JP5587550B2 - 固体表面の封孔処理方法及び電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は例えばコネクタ、その他電子デバイス用材料表面のピンホール状の孔や溝状の傷などの封孔処理に適用することができ、ガスクラスターイオンビーム照射により固体表面を封孔処理する方法に関する。
金めっきが施されたコネクタ電極等に微細なピンホール状の孔や溝状の傷などがあると、大気中などに存在する腐食因子がこのような孔や溝を通って下地に達し、下地が腐食することが起こる。このような腐食を防止するために種々の封孔処理が行われている。封孔処理は例えば金めっきされた電極の表面に、無機質系または有機質系の封孔剤を浸透、含浸させ、充填することによって行われている。
このような封孔処理の一方法として、特許文献1にはベンゾトリアゾール系化合物を含有する封孔処理水溶液中で、被処理材の電極電位を下地めっきであるニッケルの酸化領域に保持して直流電解することにより、金めっきのピンホール内部の下地金属であるニッケルを酸化させ、ニッケルとベンゾトリアゾール系化合物とを反応させて、錯化合物をピンホール内に充填させることにより封孔効果をもたせる処理方法が提案されている。
また、封孔処理として樹脂含浸工程を用いず、ブラスト工程のみの単工程としたことを特徴とする処理方法が特許文献2において提案されている。
特開平5−311488号公報 特開2003−105409号公報
しかるに、有機溶剤や無機溶剤などの含浸処理剤を含浸させて封孔処理を行う方法では、表面に少なからず含浸処理剤が残留してしまい、抵抗増加や真空中では使えないといったような問題が生じる。また、特許文献2で提案されているような含浸処理を行わず、ブラスト処理のみによって封孔処理する方法では、表面粗さが大きくなってしまうという問題があった。
この発明の目的はこのような問題に鑑み、ピンホール状の孔や溝状の傷などを有する固体表面の封孔処理を、その表面を汚染させることなく、クリーンな表面状態を保ちながら行うことができ、かつ表面粗さを増大させることなく行うことができる処理方法を提供することにある。
請求項1の発明によれば、ガスクラスターイオンビームを用いて固体表面の封孔処理をする方法は、固体表面の孔や溝の周囲から、孔や溝に向かって固体表面の構成物質を移動させ、孔や溝の縁に構成物質を堆積させて、ひさし状の堆積物を形成することができる臨界照射角度θ [度]より大きな照射角度で、ガスクラスターイオンビームを少なくとも孔や溝の周囲に照射する。臨界照射角度θ[度]は、孔の直径もしくは溝の幅をx[nm]とした時、
θ=−8×10−7+0.0188x−18.122
とされる。
この発明によれば、ピンホール状の孔や溝状の傷などを有する固体表面の封孔処理を、表面粗さを増大させることなく、かつクリーンな表面状態を保ちながら行うことができる。
まず、最初に、この発明による封孔処理のメカニズムについて説明する。
孔や溝などの形状が存在する固体表面にガスクラスターイオンビーム(GCIB)を照射すると、表面の平均粗さが小さくなり、平坦化が進行することが知られている。これは孔や溝を塞ぐというよりは孔の直径や溝の幅を広くしていくことによって平均粗さを小さくするものであった。図1はこの様子を模式的に示したものであり、図中、11は固体を示し、12はその固体11の表面に存在する溝を示す。
本発明者は、ガスクラスターイオンビーム照射による孔や溝付近の形状変化を鋭意観察・検討した結果、孔の縁や溝の縁に固体表面の構成物質が堆積してひさし状の堆積物が形成される現象を発見した。図2はその様子を模式的に示したものであり、図中、13は固体11の表面の溝12を塞ぐように形成されたひさし(ひさし状の堆積物)を示す。一方、図3(1)は観察結果(顕微鏡写真)の一例を示したものであり、図3(2)は図3(1)の写真に表れている形状をスケッチして示したものである。図3よりひさし13が形成されていることがわかり、またこの例ではひさし13の一部が局所的に成長してカール14ができていることがわかる。
このように孔の縁や溝の縁に物質が堆積し、ひさし状の堆積物が形成される現象は次のようなメカニズムによる。
即ち、ガスクラスターイオンビームが物質に衝突すると、図4に示したようにクレーター15が形成される。この時、表面物質の一部はスパッタリングされてしまうが、クレーター内部のほとんどの物質はクレーター15の縁が盛り上がったリム16として、実質的に横に移動することになる。ガスクラスターイオンビームが略垂直照射であれば、このクレーター形成過程が等方的に繰り返されるだけであり、孔や溝の縁に物質が堆積することはなく、つまりひさし状の堆積物が形成されることはなく、これが従来の常識であった。しかしながら、ガスクラスターイオンビームの照射角度を制御し、ある臨界照射角度以上にすると、孔や溝の縁に物質が堆積し、ひさし状の堆積物が形成される現象が出現するのである。さらには、孔の直径や溝の幅に依存し、臨界照射角度が変化する現象も発見した。この発明はこれらの新しく発見した現象を適用したものである。
以下、この発明の実施形態を実施例により説明する。
まず、この発明の固体表面の封孔処理方法を実施するために用いるガスクラスターイオンビーム装置の基本構成を図5を参照して説明する。
原料ガスをノズル20から真空のクラスター生成室21内に噴出させて、ガス分子を凝集させ、クラスターを生成する。そのクラスターをスキマー22を通してガスクラスタービームとしてイオン化室23へ導く。イオン化室23ではイオナイザ24から電子線、例えば熱電子を照射して中性クラスターをイオン化する。このイオン化されたガスクラスタービームは加速電極25によって加速されてスパッタ室26に入射される。入射されたガスクラスターイオンビーム(GCIB)はアパーチャー27により所定のビーム径とされて試料28の表面に照射される。電気的絶縁体の試料28の表面を封孔処理する場合などには、ガスクラスターイオンを電子により予め中性化する場合もある。
試料28は試料支持体29に取り付けられており、試料支持体29を傾けることにより、ガスクラスターイオンビームに対する試料28表面の角度を所望の照射角度θとなるように制御することができる。なお、詳細図示は省略しているが、X−Yステージや回転機構によって試料28を縦や横に移動させ、また回転させることにより、試料28全体に渡って照射角度θを細かく制御することができるものとなっている。
[実施例1]
シリコン上に通常のフォトリソグラフィー技術を用いて、クロムマスクを厚さ200nmで形成し、シリコンを反応性イオンエッチングによりエッチングして、各種の幅の孔や溝を形成した。孔や溝の深さは2μmとした。クロムマスクを除去し、この試料に次のような条件でガスクラスターイオンビームを照射した。原料ガスとしてアルゴンを用い、20kVに加速して試料の表面に色々な角度で照射した。照射ドーズ量は1.5×1017ions/cmとした。
その後、試料の断面を走査型電子顕微鏡により観察し、孔や溝がどのようになっているかを観察した。観察結果の例を図6(1)〜(3)に示す。溝の周囲に溝に向かって傾斜している状態が観察され、また溝が封孔されている状態が観察される。
図7は孔の直径または溝の幅x[nm]を横軸とし、ガスクラスターイオンビームの照射角度θ[度]を縦軸として、封孔処理ができたかどうかを調べた結果を示したものであり、グラフ(曲線)より上の斜線を施した領域において封孔処理ができていることが確認された。図7におけるグラフの照射角度を臨界照射角度θ[度]とした時、θは下記の式で表すことができる。
θ=−8×10−7+0.0188x−18.122
[実施例2]
実施例1と同様な方法で、複数の溝を配列形成した試料を作製した。溝の幅は1μm、深さは2μmとし、配列ピッチは6μmとした。この試料に照射角度20度でガスクラスターイオンビームを照射した。照射ドーズ量は1.5×1017ions/cmとした。
封孔処理前後の表面粗さの評価を原子間力顕微鏡を用いて行った。平均表面粗さ(Ra)は、封孔処理前が0.50μmであり、封孔処理後は0.12μmとなった。このように、封孔処理によって表面粗さは増大せず、むしろ表面粗さが低減することが分かった。
[比較例]
照射角度θが図7に示した封孔処理可能領域でない点を除いて、実施例1と同様な実験を行った。結果は、すべて孔や溝が塞がれていないことがわかった。例として、溝の幅が1600nmで照射角度θが7度での観察結果を図8に示す。ガスクラスターイオンビームの照射により、初期の溝の幅よりも溝の上部は広がり、溝の底の部分は狭まっているが、封孔処理はできていないことがわかる。
以上説明した例は試料がシリコンの場合であるが、前述の図2及び図3に示した観察結果はクロムでの実験例であり、各種金属材料やチタン酸ジルコン酸鉛などのセラミック材料でも同様な現象を確認した。なお、図2に示した本発明の作用から考えて、ガスクラスターイオンビームが照射されてひさし状の堆積物ができる現象は本質的なものであり、用いるガスクラスターの種類や加速エネルギなどの諸条件、試料の材料などは特に限定されるものではないことは明らかである。
従来のガスクラスターイオンビームを用いた表面平坦化の概念を示す模式図。 この発明による封孔処理のメカニズムを説明するための模式図。 (1)は図2と対応する観察結果を示す写真、(2)は(1)に表れている形状をスケッチした図。 一般的なガスクラスターイオンビームの照射過程を示す模式図。 この発明による固体表面の封孔処理方法を実施するために用いるガスクラスターイオンビーム装置の基本構成を示す図。 この発明の実施例の観察結果を示す写真。 この発明による封孔処理方法によって封孔処理可能な条件を示すグラフ。 比較例の観察結果を示す写真。

Claims (2)

  1. ガスクラスターイオンビームを用いて固体表面の封孔処理をする方法であって、
    前記固体表面の孔や溝の周囲から、前記孔や前記溝に向かって前記固体表面の構成物質を移動させ、前記孔や前記溝の縁に前記構成物質を堆積させて、ひさし状の堆積物を形成することができる臨界照射角度θ [度]より大きな照射角度で、ガスクラスターイオンビームを少なくとも前記孔や前記溝の周囲に照射することを特徴とし、
    前記臨界照射角度θ [度]は、前記孔の直径もしくは前記溝の幅をx[nm]とした時、
    θ =−8×10 −7 +0.0188x−18.122
    である固体表面の封孔処理方法。
  2. 請求項1記載の固体表面の封孔処理方法を用いる電子部品の製造方法。
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