JP2005058248A - 発熱シート - Google Patents

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Abstract

【課題】使用を開始して直ぐに高い発熱性が得られ、複数枚を重ねて使用した場合にずれにくい発熱シートを提供すること。
【解決手段】被酸化性金属、保水剤及び繊維状物を含み、裂断長が100〜4000mであるシート状成形体2の表面にエンボス加工によって多数の凹凸部3、4が形成されてなる。前記凹凸部の高低差は、0.3〜5mmであることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気中の酸素と被酸化性金属との酸化反応に伴う発熱を利用した発熱シートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
空気中の酸素と被酸化性金属との酸化反応に伴う発熱を利用した発熱シートに関し、本出願人は、下記特許文献1に記載の薄型の発熱成形体について先に提案している。この発熱成形体は、厚さが極めて薄いにもかかわらず発熱体として優れた発熱特性を有しているとともに、生産性に優れているていることを一つの特徴としている。
【0003】
ところで、このようなシート状の発熱成形体は、その特徴から種々の用途に適用されるが、用途によっては使用を開始して直ぐに高い発熱が望まれる場合がある。また、2枚以上重ねて使用される場合があり、その場合成形体どうしのずれを抑えることも望まれている。
【0004】
一方、下記特許文献2には、エンボス加工によって発熱体の収容袋に図柄を形成する技術が提案されているが、上記課題を解決し得るものではなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−102761号公報
【特許文献2】
特開平11−56895号公報
【0006】
従って、本発明の目的は、使用を開始して直ぐに高い発熱性が得られ、複数枚を重ねて使用した場合にずれにくい発熱シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被酸化性金属、保水剤及び繊維状物を含み、裂断長が100〜4000mであるシート状成形体の表面にエンボス加工によって多数の凹凸部が形成されてなる発熱シートを提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
【0009】
図1及び図2は、本発明の発熱シートの一実施形態を示すものである。これらの図において、符号1は発熱シートを示している。
【0010】
図1に示すように、発熱シート1は、被酸化性金属、保水剤及び繊維状物を含むシート状成形体2の表面にスチールマッチエンボスロールによるエンボス加工によって多数の凹部3及び凸部4(凹凸部)が形成されたものである。本実施形態では、凹部3の底部30及び凸部4の頂部40は略正方形で、千鳥格子状に配されている。
【0011】
前記凹凸部の高低差は、0.3〜5mm、特に0.5〜2mmが好ましい。凹凸部の高低差が斯かる範囲であると、得られる発熱シートの発熱性と表面への凹凸部の賦形がより良好となる。ここで、凹凸部の高低差は、発熱シート1における凹部の底部30と凸部4の頂部40との高低差Dにより求められる。
【0012】
個々の凹部3の底部30又は凸部4の頂部40の面積は、0.01〜100mm、特に0.1〜25mmとすることが好ましい。該面積を斯かる範囲とすることによって発熱シートを複数枚積層する場合などでのずれ防止ならびに、一体化を実現することができる。
【0013】
また、発熱シート1の100cm当たりに占める前記凹部3の底部30及び凸部4の頂部40の個数は、1〜10000個、特に10〜8000個とすることが好ましい。底部30及び頂部40の個数を斯かる範囲とすることによって発熱シートを複数枚積層する場合などでのずれ防止ならびに、一体化を実現することができる。
【0014】
前記シート状成形体2に含まれる前記被酸化性金属には、従来からこの種の発熱成形体に通常用いられている被酸化性金属を特に制限無く用いることができる。該被酸化性金属の形態は、取り扱い性、成形性等の観点から粉体、繊維状の形態を有するものを用いることが好ましい。
【0015】
粉体の形態を有する被酸化性金属としては、例えば、鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉、マンガン粉、マグネシウム粉、カルシウム粉等が挙げられ、これらの中でも取り扱い性、安全性、製造コストの点から鉄粉が好ましく用いられる。該被酸化性金属には、後述の繊維状物への定着性、反応のコントロールが良好なことから粒径(以下、粒径というときには、粉体の形態における最大長さ、又は動的光散乱法、レーザー回折法等により測定される平均粒径をいう。)が0.1〜300μmのものを用いることが好ましく、粒径が0.1〜150μmものを50重量%以上含有するものを用いることがより好ましい。
【0016】
また、繊維状の形態を有する被酸化性金属としては、スチール繊維、アルミ繊維、マグネシウム繊維等が挙げられる。これらのなかでも取り扱い性、安全性、製造コストの点からスチール繊維、アルミ繊維等が好ましく用いられる。繊維状の形態を有する被酸化性金属は、成形性や得られるシートの機械的強度、表面の平滑性、発熱性能の点から繊維長0.1〜50mm、太さ1〜1000μmのものを用いることが好ましい。
【0017】
前記シート状成形体2中の前記被酸化性金属の配合量は、10〜95重量%であることが好ましく、30〜80重量%であることがより好ましい。該配合量が10重量%以上であると、得られる発熱シート1の発熱温度を、人が指先等で触って熱く感じる程度に十分に上昇させることができ、シート状成形体2を構成する後述の繊維状物、接着成分の量を抑えることができるため、シートの柔軟性を維持することができるので好ましい。該配合量が95重量%以下であると、発熱シート1の通気性が十分なものとなり、その結果シートの内部まで十分に反応が起こり発熱温度を十分に上昇させることができる。また、発熱時間が十分なものとできるほか、保水剤による水分供給も十分なものとすることができ、被酸化性金属の脱落も生じ難い。また、シート状成形体2を構成する後述の繊維状物、接着成分(凝集剤等)をある程度の量に維持できるため、曲げ強度や引張強度等の機械的強度を十分なものとすることができる。ここで、シート状成形体2中の被酸化性金属の配合量は、JIS P8128に準じる灰分試験で求めたり、例えば、鉄の場合は外部磁場を印加すると磁化が生じる性質を利用して振動試料型磁化測定試験等により定量することができる。
【0018】
前記保水剤には、従来から発熱成形体に通常用いられている保水剤を特に制限無く用いることができる。該保水剤は、水分保持剤として働く他に、被酸化性金属への酸素保持/供給剤としての機能も有している。該保水剤としては、例えば、活性炭(椰子殻炭、木炭粉、暦青炭、泥炭、亜炭)、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、ゼオライト、パーライト、バーミキュライト、シリカ、カンクリナイト、フローライト等が挙げられ、これらの中でも保水能、酸素供給能、触媒能を有する点から活性炭が好ましく用いられる。該保水剤には、被酸化性金属との有効な接触状態を形成できる点から粒径が0.1〜500μmの粉体状のものを用いることが好ましく、0.1〜200μmのものを50重量%以上含有するものを用いることがより好ましい。保水剤には、上述のような粉体状のもの以外の形態のものを用いることもでき、例えば、活性炭繊維等の繊維状の形態のものを用いることもできる。
【0019】
シート状成形体2中の前記保水剤の配合量は、0.5〜60重量%であることが好ましく、1〜50重量%であることがより好ましい。該配合量が0.5重量%以上であると、被酸化性金属が酸化反応により人体温度以上に温度上昇する程度に反応を持続させるために必要な水分を発熱シート1中に十分に蓄積できる。また、通気性が十分に確保されるため、酸素供給が十分に得られて発熱効率が高い発熱シートとなる。該配合量が60重量%以下であると、得られる発熱量に対する発熱シート1の熱容量を小さく抑えることができるため、発熱温度上昇が大きくなり、人が温かいと体感できる温度上昇が得られる。また、被酸化性金属の脱落の発生やシート状成形体2を構成する後述の繊維状物、接着成分が減少が抑えられるため、曲げ強度や引張強度等の機械的強度も十分に得られる。
【0020】
前記繊維状物としては、例えば、天然繊維状物としては植物繊維(コットン、カボック、木材パルプ、非木材パルプ、落花生たんぱく繊維、とうもろこしたんぱく繊維、大豆たんぱく繊維、マンナン繊維、ゴム繊維、麻、マニラ麻、サイザル麻、ニュージーランド麻、羅布麻、椰子、いぐさ、麦わら等)、動物繊維(羊毛、やぎ毛、モヘア、カシミア、アルカパ、アンゴラ、キャメル、ビキューナ、シルク、羽毛、ダウン、フェザー、アルギン繊維、キチン繊維、ガゼイン繊維等)、鉱物繊維(石綿等)が挙げられ、合成繊維状物としては、例えば、半合成繊維(アセテート、トリアセテート、酸化アセテート、プロミックス、塩化ゴム、塩酸ゴム等)、金属繊維、炭素繊維、ガラス繊維等が挙げられる。また、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、デンプン、ポリビニルアルコール若しくはポリ酢酸ビニル又はこれらの共重合体若しくは変性体等の単繊維、又はこれらの樹脂成分を鞘部に有する芯鞘構造の複合繊維を用いることができる。そしてこれらの中でも、繊維どうしの接着強度が高く、繊維どうしの融着による三次元の網目構造を作り易すく、パルプ繊維の発火点よりも融点が低い点からポリオレフィン、変性ポリエステルが好ましく用いられる。また、枝分かれを有するポリオレフィン等の合成繊維も被酸化性金属や保水剤との定着性が良好なことから好ましく用いられる。これらの繊維は、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの繊維は、その回収再利用品を用いることもできる。そして、これらの中でも、前記被酸化性金属、前記保水剤の定着性、得られる発熱シートの柔軟性、空隙の存在からくる酸素透過性、製造コスト等の点から、木材パルプ、コットンが好ましく用いられる。
【0021】
前記繊維状物は、そのCSF(Canadian Standard Freeness)が、600ml以下であることが好ましく、450ml以下であることがより好ましい。600ml以下であると繊維状物と被酸化性金属や保水剤との定着率も十分に良好であり、所定の配合量を十分に保持でき発熱性能を十分に発揮させることができ、また、均一な厚みのシートが得られ、成形状態も良好なものとなる。また、繊維状物と被酸化性金属や保水剤との定着が良好となり、被酸化性金属や保水剤の脱落がし難く、該被酸化性金属や保水剤と該繊維状物との絡み合い、水素結合により、十分な結合強度を持たせることができる。また、曲げ強度や引張強度等の機械的強度も十分なものとすることができ、加工性も良好である。
【0022】
前記繊維状物のCSFは、低い程好ましいが、通常のパルプ繊維のみの抄紙では、繊維状物以外の成分比率が低い場合、CSFが100ml以上である方が濾水性が十分に良好であり、脱水を十分に行うことができ均一な厚みのシート状成形体が得られ、乾燥時にブリスター破れが生じたりする等の成形不良となったりする。本発明においては、繊維状物以外の成分比率が高いことから、濾水性も良好で均一な厚みのシート状成形体を得ることができる。また、CSFが低い程、フィブリルが多くなるため、繊維状物と該繊維状物以外の成分との定着性が良好となり、高いシート強度を得ることができる。
繊維状物のCSFの調整は、叩解処理などによって行うことができる。CSFの低い繊維と高い繊維とを混ぜ合わせ、CSFの調整を行っても良い。
【0023】
前記繊維状物は、そのゼータ電位がマイナス(負)であることが好ましい。ここで、ゼータ電位とは、荷電粒子界面と溶液間のずり面におけるみかけの電位をいい、流動電位法、電気泳動法等により測定される。そのゼータ電位がプラスになると、繊維状物への前記被酸化性金属や保水剤の定着が著しく悪化し、所定の配合量を保持できずに発熱性能が劣るものとなるほか、排水に多量の被酸化性金属や保水剤が混じってロスが多くなり、生産性、環境保全にも悪影響を及ぼす場合がある。
【0024】
該繊維状物には、平均繊維長が0.1〜50mmのものを用いることが好ましく、0.2〜20mmのものを用いることがより好ましい。平均繊維長が斯かる範囲であると、得られるシート状成形体の曲げ強度や引張強度等の機械的強度が十分に確保できる。また、繊維層が所望の密度に形成されるため、シート状成形体の通気性が十分確保され、得られる発熱シートの酸素供給も良好で発熱性に優れるものとなる。さらに、シート状成形体中に該繊維状物を均一に分散できるため、一様な機械的強度が得られ、均一な肉厚のシート状成形体が得られる。また、繊維間隔が所望の範囲に保たれるため、繊維による被酸化性金属や保水剤等の成分の保持能力が維持され、これらの成分が脱落し難いものとなる。
【0025】
シート状成形体2中の前記繊維状物の配合量は、2〜50重量%であることが好ましく、5〜40重量%であることがより好ましい。該配合量が2重量%以上であると、被酸化性金属や保水剤の脱落を十分に防止できるほか、シート状成形体の強度を十分なものにすることができる。該配合量が50重量%以下であると、発熱成形体の発熱量を抑えることができ、温度上昇を十分なものとすることができるほか、得られる発熱シート1中の被酸化性金属や保水剤の比率をある程度以上に確保できるため、所望の発熱性能を十分に得ることができるので好ましい。
【0026】
シート状成形体2には、後述するように凝集剤が添加されていることが好ましい。
また、シート状成形体2には、必要に応じ、サイズ剤、着色剤、紙力増強剤、歩留向上剤、填料、増粘剤、pHコントロール剤、嵩高剤等の抄紙の際に通常用いられる添加物を特に制限無く添加することができる。該添加物の添加量は、添加する添加物に応じて適宜設定することができる。
【0027】
前記シート状成形体2は、前記繊維状物以外の成分を50重量%以上含んでいることが好ましく、70重量%以上含んでいることがより好ましく、80重量%以上含んでいることがさらに好ましい。繊維状物以外の成分が50重量%以上であると、発熱温度を人の指先等で触って熱く感じる程度以上に上昇させることができる。繊維状物以外の成分は多い程好ましいが、シート状成形体2の加工性を維持するのに必要な強度を得る点から、その上限は、98重量%程度とするのが好ましい。ここで、繊維状物以外の成分は、以下のように測定される。
【0028】
前記シート状成形体2中の繊維状物以外の成分は、原料組成物中の固形分重量、組成並びにシート状成形体2の乾燥重量より以下の式から求められる。
原料組成物固形分の重量:Ms
原料組成物固形分中繊維状物の含有率:a(%)
シート状成形体の乾燥重量:Mh
シート状成形体中の繊維状物以外の成分の含有率:b
b=(Mh/Ms)×(100−a)
【0029】
発熱シート1は、用いられるシート状成形体2に電解質が含まれていることが好ましい。
前記電解質には、従来からこの種の発熱成形体に通常用いられている電解質を特に制限なく用いることができる。該電解質としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属若しくは重金属の硫酸塩、炭酸塩、塩化物又は水酸化物等が挙げられる。そしてこれらの中でも、導電性、化学的安定性、生産コストに優れる点から塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化鉄(第1、第2)等の各種塩化物が好ましく用いられる。これらの電解質は、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0030】
発熱シート1は、用いられるシート状成形体の裂断長が100〜4000mであり、200〜3000mであることが好ましい。該裂断長が100m以上であると、エンボス加工時にシート状成形体の破断や切断が生じ難く、安定的にシート状成形体を形成できる点で好ましい。また、使用時においても腰があり、使用感に優れる者が得られる。該裂断長が4000m以下であると、シート状成形体2を構成する繊維状物、接着成分の量を抑えることができ、得られる発熱シート1を十分に柔軟なものとすることができ、その発熱性能も十分なものとなる。ここで、裂断長は、シート状成形体2から長さ150mm×幅15mmの試験片を切り出した後、JIS P8113に準じ、該試験片をチャック間隔100mmで引っ張り試験機に装着し、引っ張り速度20mm/minで引っ張り試験を行い、下記計算式により算出される値である。
裂断長〔m〕=(1/9.8)×(引張強さ〔N/m〕)×10/(試験片坪量〔g/m〕)
【0031】
発熱シート1は、用いられる前記シート状成形体2の厚みが0.08〜1.2mmであることが好ましく、0.1〜0.6mmであることがより好ましい。該厚みが0.08mm以上であると、機械的強度、被酸化性金属や保水剤等の成分の定着率も十分なものとなり、安定した均一の肉厚、組成分布が得られるので、好ましいほか、ピンホールの発生等によるシートの破壊等も発生し難い。また、生産性及び加工性にも優れる。また、得られる発熱シート1の発熱性も良好なものとなる。該厚みが1.2mm以下であると折曲強度の低下もなく、脆性破壊も起こし難く好ましい。また、肘、膝、顔等の身体部位の屈伸する部位に装着した場合、装着性が良好である。また、生産性においても、紙層形成時間や乾燥時間の面で、操業性に優れ、発熱性能の低下や、割れ、折れ等も発生し難く加工性に優れている。
【0032】
発熱シート1は、電解質を含んでいることが好ましい。該電解質の配合量は、発熱シート1中の水重量比で0.5〜30重量%であることが好ましく、1〜25重量%であることがより好ましい。該配合量が0.5重量%以上であると、得られる発熱シート1の酸化反応を十分に進行させることができ、また、発熱機能に必要な電解質を確保するための、発熱シート1中の水分の比率も抑えることができ、発熱シート1の比率が大きくなり、発熱温度上昇が小さくなるのを防止できるため好ましい。該配合量が30重量%以下であると電解質の析出もし難く、発熱シート1の通気性が良好であり、また、発熱機能に必要な電解質を確保するために、発熱シート1中の水分比率をある程度の大きさに保つことができ、十分な水が被酸化性金属等に供給され、発熱性能に優れ、発熱シート1に均一に電解質を配合することができるので好ましい。
【0033】
発熱シート1は、含水率(重量含水率、以下同じ。)が10〜80%であることが好ましく、20〜60%であることがより好ましい。該含水率が10%以上であると酸化反応を持続するために必要な水分を十分に確保でき、発熱シート1に均一に水分を供給することができる。また、均一な発熱性能を十分に得ることができる点で優れている。該含水率が80%以下であると発熱シート1の発熱量に対する熱容量を抑えることができ、発熱温度上昇を十分なものとできる点で優れ、発熱シート1の通気性も十分なものとなり、発熱性能に優れ、保形性や機械的強度も十分なものとなる。
【0034】
発熱シート1は、その坪量が10〜1000g/mであることが好ましく、50〜600g/mであることがより好ましい。該坪量が10g/m以上であると被酸化性金属等の中でも比重の大きな材を使用する場合等においても安定したシートを形成することができ好ましい。該坪量が1000g/m以下であると使用感が良好であり、生産性や操業性等の面でも好ましい。
【0035】
発熱シート1は、発熱到達温度が30〜100℃であることが好ましく、35〜90℃であることがより好ましい。ここで、発熱到達温度は、発熱シートから50mm×50mmの試験片を切り出した後、該発熱シートにJIS Z208で測定される透湿度(以下、本明細書において、単に透湿度という。)が5000g/(m・24h)の透湿シートと不透湿シートとを両側に袋状に貼り合わせて包装した後、容積4.2リットル、相対湿度1%以下の環境下で密封系内に5リットル/minの乾燥空気を供給可能な試験機を準備し、その内部に前記透湿シート側を上面として静置して発熱させたときの発熱シートの下側の温度を熱伝対で測定した値である。発熱シート1の発熱到達温度は、商品用途によって急激な発熱が必要な場合や比較的低温で長時間の持続が必要な商品等、前述の配合組成の組み合わせにより任意に設計ができる。
【0036】
発熱シート1は、水蒸気発生量が、0.1〜100mg/(cm・10min)であることが好ましく、1〜50mg/(cm・10min)であることがより好ましい。ここで、水蒸気発生量は、以下のように測定される。
【0037】
容積4.2リットル、湿度1RH%以下とし、密閉系内に5リットル/minの乾燥空気を供給可能な試験機を準備し、その内部に水蒸気が蒸散可能なようにシートを静置して発熱させる。そして、前記密閉系外に排出される空気の湿度を湿度計で想定し、下記式(1)を用いて発熱開始後に発生する水蒸気量を求め、単位時間当たりの水蒸気量とした。そして、10分間の累積値を蒸気発生量として求めた。ここで、eは水蒸気圧(Pa)、esは飽和水蒸気圧(Pa:JISZ8806より引用)、Tは温度(℃:乾球温度)、sはサンプリング周期(秒)である。
Figure 2005058248
【0038】
発熱シート1の水蒸気発生量は、発熱到達時間と同様に商品用途によって急激な発熱が必要な場合や比較的低温で長時間の持続が必要な商品等、前述の配合組成の組み合わせにより任意に設計ができる。
【0039】
次に、発熱シート1の製造方法について説明する。
発熱シート1の製造に際しては、先ず、前記被酸化性金属、前記保水剤、前記繊維状物、及び水を含む原料組成物(スラリー)を調製し、該原料組成物から前記シート状成形体を抄紙により成形することが好ましい。
【0040】
該原料組成物には、前記凝集剤を添加することが好ましい。
該凝集剤としては、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、硫酸第一鉄等の金属塩からなる無機凝集剤;ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、ポリ(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル系、カルボキシメチルセルロースナトリウム系、キトサン系、デンプン系、ポリアミドエピクロヒドリン系等の高分子凝集剤;ジメチルジアリルアンモニウムクロライド系若しくはエチレンイミン系のアルキレンジクロライドとポリアルキレンポリアミンの縮合物、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物等の有機凝結剤;モンモリロナイト、ベントナイト等の粘土鉱物;コロイダルシリカ等の二酸化珪素若しくはその水和物;タルク等の含水ケイ酸マグネシウム等が挙げられる。そして、これら凝集剤の中でもシートの表面性、地合い形成、成形性の向上、被酸化性金属や保水剤等の成分の定着率、紙力向上の点からアニオン性のコロイダルシリカやベントナイト等とカチオン性のデンプンやポリアクリルアミド等の併用やアニオン性のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩とカチオン性のポリアミドエピクロルヒドリン系のカチオン性とアニオン性の薬剤の併用が特に好ましい。上述の組み合わせ以外でも、これらの凝集剤は単独で又は二種以上を併用することもできる。
【0041】
前記凝集剤の添加量は、原料組成物の固形分に対して、0.01〜5重量%であることが好ましく、0.05〜1重量%であることがより好ましい。0.01重量%以上であると、凝集効果に優れ、抄紙時の被酸化性金属や保水剤等の成分の脱落も抑えることができ原料組成物が均一となり、肉厚及び組成の均一なシート状成形体を得ることができる点で優れている。該添加量が5重量%以下であると、乾燥時の乾燥ロールへの貼り付き、破れ、焼け、焦げ等の発生を抑えることができ、生産性に優れ、原料組成物の電位バランスを良好に保ち、抄紙時の白水への被酸化性金属や保水剤等の成分の脱落量も抑えることができる点で優れている。また、シート状成形体の酸化反応が進行し、発熱特性や強度等の保存安定性に優れる。
【0042】
前記原料組成物の濃度は、0.05〜10重量%が好ましく、0.1〜2重量%がより好ましい。該濃度が0.05重量%以上であると大量の水を必要とせず、シート状成形体の成形にも大きな時間を要せずに均一な厚みのシート状成形体を成形することができる点で好ましい。該濃度が10重量%以下であると原料組成物の分散状態も良好であり、得られるシート状成形体の表面性にも優れ、均一な厚みのシート状成形体が得られる点で優れている。
【0043】
次に、前記原料組成物を抄紙して前記シート状成形体を成形する。
前記シート状成形体の抄紙方法には、例えば、連続抄紙式である円網抄紙機、長網抄紙機、ヤンキー抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などを用いた抄紙方法、バッチ方式の抄紙方法である手漉法等が挙げられる。更に、前記原料組成物と、該原料組成物と異なる組成の組成物とを用いた多層抄き合わせによってシート状成形体を成形することもできる。また、前記原料組成物を抄紙して得られたシート状成形体どうしを多層に貼り合わせたり、該シート状成形体に該原料組成物と異なる組成を有する組成物から得られたシート状物を貼り合わせることによってシート状成形体を成形することもできる。
【0044】
前記シート状成形体は、抄紙後における形態を保つ(保形性)点や、機械的強度を維持する点から、含水率(重量含水率、以下同じ。)が70%以下となるまで脱水させることが好ましく、60%以下となるまで脱水させることがより好ましい。抄紙後のシート状成形体の脱水方法は、例えば、吸引による脱水のほか、加圧空気を吹き付けて脱水する方法、加圧ロールや加圧板で加圧して脱水する方法等が挙げられる。
【0045】
前記被酸化性金属(通常雰囲気下において加熱反応性を有する)を含有するシート状成形体を、積極的に乾燥させて水分を分離することにより、製造工程中における被酸化性金属の酸化抑制、長期の保存安定性に優れたシート状成形体を得ることが可能となる。さらに、乾燥後の前記繊維状物への被酸化性金属の担持力を高めてその脱落を抑える点に加え、熱溶融成分、熱架橋成分の添加による機械的強度の向上が期待できる点から、前記シート状成形体の抄紙後で前記電解質の電解液を含有させる前に該シート状成形体を乾燥させることが好ましい。
【0046】
前記シート状成形体は、加熱乾燥によって乾燥することが好ましい。この場合、加熱乾燥温度は、60〜300℃であることが好ましく、80〜250℃であることがより好ましい。加熱乾燥温度を斯かる温度範囲とすることで、乾燥時間を短くできるため、水分の乾燥に伴う被酸化性金属の酸化反応を抑えることができ、得られる発熱シートの発熱性の低下を防ぐことができる。また、発熱シートの表裏層の被酸化性金属の酸化反応を抑えることができるため、うす茶色に変色することを防ぐことができる。さらに、保水剤等の性能劣化を抑えることができるため、発熱シートの発熱効果が維持することができるほか、シート状成形体内部で急激に水分が気化してシート状成形体の構造が破壊されたりすることを防ぐことができる。
【0047】
乾燥後におけるシート状成形体の含水率は、20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。含水率が20%以下であると長期保存安定性に優れ、例えば巻きロール状態で一時保存しておく場合等においても該ロールの厚み方向で水分の移動が起こり難く、発熱性能、機械的強度に変化がなく、優れている。
【0048】
前記シート状成形体の乾燥方法は、当該シート状成形体の厚さ、乾燥前のシート状成形体の処理方法、乾燥前の含水率、乾燥後の含水率等に応じて適宜選択することができる。該乾燥方法としては、例えば、加熱構造体(発熱体)との接触、加熱空気や蒸気(過熱蒸気)の吹き付け、真空乾燥、電磁波加熱、通電加熱等の乾燥方法が挙げられる。また、前述の脱水方法と組み合わせて同時に実施することもできる。
【0049】
前記シート状成形体の成形(脱水、乾燥)は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましいが、上述のようにシート状成形体に酸化助剤となる電解質を含有していないので、必要に応じて通常の空気雰囲気下で成形を行うこともできる。このため、製造設備を簡略化することができる。得られたシート状成形体は、薄くて破れにくいので、必要に応じ、ロール状に巻き取ることができる。
【0050】
次に、乾燥したシート状成形体2をスチールマッチングローラーに通してエンボス加工を施し、前記凹部30及び頂部40が形成する。
【0051】
エンボス加工が施されたシート状成形体2には、必要に応じて、クレープ処理、スリット加工、トリミングを施したり、加工処理により形態を変更する等の加工を施すこともできる。また、単独若しくは複数枚重ねて又は紙、布(織布又は不織布)、フィルム等の他のシートと重ねて複数のシートを積層一体化させたり、ニードルパンチ加工を行うことにより孔あけを行うこともできる。また、前記原料組成物に熱可塑性樹脂成分や熱水解成分を含有させることにより、ヒートシール加工を施して貼り合わせ等を行い易くすることもできる。
【0052】
次に、エンボス加工が施されたシート状成形体2に、前記電解質を含有させる。この電解質を含有させる工程は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましいが、通常の空気雰囲気下で該電解質を含有させることもできる。
【0053】
前記シート状成形体へ前記電解質を含有させる方法は、抄紙後における該シート状成形体の処理方法、含水率、形態等に応じて適宜設定することができる。該電解質を含有させる方法としては、例えば、前記シート状成形体に、前記電解質の所定濃度の電解液を含浸させる方法、前記電解質の所定粒径のものを固体のまま添加してシート状成形体に含有させる方法等が挙げられる。シート状成形体に電解質を均一に含有させることができる点や含水率の調整が同時に行える点からは、所定濃度の電解液を含浸させる方法が好ましい。
【0054】
上述のように前記電解質をその電解液で前記シート状成形体に含浸させる場合、その含浸方法は、該シート状成形体の厚み等の形態、含水率に応じて適宜選択することができる。該含浸方法には、該電解液を該シート状成形体にスプレー塗工する方法、所定濃度の電解液をシリンジ等で該シート状成形体の一部分に注入し、前記繊維状物の毛管現象を利用して該シート状成形体全体に浸透させる方法、刷毛等で塗工する方法、該電解液に浸漬する方法、グラビアコート法、リバースコート法、ドクターブレード法等が挙げられ、これらの中でも、電解質を均一に分布でき、簡便で、設備コストも比較的少なくて済む点からスプレー塗工する方法が好ましい。また、設備が簡便となる点や、複雑な形状、層構成の商品においては生産性が向上する点や、最終仕上げを別工程とできることにより生産のフレキシブル性が良好となる点からは、所定濃度の電解液をシリンジ等で注入する方法が好ましい。この電解液を注入する方法は、該シート状成形体を所定の収容体に収容した後に行うこともできる。
【0055】
上述のようにシート状成形体に電解質を含有させた後、必要に応じて含水率を調整し、安定化させて発熱シート1とすることができる。そして必要に応じ、トリミング、二枚以上の積層化等の処理を施し、所定の大きさに加工することができる。得られた発熱シート1は、未使用状態では酸素不透過性の包装材で包装されて提供される。
【0056】
以上説明したように、本実施形態の発熱シート1は、表面に多数の凹凸部が形成されているため、使用を開始して直ぐに高い発熱性が得られる。特に、複数枚を重ねて使用した場合、シートどうしのずれが生じにくい。また、多数の凹凸部が形成されているため、柔軟性にも優れている。
【0057】
本発明は、前記実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【0058】
例えば、前記実施形態の発熱シート1では、シート状成形体をスチールマッチングロールに通すことによってシート状成形体の両側からエンボス加工を施したが、図3に示す発熱シート1’のように、凹凸ロールとフラットロールの間を通すことによって一方の面からのみエンボス加工を施すこともできる。この場合、凹凸部の高低差Dは、発熱シートを複数枚積層する場合などでのずれ防止ならびに、一体化を実現できる点から0.3〜5mm、特に0.5〜2mmとすることが好ましい。また、凹凸ロールとフラットロールとの接触によって押圧されて形成される個々の凸部4の頂部40(又は凹部の底部)の面積は、前記発熱シート1における理由と同様に、0.01〜100mm、特に0.1〜25mmとすることが好ましい。また、この場合の発熱シート100cm当たりに占める凸部4の頂部40(又は凹部の底部)の個数は、前記発熱シート1における理由と同様に、1〜10000個、特に10〜8000個とすることが好ましい。
【0059】
また、エンボス加工によって前記シート状成形体に賦与する底部及び頂部の形態は、前記実施形態に制限されるものではない。例えば、矩形、多角形、円形、楕円形、長円形その他の形態を採用することもできる。また、底部及び頂部はフラットであることが好ましいが、湾曲していてもよい。また凹凸部の縦断面の外形輪郭の形態も特に制限されるものではなく、前記実施形態のような台形以外に、三角形状、矩形状、半円状、半楕円、半長円状、釣り鐘状の形態であってもよい。
【0060】
本発明の発熱シートの用途は特に制限はない。発熱シートとしての用途以外に、例えば、洗浄・除菌、ワックス徐放、芳香、消臭等の諸機能剤と組み合わせたホットブラシとして、フローリング、畳み、レンジ周り、換気扇等のハウスケア用途、車等の洗浄、ワックスかけ等のカーケア用途、顔、身体の洗浄、除菌、保湿、メイク落とし等のスキンケア用途、各種ペットのブラッシング等のペットケア用途にも適用することができる。
【0061】
【実施例】
以下、本発明の発熱シートを実施例によりさらに具体的に説明する。
【0062】
表1に示す配合組成の発熱シートが得られるように、下記実施例1及び2並びに比較例1〜3のように発熱シートを作製した。そして、得られた発熱シートを下記のように多層化した後、下記のようにスチールマッチングロールによってエンボス加工を施して凹凸部を形成し、さらに所定の形状に裁断して発熱シート1を作製した。
【0063】
〔実施例1〕
<原料組成物配合>
非酸化性金属:鉄粉、同和鉄粉鉱業(株)製、商品名「RKH」:8.3g
繊維状物:パルプ繊維(NBKP、フレッチャー チャレンジ カナダ、商品名「Mackenzi」、平均繊維長さ=2.1mm):1.1g
保水剤:活性炭(45μメッシュ分級品)、武田薬品(株)製、商品名「カルボラフィン」)1.7g
凝集剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業薬品(株)製、商品名「セロゲン」WS−C)0.06g、及びポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(日本PMC(株)製、商品名「WS547」)0.44g
水:工業用水 20000g
【0064】
<電解液>
電解質:精製塩(NaCl)
水:工業用水
電解液濃度:5質量%
【0065】
<抄紙条件>
上記原料組成物を300rpmで1分間の撹拌条件で撹拌した。そして、JIS P8209に準じて熊谷理機工業(株)製、標準角型シートマシンならびに80mesh抄紙ネットを用いて抄紙を行った。そして、熊谷理機工業(株)製、KRK回転型乾燥機を用いて、含水率が1質量%以下となるように乾燥を行って成形シートを得た。
【0066】
<エンボス加工>
得られた抄造シート(シート状成形体)を2枚積層し、下記条件でエンボス加工を施し、下記の凹凸部を得た。
エンボスローラーの寸法形状等:由利ロール株式会社製 油圧式4本ロールエンボス機を使用。エンボスローラーの凹凸差1mm
プレス温度:常温
プレス圧力:凹凸部の高低差が1mmとなるように調整
高低差D:1mm
底部及び頂部の形状及び面積:楕円形状(長径 2mm、短径1mm)、1.6mm
シート100cm当たりの凹凸部の底部及び頂部の個数:2500個
【0067】
<電解液添加条件>
エンボス加工を施したシート状成形体を50×50mm形状に切り取り、電解質溶液を発熱シート重量に対し35%となるように噴霧含浸させた。そして、容積4.2リットル、湿度1RH%以下とし、密封系内に5リットル/minの乾燥空気を供給可能な試験機を準備し、その内部に前記透湿シート側を上面として静置して発熱させた。
発熱シートの発熱温度は当該発熱シートの下側の温度を熱電対で測定した。
【0068】
〔実施例2〕
凹凸部の高低差を0.3mmとした以外は実施例1と同様にしてシートを作成した。
【0069】
〔比較例1〕
実施例1の発熱シートにエンボス加工を施さず、2枚重ねて使用した以外は、実施例1と同様にして発熱シートを作製した。
【0070】
〔比較例2〕
使用するパルプフリーネスを700mlとした以外は、実施例1と同様にして発熱シートを作製した。
【0071】
〔比較例3〕
使用するパルプフリーネスを700mlとした以外は、実施例2と同様にして発熱シートを作製した。
【0072】
〔得られた発熱シートの保形性の評価〕
得られた発熱シートを下記基準にて評価を行った。そして、その結果を表2に示した。
○:成分の脱落が少なく、エンボス形状が保持されている。
△:成分の脱落が少ない。もしくはエンボス形状が保持されている。
×:成分の脱落が多く、シートの形状が保てない(シートがぼろぼろとなってしまう)。
【0073】
〔発熱シートの発熱特性の測定〕
得られた発熱シートを50×50mmの試験片に切り出した後、該発熱シートにJIS Z208で測定される透湿度が5000g/(m・24h)の透湿シートと、非透湿のシートとを両側に袋状に張り合わせて包装した。そして、容積4.2リットル、湿度1RH%以下とした密封系内に5.1リットル/分の乾燥空気を供給可能な試験機を準備し、その内部に前記透湿シート側を上面として静置して発熱させた。発熱シートの発熱温度は、当該発熱シートの下側の温度を熱伝対で測定した。その結果を図4に示すとともに、最大温度及び40℃以上の維持時間を表2に示した。
【0074】
〔ずれの評価〕
得られた発熱シートを50×50mmの試験片に切り出した後、振動機(ヤマト科学株式会社製 タッチミキサーMT−51)を用いてスピードセットメモリ「1」で連続駆動にて振動を加える。その後、以下の基準で評価を行った。その結果を表2に示した。
○:1分間の振動を加えても発熱シートのずれが生じない。
△:1分間以内に発熱シート同士にずれが生じるものの、ずれ幅が5mm以内に収まっている。
×:1分間以内に発熱シート同士にずれが生じ、ずれ幅が5mm以上であるかシート形状が崩れてしまう。
【0075】
【表1】
Figure 2005058248
【0076】
【表2】
Figure 2005058248
【0077】
表2に示すように、実施例のシートは、比較例のシートに比して、良好なエンボス加工性を有し、且つ積層された発熱シート間のずれが抑制され一体化が実現されていることがわかった。また、図4に示すように、実施例の発熱シートは、使用を開始して直ぐに高い発熱性が得られ、発熱特性においても優れていることがわかった。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、使用を開始して直ぐに高い発熱性が得られ、複数枚を重ねて使用した場合にずれにくい発熱シートが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発熱シートの一実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図2】同実施形態の要部を模式的に示す拡大図であり、(a)は拡大平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態の要部を模式的に示す断面図(図2(b)相当図)である。
【図4】本発明の実施例及び比較例の発熱シートの発熱特性を示す図である。
【符号の説明】
1、1’ 発熱シート
2 シート状成形体
3 凹部
30 底部
4 凸部
40 頂部

Claims (3)

  1. 被酸化性金属、保水剤及び繊維状物を含み、裂断長が100〜4000mであるシート状成形体の表面にエンボス加工によって凹凸部が形成されてなる発熱シート。
  2. 前記凹凸部の高低差が0.3〜5mmである請求項1記載の発熱シート。
  3. 前記シート状成形体が複数枚積層されている請求項1又は2記載の発熱シート。
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