JP3993446B2 - エンジンのバランサー装置 - Google Patents

エンジンのバランサー装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3993446B2
JP3993446B2 JP2002074636A JP2002074636A JP3993446B2 JP 3993446 B2 JP3993446 B2 JP 3993446B2 JP 2002074636 A JP2002074636 A JP 2002074636A JP 2002074636 A JP2002074636 A JP 2002074636A JP 3993446 B2 JP3993446 B2 JP 3993446B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
balancer
housing
partition
oil
baffle plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002074636A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003269539A (ja
Inventor
尚之 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2002074636A priority Critical patent/JP3993446B2/ja
Publication of JP2003269539A publication Critical patent/JP2003269539A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3993446B2 publication Critical patent/JP3993446B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイルパンに臨むバランサーハウジングをクランクシャフトの下方に配置し、バランサーハウジングの上面に開口を形成したエンジンのバランサー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるエンジンのバランサー装置は、米国特許第6170453号明細書により公知である。このものは、バランサーハウジングの上面にオイルを排出する開口とエアを導入する開口とを備えており、バランサーハウジングからのオイルの排出に伴ってバランサーハウジングの内部にエアーを導入することで、オイルおよびエアのスムーズな入れ換えを可能にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のものは、オイル排出孔とエア導入孔とを別個に備えているため、バランサーハウジングを鋳造した後に、オイル排出孔およびエア導入孔の縁部に発生したバリを取り除く作業が面倒であった。特に、小径のオイル排出孔および小径のエア導入孔が複数個設けられているため、工具を挿入するのが難しくなってバリ取り作業の作業性が著しく低下するという問題があった。
【0004】
そこで、開口を大型化してバリ取り作業の作業性を高めようとすると、その開口からバランサーハウジングの内部にオイルが流入し易くなる問題があり、共通の開口にオイル排出孔およびエア導入孔の両方の機能を持たせて開口の数を減らそうとすると、オイルおよびエアが干渉してスムーズな入れ換えができなくなる問題がある。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、バランサーハウジングの上面の開口をできるだけ大型化してバリ取り作業を容易化しながら、オイルおよびエアのスムーズな入れ換えを可能にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、オイルパンに臨むバランサーハウジングをクランクシャフトの下方に配置し、バランサーハウジングの上面に開口を形成したエンジンのバランサー装置において、バランサーハウジングの開口の少なくとも一部の上方に設けられた仕切部材は、前記開口に挿入される仕切部を有し、前記仕切部は前記開口を仕切ってオイル排出部およびエア導入部を形成することを特徴とするエンジンのバランサー装置が提案される。
【0007】
上記構成によれば、バランサーハウジングの開口の少なくとも一部の上方に設けられた仕切部材が開口に挿入される仕切部を有し、仕切部が開口を仕切ってオイル排出部およびエア導入部を形成するので、共通の開口にオイル排出およびエア導入の両方の機能を発揮させてオイルおよびエアのスムーズな入れ換えを可能にしながら、オイル排出孔およびエア導入孔を別個に設ける場合に比べて、開口の大型化および開口の数の減少を可能にしてバリ取り作業の作業性を高めることができる。
【0008】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記仕切部材はバッフルプレートであり、このバッフルプレートは、少なくともその縁部の一部が前記オイル排出部を覆うとともに、下方に湾曲て前記仕切部を構成することを特徴とするエンジンのバランサー装置が提案される。
【0009】
上記構成によれば、仕切部材にバッフルプレートの機能を持たせたので、仕切部材およびバッフルプレートを別個に設ける場合に比べて部品点数を削減することができる。またバッフルプレートは、少なくともその縁部の一部が前記オイル排出部を覆うとともに、下方に湾曲して仕切部を構成するので、オイル排出部から出たオイルをバッフルプレートの下面に沿ってスムーズに排出できるだけでなく、仕切部によってバッフルプレートの剛性を高めることができ、しかもオイルの飛沫をバッフルプレートで遮ってオイル排出部からバランサーハウジングの内部に侵入するのを抑制することができる。
【0010】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記仕切部材をバランサーハウジングの上部に締結したことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエンジンのバランサー装置が提案される。
【0011】
上記構成によれば、仕切部材をバランサーハウジングの上部に締結したので、仕切部に近い位置で仕切部材を締結することが可能になり、仕切部材を小型化するとともに仕切部材の振動を抑制することができる。しかもバランサーハウジングに仕切部材を取り付けた状態で、そのバランサーハウジングをクランクシャフトの下方に配置できるので、組付作業性の向上および組付精度の向上が可能となる。
【0012】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記仕切部材をバランサーハウジングに締結する締結部を、前記仕切部を通りバランサーシャフトの軸線に直交する平面上を避けた位置に配置したことを特徴とするエンジンのバランサー装置が提案される。
【0013】
上記構成によれば、仕切部材をバランサーハウジングに締結する締結部が、仕切部を通りバランサーシャフトの軸線に直交する平面上を避けた位置に配置されるので、仕切部材の締結部がオイルの排出やエアの導入を妨げるのを防止することができる。
【0014】
尚、実施例の駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19は本発明のバランサーシャフトに対応し、実施例のボルト32は本発明の締結部に対応し、実施例の第1、第3バッフルプレート47,49は本発明のバッフルプレートあるいは仕切部材に対応する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図12は本発明の一実施例を示すもので、図1はエンジンの正面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図2の4−4線断面図、図5は図3の5−5線断面図、図6は図2の6−6線矢視図、図7は図2の7−7線矢視図、図8は図6の8−8線断面図、図9は図6の9−9線断面図、図10は図6の10−10線断面図、図11は図6の11−11線断面図、図12は図2の12−12線断面図である。
【0017】
図1に示すように、車両用の直列4気筒エンジンEの外郭は、上方から下方にヘッドカバー11、シリンダヘッド12、シリンダブロック13、ロアブロック14およびオイルパン15を積層して構成されており、シリンダ軸線Lは鉛直方向に対して排気側(図中左側)に傾斜している。ロアブロック14の下面に固定されてオイルパン15の内部に収納された二次バランサー装置16は、バランサーハウジング17に支持された駆動側バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19を備えており、シリンダブロック13およびロアブロック14間に支持されたクランクシャフト20の軸端に設けたスプロケット21と駆動側バランサーシャフト18の軸端に設けたスプロケット22とが無端チェーン23で接続される。
【0018】
図2〜図5に示すように、シリンダブロック13に設けた4個のシリンダボア24…に摺動自在に嵌合する4個のピストン25…は、クランクシャフト20の4個のピン20a…にそれぞれコネクティングロッド26…を介して接続される。ロアブロック14の内部に嵌合する5個のベアリングキャップ27…が各々2本のボルト28,28でシリンダブロック13の下面に締結されており、シリンダブロック13と5個のベアリングキャップ27…との間にクランクシャフト20の5個のジャーナル20b…が回転自在に支持される。
【0019】
二次バランサー装置16のバランサーハウジング17はアッパーハウジング29およびロアハウジング30を11本のボルト31…;32,32;33,33;34a,34a,34b,34bで結合し、更にアッパーハウジング29およびロアハウジング30の一端部にポンプハウジング35を複数本のボルト36…で結合してなる。ロアハウジング30のポンプハウジング35側の端部にはバランサーハウジング17の上面側に回り込む上壁部30bが形成されており、この上壁部30bがアッパーハウジング29およびポンプハウジング35に挟まれている。このとき、アッパーハウジング29とロアハウジング30の上壁部30bとの間にスリット状の開口α(図6、図8および図9)が形成される。
【0020】
駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19を挟むように配置された3本のボルト31…は、アッパーハウジング29側から挿入されてロアハウジング30に締結される。駆動バランサーシャフト18の外側に配置された2本のボルト32,32と、従動バランサーシャフト19の外側に配置された2本のボルト33,33とは、アッパーハウジング29側から挿入されてロアハウジング30に締結される。またバランサーハウジング17の一端側においてポンプハウジング35に挿入された2本のボルト34a,34aがベアリングキャップ27を貫通してシリンダブロック13の下面に締結されるとともに、バランサーハウジング17の他端側においてロアハウジング30側から挿入された2本のボルト34b,34bが、アッパーハウジング29およびベアリングキャップ27を貫通してシリンダブロック13の下面に締結される。
【0021】
アッパーハウジング29は前記4本のボルト34a,34a,34b,34bが貫通する4個の取付座29aでベアリングキャップ27,27に支持されており、従ってアッパーハウジング29の上面とベアリングキャップ27,27の下面との間に隙間β(図4参照)が形成される。
【0022】
次に、図6〜図12に基づいて二次バランサー装置16の構造を更に説明する。
【0023】
図8から明らかなように、二次バランサー装置16の駆動バランサーシャフト18には、その一端側から他端側に向けて前記スプロケット22、第1ジャーナル18a、駆動ギヤ18b、第1バランサーウエイト18c、第2ジャーナル18dおよび第2バランサーウエイト18eが設けられており、第1、第2ジャーナル18a,18dがアッパーハウジング29およびロアハウジング30に挟まれるように支持される。図9から明らかなように、二次バランサー装置16の従動バランサーシャフト19には、その一端側から他端側に向けて第1ジャーナル19a、従動ギヤ19b、第1バランサーウエイト19c、第2ジャーナル19dおよび第2バランサーウエイト19eが設けられており、第1、第2ジャーナル19a,19dがアッパーハウジング29およびロアハウジング30に挟まれるように支持される。
【0024】
ポンプハウジング35の内部に突出する従動バランサーシャフト19の一端にオイルポンプ41(図9参照)が設けられる。オイルポンプ41は周知のトロコイドポンプから構成されるもので、従動バランサーシャフト19に固定されたインナーロータ42と、ポンプハウジング35に回転自在に支持されてインナーロータ42に噛み合うアウターロータ43とを備える。ロアハウジング30の下面にはオイルパン15に貯留したオイルの油面O下に位置するストレーナ44が設けられており、ストレーナ44とオイルポンプ41の吸入ポート41aとがロアハウジング30の下面に一体に形成したオイル通路30a(図12参照)で接続される。ストレーナ44は、オイル中の異物を濾過するストレーナエレメント44aと、ストレーナエレメント44aを覆うストレーナカバー44bとで構成される。オイルポンプ41の吐出ポート41bは、図示せぬオイル通路を介してシリンダブロック13のメインギャラリ13a(図3および図4参照)に接続される。
【0025】
アッパーハウジング29には、駆動ギヤ18bおよび従動ギヤ19bが臨む一対の開口29b,29bと、第1バランサーウエイト18c,19cが臨む一対の開口29c,29cと、第2バランサーウエイト18e,19eが臨む一対の開口29d,29dとが形成される。これらの開口29b,29b;29c,29c;29d,29dを設けることで、コネクティングロッド26…の下端の軌跡T(図3参照)がアッパーハウジング29の上面と干渉するのを防止しているので、エンジンEの小型化が可能である。またバランサーハウジング17のポンプハウジング35と反対側の端面には、駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の軸端に臨む開口17a,17b(図10参照)が、アッパーハウジング29およびロアハウジング30に跨がって形成される。この開口17a,17bは、バランサーハウジング17の内部に駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の第1、第2ジャーナル18a,19a;18d,19dの支持部を機械加工するためのもので、その開口17a,17bの内径は前記第1、第2ジャーナル18a,19a;18d,19dの外径よりも若干大きくなっている。
【0026】
バランサーハウジング17の従動バランサーシャフト19側の端部に、アッパーハウジング29およびロアハウジング30の合わせ面に沿って延びる1本(または複数本)のスリット状のオイル排出孔46が形成される。シリンダ軸線Lの傾斜により、バランサーハウジング17は駆動バランサーシャフト18側が低くなり、従動バランサーシャフト19側が高くなるように傾斜しており、従動バランサーシャフト19側のオイル排出孔46はオイルパン15に貯留したオイルの油面O(図3参照)よりも高い位置に配置される。
【0027】
アッパーハウジング29の駆動バランサーシャフト18側の端部上面に、概略長方形の第1バッフルプレート47が、アッパーハウジング29およびロアハウジング30を結合する前記2本のボルト32,32によって共締めされ、またアッパーハウジング29の従動バランサーシャフト19側の端部上面に、概略長方形の第2バッフルプレート48が、アッパーハウジング29およびロアハウジング30を結合する前記2本のボルト33,33によって共締めされているので、部品点数および締結スペースの削減が可能である。更に、ロアブロック14の下面にコ字状の第3バッフルプレート49が4本のボルト50…で固定される。
【0028】
図6、図11および図12に示すように、第1バッフルプレート47の内側の縁部には下向きに湾曲した仕切部47a,47bが一体に形成されており、一方の仕切部47aはアッパーハウジング29に形成された第1バッフルプレート47寄りの開口29c内に挿入され、他方の仕切部47bはアッパーハウジング29に形成された第1バッフルプレート47寄りの開口29b内に挿入される。そして一方の仕切部47aにより、前記開口29cは内側のエア導入部a1と外側のオイル排出部o1とに仕切られ、他方の仕切部47bにより、前記開口29bは内側のエア導入部a2と外側のオイル排出部o2とに仕切られる。
【0029】
図6および図10に示すように、第3バッフルプレート49のカバー部49aの内側の縁部には下向きに湾曲した仕切部49dが一体に形成されており、その仕切部49dはアッパーハウジング29に形成された一対の開口29d,29dの一方に挿入される。そして前記仕切部49dにより、前記一方の開口29dは内側のエア導入部a3と外側のオイル排出部o3とに仕切られる。
【0030】
しかして、エンジンEの運転によりクランクシャフト20の回転がスプロケット21、無端チェーン23およびスプロケット22を介して駆動バランサーシャフト18に伝達され、駆動バランサーシャフト18の回転は駆動ギヤ18bおよび従動ギヤ19bを介して従動バランサーシャフト19に伝達される。このとき、クランクシャフト20のスプロケット21の歯数は駆動バランサーシャフト18のスプロケット22の歯数の2倍に設定され、かつ駆動ギヤ18bの歯数は従動ギヤ19bの歯数に等しく設定されているため、駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19はクランクシャフト20の回転数の2倍の回転数で相互に逆方向に回転し(図11および図12の矢印A,B参照)、駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19に設けた第1、第2バランサーウエイト18c,19c;18e,19eによりエンジンEの二次振動が低減される。
【0031】
エンジンEの運転中にクランクシャフト20がクランクケース内のオイルをはね上げるため、そのオイルが開口29b,29b;29c,29c;29d,29d;17a,17bを通してバランサーハウジング17の内部に浸入しようとする。バランサーハウジング17の内部にオイルが浸入すると、そのオイルを駆動ギヤ18b、従動ギヤ19b、第1、第2バランサーウエイト18c,19c;18e,19e等が攪拌して攪拌抵抗が増加する問題がある。そこで、図11の矢印A,B方向に回転する駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の駆動ギヤ18b、従動ギヤ19b、第1、第2バランサーウエイト18c,19c;18e,19e等で掻き上げたオイルを、バランサーハウジング17の上面に形成した開口29b〜29dのオイル排出部o1〜o3と、バランサーハウジング17の側面に形成したオイル排出孔46とから外部に排出してオイルパン15に戻すことで、前記攪拌抵抗の増加を防止するようになっている。
【0032】
このとき、図10〜図12に示すように、第1バッフルプレート47および第3バッフルプレートの仕切部47a,47b,49dが下向きに湾曲し、かつ第1、第2バッフルプレート47,48の外端縁および第3バッフルプレート49のカバー部49a,49bの外端縁が下向きに湾曲しているため、オイル排出部o1〜o3およびオイル排出孔46から排出されたオイルを方向変換してオイルパン15にスムーズに戻すことができる。またオイル排出部o1〜o3およびオイル排出孔46からオイルが排出されるのに伴い、バランサーハウジング17の上面に形成した開口29b〜29dのエア導入部a1〜a3からバランサーハウジング17の内部にエアが導入される。オイル排出部o1〜o3およびエア導入部a1〜a3は第1バッフルプレート47および第3バッフルプレートの仕切部47a,47b,49dによって仕切られているため、オイルおよびエアーは干渉することなくスムーズに置換される。
【0033】
バランサーハウジング17に固定した第1バッフルプレート47および第2バッフルプレート48と、ロアブロック14に固定した第3バッフルプレート49とにより、オイルパン15の内部に貯留されたオイルの油面Oの暴れが防止される。またクランクシャフト20の回転に伴ってはね上がられたオイルの飛沫がクランクケースの内部に飛び散ったとき、第1〜第3バッフルプレート47〜49の少なくとも一部がバランサーハウジング17のオイル排出部o1〜o3およびオイル排出孔46を覆う位置まで延出しているため、前記オイルの飛沫を第1〜第3バッフルプレート47〜49で遮ってオイル排出部o1〜o3およびオイル排出孔46からバランサーハウジング17の内部に浸入するのを抑制することができる。このように、既存の第1〜第3バッフルプレート47,48,49を利用してオイル排出部o1〜o3およびオイル排出孔46を覆うので、それらオイル排出部o1〜o3およびオイル排出孔46を覆うための特別のカバー部材が不要になり、部品点数の削減および組付工数の削減が可能になる。
【0034】
特に、コ字状に形成された第3バッフルプレート49は複数のオイル排出部o3およびオイル排出孔46を覆う複数のカバー部49a,49bを備えており、かつ前記カバー部49a,49b間に切欠部49cを備えているため、カバー部49a,49bでオイル排出部o3およびオイル排出孔46を覆いながら、切欠部49cによって第3バッフルプレート49の重量増加を最小限に抑えることができる。しかも第3バッフルプレート49をロアブロック14に固定する4本のボルト50…のうちの2本が切欠部49cよりもカバー部49a,49bに近い位置に配置されているので、カバー部49a,49bの剛性を高めて振動を抑制することができる。また前記切欠部49cは駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の第2ジャーナル18d,19dよりも大径の第2バランサーウエイト18e,19eに対向する位置に設けられているので、エンジンEの上下方向の寸法増加を最小限に抑えることができる。
【0035】
カバー部材としての第1バッフルプレート47は複数の開口としてのオイル排出部o1,o2を覆い、またカバー部材としての第3バッフルプレート49は複数の開口としてのオイル排出部o3およびオイル排出孔46を覆っているので、即ち、単一のカバー部材でそれぞれ複数の開口を覆っているので、カバー部材の数を削減することができる。
【0036】
第2ジャーナル18dを挟んで設けられた第1バランサーウエイト18cおよび第2バランサーウエイト18eの側方(駆動バランサーシャフト18と直交する方向)に各々設けられたオイル排出部o2,o3を覆う第1バッフルプレート47と第3バッフルプレート49とが別体として独立して設けられているので、第2ジャーナル18dの周辺部で第1バッフルプレート47と第3バッフルプレート49との連結構成が複雑になることもなく、カバー部材としての第1、第3バッフルプレート47,49の大型化を抑制することができる。
【0037】
以上のように、バランサーハウジング17の上面に形成した3個の開口29b,29c,29dの少なくとも一部の上部を第1、第3バッフルプレート47,49で覆い、これらの第1、第3バッフルプレート47,49に前記開口29b,29c,29dをオイル排出部o1〜o3とエア導入部a1〜a3とに仕切る仕切部47a,47b,49dを設けたので、共通の開口29b,29c,29dにオイル排出孔としての機能とエア導入孔としての機能を併せ持たせてオイルおよびエアのスムーズな置換を可能にしながら、オイル排出孔およびエア導入孔を別個に設ける場合に比べて開口29b,29c,29dを大型化し、かつ開口29b,29c,29dの数を減少させてバリ取り作業の作業性を高めることができる。
【0038】
また第1、第3バッフルプレート47,49の内端縁を下方に湾曲させて仕切部47a,47b,49dを構成したので、オイル排出部o1〜o3から出たオイルを第1、第3バッフルプレート47,49の下面に沿ってスムーズに排出できるだけでなく、仕切部47a,47b,49dによって第1、第3バッフルプレート47,49の剛性を高めることができ、しかも仕切部47a,47b,49dを別部材で構成する場合に比べて部品点数を削減することができる。
【0039】
更に、第1バッフルプレート47をバランサーハウジング17に締結するボルト32,32が、仕切部47a,47bを通り駆動バランサーシャフト18および従動バランサーシャフト19の軸線に直交する平面上を避けた位置に配置されているので、前記ボルト32,32がオイルの排出やエアの導入を妨げるのを防止することができる。
【0040】
更にまた、第1バッフルプレート47をバランサーハウジング17の上部に締結したので、仕切部47a,47bに近い位置で第1バッフルプレート47を締結することが可能になり、第1バッフルプレート47の小型化および振動の抑制に寄与することができる。しかもバランサーハウジング17に第1バッフルプレート47および第2バッフルプレート48を取り付けた状態で、そのバランサーハウジング17をクランクシャフト20の下方に配置できるので、第1バッフルプレート47および第2バッフルプレート48をシリンダブロック13側に取り付ける場合に比べて、組付作業性の向上および組付精度の向上が可能となる。
【0041】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0042】
例えば、本発明の仕切部材は実施例のバッフルプレート47,48,49に限定されず、バッフルプレートとしての機能を持たないものも含まれる。また実施例では2個のバッフルプレート47,49に3個の仕切部47a,47b,49dを設けているが、バッフルプレートの数や仕切部の数は適宜変更可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、バランサーハウジングの開口の少なくとも一部の上方に設けられた仕切部材が開口に挿入される仕切部を有し、仕切部が開口を仕切ってオイル排出部およびエア導入部を形成するので、共通の開口にオイル排出およびエア導入の両方の機能を発揮させてオイルおよびエアのスムーズな入れ換えを可能にしながら、オイル排出孔およびエア導入孔を別個に設ける場合に比べて、開口の大型化および開口の数の減少を可能にしてバリ取り作業の作業性を高めることができる。
【0044】
また請求項2に記載された発明によれば、仕切部材にバッフルプレートの機能を持たせたので、仕切部材およびバッフルプレートを別個に設ける場合に比べて部品点数を削減することができる。またバッフルプレートは、少なくともその縁部の一部が前記オイル排出部を覆うとともに、下方に湾曲して仕切部を構成するので、オイル排出部から出たオイルをバッフルプレートの下面に沿ってスムーズに排出できるだけでなく、仕切部によってバッフルプレートの剛性を高めることができ、しかもオイルの飛沫をバッフルプレートで遮ってオイル排出部からバランサーハウジングの内部に侵入するのを抑制することができる。
【0045】
また請求項3に記載された発明によれば、仕切部材をバランサーハウジングの上部に締結したので、仕切部に近い位置で仕切部材を締結することが可能になり、仕切部材を小型化するとともに仕切部材の振動を抑制することができる。しかもバランサーハウジングに仕切部材を取り付けた状態で、そのバランサーハウジングをクランクシャフトの下方に配置できるので、組付作業性の向上および組付精度の向上が可能となる。
【0046】
また請求項4に記載された発明によれば、仕切部材をバランサーハウジングに締結する締結部が、仕切部を通りバランサーシャフトの軸線に直交する平面上を避けた位置に配置されるので、仕切部材の締結部がオイルの排出やエアの導入を妨げるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジンの正面図
【図2】 図1の2−2線断面図
【図3】 図2の3−3線断面図
【図4】 図2の4−4線断面図
【図5】 図3の5−5線断面図
【図6】 図2の6−6線矢視図
【図7】 図2の7−7線矢視図
【図8】 図6の8−8線断面図
【図9】 図6の9−9線断面図
【図10】 図6の10−10線断面図
【図11】 図6の11−11線断面図
【図12】 図2の12−12線断面図
【符号の説明】
15 オイルパン
17 バランサーハウジング
18 駆動バランサーシャフト(バランサーシャフト)
19 従動バランサーシャフト(バランサーシャフト)
20 クランクシャフト
29b 開口
29c 開口
29d 開口
32 ボルト(締結部)
47 第1バッフルプレート(バッフルプレート、仕切部材)
47a 仕切部
47b 仕切部
49 第3バッフルプレート(バッフルプレート、仕切部材)
49d 仕切部
o1 オイル排出部
o2 オイル排出部
o3 オイル排出部
a1 エア導入部
a2 エア導入部
a3 エア導入部

Claims (4)

  1. オイルパン(15)に臨むバランサーハウジング(17)をクランクシャフト(20)の下方に配置し、バランサーハウジング(17)の上面に開口(29b〜29d)を形成したエンジンのバランサー装置において、
    バランサーハウジング(17)の開口(29b〜29d)の少なくとも一部の上方に設けられた仕切部材(47,49)は、前記開口(29b〜29d)に挿入される仕切部(47a,47b,49d)を有し、前記仕切部(47a,47b,49d)は前記開口(29b〜29d)を仕切ってオイル排出部(o1〜o3)およびエア導入部(a1〜a3)を形成することを特徴とするエンジンのバランサー装置。
  2. 前記仕切部材はバッフルプレート(47,49)であり、このバッフルプレート(47,49)は、少なくともその縁部の一部が前記オイル排出部(o1〜o3)を覆うとともに、下方に湾曲て前記仕切部(47a,47b,49d)を構成することを特徴とする、請求項1に記載のエンジンのバランサー装置。
  3. 前記仕切部材(47)をバランサーハウジング(17)の上部に締結したことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエンジンのバランサー装置。
  4. 前記仕切部材(47)をバランサーハウジング(17)に締結する締結部(32)を、前記仕切部(47a,47b)を通りバランサーシャフト(18,19)の軸線に直交する平面上を避けた位置に配置したことを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のエンジンのバランサー装置。
JP2002074636A 2002-03-18 2002-03-18 エンジンのバランサー装置 Expired - Fee Related JP3993446B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002074636A JP3993446B2 (ja) 2002-03-18 2002-03-18 エンジンのバランサー装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002074636A JP3993446B2 (ja) 2002-03-18 2002-03-18 エンジンのバランサー装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003269539A JP2003269539A (ja) 2003-09-25
JP3993446B2 true JP3993446B2 (ja) 2007-10-17

Family

ID=29203978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002074636A Expired - Fee Related JP3993446B2 (ja) 2002-03-18 2002-03-18 エンジンのバランサー装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3993446B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5186424B2 (ja) * 2009-03-27 2013-04-17 株式会社音戸工作所 エンジンのバランサ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003269539A (ja) 2003-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3845321B2 (ja) エンジンのバランサー装置
EP1321647B1 (en) Balancer device for engine
JP3887232B2 (ja) エンジンのバランサー装置
JP4053064B2 (ja) エンジンのバランサー装置
JP3646091B2 (ja) エンジンのバランサー装置
JP4243275B2 (ja) エンジンのバランサー装置
JP3993446B2 (ja) エンジンのバランサー装置
JP3819790B2 (ja) エンジンのバランサー装置
JP3981106B2 (ja) エンジンのバランサー装置
JP4053061B2 (ja) エンジンのバランサー装置
JP2006118514A5 (ja)
JP2005009680A5 (ja)
JP3923313B2 (ja) エンジンのバランサー装置
JP4405498B2 (ja) エンジンのバランサー装置
JP3646090B2 (ja) エンジンのバランサー装置
JP4154419B2 (ja) エンジンのバランサー装置
JP3993447B2 (ja) エンジンのバランサー装置
JP3993468B2 (ja) エンジンのバランサー装置
JP2007071212A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070718

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070726

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120803

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120803

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130803

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140803

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees