリーンシート48がキャリアフィルム49から除去される。これによって、キャリアフィルム49を部分的に露出させる穴50が外層用セラミックグリーンシート48に設けられる。
【0088】
なお、穴50が設けられた外層用セラミックグリーンシート48を得るため、キャリアフィルム49上で、たとえばスクリーン印刷を適用するなどして、当初から穴50を形成した状態で外層用セラミックグリーンシート48を形成するようにしてもよい。
【0089】
次に、穴50内に露出するキャリアフィルム49上から外層用セラミックグリーンシート48の穴50を規定する周縁部にまで延びるように、前述した導電性ペーストと同様の導電性ペーストをたとえばスクリーン印刷することによって、外部端子電極27となる導電性ペースト膜51が形成される。
【0090】
この導電性ペースト膜51においても、その周縁部において先細り部分が形成される。したがって、導電性ペースト膜51は、外層用セラミックグリーンシート48の穴50を規定する周縁部において30μm以上(たとえば30〜200μm、好ましくは30〜100μm)の幅をもって延びるように形成されることが好ましい。これは、前述したように、エッジ角度を規定する先細り部分の寸法A(図11参照)が平均的には約30μm程度であるので、このような先細り部分が穴50内に位置されないようにするためである。
【0091】
外層用セラミックグリーンシート48上には、図1(2)に示すように、穴50を規定する周縁部を除いて、導電性ペースト膜が形成されないようにすることが、電気的信頼性を高める上で好ましいが、必要に応じて、内部導体膜24と同様の機能を果たす内部導体膜を与えるための導電性ペースト膜が形成されてもよい。
【0092】
次に、図1(2)に示した位置関係をもって、すなわち、穴50と凸部47とが位置合わせされた状態で、キャリアフィルム49によって裏打ちされた外層用セラミックグリーンシート48と生の積層体本体45とが積み重ねられ、それによって、図1(3)に示すように、生の部品本体52が得られる。
【0093】
なお、図1(3)に示した生の部品本体52は、上述した外層用セラミックグリーンシート48と生の積層体本体45との積み重ねの後、キャリアフィルム49を外層用セラミックグリーンシート48から剥離し、さらに、これを積層方向にプレスした後の段階にある。上述のプレスにあたっては、たとえば、100〜1500kg/cm2 の圧力および常温から150℃程度まで温度が付与される。
【0094】
上述したプレス工程において生じる挙動について、図2を参照して説明する。図2は、生の部品本体52における外部端子電極27となる導電性ペースト膜51が形成された部分を拡大して示す断面図である。
【0095】
生の積層体本体45は、外層用セラミックグリーンシート48と積み重ねられる前の段階で、凸部47を形成するためのプレスが既に施されているので、外層用セラミックグリーンシート48と比較して、その密度が20〜40%程度高く、それゆえ固い。
【0096】
他方、外部端子電極27となる導電性ペースト膜51は、金属粉末を含有しているが、この金属粉末の粒径はサブミクロンないし数μmと小さく、また、樹脂成分を体積で数10%含有しているので、熱プレスによって流動し得る。
【0097】
したがって、前述したように、生の積層体本体45と外層用セラミックグリーンシート48とを積み重ねた後、熱プレスすれば、生の積層体本体45については、それが固く、それゆえ、あまり変形しないが、外層用セラミックグリーンシート48および導電性ペースト膜51については、生の積層体本体45の凸部47が形成された主面46の形状になぞるように比較的容易に変形する。その結果、導電性ペースト膜51は、露出部54aを形成するとともに、その周縁部において第1折り曲げ部分53を形成し、生の部品本体52の内部に埋まるように延びる埋設部54を形成する。この埋設部54は、図1(4)を参照して前述した外部端子電極27の周縁部において形成された埋設部32に対応している。
【0098】
他方、生の積層体本体45と外層用セラミックグリーンシート48との積み重ねの後に実施されるプレス工程において、平板状の金型を用いることにより、導電性ペースト膜51が露出する生の部品本体52の第1主面55を平坦な状態とすることができる。
【0099】
上述したような外層用セラミックグリーンシート48および導電性ペースト膜51の変形は、生の積層体本体45に形成された凸部47が、前述したように、斜面からなる立ち上がり面を有している方が、より円滑に生じ得る。
【0100】
なお、図2に示すように、第1折り曲げ部分53は、折り曲げ状態での外側に位置する第1主面55側の外側屈曲部53aと内側に位置する内側屈曲部53bとを有している。そして、図2の例では、外側屈曲部53aは、第1主面55に対して垂直な第1仮想直線L1上にあって、内側屈曲部53bは、第1仮想直線L1と平行でかつそれと重ならない第2仮想直線L2上にある。このような場合、第1仮想直線L1が埋設部54側、第2仮想直線L2が露出部54a側にあることが好ましく、第1仮想直線L1と第2仮想直線L2との間の距離Dは、2〜20μmであることが好ましい。
【0101】
距離Dが2μmを下回る、すなわち距離Dが小さくなると、幾何学的に埋設部54の先端角度はシャープになり、電界集中しやすくなる。そのため、この積層型セラミック電子部品を用いた加工工程での静電破壊電圧等のサージ電圧で絶縁体が破壊され、IRが落ちたり、最悪の場合には、ショートパスといった致命不良になったりすることがある。
【0102】
他方、距離Dが20μmを超えると、埋設部54と周囲セラミックとの焼成収縮差が大きく、それら界面でのデラミネーション(層剥れ)が起こり、所望の電気的特性を取得できないとか、湿式めっき時のめっき液や洗浄液が浸入し、IR劣化や、最悪の場合には、ショートパスといった致命不良になってしまうことがある。
【0103】
なお、第1仮想直線L1と第2仮想直線L2との間の距離Dは、図1(2)の導電性ペースト膜51の厚みによって変えることができる。特に、穴50内の側壁部分上に付与される部分での導電性ペースト膜51の厚みが、この距離Dに大きく影響を与える。すなわち、導電性ペースト膜51の厚み(特に、穴50内の側壁部分上での厚み)が大きくなるほど、距離Dは大きくなり、その厚みが小さくなるほと、距離Dは小さくなる。
【0104】
図3は、図2に対応する図であって、導電性ペースト膜51の形成態様の変形例を示している。
【0105】
図3に示した導電性ペースト膜51は、第1折り曲げ部分53に加えて、もう1つの折り曲げ部分すなわち第2折り曲げ部分56を有していて、これら2つの連なる折り曲げ部分53および56が与えられることによって、埋設部54が形成されている。図3に示すような導電性ペースト膜51の形成態様は、図1(2)に示した導電性ペースト膜51の形成工程において、その形成領域をより広くし、生の積層体本体45の凸部47が形成された領域を越えて延びるように導電性ペースト膜51が形成された場合にもたらされる。
【0106】
なお、この例では、折り曲げ部分53および56の各々の外側屈曲部および内側屈曲部は、両者ともに第1主面55に垂直な1つの仮想直線上にある。ただし、図2に示した第1折り曲げ部分53の場合と同様に、第2折り曲げ部分56についても、その外側屈曲部および内側屈曲部は、それぞれ異なる仮想直線(第1主面55に垂直な仮想直線)上に存在することが好ましい。
【0107】
また、図3に示すように、埋設部54(第1折り曲げ部53を基準として、これよりも図中左側部分)における電極の平均厚みT2は、露出部54aにおける電極の平均厚みT1よりも小さいことが好ましい。その理由は、厚いとその部分が局部的に低抵抗になり高周波信号が流れやすくなり、図5を参照して説明するような効果が得られにくくなるからである。具体的に言えば、埋設部54の平均厚みT2が2〜20μmであり、露出部54aの厚みT1が4〜30μmであることが好ましい。
【0108】
再び図1を参照して、次に、図1(3)に示した生の部品本体52が焼成され、それによって、図1(4)に示すような焼結後の部品本体23が得られる。このとき、生の部品本体52に備えるセラミックグリーンシート41および外層用セラミックグリーンシート48は焼結されて、部品本体23におけるセラミック層22を構成する。また、生の部品本体52に備える導電性ペースト体42ならびに導電性ペースト膜43、44および51は、各々の形状を実質的に維持しながら焼き付けられて、それぞれ、部品本体23に備えるビアホール導体25、内部導体膜24、外部導電体膜29および外部端子電極27を構成する。また、導電性ペースト膜52に形成された埋設部54および露出部54aは、それぞれ、外部端子電極27に形成された埋設部32および露出部33となる。
【0109】
次に、部品本体23の外表面上に現れる外部端子電極27および外部導体膜29に対して、必要に応じて、電気めっきまたは無電解めっきが施されることによって、ニッケルめっき膜が形成され、さらにその上に、金または錫めっき膜が形成される。
【0110】
次に、外部導体膜29の特定のものに電気的に接続されるように、破線で示すような搭載部品30が実装される。この搭載部品30の実装にあたっては、たとえば、半田リフロー法やワイヤボンディング法やバンプ接続法などが適用される。
【0111】
さらに、必要に応じて、上述の搭載部品30を覆うように、破線で示した金属カバー31が部品本体23に装着される。
【0112】
図4は、この発明の第2の実施形態を説明するためのもので、前述の図1(2)に対応する工程が示されている。図4において、図1に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0113】
この第2の実施形態においても、前述した第1の実施形態の場合と同様、積層された複数のセラミックグリーンシート41をもって構成され、内部にビアホール導体25となる導電性ペースト体42および内部導体膜24となる導電性ペースト膜43が設けられた、生の積層体本体45が作製される。この生の積層体45には、また、外部導体膜29となる導電性ペースト膜44が形成されるとともに、外部端子電極27となる導電性ペースト膜51が形成されている。
【0114】
導電性ペースト膜51は、積層前のセラミックグリーンシート41の段階で形成されても、生の積層体本体45を得た後で形成されてもよい。
【0115】
次に、上述の生の積層体本体45に対して、図4に示すような形態を与えるための成形工程が実施される。
【0116】
すなわち、生の積層体本体45の第1主面46側であって導電性ペースト膜51が形成された領域に凸部57が形成されかつ外部端子電極27(図1(4)参照)を形成すべきでない領域に凹部58が形成されるとともに、凸部57と凹部58との境界部分にも導電性ペースト膜51が位置するように、生の積層体本体45が成形される。
【0117】
この成形にあたっては、凸部57に対応する凹部および凹部58に対応する凸部を有する金型(図示せず。)を用いて、生の積層体本体45を積層方向にプレスする工程が実施される。このプレス工程では、たとえば、100〜1500kg/cm2 の圧力および常温から150℃程度までの温度が付与される。
【0118】
外部端子電極27となる導電性ペースト膜51は、外部端子電極27を形成すべき領域より30μm以上の幅で広い領域に形成されることが好ましい。
【0119】
また、生の積層体本体45の第1主面46上であって外部端子電極27を形成すべきでない領域、すなわち凹部58が形成された領域には、凸部57と凹部58との境界部分を除いて、導電性ペースト膜が形成されないことが好ましい。これによって、電気絶縁性に関して高い信頼性を与えることができる。しかしながら、必要に応じて、凹部58が形成された領域にも導電性ペースト膜が形成されてもよい。
【0120】
他方、図4の下部に示すように、凸部57に対応する領域において穴50が設けられた外層用セラミックグリーンシート48が用意される。この外層用セラミックグリーンシート48は、前述したキャリアフィルム49によって裏打ちされている必要はない。また、外層用セラミックグリーンシート48に穴50を形成するため、たとえば、パンチングによる打ち抜きを適用することもできる。
【0121】
次に、穴50と凸部57とが位置合わせされた、図4に示すような位置関係をもって、外層用セラミックグリーンシート48と生の積層体本体45とが積み重ねられ、次いで積層方向にプレスされることによって、図1(3)に示したような生の部品本体52が得られる。
【0122】
以後、第1の実施形態の場合と同様の工程を実施すれば、図1(4)に示すような積層型セラミック電子部品21を得ることができる。
【0123】
以上のように、第1または第2の実施形態によって得られた積層型セラミック電子部品21によれば、次のような効果が奏される。
【0124】
図5は、前述した図12に対応する図であって、積層型セラミック電子部品21におけるビアホール導体25に接続された外部端子電極27を図解的に示す断面図である。
【0125】
図5に示すように、微弱電流がビアホール導体25から外部端子電極27へと流れる場合、この微弱電流が高周波になればなるほど、表皮効果がより顕著に現れ、外部端子電極27の表面近傍を流れることになるが、この実施形態では、外部端子電極27の周縁部が折れ曲がっているので、電流は、矢印59で示すように流れ、外部端子電極27のエッジ部分の影響を受けにくい。そのため、エッジ角度θが擬似的に180度になったかのように電流が挙動し、損失を小さくすることができる。
【0126】
また、図13を参照して前述したような問題も解決することができる。すなわち、図13に示した外部端子電極2のように、隣り合う2つの外部端子電極27が互いに近接して配置されても、外部端子電極27のエッジ部分は電気絶縁性の高いセラミックの内部に埋設されるので、耐電圧性を高めることができる。
【0127】
また、図14を参照して前述したような問題も解決することができる。図6は、積層型セラミック電子部品21が実装基板60上に実装された場合の外部端子電極27と実装基板60側のグラウンド導体61との位置関係を図解的に示す断面図である。
【0128】
図6を参照して、積層型セラミック電子部品21に設けられる外部端子電極27は、その周縁部に埋設部32を形成しているので、グラウンド導体61により近い部分、すなわち、外部端子電極27の露出部33に対応する、外部端子電極27の第1主面26側に露出する長さBの部分においてしか電流が流れない。したがって、外部端子電極27のエッジ角度θの影響を受けなくなり、エッジ角度θが小さくなることによる損失の増大を防止することができる。
【0129】
また、外部端子電極27上にめっきが施される場合、図6を参照して説明すれば、外部端子電極27の露出した長さBの部分においてのみめっきを施せばよいことになる。このように露出した長さBの部分は、外部端子電極27の肉薄のエッジ部分ではないので、良好なカバレッジを有し、そのため、良好なめっき付与性を与えることができる。
【0130】
上述した理由を考慮すると、外部端子電極27をある断面で切ったとき、外部端子電極27の露出部33の長さ(第1主面26に平行方向の長さ)Bと、埋設部32の長さ(第1主面26に平行方向の長さ)Cの比率は、C:B=1 :2〜1:30であることが好ましい。また、埋設部32の長さCは、30μm以上かつ200μm以下であることが好ましい。
【0131】
以上説明した実施形態において、外部端子電極27は、通常、矩形の平面形状を有している。これは実装基板との間での電気的接続のための面積をできるだけ広くしたいという要望を満たすためである。このように矩形の外部端子電極27の場合、その4辺において埋設部32を形成していることが好ましい。
【0132】
なお、高周波特性上の観点からは、外部端子電極27の周縁部は、その平面形状において、円弧状に延びる部分を有していることが好ましく、たとえば円形または楕円形であることがより好ましい。この場合であっても、外部端子電極27は、その全周にわたって埋設部32を形成していることが好ましい。
【0133】
この発明において、外部端子電極は、部品本体の第1主面の特定の辺に沿う位置に設けられることもある。このような実施形態について、以下に、図7および図8を参照して説明する。
【0134】
図7および図8は、それぞれ、この発明の第3および第4の実施形態を説明するためのもので、ともに、部品本体23の一部を第1主面26側から示している。
【0135】
図7に示した第3の実施形態では、外部端子電極27は、部品本体23の主面26上に位置する部分62と側面63上に位置する部分64とを有し、これらが連続して形成されている。すなわち、図7は、部品本体23の第1主面26、側面63および第2主面(図示省略)にわたってコの字状に形成された外部端子電極27を、第1主面26側から見たときの概略図である。ここで、外部端子電極27の部分64は、側面63に盛り上がる外部端子電極27の厚みを見せており、また、外部端子電極27の、第1主面26上に位置する部分62は、部品本体23のエッジ部をカバーするために設けられた延長部分である。本実施形態では、外部端子電極27のうち、図示した半円68よりも図中左側が部品本体23の第1主面26に露出している部分となり、半円68よりも図中右側が埋設部となっている。
【0136】
図8に示した第4の実施形態では、部品本体23の側面に切欠き65が設けられている。外部端子電極27は、主面26上に位置する部分66と切欠き65の内面上に位置する部分67とを有し、これらが連続して形成されている。すなわち、図8は、部品本体23の第1主面26、側面63、第2主面(図示省略)にわたってコの字状に形成され、かつ、その側面63側には切欠き65を有した外部端子電極27を、第1主面側から見たときの概略図である。ここで、外部端子電極27の部分67は、側面63の切欠き65側に盛り上がる外部端子電極27の厚みを見せており、また、外部端子電極27の、第1主面26上に位置する部分66は、部品本体23のエッジ部をカバーするために設けられた延長部分である。本実施形態では、外部端子電極27のうち、図示した半円69よりも図中左側が部品本体23の第1主面26に露出している部分となり、半円69よりも図中右側が埋設部となっている。
【0137】
これら第3および第4の実施形態では、外部端子電極27は、主面26上に位置する部分62および66においてのみ、その周縁部に埋設部を形成している。これら外部端子電極27は、側面63上に位置する部分64および切欠き65の内面上に位置する部分67を連続して形成しているので、これらの部分ではエッジ部分での損失という問題には遭遇しない。
【0138】
なお、外部端子電極27の主面上に位置する部分62および66は、その周縁部が、平面形状において、円弧状に延びる部分を有していてもよい。
【0139】
次に、図9を参照して、この発明の第5の実施形態を説明する。
【0140】
図9に示す積層型セラミック電子部品71において、外部端子電極73は、部品本体72の第1主面77に露出する露出部74と、部品本体72の内部に埋まるように延びる埋設部75とを有している。ここで、埋設部75の部品本体72の内部に向く側76は、円弧状に形成されている。
【0141】
このように、埋設部75の、部品本体72の内部に向く側76が円弧状に形成されていると、すなわち、埋設部75の、部品本体72の内部に向く側76が与える面にアールが付けられていると、互いに異なる材料からなるセラミック層78と外部端子電極73の特に埋設部75とが焼成工程において互いに異なる収縮挙動を示すことが原因となって生じ得る、界面での応力集中を緩和することができ、クラックの発生を防止することができる。
【0142】
次に、図10を参照して、この発明の第6の実施形態を説明する。
【0143】
図10に示す積層型セラミック電子部品81において、部品本体82内には、外部端子電極83に対向するように、部品本体82の第1主面84とほぼ平行に、グラウンド電極85が形成されている。このグラウンド電極85は、複数の外部端子電極83に対向配置されており、外部端子電極83の埋設部86に対向する部分には、埋設部86の形状に対応する凹部87が形成されている。
【0144】
このように構成することにより、グラウンド電極85と埋設部86との間の距離をほぼ一定にすることができるので、その間に発生する浮遊容量が一定になり、電気的特性が向上する。また、静電破壊電圧等のサージ電圧が加わった場合であっても、電界集中せずに均一に電界が加わるようにすることができるので、耐電圧が向上するというメリットを有する。
【0145】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る積層型セラミック電子部品によれば、外部端子電極が導電性ペーストを焼き付けることによって形成され、そのため、その周縁部にエッジ角度の小さい先細り部分が形成されても、外部端子電極は、その周縁部の少なくとも一部において、部品本体の内部に埋まるように延びる埋設部を形成しているので、先細り部分の影響をなくすことができ、したがって、高周波の下で使用されても、先細り部分による損失を小さくすることができ、高周波特性を向上させることができる。
【0146】
また、2つの外部端子電極が互いに近接して配置されても、先細り状の周縁部が電気絶縁性の部品本体の内部に埋設されるので、耐電圧性に対する信頼性を向上させることができる。
【0147】
また、外部端子電極にめっきを施す場合、外部端子電極の部品本体から露出した部分では、十分な肉厚を得ることができ、カバレッジを良好なものとすることができるので、良好なめっき付与性を与えることができる。
【0148】
この発明に係る積層型セラミック電子部品において、外部端子電極の埋設部が、部品本体の内部に向かって30μm以上の長さで延びるようにされると、周縁部における先細り部分を確実に部品本体の内部に位置させることができ、上述したような効果をより確実に発揮させることができる。
【0149】
この発明に係る積層型セラミック電子部品において、外部端子電極の埋設部の、部品本体の内部に向く側が円弧状に形成されていると、セラミック層と外部端子電極の特に埋設部との界面での応力集中を緩和することができ、クラックの発生を防止することができる。
【0150】
この発明に係る積層型セラミック電子部品において、グラウンド電極が外部端子電極に対向配置されているとき、グラウンド電極における、外部端子電極の埋設部に対向する部分に、埋設部の形状に対応する凹部が形成されていると、グラウンド電極と埋設部との間の距離がほぼ一定にすることができる。したがって、その間に発生する浮遊容量が一定になり、電気的特性が向上する。また、静電破壊電圧等のサージ電圧が加わった場合であっても、電界集中せずに均一に電界が加わるようになり、耐電圧を向上させることができる。
【0151】
この発明に係る積層型セラミック電子部品の製造方法の第1の実施態様によれば、生の積層体本体の第1主面側であって外部端子電極を形成すべき領域が凸部となるように、生の積層体本体を成形した上で、外部端子電極を形成するにあたって、キャリアフィルムによって裏打ちされ、かつ上述した凸部に対応する領域においてキャリアフィルムを部分的に露出させる穴が設けられた外層用セラミックグリーンシートを用意し、穴内に露出するキャリアフィルム上から外層用セラミックグリーンシートの穴を規定する周縁部にまで延びるように、外部端子電極となる導電性ペースト膜を形成し、穴と凸部とが位置合わせされた状態で、キャリアフィルムによって裏打ちされた外層用セラミックグリーンシートと生の積層体本体とを積み重ねることによって、生の部品本体を得、キャリアフィルムを外層用セラミックグリーンシートから剥離し、次いで、生の部品本体を積層方向にプレスするようにしているので、前述したような埋設部を形成する外部端子電極を容易に形成することができる。
【0152】
また、この発明に係る積層型セラミック電子部品の製造方法の第2の実施態様によれば、その第1主面上に、外部端子電極となる導電性ペースト膜を形成した、生の積層体本体を作製し、この生の積層体本体の第1主面側であって導電性ペースト膜が形成された領域に凸部が形成されかつ外部端子電極を形成すべきでない領域に凹部が形成されるとともに、凸部と凹部との境界部分にも導電性ペースト膜が位置するように、生の積層体本体を成形し、凸部に対応する領域において穴が設けられた外層用セラミックグリーンシートを用意し、穴と凸部とが位置合わせされた状態で、外層用セラミックグリーンシートと生の積層体とを積み重ねることによって、生の部品本体を得、次いで、生の部品本体を積層方向にプレスするようにしているので、前述したような埋設部を備える外部端子電極を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を説明するためのもので、(4)に示した積層型セラミック電子部品21を製造するために実施される工程を順次断面図で示している。
【図2】図1(3)に示した生の部品本体52の一部を拡大して示す断面図であり、特に外部端子電極27のための導電性ペースト膜51が形成された部分を示している。
【図3】図2に対応する図であって、導電性ペースト膜51の形成態様の変形例を示している。
【図4】この発明の第2の実施形態を説明するためのもので、図1(2)に示した工程に対応する工程を示す断面図である。
【図5】この発明による効果を説明するためのもので、図1(4)に示した積層型セラミック電子部品21におけるビアホール導体25に接続された外部端子電極27を図解的に示す断面図である。
【図6】この発明による他の効果を説明するためのもので、実装基板60上に積層型セラミック電子部品21が実装された状態における外部端子電極27とグラウンド導体61との位置関係を図解的に示す断面図である。
【図7】この発明の第3の実施形態を説明するためのもので、部品本体23の一部を主面26側から示す図である。
【図8】この発明の第4の実施形態を説明するためのもので、部品本体23の一部を主面26側から示す図である。
【図9】この発明の第5の実施形態を説明するためのもので、部品本体72の一部を拡大して示す断面図である。
【図10】この発明の第6の実施形態を説明するためのもので、部品本体82の一部を拡大して示す断面図である。
【図11】この発明にとって興味ある従来の積層型セラミック電子部品1の一部であって、特に外部端子電極2が形成された部分を示す断面図である。
【図12】図11に示した積層型セラミック電子部品1において遭遇する問題を説明するためのもので、ビアホール導体6に接続された外部端子電極2を図解的に示す断面図である。
【図13】図11に示した積層型セラミック電子部品1において遭遇する他の問題を説明するためのもので、2つのビアホール導体6にそれぞれ接続された、隣り合う2つの外部端子電極2を図解的に示す断面図である。
【図14】図11に示した積層型セラミック電子部品1において遭遇する問題を説明するためのもので、この積層型セラミック電子部品1が実装基板10上に実装された状態を図解的に示す断面図である。
【符号の説明】
21 積層型セラミック電子部品
22,78 セラミック層
23 部品本体
24 内部導体膜
25 ビアホール導体
26,46,55,77,84 第1主面
27,73,83 外部端子電極
28 第2主面
32,54,75,86 埋設部
33,54a,74 露出部
41 セラミックグリーンシート
45 生の積層体本体
47,57 凸部
48 外層用セラミックグリーンシート
49 キャリアフィルム
50 穴
51 導電性ペースト膜
52 生の部品本体
53 第1折り曲げ部分
53a 外側屈曲部
53b 内側屈曲部
56 第2折り曲げ部分
58 凹部
60 実装基板
76 内部に向く側
85 グラウンド電極
87 グラウンド電極の凹部
Claims (21)
- 適宜の実装基板上に実装される積層型セラミック電子部品であって、
積層された複数のセラミック層をもって構成される、部品本体と、
前記部品本体の内部に設けられる、内部回路要素と、
前記セラミック層の延びる方向に延びる前記部品本体の第1主面上に設けられ、前記実装基板に電気的に接続されるように用いられる、外部端子電極と
を備え、
前記外部端子電極は、導電性ペーストを焼き付けることによって得られたものであり、かつ、前記第1主面に露出する露出部と、その周縁部の少なくとも一部において、前記部品本体の内部に埋まるように延びる埋設部とを有し、
前記埋設部は、前記外部端子電極の前記露出部の周縁に第1折り曲げ部分とこれに連なる第2折り曲げ部分が与えられることによって形成されることを特徴とする、積層型セラミック電子部品。 - 適宜の実装基板上に実装される積層型セラミック電子部品であって、
積層された複数のセラミック層をもって構成される、部品本体と、
前記部品本体の内部に設けられる、内部回路要素と、
前記セラミック層の延びる方向に延びる前記部品本体の第1主面上に設けられ、前記実装基板に電気的に接続されるように用いられる、外部端子電極と
を備え、
前記外部端子電極は、導電性ペーストを焼き付けることによって得られたものであり、かつ、前記第1主面に露出する露出部と、その周縁部の少なくとも一部において、前記部品本体の内部に埋まるように延びる埋設部とを有し、
前記外部端子電極の周縁部は、その平面形状において、円弧状に延びる部分を有していることを特徴とする、積層型セラミック電子部品。 - 前記埋設部は、前記外部端子電極の前記露出部の周縁に第1折り曲げ部分が与えられることによって形成される、請求項2に記載の積層型セラミック電子部品。
- 前記埋設部は、前記第1折り曲げ部分とこれに連なる第2折り曲げ部分が与えられることによって形成される、請求項3に記載の積層型セラミック電子部品。
- 前記埋設部は、前記部品本体の前記第1主面に平行な方向に30μm以上の長さで延びている、請求項1ないし4のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品。
- 前記外部端子電極は、前記内部回路要素と電気的に接続されている、請求項1ないし5のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品。
- 適宜の実装基板上に実装される積層型セラミック電子部品であって、
積層された複数のセラミック層をもって構成される、部品本体と、
前記部品本体の内部に設けられる、内部回路要素と、
前記セラミック層の延びる方向に延びる前記部品本体の第1主面上に設けられ、前記実装基板に電気的に接続されるように用いられる、外部端子電極と
を備え、
前記外部端子電極は、導電性ペーストを焼き付けることによって得られたものであり、かつ、前記第1主面に露出する露出部と、その周縁部の少なくとも一部において、前記部品本体の内部に埋まるように延びる埋設部とを有し、
前記埋設部は、前記外部端子電極の前記露出部の周縁に第1折り曲げ部分が与えられることによって形成され、
前記第1折り曲げ部分は、折り曲げ状態での外側に位置する外側屈曲部と内側に位置する内側屈曲部とを有し、前記外側屈曲部は、前記第1主面に対して垂直な第1仮想直線上にあり、前記内側屈曲部は、前記第1仮想直線と平行でかつそれと重ならない第2仮想直線上にある、積層型セラミック電子部品。 - 前記第1仮想直線は、前記第2仮想直線よりも前記埋設部側にあり、前記第1仮想直線と前記第2仮想直線との間の距離は、2〜20μmである、請求項7に記載の積層型セラミック電子部品。
- 前記埋設部の平均厚みは、前記露出部の厚みよりも小さい、請求項1ないし8のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品。
- 前記埋設部の平均厚みが2〜20μmであり、前記露出部の厚みが4〜30μmである、請求項9に記載の積層型セラミック電子部品。
- 前記埋設部の、前記部品本体の内部に向く側は、円弧状に形成されている、請求項1ないし10のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品。
- グラウンド電極が、前記部品本体の内部に、前記外部端子電極に対向するように設けられており、前記グラウンド電極には、前記外部端子電極の前記埋設部の形状に対応する凹部が形成されている、請求項1ないし11のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品。
- 適宜の実装基板上に実装される積層型セラミック電子部品の製造方法であって、
積層された複数のセラミックグリーンシートをもって構成され、かつ内部に内部回路要素が設けられた、生の積層体本体を作製する工程と、
前記セラミックグリーンシートの延びる方向に延びる前記生の積層体本体の第1主面上に、前記実装基板に電気的に接続されるための外部端子電極を形成する工程と
を備え、
前記生の積層体本体を作製する工程は、前記生の積層体本体の第1主面側であって前記外部端子電極を形成すべき領域が凸部となるように、前記生の積層体本体を成形する工程を備え、
前記外部端子電極を形成する工程は、
キャリアフィルムによって裏打ちされ、かつ前記凸部に対応する領域において前記キャリアフィルムを部分的に露出させる穴が設けられた外層用セラミックグリーンシートを用意する工程と、
前記穴内に露出する前記キャリアフィルム上から前記外層用セラミックグリーンシートの前記穴を規定する周縁部にまで延びるように、前記外部端子電極となる導電性ペースト膜を形成する工程と、
前記穴と前記凸部とが位置合わせされた状態で、前記キャリアフィルムによって裏打ちされた前記外層用セラミックグリーンシートと前記生の積層体本体とを積み重ねることによって、生の部品本体を得る工程と、
前記キャリアフィルムを前記外層用セラミックグリーンシートから剥離する工程と、
前記生の部品本体を積層方向にプレスする工程と
を備え、さらに、
前記生の部品本体を焼成する工程を備えることを特徴とする、積層型セラミック電子部品の製造方法。 - 前記外層用セラミックグリーンシートを用意する工程は、前記キャリアフィルムによって裏打ちされた外層用セラミックグリーンシートを、前記凸部に対応する領域において前記キャリアフィルムから除去し、それによって、前記穴を前記外層用セラミックグリーンシートに設ける工程を備える、請求項13に記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
- 前記導電性ペースト膜は、前記外層用セラミックグリーンシートの前記穴を規定する周縁部において30μm以上の幅をもって延びるように形成される、請求項13または14に記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
- 前記外層用セラミックグリーンシート上には、前記穴を規定する周縁部を除いて、前記導電性ペースト膜が形成されない、請求項13ないし15のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
- 前記生の積層体本体を成形する工程は、前記凸部に対応する凹部を有する金型を用いて、前記生の積層体本体を積層方向にプレスする工程を備える、請求項13ないし16のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
- 適宜の実装基板上に実装される積層型セラミック電子部品の製造方法であって、
積層された複数のセラミックグリーンシートをもって構成され、かつ内部に内部回路要素が設けられ、さらに前記セラミックグリーンシートの延びる方向に延びる第1主面上に、前記実装基板に電気的に接続されるための外部端子電極となる導電性ペースト膜が形成された、生の積層体本体を作製する工程と、
前記生の積層体本体の第1主面側であって前記導電性ペースト膜が形成された領域に凸部が形成されかつ前記外部端子電極を形成すべきでない領域に凹部が形成されるとともに、前記凸部と前記凹部との境界部分にも前記導電性ペースト膜が位置するように、前記生の積層体本体を成形する工程と、
前記凸部に対応する領域において穴が設けられた外層用セラミックグリーンシートを用意する工程と、
前記穴と前記凸部とが位置合わせされた状態で、前記外層用セラミックグリーンシートと前記生の積層体本体とを積み重ねることによって、生の部品本体を得る工程と、
前記生の部品本体を積層方向にプレスする工程と
前記生の部品本体を焼成する工程と
を備えることを特徴とする、積層型セラミック電子部品の製造方法。 - 前記導電性ペースト膜は、前記外部端子電極を形成すべき領域より30μm以上の幅で広い領域に形成される、請求項18に記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
- 前記生の積層体本体の第1主面上であって前記外部端子電極を形成すべきでない領域には、前記凸部と前記凹部との境界部分を除いて、前記導電性ペースト膜が形成されない、請求項18または19に記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
- 前記生の積層体本体を成形する工程は、前記凸部に対応する凹部および前記凹部に対応する凸部を有する金型を用いて、前記生の積層体本体を積層方向にプレスする工程を備える、請求項18ないし20のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
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