JP3992830B2 - A/d変換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器に関するものである。
【0002】
近年、A/D変換器は種々の電子機器に使用され、そのA/D変換速度の高速化が益々要請されている。高速動作に有利な並列型A/D変換器は、主にアナログ入力信号とアナログ基準電圧とを比較する複数のコンパレータ部と、そのコンパレータの出力信号を複数ビットのデジタル信号に変換するエンコーダ部とから構成される。そして、A/D変換速度の高速化を図るために、コンパレータ部及びエンコーダ部の動作速度を高速化し、かつエラーレートを低減することが必要となっている。
【0003】
【従来の技術】
A/D変換器の一種類である並列型A/D変換器は、そのA/D変換速度において、他の形式のA/D変換器に対し優れている。図26は、並列型A/D変換器の第一の従来例を示し、2ビット出力のA/D変換器を示す。
【0004】
高電位側基準電圧VRHと、低電位側基準電圧VRLとの間には、4本の抵抗Rが直列に接続されている。前記抵抗Rは、両端に位置する抵抗の抵抗値がその他の抵抗の抵抗値の1/2に設定されている。
【0005】
前記各抵抗R間は、3個のコンパレータCM1〜CM3の一方の入力端子にそれぞれ接続されている。従って、各コンパレータCM1〜CM3には、前記基準電圧VRH,VRLを前記抵抗Rで抵抗分割した基準電圧VR1〜VR3がそれぞれ入力される。
【0006】
前記コンパレータCM1〜CM3の他方の入力端子にはアナログ入力信号Vinがそれぞれ入力される。各コンパレータCM1〜CM3はそれぞれ前記基準電圧VR1〜VR3と、アナログ入力信号Vinとを比較する。
【0007】
そして、前記各コンパレータCM1〜CM3はアナログ入力信号Vinの電位が基準電圧VR1〜VR3より高いとき、Hレベルの出力信号SG1〜SG3を出力する。また、アナログ入力信号Vinの電位が基準電圧VR1〜VR3より低いとき、Lレベルの出力信号SG1〜SG3を出力する。
【0008】
従って、例えばアナログ入力信号Vinの電位が基準電圧VR2より高く、基準電圧VR3より低いと、コンパレータCM1〜CM3の出力信号は、出力信号SG1,SG2がHレベルとなり、出力信号SG3がLレベルとなる。このような出力信号SG1〜SG3は、アナログ入力信号Vinより低い基準電圧が入力されるコンパレータの出力信号はHレベルとなり、アナログ入力信号Vinより高い基準電圧が入力されるコンパレータの出力信号はLレベルとなるサーモメータコードとなる。
【0009】
前記コンパレータCM1〜CM3の出力信号SG1〜SG3は、エンコーダ部3に出力される。そして、前記コンパレータCM1〜CM3及びエンコーダ部3の動作タイミングは制御回路4により制御され、エンコーダ部3から2ビットのデジタル出力信号D0,D1が出力される。
【0010】
前記コンパレータCM1〜CM3はチョッパ型コンパレータで構成される。CMOS構成のコンパレータでは、MOSトランジスタの特性のばらつきにより、コンパレータ毎に入力オフセット電圧が異なるため、このようなコンパレータを使用して、並列型A/D変換器を構成した場合には、入力オフセット電圧の誤差により、各コンパレータの比較結果に十分な精度が得られない。従って、トランジスタのばらつきに関わらず変換精度を確保するためにチョッパ型コンパレータが使用される。
【0011】
前記コンパレータCM1〜CM3の具体的構成を図27に従って説明する。前記アナログ入力信号Vinと基準電圧VR が入力される入力端子は、それぞれスイッチ回路SW1,SW2を介して容量1の一方の入力端子であるノードN1に接続される。前記スイッチ回路SW1,SW2は、前記制御回路4から出力される制御信号C1,CZバーに基づいて開閉制御され、制御信号C1,CZバーがHレベルとなると導通する。
【0012】
前記容量1の他方の端子であるノードN2は、インバータ回路2aの入力端子に接続され、同インバータ回路2aの入出力端子はスイッチ回路SW3を介して接続される。前記スイッチ回路SW3は前記制御信号CZバーの反転信号である制御信号CZに基づいて開閉制御され、同制御信号CZがHレベルとなると導通する。
【0013】
そして、スイッチ回路SW3が導通すると、インバータ回路2aの入出力端子がそのインバータ回路2aのしきい値にリセットされるオートゼロ動作が行われる。
【0014】
前記インバータ回路2aの出力端子は、インバータ回路2b及びスイッチ回路SW4を介してインバータ回路2cの入力端子に接続される。前記スイッチ回路SW4は制御信号CFバーに基づいて開閉制御され、同制御信号CFバーがHレベルとなると導通する。
【0015】
前記インバータ回路2cの出力信号はインバータ回路2eで反転されて、出力信号OUTとして出力される。また、前記インバータ回路2cの出力信号はインバータ回路2d及びスイッチ回路SW5を介して、同インバータ回路2cに入力される。
【0016】
前記スイッチ回路SW5は前記制御信号CFバーを反転させた制御信号CFに基づいて開閉制御され、同制御信号CFがHレベルとなると導通する。
上記のように構成されたチョッパ型コンパレータの動作を図28に従って説明する。
【0017】
制御信号CZバー,CFバーは、制御信号C1の反転信号として入力される。まず制御信号C1がHレベル、制御信号CZバーがLレベルとなると、スイッチ回路SW1,SW3が導通し、スイッチ回路SW2が不導通となる。
【0018】
すると、ノードN2はオートゼロ動作によりインバータ回路2aのしきい値にリセットされ、容量1に充電電流が流れてノードN1が基準電圧VR レベルとなる。
【0019】
次いで、制御信号C1がLレベル、制御信号CZバー,CFバーがHレベルとなると、スイッチ回路SW1,SW3が不導通となり、スイッチ回路SW2,SW4が導通する。
【0020】
すると、アナログ入力信号Vinと基準電圧VR との比較動作が行われ、アナログ入力信号Vinの電位が基準電圧VR より高いと、容量1による容量結合により、ノードN2がインバータ回路2aのしきい値より高くなる。また、アナログ入力信号Vinの電位が基準電圧VR より低いと、ノードN2がインバータ回路2aのしきい値より低くなる。
【0021】
このとき、スイッチ回路SW4は導通しているので、インバータ回路2aの出力信号はインバータ回路2b及びスイッチ回路SW4を介してインバータ回路2cに入力される。そして、インバータ回路2cの出力信号は、インバータ回路2eを介して出力信号OUTとして出力される。
【0022】
次いで、再び制御信号C1がHレベル、制御信号CZバー,CFバーがLレベルとなると、ノードN1は基準電圧VR レベルにリセットされ、ノードN2はインバータ回路2aのオートゼロ動作によりインバータ回路2aのしきい値にリセットされる。
【0023】
このとき、スイッチ回路SW5が導通して、インバータ回路2c,2dでラッチ回路が構成され、出力信号OUTがラッチされる。次いで、制御信号C1,CZバー,CFバーが切り換わると、再びアナログ入力信号Vinと基準電圧VR との比較動作が行われ、上記動作が繰り返される。
【0024】
このようなチョッパ型コンパレータでは、オートゼロ動作と比較動作の繰り返しにより、インバータ回路2aのしきい値のばらつきに関わらず、アナログ入力信号Vinと基準電圧VR との比較を精度よく行うことができる。
【0025】
従って、コンパレータCM1〜CM3にこのようなチョッパ型コンパレータを使用することにより、MOSトランジスタの特性のばらつきに影響されないA/D変換精度が得られる。
【0026】
しかし、上記のようなチョッパ型コンパレータでは、ノードN2をインバータ回路2aのしきい値にリセットし、かつノードN1を基準電圧VR レベルとするオートゼロ動作と、基準電圧VR とアナログ入力信号Vinとを比較する比較動作とが交互に繰り返される。
【0027】
すると、変換動作時間のうち半分の時間がオートゼロ動作に費やされるため、変換速度が遅くなる。また、制御信号C1,CZ,CZバー、CF,CFバーの周波数を高くして、動作速度の高速化を図ると、オートゼロ動作及び容量1を介した比較動作が制御信号に追随できなくなる。従って、制御信号C1,CZ,CZバー、CF,CFバーの周波数を高くしてA/D変換速度を高速化することは容易ではないという問題点がある。
【0028】
また、デジタル出力信号のビット数を増加させるためにコンパレータの数を増やすと、オートゼロ動作時には基準電圧VR と各コンパレータの容量C1との間で同時に充放電電流が流れるとともに、各コンパレータのインバータ回路2aの入出力端子が同時にしきい値にリセットされるため、各インバータ回路2aに同時に貫通電流が流れる。そして、比較動作時にはアナログ入力信号Vinと各容量1との間で同時に充放電電流が流れる。
【0029】
従って、基準電圧VR 、アナログ入力信号Vin及び電源にノイズが生じやすく、このノイズにより誤動作が発生しやすいという問題点がある。
上記のようなチョッパ型コンパレータの変換速度を高速化するために、制御信号C1,CZ,CZバー,CF,CFバーを図29に示すタイミングで制御することが提案されている。
【0030】
すなわち、オートゼロ動作を行った後、制御信号C1,CZ,CZバーを比較動作状態に保持し、制御信号CF,CFバーを複数回反転させて、例えばアナログ入力信号VA ,VB をサンプリングすることにより、1回のオートゼロ動作に基づいて複数回の比較動作を行う。これは、オートゼロ動作時に容量1に蓄えられた電荷が抜けない限り、複数回の比較動作を行うことも可能であることによる。このような動作により、オートゼロ動作に要する時間に対して、比較動作を行う時間の割合を大きくして、変換速度を向上させることが可能となる。
【0031】
しかし、依然として全コンパレータで同時にオートゼロ動作を行うために、オートゼロ動作を行うために独立した時間が必要となるとともに、オートゼロ動作時に発生するノイズを抑制することはできない。また、連続して行う比較動作の回数にも限界があるという問題点がある。
【0032】
一方、特開平08−293795号公報にはこれらの諸問題を解決するIAZ(Interleaved Auto-Zero )方式のA/D変換器が提案されている。このA/D変換器では、例えば2ビットのデジタル出力信号D1,D0を得るために、4個のチョッパ型コンパレータが使用される。
【0033】
その4個のコンパレータのうちの1個が順次選択されてオートゼロ動作が行われ、異なる基準電圧でそれぞれオートゼロ動作が行われた3個のコンパレータで比較動作が行われる。そして、各コンパレータでは1回のオートゼロ動作に基づいて複数回の比較動作が行われ、比較動作を行ったコンパレータの出力信号に基づいて、エンコーダにより2ビットのデジタル出力信号がD1,D0が生成される。
【0034】
このようなA/D変換器では、オートゼロ動作と比較動作とが並行して行われるため、動作速度を高速化することが可能となる。また、各コンパレータのオートゼロ動作が同時に行われることはないので、オートゼロ動作に起因して発生するノイズを抑制することが可能となる。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようなIAZ方式で動作するチョッパ型コンパレータを使用したA/D変換器では、各コンパレータが比較動作からオートゼロ動作に移行する際に発生するスイッチングノイズにより、オートゼロ動作に移行する直前の比較動作に誤動作が生じることがある。
【0036】
また、各コンパレータがオートゼロ動作から比較動作に移行する際に発生するスイッチングノイズにより、オートゼロ動作から比較動作に移行した直後の比較動作に誤動作が生じることがある。
【0037】
また、各コンパレータが比較動作からオートゼロ動作に移行する際に、オートゼロ動作に移行する直前の比較結果をラッチして出力するためのタイミングマージンを十分に確保することができず、比較結果の出力動作に誤動作が生じることがある。
【0038】
また、各コンパレータがオートゼロ動作から比較動作に移行する際に、比較動作に移行した直後の比較結果は、基準電圧からアナログ入力信号への切り換えに対するコンパレータ自身の応答速度の限界により、十分な精度が得られないことがある。
【0039】
そして、これらの不具合は、A/D変換器の動作速度を向上させるために、各コンパレータを高速で動作させるほど顕著に表れて、A/D変換器のエラーレートを悪化させるという問題点がある。
【0040】
この発明の目的は、エラーレートの改善を図りながら、動作速度を向上させ得るIAZ方式のA/D変換器を提供することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】
請求項1では、複数のチョッパ型コンパレータと、前記複数のチョッパ型コンパレータのうち同じ基準電圧が供給される第1及び第2のチョッパ型コンパレータについて、前記第1のチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作の直前又は直後の出力信号を前記第2のチョッパ型コンパレータに切り換える信号選択部とを含み、オートゼロ動作を行っていない第2のチョッパ型コンパレータの出力信号からオートゼロ動作を行った第1のチョッパ型コンパレータの出力信号に切り換える場合にはその切り換えを該第1のチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作の終了より一定期間後に行い、オートゼロ動作を行う第1のチョッパ型コンパレータの出力信号からオートゼロ動作を行わない第2のチョッパ型コンパレータの出力信号に切り換える場合にはその切り換えを該第1のチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作の開始より一定期間早く行うようにした。
【0042】
請求項2では、複数のチョッパ型のコンパレータと、前記複数のコンパレータにおける第1のチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作の直前及び直後の出力信号を、前記第1のチョッパ型コンパレータと異なるチョッパ型コンパレータの出力信号に切り換える信号選択部とを含み、前記異なるチョッパ型コンパレータの前記出力信号は、前記第1のチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作の直前及び直後の基準電圧と同じ基準電圧による比較動作に基づく出力信号である。
【0043】
請求項3では、前記信号選択部は、前記第1のチョッパ型コンパレータの前記出力信号を一定期間、前記異なるチョッパ型コンパレータの前記出力信号に切り換える。
【0044】
請求項4では、前記複数のチョッパ型コンパレータは、1回のオートゼロ動作に続いて複数回の比較動作を行う。
請求項5では、前記複数のチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作を順次行うよう制御する制御部を含む。
請求項6では、前記制御部は、前記複数のチョッパ型コンパレータの比較動作の基準電圧を設定する制御を行う。
請求項7では、前記複数のチョッパ型コンパレータにおいて、少なくとも2つのチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作と、該オートゼロ動作に続く比較動作とが同時に行われる。
【0045】
請求項8では、前記チョッパ型コンパレータの数は、nビットのデジタル信号を生成するために必要な(2n −1)個に1個加えた数とした。
請求項9では、前記チョッパ型コンパレータの数は、nビットのデジタル信号を生成するために必要な(2n −1)個に2個以上加えた数とした。
【0046】
請求項10では、前記複数のチョッパ型コンパレータは、オートゼロ動作時に出力ラッチ回路の信号取り込み動作及びラッチ動作が停止される。
(作用)
請求項1では、オートゼロ動作を行っていない第2のチョッパ型コンパレータの出力信号からオートゼロ動作を行った第1のチョッパ型コンパレータの出力信号に切り換える場合には、その切り換えが該第1のチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作の終了より一定期間後に行われる。また、オートゼロ動作を行う第1のチョッパ型コンパレータの出力信号からオートゼロ動作を行わない第2のチョッパ型コンパレータの出力信号に切り換える場合には、その切り換えが該第1のチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作の開始より一定期間早く行われる。そのため、オートゼロ動作の前後の比較動作に基づいて出力される不確定データは、エンコーダには入力されない。
【0047】
請求項2では、第1のチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作の直前及び直後の出力信号が、同一の基準電圧で比較動作を行っている他のコンパレータの出力信号に切り換えられるので、オートゼロ動作の直前直後の比較動作に基づいて出力される不確定データは、エンコーダには入力されない。
【0048】
請求項3では、信号選択部は、第1のチョッパ型コンパレータの出力信号が一定期間、前記異なるチョッパ型コンパレータの出力信号に切り換えられるため、オートゼロ動作の前後の比較動作に基づいて出力される不確定データは、エンコーダには入力されない。
【0049】
請求項4では、1回のオートゼロ動作に続いて複数回の比較動作が行われるため、オートゼロ動作に要する時間に対して、比較動作を行う時間の割合を大きくし、変換速度が向上される。
請求項5では、制御部によって、複数のチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作が順次行われる。
請求項6では、制御部によって、複数のチョッパ型コンパレータの比較動作の基準電圧が設定が行われる。
請求項7では、少なくとも2つのコンパレータのオートゼロ動作と、それに続く比較動作とが同時に行われるため、それらの動作を制御するための各制御信号の種類がそれぞれ減少される。
【0050】
請求項8では、(2n −1)個のコンパレータの比較動作に基づく出力信号がエンコーダに入力されてnビットのデジタル信号が生成され、残りのコンパレータの出力信号は、オートゼロ動作直後若しくはオートゼロ動作直前の比較結果に基づく出力信号となる。
【0051】
請求項9では、(2n −1)個のコンパレータの比較動作に基づく出力信号がエンコーダに入力され、残りのコンパレータは、オートゼロ動作時の出力信号と、オートゼロ動作直後及びオートゼロ動作直前の比較結果に基づく出力信号の少なくともいずれかとなる。
【0053】
請求項10では、オートゼロ動作時にコンパレータの出力ラッチ回路の信号取り込み動作及びラッチ動作が停止されて、出力ラッチ回路の消費電流が低減される。
【0054】
【発明の実施の形態】
(第一の実施の形態)
図2は、この発明を具体化した第一の実施の形態のA/D変換器を示す。このA/D変換器は、アナログ入力信号Vinを2ビットのデジタル出力信号D1,D0に変換するために、4個のチョッパ型コンパレータCP1〜CP4を使用するIAZ方式のA/D変換器である。
【0055】
高電位側基準電圧VRHと、低電位側基準電圧VRLとの間には、4本の抵抗Rが直列に接続されている。前記抵抗Rは、両端に位置する抵抗の抵抗値がその他の抵抗の抵抗値の1/2に設定されている。従って、前記基準電圧VRH,VRLを前記抵抗Rで抵抗分割した基準電圧VR1〜VR3が生成される。
【0056】
前記コンパレータCP1〜CP4の入力端子Bには、アナログ入力信号Vinがそれぞれ入力される。また、前記コンパレータCP1〜CP4には基準電圧を入力するための2つの入力端子A1,A2がそれぞれ設けられる。
【0057】
前記コンパレータCP1の入力端子A2には前記基準電圧VRLが入力され、入力端子A1には前記基準電圧VR1が入力される。前記コンパレータCP2の入力端子A2には前記基準電圧VR1が入力され、入力端子A1には前記基準電圧VR2が入力される。
【0058】
前記コンパレータCP3の入力端子A2には前記基準電圧VR2が入力され、入力端子A1には前記基準電圧VR3が入力される。前記コンパレータCP4の入力端子A2には前記基準電圧VR3が入力され、入力端子A1には前記基準電圧VRHが入力される。
【0059】
前記コンパレータCP1〜CP4の具体的構成を図3に示す。このコンパレータCP1〜CP4は入力端子A1,A2に入力される基準電圧を選択するために制御信号C1,C2で開閉されるスイッチ回路を設けたこと以外は、前記従来例のチョッパ型コンパレータと同様である。
【0060】
前記コンパレータCP1〜CP4の出力信号Q1〜Q4は、制御部11aに出力される。前記制御部11は、前記コンパレータCP1〜CP4のうち、いずれか3つを選択して比較動作を行わせ、残りの1つにオートゼロ動作を行わせる。そして、コンパレータCP1〜CP4のうち、選択したコンパレータの出力信号Qを信号選択回路で選択して出力信号E1〜E3としてエンコーダ12に出力する。なお、図2に示す信号選択回路はHレベルの選択信号S1〜S6に基づいて導通するスイッチとして概略的に示す。
【0061】
前記エンコーダ12は、制御部11aから出力されたサーモメータコードに基づいて2ビットのデジタル出力信号D1,D0を生成して出力する。
前記制御部11aの具体的構成を図12に従って説明する。第一の論理ブロック13a〜13hは、図14に示すように、入力信号が入力される入力端子Iと、リセット信号入力端子RESと、クロック信号入力端子CKと、出力端子Oとを備え、NAND回路と、インバータ回路と、クロック信号入力端子CKに入力されるクロック信号で開閉されるスイッチ回路S,XSとから構成される。
【0062】
前記スイッチ回路Sはクロック信号CKがHレベルとなったとき導通し、前記スイッチ回路XSはクロック信号CKがLレベルとなったとき導通する。
そして、第一の論理ブロック13a〜13hのリセット信号入力端子RESには図22に示すリセット信号XRESが外部から入力される。
【0063】
また、第一の論理ブロック13a〜13hのクロック信号入力端子CKには、前記コンパレータCP0〜CP4を駆動するクロック信号CLKを例えば12分周したクロック信号HCKが入力される。
【0064】
第二の論理ブロック14a〜14hは、図15に示すように、入力信号が入力される入力端子Iと、リセット信号入力端子RESと、クロック信号入力端子CKと、出力端子XOとを備え、NAND回路と、インバータ回路と、クロック信号入力端子CKに入力されるクロック信号で開閉されるスイッチ回路S,XSとから構成される。
【0065】
前記スイッチ回路Sはクロック信号CKがHレベルとなったとき導通し、前記スイッチ回路XSはクロック信号CKがLレベルとなったとき導通する。
そして、第二の論理ブロック14a〜14hのリセット信号入力端子RESには前記リセット信号XRESが外部から入力される。
【0066】
また、第二の論理ブロック14a〜14hのクロック信号入力端子CKには、前記クロック信号HCKが入力される。
第一の信号選択ブロック15a〜15gは、図16に示すように、二つの入力端子I1,I2と、選択信号入力端子SELと、出力端子XOとを備え、二つのスイッチ回路S,XSと、インバータ回路とから構成される。
【0067】
スイッチ回路Sは外部から選択信号として入力されるHレベルの選択信号XUDに基づいて導通し、スイッチ回路XSはLレベルの選択信号XUDに基づいて導通する。
【0068】
このような構成により、第一の信号選択ブロック15a〜15gは選択信号XUDに基づいて、入力端子I1,I2に入力される信号のいずれかを反転させて、出力端子XOに出力する。
【0069】
第三の論理ブロック16a〜16dは、図13に示すように、入力端子I,XIと、出力端子Oと、リセット信号入力端子PRSと、オートゼロクロック信号入力端子AZCKとを備え、1つのインバータ回路と、2つのNOR回路とから構成される。
【0070】
前記第三の論理ブロック16a〜16dのリセット信号入力端子PRSには、前記リセット信号XRESの反転信号が入力される。また、オートゼロクロック信号入力端子AZCKには、図22に示すように、前記クロック信号HCKに対し立ち上がり及び立ち下がりタイミングの少なくともいずれかが異なるクロック信号HKが入力される。
【0071】
第二の信号選択ブロック17a〜17cは、図17に示すように、二つの入力端子I1,I2と、選択信号入力端子SELと、出力端子XOと、クロック信号入力端子XCとを備え、二つのスイッチ回路S,XSと、インバータ回路と、フリップフロップ回路FFとから構成される。
【0072】
スイッチ回路SはHレベルの選択信号SLに基づいて導通し、スイッチ回路XSはHレベルの選択信号XSLに基づいて導通する。前記フリップフロップ回路FFは、クロック信号XCの立ち下がりに基づいて選択信号SELをラッチして、信号SLとして出力し、選択信号SELの反転信号を信号XSLとして出力する。
【0073】
このような構成により、第二の信号選択ブロック17a〜17cは選択信号SELに基づいて、入力端子I1,I2に入力される信号のいずれかを反転させて、出力端子XOに出力する。
【0074】
そして、信号選択ブロック17aの入力端子I1,I2には、前記コンパレータCP4,CP3の出力信号Q4,Q3が入力され、信号選択ブロック17bの入力端子I1,I2には、前記コンパレータCP3,CP2の出力信号Q3,Q2が入力される。
【0075】
また、信号選択ブロック17cの入力端子I1,I2には、前記コンパレータCP2,CP1の出力信号Q2,Q1が入力される。
前記制御部11a内に設けられ、前記制御信号XUDを生成するための信号生成回路を図18に示す。この信号生成回路は、2つの第四の論理ブロック18a,18bとインバータ回路とを環状に接続し、インバータ回路の出力信号を制御信号XUDとして出力する構成としたものである。
【0076】
前記第四の論理ブロック18a,18bは、図20に示すように、入力信号が入力される入力端子Iと、リセット信号入力端子RESと、クロック信号入力端子CKと、出力端子XOとを備え、NOR回路と、インバータ回路と、クロック信号入力端子CKに入力されるクロック信号で開閉されるスイッチ回路S,XSとから構成される。
【0077】
第四の論理ブロック18a,18bでは、前記スイッチ回路Sはクロック信号入力端子CKに入力されるクロック信号がHレベルとなったとき導通し、前記スイッチ回路XSはそのクロック信号がLレベルとなったとき導通する。
【0078】
第四の論理ブロック18a,18bのリセット信号入力端子RESには前記リセット信号XRESが外部から入力される。また、第四の論理ブロック18aのクロック信号入力端子CKには制御信号Aが入力され、第四の論理ブロック18bのクロック信号入力端子CKには制御信号XAが入力される。
【0079】
前記制御部11a内に設けられ、前記制御信号A,XAを生成するための信号生成回路を図19に示す。この信号生成回路は、前記クロック信号HCKと、前記第二の論理ブロック14aの出力信号NHaと、前記第二の論理ブロック14gの出力信号NLaとが入力され、4つのインバータ回路と、AND回路と、NOR回路とから構成され、前記制御信号Aと、その反転信号である制御信号XAを生成する。
【0080】
そして、図18に示す信号生成回路は、前記制御信号A,XAと、前記リセット信号XRESとに基づいて、前記制御信号XUDを生成する。
前記第一〜第三の論理ブロックと、第一及び第二の信号選択ブロックとを図12に示すように接続することにより、図22に示す各信号が出力される。
【0081】
すなわち、第一の信号選択ブロック15aから出力信号NHが出力され、第一の信号選択ブロック15gから出力信号NLが出力される。また、信号選択ブロック15fから出力信号N0が論理ブロック16d,13fに出力され、論理ブロック15eから出力信号N1が論理ブロック16c,16d,13e及び信号選択ブロック17cに出力される。
【0082】
また、論理ブロック15dから出力信号N2が論理ブロック16b,16c,13d及び信号選択ブロック17bに出力され、論理ブロック15cから出力信号N3が論理ブロック16a,16b,13c及び信号選択ブロック17aに出力される。また、論理ブロック15bから出力信号N4が論理ブロック16a,13bに出力される。
【0083】
また、論理ブロック16a〜16dから前記コンパレータCP4〜CP1に制御信号XAZ4〜XAZ1が出力され、前記信号選択ブロック17a〜17cから、前記サーモメータコードの出力信号E3〜E1が出力される。この制御信XAZ1〜XAZ4は、各コンパレータCP1〜CP4のオートゼロ動作を制御する制御信号CZ,バーCZの原信号となる。
【0084】
そして、信号選択ブロック17a〜17cは、図2において制御信号S1〜S6で開閉される信号選択回路として動作し、前記出力信号N1が相補信号となる前記制御信号S1,S2の原信号となり、同様に出力信号N2,N3が前記制御信号S3〜S6の原信号となる。
【0085】
前記制御部11a内に設けられ、前記コンパレータCP1〜CP4の制御信号C1,C2を生成するための信号生成回路を図21に示す。この信号生成回路は、NOR回路とNAND回路に、前記制御信号XAZの反転信号と前記制御信号XUDが入力され、そのNOR回路から制御信号C1が出力され、NAND回路から制御信号C2が出力される。
【0086】
上記のように構成された制御部11aの動作を図22に従って説明する。
初期リセット動作時にはリセット信号XRESがLレベルとなり、各コンパレータCP1〜CP4に入力される制御信号XAZ1〜XAZ4はLレベルとなる。また、制御信号XUDはHレベルとなって、各信号NL〜N4がLレベルとなる。
【0087】
次いで、制御信号XUDがLレベルとなると、各信号NL〜NHがクロック信号HCKの1周期間隔毎に立ち上がり、さらに制御信号XUDがHレベルとなると、各信号NH〜NLがクロック信号HCKの1周期間隔毎に立ち下がり、このような動作を繰り返す。
【0088】
すると、制御信号XAZ1〜XAZ4がこの順番でクロック信号HCKの1周期間隔毎に、同クロック信号HCKの半周期の時間幅で順次Lレベルとなり、さらに制御信号XAZ4〜XAZ1がこの順番で順次Lレベルとなり、このような動作が繰り返される。そして、制御信号XAZ4〜XAZ1がLレベルとなると、コンパレータCP4〜CP1でオートゼロ動作(AZ)が行われる。
【0089】
前記各信号NL〜NHの立ち上がり及び立ち下がりタイミングは、クロック信号HCKに基づいて決定され、制御信号XAZ1〜XAZ4の立ち下がりタイミングは、クロック信号HKに基づいて決定される。従って、クロック信号HCKに対するクロック信号HKの立ち上がり及び立ち下がりタイミングを調整することにより、各信号N1〜N3の立ち上がり及び立ち下がりのタイミングと、制御信号XAZ1〜XAZ4のタイミングとを調整可能である。
【0090】
次に、前記制御部11aの制御に基づくコンパレータCP1〜CP4の動作を図4に従って説明する。図4に示す制御信号S1〜S6,C1,C2,CZは、前記制御部11aで生成され、制御信号CFは制御部11aから各コンパレータCP1〜CP4に供給されるクロック信号CLKである。制御信号S1〜S6は、前記クロック信号HCKの立ち下がりに先立ってクロック信号HKを立ち下げることにより生成される。
【0091】
前記制御部11aが起動すると、各コンパレータCP1〜CP4で初期化が行われ、コンパレータCP1は制御信号C2,CZがHレベルとなって、基準電圧VRLが入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0092】
また、コンパレータCP2では基準電圧VR1が入力された状態でオートゼロ動作が行われ、コンパレータCP3では基準電圧VR2が入力された状態でオートゼロ動作が行われ、コンパレータCP4では基準電圧VR3が入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0093】
次いで、各コンパレータCP1〜CP4の制御信号CZがLレベルとなると、各コンパレータCP1〜CP4で比較動作が開始される。このとき、制御信号S1〜S6はLレベルに維持されて、各コンパレータCP1〜CP4の出力信号Q1〜Q4はエンコーダ12に出力されない。
【0094】
次いで、制御信号CFの1周期後にコンパレータCP1の制御信号C1,CZがHレベルとなって、基準電圧VR1が入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0095】
次いで、そのオートゼロ動作の終了後に、制御信号S2,S4,S6がHレベルとなる。すると、コンパレータCP2,CP3,CP4の出力信号Q2,Q3,Q4がエンコーダ12に出力される。このとき、コンパレータCP2から基準電圧VR1とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP3から基準電圧VR2とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP4から基準電圧VR3とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力される。この状態は、コンパレータCP1のオートゼロ動作後、制御信号CFの2周期の間維持される。
【0096】
従って、コンパレータCP1において、オートゼロ動作後の制御信号CFに基づいて出力される無効データD1及び不確定データD2は、エンコーダ12には出力されない。
【0097】
コンパレータCP1のオートゼロ動作から制御信号CFの1周期後にコンパレータCP2の制御信号C1,CZがHレベルとなって、基準電圧VR2が入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0098】
次いで、そのオートゼロ動作の終了後に、制御信号S2がLレベルとなり、制御信号S1がHレベルとなる。すると、コンパレータCP2の出力信号Q2に変わってコンパレータCP1の出力信号Q1がエンコーダ12に入力信号E1として出力される。
【0099】
このとき、コンパレータCP1から基準電圧VR1とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP3から基準電圧VR2とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP4から基準電圧VR3とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力される。
【0100】
従って、コンパレータCP2において、オートゼロ動作後の制御信号CFに基づいて出力される無効データD1及び不確定データD2は、エンコーダ12には出力されない。
【0101】
コンパレータCP2のオートゼロ動作から制御信号CFの1周期後にコンパレータCP3の制御信号C1,CZがHレベルとなって、基準電圧VR3が入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0102】
次いで、そのオートゼロ動作の終了後に、制御信号S4がLレベルとなり、制御信号S3がHレベルとなる。すると、コンパレータCP3の出力信号Q3に変わってコンパレータCP2の出力信号Q2がエンコーダ12に入力信号E2として出力される。
【0103】
このとき、コンパレータCP1から基準電圧VR1とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP2から基準電圧VR2とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP4から基準電圧VR3とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力される。
【0104】
従って、コンパレータCP3において、オートゼロ動作後の制御信号CFに基づいて出力される無効データD1及び不確定データD2は、エンコーダ12には出力されない。
【0105】
コンパレータCP3のオートゼロ動作から制御信号CFの1周期後にコンパレータCP4の制御信号C1,CZがHレベルとなって、基準電圧VRHが入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0106】
次いで、そのオートゼロ動作の終了後に、制御信号S6がLレベルとなり、制御信号S5がHレベルとなる。すると、コンパレータCP4の出力信号Q4に変わってコンパレータCP3の出力信号Q3がエンコーダ12に入力信号E3として出力される。
このとき、コンパレータCP1から基準電圧VR1とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP2から基準電圧VR2とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP3から基準電圧VR3とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力される。
【0107】
次いで、コンパレータCP4の基準電圧VRHによるオートゼロ動作から制御信号CFの1周期後に、再びコンパレータCP4の制御信号C2,CZがHレベルとなって、基準電圧VR3が入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0108】
従って、コンパレータCP4において、オートゼロ動作後の制御信号CFに基づいて出力される無効データD1及び不確定データD2は、エンコーダ12には出力されない。
【0109】
この後は、同様にしてコンパレータCP3〜CP1において順次オートゼロ動作が行われ、このような動作が繰り返される。
上記のように4つのコンパレータCP1〜CP4及び制御部11aが動作するIAZ方式のA/D変換器では、以下に示す作用効果を得ることができる。
【0110】
(1)オートゼロ動作を行ったコンパレータの出力信号は、オートゼロ動作後、制御信号CFの2周期の間エンコーダ12には出力されず、同一の基準電圧で比較動作を行っている別のコンパレータの出力信号がエンコーダ12に出力されているので、オートゼロ動作直後にコンパレータから出力される無効データ及び不確定データのエンコーダ12への出力を阻止することができる。
【0111】
(2)オートゼロ動作直後のコンパレータから出力される無効データ及び不確定データのエンコーダ12への出力を阻止することができるので、エラーレートの改善を図ることができるとともに、各制御信号CFの高周波数化によるA/D変換速度の高速化に有利である。
【0112】
(第二の実施の形態)
図5は、この発明を具体化した第二の実施の形態のA/D変換器の動作を示す。この実施の形態のA/D変換器の回路構成は、前記第一の実施の形態と同様であり、制御信号S1〜S6によるコンパレータCP1〜CP4の出力信号Q1〜Q4の選択のタイミングが異なる。
【0113】
この実施の形態の制御信号S1〜S6は、前記制御部11aにより生成され、クロック信号HCKの立ち上がり後にクロック信号HKを立ち上げることにより生成される。
【0114】
図5において、制御信号C1,C2,CZに基づくオートゼロ動作のタイミングは、前記第一の実施の形態と同様であり、制御信号S1〜S6の切り替わりタイミングが前記第一の実施の形態より制御信号CFの1周期分早いタイミングとなっている。
【0115】
その動作を説明すると、各コンパレータCP1〜CP4の初期化時の動作は、前記実施の形態と同様である。
次いで、制御信号CFの1周期後にコンパレータCP1の制御信号C1,CZがHレベルとなって、基準電圧VR1が入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0116】
また、そのオートゼロ動作の開始に同期して、制御信号S2,S4,S6がHレベルとなる。すると、コンパレータCP2,CP3,CP4の出力信号Q2,Q3,Q4がエンコーダ12に出力される。このとき、コンパレータCP2から基準電圧VR1とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP3から基準電圧VR2とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP4から基準電圧VR3とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力される。この状態は、コンパレータCP1のオートゼロ動作の開始から、制御信号CFの2周期の間維持される。
【0117】
従って、コンパレータCP1において、オートゼロ動作に基づいて出力される無効データD1と、その無効データD1に先立って出力される不確定データD2は、エンコーダ12には出力されない。
【0118】
この不確定データD2は、各コンパレータにおいて比較動作からオートゼロ動作への移行時に発生するスイッチングノイズ、あるいは各コンパレータの出力ラッチ回路のホールド時間の不足により発生するものである。
【0119】
コンパレータCP1のオートゼロ動作から制御信号CFの1周期後にコンパレータCP2の制御信号C1,CZがHレベルとなって、基準電圧VR2が入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0120】
そのオートゼロ動作の開始と同時に、制御信号S2がLレベルとなり、制御信号S1がHレベルとなる。すると、コンパレータCP2の出力信号Q2に変わってコンパレータCP1の出力信号Q1がエンコーダ12に入力信号E1として出力される。
【0121】
このとき、コンパレータCP1から基準電圧VR1とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP3から基準電圧VR2とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP4から基準電圧VR3とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力される。
【0122】
従って、コンパレータCP2において、オートゼロ動作時に制御信号CFに基づいて出力される無効データD1及びその無効データD1に先立って出力される不確定データD2は、エンコーダ12には出力されない。
【0123】
コンパレータCP2のオートゼロ動作から制御信号CFの1周期後にコンパレータCP3の制御信号C1,CZがHレベルとなって、基準電圧VR3が入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0124】
そのオートゼロ動作の開始と同時に、制御信号S4がLレベルとなり、制御信号S3がHレベルとなる。すると、コンパレータCP3の出力信号Q3に変わってコンパレータCP2の出力信号Q2がエンコーダ12に入力信号E2として出力される。
【0125】
このとき、コンパレータCP1から基準電圧VR1とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP2から基準電圧VR2とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP4から基準電圧VR3とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力される。
【0126】
従って、コンパレータCP3において、オートゼロ動作時に制御信号CFに基づいて出力される無効データD1及びその無効データD1に先立って出力される不確定データD2は、エンコーダ12には出力されない。
【0127】
コンパレータCP3のオートゼロ動作から制御信号CFの1周期後にコンパレータCP4の制御信号C1,CZがHレベルとなって、基準電圧VRHが入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0128】
そのオートゼロ動作の開始と同時に、制御信号S6がLレベルとなり、制御信号S5がHレベルとなる。すると、コンパレータCP4の出力信号Q4に変わってコンパレータCP3の出力信号Q3がエンコーダ12に入力信号E3として出力される。
【0129】
このとき、コンパレータCP1から基準電圧VR1とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP2から基準電圧VR2とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP3から基準電圧VR3とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力される。
【0130】
次いで、コンパレータCP4の基準電圧VRHによるオートゼロ動作から制御信号CFの1周期後に、再びコンパレータCP4の制御信号C2,CZがHレベルとなって、基準電圧VR3が入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0131】
従って、コンパレータCP4において、オートゼロ動作時に制御信号CFに基づいて出力される無効データD1及びその無効データD1に先立って出力される不確定データD2は、エンコーダ12には出力されない。
【0132】
この後は、同様にしてコンパレータCP3〜CP1において順次オートゼロ動作が行われ、このような動作が繰り返される。
上記のように4つのコンパレータCP1〜CP4及び制御部11bが動作するIAZ方式のA/D変換器では、以下に示す作用効果を得ることができる。
【0133】
(1)オートゼロ動作を行ったコンパレータの出力信号は、オートゼロ動作の開始から制御信号CFの2周期の間エンコーダ12に出力されることはなく、同一の基準電圧で比較動作を行っている別のコンパレータの出力信号がエンコーダ12に出力されるので、オートゼロ動作直後にコンパレータから出力される無効データ及びその無効データに先立って出力される不確定データのエンコーダ12への出力を阻止することができる。
【0134】
(2)オートゼロ動作時にコンパレータから出力される無効データ及び不確定データのエンコーダ12への出力を阻止することができるので、エラーレートの改善を図ることができるとともに、各制御信号CFの高周波数化によるA/D変換速度の高速化に有利である。
【0135】
(第三の実施の形態)
この実施の形態のA/D変換器の回路構成は、前記第一の実施の形態と同様であり、制御信号S1〜S6によるコンパレータCP1〜CP4の出力信号の選択のタイミングが前記第一及び第二の実施の形態と異なる。
【0136】
この実施の形態の制御信号S1〜S6は、前記制御部11aにより生成され、クロック信号HCKの立ち上がり後にクロック信号HKを立ち上げ、クロック信号HCKの立ち下がりに先立ってクロック信号HKを立ち下げることにより生成される。
【0137】
また、各コンパレータCP1〜CP4のオートゼロ動作の間隔は、前記第一及び第二の実施の形態では制御信号CFの1周期分であるが、この実施の形態では、2周期分とする。そして、いずれかのコンパレータのオートゼロ動作による無効データと、その無効データに続いて出力される不確定データのエンコーダへの出力を阻止した後、続いてオートゼロ動作が行われるコンパレータの無効データ及びその無効データに先立って出力される不確定データのエンコーダへの出力を阻止するように、制御信号S1〜S6を制御する。
【0138】
このような制御信号S1〜S6に基づいて、各コンパレータのオートゼロ動作時に制御信号CFに基づいて出力される無効データと、その無効データに先立って出力される不確定データと、その無効データに続いて出力される不確定データのエンコーダへの出力が阻止される。
【0139】
上記のように4つのコンパレータCP1〜CP4及び制御部11aが動作するIAZ方式のA/D変換器では、以下に示す作用効果を得ることができる。
(1)オートゼロ動作直後にコンパレータから出力される無効データと、その無効データの前後に出力される不確定データのエンコーダへの出力を阻止することができる。
【0140】
(2)オートゼロ動作時にコンパレータから出力される無効データ及び不確定データのエンコーダ12への出力を阻止することができるので、エラーレートの改善を図ることができるとともに、各制御信号の高周波数化によるA/D変換速度の高速化に有利である。
【0141】
(第四の実施の形態)
図6は、この発明を具体化した第四の実施の形態のA/D変換器を示す。このA/D変換器は、2ビットのデジタル出力信号D1,D0を生成するために、5つのチョッパ型コンパレータCP1〜CP5が使用される。
【0142】
各コンパレータCP1〜CP5の入力端子Bには、アナログ入力電圧Vinが入力される。前記コンパレータCP1の入力端子A1には基準電圧VR1が入力され、入力端子A2には基準電圧VRLが入力される。
【0143】
前記コンパレータCP2の入力端子A1には基準電圧VR2が入力され、入力端子A2には基準電圧VRLが入力される。
前記コンパレータCP3の入力端子A1には基準電圧VR3が入力され、入力端子A2には基準電圧VR1が入力される。
【0144】
前記コンパレータCP4の入力端子A1には基準電圧VRHが入力され、入力端子A2には基準電圧VR2が入力される。
前記コンパレータCP5の入力端子A1には基準電圧VRHが入力され、入力端子A2には基準電圧VR3が入力される。
【0145】
前記コンパレータCP1の出力信号Q1は、制御部11bで生成される制御信号S1に基づいて、エンコーダ12に入力信号E1として入力されるか否かが選択される。
【0146】
前記コンパレータCP2の出力信号Q2は、制御部11bで生成される制御信号S3に基づいて、エンコーダ12に入力信号E2として入力されるか否かが選択される。
【0147】
前記コンパレータCP3の出力信号Q3は、制御部11bで生成される制御信号S2,S5に基づいて、エンコーダ12に入力信号E1若しくはE3として入力されるか否かが選択される。
【0148】
前記コンパレータCP4の出力信号Q4は、制御部11bで生成される制御信号S4に基づいて、エンコーダ12に入力信号E2として入力されるか否かが選択される。
【0149】
前記コンパレータCP5の出力信号Q5は、制御部11bで生成される制御信号S6に基づいて、エンコーダ12に入力信号E3として入力されるか否かが選択される。
【0150】
前記制御信号S1〜S6を生成するための制御部11bを図23に示す。この制御部11bは、5つのコンパレータCP1〜CP5の出力信号Q1〜Q5を制御する制御信号S1〜S6を制御するために、第一及び第二の論理ブロック13a〜13i,14a〜14iを9個ずつとし、第一の信号選択ブロック15a〜15hを8個とし、第三の論理ブロック16a〜16eを5個として、同図に示すように構成した点においてのみ、前記第一の実施の形態の制御部11aと相違する。
【0151】
そして、第一の信号選択ブロック15c〜15eの出力信号N2〜N4が第二の信号選択ブロック17a〜17cに出力され、第二の信号選択ブロック17a〜17cにより前記制御信号S1〜S6による選択動作に相当する動作が行われ、コンパレータCP1〜CP5の出力信号Q1〜Q5のうちの3つが出力信号E1〜E3として出力される。
【0152】
次に、前記制御部11bの制御に基づくコンパレータCP1〜CP5の動作を図7に従って説明する。図7に示す制御信号S1〜S6,C1,C2,CZは、前記制御部11bで生成され、制御信号CFは制御部11bから各コンパレータCP1〜CP5に供給されるクロック信号CLKである。制御信号S1〜S6は、クロック信号HCKの立ち上がりに先立ってクロック信号HKを立ち上げることにより生成される。
【0153】
前記制御部11bが起動すると、各コンパレータCP1〜CP5で初期化が行われ、コンパレータCP1は制御信号C2,CZがHレベルとなって、基準電圧VRLが入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0154】
また、コンパレータCP2では基準電圧VRLが入力された状態でオートゼロ動作が行われ、コンパレータCP3では基準電圧VR1が入力された状態でオートゼロ動作が行われ、コンパレータCP4では基準電圧VR2が入力された状態でオートゼロ動作が行われ、コンパレータCP5では基準電圧VR3が入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0155】
次いで、各コンパレータCP1〜CP5の制御信号CZがLレベルとなると、各コンパレータCP1〜CP5で比較動作が開始される。このとき、制御信号S1〜S6はLレベルに維持されて、各コンパレータCP1〜CP5の出力信号Q1〜Q5はエンコーダ12に出力されない。
【0156】
次いで、制御信号CFの1周期後にコンパレータCP1の制御信号C1,CZがHレベルとなって、基準電圧VR1が入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0157】
次いで、そのオートゼロ動作の終了後に、制御信号S2,S4,S6がHレベルとなる。すると、コンパレータCP3,CP4,CP5の出力信号Q3,Q4,Q5がエンコーダ12に出力される。このとき、コンパレータCP3から基準電圧VR1とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP4から基準電圧VR2とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP5から基準電圧VR3とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力される。この状態は、コンパレータCP1のオートゼロ動作後、制御信号CFの2周期の間維持される。
【0158】
従って、コンパレータCP1において、オートゼロ動作後の制御信号CFに基づいて出力される無効データD1及び不確定データD2は、エンコーダ12には出力されない。
【0159】
コンパレータCP1のオートゼロ動作後、次の制御信号CFの立ち上がりと同時にコンパレータCP2の制御信号C1,CZがHレベルとなって、基準電圧VR2が入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0160】
この状態では、制御信号S1〜S6に変化はなく、コンパレータCP1では比較動作を行っているが、その出力信号Q1はエンコーダ12には出力されない。次いで、そのオートゼロ動作が終了して制御信号CFの1周期後に、制御信号S2がLレベルとなり、制御信号S1がHレベルとなる。すると、コンパレータCP3の出力信号Q3に変わってコンパレータCP1の出力信号Q1がエンコーダ12に入力信号E1として出力される。
【0161】
このとき、コンパレータCP1から基準電圧VR1とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP4から基準電圧VR2とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP5から基準電圧VR3とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力される。
【0162】
従って、コンパレータCP2において、オートゼロ動作後の制御信号CFに基づいて出力される無効データD1及び不確定データD2は、エンコーダ12には出力されない。
【0163】
コンパレータCP2のオートゼロ動作後、次の制御信号CFの立ち上がりと同時にコンパレータCP3の制御信号C1,CZがHレベルとなって、基準電圧VR3が入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0164】
次いで、そのオートゼロ動作が終了して制御信号CFの1周期後に、制御信号S4がLレベルとなり、制御信号S3がHレベルとなる。すると、コンパレータCP2の出力信号Q2がエンコーダ12に入力信号E2として出力される。
【0165】
このとき、コンパレータCP1から基準電圧VR1とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP2から基準電圧VR2とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP5から基準電圧VR3とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力される。
【0166】
従って、コンパレータCP3において、オートゼロ動作後の制御信号CFに基づいて出力される無効データD1及び不確定データD2は、エンコーダ12には出力されない。
【0167】
コンパレータCP3のオートゼロ動作後、次の制御信号CFの立ち上がりと同時に、コンパレータCP4の制御信号C1,CZがHレベルとなって、基準電圧VRHが入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0168】
次いで、そのオートゼロ動作が終了して制御信号CFの1周期後に、制御信号S6がLレベルとなり、制御信号S5がHレベルとなる。すると、コンパレータCP5の出力信号Q5に変わってコンパレータCP3の出力信号Q3がエンコーダ12に入力信号E3として出力される。
【0169】
このとき、コンパレータCP1から基準電圧VR1とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP2から基準電圧VR2とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力され、コンパレータCP3から基準電圧VR3とアナログ入力信号Vinとの比較結果が出力される。
【0170】
従って、コンパレータCP4において、オートゼロ動作後の制御信号CFに基づいて出力される無効データD1及び不確定データD2は、エンコーダ12には出力されない。
【0171】
コンパレータCP4のオートゼロ動作後、次の制御信号CFの立ち上がりと同時に、コンパレータCP5の制御信号C1,CZがHレベルとなって、基準電圧VRHが入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0172】
次いで、そのオートゼロ動作が終了して制御信号CFの1周期後に、コンパレータCP5の制御信号C2,CZがHレベルとなって、基準電圧VR3が入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0173】
このとき、制御信号S1〜S6に変化はないので、引き続いてコンパレータCP1〜CP3の出力信号Q1〜Q3がエンコーダ12に出力される。
次いで、コンパレータCP5の基準電圧VR3によるオートゼロ動作後、次の制御信号CFの立ち上がりと同時に、コンパレータCP4の制御信号C2,CZがHレベルとなって、基準電圧VR2が入力された状態でオートゼロ動作が行われる。このとき、制御信号S1〜S6に変化はないので、引き続いてコンパレータCP1〜CP3の出力信号Q1〜Q3がエンコーダ12に出力される。
【0174】
従って、コンパレータCP5において、オートゼロ動作後の制御信号CFに基づいて出力される無効データD1及び不確定データD2は、エンコーダ12には出力されない。
【0175】
コンパレータCP4の基準電圧VR2によるオートゼロ動作後、次の制御信号CFの立ち上がりと同時に、コンパレータCP3の制御信号C2,CZがHレベルとなって、基準電圧VR1が入力された状態でオートゼロ動作が行われる。
【0176】
そして、そのオートゼロ動作の終了と同時に、制御信号S6がHレベルとなり、制御信号S5がLレベルとなる。
すると、コンパレータCP3の出力信号Q3に換えて、コンパレータCP5の出力信号Q5がエンコーダ12に入力信号E3として入力される。また、コンパレータCP1,CP2の出力信号Q1,Q2が引き続いてエンコーダ12に入力信号E1,E2として入力される。
【0177】
従って、コンパレータCP4において、オートゼロ動作後の制御信号CFに基づいて出力される無効データD1及び不確定データD2は、エンコーダ12には出力されない。
【0178】
この後、同様にして各コンパレータにおいて順次オートゼロ動作が行われ、このような動作が繰り返される。
上記のように5つのコンパレータCP1〜CP5が動作するIAZ方式のA/D変換器では、以下に示す作用効果を得ることができる。
【0179】
(1)オートゼロ動作を行ったコンパレータの出力信号は、オートゼロ動作後制御信号CFの2周期の間、同一の基準電圧で比較動作を行っている別のコンパレータの出力信号に切り換えられるので、オートゼロ動作直後にコンパレータから出力される無効データ及び不確定データのエンコーダ12への出力を阻止することができる。
【0180】
(2)オートゼロ動作直後のコンパレータから出力される無効データ及び不確定データのエンコーダ12への出力を阻止することができるので、エラーレートの改善を図ることができるとともに、各制御信号CFの高周波数化によるA/D変換速度の高速化に有利である。
【0181】
(3)5つのコンパレータCP1〜CP5のうち、安定した比較状態にある3つのコンパレータの出力信号を選択してエンコーダ12に入力するので、選択されない2つのコンパレータの1つでオートゼロ動作を行い、残る1つは比較状態でありながら、無効データ及び不確定データを出力している状態とすることができる。
【0182】
(4)従って、制御信号CFの立ち上がり毎に各コンパレータCP1〜CP5で順次オートゼロ動作を行っても、オートゼロ動作中のコンパレータ及び無効データ及び不確定データを出力しているコンパレータを除いた3つのコンパレータを確実に選択することができるので、前記第一の実施の形態に比して各制御信号CFの高周波数化によるA/D変換速度の高速化においてさらに有利である。
【0183】
(5)本実施の形態では、オートゼロ動作1回につき行なう比較動作の最多回数が第一実施の形態に比べて少なくてよい。従って、コンパレータの容量に蓄えられた電荷が変化してしまうことは低減される。その結果、比較動作の精度が向上され、さらにエラーレートの改善を図ることができる。
【0184】
(第五の実施の形態)
図8は、この発明を具体化した第五の実施の形態のA/D変換器の動作を示す。この実施の形態のA/D変換器の回路構成は、前記第四の実施の形態と同様であり、制御信号C1,C2,CZによるオートゼロ動作のタイミングと、制御信号S1〜S6によるコンパレータCP1〜CP5の出力信号の選択のタイミングとが異なる。
【0185】
この実施の形態の制御信号S1〜S6は、前記制御部11bにより生成され、クロック信号HCKの立ち下がり後にクロック信号HKを立ち下げることにより生成される。
【0186】
図8において、制御信号C1,C2,CZに基づく各コンパレータCP1〜CP5のオートゼロ動作のタイミングは、前記第四の実施の形態と同様であり、制御信号S1〜S6の切り替わりタイミングが前記第四の実施の形態より制御信号CFの1周期分早いタイミングとなっている。
【0187】
このような動作により、この実施の形態と前記第四の実施の形態の関係は、前記第一の実施の形態に対する第二の実施の形態と同様になる。
このように構成されたA/D変換器では、次に示す作用効果を得ることができる。
【0188】
(1)オートゼロ動作を行ったコンパレータの出力信号は、オートゼロ動作の開始から制御信号CFの2周期の間、同一の基準電圧で比較動作を行っている別のコンパレータの出力信号に切り換えられているので、オートゼロ動作直後にコンパレータから出力される無効データ及びその無効データに先立って出力される不確定データのエンコーダ12への出力を阻止することができる。
【0189】
(2)オートゼロ動作時にコンパレータから出力される無効データ及び不確定データのエンコーダ12への出力を阻止することができるので、エラーレートの改善を図ることができるとともに、各制御信号CFの高周波数化によるA/D変換速度の高速化に有利である。
【0190】
(3)5つのコンパレータCP1〜CP5のうち、安定した比較状態にある3つのコンパレータの出力信号を選択してエンコーダ12に入力するので、選択されない2つのコンパレータの1つでオートゼロ動作を行い、残る1つは比較状態でありながら、オートゼロ動作にともなう無効データ及び不確定データを出力している状態とすることができる。
【0191】
(4)従って、制御信号CFの立ち上がり毎に各コンパレータCP1〜CP5で順次オートゼロ動作を行っても、オートゼロ動作中のコンパレータ及び無効データ及び不確定データを出力しているコンパレータを除いた3つのコンパレータを確実に選択することができるので、前記第二の実施の形態に比して各制御信号CFの高周波数化によるA/D変換速度の高速化においてさらに有利である。
【0192】
(5)本実施の形態では、オートゼロ動作1回につき行なう比較動作の最多回数が第一実施の形態に比べて少なくてよい。従って、コンパレータの容量に蓄えられた電荷が変化してしまうことは低減される。その結果、比較動作の精度が向上され、さらにエラーレートの改善を図ることができる。
【0193】
(第六の実施の形態)
図9は、この発明を具体化した第六の実施の形態のA/D変換器の動作を示す。この実施の形態のA/D変換器の回路構成は、前記第四の実施の形態と同様であり、制御信号C1,C2,CZによるオートゼロ動作のタイミングと、制御信号S1〜S6によるコンパレータCP1〜CP5の出力信号の選択のタイミングとが異なる。
【0194】
この実施の形態の制御信号S1〜S6は、前記制御部11bにより生成され、クロック信号HCKの立ち下がり後にクロック信号HKを立ち下げ、クロック信号HCKの立ち上がりに先立って、クロック信号HKを立ち上げることにより生成される。
【0195】
図9において、制御信号C1,C2,CZに基づく各コンパレータCP1〜CP5のオートゼロ動作のタイミングは、前記第四の実施の形態と同様であり、制御信号S1〜S6の切り替わりタイミングが前記第四及び第五の実施の形態と異なる。
【0196】
すなわち、この実施の形態の制御信号S1〜S6は、前記第五の実施の形態の制御信号S1の立ち上がり及び制御信号S2の立ち下がりのタイミングを制御信号CFの1周期分遅らせ、前記第五の実施の形態の制御信号S3の立ち上がり及び制御信号S4の立ち下がりのタイミングを制御信号CFの1周期分遅らせ、前記第五の実施の形態の制御信号S5の立ち上がり及び制御信号S6の立ち下がりのタイミングを制御信号CFの1周期分遅らせたものである。
【0197】
このような動作により、この実施の形態と前記第四の実施の形態の関係は、前記第一の実施の形態に対する第三の実施の形態と同様になる。
このように構成されたA/D変換器では、次に示す作用効果を得ることができる。
【0198】
(1)オートゼロ動作直後にコンパレータから出力される無効データ及びその無効データの前後に出力される不確定データのエンコーダ12への出力を阻止することができる。
【0199】
(2)オートゼロ動作時にコンパレータから出力される無効データ及び不確定データのエンコーダ12への出力を阻止することができるので、エラーレートの改善を図ることができるとともに、各制御信号CFの高周波数化によるA/D変換速度の高速化に有利である。
【0200】
(3)5つのコンパレータCP1〜CP5のうち、安定した比較状態にある3つのコンパレータの出力信号を選択してエンコーダ12に入力するので、選択されない2つのコンパレータの1つでオートゼロ動作を行い、残る1つは比較状態でありながら、オートゼロ動作にともなう無効データ及び不確定データを出力している状態とすることができる。
【0201】
(4)従って、制御信号CFの立ち上がり毎に各コンパレータCP1〜CP5で順次オートゼロ動作を行っても、オートゼロ動作中のコンパレータ及び無効データ及び不確定データを出力しているコンパレータを除いた3つのコンパレータを確実に選択することができるので、前記第三の実施の形態に比して各制御信号CFの高周波数化によるA/D変換速度の高速化においてさらに有利である。
【0202】
(5)本実施の形態では、オートゼロ動作1回につき行なう比較動作の最多回数が第一実施の形態に比べて少なくてよい。従って、コンパレータの容量に蓄えられた電荷が変化してしまうことは低減される。その結果、比較動作の精度が向上され、さらにエラーレートの改善を図ることができる。
【0203】
(第七の実施の形態)
図10は、この発明を具体化した第七の実施の形態のA/D変換器を示す。このA/D変換器は、2ビットのデジタル出力信号D1,D0を生成するために、6つのチョッパ型コンパレータCP1〜CP6が使用される。
【0204】
各コンパレータCP1〜CP6の入力端子Bには、アナログ入力電圧Vinが入力される。前記コンパレータCP1の入力端子A1には基準電圧VR1が入力され、入力端子A2には基準電圧VRLが入力される。
【0205】
前記コンパレータCP2の入力端子A1には基準電圧VR2が入力され、入力端子A2には基準電圧VRLが入力される。
前記コンパレータCP3の入力端子A1には基準電圧VR3が入力され、入力端子A2には基準電圧VRLが入力される。
【0206】
前記コンパレータCP4の入力端子A1には基準電圧VRHが入力され、入力端子A2には基準電圧VR1が入力される。
前記コンパレータCP5の入力端子A1には基準電圧VRHが入力され、入力端子A2には基準電圧VR2が入力される。
【0207】
前記コンパレータCP6の入力端子A1には基準電圧VRHが入力され、入力端子A2には基準電圧VR3が入力される。
前記コンパレータCP1の出力信号Q1は、制御信号S1に基づいて、エンコーダ12に入力信号E1として入力されるか否かが選択される。
【0208】
前記コンパレータCP2の出力信号Q2は、制御信号S3に基づいて、エンコーダ12に入力信号E2として入力されるか否かが選択される。
前記コンパレータCP3の出力信号Q3は、制御信号S5に基づいて、エンコーダ12に入力信号E3として入力されるか否かが選択される。
【0209】
前記コンパレータCP4の出力信号Q4は、制御信号S2に基づいて、エンコーダ12に入力信号E1として入力されるか否かが選択される。
前記コンパレータCP5の出力信号Q5は、制御信号S4に基づいて、エンコーダ12に入力信号E2として入力されるか否かが選択される。
【0210】
前記コンパレータCP6の出力信号Q6は、制御信号S6に基づいて、エンコーダ12に入力信号E3として入力されるか否かが選択される。前記制御信号S1〜S6は、制御部11cで生成される。
【0211】
図11は、このA/D変換器を制御信号S1〜S6のタイミングで制御した場合の動作を示す。この制御信号S1〜S6は、初期動作時を除いて制御信号S1,S4が相補信号となり、制御信号S2,S5が相補信号となり、制御信号S3,S6が相補信号となる。
【0212】
各コンパレータCP1〜CP6のオートゼロ動作は、前記第四〜第六の実施の形態と同様に、各コンパレータCP1〜CP6の制御信号C1,C2,CZに基づいて、制御信号CFの立ち上がり毎に各コンパレータCP1〜CP6において順次行われる。
【0213】
このように構成されたA/D変換器では、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)オートゼロ動作直後にコンパレータから出力される無効データ及びその無効データの前後に出力される不確定データのエンコーダ12への出力を阻止することができる。
【0214】
(2)オートゼロ動作時にコンパレータから出力される無効データ及び不確定データのエンコーダ12への出力を阻止することができるので、エラーレートの改善を図ることができるとともに、各制御信号CFの高周波数化によるA/D変換速度の高速化に有利である。
【0215】
(3)6つのコンパレータCP1〜CP6のうち、安定した比較状態にある3つのコンパレータの出力信号を選択してエンコーダ12に入力するので、選択されない3つのコンパレータの1つでオートゼロ動作を行い、残る2つは比較状態でありながら、オートゼロ動作にともなう無効データ及び不確定データを出力している状態とすることができる。
【0216】
(4)従って、制御信号CFの立ち上がり毎に各コンパレータCP1〜CP6で順次オートゼロ動作を行っても、オートゼロ動作中のコンパレータ及び無効データ及び不確定データを出力しているコンパレータを除いた3つのコンパレータから安定した出力信号を得ることができるので、前記第六の実施の形態に比して各制御信号CFの高周波数化によるA/D変換速度の高速化においてさらに有利である。
【0217】
(5)本実施の形態では、オートゼロ動作1回につき行なう比較動作の最多回数が第一実施の形態に比べて少なくてよい。従って、コンパレータの容量に蓄えられた電荷が変化してしまうことは低減される。その結果、比較動作の精度が向上され、さらにエラーレートの改善を図ることができる。
【0218】
(第八の実施の形態)
図25は、この発明を具体化した第八の実施の形態のA/D変換器の動作を示す。この実施の形態のA/D変換器の回路構成は、前記第四の実施の形態と同様であり、制御信号C1,C2,CZによるオートゼロ動作のタイミングと、制御信号S1〜S6によるコンパレータCP1〜CP5の出力信号の選択のタイミングとが異なる。
【0219】
図25に示すように、この実施の形態の制御信号S1〜S6は、制御信号S1,S3が同一の信号であり、制御信号S2,S4が同一の信号である。そして、制御信号S1,S2の組と、制御信号S3,S4の組と、制御信号S5,S6の組はそれぞれ相補信号であることから、その原信号である前記第一の信号選択ブロック15の出力信号Nが2種類となっている。すなわち、この実施の形態の制御部11bでは、前記第四の実施の形態の制御部11bより少ない種類の前記出力信号Nが生成されるようになっている。
【0220】
コンパレータCP1,CP3,CP5において、制御信号C1,C2,CZによるオートゼロ動作のタイミングは、前記第四の実施の形態と同様である。そして、コンパレータCP2のオートゼロ動作のタイミングは、コンパレータCP1と同様で、コンパレータCP4のオートゼロ動作のタイミングは、コンパレータCP3と同様である。
【0221】
コンパレータCP1,CP3,CP5の動作は、前記第四の実施の形態と同様となる。そして、コンパレータCP2の動作は、コンパレータCP1と同様となり、コンパレータCP4の動作は、コンパレータCP3と同様となる。
【0222】
このように構成されたA/D変換器では、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)オートゼロ動作を行ったコンパレータの出力信号は、オートゼロ動作後制御信号CFの2周期の間、同一の基準電圧で比較動作を行っている別のコンパレータの出力信号に切り換えられるので、オートゼロ動作直後にコンパレータから出力される無効データ及び不確定データのエンコーダ12への出力を阻止することができる。
【0223】
(2)オートゼロ動作直後のコンパレータから出力される無効データ及び不確定データのエンコーダ12への出力を阻止することができるので、エラーレートの改善を図ることができるとともに、各制御信号CFの高周波数化によるA/D変換速度の高速化に有利である。
【0224】
(3)5つのコンパレータCP1〜CP5のうち、安定した比較状態にある3つのコンパレータの出力信号を選択してエンコーダ12に入力するので、選択されない2つのコンパレータでオートゼロ動作を行わせたり、比較状態でありながら、無効データ及び不確定データを出力している状態とすることができる。
【0225】
(4)従って、各コンパレータCP1〜CP5で順次オートゼロ動作を行っても、オートゼロ動作中のコンパレータ及び無効データ及び不確定データを出力しているコンパレータを除いた3つのコンパレータを確実に選択することができるので、前記第一の実施の形態に比して各制御信号CFの高周波数化によるA/D変換速度の高速化においてさらに有利である。
【0226】
(5)本実施の形態では、オートゼロ動作1回につき行なう比較動作の最多回数が第一実施の形態に比べて少なくてよい。従って、コンパレータの容量に蓄えられた電荷が変化してしまうことは低減される。その結果、比較動作の精度が向上され、さらにエラーレートの改善を図ることができる。
(6)制御部11bは、2種類の出力信号Nを生成できればよいため、前記第四の実施の形態の制御部11bより例えば第一の信号選択ブロック15の数等を少なくすることができる。また、制御部11bは、制御信号C1,C2,CZをそれぞれ3種類生成できればよいため、前記第四の実施の形態の制御部11bより例えば制御信号C1,C2を生成する信号生成回路(図21参照)の数等を少なくすることができる。従って、回路規模の縮小化を図ることができるとともに、低消費電力化を図ることができる。
【0227】
上記各実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・第八の実施の形態で記載したように、前記制御部11を、A/D変換器に備えられる多数のコンパレータのうち、少なくとも2つのコンパレータに同様の動作を行なわせるように適宜変更してもよい。例えば、前記第七の実施の形態において、コンパレータCP2,CP3の動作をコンパレータCP1の動作と同様とし、コンパレータCP5,CP6の動作をコンパレータCP4の動作と同様としてもよい。このようにすれば、第七の実施の形態に記載の効果と同様の効果を得ることができるとともに、制御信号S1〜S6の原信号である出力信号Nを2種類とすることができる。従って、回路規模の縮小化を図ることができるとともに、低消費電力化を図ることができる。
【0228】
・前記各実施の形態において、各コンパレータの制御信号CZに基づいて出力ラッチ回路への制御信号CFの入力を停止することにより、オートゼロ動作時の出力ラッチ回路の動作を停止させるようにしてもよい。このようにすれば、オートゼロ動作時の出力ラッチ回路の無用なラッチ動作を停止させて、出力ラッチ回路の消費電力を低減することができる。
【0229】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明はエラーレートの改善を図りながら、動作速度を向上させ得るIAZ方式のA/D変換器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理説明図である。
【図2】 第一の実施の形態を示す回路図である。
【図3】 チョッパ型コンパレータを示す回路図である。
【図4】 第一の実施の形態の動作を示すタイミング波形図である。
【図5】 第二の実施の形態の動作を示すタイミング波形図である。
【図6】 第四の実施の形態を示す回路図である。
【図7】 第四の実施の形態の動作を示すタイミング波形図である。
【図8】 第五の実施の形態の動作を示すタイミング波形図である。
【図9】 第六の実施の形態の動作を示すタイミング波形図である。
【図10】第七の実施の形態を示す回路図である。
【図11】第七の実施の形態の動作を示すタイミング波形図である。
【図12】第一の実施の形態の制御部を示すブロック図である。
【図13】第三の論理ブロックを示す回路図である。
【図14】第一の論理ブロックを示す回路図である。
【図15】第二の論理ブロックを示す回路図である。
【図16】第一の信号選択ブロックを示す回路図である。
【図17】第二の信号選択ブロックを示す回路図である。
【図18】信号生成回路を示すブロック図である。
【図19】信号生成回路を示す回路図である。
【図20】第四の論理ブロックを示す回路図である。
【図21】信号生成回路を示す回路図である。
【図22】図12に示す制御部の動作を示すタイミング波形図である。
【図23】第四の実施の形態の制御部を示すブロック図である。
【図24】図23に示す制御部の動作を示すタイミング波形図である。
【図25】第八の実施の形態の動作を示すタイミング波形図である。
【図26】従来例を示す回路図である。
【図27】従来例のチョッパ型コンパレータを示す回路図である。
【図28】従来例のチョッパ型コンパレータの動作を示すタイミング波形図である。
【図29】従来例のチョッパ型コンパレータの動作を示すタイミング波形図である。
【符号の説明】
11 制御部
12 エンコーダ
VR 基準電圧
Vin アナログ入力信号
CP コンパレータ
Q 出力信号
S 信号選択部
Claims (10)
- 複数のチョッパ型コンパレータと、
前記複数のチョッパ型コンパレータのうち同じ基準電圧が供給される第1及び第2のチョッパ型コンパレータについて、前記第1のチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作の直前又は直後の出力信号を前記第2のチョッパ型コンパレータに切り換える信号選択部とを含み、
オートゼロ動作を行っていない第2のチョッパ型コンパレータの出力信号からオートゼロ動作を行った第1のチョッパ型コンパレータの出力信号に切り換える場合にはその切り換えを該第1のチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作の終了より一定期間後に行い、
オートゼロ動作を行う第1のチョッパ型コンパレータの出力信号からオートゼロ動作を行わない第2のチョッパ型コンパレータの出力信号に切り換える場合にはその切り換えを該第1のチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作の開始より一定期間早く行うようにした、ことを特徴とするA/D変換器。 - 複数のチョッパ型のコンパレータと、
前記複数のコンパレータにおける第1のチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作の直前及び直後の出力信号を、前記第1のチョッパ型コンパレータと異なるチョッパ型コンパレータの出力信号に切り換える信号選択部とを含み、
前記異なるチョッパ型コンパレータの前記出力信号は、前記第1のチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作の直前及び直後の基準電圧と同じ基準電圧による比較動作に基づく出力信号であることを特徴とするA/D変換器。 - 前記前記信号選択部は、第1のチョッパ型コンパレータの前記出力信号を一定期間、前記異なるチョッパ型コンパレータの前記出力信号に切り換えることを特徴とする請求項2記載のA/D変換器。
- 前記複数のチョッパ型コンパレータは、1回のオートゼロ動作に続いて複数回の比較動作を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のA/D変換器。
- 前記複数のチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作を順次行うよう制御する制御部を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のA/D変換器。
- 前記制御部は、前記複数のチョッパ型コンパレータの比較動作の基準電圧を設定する制御を行うことを特徴とする請求項5記載のA/D変換器。
- 前記複数のチョッパ型コンパレータにおいて、少なくとも2つのチョッパ型コンパレータのオートゼロ動作と、該オートゼロ動作に続く比較動作とが同時に行われることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のA/D変換器。
- 前記チョッパ型コンパレータの数は、nビットのデジタル信号を生成するために必要な(2 n −1)個に1個加えた数としたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のA/D変換器。
- 前記チョッパ型コンパレータの数は、nビットのデジタル信号を生成するために必要な(2 n −1)個に2個以上加えた数としたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のA/D変換器。
- 前記複数のチョッパ型コンパレータは、オートゼロ動作時に、出力ラッチ回路の信号取り込み動作及びラッチ動作を停止することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のA/D変換器。
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