JP3994111B2 - 固体表面の平坦化方法及びその装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば半導体、その他電子デバイス等の基板表面の平坦化や各種デバイス表面の平坦化に適用でき、ガスクラスターイオンビーム照射により固体表面を平坦化する方法及びその装置に関するものである。
これまでに、電子デバイス等の表面平坦化などを目的に各種の気相反応方法が開発され、実用化されてきている。たとえば、特許文献1に示す基板表面を平坦化する方法はAr(アルゴン)ガスなどの単原子または分子イオンを低角度で基板表面に照射し、スパッタリングすることによって平坦化している。
また、近年、ガスクラスターイオンビームを用いた固体表面の平坦化方法が、表面損傷が少なく、かつ表面粗さを非常に小さくできることで注目を集めている。たとえば、特許文献2には、ガスクラスターイオンビームを固体表面に照射して、表面粗さを低減する方法が開示されている。この方法は、被加工物へ照射されたガスクラスターイオンが被加工物との衝突で壊れ、その際クラスター構成原子または分子及び被加工物構成原子または分子と多体衝突が生じ、被加工物表面に対して水平方向への運動が顕著になり、その結果、被加工物表面に対して横方向の切削が行われる。これは「ラテラルスパッタリング」と呼ばれている現象である。さらに被加工物表面を横方向に粒子が運動することにより、表面の凸部が主に削られ原子サイズでの平坦な超精密研磨が得られることになる。また、ガスクラスターイオンビームは、イオンの持つエネルギーが通常のイオンエッチングのそれと異なり、より低いため被加工表面に損傷を与えることなく、所要の超精密研磨を可能とする。これは、ガスクラスターイオンビームによる固体表面平坦化は、前記特許文献1に示すイオンエッチングよりも加工表面損傷が少ないという利点を示すことになる。
ガスクラスターイオンビームによる平坦化では被加工物表面へのクラスターイオンビーム照射方向は、通常は、その被加工表面に対して略垂直方向から照射するのが好ましい、ということが一般には認識されている。これは、先に記述した「ラテラルスパッタリングによる表面平滑化」の効果を最大限利用するためである。ただし、前記特許文献2には、被加工表面が曲面等の場合にはその表面状況に応じて斜め方向から照射してもよい、という記述はあるが、斜め方向から照射した場合の効果については言及していない。従って、この特許文献1では固体表面の平坦化にとって一番効率がよいのは、その表面に対して略垂直方向から照射するものである、ということになる。
また、ガスクラスターイオンビームを用いた固体表面の平坦化に関して、特許文献3にも開示例がある。この特許文献3でも、ガスクラスターイオンビームと固体表面とのなす角度と、表面平坦化との関係についての記述がなく、開示されている記述からは「ラテラルスパッタリング」効果を用いていることから考えて、先に示した特許文献2と同様に、垂直照射のデータが示されているものと考えられる。
また、非特許文献1にもガスクラスターイオンビーム照射による固体表面の平坦化に関する報告がある。Toyodaらは、Cu、SiC、GaNなどの材料表面に、Arクラスターイオンを照射し、表面粗さが低減することを示している。この場合でも、表面に対して略垂直方向からガスクラスターイオンビームを照射しているものである。
また、ガスクラスターイオンビームを固体表面に対して、いろいろな照射角度で照射した場合の固体表面の粗さ変化について、非特許文献2に記述されている。固体表面に対して垂直に照射する場合を90°、この表面と平行に照射する場合を0°としたときに、表面をエッチングする速度であるスパッタ率は垂直照射のときが一番大きく、照射角度が小さくなるに従ってエッチング率も小さくなることが示されている。表面粗さと照射角度の関係については、照射角度を90°、75°、60°、45°、30°と変化させて実験を行っており、照射角度が小さくなるに従って表面粗さは大きくなることが示されている。照射角度を30°以下にする検討が実験的に行われていないが、これは照射角度を小さくするに従って表面粗さが大きくなるため、そのようなことを行っても無駄と判断されたからと思われる。
また、集積回路などの電子デバイスや、光通信に用いる光デバイスの多くは、固体表面や薄膜材料表面に微細加工による凹凸パターンが形成されており、その凹凸パターンにおける凹部または凸部の側壁表面の平坦化にガスクラスターイオンビームを用いた報告はない。これは、凹部または凸部側壁表面にはガスクラスターイオンビームをほぼ垂直に照射し難いことや、ラテラルスパッタリングというメカニズムでは側壁表面の平坦化ができないと考えられていたためである。
以上述べたように、ガスクラスターイオンビームを用いて固体表面を平坦化する場合、ガスクラスターイオンビームの固体表面に対する照射角度を90°にすると表面粗さが最も小さく、照射角度を小さくするに従って表面粗さが大きくなるため、照射角度を略垂直にすること以外は考えられなかったといっても過言でない。
特開平7−58089号公報 特開平8−120470号公報 特開平8−293483号公報 Jpn.J.Appl.Phys.Vol.41(2002)pp.4287−4290 Materials Science and Engineering R34(2001)pp.231−295
特許文献1に開示されている、基板表面に対する照射角度がほとんど平行に近い、例えば5度程度でAr(アルゴン)イオンビームを照射して基板表面から突出したテラスの側壁面をスパッタリングすることによる平坦化方法によれば、基板表面に存在した凸部が優先的に削られ、ある程度までは平坦化されるが、基板表面の損傷を抑えるためには照射エネルギーを100eV程度以下にする必要があり、その場合にはイオン電流が極端に少なくなり、実用的なスパッタリング速度が得られなくなるという問題点があった。
特許文献2及び3、非特許文献1及び2などに示すガスクラスターイオンビームを固体表面に照射して、「略垂直入射ラテラルスパッタリング」を用いて表面平坦化を行う方法は、表面粗さがある程度までは小さくなるが、さらに小さくする要望には対応できない。また、このガスクラスターイオンビームによる略垂直照射ラテラルスパッタリングでは、表面平坦化をする場合に、固体表面全体に渡ってのある程度のエッチングが生じるが、そのエッチング量が無視できない場合がある。たとえば、表面粗さRaが数nmで、数10nm程度の膜厚を有する薄膜材料表面を平坦化しようとした場合には、表面粗さを1nm程度に低減するときに、数10nm程度のエッチング量が必要である場合がある。この場合には、その薄膜材料の表面平坦化にガスクラスターイオンビームを採用できないという問題点があった。
また、凹凸パターンが形成された凹部または凸部の側壁表面の平坦化にはガスクラスターイオンビームを採用できず、この側壁表面を十分平坦化することは困難であるという問題点があった。
この発明はこのような問題を解決するもので、半導体などの各種デバイスや材料に対して、表面損傷が小さく、かつ、表面の粗さを、従来の方法による場合より小さくすることができる表面平坦化方法及びその装置を提供することを目的とする。
この発明によるガスクラスターイオンビームを用て固体表面を平坦化する方法は、前記ガスクラスターイオンビームの照射過程の少なくとも一部の期間において前記固体表面と前記ガスクラスターイオンビームがなす照射角度を30°未満にして前記ガスクラスターイオンビームを照射する過程を含む。
この発明によるガスクラスターイオンビームを用て固体表面を平坦化する平坦化装置は、ガスクラスターイオンビームを出射するガスクラスターイオンビーム発生装置と、前記ガスクラスターイオンビームに対し前記固体表面が成す照射角度を30°未満に設定可能な照射角度設定手段、とを含む。
以上説明したように、この発明によれば、ガスクラスターイオンビーム照射による試料表面の平坦化処理において、試料表面に対するガスクラスターイオンビームの角度を30°未満として照射する期間を少なくとも一部として設けることにより、従来の方法よりも表面粗さを小さくすることができ、かつ表面損傷も小さいものとすることができる。
[図1]この発明の固体表面の平坦化方法を実現するガスクラスターイオンビーム平坦化装置の基本構成を示す図。
[図2]照射角度に対する表面粗さの測定結果を示す図。
[図3]凹凸パターンが形成された固体表面の例を示す斜視図。
[図4]Aは照射角度を固定してガスクラスターイオンビームを照射する場合の凹凸パターンの例を示し、Bは照射角度を固定し、試料を表面内で回転する場合の凹凸パターンの例を示す斜視図。
[図5]実施例8による照射角度と測定された表面粗さの関係を示す表。
[図6]実施例9による照射角度と測定された表面粗さの関係を示す表。
[図7]実施例12による照射角度と測定された表面粗さの関係を示す表。
[図8]比較例5による照射角度と測定された表面粗さの関係を示す表。
[図9]Aは照射角度設定機構の一例を示す側面図、Bはその正面図と照射角度制御装置の構成例を示す図。
[図10]Aは比較例5における照射角度θp=20°の試料5−3の表面状態を示す原子間力顕微鏡写真、Bは試料5−2の写真。
[図11]Aは照射角度設定機構の他の例を示す側面図、Bはその正面図と照射角度制御装置の構成例を示す図。
この発明による平坦化方法のメカニズムは、次のように考えられる。ある臨界角を超えた小さな照射角度でガスクラスターイオンビームが固体表面に照射すると、ガスクラスターを形成している原子または分子は、その固体表面にほとんど進入することなしに固体表面と平行方向に反跳する。この反跳原子または反跳分子が固体表面の突起をスパッタリングすると考えられる。
このとき、ガスクラスターではない通常のイオンビームを用いると、照射角度が非常に小さい領域で一見類似したような効果が認められるが、その本質は全く異なっている。通常のイオンビームを用いた平坦化方法では、ガスクラスター特有の多体衝突効果がないので、「ガスクラスターを形成している原子または分子は、その固体表面にほとんど進入することなしに固体表面と平行方向に反跳する」というガスクラスターイオンビーム特有の現象が起こらない。従って、この発明の平坦化方法と通常のイオンビームを用いた平坦化方法は全く異なった表面平坦化プロセスとなる。このために、通常のイオンビームを用いた表面平坦化方法では、表面損傷が大きくなったり、表面粗さ低減効果が少なかったり、加工速度が著しく遅くなったりするという問題が発生する。
なおこの発明方法の上述したメカニズムによる効果を、「斜め入射表面スパッタリング効果」(Oblique Incident Surface Sputtering Effect)と呼ぶ。
以下この発明の実施形態を実施例により説明する。まずこの発明の固体表面の平坦化方法を実現するガスクラスターイオンビーム平坦化装置の基本構成を図1を参照して説明する。原料ガスをノズル10から真空のクラスター生成室11内に噴出させて、ガス分子を凝集させクラスターを生成する。そのクラスターをスキマー12を通してクラスタービームとしてイオン化室13へ導く。イオン化室13ではイオナイザ14から電子線、例えば熱電子を照射して中性クラスターをイオン化する。このイオン化されたクラスタービームは、加速電極15によって加速され、また磁界集束器16によりビームが集束されてスパッタ室17に入射される。スパッタ室17内に設けられた照射角度設定機構20の試料支持体18に試料19が取付けられ、入射されたクラスターイオンビームCBがアパーチャー21により所定のビーム径とされて試料19の表面に照射される。クラスターイオンビームCBに対する試料表面の角度を所望の照射角度θpとするよう照射角度制御装置30により照射角度設定機構20を制御する。電気的絶縁体の試料19の表面を平坦化する場合などには、クラスターイオンを電子により予め中性化する場合もある。
[実施例1]
原料ガスとしてSF6 ガスをHeガスと混合したものを用い、SF6 分子が約500個凝集したクラスターをサイズ分布のピークとするSF6 クラスターイオンビームを生成し、SF6 クラスターイオンを30kVに加速して、試料19の表面に各種の照射角度θpで照射し、照射ドーズ量を、4×1015ions/cm2 とした。照射前後の試料膜の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した。それらの測定結果は図2に示す。試料として、シリコン基板上にスパッタ法で成膜したクロム膜(曲線(a))、白金膜(曲線(d))、ニッケル膜(曲線(e))、二酸化シリコン膜(曲線(c))、シリコン膜(曲線(b))のそれぞれを用いた。照射角度35°〜90°の範囲は非特許文献2に示されているものと同様の傾向を示し、この範囲では照射角度が90°で平均表面粗さRaが最も小さい。ところが照射角度が35°より小さくなると急激に平均表面粗さは小さくなり、ほぼ30°〜1°の範囲でほぼ一定の平均表面粗さとなっており、しかもそれらの値は90°の場合よりも小さな値となっている。
原料ガスとしてSFガスをHeガスと混合したものを用い、SF分子が約500個凝集したクラスターをサイズ分布のピークとするSFクラスターイオンビームを生成し、SFクラスターイオンを30kVに加速して、試料19の表面に各種の照射角度θで照射し、照射ドーズ量を、4×1015ions/cmとした。照射前後の試料膜の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した。それらの測定結果は図2に示す。試料として、シリコン基板上にスパッタ法で成膜したクロム膜(曲線(a))、白金膜(曲線(d))、ニッケル膜(曲線(e))、二酸化シリコン膜(曲線(c))、シリコン膜(曲線(b))のそれぞれを用いた。照射角度35°〜90°の範囲は非特許文献2に示されているものと同様の傾向を示し、この範囲では照射角度が90°で平均表面粗さRaが最も小さい。ところが照射角度が35°より小さくなると急激に平均表面粗さは小さくなり、ほぼ30°〜1°の範囲でほぼ一定の平均表面粗さとなっており、しかもそれらの値は90°の場合よりも小さな値となっている。
照射角度25°でSF6のクラスターイオンビームを照射した場合のCr膜とSi膜のエッチング量を原子間力顕微鏡を用いて測定した。その結果はそれぞれ10nm、340nmであった。これに対し、90°で照射した場合のSi膜のエッチング量は1050nmであった。なお、Cr膜の初期(照射前)の表面粗さは3.1nmであった。またSi膜については平坦化処理後の表面における損傷程度を測定するために照射角度25°におけるSi膜中の表面層に進入したSのプロファイルを2次イオン質量分析法(SIMS)を用いて評価した。その結果、表面から10nm程度までしかSが進入していなかった。
[実施例2]
照射ドーズ量を5×1014ions/cm2 とした以外は実施例1と同一条件として、照射角度25°でCr膜にSF6 クラスターイオンを照射した。照射後のCr膜の表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。表面粗さRaは0.92nmであった。図2の照射角25°、ドーズ量4×10 15 ions/cm 2 の場合のCr膜の表面粗さは約0.5nmなので、照射ドーズ量を増加させると表面粗さは減少している。
[実施例3]
実施例1と同様な装置を用い、原料ガスとしてSF6の代わりにArガスを用い、Ar子が約2000個凝集したクラスターをサイズ分布のピークとするArクラスターイオンビームを生成し、Arクラスターイオンを30kVに加速して、各種照射角度θpにてCr膜表面に照射した。照射ドーズ量は、4×1015ions/cm2 とした。照射前後のCr膜の表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。測定結果は図2に曲線(g)として示す。なおCr膜はシリコン基板上にスパッタ法により形成したものである。
[実施例4]
実施例1と同様の条件として、Cr膜についてSF6 クラスターイオンの照射を行ったが、その際に、1つの試料に対し照射角度θpを90°から0°まで連続的に変化させ、さらに0°から90°へと連続的に変化させることを1サイクルとして、1サイクルを1秒で変化させた。また照射ドーズ量は、5×1014ions/cm2 とした。照射後のCr膜の表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。表面粗さRaは0.43nmであった。
[実施例5]
実施例1と同様な条件でSF6 ガスクラスターイオンビームをCr膜に照射したが、第1段階として照射角度θpを90°として照射し、このときの照射ドーズ量は、3×1014ions/cm2 とし、さらに第2段階として照射角度θpを25°でCr膜表面に照射し、このときの照射ドーズ量は2×1014ions/cm2 と、照射ドーズ量全体としては実施例4と同じ5×1014ions/cm2 となるようにした。照射後のCr膜の表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。表面粗さRaは0.41nmであった。
[実施例6]
熱酸化膜を形成したシリコン基板上にレジストを塗布し、電子線ビーム露光装置を用いラインアンドスペースパターン(間隔をおいて複数の平行線)を描画し、現像してマスクパターンを形成した。ライン(線)幅は1μm、スペース幅(間隔)は4μmとした。反応性イオンエッチング装置を用いて酸化シリコン膜をエッチングし、ハードマスクを形成した。その後、高周波誘導結合プラズマ法反応性イオンエッチング装置(ICP-RIE:Inductively Coupled Plasma Reactive Ion Etching)を用いてシリコン基板を深さ10μm程度エッチングした。
照射ドーズ量を5×1014ions/cmとした以外は実施例1と同一条件として、照射角度25°でCr膜にSFクラスターイオンを照射した。照射後のCr膜の表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。表面粗さRaは0.92nmであった。図2の照射角25°、ドーズ量4×10ions/cmの場合のCr膜の表面粗さは約1nmなので、照射ドーズ量を増加させると表面粗さは減少している。
実施例1と同様な装置を用い、原料ガスとしてSFの代わりにArガスを用い、Ar分子が約2000個凝集したクラスターをサイズ分布のピークとするArクラスターイオンビームを生成し、Arクラスターイオンを30kVに加速して、各種照射角度θにてCr膜表面に照射した。照射ドーズ量は、4×1015ions/cmとした。照射前後のCr膜の表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。測定結果は図2に曲線(g)として示す。なおCr膜はシリコン基板上にスパッタ法により形成したものである。
実施例1と同様の条件として、Cr膜についてSFクラスターイオンの照射を行ったが、その際に、1つの試料に対し照射角度θを90°から0°まで連続的に変化させ、さらに0°から90°へと連続的に変化させることを1サイクルとして、1サイクルを1秒で変化させた。また照射ドーズ量は、5×1014ions/cmとした。照射後のCr膜の表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。表面粗さRaは0.43nmであった。
実施例1と同様な条件でSFガスクラスターイオンビームをCr膜に照射したが、第1段階として照射角度θを90°として照射し、このときの照射ドーズ量は、3×1014ions/cmとし、さらに第2段階として照射角度θを25°でCr膜表面に照射し、このときの照射ドーズ量は2×1014ions/cmと、照射ドーズ量全体としては実施例4と同じ5×1014ions/cmとなるようにした。照射後のCr膜の表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。表面粗さRaは0.41nmであった。
熱酸化膜を形成したシリコン基板上にレジストを塗布し、電子線ビーム露光装置を用いラインアンドスペースパターン(間隔をおいて複数の平行線)を描画し、現像してマスクパターンを形成した。ライン(線)幅は1μm、スペース幅(間隔)は4μmとした。反応性イオンエッチング装置を用いて酸化シリコン膜をエッチングし、ハードマスクを形成した。その後、高周波誘導結合プラズマ法反応性イオンエッチング装置(ICP−RIE:Inductively Coupled Plasma Reactive Ion Etching)を用いてシリコン基板を深さ10μm程度エッチングした。
図3に示すようにシリコン基板31上に複数の板状体32が間隔をおいて平行に形成されたものとなる。つまり固体表面に凹凸パターンが形成される。この板状態32の側壁の表面粗さを測定した結果、表面粗さRaは3.28nmであった。次に、この固体表面に形成された凹部または凸部の側壁表面、図3では板状体32の板面を、実施例1と同様な条件でSFガスクラスターイオンビームCBを照射した基板表面に対する照射角度θ’は85°であり、同時にラインアンドスペースパターンの側壁表面に対しては照射角度θが5°となるように照射した。このときの照射ドーズ量は、6×1013ions/cmとした。照射後のラインアンドスペースパターン側壁表面の粗さを原子間力顕微鏡により測定した。表面粗さRaは0.34nmであった。
熱酸化膜を形成したシリコン基板上にレジストを塗布し、電子線ビーム露光装置を用い円形パターン配列を描画し、現像してマスクパターンを形成した。円形パターンの直径は5μm、円形パターン配列のピッチは10μmとした。反応性イオンエッチング装置を用いて酸化シリコン膜をエッチングし、ハードマスクを形成した。その後、高周波誘導結合プラズマ法反応性イオンエッチング装置(ICP−RIE)を用いてシリコン基板を深さ10μm程度エッチングした。図4Aに示すようにシリコン基板31上に複数円柱33が間隔をおいて形成されたもの、つまり固体表面に凹凸パターンが形成される。この凹凸固体表面における凹部または凸部の側壁表面、図4Aでは円柱33の周面を実施例1と同様な条件でSFガスクラスターイオンビームCBを照射したが、基板表面に対する照射角度θ’を80°とした。このとき、円柱33の側壁表面つまり周面に対しては照射角度θは一定とはならない。この円柱33の側壁表面(周面)における円柱33の軸心とガスクラスターイオンビームCBを含む面における周面に対しての最大照射角度θが10°となるように照射した。さらに、図4Bに示すように円柱33を形成した基板31をその基板面に直角な軸31xを中心として回転させて、円柱33の側壁表面(周面)の全面にガスクラスターイオンビームが照射されるようにした。このときの照射ドーズ量は、2×1014ions/cmとした。照射後の円柱33の側壁表面の粗さを原子間力顕微鏡により測定した。表面粗さRaは0.39nmであった。
原料ガスとしてSFガスをHeガスと混合したものを用い、SF分子が約500個凝集したクラスターをサイズ分布のピークとするSFクラスターイオンビームを生成し、SFクラスターイオンを30kVに加速して、シリコン膜が形成された各試料19の表面に照射した。試料表面に対する照射は、選択した1つの照射角度θで、かつクラスターイオンビームの試料面への投影面内の方向(方位角)θを変えて、2段階で照射した。即ち、第1段階では照射角(θ,θr1)で照射し、第2段階では照射角(θ,θr2)で照射した。ただし、方位角θr2はθr1を基準とした相対的な値であり、例えばθr1=0°とする。θは、5,10,20,25,30,35度から選択し、θr2は3,5,10,15,20,30,45,70,90度から選択し、全ての(θ,θr2)の組についてそれぞれ異なる試料8−1〜8−54で照射を行った。照射ドーズ量も第1段階と第2段階で同じ2×1015ions/cmとした。照射前後の試料表面の粗さを原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した。測定結果は図5の表1に示す。
試料として、シリコン基板上にスパッタ法によりSi膜を成膜した。同様にシリコン基板上にPt膜、Ni膜、SiO膜、Cr膜をそれぞれ形成した試料に第1段階でθp=10°,θr1=0°, θr2=45°でSF6クラスターイオンビームを照射し、照射後の表面粗さRaを測定した結果、Pt膜はRa=0.14nm, Ni膜はRa=0.1nm, SiO2膜はRa=0.08nm, Cr膜はRa=0.16nmであった。またSi膜については平坦化処理後の表面における損傷程度を測定するために照射角度θp=25°におけるSi膜中の表面層に侵入したSのプロファイルを2次イオン質量分析法(SIMS)を用いて評価した。その結果、表面から10nm程度までしかSが侵入していなかった。
[実施例9]
実施例8と同様な装置を用い、原料ガスとしてArガスを用い、Ar子が約2000個凝集したクラスターをサイズ分布のピークとするArクラスターイオンビームを生成し、Arクラスターイオンを30kVに加速して、照射角度θp=10°とし、各種照射方位角θr2にてSi膜表面に2段階で照射した。照射ドーズ量は、4×1015ions/cm2とした。照射前後のSi膜の表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて試料9-1〜9-9について測定した。測定結果は図6の表2に示す。なおSi膜はシリコン基板上にスパッタ法により形成したものである。
[実施例10]
実施例8と同様の条件として、Si膜についてSF6クラスターイオンの照射を行ったが、その際に、照射角度θpを10°とし、照射方位角θrを0°から90°に連続的に変化させ、さらに90°から0°に連続的に変化させた。この往復を1サイクル/秒の速度で連続的に繰り返した。また照射ドーズ量は、4×1015ions/cm2とした。照射後のSi膜の表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。表面粗さRaは0.09nmであった。また、該1サイクルの時間を0.1秒、及び5秒で同様に実験を行った。その結果、表面粗さRaはそれぞれ0.08nm、0.09nmとなった。
実施例8と同様な装置を用い、原料ガスとしてArガスを用い、Ar分子が約2000個凝集したクラスターをサイズ分布のピークとするArクラスターイオンビームを生成し、Arクラスターイオンを30kVに加速して、照射角度θ=10°とし、各種照射方位角θr2にてSi膜表面に2段階で照射した。照射ドーズ量は、4×1015ions/cmとした。照射前後のSi膜の表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて試料9−1〜9−9について測定した。測定結果は図6の表2に示す。なおSi膜はシリコン基板上にスパッタ法により形成したものである。
実施例8と同様の条件として、Si膜についてSFクラスターイオンの照射を行ったが、その際に、照射角度θを10°とし、照射方位角θを0°から90°に連続的に変化させ、さらに90°から0°に連続的に変化させた。この往復を1サイクル/秒の速度で連続的に繰り返した。また照射ドーズ量は、4×1015ions/cmとした。照射後のSi膜の表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。表面粗さRaは0.09nmであった。また、該1サイクルの時間を0.1秒、及び5秒で同様に実験を行った。その結果、表面粗さRaはそれぞれ0.08nm、0.09nmとなった。
また、θrの角度変化量を0°から30°とし、1サイクルを1秒で実験を行った。その結果、表面粗さRaは0.11nmとなった。
[実施例11]
熱酸化膜を形成したシリコン基板に実施例6と同様のラインアンドスペースパターンの板状体32(図3参照)を形成し、このパターン形成したシリコン基板に対し実施例8と同様な条件でSF6ガスクラスターイオンビームを、ラインアンドスペースパターンの側壁表面に対する照射角度θpが5度、照射方位角θrが2つの角度で照射した。第1段階ではθrを0°、照射ドーズ量を2×1015ions/cm2とし、第2段階ではθrを10°、照射ドーズ量を2×1015ions/cm2とした。照射後のラインアンドスペースパターン側壁の表面粗さを原子間力顕微鏡により測定した。表面粗さRaは0.12nmであった。
[実施例12]
照射角度θpを第1段階と第2段階で変化させた点を除いて実施例8と同様にして、いくつかのθp、θrの組み合わせでガスクラスターイオンビーム照射を行った。測定結果を図7の表3に示す。
[比較例1]
市販のイオンビームエッチング装置を用い、SF6 イオンビームを生成し、SF6 イオンを30kVに加速して、実施例1及び8で用いたと同様のCr膜、Pt膜、SiO2 膜及びSi膜に照射した。ドーズ量は、4×1015ions/cm2 とした。照射前後の各種材料表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。結果は、どの条件で照射しても各種材料表面の粗さRaは2nm以上となった。また、平坦化処理後の表面における損傷程度を測定するために、Si膜中の表面層に進入したSのプロファイルを2次イオン質量分析法(SIMS)を用いて評価した。その結果、表面から40〜50nmまでSが進入していた。
[比較例2]
実施例6と同一条件として図3に示した凹凸パターンをもつ固体表面を形成した。この固体表面に対しガスクラスターイオンビーム照射をすることなく、凹部または凸部の側壁表面、図3では板状体32の板面の表面粗さを原子間力顕微鏡により測定した。表面粗さRaは3.28nmであった。
[比較例3]
実施例6とガスクラスターイオンビームの基板表面31aに対する照射角度を90°とした点を除いて同一条件とした。この凹部または凸部の側壁表面の粗さを原子間力顕微鏡により測定した。表面粗さRaは3.03nmであった。
[比較例4]
熱酸化膜を形成したシリコン基板上にレジストを塗布し、電子線ビーム露光装置を用いラインアンドスペースパターンを描画し、現像してマスクパターンを形成した。反応性イオンエッチング装置を用いて酸化シリコン膜をエッチングし、ハードマスクを形成した。その後、マスク付きシリコン基板を実施例1と同様な条件でSFガスクラスターイオンビームを照射してエッチングを行ったが、基板表面に対する照射角度θpが90°になるようにした。このときの照射ドーズ量は、2×1015ions/cm2 とした。この照射後にはシリコン基板に間隔をおいて平行した線状溝、つまりラインアンドスペースパターンの凹凸表面が形成された。その溝の側壁つまり凹凸をもつ固体表面における凹部または凸部の側壁表面の粗さを原子間力顕微鏡により測定した。表面粗さRaは2.17nmであった。
[比較例5]
照射方位角度θrを変化させず、1段階で照射した点を除いて実施例8と基本的に同一条件とし、Si膜、Pt膜、SiO2膜及びCr膜についてGCIB照射を行った。照射ドーズ量は、4×1015ions/cm2とした。測定結果を図8の表4に示す。
[比較例6]
市販のイオンビームエッチング装置を用い、SF6イオンビームを生成し、SF6イオンを30 kVに加速して、実施例8で用いたと同様の試料であるSi膜、Pt膜、SiO2膜及びCr膜に照射した。照射角度条件及び照射ドーズ量も実施例1と同様にした。照射前後の各種材料表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。結果は、比較例1の場合と同様にどの条件で照射しても各種材料表面の粗さRaは2nm以上となった。また、平坦化処理後の表面における損傷程度を測定するために、Si膜中の表面層に進入したSのプロファイルを2次イオン質量分析法(SIMS)を用いて評価した結果も比較例1と同様に、表面から40〜50nmまでSが進入していた。
[比較例7]
ラインアンドスペースパターンを形成し、ガスクラスターイオンビームの照射方位角θrを1種類とした点を除いて実施例11と同一条件とした。このラインアンドスペースパターン側壁の表面粗さを原子間力顕微鏡により測定した。表面粗さRaは2.98nmであった。
考察
実施例1、実施例3、及び比較例1を参照すると次のことがわかる。ガスクラスターイオンビームの照射角度θpを90°(垂直照射)から小さくしていくと、表面粗さは照射角度θpが30°までは比較的単調に増加する。照射角度θpが30°より小さくなると、表面粗さは急激に減少し、しかも90°照射のときの表面粗さよりも小さくなることがわかる。さらに照射角度θpを小さくしていっても表面粗さは小さい状態が継続し、1°未満になると再び急激に表面粗さが増加する。
熱酸化膜を形成したシリコン基板に実施例6と同様のラインアンドスペースパターンの板状体32(図3参照)を形成し、このパターン形成したシリコン基板に対し実施例8と同様な条件でSFガスクラスターイオンビームを、ラインアンドスペースパターンの側壁表面に対する照射角度θが5度、照射方位角θが2つの角度で照射した。第1段階ではθを0°、照射ドーズ量を2×1015ions/cmとし、第2段階ではθを10°、照射ドーズ量を2×1015ions/cmとした。照射後のラインアンドスペースパターン側壁の表面粗さを原子間力顕微鏡により測定した。表面粗さRaは0.12nmであった。
照射角度θを第1段階と第2段階で変化させた点を除いて実施例8と同様にして、いくつかのθ、θの組み合わせでガスクラスターイオンビーム照射を行った。測定結果を図7の表3に示す。
[比較例1]
市販のイオンビームエッチング装置を用い、SFイオンビームを生成し、SFイオンを30kVに加速して、実施例1及び8で用いたと同様のCr膜、Pt膜、SiO膜及びSi膜にスパッタ法により照射した。ドーズ量は、4×1015ions/cmとした。照射前後の各種材料表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。結果は、どの条件で照射しても各種材料表面の粗さRaは2nm以上となった。また、平坦化処理後の表面における損傷程度を測定するために、Si膜中の表面層に進入したSのプロファイルを2次イオン質量分析法(SIMS)を用いて評価した。その結果、表面から40〜50nmまでSが進入していた。
[比較例2]
実施例6と同一条件として図3に示した凹凸パターンをもつ固体表面を形成した。この固体表面に対しガスクラスターイオンビーム照射をすることなく、凹部または凸部の側壁表面、図3では板状体32の板面の表面粗さを原子間力顕微鏡により測定した。表面粗さRaは3.28nmであった。
[比較例3]
実施例6とガスクラスターイオンビームの基板表面31aに対する照射角度を90°とした点を除いて同一条件とした。この凹部または凸部の側壁表面の粗さを原子間力顕微鏡により測定した。表面粗さRaは3.03nmであった。
[比較例4]
熱酸化膜を形成したシリコン基板上にレジストを塗布し、電子線ビーム露光装置を用いラインアンドスペースパターンを描画し、現像してマスクパターンを形成した。反応性イオンエッチング装置を用いて酸化シリコン膜をエッチングし、ハードマスクを形成した。その後、マスク付きシリコン基板を実施例1と同様な条件でSFガスクラスターイオンビームを照射してエッチングを行ったが、基板表面に対する照射角度θが90°になるようにした。このときの照射ドーズ量は、2×1015ions/cmとした。この照射後にはシリコン基板に間隔をおいて平行した線状溝、つまりラインアンドスペースパターンの凹凸表面が形成された。その溝の側壁つまり凹凸をもつ固体表面における凹部または凸部の側壁表面の粗さを原子間力顕微鏡により測定した。表面粗さRaは2.17nmであった。
[比較例5]
照射方位角度θを変化させず、1段階で照射した点を除いて実施例8と基本的に同一条件とし、Si膜、Pt膜、SiO膜及びCr膜についてGCIB照射を行った。照射ドーズ量は、4×1015ions/cmとした。測定結果を図8の表4に示す。
[比較例6]
市販のイオンビームエッチング装置を用い、SFイオンビームを生成し、SFイオンを30kVに加速して、実施例8で用いたと同様の試料であるSi膜、Pt膜、SiO膜及びCr膜に照射した。照射角度条件及び照射ドーズ量も実施例1と同様にした。照射前後の各種材料表面粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。結果は、比較例1の場合と同様にどの条件で照射しても各種材料表面の粗さRaは2nm以上となった。また、平坦化処理後の表面における損傷程度を測定するために、Si膜中の表面層に進入したSのプロファイルを2次イオン質量分析法(SIMS)を用いて評価した結果も比較例1と同様に、表面から40〜50nmまでSが進入していた。
[比較例7]
ラインアンドスペースパターンを形成し、ガスクラスターイオンビームの照射方位角θを1種類とした点を除いて実施例11と同一条件とした。このラインアンドスペースパターン側壁の表面粗さを原子間力顕微鏡により測定した。表面粗さRaは2.98nmであった。
考察
実施例1、実施例3、及び比較例1を参照すると次のことがわかる。ガスクラスターイオンビームの照射角度θを90°(垂直照射)から小さくしていくと、表面粗さは照射角度θが30°までは比較的単調に増加する。照射角度θが30°より小さくなると、表面粗さは急激に減少し、しかも90°照射のときの表面粗さよりも小さくなることがわかる。さらに照射角度θを小さくしていっても表面粗さは小さい状態が継続し、1°未満になると再び急激に表面粗さが増加する。
0°照射の状態は、固体表面はほとんどエッチングされないものであり、この場合の表面粗さの値は、各種膜の初期状態の表面粗さをほぼ反映しているものと考えられる。ここで注目すべきことは、30°未満の照射角で照射した場合、略垂直照射の場合と比べて可成り小さな表面粗さの値が実現されることである。この結果は、従来の略垂直照射によるガスクラスターイオンビームを用いた固体表面の平坦化方法よりも、この発明による固体表面の平坦化方法の方が表面粗さを可成り小さくできることを示しているものである。
また、ガスクラスターの種類として、化学反応性のあるSFガスと化学反応性のないArガスを用いた場合でも同様な結果が得られていることから、この発明による固体表面の平坦化方法はガスクラスターの種類には依存しないことがわかる。更に、平坦化する材料の種類が、SFクラスターに対して化学反応性があるSiや化学反応性のないPtなどでも同様な結果が得られていることから、この発明による固体表面の平坦化方法は平坦化する材料の種類には依存しないことがわかる。
比較例1のガスクラスターではない通常のイオンビームによる結果では、固体表面の顕著な平坦化は見られず、ガスクラスターイオンビームを用いるこの発明の優位性が確認できる。
また、平坦化処理後の表面における損傷程度を比較してみると、従来のイオンビームによる方法では表面から40〜50nmまでSが進入し、損傷しているのに対して、この発明では10nm以下しか損傷をしておらず、この発明を用いることによって固体表面の平坦化が非常に低損傷で実現できることがわかる。
更に、平坦化処理時の固体表面のエッチング量について見てみると、従来方法による垂直照射ではSi膜で1050nmと非常に大きなエッチング量であるが、この発明による25°入射条件でのSi膜のエッチング量が3分の1以下の340nmとなり、著しく小さなエッチング量で表面平坦化が実現できることがわかる。Cr膜では初期粗さが3.1nmで照射後の粗さを0.5nm程度にしてもエッチング量が10nmに過ぎない。このエッチング量が少ないという効果によって、この発明では薄膜材料の平坦化等に好適であることがわかる。
次に、実施例4及び5を参照すると以下のことがわかる。ガスクラスターイオンビームの照射角度θを単一な角度だけで照射するのではなく、固体表面とガスクラスターイオンビームとのなす角を変化させながらガスクラスターイオンビームを照射することによって、短時間で(照射ドーズ量が少ない状態で)表面粗さを小さくすることができることがわかる。また、固体表面とガスクラスターイオンビームとのなす角度として第1段階は90°の照射角度θを用い、第2段階として25°の照射角度θを用いることによっても、短時間で(照射ドーズ量が少ない状態で)表面粗さを小さくすることができることがわかる。図2に示すグラフから、大ざっぱに云えば照射角度θを第1段階で30°以上、第2段階で30°未満とすればよく、好ましくは第1段階で50〜90°、第2段階で1〜30°未満とすればよいことが理解される。
この照射角度θを変化させたり、2段階の角度を用いたりする方法は、特に次のような試料に有効であると考えられる。試料の表面が比較的平坦な場合には、この発明の照射角度θを30°未満にすることが一番有効であると考えられるが、試料表面の粗さが比較的大きい場合には、ミクロに見ると試料表面にいろいろな角度を持った領域が存在することになる。このような表面にいろいろな角度を持った領域がある場合には、たとえば略垂直照射で平坦化するほうが効率的な場合がある。これは図2を見ると明らかなように、照射角度θを変化させてもほぼ一定の平坦化を得ることができる角度範囲は、図2の曲線が90°を軸に対称であると考えられるので、略垂直照射付近が一番大きくなっている。
この図2により明らかとなった有効な照射角度範囲内の25°付近で考えると、照射角度θが10°ずれると35°になり、平坦化し難くなる。これに対し、図2から理解されるように、90°照射では照射角度θが例えば±20°ずれて110°又は70°となっても、表面粗さはほぼ一定の範囲であり、平坦化し難くなることはあまりない。従って、試料表面の粗さが比較的大きい場合には、照射角度θを90°を中心に例えば±20°以内の比較的大きな値に設定して照射を行い、ある程度平坦化を進めてから、照射角度θが30°より小さい状態で、さらに平坦化を進める方法が効率的になる。また同様に試料表面の粗さが比較的大きい場合は照射角度θを90°と0°の間を連続的に変化させることを繰り返すと平坦化が効率的に行えることが理解される。この場合、θを試料表面と直角な軸を跨いで0°→90°→180°→90°→0°と変化させることを繰り返してもよい。この発明による1°以上、30°未満の照射角度範囲での照射を平坦化処理の仕上げ処理として利用すること、即ち、照射角度を変えた様々なモードの平坦化処理の少なくとも最後の工程において1°以上、30°未満の照射角で照射を行うことが有効である。
以上の説明及び図2のグラフから実施例4における照射角度θpを連続的に変化させることは30°以上のいずれかの角度と、30°未満のいずれかの角度との間、好ましくは50°〜90°間のいずれかの角度と1°以上30°未満のいずれかの角度との間を連続的に変化させればよいことが理解される。またその連続的に変化さる手法も往復させながらである必要はなく、大きい角度から小さい角度に又は小さい角度から大きい角度に連続的に変化させることを繰り返させてもよい。図9A,9Bを参照して後述するように、照射角度θpを繰り返し連続的に変化させるための機構や、制御の簡単な点では往復動作がやり易い。またその連続的変化の繰り返しの開始角度、終了角度は任意でよいが、繰り返し回数が少ない場合は敢えていえば終了時の角度は小さい方がよいことも理解される。
この照射角度θpの連続的変化の繰り返し回数は、全体の平坦化処理時間内で1回以上あればよいが、数10回〜数100回以上とするのが効果的である。従って照射角度θpを変化させる速度も、実施例4で示したように1サイクル1秒に限られるものではない。
次に実施例5における第1段階と第2段階とをどのような割合で行ったらよいかを検討する。実施例5では初期の表面粗さがRa(平均値)=3.1nmであり、Rmax(ピーク値)は約30nm程度である。これを平坦化してRa=0.41nm、Rmaxが4nm程度にするが、初期状態の表面は凸凹になっているために、ミクロに見ればいろいろな角度を持った形状をしている。角度的には30°程度の角度分布を持っていることが予想される。この角度分布が大きいと、この発明により、照射角度θpを例えば15°にして照射して平坦化した場合、実際には45°(15°+30°)で照射されている領域があることになり、この領域では効率が悪くなり、つまり、ミクロに見ると平坦化しない領域があることになる。従って第1段階でこの表面のミクロに見た角度分布を15°以下程度にすることにより30°(15°+15°)になるので、平坦化効率が上がると考えられる。実施例5の場合ではRaを半分程度(1.5nm)にすることによって上述の範囲に入るものと考えられる(実際には以下の理由により半分まで必要ないと考えられる)。このRaを半分程度にするということは、第1段階の照射を初期粗さの半分程度まで行うということにほぼ等しい。
この例は産業応用上は典型的なものであるが、実際には様々なケースがあるので、例えば、表面粗さが初期の値の10%以上低減するまで(90%以下になるまで)第1段階の照射を行えばよい。これは表面のミクロに見た凹凸による角度が大きい面は、ガスクラスターイオンビームの照射により平坦化する効率が高い(逆に言うと、粗さが小さいものをさらに小さくする方が時間がかかる)ので、上記の10%程度になるまで平坦化すると、上記の範囲(ミクロに見た角度分布が15°以下程度)に入ることが予想されるからである。
第2段階については第1段階と第2段階との全体の処理時間の約10%以上の時間を第2段階に配分するのが効率的である。その理由は以下に基づく実施例5で、処理時間が現在の装置では10〜30分のオーダーであるが、第1段階処理後、表面粗さはRa=3.1nmが1nm程度になっている。この粗さ1nmを第2段階の処理で0.4nm程度にするわけであるから、処理時間はRaの絶対値の差分を平坦化するに必要とする時間以上には必要になり、つまり3.1nm−1nm=2.1nmに対して1nm−0.4nm=0.6nmであるから、全処理時間の20%以上の時間を第2段階に配分する必要があることになる。前記第1段階と同様に一般的には、上述したように第1段階と第2段階の全処理時間の約10%以上の時間を第2段階に配分するとよい。
前述したように、この発明によれば照射角度θを30°未満の一定値とする場合、2段階とする場合、連続的変化の繰り返しなど各種のモードが考えられる。図1に示すこの発明の平坦化装置では、モード設定と、照射角度θを設定できるようにされている。この装置は、例えば図9Aに照射角度設定機構20の側面を、図9Bにその正面と照射角度制御装置30をそれぞれ示すように、試料保持体18は回転軸21と固定板22a間に、試料支持体18の回転角度、つまり試料支持体18に取り付けられた試料19の被平坦化面に対するガスクラスターイオンビームCBの照射角度θをディジタル値として検出する角度検出部25のエンコーダ板25aが取り付けられている。照射角度制御装置30は電気回路25b,表示部26、設定部27、制御部28、駆動部29から構成されている。角度検出部25の電気回路部25よりの検出角度(照射角度)θが表示部26の現在角度領域26aに表示される。
設定部27中のモード設定部27aを操作して固定モードを設定し、角度設定部27bを操作して目的とする照射角度θを入力すると表示部26中のモード領域26bに「固定」が表示され、設定された照射角度が設定角度領域26cに表示され、また制御部28は、駆動部29を通じてモータ23を駆動し、現在角度θが設定角度θになるように制御する。
2段階モードを設定入力し、照射角度としてθp1,θp2を順に入力設定すると、モード領域に「2段階」が表示され、最初の設定角度θp1が設定角度領域26cに、2回目の設定角度θp2が設定角度領域26dにそれぞれ表示され、制御部28により前述の第1段階処理の際に現在角度θが設定角度領域26cの角度θp1になるようにモータ23が駆動制御される。第2段階処理の際にはθが、設定角度領域26dの角度θp2になるようにモータ23が駆動制御される。
連続変化モードを設定入力し、角度としてθp1,θp2を順次入力設定すると、モード領域に「連続変化」が表示され、設定角度θp1とθp2が設定角度領域26cと26dに表示され、制御部28によりビームに対する照射角度θが2つの設定角度θp1とθp2の間を往復繰り返し、連続的に変化するようにモータ23を制御する。
制御部28は前述した各種表示、モータ23の各種駆動などを、照射角設定プログラムをCPU(中央演算処理器)あるいはマイクロプロセッサにより実行させるものである。設定部27はキーボードなどの入力手段である。このモード・角度設定器は、この平坦化処理の各種条件を設定することができる平坦化処理装置の制御装置に組み込まれる。なおこの発明の平坦化装置は照射角度θを30°未満に固定したもの、つまり照射角度θを変更することができないものでもよい。
照射ドーズ量が変化すると、材料のエッチング量が変化し、このエッチング量は照射ドーズ量にほぼ比例する。また照射開始直後は照射ドーズ量の増加とともに表面粗さも減少するが、表面粗さがある程度減少すると、それ以上表面粗さが小さくなることはない。先の各実施例で用いた照射ドーズ量は表面粗さがある程度小さくなって、これ以上小さくならない領域に近いものである。照射ドーズ量と表面粗さの関係は以上の関係にあるから、照射ドーズ量は小さな値でもよく、その下限値はない。一般的には目的の表面粗さを実現するのに最も小さい照射ドーズ量を用いるのが好ましい。これは通常は平坦化処理の時間が短い方が生産性が高く、被平坦化材料が膜材であることが多く、平坦化に伴う膜厚減少量(エッチング量)が小さい方が望ましいからである。
上記各実施例では加速電圧を30kVとした。この加速電圧は高い方がエッチング量が大きくなるが、処理時間が短かくなることはわかっている。しかし加速電圧と表面粗さとの関係はいまのところわかっていない。従って加速電圧も平坦化処理に要求される、時間、材料などの各種条件により決定するのがよく、10kV〜45kV程度の範囲で選定すればよい。
また、実施例6、実施例7及び比較例2〜4を参照すると次のことがわかる。凹凸パターン化された固体表面における凹部または凸部の側壁表面の粗さの値は、エッチング方法やその処理方法によって著しく異なっている。比較例2に示した従来のエッチング方法では凹部または凸部の側壁表面の粗さの大きさは大きいことがわかる。比較例3や比較例4に示したガスクラスターイオンビーム照射を用いても、その照射角度が平坦化したい表面に垂直、即ち平坦化したい表面(凹部または凸部側壁表面)との照射角度θが90°の場合には、表面粗さが小さくならないことがわかる。それに比較して、この発明の実施例6のように平坦化したい表面との照射角度θを0°より大きく30°より小さくすることによって、凹部または凸部の側壁表面の粗さを著しく小さくすることが可能となる。また、実施例7のように凹部または凸部の側壁表面は平面でなくてもよく曲面にもこの発明を効果的に適用できることがわかる。
このように、この発明は平坦な固体表面に適用するだけでなく、エッチングなどにより形成した凹凸パターン表面における凹部または凸部側壁表面の平坦化にも適用できることや、さらにはいろいろな角度の面や曲面などにも適用できることがわかる。つまり凹部または凸部側壁表面は基板に対して垂直面でなくてもよい。更にこの凹部または凸部側壁表面の平坦化に対しても、実施例4の角度θpを連続的に変化させ、または実施例5の角度θpを変えた2段階照射でより効率的な平坦化が可能であることも理解されよう。
上述では照射角度が0°〜90°の範囲内での考察を行ったが、図2の照射角度に対する表面粗さの特性は90°を軸として対称となることは明らかなので、この発明による例えば1°以上、30°未満の範囲を領域Aとし、例えば35°以上90°以下の範囲を領域Bとし、90°を軸としてこれらと対称な領域をそれぞれA’=180-A、B’=180-Bとすば、この発明は、領域A又A’の少なくとも一方の領域での照射角度θpによる照射過程を含む、領域A, A’, B, B’の様々な組み合わせの照射モードが可能である。また、これらの組み合わせから選んだ複数の照射角度による複数段の照射を行ってもよいし、それら間で照射角度を連続的に変化させることを少なくとも1回以上行ってもよい。これらの任意の照射モードを図9A,9Bに示した構成により容易に実現することができる。
実施例8及び比較例5を参照すると次のことがわかる。ガスクラスターイオンビームの照射角度θに対して、ビームの、試料面への投影面内の2つの異なる方位角θで2段階で照射すると、単一のθで同じドーズ量照射するよりも表面粗さが小さくなることがわかる。この第2段階のθの値が5°以上でさらに表面粗さの効果が高いこともわかる。
実施例8及び9、比較例5を参照すると、第2段階のθを用いることによる表面粗さ低減効果は、試料の種類やガスクラスターの種類によらないことがわかる。また、θに関しては、30°以下で著しい効果があることがわかる。
比較例6のガスクラスターではない通常のイオンビームによる結果では、比較例1の場合と同様に固体表面の顕著な平坦化は見られず、実施例8のガスクラスターイオンビームを用いるこの発明の優位性が確認できる。何故、通常のイオンビームでは顕著な平坦化が起こらなくて、本発明のガスクラスターイオンビームを用いると顕著な平坦化が起こるのかは次のように考えることができる。ガスクラスターイオンビームを角度照射するとクラスターが衝突して反跳するが、その反跳方向は該固体表面の面内方向に多く分布する。これは、ガスクラスターイオンビームを固体表面に垂直照射した場合に起こる「ラテラルスパッタリング」と同様のメカニズムと考えることができる。例えばθ=20°で角度照射した場合、反跳した原子や分子はθが20°より小さい角度に多く分布しているのである。このように反跳した原子や分子が固体表面の突起に再び衝突して突起先端を平坦化するのである。一方、通常のイオンビームを角度照射した場合は、θ=20°のとき、反跳した原子や分子は照射角度と同じ20°を中心として分布する。この通常のイオンビームの場合では反跳した原子や分子が固体表面の突起を平坦化する確率が非常に小さくなるのである。
次にθ方向の分布について考えてみる。ガスクラスターイオンビームを角度照射するとθ方向にも分布して反跳する。通常のイオンビームの場合よりもその分布範囲は広いが、分布があるために照射方向と平行にテクスチャが形成される。このテクスチャの大きさが表面粗さ低減を制限している。さらに、固体表面投影面上の方向を少なくとも2種類からビームを照射した場合を考えてみる。該2種類の方向からクラスターイオンビームを照射すると、該照射方向と平行に形成されるテクスチャの形成が著しく抑制されることを、本発明で初めて発見した。これは、通常のイオンビームでは見られない特徴である。
このようなメカニズムによって本発明の優位性を説明することが出来る。
また、平坦化処理後の表面における損傷程度を比較してみると、比較例1の場合と同様に、従来のイオンビームによる方法では表面から40〜50nmまでSが進入し、損傷しているのに対して、この発明では10nm以下しか損傷をしておらず、この発明を用いることによって固体表面の平坦化が非常に低損傷で実現できることがわかる。
実施例8及び10を参照すると、θを2段階とする場合でも、連続的に変化させる場合でも、同様に表面粗さ低減効果があることがわかる。これはθを単一でない状態にすることが本質的に重要であり、2段階でなくてもよく、例えば3段階、4段階と複数段階の数に依存することはないことがわかる。また、連続的に変化させる角度範囲も任意でよいことがわかる。
実施例11及び比較例7を参照すると、θを固定ではなく2段階に変化させたり、連続的に変化させたりする方法により表面粗さを低下させる効果は、パターン側壁表面にも適用できることがわかる。この結果から、本発明の固体表面の平坦化方法は3次元的で複雑な表面や曲面などにも適用可能であることがわかる。
実施例8と実施例12を参照すると、2段階のθを用いることによる表面粗さ低減効果は、第1段階のθと第2段階のθが同一である方が、効果が高いことがわかる。この現象は、本発明によって初めて実験的に明らかとなったものである。これはつぎのように考えることができる。固体表面の平坦化効果に関して、比較例5に示したように、θ<30°の領域で第1段階の照射によるθ依存性はあまりないことがわかる。しかしながら、図10A,10Bに試料5−3と5−2についてのクラスターイオンビーム照射による平坦化後の原子間力顕微鏡写真を示すように、そのモフォロジーは非常に異なっていることがわかった。第2段階のガスクラスターイオンビーム照射を行う場合には、このような第1段階で形成した表面モフォロジーに対して行われるのである。本発明により鋭意検討した結果、その組み合わせ方によって第2段階の表面平坦化効果に差があることが明らかとなったのである。
図10A,10Bを見ると、照射方向に筋がついたように見え、その筋の太さや長さが異なっていることがわかる。本発明により、この筋の長さはθが小さいほど長い傾向にあることを明らかにした。さらに、この筋の幅や長さの単位で表面を削り取るように平坦化しているために、第1段階と第2段階の照射に関して、その単位が合っている方が効果的であることが推察される。例えば、第1段階よりも第2段階の方が筋の深さが浅い状態を考えると、第2段階の平坦化効果が小さくなるということである。このようなことから、第1段階と第2段階のθは同一である方が、平坦化効果が高いということになるのである。
前述したように、この発明によれば照射角度θrを30°未満の一定値とする場合、2段階とする場合、連続的変化の繰り返しなど各種のモードが考えられる。実施例8〜11の実行を考慮した平坦化装置では、モード設定と、照射角度(θp, θr)を設定できるようにされてある。例えば図11A,11Bに示すように、図9A,9Bにおけると同様の試料支持体18の板面に、軸41aを中心に回転可能に保持された歯車の回動ディスク41が設けられ、その上に試料19が保持される。回動ディスク41としての歯車は試料支持体18に取り付けられたステッピングモータ42の軸に取り付けられた歯車43と係合し、ステッピングモータ42の回転により回動ディスク41を所望の角度θr だけ回転することができる。ステッピングモータ42は駆動部29により角度θrに対応した数のパルスが与えられる。
設定部27中のモード設定部27aを操作して固定モードを設定し、角度設定部27bを操作して目的とする照射角度θを入力すると表示部26中のモード領域26bに「固定」が表示され、設定された照射角度が設定角度領域26cに表示され、また制御部28は、駆動部29を通じてモータ23を駆動し、現在角度θが設定角度θになるように制御する。
2段階モードを設定入力し、照射角度としてθ,θr1,θr2を順に設定入力すると、モード領域に「2段階」が表示され、最初の設定角度θが設定角度領域26cに、設定角度θr1,θr2が設定角度領域26dにそれぞれ表示され、制御部28により前述の第1段階処理の際に現在角度θが角度θになるようにモータ23が駆動制御され、回動ディスク41の回転角度θがθr1となるようモータ42が制御される。第2段階の処理では、θはそのまま保持され、θが角度θr2になるようにモータ42が駆動制御される。
連続変化モードを設定入力し、角度としてθ,θr1,θr2を順に設定入力すると、モード領域に「連続変化」が表示され、制御部28により照射角度がθがとなるようモータ23を制御し、更に2つの設定角度θr1とθr2の間を往復繰り返し、連続的に変化するようにモータ42を制御する。
制御部28は前述した各種表示、モータ23、42の各種駆動などを、照射角度設定プログラムをCPU(中央演算処理器)あるいはマイクロプロセッサにより実行させるものである。設定部27はキーボードなどの入力手段である。このモード・角度設定器は、この平坦化処理の各種条件を設定することができる平坦化処理装置の制御装置に組み込まれる。
以上の説明から明らかなように、ガスクラスターイオンビームに用いるガス種は、SFやArに限らず、どのようなものであってもよく、また、照射条件やクラスターサイズなどの装置条件や実験パラメータも特に限定されるものではなく、どのようなものであってもよい。

Claims (13)

  1. ガスクラスターイオンビームを用い固体表面を平坦に加工する方法において、
    前記ガスクラスターイオンビームの照射過程の少なくとも一部の期間において前記固体表面と前記ガスクラスターイオンビームがなす照射角度を30°未満にして前記ガスクラスターイオンビームを照射する過程を含むことを特徴とする固体表面の平坦化方法
  2. 請求項1の固体表面の平坦化方法において、前記ガスクラスターイオンビームの照射過程は、前記照射角度が30°未満で照射する過程の前に、前記固体表面と前記ガスクラスターイオンビームがなす照射角度を30°以上として前記固体表面に前記ガスクラスターイオンビームを照射する過程を含むことを特徴とする固体表面の平坦化方法
  3. 請求項1の固体表面の平坦化方法において、前記30°以上の照射角度と前記30°未満の照射角度との間を連続的に変化させることを1回以上繰り返す過程を含むことを特徴とする固体表面の平坦化方法
  4. 請求項1の固体表面の平坦化方法において、前記30°未満の照射角度で照射する過程は、前記ガスクラスターイオンビームの、前記固定表面への投影面内の第1の方向で照射する過程と、前記投影面内で前記第1の方向と異なる第2の方向で照射する過程とを含むことを特徴とする固体表面の平坦化方法
  5. 請求項4の固体表面の平坦化方法において、前記30°未満の照射角度で照射する過程は、前記第1の方向と前記第2の方向間で前記投影面内の方向を連続的に変化させて照射する過程を含むことを特徴とする固体表面の平坦化方法
  6. 請求項4の固体表面の平坦化方法において、前記第1及び第2の方向は互いに5°以上の角度を成して照射する過程を含むことを特徴とする固体表面の平坦化方法
  7. 請求項1乃至6のいずれかの固体表面の平坦化方法において、前記固体表面は、試料表面に形成された凹部または凸部の側壁表面であることを特徴とする固体表面の平坦化方法
  8. 請求項4,5又は6のいずれかの固体表面の平坦化方法において、前記照射角度30°未満での照射において、前記ガスクラスターイオンビームと前記固体表面とが成す照射角度を一定とすることを特徴とする固体表面の平坦化方法
  9. ガスクラスターイオンビームを用い固体表面を平坦化する平坦化装置であって、ガスクラスターイオンビームを出射するガスクラスターイオンビーム発生装置と、
    前記ガスクラスターイオンビームに対し前記固体表面が成す照射角度を30°未満に設定可能な照射角度設定手段と、
    を含むことを特徴とする固体表面の平坦化装置
  10. 請求項9の固体表面の平坦化装置において、前記照射角度設定手段は、30°以上の照射角度に設定可能とされ、前記30°以上の照射角度と、前記30°未満の照射角度を切り替える手段を含むことを特徴とする固体表面の平坦化装置
  11. 請求項9の固体表面の平坦化装置において、前記照射角度設定手段は、30°以上の照射角度と前記30°未満の照射角度との間を連続的に少なくとも1回以上繰り返す手段を含むことを特徴とする固体表面の平坦化装置
  12. 請求項9の固体表面の平坦化装置において、前記照射角度設定手段は、前記ガスクラスターイオンビームの、前記固体表面への投影面における方向を少なくとも2つの方向に設定可能な手段を含むことを特徴とする固体表面の平坦化装置
  13. 請求項9の固体表面の平坦化装置において、前記照射角度設定手段は、前記第1の方向と前記第2の方向間で前記投影面内の方向を連続的に変化させる手段を含むことを特徴とする固体表面の平坦化装置
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