JP3993447B2 - エンジンのバランサー装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクシャフトの下方でオイルパンに臨むバランサーハウジングにバランサーシャフトを支持し、バランサーシャフトの軸端に設けたバランサーウエイトに対向する開口をバランサーハウジングに形成したエンジンのバランサー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるエンジンのバランサー装置は、特開2001−12551号公報により公知である。
【0003】
この種のバランサー装置のバランサーハウジングにはバランサーシャフトの軸端に対向する開口が形成されており、この開口を通して工具を挿入することでバランサーシャフトのジャーナル支持部を加工している。上記特開2001−12551号公報に記載されたものは、バランサーハウジングの開口の最下部をバランサーウエイトの最下部よりも上方に位置させ、かつバランサーウエイトの端面と開口の周囲のバランサーハウジングの内面との間隔を小さく設定することで、オイルパン内のオイルの油面が変動したときに開口を通してバランサーハウジングの内部にオイルが流入するのを抑制している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のものは、低温時にオイルの粘度が高くなると、バランサーウエイトの端面とバランサーハウジングの内面との間に保持されたオイルの剪断力が増加するため、バランサーシャフトの回転抵抗が増加する問題があった。これを防止するためにバランサーハウジングの開口を無闇に大きくすると、バランサーハウジングの剛性が低下したり、バランサーハウジングの内部にオイルが流入し易くなったりする問題がある。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、バランサーハウジングに形成した開口の周囲とバランサーウエイトとの間で発生するオイルの剪断力を低減し、かつバランサーハウジングの剛性を確保しながらバランサーハウジングの内部へのオイルの流入を最小限に抑えることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、クランクシャフトの下方でオイルパンに臨み、アッパーハウジングおよびロアハウジングで構成されるバランサーハウジングにバランサーシャフトを支持し、バランサーシャフトの軸端に設けたバランサーウエイトに対向する開口をバランサーハウジングに形成したエンジンのバランサー装置において、 開口の下端はバランサーウエイトの回転軌跡よりも下方に位置し、開口の下端よりも上方の少なくとも一部に、バランサーシャフトの軸方向に見てバランサーウエイトの回転軌跡内に延出し一面がアッパーハウジングおよびロアハウジングの合わせ面の一部となる延出部を設けたことを特徴とするエンジンのバランサー装置が提案される。
【0007】
上記構成によれば、バランサーハウジングに形成した開口の下端をバランサーウエイトの回転軌跡よりも下方に位置させたので、オイルに漬かり易い開口の下端とバランサーウエイトとの間にオイルが保持されるのを防止し、オイルの剪断力によるバランサーシャフトの回転抵抗の増加を抑制することができる。またバランサーハウジングの開口の下端よりも上方のオイルに漬かり難い部分に、バランサーウエイトの回転軌跡内に延出し一面がアッパーハウジングおよびロアハウジングの合わせ面の一部となる延出部を設けたので、開口の面積をできるだけ小さくしてバランサーハウジングの内部へのオイルに流入を抑制するとともに、延出部によって合わせ面の面積が増加し、開口を形成したことによるバランサーハウジングの剛性低下を最小限に抑えることができる。
【0008】
また請求項2に記載された発明によれば、クランクシャフトの下方でオイルパンに臨むバランサーハウジングにバランサーシャフトを支持し、バランサーシャフトの軸端に設けたバランサーウエイトに対向する開口をバランサーハウジングに形成したエンジンのバランサー装置において、開口はバランサーハウジングを構成するアッパーハウジングおよびロアハウジングに跨がって形成され、バランサーシャフトの軸方向に見てアッパーハウジング側の開口をバランサーウエイトの回転軌跡内に位置させるとともに、ロアハウジング側の開口をバランサーウエイトの回転軌跡よりも下方に位置させることで、アッパーハウジング側の開口の面積よりもロアハウジング側の開口の面積を大きくしたことを特徴とするエンジンのバランサー装置が提案される。
【0009】
上記構成によれば、バランサーシャフトの軸方向に見てアッパーハウジング側の開口をバランサーウエイトの回転軌跡内に位置させ、ロアハウジング側の開口をバランサーウエイトの回転軌跡よりも下方に位置させたことにより、アッパーハウジングおよびロアハウジングに跨がって形成されたバランサーハウジングの開口ロアハウジング側の開口の面積の方がアッパーハウジング側の開口の面積よりも大きくなっているので、オイルに漬かり易いロアハウジングの開口を大きくしてバランサーウエイトとの間にオイルが保持され難くし、オイルの剪断力によるバランサーシャフトの回転抵抗の増加を抑制することができるだけでなく、オイルに漬かり難いアッパーハウジングの開口を小さくし、バランサーハウジングの内部へのオイル流入を抑制するとともに、開口を形成したことによるバランサーハウジングの剛性低下を最小限に抑えることができる。
【0010】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、開口の下部の形状を、バランサーシャフトの軸方向に見てバランサーウエイトの回転軌跡に沿わせたことを特徴とするエンジンのバランサー装置が提案される。
【0011】
上記構成によれば、開口の下部の形状がバランサーウエイトの回転軌跡に沿っているので、開口とバランサーウエイトとの間に保持されるオイルの量をできるだけ少なくし、かつ開口をバランサーウエイトで塞いでバランサーハウジングの内部にオイルが流入し難くすることができる。
【0012】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、バランサーハウジングはアッパーハウジングおよびロアハウジングの合わせ面にオイル排出孔を備えており、開口のオイル排出孔側にバランサーシャフトの軸方向に見てバランサーウエイトの回転軌跡内に延出する他の延出部を設けたことを特徴とするエンジンのバランサー装置が提案される。
【0013】
上記構成によれば、開口の延出部を、バランサーハウジングのアッパーハウジングおよびロアハウジングの合わせ面に形成されたオイル排出孔側に設けたので、オイル排出孔を形成したことによるバランサーハウジングの剛性低下を延出部の剛性で補うことができる。
【0014】
尚、実施例の駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19は本発明のバランサーシャフトに対応し、実施例の第2バランサーウエイト18e,19eは本発明のバランサーウエイトに対応する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図12は本発明の第1実施例を示すもので、図1はエンジンの正面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図2の4−4線断面図、図5は図3の5−5線断面図、図6は図2の6−6線矢視図、図7は図2の7−7線矢視図、図8は図6の8−8線断面図、図9は図6の9−9線断面図、図10は図6の10−10線断面図、図11は図6の11−11線断面図、図12は図2の12−12線断面図である。
【0017】
図1に示すように、車両用の直列4気筒エンジンEの外郭は、上方から下方にヘッドカバー11、シリンダヘッド12、シリンダブロック13、ロアブロック14およびオイルパン15を積層して構成されており、シリンダ軸線Lは鉛直方向に対して排気側(図中左側)に傾斜している。ロアブロック14の下面に固定されてオイルパン15の内部に収納された二次バランサー装置16は、バランサーハウジング17に支持された駆動側バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19を備えており、シリンダブロック13およびロアブロック14間に支持されたクランクシャフト20の軸端に設けたスプロケット21と駆動側バランサーシャフト18の軸端に設けたスプロケット22とが無端チェーン23で接続される。
【0018】
図2〜図5に示すように、シリンダブロック13に設けた4個のシリンダボア24…に摺動自在に嵌合する4個のピストン25…は、クランクシャフト20の4個のピン20a…にそれぞれコネクティングロッド26…を介して接続される。ロアブロック14の内部に嵌合する5個のベアリングキャップ27…が各々2本のボルト28,28でシリンダブロック13の下面に締結されており、シリンダブロック13と5個のベアリングキャップ27…との間にクランクシャフト20の5個のジャーナル20b…が回転自在に支持される。
【0019】
二次バランサー装置16のバランサーハウジング17はアッパーハウジング29およびロアハウジング30を11本のボルト31…;32,32;33,33;34a,34a,34b,34bで結合し、更にアッパーハウジング29およびロアハウジング30の一端部にポンプハウジング35を複数本のボルト36…で結合してなる。ロアハウジング30のポンプハウジング35側の端部にはバランサーハウジング17の上面側に回り込む上壁部30bが形成されており、この上壁部30bがアッパーハウジング29およびポンプハウジング35に挟まれている。このとき、アッパーハウジング29とロアハウジング30の上壁部30bとの間にスリット状の開口α(図6、図8および図9)が形成される。
【0020】
駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19を挟むように配置された3本のボルト31…は、アッパーハウジング29側から挿入されてロアハウジング30に締結される。駆動バランサーシャフト18の外側に配置された2本のボルト32,32と、従動バランサーシャフト19の外側に配置された2本のボルト33,33とは、アッパーハウジング29側から挿入されてロアハウジング30に締結される。またバランサーハウジング17の一端側においてポンプハウジング35に挿入された2本のボルト34a,34aがベアリングキャップ27を貫通してシリンダブロック13の下面に締結されるとともに、バランサーハウジング17の他端側においてロアハウジング30側から挿入された2本のボルト34b,34bが、アッパーハウジング29およびベアリングキャップ27を貫通してシリンダブロック13の下面に締結される。
【0021】
アッパーハウジング29は前記4本のボルト34a,34a,34b,34bが貫通する4個の取付座29aでベアリングキャップ27,27に支持されており、従ってアッパーハウジング29の上面とベアリングキャップ27,27の下面との間に隙間β(図4参照)が形成される。
【0022】
次に、図6〜図12に基づいて二次バランサー装置16の構造を更に説明する。
【0023】
図8から明らかなように、二次バランサー装置16の駆動バランサーシャフト18には、その一端側から他端側に向けて前記スプロケット22、第1ジャーナル18a、駆動ギヤ18b、第1バランサーウエイト18c、第2ジャーナル18dおよび第2バランサーウエイト18eが設けられており、第1、第2ジャーナル18a,18dがアッパーハウジング29およびロアハウジング30に挟まれるように支持される。図9から明らかなように、二次バランサー装置16の従動バランサーシャフト19には、その一端側から他端側に向けて第1ジャーナル19a、従動ギヤ19b、第1バランサーウエイト19c、第2ジャーナル19dおよび第2バランサーウエイト19eが設けられており、第1、第2ジャーナル19a,19dがアッパーハウジング29およびロアハウジング30に挟まれるように支持される。
【0024】
ポンプハウジング35の内部に突出する従動バランサーシャフト19の一端にオイルポンプ41(図9参照)が設けられる。オイルポンプ41は周知のトロコイドポンプから構成されるもので、従動バランサーシャフト19に固定されたインナーロータ42と、ポンプハウジング35に回転自在に支持されてインナーロータ42に噛み合うアウターロータ43とを備える。ロアハウジング30の下面にはオイルパン15に貯留したオイルの油面O下に位置するストレーナ44が設けられており、ストレーナ44とオイルポンプ41の吸入ポート41aとがロアハウジング30の下面に一体に形成したオイル通路30a(図12参照)で接続される。ストレーナ44は、オイル中の異物を濾過するストレーナエレメント44aと、ストレーナエレメント44aを覆うストレーナカバー44bとで構成される。オイルポンプ41の吐出ポート41bは、図示せぬオイル通路を介してシリンダブロック13のメインギャラリ13a(図3および図4参照)に接続される。
【0025】
アッパーハウジング29には、駆動ギヤ18bおよび従動ギヤ19bが臨む一対の開口29b,29bと、第1バランサーウエイト18c,19cが臨む一対の開口29c,29cと、第2バランサーウエイト18e,19eが臨む一対の開口29d,29dとが形成される。これらの開口29b,29b;29c,29c;29d,29dを設けることで、コネクティングロッド26…の下端の軌跡T(図3参照)がアッパーハウジング29の上面と干渉するのを防止しているので、エンジンEの小型化が可能である。
【0026】
またバランサーハウジング17のポンプハウジング35と反対側の端面には、駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の軸端に臨む開口17a〜17d(図8〜図10参照)が形成される。具体的には、アッパーハウジング29側に、駆動バランサーシャフト18の大径側の第2ジャーナル18dの径よりも僅かな距離γだけ大きい半円状の開口17aと、従動バランサーシャフト19の大径側の第2ジャーナル19dの径よりも僅かな距離γだけ大きい半円状の開口17bとが形成される。一方、ロアハウジング30側に、駆動バランサーシャフト18の第2バランサーウエイト18eの回転軌跡tよりも僅かな距離δだけ大きい略半円状の開口17cと、従動バランサーシャフト19の第2バランサーウエイト19eの回転軌跡tよりも僅かな距離δだけ大きい略半円状の開口17dとが形成される。
【0027】
このようにバランサーシャフトの軸方向に見てアッパーハウジング側の開口をバランサーウエイトの回転軌跡内に位置させ、ロアハウジング側の開口をバランサーウエイトの回転軌跡よりも下方に位置させることにより、ロアハウジング30の開口17c,17dの面積は、アッパーハウジング29の開口17a,17bの面積よりも大きくなっている。小さい側のアッパーハウジング29の開口17a,17bが、駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の第2ジャーナル18d,19dの径よりも距離γだけ大きいので、開口17a〜17dから工具を挿入することで、バランサーハウジング17の内部に駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の第1、第2ジャーナル18a,19a;18d,19dの支持部を機械加工することができる。
【0028】
ロアハウジング30側の開口17c,17dの径は、その下端を含む大部分で、それに対向する第2バランサーウエイト18e,19eの回転軌跡tより距離δだけ大きくなっているが、開口17c,17dの上部の一側(後述するオイル排出孔46側)に壁状の延出部17e,17fが形成されており、この延出部17e,17fの分だけ開口17c,17dの径(面積)が小さくなっている。
【0029】
アッパーハウジング29の駆動バランサーシャフト18側の端部に、その上面に開口する4個のオイル排出孔45a〜45dが形成される。各々のオイル排出孔45a〜45dはクランクシャフト20の軸線方向に延びる長孔状に形成される。バランサーハウジング17の従動バランサーシャフト19側の端部に、アッパーハウジング29およびロアハウジング30の合わせ面に沿って延びる1本(または複数本)のスリット状のオイル排出孔46が形成される。オイル排出孔45a〜45dはシリンダ軸線Lの方向に開口し、オイル排出孔46はシリンダ軸線Lに直交する方向に開口する。シリンダ軸線Lの傾斜により、バランサーハウジング17は駆動バランサーシャフト18側が低くなり、従動バランサーシャフト19側が高くなるように傾斜しているが、駆動バランサーシャフト18側のオイル排出孔45a〜45dおよび従動バランサーシャフト19側のオイル排出孔46はオイルパン15に貯留したオイルの油面O(図3参照)よりも高い位置に配置される。
【0030】
アッパーハウジング29の駆動バランサーシャフト18側の端部上面に、概略長方形の第1バッフルプレート47が、アッパーハウジング29およびロアハウジング30を結合する前記2本のボルト32,32によって共締めされ、またアッパーハウジング29の従動バランサーシャフト19側の端部上面に、概略長方形の第2バッフルプレート48が、アッパーハウジング29およびロアハウジング30を結合する前記2本のボルト33,33によって共締めされているので、部品点数および締結スペースの削減が可能である。更に、ロアブロック14の下面にコ字状の第3バッフルプレート49が4本のボルト50…で固定される。
【0031】
しかして、エンジンEの運転によりクランクシャフト20の回転がスプロケット21、無端チェーン23およびスプロケット22を介して駆動バランサーシャフト18に伝達され、駆動バランサーシャフト18の回転は駆動ギヤ18bおよび従動ギヤ19bを介して従動バランサーシャフト19に伝達される。このとき、クランクシャフト20のスプロケット21の歯数は駆動バランサーシャフト18のスプロケット22の歯数の2倍に設定され、かつ駆動ギヤ18bの歯数は従動ギヤ19bの歯数に等しく設定されているため、駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19はクランクシャフト20の回転数の2倍の回転数で相互に逆方向に回転し(図11および図12の矢印A,B参照)、駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19に設けた第1、第2バランサーウエイト18c,19c;18e,19eによりエンジンEの二次振動が低減される。
【0032】
エンジンEの運転中にクランクシャフト20がクランクケース内のオイルをはね上げるため、そのオイルが開口29b,29b;29c,29c;29d,29d;17a〜17dを通してバランサーハウジング17の内部に浸入しようとする。バランサーハウジング17の内部にオイルが浸入すると、そのオイルを駆動ギヤ18b、従動ギヤ19b、第1、第2バランサーウエイト18c,19c;18e,19e等が攪拌して攪拌抵抗が増加する問題がある。そこで、図11の矢印A,B方向に回転する駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の駆動ギヤ18b、従動ギヤ19b、第1、第2バランサーウエイト18c,19c;18e,19e等で掻き上げたオイルを、バランサーハウジング17のオイル排出孔45a〜45d,46から外部に排出してオイルパン15に戻すことで、前記攪拌抵抗の増加を防止するようになっている。
【0033】
このとき、図10〜図12に示すように、第1、第2バッフルプレート47,48の外端縁および第3バッフルプレート49のカバー部49a,49bの外端縁は下向きに折れ曲がっているため、オイル排出孔45a〜45d,46から排出されたオイルを下向きに方向変換してオイルパン15にスムーズに戻すことができる。
【0034】
バランサーハウジング17に固定した第1バッフルプレート47および第2バッフルプレート48と、ロアブロック14に固定した第3バッフルプレート49とにより、オイルパン15の内部に貯留されたオイルの油面Oの暴れが防止される。またクランクシャフト20の回転に伴ってはね上がられたオイルの飛沫がクランクケースの内部に飛び散ったとき、第1〜第3バッフルプレート47〜49の少なくとも一部がバランサーハウジング17のオイル排出孔45a〜45d,46を覆う位置まで延出しているため、前記オイルの飛沫を第1〜第3バッフルプレート47〜49で遮ってオイル排出孔45a〜45d,46からバランサーハウジング17の内部に浸入するのを抑制することができる。このように、既存の第1〜第3バッフルプレート47,48,49を利用してオイル排出孔45a〜45d,46を覆うので、それらオイル排出孔45a〜45d,46を覆うための特別のカバー部材が不要になり、部品点数の削減および組付工数の削減が可能になる。
【0035】
特に、コ字状に形成された第3バッフルプレート49は複数のオイル排出孔45d,46を覆う複数のカバー部49a,49bを備えており、かつ前記カバー部49a,49b間に切欠部49cを備えているため、カバー部49a,49bでオイル排出孔45d,46の一部を覆いながら、切欠部49cによって第3バッフルプレート49の重量増加を最小限に抑えることができる。しかも第3バッフルプレート49をロアブロック14に固定する4本のボルト50…のうちの2本が切欠部49cよりもカバー部49a,49bに近い位置に配置されているので、カバー部49a,49bの剛性を高めて振動を抑制することができる。また前記切欠部49cは駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の第2ジャーナル18d,19dよりも大径の第2バランサーウエイト18e,19eに対向する位置に設けられているので、エンジンEの上下方向の寸法増加を最小限に抑えることができる。
【0036】
カバー部材としての第1バッフルプレート47は複数の開口としてのオイル排出孔45a〜45cを覆い、またカバー部材としての第3バッフルプレート49は複数の開口としてのオイル排出孔45d,46を覆っているので、即ち、単一のカバー部材でそれぞれ複数の開口を覆っているので、カバー部材の数を削減することができる。
【0037】
第2ジャーナル18dを挟んで設けられた第1バランサーウエイト18cおよび第2バランサーウエイト18eの側方(駆動バランサーシャフト18と直交する方向)に各々設けられたオイル排出孔45c,45dを覆う第1バッフルプレート47と第3バッフルプレート49とが別体として独立して設けられているので、第2ジャーナル18dの周辺部で第1バッフルプレート47と第3バッフルプレート49との連結構成が複雑になることもなく、カバー部材としての第1、第3バッフルプレート47,49の大型化を抑制することができる。
【0038】
またバランサーハウジング17のロアハウジング30の開口17c,17dの下端が、それに対向する第2バランサーウエイト18e,19eの回転軌跡tよりも下方に位置するので、位置が低いためにオイルに漬かり易い開口17c,17dの下端と第2バランサーウエイト18e,19eとの間にオイルが保持されるのを防止することができる。これにより、オイルの粘性が高くなる低温時においても、オイルの剪断力による駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の回転抵抗の増加を抑制することができる。
【0039】
しかもロアハウジング30の開口17c,17dの下端よりも上方のオイルに漬かり難い部分に、駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の軸方向に見て第2バランサーウエイト18e,19eの回転軌跡t内に延出する延出部17e,17fを設けたので、延出部17e,17fの分だけ開口17c,17dの面積を小さくしてバランサーハウジング17の内部へのオイルに流入を抑制することができ、かつ開口17c,17dを形成したことによるロアハウジング30の剛性低下を最小限に抑えることができる。
【0040】
上記作用を別の観点から説明すると、バランサーシャフトの軸方向に見てアッパーハウジング側の開口をバランサーウエイトの回転軌跡内に位置させ、ロアハウジング側の開口をバランサーウエイトの回転軌跡よりも下方に位置させることにより、アッパーハウジング29側の開口17a,17bの面積よりもロアハウジング30側の開口17c,17dの面積を大きくしたので、オイルに漬かり易いロアハウジング30の開口17c,17dと第2バランサーウエイト18e,19eとの間にオイルが保持され難くなり、オイルの剪断力による駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の回転抵抗の増加を抑制することができる一方、オイルに漬かり難いアッパーハウジング29の開口17a,17bを小さくしてバランサーハウジング17の内部へのオイルに流入を抑制し、かつ開口17a,17bを形成したことによるバランサーハウジング17の剛性低下を最小限に抑えることができる。
【0041】
またロアハウジング30の開口17c,17dの延出部17e,17fを除く下部の形状が第2バランサーウエイト18e,19eの回転軌跡tに沿っているので、開口17c,17dと第2バランサーウエイト18e,19eとの間に保持されるオイルの量を減少させて剪断力の発生を抑制しながら、開口17c,17dを第2バランサーウエイト18e,19eで塞いでバランサーハウジング17の内部にオイルが流入し難くすることができる。
【0042】
更に、バランサーハウジング17の剛性はアッパーハウジング29およびロアハウジング30の合わせ面に形成したオイル排出孔46により低下するが、そのオイル排出孔46に近いロアハウジング30の開口17dに延出部17fを設けたことにより、オイル排出孔46を形成したことによるバランサーハウジング17の剛性低下を補うことができる。
【0043】
更にまた、アッパーハウジング29およびロアハウジング30の駆動バランサーシャフト18側の合わせ面に延出部17gを形成したので、延出部17gによって合わせ面の面積が増加し、バランサーハウジング17の剛性が向上して振動防止に有利である。
【0044】
以上説明した第1実施例および第2実施例において、駆動バランサーシャフト18側の開口17a,17cと、従動バランサーシャフト19側の開口17b,17dとの間にエア導入孔17i(図10および図13参照)を形成したので、バランサーハウジング17を大型化することなくエアを効率的に導入し、オイル排出孔45a〜45d,46からのオイルの排出を容易化することができる。しかも前記エア導入孔17iは隣り合う駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の第2バランサーウエイト18e,19e間に設けられているので、エアの導入が第2バランサーウエイト18e,19eによって影響を受けることがなく、スムーズなエアの導入が可能になる。
【0045】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0046】
例えば、第1実施例ではロアハウジング30の開口17c,17dの片側だけに延出部17e,17fを形成しているが、図13の第2実施例に示すように、開口17c,17dの両側に延出部17e,17f;17g,17hを形成しても良い。
【0047】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、バランサーハウジングに形成した開口の下端をバランサーウエイトの回転軌跡よりも下方に位置させたので、オイルに漬かり易い開口の下端とバランサーウエイトとの間にオイルが保持されるのを防止し、オイルの剪断力によるバランサーシャフトの回転抵抗の増加を抑制することができる。またバランサーハウジングの開口の下端よりも上方のオイルに漬かり難い部分に、バランサーウエイトの回転軌跡内に延出し一面がアッパーハウジングおよびロアハウジングの合わせ面の一部となる延出部を設けたので、開口の面積をできるだけ小さくしてバランサーハウジングの内部へのオイルに流入を抑制するとともに、開口を形成したことによるバランサーハウジングの剛性低下を最小限に抑えることができる。
【0048】
また請求項2に記載された発明によれば、アッパーハウジングおよびロアハウジングに跨がって形成されたバランサーハウジングの開口は、バランサーシャフトの軸方向に見てアッパーハウジング側の開口をバランサーウエイトの回転軌跡内に位置させ、ロアハウジング側の開口をバランサーウエイトの回転軌跡よりも下方に位置させることにより、アッパーハウジング側の開口の面積よりもロアハウジング側の開口の面積が大きくなっているので、オイルに漬かり易いロアハウジングの開口を大きくしてバランサーウエイトとの間にオイルが保持され難くし、オイルの剪断力によるバランサーシャフトの回転抵抗の増加を抑制することができるだけでなく、オイルに漬かり難いアッパーハウジングの開口を小さくし、バランサーハウジングの内部へのオイルに流入を抑制するとともに、開口を形成したことによるバランサーハウジングの剛性低下を最小限に抑えることができる。
【0049】
また請求項3に記載された発明によれば、開口の下部の形状がバランサーウエイトの回転軌跡に沿っているので、開口とバランサーウエイトとの間に保持されるオイルの量をできるだけ少なくし、かつ開口をバランサーウエイトで塞いでバランサーハウジングの内部にオイルが流入し難くすることができる。
【0050】
また請求項4に記載された発明によれば、開口の延出部を、バランサーハウジングのアッパーハウジングおよびロアハウジングの合わせ面に形成されたオイル排出孔側に設けたので、オイル排出孔を形成したことによるバランサーハウジングの剛性低下を延出部の剛性で補うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジンの正面図
【図2】 図1の2−2線断面図
【図3】 図2の3−3線断面図
【図4】 図2の4−4線断面図
【図5】 図3の5−5線断面図
【図6】 図2の6−6線矢視図
【図7】 図2の7−7線矢視図
【図8】 図6の8−8線断面図
【図9】 図6の9−9線断面図
【図10】 図6の10−10線断面図
【図11】 図6の11−11線断面図
【図12】 図2の12−12線断面図
【図13】 本発明の第2実施例に係る、前記図10に対応する図
【符号の説明】
15 オイルパン
17 バランサーハウジング
17a 開口
17b 開口
17c 開口
17d 開口
17e 延出部
17f 延出部
17g 延出部
17h 延出部
18 駆動バランサーシャフト(バランサーシャフト)
18e 第2バランサーウエイト(バランサーウエイト)
19 従動バランサーシャフト(バランサーシャフト)
19e 第2バランサーウエイト(バランサーウエイト)
20 クランクシャフト
29 アッパーハウジング
30 ロアハウジング
46 オイル排出孔
t 回転軌跡

Claims (4)

  1. クランクシャフト(20)の下方でオイルパン(15)に臨み、アッパーハウジング(29)およびロアハウジング(30)で構成されるバランサーハウジング(17)にバランサーシャフト(18,19)を支持し、バランサーシャフト(18,19)の軸端に設けたバランサーウエイト(18e,19e)に対向する開口(17a〜17d)をバランサーハウジング(17)に形成したエンジンのバランサー装置において、
    開口(17a〜17d)の下端はバランサーウエイト(18e,19e)の回転軌跡(t)よりも下方に位置し、開口(17a〜17d)の下端よりも上方の少なくとも一部に、バランサーシャフト(18,19)の軸方向に見てバランサーウエイト(18e,19e)の回転軌跡内に延出し一面がアッパーハウジング(29)およびロアハウジング(30)の合わせ面の一部となる延出部(17g)を設けたことを特徴とするエンジンのバランサー装置。
  2. クランクシャフト(20)の下方でオイルパン(15)に臨むバランサーハウジング(17)にバランサーシャフト(18,19)を支持し、バランサーシャフト(18,19)の軸端に設けたバランサーウエイト(18e,19e)に対向する開口(17a〜17d)をバランサーハウジング(17)に形成したエンジンのバランサー装置において、
    開口(17a〜17d)はバランサーハウジング(17)を構成するアッパーハウジング(29)およびロアハウジング(30)に跨がって形成され、バランサーシャフト(18,19)の軸方向に見てアッパーハウジング(29)側の開口(17a,17b)をバランサーウエイト(18e,19e)の回転軌跡(t)内に位置させるとともに、ロアハウジング(30)側の開口(17c,17d)をバランサーウエイト(18e,19e)の回転軌跡(t)よりも下方に位置させることで、アッパーハウジング(29)側の開口(17a,17b)の面積よりもロアハウジング(30)側の開口(17c,17d)の面積を大きくしたことを特徴とするエンジンのバランサー装置。
  3. 開口(17a〜17d)の下部の形状を、バランサーシャフト(18,19)の軸方向に見てバランサーウエイト(18e,19e)の回転軌跡(t)に沿わせたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエンジンのバランサー装置。
  4. バランサーハウジング(17)はアッパーハウジング(29)およびロアハウジング(30)の合わせ面にオイル排出孔(46)を備えており、開口(17d)のオイル排出孔(46)側にバランサーシャフト(18,19)の軸方向に見てバランサーウエイト(18e,19e)の回転軌跡内に延出する他の延出部(17f)を設けたことを特徴とする、請求項1に記載のエンジンのバランサー装置。
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