JP3992003B2 - 印刷装置およびその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷装置およびその方法に関し、詳しくは印刷ヘッドを駆動して印刷媒体の一方向に並ぶドット列たるラスタを形成し、印刷媒体をこの印刷ヘッドに対してラスタを形成するごとにラスタに交差する一方向に相対的に移動する副走査を行なって、画像を印刷する印刷装置およびその方法に関する。
本明細書において、印刷媒体の一方向に並ぶドット列たるラスタとは、副走査方向の移動を伴うことなくドット形成要素の少なくとも一つにより形成されるドット列を意味する。このドット列の方向を主走査方向、これに交差する方向を副走査方向と呼ぶ。
上記のような印刷装置、特にインクジェットプリンタは、印刷ヘッドに設けられたドット形成要素、つまりノズルから印刷媒体に対してインクを吐出し、印刷媒体の表面にインクによるドットを形成することで印刷を行なう構成としている。この種のインクジェットプリンタとして、印刷ヘッドが印刷媒体(印刷用紙)の紙面上をラスタ状に走査する方式のものがある。
この方式のインクジェットプリンタでは、印刷ヘッドとして、複数のノズルを副走査方向に所定のピッチで配列して構成されるノズルアレイを備えた形式のものが知られている。この場合、印刷ヘッドは、通常は、1回の主走査(パス)の際に上記複数のノズルによって複数本のラインを同時に印刷する。
ところで、上記のような印刷ヘッドを備えたインクジェットプリンタの場合、個々のノズルの特性のバラツキ、あるいは複数のノズル間の配列ピッチのばらつきなどが原因でいわゆるバンディングが生じ、印刷媒体上に印刷された画像の画質低下が生じる、という不都合がある。
このような画質低下を防止するため、従来より、定ピッチ副走査による印刷技術が知られている。このような印刷技術は、インターレース印刷とも呼ばれている。定ピッチ副走査印刷では、印刷ヘッドのノズルアレイとして、印刷解像度のドットに対応するドットピッチの整数倍で複数のノズルを副走査方向に沿って配列して構成したものを用いる。
ここで、ノズルアレイにおいて副走査方向に配列されるノズル数をN(Nは正の整数)、ノズルアレイに配列されたNのノズルのうちの実際に駆動されるノズル数をn(nはN以下の正の整数)、およびノズル間のピッチが記録媒体上に形成可能なドット間の最小ピッチであるドットピッチを用いてkドットピッチ(kはnと互いに素の関係にあるn以下の正の整数)とした場合、各パスの度に、nドットピッチ相当の定距離だけ副走査方向へ印刷媒体を搬送、つまり紙送りしている。
上記のような定ピッチ副走査印刷によれば、副走査方向において隣接するラスタが異なるノズルによって印刷される。このため、個々のノズルの特性やピッチにばらつきが多少ある場合でも、このようなばらつきによる印刷画像の画質低下を抑えることができ、高画質の印刷を行なうことができる。
更に、最近では文字印刷に加えて、例えば写真画像のような多階調画像を高品位に印刷できることが要求され、こうした要求に応えるため、インクジェットプリンタは、より細かなドットによる印刷を可能とするよう種々の改良がなされている。上記の多階調画像の印刷を行なう上では、例えば、主走査方向におけるインクジェットノズルの駆動周波数を通常の2倍の周波数とすることで主走査方向におけるドット密度を高める手法が一般に用いられている。また、副走査方向におけるドット密度を高める方法としては、副走査方向における印刷媒体の搬送量を小さくしてきめ細かい紙送りを行なう手法が用いられている。
ところが、このような高品位な印刷を行なう場合、定ピッチ副走査印刷を用いたとしても、紙送り誤差(搬送誤差)の累積などによってバンディングが発生することがあるという問題があった。例えば、上記の定ピッチ副走査印刷において、副走査方向に連続する2ドットの上側のドットが特定のパスにおいて選択されたノズル群の最後のノズルにより印刷され、また下側のドットがノズル群の最初のノズルにより印刷される場合があり得る。こうした場合には、これらのドットを形成する各パス間は時間的に非連続なパスとなっており、両ドット間における紙送りの累積誤差が大きく、バンディングが発生し易くなる。
また、最近のインクジェットプリンタでは、高品位な印刷を目的として、上記の定ピッチ副走査印刷において、先行するパスにおいて印刷されたドットに後続のパスにおいてドットを一部重ねて印刷するオーバラップ印刷を行なう手法も採用されている。この場合、先行パスのドットの印刷と後続パスのドットの印刷との間の時間差が大きい場合、後続パスのドットが印刷される前に先行パスのドットのインクが乾いてしまうことから、2つのドットの繋がりが悪くなり、他のオーバラップ部分と比べて印刷の濃度差が生じ、これがバンディングとなってしまうという問題があった。
以上、印刷ヘッドが主走査方向に移動しながらドットを形成するインクジェットプリンタを例に挙げて、画質低下の問題について説明したが、こうした問題は、インクジェットプリンタに限るものではなく、ドットの集合として画像を形成するプリンタでありば、熱転写プリンタなど、他のタイプの印刷装置においても同様に生じる。また、主走査方向への印刷ヘッドの移動を要しないタイプの印刷装置でも、副走査方向の移動を行なっていれば、生じる課題である。
本発明は、副走査方向に配列されたドット形成要素を備えた印刷装置であってドットの集合として画像を形成する印刷装置の上記の課題を解決し、バンディングによる画質低下がなく、高品位な印刷を行なうことができる印刷装置を提供することを目的とする。
本発明の印刷装置は、
記録ヘッドを駆動して記録媒体の一方向に並ぶドット列たるラスタを形成し、該ラスタを形成するごとに前記記録媒体を前記記録ヘッドに対して該ラスタに交差する方向に相対的に移動する副走査を行なうことで、画像を形成する画像処理装置であって、
前記記録ヘッドに設けられ、前記記録媒体上にドットを形成するN個(Nは3以上の整数)のドット形成要素を、前記副走査の方向に、前記記録媒体上に形成可能なドット間の最小ピッチであるドットピッチを用いてkドットピッチ(kは1以上の整数)で配列したドット形成要素アレイと、
前記記録ヘッドを駆動し、該ドット形成要素アレイの所要のドット形成要素により前記記録媒体上にドットを形成する記録ヘッド駆動部と、
前記記録ヘッド駆動部を駆動して前記ラスタの少なくとも一部を形成するラスタ形成処理であるパスの合間に、前記副走査方向に毎回所定ドットピッチL(Lは前記kとは素の関係にある整数)分の前記移動を行なう副走査制御部と、
を備え、
L本の前記ラスタを形成する際、前記記録媒体上の複数のラスタのうちの一部であるp本のラスタの各々を形成するドット形成要素の数をrとし、該一部のラスタ以外の1本のラスタの各々を形成するドット形成要素の数をr+1としたとき、
N=p・r+(r+1)
但し、p,rはいずれも1以上の整数、かつL=p+1
となるように、前記ドット形成要素の組合わせを選択し、かつ前記r+1個のドット形成要素を用いて完成される1本のラスタでは、r+1個のドット形成要素により形成されるドットが所定の順序で繰り返されるように当該ドット形成要素を駆動して、全ラスタの形成を行なうこと
を要旨としている。
また、この印刷装置に対応した印刷方法の発明は、
印刷ヘッドを駆動して印刷媒体の一方向に並ぶドット列たるラスタを形成し、該ラスタを形成するごとに前記印刷媒体を前記印刷ヘッドに対して該ラスタに交差する方向に相対的に移動する副走査を繰り返し、画像を印刷する方法であって、
前記記録ヘッドに設けられ、前記記録媒体上にドットを形成するN個(Nは3以上の整数)のドット形成要素を、前記副走査の方向に、前記記録媒体上に形成可能なドット間の最小ピッチであるドットピッチを用いてkドットピッチ(kは1以上の整数)で配列したドット形成要素アレイにより、前記記録媒体上にドットを形成し、
前記記録ヘッド駆動部を駆動して前記ラスタの少なくとも一部を形成するラスタ形成処理であるパスの合間に、前記副走査方向に毎回所定ドットピッチL(Lは前記kとは素の関係にある整数)分の前記移動を行ない、
L本の前記ラスタを形成する際、前記記録媒体上の複数のラスタのうちの一部であるp本のラスタの各々を形成するドット形成要素の数をrとし、該一部のラスタ以外の1本のラスタの各々を形成するドット形成要素の数をr+1としたとき、
N=p・r+(r+1)
但し、p,rはいずれも1以上の整数、かつL=p+1
となるように、前記ドット形成要素の組合わせを選択しし、かつ前記r+1個のドット形成要素を用いて完成される1本のラスタでは、r+1個のドット形成要素により形成されるドットが所定の順序で繰り返されるように当該ドット形成要素を駆動して、全ラスタの形成を行なうこと
を要旨としている。
かかる印刷装置および印刷方法によれば、ドット形成要素を前記副走査の方向に所定のピッチで複数配列したドット形成要素アレイにより、前記印刷媒体上にドットを形成するが、その際、印刷ヘッド駆動部を駆動してラスタの少なくとも一部を形成するラスタ形成処理であるパスの度に毎回、副走査方向にLドットピッチ分の移動を行ない、かつL本のラスタを形成する際、前記記録媒体上の複数のラスタのうちの一部であるp本のラスタの各々を形成するドット形成要素の数をrとし、該一部のラスタ以外の1本のラスタの各々を形成するドット形成要素の数をr+1としたとき、
N=p・r+(r+1)
但し、p,rはいずれも1以上の整数、かつL=p+1
となるように、前記ドット形成要素の組合わせを選択し、かつ前記r+1個のドット形成要素を用いて完成される1本のラスタでは、r+1個のドット形成要素により形成されるドットが所定の順序で繰り返されるように当該ドット形成要素を駆動して、全ラスタの形成を行なっている。したがって、ドット形成要素の使用効率を高めることができる。しかも、印刷時間を引き延ばすことがない。
ここで、時間的に異なる二つのパスとしては、時間的に非連続な二つのパスを考えることができる。時間的に非連続なパスは、副走査方向の移動誤差等が累積しやすいので、時間的に非連続な二つのパスにおいて形成されるドットに互いに隣接するドットを、選択されなかったドット形成要素を用いて形成することは、有用である。
上記印刷装置におけるドット形成要素としては、インクを吐出して印刷媒体上にドットを形成するノズルなどが挙げられる。もっとも、本発明は、インクを吐出するタイプ以外、例えばドットインパクトタイプや熱転写タイプの印刷装置等にも適用できることはもちろんである。また、本発明の各手段は、メモリやコントローラを用いて電気的に実現し得るが、かかるコントローラとしては、いわゆるCPUなどの汎用の制御素子を用いてもよいし、専用の制御回路を用いてもよい。
なお、以上で説明した本発明の全ての印刷装置は、ヘッドを印刷媒体に対して相対的に往復動する主走査を行ないつつ、ラスタを形成するタイプの印刷装置のみならず、かかる主走査を行なわずにラスタを形成する印刷装置としても構成可能である。
発明の他の態様
以上で説明した本発明の印刷装置は、ドットを記録するためのヘッドおよび副走査の制御をコンピュータにより実現させることによっても構成することができる。従って、本発明は、かかるプログラムを記録した記録媒体としての態様を採ることもできる。
本発明の記録媒体は、
印刷ヘッドを駆動して印刷媒体の一方向に並ぶドット列たるラスタを形成し、該ラスタを形成するごとに前記印刷媒体を前記印刷ヘッドに対して該ラスタに交差する方向に相対的に移動する副走査を繰り返し、画像を印刷するためのプログラムをコンピュータ読みとり可能に記録した記録媒体であって、
前記印刷ヘッドを駆動し、ドットを形成するN個のドット形成要素を、前記副走査の方向に、前記記録媒体上に形成可能なドット間の最小ピッチであるドットピッチを用いてkドットピッチで配列したドット形成要素アレイにより、前記印刷媒体上にドットを形成する機能、
前記印刷ヘッド駆動部を駆動して前記ラスタの少なくとも一部を形成するラスタ形成処理であるパスの度に、前記副走査方向の前記移動を行なう機能、
前記パスにおいて、前記ドット形成要素アレイから、n個(nは前記N未満の正の整数)のドット形成要素を選択して前記記録媒体上に前記ラスタを形成する制御を行なうと共に、時間的に異なる二つのパスにおいて形成されるドットに互いに隣接するドットを、前記ドット形成要素アレイのうちの前記選択されたドット形成要素以外のドット形成要素によって形成する機能
を実現するプログラムを記録した記録媒体である。
上記記録媒体に記録されたプログラムが、前記コンピュータに実行されることにより、先に説明した本発明の印刷装置を実現することができる。なお、記憶媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。また、コンピュータに上記の印刷装置の制御機能を実現させるコンピュータプログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給装置としての態様も含む。
以下に、本発明の実施の形態について、実施例に基づいて説明する。
(1)装置の構成:
図1は、本発明の印刷装置の一実施例としてのカラープリンタ22を用いた画像処理装置の構成を示すブロック図である。図示するように、コンピュータ90にスキャナSCNとカラープリンタ22とが接続されている。コンピュータ90は、スキャナSCN等から取り込まれた画像を種々のアプリケ−ションプログラムにより扱うことができる。このアプリケーションプログラムから画像の印刷指令が出されると、コンピュータ90は、内部に備えられたプリンタドライバを起動して印刷イメージデータをプリンタ22で印刷可能な印刷データに変換し、プリンタ22に出力する。プリンタ22は、この印刷データを受け取って、後述する種々の制御を実行しつつ画像を印刷する。後述する通り、本実施例のプリンタ22は、種々のモードで印刷を行なうことができる。コンピュータ90からプリンタ22に転送されるデータには、印刷モードを指定するためのデータも含まれている。
なお、コンピュータ90は、フレキシブルディスクドライブ15やCD−ROMドライブ16を備えており、それぞれフレキシブルディスクFDやCD−ROMに記録されたプログラムを読みとり可能である。また、コンピュータ90は、モデム18を介して公衆電話回線PNTに接続可能となっている。コンピュータ90は、公衆電話回線PNTを通じて外部のネットワークに接続されている特定のサーバーSVに接続してプログラムをコンピュータ90内部のハードディスクにダウンロードすることも可能である。また、コンピュータ90は、プリンタ22に種々のデータを転送可能であるから、上記プログラムをプリンタ22に転送することもできる。
図2は本実施例における概念的な構成を示すブロック図である。本実施例のプリンタ22は、印刷モード設定部1、駆動部制御部2、主走査駆動部3、副走査駆動部4、印刷ヘッド駆動部5、ラスタデータ格納部6、印字ヘッド28を含んで構成され、印刷媒体(本実施例では通常の用紙)8上に、ドットを形成することで、印刷を行なう。
印刷モード設定部1は、コンピュータ90からの指定を受けて、特定の印刷モードの設定を駆動部制御部2に指示するものであり、例えば定ピッチ副走査印刷、オーバラップ印刷などの印刷モードの内の一つの指定を行なう。印刷モードは、コンピュータ90から受け取った画像データをどのようにラスタデータに展開し、印字ヘッド28をどのような手法で主走査方向および副走査方向に送り、これに合わせてラスタデータをどの順序で印字ヘッド28に送って印刷するかと一連の設定を言う。駆動部制御部2は、主走査駆動部3あるいは副走査駆動部4による印字ヘッド28あるいは印刷媒体8の駆動量および駆動タイミングなどを制御するものである。
主走査駆動部3は、印字ヘッド28を、図2主走査方向に駆動するためのものである。副走査駆動部4は、印刷媒体8を副走査方向に所定量だけ搬送すべく駆動する。
印刷ヘッド駆動部5は、ラスタデータ格納部6に格納された印刷イメージデータに基づき、印字ヘッド28のノズルアレイを構成する複数のノズルの所要のものを駆動する。駆動は、具体的には、所要のノズルの駆動素子を通電することによって行なわれる。ノズルアレイからのインクは記録媒体8に吐出され、記録媒体8上で、所定の大きさのドットを形成する。
ラスタデータ格納部6は、コンピュータ90から送られた多値階調情報を含む印刷イメージデータを格納するメモリから構成される。ラスタデータ格納部6は、具体的には図3に例示したように、第1のラスタブロック(ラスタブロック0)6aと第2のラスタブロック(ラスタブロック1)6bの複数のデータブロック領域から構成される。ここで、第1のラスタブロック6aと第2のラスタブロック6bは、例えば、印刷イメージにおける各ドットに対してそれぞれ2ビットのメモリ領域を用意している。これら2ビットの組み合わせにより、1ドットについて4値の階調情報(00、01、10、11)を持つことができるが、実際のプリンタ22では、この階調情報によって、各ドットにおける3値の印刷を実現している。
印字ヘッド28は、所定数のノズルが一定のノズルピッチで配設されたノズルアレイを有している。図示した例では、7個のノズル#1〜#7を副走査方向にkドットピッチのノズル間隔で配列して構成される。
次に、図4によりプリンタ22の概略構成を説明する。図示するように、このプリンタ22は、紙送りモータ23によって印刷媒体8を搬送する機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ31に搭載された印字ヘッド28を駆動してインクの吐出およびドット形成を行なう機構と、これらの紙送りモータ23,キャリッジモータ24,印字ヘッド28および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とから構成されている。以下、この順に各機構等について説明する。
キャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出する位置検出センサ39等から構成されている。
なお、このキャリッジ31には、黒インク(Bk)用のカートリッジ71とシアン(C1),ライトシアン(C2)、マゼンタ(M1),ライトマゼンダ(M2)、イエロ(Y)の5色のインクを収納したカラーインク用カートリッジ72が搭載可能である。シアンおよびマゼンダの2色については、濃淡2種類のインクを備えていることになる。キャリッジ31の下部の印字ヘッド28には計6個のインク吐出用ヘッド61ないし66が形成されており、キャリッジ31の底部には、この各色用ヘッドにインクタンクからのインクを導く導入管67(図4参照)が立設されている。キャリッジ31に黒(Bk)インク用のカートリッジ71およびカラーインク用カートリッジ72を上方から装着すると、各カートリッジに設けられた接続孔に導入管67が挿入され、各インクカートリッジから吐出用ヘッド61ないし66へのインクの供給が可能となる。
インクの吐出およびドット形成を行なう機構について説明する。図5はインク吐出用ヘッド28の内部の概略構成を示す説明図である。インク用カートリッジ71,72がキャリッジ31に装着されると、図5に示すように毛細管現象を利用してインク用カートリッジ内のインクが導入管67を介して吸い出され、キャリッジ31下部に設けられた印字ヘッド28の各色ヘッド61ないし66に導かれる。なお、初めてインクカートリッジが装着されたときには、専用のポンプによりインクを各色のヘッド61ないし66に吸引する動作が行なわれるが、本実施例では吸引のためのポンプ、吸引時に印字ヘッド28を覆うキャップ等の構成については図示および説明を省略する。
各色のヘッド61ないし66には、後で説明する通り、各色毎に48個のノズルNzが設けられており(図7参照)、各ノズル毎に電歪素子の一つであって応答性に優れたピエゾ素子PEが配置されている。ピエゾ素子PEとノズルNzとの構造を詳細に示したのが、図6である。図6上段に図示するように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路68に接する位置に設置されている。ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行なう素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加することにより、図5下段に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路68の一側壁を変形させる。この結果、インク通路68の体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ipとなって、ノズルNzの先端から高速に吐出される。このインク粒子Ipがプラテン26に装着された印刷媒体8に染み込むことにより、印刷が行なわれる。
図7は、インク吐出用ヘッド61〜66におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図である。これらのノズルの配置は、各色ごとにインクを吐出する6組のノズルアレイから成っており、48個のノズルNzが一定のノズルピッチkで千鳥状に配列されている。各ノズルアレイの副走査方向の位置は互いに一致している。なお、各ノズルアレイに含まれる48個のノズルNzは、千鳥状に配列されている必要はなく、一直線上に配置されていてもよい。但し、図7に示すように千鳥状に配列すれば、製造上、ノズルピッチkを小さく設定し易いという利点がある。
図8にノズルアレイの拡大図および該ノズルアレイにより形成されるドットの様子を示す。図8の左側に示したのがノズルアレイの拡大図であり、右側に示したのが形成されるドットの様子である。右側に破線で示した円は、ノズルアレイを副走査することにより、形成可能なドットを意味している。つまり、この図8に示した例では、ノズルピッチ:記録ピッチ=2:1なる関係にある。なお、いわゆるドットの白抜けを防止するために、各ドットは主走査方向および副走査方向に互いに隣接するドットと一部重なる径で形成される。
最後にプリンタ22の制御回路40の内部構成を説明するとともに、図7に示した複数のノズルNzからなるヘッド28を駆動する方法について説明する。図9は制御回路40の内部構成を示す説明図である。図9に示す通り、この制御回路40の内部には、CPU41,PROM42,RAM43の他、コンピュータ90とのデータのやりとりを行なうPCインタフェース44と、紙送りモータ23、キャリッジモータ24および操作パネル32などとの信号をやりとりする周辺入出力部(PIO)45と、計時を行なうタイマ46と、ヘッド61〜66にドットのオン・オフの信号を出力する駆動用バッファ47などが設けられており、これらの素子および回路はバス48で相互に接続されている。
また、制御回路40には、所定周波数で駆動波形(図10参照)を出力する発信器51、および発信器51からの出力をヘッド61〜66に所定のタイミングで分配する分配器55も設けられている。制御回路40は、コンピュータ90で処理された印刷イメージデータを受け取り、これを一時的にRAM43に蓄え、所定のタイミングで駆動用バッファ47に出力する。また、制御回路40は、キャリッジ31の主走査の制御、各ノズルの駆動の制御、および副走査の制御等を行なっている。なお、駆動用バッファ47は図2に示したラスタデータ格納部6に対応する。
制御回路40がヘッド61〜66に対して信号を出力する形態について説明する。図10は、ヘッド61〜66の1つのノズル列を例にとって、その接続について示す説明図である。ヘッド61〜66の一つのノズル列は、駆動用バッファ47をソース側とし、分配出力器55をシンク側とする回路に介装されており、ノズル列を構成する各ピエゾ素子PEは、その電極の一方が駆動用バッファ47の各出力端子に、他方が一括して分配出力器55の出力端子に、それぞれ接続されている。分配出力器55からは図10に示す通り、発信器51の駆動波形が出力されている。CPU41から各ノズル毎にオン・オフを定め、駆動用バッファ47の各端子に信号を出力すると、駆動波形に応じて、駆動用バッファ47側からオン信号を受け取っていたピエゾ素子PEだけが駆動される。この結果、駆動用バッファ47からオン信号を受け取っていたピエゾ素子PEのノズルから一斉にインク粒子Ipが吐出される。
図7に示したように、ヘッド61〜66は、キャリッジ31の搬送方向に沿って配列されているから、それぞれのノズル列が印刷媒体8に対して同一の位置に至るタイミングはずれている。従って、CPU41は、このヘッド61〜66の各ノズルの位置のずれを勘案した上で、必要なタイミングで各ドットのオン・オフの信号を駆動用バッファ47を介して出力し、各色のドットを形成している。また、図7に示した通り、各ヘッド61〜66においてノズルが2列に形成されている点も同様に考慮してオン・オフの信号の出力が制御されている。
以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ22は、紙送りモータ23により給紙側のローラその他のローラを回転して印刷媒体8を搬送しつつ、キャリッジ31をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印字ヘッド28の各色ヘッド61ないし66のピエゾ素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行ない、ドットを形成して印刷媒体上に多色の画像を形成する。
なお、本実施例では、既に述べた通りピエゾ素子PEを用いてインクを吐出するヘッドを備えたプリンタ22を用いているが、他の方法によりインクを吐出するプリンタを用いるものとしてもよい。例えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生する泡(バブル)によりインクを吐出するタイプのプリンタに適用するものとしてもよい。また、いわゆるドットインパクト型のプリンタや熱転写型のプリンタを用いるものとしてもよい。
(2)印刷制御処理
次に、本実施例のプリンタ22における印刷制御処理について説明する。図11は印刷制御処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、プリンタ22のCPU41(図9参照)が実行する処理である。印刷制御処理が開始されると、CPU41は印刷イメージデータを読み込む(ステップS100)。この印刷イメージデータは、コンピュータ90が処理したデータであり、プリンタ22の各ヘッド61〜66のそれぞれのノズルについてのオン・オフを示すデータ列である。CPU41は、印刷イメージデータとともに印刷モード指定データも読み込み(ステップS105)、印刷モード指定データに基づいて使用ノズルの選択を行なう(ステップS110)。
印刷モードおよび使用ノズルの選択については、後で詳しく説明するが、使用ノズルの選択とは、印字ヘッド28に用意されたノズルのうち、どのノズルを選択して、ラスタの形成に用いるかを意味している。ここで、非選択のノズルは、全く使用されないという意味ではなく、時間的に非連続な主走査により形成される二つのドットに隣接するドットを形成するノズルとして用いられる可能性があることを意味する。総てのノズルが選択ノズルになる場合もあるし、主走査毎に異なるノズルが選択されることもあり得る。なお、先に説明した通り、本実施例のプリンタ22は、現実には各ヘッドに48個のノズルを備えているが、以下では説明の便宜上ノズル数を順次変えて、いくつかの印字例を説明する。
使用ノズルを選択した後、印字ヘッド28を主走査方向に移動しつつドットを形成する処理を行ない(ステップS115)、主走査が完了すると、印刷が終了したか否かの判断を行なう(ステップS120)。印刷がまだ完了していなければ、副走査量をセットし(ステップS125)、この副走査量だけ印刷媒体8を搬送する(ステップS130)。その後、使用ノズルの選択から処理を繰り返し、印刷が完了するまで、主走査方向の印字ヘッド28の送りとドットの形成および副走査を繰り返す。なお、選択される使用ノズルや副走査量が一定の場合は、使用ノズルの選択(ステップ110)および副走査量のセット(ステップS125)は、印刷に入る前に一回だけ行なうようにしても差し支えない。
(3)ドット形成の様子:
ノズル数N=3の例:
次に、使用ノズルの選択と主走査・副走査を繰り返しながら行なうドット形成の様子について説明する。図12は、本発明を定ピッチ副走査印刷(ヘッドの副走査方向の送り量が一定の印刷方法)に適用した場合の、主走査方向の各パスと、各パスにおける副走査方向の搬送量との関係を示す説明図である。この図12の例では、(B)に示したように、ノズル数Nは3、選択されるノズル数nは2、ノズルピッチkは1ドットピッチである。即ち、図12の例では、3つのノズル(#1〜#3)を副走査方向に1ドットピッチ(k=1)だけ離間して配列されたノズルアレイを備えた印刷ヘッドを用いるものとしている。このノズル構成の場合には、各パスにおいて、基本的には2つのノズル(#1と#2)による印刷後に印刷媒体を副走査方向に2ドットピッチだけ搬送する定ピッチ副走査印刷を採用すれば、印刷媒体8をドットで埋め尽くすことができる。このことは、図12(C)に示した使用ノズルの様子で、主走査方向のラスタが3番目のノズルを必要としないことから理解できる。なお、図12および以下の図において、「1−1」は1回目のパスにおいてノズル#1が選択されることを、また「2−2」は2回目のパスにおいてノズル#2が選択されることを、それぞれ意味する。
図12の例では、ノズルアレイの内の定ピッチ副走査印刷自体では使用されないノズル#3を用い、このノズル#3を各パスにおいて、一つおきに駆動する構成としている。この結果、図12(A)に示したように、ノズル#2は、主走査方向に毎回駆動されるが、ノズル#1と#3は、1回おきに駆動されることが分かる。なお、双方向印字を行なう場合には、ノズル#2は往動・復動の双方で駆動し、ノズル#1は往動のみで、ノズル#3は復動のみで、それぞれ駆動するようにしても良い。図13に、上記の6パスを行なうことで得られたドット形成の態様を、主走査方向に3ステップ分(6ドット分)だけ示した。この場合、ノズル#3を駆動することで、「1−3」、「2−3」、「3−3」、「4−3」、「5−3」、「6−3」により示された個所においてドットが印刷される。
図13において、副走査方向に隣接する、先行パスの最後のノズル(ノズル#2)によるドットと、後続パスの最初のノズル(ノズル#1)によるドットとの間は、紙送りの累積誤差によりバンディングが発生し易い。本実施例では、これら2ドットの間にノズル#3によるドットを印刷している。具体的には、例えば、図4で、ステップ1の左側の副走査ラインにおいて上から2番目の「1−2」と上から4番目の「2−2」との間に「1−3」を位置させている。これにより、上記のバンディングが防止される。
ノズル数N=5の例
次に、ノズル数N=5、ドットピッチk=3の例を説明する。図14に示した例では、所定の印刷モードとして、5つのノズル(#1〜#5)を副走査方向に3ドットピッチで離間して配列されたノズルアレイを備えた印刷ヘッドを用い、また各パスにおいて、4つのノズルによる印刷後に印刷媒体を副走査方向に2ドットピッチだけ搬送するオーバラップ印刷を採用している。この場合、単純に印刷媒体8をドットで埋め尽くすには、ノズルアレイから4つのノズル(#1〜#4)を選択し、これらのノズルにより主走査方向の印刷を行なった後、印刷媒体を2ドットピッチだけ副走査方向に搬送するパスを繰り返せばよい。この場合、一つのラスタを必ず二つのノズルが通ることになり、いわゆるオーバラップ印刷が実現される。図14では、合計で12パスを行なうことで、副走査方向に合計で35ドットのパターンを形成した場合を示している。
この実施例では、ノズルアレイの内のオーバラップ印刷自体では使用されないノズル#5を用い、このノズル#5を各パスにおいて駆動する構成としている。図15は、上記の12パスを2ステップだけ行なうことで得られたドット形成の態様を示す説明図である。この場合、ノズル#5を駆動することで、「1−5」、「2−5」、…、「11−5」、「12−5」により示された個所においてドットが印刷される。
ここで、図14において符号Aで示した囲った部分では、一連の連続するパスにおいて、「3−4」→「4−3」→「5−2」→「6−1」の順番で主走査方向にラインが生成される。このように連続するパスにおいて隣接するドットを印刷する場合、インクが乾く前に隣接ドットが形成される場合にはドットが繋がり易くなる。仮に、この実施例で、ノズルアレイのノズル#1〜#4の4つのノズルのみを用いてオーバラップ印刷を行なうとすると、「3−4」のドットが形成された箇所に副走査方向に隣接する位置には、「8−1」、即ち8パス目にノズル#1によりドットが形成されることになる。主走査方向にドットが形成される位置を「カラム」と呼ぶことにすると、「3−4」のドットに「8−1」のドットが隣接するのは、そのラスタでは、2カラムに1回の割合で発生する。4つのノズルだけを用いた通常のオーバラップ印刷では、副走査方向に「3−4」と「8−1」とが隣接して形成される箇所が、主走査方向について一つおきに発生することになる。「3−5」と「8−1」とでは、パス数で5パスもずれており、「3−5」のドットを形成してからかなりの時間が経過してから「8−1」のドットが形成されることになる。即ち、隣接するパスが、ここだけ時間的に非連続となる。このように、ノズル#1〜#4を用いた通常のオーバラップ印刷を行なうと、「3−4」のドットのインクが「8−1」のドットを形成する前に乾いてしまい、他のオーバラップ部分と比べて濃度差が発生し易くなる。また、紙送りの累積誤差に起因するバンディングの発生という可能性も高まる。
これに対して、本実施例のように、通常の印刷では選択されない5番目のノズル#5を用いてドットを形成することにすると、この5番目のノズルが位置するパスにおいては、1番目のノズル、3番目のノズルおよび5番目のノズルの3つのノズルによりラスタが形成されることになる。この結果、上記の箇所では「3−4」のドットに対して副走査方向に隣接する位置に「8−1」のドットが形成される割合は、6カラムで1回、即ち1/3に低減される。「8−1」のドットに代えて「2−5」もしくは「5−3」のドットが形成されるからである。したがって、ドット形成の時間的な隔たりの大きさに起因する濃度差が軽減され、この部分のバンディングが軽減される。更に、副走査方向の紙送りの累積誤差が存在する場合、累積誤差の影響を受けやすい両端のノズルにより形成されるドット「8−1」と「2−5」間に、「5−3」のドットを形成しているので、この点でもバンディングの防止に役立っている。
ノズル数7の例:
図16は、本発明をオーバラップ印刷に適用した場合の他の例を示した説明図である。この図16の例では、所定の印刷モードとして、7つのノズル(#1〜#7)を副走査方向に2ドットピッチ(k=2)だけ離間して配列されたノズルアレイを備えた印刷ヘッドを用い、また各パスにおいて、6つのノズルによる印刷後に印刷媒体を副走査方向に3ドットピッチだけ搬送するオーバラップ印刷を採用している。
すなわち、ノズルアレイから選択した6つのノズル(#1〜#6)より主走査方向の印刷を行なった後、印刷媒体を3ドットピッチだけ副走査方向に搬送するパスを繰り返し行なった。図16の例では、合計で12パスを行なうことで、副走査方向に合計で46ドットのパターンを形成している。この実施例では、ノズルアレイの内のオーバラップ印刷自体では使用されないノズル#7を用い、このノズル#7を各パスにおいて駆動する構成としている。
図17は、上記の12パスを2ステップだけ行なうことで得られたドット形成の態様を示す説明図である。この場合、ノズル#7を駆動することで、「1−7」、「2−7」、…、「11−7」、「12−7」により示された個所においてドットが印刷される。図17に示したように、ノズル#7を駆動することにより、このノズル#7が位置するラスタでは、1番目のノズル#1、4番目のノズル#4、7番目のノズル#7の3つのノズルによりラスタを形成する。他のラスタは、2番目のノズル#2と5番目のノズル#5との2つ、あるいは3番目のノズル#3と6番目のノズル#6との2つのノズルによりラスタが形成される。
かかる実施例では、副走査方向に連続して形成されるドットのパスの隔たりは、7番目のノズル#7を用いない場合でも最大3パスに押さえられるが、3パス隔たってドットが形成される割合が、6つのノズルを用いた従来のオーバラップ印刷では、1番目のノズル#1が位置するラスタでは2カラムに1回の割合で生じるのに対して、6カラムで2回に低減される。この結果、他の実施例同様、時間的に大きくへだったパスで隣接するドットが形成される割合が低減し、インクの乾きに起因する濃度誤差の発生が低減される。更に、副走査方向の紙送りの累積誤差が存在しても、このラスタについては累積誤差の発生が分散されるので、この点でもバンディングの防止に役立っている。
副走査送り量が均一でない例:
次に、ノズルアレイを構成する全ノズル数Nが4、ドットピッチkが4のノズルアレイを用い、1回の主走査当たりの副走査方向の送り量が均一でない場合を説明する。図18に示した例では、4個の全ノズルを各ラスタで駆動するが、副走査方向の送り量は、1主走査当たり、2ドットピッチ−5ドットピッチを繰り返す。この結果、4番目のノズル#4は、図18に示した例では、有効印刷範囲の7番目のラスタや14番目のラスタでは単独でラスタを形成するが、9番目や16番目では1番目のノズル#1と共にラスタを形成する。即ち、これらのラスタでは、オーバラップ印刷が行なわれることになる。
かかる例では、隣接ラスタ間に形成されるドットのパス数の隔たりが均一にならず、様々な組み合わせが発生するが、副走査方向の送りが均一でないため、均一な送りにより生じがちな周期的な副走査送り誤差の影響が生じにくいという利点がある。
以上本発明のいくつかの実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の態様で実施することができる。例えば、上記の実施例では、ドット形成要素としてインクを吐出するノズルを備えたインクジェットプリンタに適用した場合について説明したが、本発明はその他、同様なドット形成要素を備えた印刷装置、例えば感熱式プリンタや熱転写式プリンタなどの印刷装置にも同様に適用できるものである。これらの印刷装置では、インクの乾きはインクジェットタイプのものほどは問題とならないが、紙送りの累積誤差の問題は存在するから、バンディングの発生を抑制できることに変わりはない。
また、上記の実施例では、ノズル数5,7など、ノズル数が奇数のものを取り上げた。したがって、一つのラスタを二つのノズルにより形成するものとすると必ずいずれかのノズルが余り、その余ったノズル(#5や#7のノズル)を用いて、時間的に異なるパスで形成される二つのドットに隣接するドットを形成した。ノズル数が偶数の場合でも、インタレース条件が満たされない場合には、余剰のノズルが生じるから、かかる余剰のノズルを用いて同様に、時間的に異なるパスで形成された二つのドットに隣接するドットを形成することができる。副走査方向の送り量L(ドットピッチ)が一定の場合には、インタレースの条件は、ノズル数Nが値Lに等しく、かつノズル間ピッチkが、Nとは素の関係にある整数であるというものである。なお、この場合のノズル数Nは、一つのラスタを、s個(sは正の整数、繰り返し数とも呼ぶ)のノズルにより形成する場合には、実際に存在するノズル数Mを用いてN=M/sとして求められる実効的なノズル数である。したがって、例えば、ノズル数M=8、ドット間ピッチk=6、副走査方向の送り量L=8、の場合には、インタレースによる印刷を行なうとすると、いくつかのラスタでドットが重なってしまう。この場合には、1番目から7番目までの7個のノズルを選択し、副走査送り量Lを7ドットピッチとしてインタレースを実現し、8番目のノズルが他のノズルと重なるラスタにおいて、他のノズルを間欠駆動することでドットが形成されなかった箇所を埋めるように、あるいは他のノズルによりドットが形成された箇所に重ねて、ドットを形成するものとすればよい。
なお、副走査方向の送り量を主走査毎に異ならせるものとすれば、インタレースを実現するための上記制約は緩和されるが、ノズル数およびノズル間ピッチによってはインタレースが実現できない組み合わせが存在することに変わりはない。この場合に、余剰のノズルを用いて、同様に、時間的に異なるパスで形成される二つのドットに隣接するドットを形成すればよい。
本発明の産業上の利用分野としては、プリンタなどの印刷装置のみならず、印刷装置を組み込んだ様々な機器、たとえばファクシミリやコピーに等がある。
本発明の印刷装置の概略構成図である。 実施例におけるプリンタ22の機能の概略構成を示す説明図である。 ラスタデータ格納部の概要を説明する説明図である。 本実施例のプリンタの概略構成図である。 本実施例のプリンタのドット記録ヘッドの概略構成を示す説明図である。 本実施例のプリンタにおけるドット形成原理を示す説明図である。 本実施例のプリンタにおけるノズル配置例を示す説明図である。 本実施例のプリンタにおけるノズル配置の拡大図および形成されるドットとの関係を示す説明図である。 プリンタの制御装置の内部構成を示す説明図である。 ドットを形成するための信号がヘッドに送られる様子を示す説明図である。 印刷制御処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。 ノズル数3のノズルアレイを用いたドット形成の様子を示す説明図である パス数と駆動ノズルの番号とを用いて、ドット形成の様子を示す説明図である。 ノズル数5のノズルアレイを用いたドット形成の様子を示す説明図である。 パス数と駆動ノズルの番号とを用いて、ドット形成の様子を示す説明図である。 ノズル数7のノズルアレイを用いたドット形成の様子を示す説明図である。 パス数と駆動ノズルの番号とを用いて、ドット形成の様子を示す説明図である。 副走査方向の送り量が不均一な場合のドット形成の様子を示す説明図である。
符号の説明
1…印刷モード設定部
2…駆動部制御部
3…主走査駆動部
4…副走査駆動部
5…印刷ヘッド駆動部
6…ラスタデータ格納部
6a…第1のラスタブロック
6b…第2のラスタブロック
8…印刷媒体
15…フレキシブルディスクドライブ
16…ROMドライブ
18…モデム
22…プリンタ
23…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
26…プラテン
28…印字ヘッド
31…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置検出センサ
40…制御回路
41…CPU
42…PROM
43…RAM
44…PCインタフェース
46…タイマ
47…駆動用バッファ
48…バス
51…発信器
55…分配器
55…分配出力器
61〜66…インク吐出用ヘッド
67…導入管
68…インク通路
71,72…インク用カートリッジ
90…コンピュータ
FD…フレキシブルディスク

Claims (2)

  1. 記録ヘッドを駆動して記録媒体の一方向に並ぶドット列たるラスタを形成し、該ラスタを形成するごとに前記記録媒体を前記記録ヘッドに対して該ラスタに交差する方向に相対的に移動する副走査を行なうことで、画像を形成する画像処理装置であって、
    前記記録ヘッドに設けられ、前記記録媒体上にドットを形成するN個(Nは3以上の整数)のドット形成要素を、前記副走査の方向に、前記記録媒体上に形成可能なドット間の最小ピッチであるドットピッチを用いてkドットピッチ(kは1以上の整数)で配列したドット形成要素アレイと、
    前記記録ヘッドを駆動し、該ドット形成要素アレイの所要のドット形成要素により前記記録媒体上にドットを形成する記録ヘッド駆動部と、
    前記記録ヘッド駆動部を駆動して前記ラスタの少なくとも一部を形成するラスタ形成処理であるパスの合間に、前記副走査方向に毎回所定ドットピッチL(Lは前記kとは素の関係にある整数)分の前記移動を行なう副走査制御部と、
    を備え、
    L本の前記ラスタを形成する際、前記記録媒体上の複数のラスタのうちの一部であるp本のラスタの各々を形成するドット形成要素の数をrとし、該一部のラスタ以外の1本のラスタの各々を形成するドット形成要素の数をr+1としたとき、
    N=p・r+(r+1)
    但し、p,rはいずれも1以上の整数、かつL=p+1
    となるように、前記ドット形成要素の組合わせを選択し、かつ前記r+1個のドット形成要素を用いて完成される1本のラスタでは、r+1個のドット形成要素により形成されるドットが所定の順序で繰り返されるように当該ドット形成要素を駆動して、全ラスタの形成を行なうことを特徴とする
    画像処理装置。
  2. 印刷ヘッドを駆動して印刷媒体の一方向に並ぶドット列たるラスタを形成し、該ラスタを形成するごとに前記印刷媒体を前記印刷ヘッドに対して該ラスタに交差する方向に相対的に移動する副走査を繰り返し、画像を印刷する方法であって、
    前記記録ヘッドに設けられ、前記記録媒体上にドットを形成するN個(Nは3以上の整数)のドット形成要素を、前記副走査の方向に、前記記録媒体上に形成可能なドット間の最小ピッチであるドットピッチを用いてkドットピッチ(kは1以上の整数)で配列したドット形成要素アレイにより、前記記録媒体上にドットを形成し、
    前記記録ヘッド駆動部を駆動して前記ラスタの少なくとも一部を形成するラスタ形成処理であるパスの合間に、前記副走査方向に毎回所定ドットピッチL(Lは前記kとは素の関係にある整数)分の前記移動を行ない、
    L本の前記ラスタを形成する際、前記記録媒体上の複数のラスタのうちの一部であるp本のラスタの各々を形成するドット形成要素の数をrとし、該一部のラスタ以外の1本のラスタの各々を形成するドット形成要素の数をr+1としたとき、
    N=p・r+(r+1)
    但し、p,rはいずれも1以上の整数、かつL=p+1
    となるように、前記ドット形成要素の組合わせを選択しし、かつ前記r+1個のドット形成要素を用いて完成される1本のラスタでは、r+1個のドット形成要素により形成されるドットが所定の順序で繰り返されるように当該ドット形成要素を駆動して、全ラスタの形成を行なう
    印刷方法。
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