JP3646090B2 - エンジンのバランサー装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バランサーハウジングに形成された開口部の上方を覆うカバー部材を備えたエンジンのバランサー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるエンジンのバランサー装置は、実開平1−61415号公報により公知である。
そして、この実開平1−61415号公報には、バランサーハウジングの上面にブローバイガスを排出するために設けた吐出口の上部をカバー部材で覆うことにより、この吐出口がオイルで塞がれるの抑制するものが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、実開平1−61415号公報に記載されたものは、バランサーハウジングの上面にカバー部材を密着させることが難しいため、バランサーハウジングの上面に沿って流れるオイルが該バランサーハウジングおよびカバー部材間の隙間を通って吐出口に流入する可能性があり、カバー部材の機能が充分に発揮されない虞がある。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、バランサーハウジングの上面を流れるオイルが、バランサーハウジングの開口部の上方を覆うカバー部材との隙間を通して該開口部に浸入するのを抑制することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明、バランサーハウジングに形成された開口部の上方を覆うカバー部材を備えたエンジンのバランサー装置において、バランサーハウジングの上面とカバー部材の端縁との間に形成される隙間を通って開口部にオイルが浸入するのを抑制すべく、バランサーハウジングの上面には、カバー部材の端縁を覆うように外方に突出して前記隙間へのオイルの流入を阻止する凸部形成されると共に、その凸部のバランサーシャフト方向の長さが、前記開口部のバランサーシャフト方向の長さよりも長く設定され、更にバランサーハウジングの上面には、2本のバランサーシャフトのジャーナルを支持する軸受部と、2本のバランサーシャフトを連動させるギヤを収納するギヤ収納部とが上方に突出していると共に、これら軸受部およびギヤ収納部間が前記凸部を介して直接接続されていることを特徴とする
【0006】
上記請求項1の構成によれば、バランサーハウジングの上面に形成されてカバー部材の端縁を覆うように外方に突出する上記凸部によりオイルの流れを遮ぎることで、前記隙間を通して開口部にオイルが浸入するのを抑制することができ、しかもその凸部によりバランサーハウジングの剛性が向上する。また上記凸部の長さを開口部の長さよりも長くしたので、該凸部でオイルを確実に遮って開口部への浸入を一層効果的に抑制することができる。更にバランサーハウジングの上面から突出する軸受部およびギヤ収納部を上記凸部で直接接続したので、バランサーハウジングの剛性を高めてバランサーシャフトを確実に支持することができる。
【0007】
また請求項2の発明、バランサーハウジングに形成された開口部の上方を覆うカバー部材を備えたエンジンのバランサー装置において、バランサーハウジングの上面とカバー部材の端縁との間に形成される隙間を通って開口部にオイルが浸入するのを抑制すべく、バランサーハウジングの上面には、カバー部材の端縁を覆うように外方に突出する凸部が形成され、且つその凸部の下面とバランサーハウジングの上面とに囲まれた空間にカバー部材の前記端縁が入り込んでいることを特徴とする
【0008】
上記請求項2の構成によれば、バランサーハウジングの上面に、カバー部材の端縁を覆うように外方に突出する凸部が形成され、且つその凸部の下面とバランサーハウジングの上面とに囲まれた空間にカバー部材の前記端縁が入り込んでいるので、上記凸部でオイルの流れを遮ぎることで、或いはその凸部を乗り越えたオイルをカバー部材の上面に導くことで、前記隙間を通して開口部にオイルが浸入するのを抑制することができ、しかもその凸部によりバランサーハウジングの剛性向上る。
【0009】
また請求項3の発明は、バランサーハウジングに形成された開口部の上方を覆うカバー部材を備えたエンジンのバランサー装置において、バランサーハウジングの上面とカバー部材の端縁との間に形成される隙間を通って開口部にオイルが浸入するのを抑制すべく、カバー部材の前記端縁を下向きに曲げ、且つその端縁を内部に入り込ませる溝状の凹部をバランサーハウジングの上面に形成したことを特徴とする
【0010】
上記請求項3の構成によれば、カバー部材の前記端縁を下向きに曲げ、且つその端縁を内部に入り込ませる溝状の凹部をバランサーハウジングの上面に形成したから、この凹部でオイルの流れを遮ぎることで、オイルがカバー部材の下側に回り込むことなく該カバー部材の上面に沿って流れるようにして、前記隙間を通して開口部にオイルが浸入するのを抑制することができる。
【0011】
尚、バランサーハウジングの上面とは、その法線が水平方向よりも上向きであれば、バランサーハウジングの何れの面であっても良い。
【0012】
また実施例の駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19は本発明のバランサーシャフトに対応し、実施例の駆動ギヤ18bおよび従動ギヤ19bは本発明のギヤに対応し、実施例の第2ジャーナル18d,19dは本発明のジャーナルに対応し、実施例のオイル排出孔45a〜45d,46は本発明の開口部に対応し、実施例の第1、第2バッフルプレート47,48およびバッフルプレート52は本発明のカバー部材に対応し、実施例の内端縁47a,48aは本発明の端縁に対応する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図12は本発明の第1実施例を示すもので、図1はエンジンの正面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図2の4−4線断面図、図5は図3の5−5線断面図、図6は図2の6−6線矢視図、図7は図2の7−7線矢視図、図8は図6の8−8線断面図、図9は図6の9−9線断面図、図10は図6の10−10線断面図、図11は図6の11−11線断面図、図12は図6の12−12線断面図である。
【0014】
図1に示すように、車両用の直列4気筒エンジンEの外郭は、上方から下方にヘッドカバー11、シリンダヘッド12、シリンダブロック13、ロアブロック14およびオイルパン15を積層して構成されており、シリンダ軸線Lは鉛直方向に対して排気側(図中左側)に傾斜している。ロアブロック14の下面に固定されてオイルパン15の内部に収納された二次バランサー装置16は、バランサーハウジング17に支持された駆動側バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19を備えており、シリンダブロック13およびロアブロック14間に支持されたクランクシャフト20の軸端に設けたスプロケット21と駆動側バランサーシャフト18の軸端に設けたスプロケット22とが無端チェーン23で接続される。
【0015】
図2〜図5に示すように、シリンダブロック13に設けた4個のシリンダボア24…に摺動自在に嵌合する4個のピストン25…は、クランクシャフト20の4個のピン20a…にそれぞれコネクティングロッド26…を介して接続される。ロアブロック14の内部に嵌合する5個のベアリングキャップ27…が各々2本のボルト28,28でシリンダブロック13の下面に締結されており、シリンダブロック13と5個のベアリングキャップ27…との間にクランクシャフト20の5個のジャーナル20b…が回転自在に支持される。
【0016】
二次バランサー装置16のバランサーハウジング17はアッパーハウジング29およびロアハウジング30を11本のボルト31…;32,32;33,33;34a,34a,34b,34bで結合し、更にアッパーハウジング29およびロアハウジング30の一端部にポンプハウジング35を複数本のボルト36…で結合してなる。ロアハウジング30のポンプハウジング35側の端部にはバランサーハウジング17の上面側に回り込む上壁部30bが形成されており、この上壁部30bがアッパーハウジング29およびポンプハウジング35に挟まれている。このとき、アッパーハウジング29とロアハウジング30の上壁部30bとの間にスリット状の開口α(図6、図8および図9)が形成される。
【0017】
駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19を挟むように配置された3本のボルト31…は、アッパーハウジング29側から挿入されてロアハウジング30に締結される。駆動バランサーシャフト18の外側に配置された2本のボルト32,32と、従動バランサーシャフト19の外側に配置された2本のボルト33,33とは、アッパーハウジング29側から挿入されてロアハウジング30に締結される。またバランサーハウジング17の一端側においてポンプハウジング35に挿入された2本のボルト34a,34aがベアリングキャップ27を貫通してシリンダブロック13の下面に締結されるとともに、バランサーハウジング17の他端側においてロアハウジング30側から挿入された2本のボルト34b,34bが、アッパーハウジング29およびベアリングキャップ27を貫通してシリンダブロック13の下面に締結される。
【0018】
アッパーハウジング29は前記4本のボルト34a,34a,34b,34bが貫通する4個の取付座29aでベアリングキャップ27,27に支持されており、従ってアッパーハウジング29の上面とベアリングキャップ27,27の下面との間に隙間β(図4参照)が形成される。
【0019】
次に、図6〜図12に基づいて二次バランサー装置16の構造を更に説明する。
【0020】
図8から明らかなように、二次バランサー装置16の駆動バランサーシャフト18には、その一端側から他端側に向けて前記スプロケット22、第1ジャーナル18a、駆動ギヤ18b、第1バランサーウエイト18c、第2ジャーナル18dおよび第2バランサーウエイト18eが設けられており、第1、第2ジャーナル18a,18dがアッパーハウジング29およびロアハウジング30に挟まれるように支持される。図9から明らかなように、二次バランサー装置16の従動バランサーシャフト19には、その一端側から他端側に向けて第1ジャーナル19a、従動ギヤ19b、第1バランサーウエイト19c、第2ジャーナル19dおよび第2バランサーウエイト19eが設けられており、第1、第2ジャーナル19a,19dがアッパーハウジング29およびロアハウジング30に挟まれるように支持される。
【0021】
ポンプハウジング35の内部に突出する従動バランサーシャフト19の一端にオイルポンプ41(図9参照)が設けられる。オイルポンプ41は周知のトロコイドポンプから構成されるもので、従動バランサーシャフト19に固定されたインナーロータ42と、ポンプハウジング35に回転自在に支持されてインナーロータ42に噛み合うアウターロータ43とを備える。ロアハウジング30の下面にはオイルパン15に貯留したオイルの油面O下に位置するストレーナ44が設けられており、ストレーナ44とオイルポンプ41の吸入ポート41aとがロアハウジング30の下面に一体に形成したオイル通路30a(図12参照)で接続される。ストレーナ44は、オイル中の異物を濾過するストレーナエレメント44aと、ストレーナエレメント44aを覆うストレーナカバー44bとで構成される。オイルポンプ41の吐出ポート41bは、図示せぬオイル通路を介してシリンダブロック13のメインギャラリ13a(図3および図4参照)に接続される。
【0022】
アッパーハウジング29には、駆動ギヤ18bおよび従動ギヤ19bが臨む一対の開口29b,29bと、第1バランサーウエイト18c,19cが臨む一対の開口29c,29cと、第2バランサーウエイト18e,19eが臨む一対の開口29d,29dとが形成される。これらの開口29b,29b;29c,29c;29d,29dを設けることで、コネクティングロッド26…の下端の軌跡T(図3参照)がアッパーハウジング29の上面と干渉するのを防止しているので、エンジンEの小型化が可能になる。またバランサーハウジング17のポンプハウジング35と反対側の端面には、駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の軸端に臨む開口17a,17b(図10参照)が、アッパーハウジング29およびロアハウジング30に跨がって形成される。この開口17a,17bは、バランサーハウジング17の内部に駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の第1、第2ジャーナル18a,19a;18d,19dの支持部を機械加工するためのもので、その開口17a,17bの内径は前記第1、第2ジャーナル18a,19a;18d,19dの外径よりも若干大きくなっている。
【0023】
アッパーハウジング29の駆動バランサーシャフト18側の端部に、その上面に開口する4個のオイル排出孔45a〜45dが形成される。各々のオイル排出孔45a〜45dはクランクシャフト20の軸線方向に延びる長孔状に形成される。バランサーハウジング17の従動バランサーシャフト19側の端部に、アッパーハウジング29およびロアハウジング30の合わせ面に沿って延びる1本(または複数本)のスリット状のオイル排出孔46が形成される。オイル排出孔45a〜45dはシリンダ軸線Lの方向に開口し、オイル排出口46はシリンダ軸線Lに直交する方向に開口する。シリンダ軸線Lの傾斜により、バランサーハウジング17は駆動バランサーシャフト18側が低くなり、従動バランサーシャフト19側が高くなるように傾斜しているが、駆動バランサーシャフト18側のオイル排出口45a〜45dおよび従動バランサーシャフト19側のオイル排出口46はオイルパン15に貯留したオイルの油面O(図3参照)よりも高い位置に配置される。
【0024】
アッパーハウジング29の駆動バランサーシャフト18側の端部上面に、概略長方形の第1バッフルプレート47が、アッパーハウジング29およびロアハウジング30を結合する前記2本のボルト32,32によって共締めされ、またアッパーハウジング29の従動バランサーシャフト19側の端部上面に、概略長方形の第2バッフルプレート48が、アッパーハウジング29およびロアハウジング30を結合する前記2本のボルト33,33によって共締めされているので、部品点数および締結スペースの削減が可能である。更に、ロアブロック14の下面にコ字状の第3バッフルプレート49が4本のボルト50…で固定される。
【0025】
図6および図11から明らかなように、従動バランサーシャフト19の第1ジャーナル19aおよび第2ジャーナル19d間において、スリット状のオイル排出口46の直上におけるアッパーハウジング29の上面に、クランクシャフト20の軸線方向に延びるリブ状の凸部29eが形成される。オイル排出口46の上方を覆う第2バッフルプレート48の内端縁48aは、前記凸部29eの下面とアッパーハウジング29の上面とに囲まれた空間に入り込んでおり、そこから外端縁48bに向かって延びている。
【0026】
一方、駆動バランサーシャフト18の駆動ギヤ18bおよび第2ジャーナル18d間において、2個のオイル排出口45b,45cの直上におけるアッパーハウジング29の上面に、クランクシャフト20の軸線方向に延びる溝状の凹部29fが形成される。オイル排出口45a〜45cの上方を覆う第1バッフルプレート47の下向きに折れ曲がった内端縁47aは、前記凹部29f内に入り込んでおり、そこから外端縁47bに向かって延びている。
【0027】
しかして、エンジンEの運転によりクランクシャフト20の回転がスプロケット21、無端チェーン23およびスプロケット22を介して駆動バランサーシャフト18に伝達され、駆動バランサーシャフト18の回転は駆動ギヤ18bおよび従動ギヤ19bを介して従動バランサーシャフト19に伝達される。このとき、クランクシャフト20のスプロケット21の歯数は駆動バランサーシャフト18のスプロケット22の歯数の2倍に設定され、かつ駆動ギヤ18bの歯数は従動ギヤ19bの歯数に等しく設定されているため、駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19はクランクシャフト20の回転数の2倍の回転数で相互に逆方向に回転し(図11および図12の矢印A,B参照)、駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19に設けた第1、第2バランサーウエイト18c,19c;18e,19eによりエンジンEの二次振動が低減される。
【0028】
エンジンEの運転中にクランクシャフト20がクランクケース内のオイルをはね上げるため、そのオイルが開口29b,29b;29c,29c;29d,29d;17a,17bを通してバランサーハウジング17の内部に浸入しようとする。バランサーハウジング17の内部にオイルが浸入すると、そのオイルを駆動ギヤ18b、従動ギヤ19b、第1、第2バランサーウエイト18c,19c;18e,19e等が攪拌して攪拌抵抗が増加する問題がある。そこで、図11の矢印A,B方向に回転する駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の駆動ギヤ18b、従動ギヤ19b、第1、第2バランサーウエイト18c,19c;18e,19e等で掻き上げたオイルを、バランサーハウジング17のオイル排出孔45a〜45d,46から外部に排出してオイルパン15に戻すことで、前記攪拌抵抗の増加を防止するようになっている。
【0029】
バランサーハウジング17に固定した第1バッフルプレート47および第2バッフルプレート48と、ロアブロック14に固定した第3バッフルプレート49とにより、オイルパン15の内部に貯留されたオイルの油面Oの暴れが防止される。またクランクシャフト20の回転に伴ってはね上がられたオイルの飛沫がクランクケースの内部に飛び散ったとき、バランサーハウジング17のオイル排出孔45a〜45d,46が第1〜第3バッフルプレート47〜49によって覆われているため、前記オイルの飛沫を第1〜第3バッフルプレート47〜49で遮ってオイル排出孔45a〜45d,46からバランサーハウジング17の内部に浸入するのを抑制することができる。
【0030】
特に、コ字状に形成された第3バッフルプレート49は切欠部49cを挟んで形成された一対のカバー部49a,49bを備えており、一方のカバー部49aで一つのオイル排出口45dを覆うとともに他方のカバー部49bでオイル排出口46の一部を覆いながら、切欠部49cによって第3バッフルプレート49の重量を軽減することができる。しかも第3バッフルプレート49をロアブロック14に固定する4本のボルト50…のうちの2本が切欠部49cよりもカバー部49a,49bに近い位置に配置されているので、カバー部49a,49bの剛性を高めて振動を抑制することができる。
【0031】
アッパーハウジング29の上面に付着したオイルが重力で第1バッフルプレート47に向けて下方に流れるとき、下向きに折り曲げられた第1バッフルプレート47の内端縁47aがアッパーハウジング29の溝状の凹部29fに嵌合しているため、この凹部29fでオイルの流れを遮ることで該オイルは第1バッフルプレート47の下側に回り込むことなく、第1バッフルプレート47の上面に沿って流れて外端縁47bからオイルパン15内に落下し、オイル排出口45b,45cからバランサーハウジング17内に浸入することが抑制される。
【0032】
またアッパーハウジング29の上面に付着したオイルが重力で第2バッフルプレート48に向けて下方に流れるとき、第2バッフルプレート48の内端縁48aがアッパーハウジング29の土手状の凸部29eの下側に位置しており、かつ凸部29eが第2バッフルプレート48の内端縁48aよりも上方に突出しているため、この凸部29eでオイルの流れを遮ることで、あるいは凸部29eを乗り越えたオイルを第2バッフルプレート48の上面に導いて外端縁48bからオイルパン15内に落下させることで、そのオイルがオイル排出口46からバランサーハウジング17内に浸入することが抑制される。
【0033】
このとき、第1、第2バッフルプレート47,48は、内端縁47a,48aから外端縁47b,48bに向かって下向きに傾斜しているため、オイルをスムーズに案内してオイルパン15に導くことができる。
【0034】
アッパーハウジング29にクランクシャフト20の軸線方向に形成した凹部29fは、2個のオイル排出口45b,45cの全体を覆うのに充分な長さを有しているため、アッパーハウジング29の上面に沿って流下するオイルを確実に遮って第1バッフルプレート47の下面に回り込むのを防止することができる。また実施例では、アッパーハウジング29およびロアハウジング30の合わせ面に形成したオイル排出口46が、アッパーハウジング29に形成した凸部29eから軸方向にはみ出しているが、オイル排出口46を凸部29eの範囲内だけに形成すれば、つまり凸部29eの長さをオイル排出口46の長さをよりも長くすれば、アッパーハウジング29の上面に沿って流下するオイルを凸部29eで遮ってバランサーハウジング17の内部に浸入するのを一層確実に阻止することができる。
【0035】
アッパーハウジング29の上面には、駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の第2ジャーナル18d,19dを支持する軸受部29gと、駆動ギヤ18bおよび従動ギヤ19bを収納するギヤ収納部29hとが上方に突出しており、これらの軸受部29gとギヤ収納部29hとが前記凸部29eで接続されるため、アッパーハウジング29の剛性を効果的に高めて駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト30を確実に支持することができる。
【0036】
尚、図6に斜線で示した部分は凸部29e′となっており、その下方の凹部29fとの協働によりオイル排出口45bへのオイルの浸入を一層効果的に抑制することができる。しかも、前記凸部29e′により、ギヤ収納部29hと第2バランサーウエイト18eを逃げる開口部29cとを接続しているので、バランサーハウジング17の剛性向上に寄与することができる。
【0037】
次に、図13に基づいて本発明の第2実施例を説明する。
【0038】
第2実施例は、第1実施例の第1バッフルプレート47および第2バッフルプレート48を接続部51で一体に接続し、コ字状をなす単一のバッフルプレート52として部品点数を削減したものであり、第1バッフルプレート47および第2バッフルプレート48の形状および機能は第1実施例のものと同じである。
【0039】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0040】
例えば、実施例では第1、第2バッフルプレート47,48をバランサーハウジング17に固定し、第3バッフルプレート49をロアブロック14に固定しているが、それらの取付位置は適宜変更することができる。
【0041】
またバランサーハウジング17の開口部は実施例のオイル排出孔45a〜45d,46に限定されず、ブリーザ孔等の任意の開口部であっても良い。
【0042】
またクランクシャフト20の軸線方向に延びる凸部29e,29e′および凹部29fの両端部を下向きに屈曲させれば、凸部29e,29e′および凹部29fで遮ったオイルを前記両端部からオイルパン15に落下させてバランサーハウジング17の内部への浸入を一層効果的に抑制することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、開口部を有するバランサーハウジングの上面と、開口部の上方を覆うカバー部材の端縁との間に形成される隙間を通って開口部にオイルが浸入するのを抑制すべく、バランサーハウジングの上面には、カバー部材の端縁を覆うように外方に突出して前記隙間へのオイルの流入を阻止する凸部を形成したので、この凸でオイルの流れを遮ぎることで、前記隙間を通して開口部にオイルが浸入するのを抑制することができ、しかもその凸部によりバランサーハウジングの剛性が向上する。また上 記凸部の長さを開口部の長さよりも長くしたので、該凸部でオイルを確実に遮って開口部への浸入を一層効果的に抑制することができる。更にバランサーハウジングの上面から突出する軸受部およびギヤ収納部を上記凸部で直接接続したので、バランサーハウジングの剛性を高めてバランサーシャフトを確実に支持することができる。
【0044】
また請求項2の発明によれば、開口部を有するバランサーハウジングの上面と、開口部の上方を覆うカバー部材の端縁との間に形成される隙間を通って開口部にオイルが浸入するのを抑制すべく、バランサーハウジングの上面にカバー部材の端縁を覆うように外方に突出する凸部を形成し、且つその凸部の下面とバランサーハウジングの上面とに囲まれた空間にカバー部材の前記端縁を入り込ませているので、この凸部でオイルの流れを遮ぎることで、或いはその凸部を乗り越えたオイルをカバー部材の上面に導くことで、前記隙間を通して開口部にオイルが浸入するのを抑制することができ、しかもその凸部によりバランサーハウジングの剛性が向上する。
【0045】
また請求項3の発明によれば、開口部を有するバランサーハウジングの上面と、開口部の上方を覆うカバー部材の端縁との間に形成される隙間を通って開口部にオイルが浸入するのを抑制すべく、カバー部材の前記端縁を下向きに曲げ、且つその端縁を内部に入り込ませる溝状の凹部をバランサーハウジングの上面に形成したから、この凹部でオイルの流れを遮ぎることで、オイルがカバー部材の下側に回り込むことなく該カバー部材の上面に沿って流れるようにして、前記隙間を通して開口部にオイルが浸入するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジンの正面図
【図2】 図1の2−2線断面図
【図3】 図2の3−3線断面図
【図4】 図2の4−4線断面図
【図5】 図3の5−5線断面図
【図6】 図2の6−6線矢視図
【図7】 図2の7−7線矢視図
【図8】 図6の8−8線断面図
【図9】 図6の9−9線断面図
【図10】 図6の10−10線断面図
【図11】 図6の11−11線断面図
【図12】 図6の12−12線断面図
【図13】 本発明の第2実施例に係る、前記図6に対応する図
【符号の説明】
17 バランサーハウジング
18 駆動バランサーシャフト(バランサーシャフト)
18b 駆動ギヤ(ギヤ)
18d 第2ジャーナル(ジャーナル)
19 従動バランサーシャフト(バランサーシャフト)
19b 従動ギヤ(ギヤ)
19d 第2ジャーナル(ジャーナル)
29e 凸部
29e′ 凸部
29f 凹部
29g 軸受部
29h ギヤ収納部
45a オイル排出孔(開口部)
45b オイル排出孔(開口部)
45c オイル排出孔(開口部)
45d オイル排出孔(開口部)
46 オイル排出孔(開口部)
47 第1バッフルプレート(カバー部材)
47a 内端縁(端縁)
48 第2バッフルプレート(カバー部材)
48a 内端縁(端縁)
52 バッフルプレート

Claims (3)

  1. バランサーハウジング(17)に形成された開口部(6)の上方を覆うカバー部材(8,52)を備えたエンジンのバランサー装置において、
    バランサーハウジング(17)の上面とカバー部材(8,52)の端縁(8a)との間に形成される隙間を通って開口部(6)にオイルが浸入するのを抑制すべく、バランサーハウジング(17)の上面には、カバー部材(48,52)の端縁(48a)を覆うように外方に突出して前記隙間へのオイルの流入を阻止する凸部(29形成されると共に、その凸部(29e)のバランサーシャフト(18,19)方向の長さが、前記開口部(46)のバランサーシャフト(18,19)方向の長さよりも長く設定され、
    更にバランサーハウジング(17)の上面には、2本のバランサーシャフト(18,19)のジャーナル(18d,19d)を支持する軸受部(29g)と、2本のバランサーシャフト(18,19)を連動させるギヤ(18b,19b)を収納するギヤ収納部(29h)とが上方に突出していると共に、これら軸受部(29g)およびギヤ収納部(29h)間が前記凸部(29e)を介して直接接続されていることを特徴とする、エンジンのバランサー装置。
  2. バランサーハウジング(17)に形成された開口部(6)の上方を 覆うカバー部材(8,52)を備えたエンジンのバランサー装置において、
    バランサーハウジング(17)の上面とカバー部材(8,52)の端縁(8a)との間に形成される隙間を通って開口部(6)にオイルが浸入するのを抑制すべく、バランサーハウジング(17)の上面には、カバー部材(48,52)の端縁(48a)を覆うように外方に突出する凸部(29が形成され、且つその凸部(29e)の下面とバランサーハウジング(17)の上面とに囲まれた空間にカバー部材(48,52)の前記端縁(48a)が入り込んでいることを特徴とするエンジンのバランサー装置。
  3. バランサーハウジング(17)に形成された開口部(45b,45c)の上方を覆うカバー部材(47,52)を備えたエンジンのバランサー装置において、 バランサーハウジング(17)の上面とカバー部材(47,52)の端縁(47a)との間に形成される隙間を通って開口部(45b,45c)にオイルが浸入するのを抑制すべく、カバー部材(47,52)の前記端縁(47a)を下向きに曲げ、且つその端縁(47a)を内部に入り込ませる溝状の凹部(29f)をバランサーハウジング(17)の上面に形成したことを特徴とするエンジンのバランサー装置。
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