JP3992693B2 - 加温具 - Google Patents

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    • A61F2007/0062Heating or cooling appliances for medical or therapeutic treatment of the human body with an open fluid circuit of gas the gas being steam or water vapour

Description

本発明は、空気中の酸素と被酸化性金属との酸化反応に伴う発熱を利用した加温具に関する。
空気中の酸素と被酸化性金属粉体との酸化反応に伴う発熱を利用した加温具に関する従来技術として、例えば、特許文献1に記載の加温具が知られている。
この加温具は、頭部に沿って配されるキャップ状の基材シートに、通気性を有する扁平袋体に発熱粉体が収容された発熱体が、複数取り付けられたものである。
ところで、この加温具は、発熱粉体の固化に伴って発熱体に柔軟性が失われてくるとゴツゴツした肌触りとなっていた。このため、肌触りや身体への装着性に優れ、種々の用途に適用できる加温具が望まれていた。
特開2003−332号公報
従って、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、肌触りや身体への装着性が良好で、種々の用途に適用することができる新規な加温具を提供することを目的とする。
本発明は、水蒸気発生能を有する発熱体と、該発熱体を収容する通気性の収容体とからなる発熱性本体を備え、対象物に当接させて使用する加温具であって、前記発熱体が被酸化性金属、保水剤、繊維状物、電解質及び水を含む抄造シートである発熱シートから構成されているとともに下記ただし書により求まる前記発熱体の水蒸気発生量が、1.0〜100mg/(cm 2 ・10min)であり、前記発熱性本体が前記発熱体の発熱に伴って発生する水蒸気により体積膨張率が1.5〜10000倍に膨張するように設けられ、前記対象物への密着性を備える加温具を提供することにより、前記目的を達成したものである。
ただし、容積4.2リットル、湿度1RH%以下とし、密閉系内に5.0リットル/minの乾燥空気を供給可能な試験機を準備し、その内部に水蒸気が蒸散可能なように前記発熱シートを静置して発熱させ、前記密閉系内に排出される空気の湿度を湿度計で想定し、下記式(1)を用いて発熱開始後に発生する水蒸気量を求め、単位時間当たりの水蒸気量とし、10分間の累積値を蒸気発生量として求め、単位面積当たりに換算する。ここで、eは水蒸気圧(Pa)、esは飽和水蒸気圧(Pa:JIS Z8806より引用)、
Tは温度(℃:乾球温度)、sはサンプリング周期(秒)である。
相対湿度U(%RH)=(e/es)×100
絶対湿度D(g/m 3 )=(0.794×10 -2 ×e)/(1+0.00366T)
=(0.794×10 -2 ×U×es)/〔100×(1+0.00366T)〕
単位空気容積P(リットル)=(2.1×s)/60
単位時間当たりの水蒸気量A(g)=(P×D)/1000・・・(1)
また、本発明は、水蒸気発生能を有する発熱体と、該発熱体を収容する通気性の収容体とからなる発熱性本体を備えた加温具であって、前記発熱性本体における前記発熱体の発熱に伴って発生する水蒸気の発生量が、1.0〜100mg/(cm2・10min)である加温具を提供することにより、前記目的を達成したものである。
本発明によれば、肌触りや身体への装着性が良好で、種々の用途に適用することができる新規な加温具が提供される。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1〜図4は、本発明の加温具の一実施形態を示すものである。これらの図において符号1は加温具を示している。
図1に示すように、加温具1は、水蒸気発生能を有する発熱体2と、発熱体2を収容する通気性の収容体3とからなる発熱性本体4を備えている。発熱性本体4は、後述するように発熱体2の発熱に伴って発生する水蒸気により膨張するように設けることができる。
本実施形態の加温具1は、体の一部を挿入するための挿入部5を有している。また、加温具1では、挿入部形成材6が発熱性本体4の上面に接合され、挿入口50を有する挿入部5が発熱性本体4の外側に形成されている。
本発明の加温具は、発熱到達温度が30〜100℃であることが好ましく、35〜60℃であることがより好ましい。ここで、発熱到達温度は、加温具を、例えば、容積4.2リットル、相対湿度1%以下の環境下で密封系内に5.0リットル/minの乾燥空気を供給可能な試験機を準備し、その内部に加温具を静置して発熱させたときの加温具下側の温度を熱電対で測定した値である。加温具の発熱到達温度は、急激な発熱が必要な場合や比較的低温で長時間の持続が必要な場合等、商品用途に応じ、後述の配合組成・シート構成の組み合わせにより任意に設計ができる。
本発明の加温具は、発熱体の単位面積あたり10分間に発生する水蒸気量が、1〜100mg/(cm2・10min)であることが好ましく、5.0〜50.0mg/(cm2・10min)であることがより好ましい。該水蒸気発生量は発生した水蒸気により変化した湿度を測定することにより求められる。水蒸気発生量は、発熱到達時間と同様に商品用途によって急激な発熱が必要な場合や比較的低温で長時間の持続が必要な場合等商品の用途に応じ、後述の配合組成・シート構成の組み合わせにより任意に設計ができる。
加温具1は、全体の厚みが0.1〜10mm、特に0.3〜5.0mmであることが好ましい。加温具1の厚みをこのような範囲とすることで、携帯性に優れるほか、柔らかく、フレキシブル性に富むことにより、使い勝手、使用感が非常に優れる。加温具に発熱体2の発熱に伴って発生する水蒸気により膨張性を付与する場合には、使用時に発熱膨張により挿入部内部に心地よい圧迫感を与えることができる。
本発明の加温具に、発熱体の発熱に伴って発生する水蒸気により膨張性を付与する場合には、加温具(本実施形態では発熱性本体)の体積膨張倍率は、加温具の用途によって好ましい範囲が異なるが、肌触りがよく、肌への適度な圧迫感(密着感)を備えたものとする点から、1.5〜10000倍、更には3〜7000倍程度が好ましい。ここで、体積膨張倍率は、例えば、以下のようにして測定することができる。即ち、超微粒子発泡ビーズ(以下単に発泡ビーズという。)を一定容量の容器(例えば、一辺が30cmの立方体の上面が開いているもの。)に充填する。その後、発熱前後の加温具(本実施形態では発熱性本体)のサンプルを該容器に入れ、隙間無く前記発泡ビーズを充填する。そして、該サンプルを入れることにより前記容器に入りきらない発泡ビーズの重量を測定し、その密度で除することにより、発熱前後のサンプルの体積を算出する。このようにして発熱前後の該サンプルの体積を算出した後、発熱後の該サンプルの体積を発熱前の該サンプルの体積で除することによって、その体積膨張倍率を算出する。ここで、前記密度は、前記容器に充填した前記発泡ビーズの重量を該容器の体積で除することにより求められるものである。簡便な方法としては、水を所定量充填した容器の中に発熱前後の加温具(本実施形態では発熱性本体)のサンプルを該容器に入れ、該体積変化から求めることもできる。
本発明の加温具において、前記発熱性本体を膨張させるためには、透湿度を好ましくは1.5〜10kg/(m2・24h)、より好ましくは2〜8kg/(m2・24h)とし、且つ透気度を好ましくは10〜5000秒/100ml、より好ましくは30〜1000秒/100mlとする。ここで、発熱性本体の透湿度は、JIS Z208に準じて測定される値である。また、透気度は、特にことわらない場合は王研式透気度をいい、面積645mm2を空気100mlが通過する時間により測定される値である。
本実施形態の加温具1では、発熱体2は、被酸化性金属、保水剤及び繊維状物及び水を含む抄造シート(以下、後述する電解質成分ならびに水分が含まれていない場合を発熱中間シート、電解質成分ならびに水分を含有する場合を発熱シートという。)20から構成されている。本実施形態の加温具1では、発熱体2は、発熱シート20が2枚積層されて形成されている(図2参照)。
発熱中間シート20は、前記繊維状物以外の成分を50重量%以上含んでいることが好ましく、70重量%以上含んでいることがより好ましく、80重量%以上含んでいることがさらに好ましい。繊維状物以外の成分が50重量%以上であると、発熱温度が人の指先等で触って熱く感じる程度以上に上昇する。繊維状物以外の成分は多い程好ましいが、発熱中間シート20の加工性を維持するのに必要な強度を得る点から、その上限は、98重量%である。ここで、繊維状物以外の成分は、以下のように測定される。
前記発熱中間シート20中の繊維状物以外の成分は、原料組成物中の固形分重量、組成並びに発熱中間シート20の乾燥重量より以下の式から求められる。
原料組成物固形分の重量:Ms
原料組成物固形分中繊維状物の含有率:a(%)
発熱中間シートの乾燥重量:Mh
発熱中間シート中の繊維状物以外の成分の含有率:b
b=(Mh/Ms)×(100−a)
前記被酸化性金属には、従来からこの種の発熱成形体に通常用いられている被酸化性金属を特に制限無く用いることができる。該被酸化性金属の形態は、取り扱い性、成形性等の観点から粉体、繊維状の形態を有するものを用いることが好ましい。
粉体の形態を有する被酸化性金属としては、例えば、鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉、マンガン粉、マグネシウム粉、カルシウム粉等が挙げられ、これらの中でも取り扱い性、安全性、製造コストの点から鉄粉が好ましく用いられる。該被酸化性金属には、後述の繊維状物への定着性、反応のコントロールが良好なことから粒径(以下、粒径というときには、粉体の形態における最大長さ、又は動的光散乱法、レーザー回折法等により測定される平均粒径をいう。)が0.1〜300μmのものを用いることが好ましく、粒径が0.1〜150μmのものを50重量%以上含有するものを用いることがより好ましい。
また、繊維状の形態を有する被酸化性金属としては、スチール繊維、アルミ繊維、マグネシウム繊維等が挙げられる。これらのなかでも取り扱い性、安全性、製造コストの点からスチール繊維、アルミ繊維等が好ましく用いられる。繊維状の形態を有する被酸化性金属は、成形性や得られるシートの機械的強度、表面の平滑性、発熱性能の点から繊維長0.1〜50mm、太さ1〜1000μmのものを用いることが好ましい。
発熱中間シート20中の前記被酸化性金属の配合量は、10〜95重量%であることが好ましく、30〜80重量%であることがより好ましい。該配合量が10重量%以上であると、発熱シート20の発熱温度が、人が指先等で触って熱く感じる程度以上に上昇する。また、発熱シートを成形する後述の繊維状物、接着成分が多くならないため、硬くならずに使用感に優れる。該配合量が95重量%以下であると、発熱シート20の表面における被酸化性金属等の酸化皮膜の形成が抑えられて通気性が損なわれることがない。その結果シートの内部まで反応が起こりやすくなって発熱温度が上昇する。また、酸化反応による被酸化性金属の膨張・凝結よって硬くなりすぎず、発熱時間も保たれる。また、保水剤による水分供給も十分であり、被酸化性金属の脱落も抑えられる。また、発熱シート20を形成する後述の繊維状物、接着成分(凝集剤等)が少なくならず、曲げ強度や引張強度等の機械的強度も保たれる。ここで、発熱シート20中の被酸化性金属の配合量は、JIS P8128に準じる灰分試験や熱重量測定器で求めることができる。例えば、鉄の場合は外部磁場を印加すると磁化が生じる性質を利用して振動試料型磁化測定試験等により定量することができる。
前記保水剤には、従来から発熱成形体に通常用いられている保水剤を特に制限無く用いることができる。該保水剤は、水分保持剤として働く他に、被酸化性金属への酸素保持/供給剤としての機能も有している。該保水剤としては、例えば、活性炭(椰子殻炭、木炭粉、暦青炭、泥炭、亜炭)、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、ゼオライト、パーライト、バーミキュライト、シリカ、カンクリナイト、フローライト等が挙げられ、これらの中でも保水能、酸素供給能、触媒能を有する点から活性炭が好ましく用いられる。該保水剤には、被酸化性金属との有効な接触状態を形成できる点から粒径が0.1〜500μmの粉体状のものを用いることが好ましく、0.1〜200μmのものを50重量%以上含有するものを用いることがより好ましい。保水剤には、上述のような粉体状以外の形態のものを用いることもでき、例えば、活性炭繊維等の繊維状の形態のものを用いることもできる。
発熱中間シート20中の前記保水剤の配合量は、0.5〜60重量%であることが好ましく、1〜50重量%であることがより好ましい。該配合量が0.5重量%以上であると、被酸化性金属が酸化反応により人体温度以上に温度上昇する程度に反応を持続させるために必要な水分を発熱シート20中に蓄積できる。また、発熱シート20の通気性も損なわれないため、酸素供給が良好で発熱効率に優れる。該配合量が60重量%以下であると、得られる発熱量に対する発熱シート20の熱容量も大きくならず、人が温かいと体感できる発熱温度上昇が得られる。また、保水剤等の成分の脱落の発生も抑えられる。また、発熱シート20を成形する後述の繊維状物、接着成分が少なくならず、曲げ強度や引張強度等の機械的強度も保たれる。
前記繊維状物としては、例えば、天然繊維状物としては植物繊維(コットン、カボック、木材パルプ、非木材パルプ、落花生たんぱく繊維、とうもろこしたんぱく繊維、大豆たんぱく繊維、マンナン繊維、ゴム繊維、麻、マニラ麻、サイザル麻、ニュージーランド麻、羅布麻、椰子、いぐさ、麦わら等)、動物繊維(羊毛、やぎ毛、モヘア、カシミア、アルカパ、アンゴラ、キャメル、ビキューナ、シルク、羽毛、ダウン、フェザー、アルギン繊維、キチン繊維、ガゼイン繊維等)、鉱物繊維(石綿等)が挙げられ、合成繊維状物としては、例えば、半合成繊維(アセテート、トリアセテート、酸化アセテート、プロミックス、塩化ゴム、塩酸ゴム等)、金属繊維、炭素繊維、ガラス繊維等が挙げられる。また、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、デンプン、ポリビニルアルコール若しくはポリ酢酸ビニル又はこれらの共重合体若しくは変性体等の単繊維、又はこれらの樹脂成分を鞘部に有する芯鞘構造の複合繊維を用いることができる。そしてこれらの中でも、繊維どうしの接着強度が高く、繊維どうしの融着による三次元の網目構造を作り易すく、パルプ繊維の発火点よりも融点が低い点からポリオレフィン、変性ポリエステルが好ましく用いられる。また、枝分かれを有するポリオレフィン等の合成繊維も前記被酸化性金属や保水剤等の材との定着性が良好なことから好ましく用いられる。これらの繊維は、単独で又は二以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの繊維は、その回収再利用品を用いることもできる。そして、これらの中でも、前記被酸化性金属や前記保水剤等の成分の定着性、得られる成形シートの柔軟性、空隙の存在からくる酸素透過性、製造コスト等の点から、木材パルプ、コットンが好ましく用いられる。
前記繊維状物は、そのCSF(Canadian Standard Freeness)が、600ml以下であることが好ましく、450ml以下であることがより好ましい。600ml以下であると繊維状物と前記被酸化性金属や保水剤等の成分との定着率が良好であり、所定の配合量を保持できて得られる加温具が発熱性能に優れるものとなる。また、均一な厚みのシートが得られる等、成形性も良好となる。また、繊維状物と該成分との定着が良好であるため、該成分の脱落、該成分と該繊維状物との絡み合い、水素結合に由来する結合強度が得られる。このため、曲げ強度や引張強度等の機械的強度が得られ、加工性も良好となる。
前記繊維状物のCSFは、低い程好ましいが、通常のパルプ繊維のみの抄紙では、繊維状物以外の成分比率が低い場合、CSFが100ml未満であると濾水性が非常に悪く、脱水が困難となって均一な厚みの発熱シートが得られなかったり、乾燥時にブリスター破れが生じたりする等の成形不良となったりする。本発明においては、繊維状物以外の成分比率が高いことから、濾水性も良好で均一な厚みの発熱シートを得ることができる。また、CSFが低い程、フィブリルが多くなるため、繊維状物と該繊維状物以外の成分との定着性が良好となり、高いシート強度を得ることができる。
繊維状物のCSFの調整は、叩解処理などによって行うことができる。CSFの低い繊維と高い繊維とを混ぜ合わせ、CSFの調整を行っても良い。
前記繊維状物は、その表面電荷がマイナス(負)であることが好ましい。表面電荷がマイナスに強く帯電するに従い、繊維状物への被酸化性金属や保水剤等の粉体成分の定着性が良好であり、粉体の保持性が高くなり、得られる抄造成形体の発熱特性がより高められる。また、湿式抄紙工程における排水に被酸化性金属や保水剤等の粉体成分が多量に混じることが抑えられ、生産性や環境保全に悪影響を及ぼすことがない。ここで、繊維状物の電荷量は、コロイド滴定により測定される。荷電粒子界面と溶液間のずり面における見掛けの電位であるゼータ電位においても同様である。ゼータ電位は、流動電位法や電気泳動法等により測定される。
該繊維状物には、平均繊維長が0.1〜50mmのものを用いることが好ましく、0.2〜20mmのものを用いることがより好ましい。平均繊維長が斯かる範囲であると、得られる発熱シート20の十分な曲げ強度や引張強度等の機械的強度が得られる。また、繊維層が密に形成され過ぎず、発熱シート20の通気性が損なわれないため、酸素供給が良好となって発熱性に優れる。また、発熱シート20中に該繊維状物が均一に分散し、一様な機械的強度が得られる。また、均一な肉厚の発熱シート20が得られ、繊維間隔が広くなりすぎず、繊維による前記被酸化性金属や保水剤等の成分の保持能力が得られるため、該成分の脱落が抑えられる。
発熱中間シート20中の前記繊維状物の配合量は、2〜50重量%であることが好ましく、5〜40重量%であることがより好ましい。該配合量が2重量%以上であると、前記被酸化性金属や保水剤等の成分の脱落防止効果が得られる。また、発熱シート20も柔軟なものとなる。該配合量が50重量%以下であると、発熱成形体の発熱量に対する熱容量も大きくならず、十分な温度上昇が得られる。また、得られる発熱シート20中の該成分の比率が低くならず、所望の発熱性能が得られる。
ここで、各成分の組成比は、例えば熱重量測定装置により繊維状物の含有量と被酸化性物質の含有量を求め、総量からの引き算により保水剤の含有量を求めることができる。
発熱シート20には、後述するように凝集剤が添加されていてもよい。
また、発熱シート20には、必要に応じ、サイズ剤、着色剤、紙力増強剤、歩留向上剤、填料、増粘剤、pHコントロール剤、嵩高剤等の抄紙の際に通常用いられる添加物を特に制限無く添加することができる。該添加物の添加量は、添加する添加物に応じて適宜設定することができる。
発熱シート20には電解質が含まれていることが好ましい。
前記電解質には、従来からこの種の発熱成形体に通常用いられている電解質を特に制限なく用いることができる。該電解質としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属若しくは重金属の硫酸塩、炭酸塩、塩化物又は水酸化物等が挙げられる。そしてこれらの中でも、導電性、化学的安定性、生産コストに優れる点から塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化鉄(第1、第2)等の各種塩化物が好ましく用いられる。これらの電解質は、単独で又は二以上を組み合わせて用いることもできる。
発熱シート20中の前記電解質の配合量は、発熱シート20中の水重量比で0.5〜30重量%であることが好ましく、1〜25重量%であることがより好ましい。該配合量が0.5重量%以上であると、得られる発熱シート20の酸化反応が十分に進行する。また、発熱機能に必要な電解質を確保するための発熱シート20中の水分比率も高くならない。その結果、発熱シート20の熱容量が大きくならず、十分な発熱温度上昇が得られる。該配合量が30重量%以下であると余分な電解質が析出せず、発熱シート20の通気性が損なわれない。また、発熱機能に必要な電解質を確保するための発熱シート20中の水分比率が低くならず、十分な水を被酸化性金属等に供給できるほか、発熱シート20に均一に電解質を供給することができるため、発熱性能に優れるものとなる。
発熱シート20は、含水率(重量含水率、以下同じ。)が10〜80%であることが好ましく、20〜60%であることがより好ましい。該含水率が10%以上であると酸化反応を持続するために必要な水分を確保でき、酸化反応が十分に進行する。また、発熱シート20に均一に水分を供給することができるため、均一な発熱性能を得ることができる。該含水率が80%以下であると発熱シート20の発熱量に対する熱容量が大きくならず、発熱温度が十分に上昇する。また、発熱シート20の通気性が損なわれないため、発熱性能に優れ、十分な保形性や機械的強度が得られる。
発熱中間シート20は、その1枚の厚みが0.08〜1.2mmであることが好ましく、0.1〜0.6mmであることがより好ましい。該厚みが0.08mm以上であると、発熱性能、機械的強度に優れ、前記被酸化性金属や保水剤等の成分の定着率も良好であり、安定した均一の肉厚、組成分布をえることができる。ピンホールの発生等によるシートの破壊等が発生し辛く、生産性及び加工性に支障を来すことがない。該厚みが1.2mm以内であると、シートの折曲強度の低下も抑えられる。また、脆性破壊を起こし難く、柔らかく、身体に違和感なく装着できる。また、生産性においても、紙層形成時間や乾燥時間を短くできて、操業性に優れる。また、発熱性能も良好である。また、割れや折れも起こり難いため加工性に優れる。ここで、発熱中間シートの厚みは、デジマチックインジケーター((株)ミツトヨ、IDF−112、加圧力1.28N、デジマチックは登録商標)を用いて5点以上厚みを測定し、平均値を求めることによって測定することができる。
発熱中間シート20は、その1枚の坪量が10〜1500g/m2であることが好ましく、50〜900g/m2であることがより好ましい。該坪量が10g/m2以上であると被酸化性金属等の中でも比重の大きなものを使用する場合等において、特に安定したシートを形成することができる。該坪量が1500g/m2以内であると重量感がなく、使用感も良好である。また、生産性や操業性等も良好となる。
発熱中間シート20は、その裂断長が100〜4000mであることが好ましく、200〜3000mであることがより好ましい。該裂断長が100m以上であると、操業時にシートの破断や切断が生じることがなく安定的にシートを形成できる。また、加工時にも同様の理由によって製品加工が良好に行える。また、使用時においても、適度に腰があって、使用感に優れる。該裂断長が4000m以内であると、発熱中間シート20を形成する繊維状物、接着成分が多くなりすぎず、柔軟で、発熱性能に優れるものとなる。ここで、裂断長は、発熱中間シート20から長さ150mm×幅15mmの試験片を切り出した後、JIS P8113に準じ、該試験片をチャック間隔100mmで引っ張り試験機に装着し、引っ張り速度20mm/minで引っ張り試験を行い、下記計算式により算出される値である。
裂断長〔m〕=(1/9.8)×(引張強さ〔N/m〕)×106/(試験片坪量〔g/m2〕)
発熱シート20は、発熱到達温度が30〜100℃であることが好ましく、35〜90℃であることがより好ましい。ここで、発熱到達温度は、発熱シートから50mm×50mmの試験片を切り出した後、該発熱シートにJIS Z208で測定される透湿度が5kg/(m2・24h)の透湿シートと不透湿シートとを両側に袋状に貼り合わせて包装した後、容積4.2リットル、相対湿度1%以下の環境下で密封系内に5.0リットル/minの乾燥空気を供給可能な試験機を準備し、その内部に前記透湿シート側を上面として静置して発熱させたときの発熱シート下側の温度を熱電対で測定した値である。発熱シート20の発熱到達温度は、急激な発熱が必要な場合や比較的低温で長時間の持続が必要な場合等加温具の用途に応じて前述の配合組成の組み合わせにより任意に設計ができる。
発熱シート20は、単位面積あたり10分間に発生する水蒸気量が、1〜100mg/(cm2・10min)であることが好ましく、1.0〜50mg/(cm2・10min)であることがより好ましい。ここで、該水蒸気量は、以下のように測定される。
容積4.2リットル、湿度1RH%以下とし、密閉系内に5.0リットル/minの乾燥空気を供給可能な試験機を準備し、その内部に水蒸気が蒸散可能なようにシートを静置して発熱させる。そして、前記密閉系内に排出される空気の湿度を湿度計で想定し、下記式(1)を用いて発熱開始後に発生する水蒸気量を求め、単位時間当たりの水蒸気量とした。そして、10分間の累積値を蒸気発生量として求め、単位面積当たりに換算した。ここで、eは水蒸気圧(Pa)、esは飽和水蒸気圧(Pa:JIS Z8806より引用)、Tは温度(℃:乾球温度)、sはサンプリング周期(秒)である。
相対湿度U(%RH)=(e/es)×100
絶対湿度D(g/m3)=(0.794×10-2×e)/(1+0.00366T)
=(0.794×10-2×U×es)/〔100×(1+0.00366T)〕
単位空気容積P(リットル)=(2.1×s)/60
単位時間当たりの水蒸気量A(g)=(P×D)/1000 ・・・(1)
前記水蒸気量は、発熱到達時間と同様に商品用途によって急激な発熱が必要な場合や比較的低温で長時間の持続が必要な商品等、前述の配合組成の組み合わせにより任意に設計ができる。
図1に示すように、収容体3は、発熱体2を封止するように周縁部が所定幅の接合部30で接合されている。本実施形態では、接合部30はヒートシールによって形成されている。
収容体3は、透湿度が0.4〜10kg/(m2・24h)であることが好ましい。斯かる範囲の透湿度と、発熱シート20の前記水蒸気発生量との組み合わせによって、肌触りや身体への装着性に優れ、種々の特性を有する加温具を得ることができる。
例えば、包装を開け、発熱体2の発熱反応が始まると、熱と水蒸気が徐々に発生し、ほとんど膨張せずに長時間に亘ってその温熱効果が持続し、身体への装着性に優れるようにする場合には、収容体3の透湿度は0.4〜1.5kg/(m2・24h)とすることが好ましい。
また、包装を開けると即座に熱と水蒸気が発生し、遅滞無く膨張も開始され、肌触りや肌への密着性がよく、温感と湿感とを実感できるようにする場合には、収容体3の透湿度は1.5〜10kg/(m2・24h)、特に2.0〜8.0kg/(m2・24h)とすることが好ましい。
さらに、包装を開けると即座に熱と水蒸気が発生するが、ほとんど膨張せずに温感と湿感とを実感でき、身体への装着性に優れるようにする場合には、透湿度が1.5〜10g/(m2・24h)において、該シートの透気度が30秒/100ml以下、特に10秒/100ml以下とすることが好ましい。
収容体3は、全面が通気性を有していてもよく、部分的に通気性を有していてもよい。
図2に示すように、本実施形態の加温具1において、収容体3は、発熱体2の上側に通気性シート31が配されており、発熱体2の下側に非通気性シート32が配されている。本実施形態の加温具1では、通気性シート31が発熱体2の前記挿入部5側に配されており、挿入部5内に水蒸気が蒸散されるように設けられている。このように挿入部5内に水蒸気が蒸散されるように設けることにより、加温に加えて挿入部5内における加湿機能が得られ、後述するように各種の機能剤と組み合わせたときの当該機能剤の高い浸透効果等が得られる。
本実施形態の加温具1では、収容体3は、発熱体2の上側に三層構造を有し、下側に四層構造を有している。即ち、後述するように二層の通気性シート31が配されるとともに通気性シート31の上に表面材33が配された三層構造を有し、二層の非通気性シート32の下に加飾材34及び表面材35が配された四層構造を有している。
通気性シート31は、収容体3に求められる前記透湿度及び前記透気度に合わせてその透湿度及び透気度を設定することができる。
通気性シート31は、坪量が10〜200g/m2、特に20〜100g/m2であることが好ましい。通気性シート31の坪量がこのような範囲であると、薄くてフレキシブルで非常に感触が良く、発熱体の柔らかさを損なわないものとなる。
通気性シート31としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂からなるシートに機械的に孔を形成させたもの、前記樹脂と酸化チタン等の無機フィラーとの混合シートを延伸により界面剥離させ微孔を設けたもの、発泡成形による連続起泡を利用し微孔を連通させたもの等が挙げられる。また、ポリオレフィン等の合成パルプ、木材パルプ、非木材パルプ、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維等から形成された不織布、織布、合成紙、紙等も挙げられる。通気性シート31は一層のみでもよいが、複数枚を重ねて用いることにより、発熱シートの色合いの隠蔽性付与、脱落粉末の表面析出防止等の効果を与えることができる。
非通気性シート32は、非通気性を有するシートであれば特に制限はないが、透湿度が10g/(m2・24h)以下、特に1.0g/(m2・24h)以下であることが好ましい。透湿度がこのような範囲にあると、蒸気を選択的に通気性シート31側から放出させることができるとともに、非通気シート32側は優先的に熱のみを供給できるようになる。
非通気性シート32は、坪量が10〜200g/m2、特に20〜100g/m2であることが好ましい。非通気性シート32の坪量がこのような範囲であると、薄くてフレキシブルで非常に感触が良く、発熱体の柔らかさを損なわないものができる。
非通気性シート32としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂からなるシートが挙げられ、特に発熱体の隠蔽性が必要とされる場合は、前記樹脂中に酸化チタン等の無機フィラーを配合したシートが用いられる。本実施形態の加温具1では、非通気性シート32は2枚重ねているが、一枚のみ、又は3枚以上重ねることもできる。
加温具1は、通気性シート31の表面(上面)に表面材33が、非通気性シート32の表面(下面)に表面材35が配されている。このような表面材34を配することで前記挿入部5内に手を挿入したときの肌触りを良好にすることができるほか、熱の伝導を緩和しやわらかな温感を与えるとともに、表面材に皮膚の洗浄剤、家具・家屋の洗浄剤などの薬剤成分、保湿剤・しわ取り剤等の薬効成分もしくは熱可溶性のゲル成分・ゾル成分、熱揮発性の芳香成分等を担時させることにより様々な効果・効能を持たせることができる。
表面材33、35は、風合いがよくフレキシブル性を有する材であれば特に制限はないが、表面材厚みが0.1〜2.0mm、特に0.2〜1.0mmであることが好ましい。表面材厚みがこのような範囲にあると発熱体の熱が表面材により緩和され、やわらかな温感を与えることができる。
表面材33、35は、坪量が5.0〜200.0g/m2、特に10.0〜100.0g/m2であることが好ましい。表面材の坪量が5.0g/m2より小さいと、強度が弱く破れやすいものとなってしまう場合がある。また、坪量が200.0g/m2を越えると肌触り等の感触が悪くなってしまったり、表面材が断熱材として働いて熱が伝わらなくなってしまう場合がある。
表面材33、35としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート等の合成繊維、コットン、麻等の植物繊維、ウール、シルク等の動物性繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維等を用いた不織布や織布、和紙・洋紙・合成紙、布、毛織物などの織物材料、皮革材料等が挙げられる。表面材33、35は複数枚を重ねて用いることもできる。
加温具1は、非通気性シート32の表面(下面)に加飾材34が配されている。加飾材34は、加飾性を有し非通気であれば特に制限はないが、透湿度が10g/(m2・24h)以下、特に1.0g/(m2・24h)以下であることが好ましい。透湿度がこのような範囲にあると、発熱に伴う水蒸気の発生方向を規制することができる。これにより、例えば、加温具1のように、酸素が通気性シート31側から供給され、該非通気性シート32側からは水蒸気の発生が抑えることができ、通気性シート側からのみ水蒸気を発生させることができるようになる。
加飾材34は、坪量が10〜200g/m2、特に20〜200g/m2であることが好ましい。加飾材34の坪量がこのような範囲であると、加温具の柔らかさやフレキシブル性を維持しかつ該発熱体の隠蔽性を向上させることができる。
加飾材34としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂からなるシートが挙げられ、特に発熱体の隠蔽性が必要とさせる場合は、前記樹脂中に酸化チタン等の無機フィラーを配合したシートが用いられる。加飾材34は複数枚重ねて用いることもできる。
収容体3は、上記層構成の部材が周縁部においてヒートシールされ、その中に発熱体2(発熱シート20)が封止されている。
発熱性本体4の厚みは0.1〜3.0mm、特に0.3〜2.0mmであることが好ましい。また、発熱性本体4の坪量は100〜9000g/m2、特に200〜4500g/m2であることが好ましい。発熱性本体4の厚み及び坪量をこのような範囲とすることで、薄くて柔軟性に優れ、より装着性の良好な加温具が得られる。
挿入部形成材6は、挿入口50が形成されるようにヒートシールによって前記発熱性本体4に連続的に接合されている。挿入部形成材6は、酸素の供給をスムーズに行うために発熱性本体4と任意の間隔で不連続に接合されていてもよい。
本実施形態の加温具1では、挿入部形成材6は、前記表面材34と同じ表面材で形成されている。このように前記挿入部5を形成する挿入部形成材6に前記表面材34と同じ表面材を用いることで、成形体を発熱・膨張させする場合に、挿入部内部にやわらかな圧迫感を与えることができる。挿入部形成材6は、加温具の用途に応じて他の材、例えば、前記通気性シート、非通気性シート又は加飾材で形成することもできるし、これらのシートと前記表面材とが積層された複合シートで形成することもできる。
加温具1は、例えば、下記のようにして製造される発熱シート20を、図2に示すように収容体3を構成する層間の所定位置に配し、発熱シート20がずれないようにその周辺部やシート自体をヒートシールやバインダーによって固定し、発熱シート20を封止するように各層を接合した後、所定の形状に裁断して発熱性本体4を形成し、さらに挿入部形成材6を接合することによって製造される。挿入部形成材6は、発熱性本体4を形成するときに同時に接合することもできる。
発熱シート20の製造に際しては、先ず、前記被酸化性金属、前記保水剤、前記繊維状物、及び水を含む原料組成物(スラリー)を調製する。
該原料組成物には、前記凝集剤を添加することが好ましい。
該凝集剤としては、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、硫酸第一鉄等の金属塩からなる無機凝集剤;ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、ポリ(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル系、カルボキシメチルセルロースナトリウム系、キトサン系、デンプン系、ポリアミドエピクロヒドリン系等の高分子凝集剤;ジメチルジアリルアンモニウムクロライド系若しくはエチレンイミン系のアルキレンジクロライドとポリアルキレンポリアミンの縮合物、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物等の有機凝結剤;モンモリロナイト、ベントナイト等の粘土鉱物;コロイダルシリカ等の二酸化珪素若しくはその水和物;タルク等の含水ケイ酸マグネシウム等が挙げられる。そして、これら凝集剤の中でもシートの表面性、地合い形成、成形性の向上、被酸化性金属や保水剤等の材の定着率、紙力向上の点からアニオン性のコロイダルシリカやベントナイト等とカチオン性のデンプンやポリアクリルアミド等の併用やアニオン性のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩とカチオン性のポリアミドエピクロルヒドリン系のカチオン性とアニオン性の薬剤の併用が特に好ましい。上述の組み合わせ以外でも、これらの凝集剤は単独で又は二以上を併用することもできる。
前記凝集剤の添加量は、原料組成物の固形分に対して、0.01〜5重量%であることが好ましく、0.05〜1重量%であることがより好ましい。該添加量が斯かる範囲であると、凝集効果が得られ、抄紙時の前記被酸化性金属や保水剤等の成分の脱落が抑えられる。また、原料組成物が均一になり、肉厚及び組成の均一な成形シートを得ることができる。また、乾燥時に乾燥ロールへの貼り付き、破れ、焼け、焦げを発生させることもなく、生産性に悪影響を及ぼすこともない。また、原料組成物の電位バランスが保たれ、抄紙時の白水への該成分の脱落量が抑えられる。また、成形シートの酸化反応が進行せず、脱酸素特性や強度等の保存安定性が得られる。
原料組成物の濃度は、0.05〜10重量%が好ましく、0.1〜2重量%がより好ましい。斯かる濃度であると、大量の水を必要とせず、成形体の成形に時間を要しない。また、原料組成物が均一に分散されるため、得られる成形体の表面性が良好であり、均一な厚みの成形体が得られる。
次に、前記原料組成物を抄紙して前記成形シート(発熱中間シート)を成形する。
前記成形シートの抄紙方法には、例えば、連続抄紙式である円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などを用いた抄紙方法、バッチ方式の抄紙方法である手漉法等が挙げられる。更に、前記原料組成物と、該原料組成物と異なる組成の組成物とを用いた多層抄き合わせによって成形シートを成形することもできる。また、前記原料組成物を抄紙して得られた成形シートどうしを多層に貼り合わせたり、該成形シートに該原料組成物と異なる組成を有する組成物から得られたシート状物を貼り合わせることによって成形シートを成形することもできる。
前記成形シートは、抄紙後における形態を保つ(保形性)点や、機械的強度を維持する点から、含水率(重量含水率、以下同じ。)が70%以下となるまで脱水させることが好ましく、60%以下となるまで脱水させることがより好ましい。抄紙後の成形シートの脱水方法は、例えば、吸引による脱水のほか、加圧空気を吹き付けて脱水する方法、加圧ロールや加圧板で加圧して脱水する方法等が挙げられる。
前記被酸化性金属(通常雰囲気下において加熱反応性を有する)を含有する成形シートを、積極的に乾燥させて水分を分離することにより、製造工程中における被酸化性金属の酸化抑制、長期の保存安定性に優れた成形シートを得ることが可能となる。さらに、乾燥後の前記繊維状物への被酸化性金属の担持力を高めてその脱落を抑える点に加え、熱溶融成分、熱架橋成分の添加による機械的強度の向上が期待できる点から、前記成形シートの抄紙後で前記電解質の電解液を含有させる前に該成形シートを乾燥させることが好ましい。
成形シートは加熱乾燥によって乾燥することが好ましい。この場合、加熱乾燥温度は、60〜300℃であることが好ましく、80〜250℃であることがより好ましい。成形シートの加熱乾燥温度が斯かる範囲であると、乾燥時間が長くならず、水分の乾燥とともに進行する被酸化性金属の酸化反応が抑えられ、発熱シートの発熱性が良好に保たれる。また、発熱シートの表裏層のみ被酸化性金属の酸化反応が促進されて、うす茶色に変色することもない。また、保水剤等の性能劣化を招くこともなく、発熱シートの発熱効果が良好に保たれる。成形シート内部で急激に水分が気化して成形シートの構造が破壊されることもない。
乾燥後における成形シート(発熱中間シート)の含水率は、20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。含水率が20%以下であると長期保存安定性に優れ、例えば巻きロール状態で一時保存しておく場合等該ロールの厚み方向で水分の移動が起こらず、発熱性能、機械的強度に変化を来すことがない。
該成形シートの乾燥方法は、成形シートの厚さ、乾燥前の成形シートの処理方法、乾燥前の含水率、乾燥後の含水率等に応じて適宜選択することができる。該乾燥方法としては、例えば、加熱構造体(発熱体)との接触、加熱空気や蒸気(過熱蒸気)の吹き付け、真空乾燥、電磁波加熱、通電加熱等の乾燥方法が挙げられる。また、前述の脱水方法と組み合わせて同時に実施することもできる。
前記成形シートの成形(脱水、乾燥)は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましいが、上述のように成形シートに酸化助剤となる電解質を含有していないので、必要に応じて通常の空気雰囲気下で成形を行うこともできる。このため、製造設備を簡略化することができる。また、必要に応じて、クレープ処理、スリット加工、トリミングを施したり、加工処理により形態を変更する等の加工を施すこともできる。得られた成形シートは、薄くて破れにくいので、必要に応じ、ロール状に巻き取ることができる。また、成形シートを、単独若しくは重ねて又は紙、布(織布又は不織布)、フィルム等の他のシートと重ねて、加圧したり、さらには加圧しエンボス加工やニードルパンチ加工を行うことにより、複数のシートを積層一体化させたり、凹凸状の賦型や孔あけを行うこともできる。また、前記原料組成物に熱可塑性樹脂成分や熱水溶解成分を含有させることにより、ヒートシール加工を施して貼り合わせ等を行い易くすることもできる。
次に、前記成形シートに前記電解質を含有させる。この電解質を含有させる工程は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましいが、電解質をその電解液の含浸により添加する場合には、添加直後の酸化反応がゆるやかなため、通常の空気雰囲気下で該電解質を含有させることもできる。
前記成形シートに含有させる電解質には、前記発熱シートに用いられる前記電解質を用いることができる。
前記成形シートへ前記電解質を含有させる方法は、抄紙後における当該成形シートの処理方法、含水率、形態等に応じて適宜設定することができる。該電解質を含有させる方法としては、例えば、前記成形シートに、前記電解質の所定濃度の電解液を含浸させる方法、前記電解質の所定粒径のものを固体のまま添加して成形シートに含有させる方法等が挙げられる。成形シートに電解質を均一に含有させることができる点や含水率の調整が同時に行える点からは、所定濃度の電解液を含浸させる方法が好ましい。
上述のように前記電解質をその電解液で前記成形シートに含浸させる場合、その含浸方法は、成形シートの厚み等の形態、含水率に応じて適宜選択することができる。該含浸方法には、該電解液を該成形シートにスプレー塗工する方法、該電解液をシリンジ等で該成形シートの一部分に注入し、前記繊維状物の毛管現象を利用して該成形シート全体に浸透させる方法、刷毛等で塗工する方法、該電解液に浸漬する方法、グラビアコート法、リバースコート法、ドクターブレード法等が挙げられ、これらの中でも、電解質を均一に分布でき、簡便で、設備コストも比較的少なくて済む点からスプレー塗工する方法が好ましい。また、複雑な形状、層構成の商品においては生産性が向上する点や、最終仕上げを別工程とできることにより生産のフレキシブル性が向上する点や、設備が簡便となる点からは、前記シリンジ等で注入する方法が好ましい。この電解液を注入する方法は、該成形シートを前記収容体に収容した後に行うこともできる。
上述のように成形シートに電解質を含有させた後、必要に応じて含水率を調整し、安定化させて発熱シートとすることができる。そして必要に応じ、トリミング、二枚以上の積層化等の処理を施し、所定の大きさに加工することができる。
本実施形態の加温具1は、未使用状態では、非通気性の包装材に密封されて提供される。加温具1は、該包装材から取り出されると、図3に示すように、発熱体2の発熱反応に伴って発生する水蒸気によって、発熱性本体4が膨張する。そして、図4に示すように、挿入口50から挿入部5に手を入れ、前記被酸化性金属の酸化に伴う発熱により挿入部5内を加温するとともに発生する水蒸気によって加湿する。加温具1では、挿入部5内における適度な圧着により良好な装着感が得られる。加温具1は、発熱性本体4の水蒸気の蒸散しない側を対象物に当接させて加温のみを行うこともできる。
本実施形態の加温具1は、発熱性本体4が発熱体2の発熱に伴う水蒸気によって膨張するように設けた場合には、肌触りや手を挿入部に挿入したときに適度な密着感が得られ装着性が良好である。また、被酸化性金属の酸化に伴う発熱による加温のほか、該発熱に伴って発生する水蒸気が挿入部5内に蒸散するため、この水蒸気によって挿入した手を加湿することができる。さらに、発熱体2が発熱シート20からなるため、薄型で携帯にも便利である。加えて、使用前から発熱反応が完了した後も柔軟性に優れており、この点においても装着性が良好である。
本実施形態の加温具1は、その挿入部5内の加温、加湿機能及び密着性と、各種機能剤とを組み合わせることで、種々の用途に適用することができる。例えば、身体の各部位に各種機能材を塗布した後、該加温具を任意の部位に挿入したり、該挿入部の内層材に機能剤を含浸させることにより、機能剤の皮膚への高い浸透性を得ることができる。また、パック剤と組み合わせた温熱パックとして、保湿、しわとり等のスキンケア用途、巴布剤と組み合わせたホットパップ(温熱巴布)として、手の痛み緩和等のヘルスケア用途、特に、本実施形態の加温具は、挿入部内おいて適度な密着性が得られた状態で、加温に加えて加湿も行えるため、このような機能剤と組み合わせた場合に、機能剤の皮膚への高い浸透性が得られる。また、身体に直に貼ったり、当接により加温、加湿を行う用途においては、膨張せずに対象物と均一に接することが好ましいこともあり、加温具の膨張機能は商品の効果、効能を最大限に発揮するように任意に設計される。
本発明は、前記実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
例えば、前記実施形態の加温具1は、収容体3における挿入部5が形成されている側にのみ通気性を有するように設けたが、挿入部が形成されていない側にのみ通気性を有するように設けることもできる。この場合には、通気性を有する側を対象物に向けるか当接させることによって加温に加えて加湿の効果が得られる。このような形態の加温具は、例えば、洗浄・除菌、ワックス徐放、芳香、消臭等の諸機能と組み合わせた加温具として、フローリング、畳み、レンジ周り、換気扇等のハウスケア用途、空間を快適にするエアケア用途、車等の洗浄、ワックスかけ等のカーケア用途、顔、身体の洗浄、除菌、保湿、メイク落とし等のスキンケア用途に適用することができる。また、パック剤と組み合わせた温熱パック用具として、保湿、くまとり、しわとり、くすみとり、スリミング等のスキンケア用途、目の疲れの緩和、視力改善用等のアイケア用途、巴布剤と組み合わせたホットパップ(温熱巴布)用具として、首、肩、足、腰等の痛みや生理痛の緩和等のヘルスケア用途、パーマー、カラーリング、育毛促進等の毛髪ケア用途、水虫剤等の医薬剤と組み合わせた医療用途、布団、毛布若しくはそれらのカバー等の使い捨て寝具、座布団、ひざかけ、レジャーシート、ペット用シート等の使い捨て敷物、盆栽や植物等の降霜防止シート等の使い捨ての園芸用シート、食品等の包装資材等に適用することができる。
また、本発明の加温具は、発熱体、収容体及び挿入部形成材の層構成は、加温具の用途に応じて適宜変更することができる。例えば、前記実施形態では、発熱性本体の一方にのみ通気性を付与して水蒸気が一方にのみ蒸散されるようにしたが、挿入部内と挿入部が形成されていない側の両方から水蒸気が蒸散されるようにすることもできる。
また、前記実施形態では、収容体3を多層構造としたが、収容体は、酸化反応及び発熱性本体の膨張機能に必要な通気性及び発熱体の構成成分の脱落を防止する機能を有していれば単層構造でもよい。
また、前記実施形態の加温具1では、収容体の封止並びに収容体と挿入部形成材との接合をヒートシールによって行ったが、これらの封止や接合方法は、他の方法、例えば、接着剤を用いた方法、縫合による方法等の他の方法を採用することもできる。
本発明の加温具は、上記実施形態のような手の他、足、耳その他体の一部を挿入する部分に応じて発熱性本体や挿入部を形成することができ、これにより種々の用途に適用することができる。例えば、頭部を挿入する挿入部を設けた場合には、パーマー、カラーリング、育毛促進等の毛髪ケア用途等に適用することができる。また、フェイスマスクタイプの加温具の場合、耳かけを形成させることにより、皮膚への密着性を向上させ、均一な加温、加湿を顔全体に与えるようにすることもできる。
また、挿入部は、前記実施形態の加温具1のように、発熱性本体4に挿入部形成材6を接合して設ける以外に、発熱性本体どうしを部分的に接合して設けることもできる。この場合、水蒸気が挿入部内にのみ蒸散されるように設けることもできるし、外部にのみ蒸散されるように設けることもできるし、挿入部内及び外部の両方に蒸散されるように設けることもできる。
本発明の加温具は、挿入部を有していることが好ましいが、挿入部は加温具の用途に応じて省略することもできる。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。
下記実施例1〜4及び比較例1のように加温具を作製し、得られた発熱シートの40℃以上持続時間、最高到達温度、水蒸気発生量並びに加温具の膨張性を前述のようにして測定して評価した。それらの結果を表1に示す。
〔実施例1〕
被酸化性金属:鉄粉、同和鉄粉鉱業(株)製、商品名「RKH」、75重量%
繊維状物:パルプ繊維(NBKP、製造者:フレッチャー チャレンジ カナダ、商品名「Mackenzi」、CSF200ml)、10重量%
保水剤:活性炭(平均粒径10μm、二村化学工業(株)製、商品名「太閤SA1000」)、15重量%
上記原料組成物100重量部に対し、凝集剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)製、商品名「セロゲン(登録商標) WS−C」)0.2重量部、及びポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(日本PMC(株)製、商品名「WS552」)0.3重量部
水:工業用水、固形分濃度0.3%となるまで添加
<抄紙条件>
上記原料組成物を用い、傾斜型短網抄紙機によって、抄紙して湿潤状態の成形シートを作製した。
<乾燥条件>
フェルトで挟持して加圧脱水し、そのまま120℃の加熱ロール間に通し、含水率が5重量%以下になるまで乾燥した。そして、坪量180g/m2、厚さ0.25mmの抄造シート(発熱中間シート)を得た。得られた発熱中間シートの組成を熱重量測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、TG/DTA6200)を用いて測定した結果、鉄69重量%、パルプ19重量%、活性炭12重量%であった。
<電解液添加条件>
乾燥した抄造シート(発熱中間シート)に下記電解液を塗布することによって該電解液を発熱中間シート100重量部に対して60重量部添加して所望の抄造シート(発熱シート)を得た。
<電解液>
電解質:精製塩(NaCl)
水:工業用水
電解液濃度:5質量%
得られた発熱シートの組成は、鉄43.1重量%、パルプ11.9重量%、活性炭7.5重量%、NaCl1.9重量%、水35.6重量%であった。
<加温具の作製>
得られた発熱シート(サイズ50mm×50mm)を3枚重ね、上下に下記通気性シート及び非通気性シートを積層し、発熱シートの周りをヒートシールによって接合して加温具(発熱性本体)を作製した。
〔実施例1〕
通気性シート:合成ポリエチレンシート、透湿度4.482kg/(m2・24h)、透気度53秒/100ml、坪量40g/m2
非通気性シート:PEシート(坪量20g/m2
〔実施例2〕
通気性シートを下記のシートに代えた以外は、実施例1と同様にして加温具を作製した。
通気性シート:多孔質ポリエチレン、透湿度5.114kg/(m2・24h)、透気度484秒/100ml、坪量36g/m2
〔実施例3〕
通気性シートを下記のシートに代えた以外は、実施例1と同様にして加温具を作製した。
通気性シート:ポリプロピレンメルトブローン不織布、透湿度4.357kg/(m2・24h)、透気度0秒/100ml、坪量30g/m2
〔実施例4〕
通気性シートを下記のシートに代えた以外は、実施例1と同様にして加温具を作製した。
通気性シート:多孔質ポリエチレン、透湿度1.124kg/(m2・24h)、透気度5043秒/100ml、坪量50g/m2
〔比較例1〕
通気性シートを下記のシートに代えた以外は、実施例1と同様にして加温具を作製した。
通気性シート:多孔質ポリエチレン、透湿度0.359kg/(m2・24h)、透気度28840秒/100ml、坪量90g/m2
Figure 0003992693
表1に示すように、実施例においては、素早く発熱し、水蒸気を多く発生しながら膨張するタイプや該膨張倍率をさらに大きく向上させたタイプ、また、素早く発熱し、水蒸気を多く発生しながらも膨張しないタイプ、比較的低温で持続に優れかつ水蒸気を徐々に発生するタイプなど様々な温熱・水蒸気発生特性を有する加温具の製作が可能であった。一方、比較例は発熱温度、水蒸気発生量ともに低いものであった。
本発明の加温具の一実施形態を模式的に示す斜視図である。 前記実施形態の加温具を模式的に示す分解斜視図である。 前記実施形態の加温具において発熱性本体が膨張した状態を模式的に示す斜視図である。 前記実施形態の加温具の使用状態を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
1 加温具
2 発熱体
20 発熱シート(抄造シート)
3 収容体
30 接合部
4 発熱性本体
5 挿入部
50 挿入口
6 挿入部形成材

Claims (4)

  1. 水蒸気発生能を有する発熱体と、該発熱体を収容する通気性の収容体とからなる発熱性本体を備え、対象物に当接させて使用する加温具であって、
    前記発熱体が被酸化性金属、保水剤、繊維状物、電解質及び水を含む抄造シートである発熱シートから構成されているとともに下記ただし書により求まる前記発熱体の水蒸気発生量が、1.0〜100mg/(cm 2 ・10min)であり、
    前記発熱性本体が前記発熱体の発熱に伴って発生する水蒸気により体積膨張率が1.5〜10000倍に膨張するように設けられ、前記対象物への密着性を備える加温具。
    ただし、容積4.2リットル、湿度1RH%以下とし、密閉系内に5.0リットル/minの乾燥空気を供給可能な試験機を準備し、その内部に水蒸気が蒸散可能なように前記発熱シートを静置して発熱させ、前記密閉系内に排出される空気の湿度を湿度計で想定し、下記式(1)を用いて発熱開始後に発生する水蒸気量を求め、単位時間当たりの水蒸気量とし、10分間の累積値を蒸気発生量として求め、単位面積当たりに換算する。ここで、eは水蒸気圧(Pa)、esは飽和水蒸気圧(Pa:JIS Z8806より引用)、
    Tは温度(℃:乾球温度)、sはサンプリング周期(秒)である。
    相対湿度U(%RH)=(e/es)×100
    絶対湿度D(g/m 3 )=(0.794×10 -2 ×e)/(1+0.00366T)
    =(0.794×10 -2 ×U×es)/〔100×(1+0.00366T)〕
    単位空気容積P(リットル)=(2.1×s)/60
    単位時間当たりの水蒸気量A(g)=(P×D)/1000・・・(1)
  2. 前記収容体のJIS Z0208に規定する透湿度が1.5〜10kg/(m2・24
    h)である請求項記載の加温具。
  3. 前記抄造シートに含まれる前記繊維状物以外の成分が50重量%以上98重量%以下であり且つ前記繊維状物のJIS P8121に規定するCSFが600ml以下である請求項1又は2に記載の加温具。
  4. 体の一部を挿入する挿入部を有している請求項1〜の何れかに記載の加温具。
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