JP3796992B2 - ドット形成要素の選択方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷媒体の表面にドットを記録することによって画像を印刷する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録ヘッドが主走査方向と副走査方向に走査しながら記録を行う記録装置としては、シリアルスキャン型プリンタやドラムスキャン型プリンタ等がある。この種のプリンタにおける記録方式を規定するパラメータとしては、一色分の印刷に使用するノズル個数や、ノズルピッチ、副走査送り量などがある。同じプリンタにおいても、これらのパラメータのうちのいくつかが異なる種々の記録方式を採用することが可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、画質の良否はドット記録装置の種々の部品の製造誤差にも依存する。従って、同一の設計に従って製造された個々のドット記録装置に関しても、きれいな画像を記録する上で好ましいドット記録方式が異なる場合がある。従来は、このような個々のドット記録装置に適したドット記録方式を採用することは困難であった。
【0004】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、個々のドット記録装置に適したドット記録方式を採用することができる技術を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明による第1の方法は、副走査方向に沿ってほぼ一定のピッチで同一色の複数のドットを形成するためのNfull個(Nfullは3以上の整数)のドット形成要素が配列されたドット形成要素アレイを有するドット記録ヘッドを用い、前記副走査方向とほぼ垂直な方向に沿って主走査を行いつつ印刷媒体の表面にドットの記録を行うドット記録装置において、n個(nは1<n<Nfullを満たす整数)のドット形成要素を使用する記録モードに従ってドット記録を実行する際に使用されるn個のドット形成要素を、前記ドット記録装置の出荷前に予め選択する方法であって、
(a)前記Nfull個のドット記録要素を用いて記録された主走査方向に伸びるNfull本の直線状パターンを含む検査用画像を記録する工程と、
(b)前記検査用画像を検査することによって、各ドット形成要素で記録される前記直線状パターンの間の距離を測定する工程と、
(c)前記直線状パターンの間の距離に基づいて、印刷の際に隣接して記録されるラスタラインの間隔のバラツキを示す評価値を算出するとともに、前記Nfull個のドット形成要素の中から選択可能な複数組のn個のドット形成要素の組合せの中から、前記評価値が最も小さいn個のドット形成要素を選択する工程と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
この方法では、Nfull個のドット形成要素の中から好ましいn個のドット形成要素を容易に選択することができ、これらの好ましいn個のドット形成要素を用いて高画質が得られるドット記録を実行することができる。
【0012】
また、ラスタラインの間隔のバラツキを示す評価値を利用すれば、高画質が得られるn個のドット形成要素を容易に選択することができる。
【0013】
本発明の第2の方法は、副走査方向に沿ってほぼ一定のピッチで同一色の複数のドットを形成するためのNfull個(Nfullは3以上の整数)のドット形成要素が配列されたドット形成要素アレイを有するドット記録ヘッドを用い、前記副走査方向とほぼ垂直な方向に沿って主走査を行いつつ印刷媒体の表面にドットの記録を行うドット記録装置において、n個(nは1<n<Nfullを満たす整数)のドット形成要素を使用する記録モードに従ってドット記録を実行する際に使用されるn個のドット形成要素を、前記ドット記録装置の出荷前に予め選択する方法であって、
(a)前記Nfull個のドット記録要素を用いて記録された主走査方向に伸びるNfull本の直線状パターンを含む検査用画像を記録する工程と、
(b)前記検査用画像を検査することによって、各ドット形成要素で記録される前記直線状パターンの幅を測定する工程と、
(c)前記直線状パターンの幅に基づいて、印刷の際に隣接して記録されるラスタラインの幅の変動を示す評価値を算出するとともに、前記Nfull個のドット形成要素の中から選択可能な複数組のn個のドット形成要素の組合せの中から、前記評価値が最も小さいn個のドット形成要素を選択する工程と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
この方法によれば、ラスタラインの幅の変動が小さく高画質が得られるn個のドット形成要素を容易に選択することができる。
【0015】
本発明の第3の方法は、副走査方向に沿ってほぼ一定のピッチで同一色の複数のドットを形成するためのNfull個(Nfullは3以上の整数)のドット形成要素が配列されたドット形成要素アレイを有するドット記録ヘッドを用い、前記副走査方向とほぼ垂直な方向に沿って主走査を行いつつ印刷媒体の表面にドットの記録を行うドット記録装置において、n個(nは1<n<Nfullを満たす整数)のドット形成要素を使用する記録モードに従ってドット記録を実行する際に使用されるn個のドット形成要素を、前記ドット記録装置の出荷前に予め選択する方法であって、
(a)前記Nfull個のドット記録要素を用いて記録された主走査方向に伸びるNfull本の直線状パターンを含む検査用画像を記録する工程と、
(b)前記検査用画像を検査することによって、各ドット形成要素で記録される前記直線状パターンの幅を測定する工程と、
(c)前記直線状パターンの幅に基づいて、印刷の際に隣接して記録されるラスタラインの重なりのバラツキを示す評価値を算出するとともに、前記Nfull個のドット形成要素の中から選択可能な複数組のn個のドット形成要素の組合せの中から、前記評価値が最も小さいn個のドット形成要素を選択する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【0016】
この方法によれば、ラスタラインの重なりのバラツキが小さく高画質が得られるn個のドット形成要素を容易に選択することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
A.装置の構成:
図1は、本発明の実施例としてのカラー画像処理システムの構成を示すブロック図である。このカラー画像処理システムは、スキャナ12と、パーソナルコンピュータ90と、カラープリンタ22とを有している。パーソナルコンピュータ90は、カラーディスプレイ21を備えている。スキャナ12は、カラー原稿からカラー画像データを読み取り、R,G,Bの3色の色成分からなる原カラー画像データORGをコンピュータ90に供給する。
【0020】
コンピュータ90の内部には、図示しないCPU,RAM,ROM等が備えられており、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からはこれらのドライバを介して、最終カラー画像データFNLが出力されることになる。画像のレタッチなどを行なうアプリケーションプログラム95は、スキャナから画像を読み込み、これに対して所定の処理を行ないつつビデオドライバ91を介してCRTディスプレイ93に画像を表示している。このアプリケーションプログラム95が、印刷命令を発行すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が、画像情報をアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンタ22が印字可能な信号(ここではCMYKの各色についての2値化された信号)に変換している。図1に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、アプリケーションプログラム95が扱っているカラー画像データをドット単位の画像データに変換するラスタライザ97と、ドット単位の画像データに対してプリンタ22が使用するインク色CMYおよび発色の特性に応じた色補正を行なう色補正モジュール98と、色補正モジュール98が参照する色補正テーブルCTと、色補正された後の画像情報からドット単位でのインクの有無によってある面積での濃度を表現するいわゆるハーフトーンの画像情報を生成するハーフトーンモジュール99と、後述するモード指定情報をカラープリンタ22内のメモリに書き込むためのモード指定情報書込モジュール110とが備えられている。
【0021】
図2は、プリンタ22の概略構成図である。図示するように、このプリンタ22は、紙送りモータ23によって用紙Pを搬送する機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ31に搭載された印刷ヘッド28を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御する機構と、これらの紙送りモータ23,キャリッジモータ24,印刷ヘッド28および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とから構成されている。
【0022】
このプリンタ22のキャリッジ31には、黒インク用のカートリッジ71と、シアン,マゼンタ,イエロの3色のインクを収納したカラーインク用カートリッジ72とが搭載可能である。キャリッジ31の下部の印刷ヘッド28には計4個のインク吐出用ヘッド61ないし64が形成されており、キャリッジ31の底部には、この各色用ヘッドにインクタンクからのインクを導く導入管65(図3参照)が立設されている。キャリッジ31に黒インク用のカートリッジ71およびカラーインク用カートリッジ72を上方から装着すると、各カートリッジに設けられた接続孔に導入管が挿入され、各インクカートリッジから吐出用ヘッド61ないし64へのインクの供給が可能となる。
【0023】
インクが吐出される機構を簡単に説明する。図3に示すように、インク用カートリッジ71,72がキャリッジ31に装着されると、毛細管現象を利用してインク用カートリッジ内のインクが導入管65を介して吸い出され、キャリッジ31下部に設けられた印刷ヘッド28の各色ヘッド61ないし64に導かれる。なお、初めてインクカートリッジが装着されたときには、専用のポンプによりインクを各色のヘッド61ないし64に吸引する動作が行なわれるが、本実施例では吸引のためのポンプ、吸引時に印刷ヘッド28を覆うキャップ等の構成については図示および説明を省略する。
【0024】
各色のヘッド61ないし64には、図3に示したように、各色毎に32個のノズルnzが設けられており、各ノズル毎に電歪素子の一つであって応答性に優れたピエゾ素子PEが配置されている。ピエゾ素子PEとノズルnzとの構造を詳細に示したのが、図4である。図示するように、ピエゾ素子PEは、ノズルnzまでインクを導くインク通路80に接する位置に設置されている。ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行なう素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加することにより、図4下段に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路80の一側壁を変形させる。この結果、インク通路80の体積は、ピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ipとなって、ノズルnzの先端から高速に吐出される。このインク粒子Ipがプラテン26に装着された用紙Pに染み込むことにより、印刷が行なわれることになる。
【0025】
以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ22は、紙送りモータ23によりプラテン26その他のローラを回転して用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ31をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印刷ヘッド28の各色ヘッド61ないし64のピエゾ素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行ない、用紙P上に多色の画像を形成する。各色のヘッド61〜64におけるノズルの具体的な配列に関してはさらに後述する。
【0026】
用紙Pを搬送する機構は、紙送りモータ23の回転をプラテン26のみならず、図示しない用紙搬送ローラに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ31を往復動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出する位置検出センサ39等から構成されている。
【0027】
制御回路40の内部には、図示しないCPUやメインメモリ(ROMやRAMU)のほかに、書き換え可能な不揮発性メモリとしてのプログラマブルROM(PROM)42が備えられている。PROM42には、複数のドット記録モードのパラメータを含むドット記録モード情報が格納されている。ここで、「ドット記録モード」とは、各ノズルアレイにおいて実際に使用するノズル個数Nや、副走査送り量L等で規定されるドットの記録方式を意味している。この明細書では、「記録方式」と「記録モード」はほぼ同じ意味で用いられている。具体的なドット記録モードの例や、それらのパラメータについては後述する。PROM42には、さらに、複数のドット記録モードの中から好ましいモードを指定するためのモード指定情報も格納されている。
【0028】
各ドット記録モードで記録される画像の画質は、印刷ヘッド28におけるノズルアレイの配列特性(個々のノズルの実際の位置)に依存する。例えば、ノズルアレイの中に、それぞれの設計位置よりも互いに離れる方向に(または近づく方向に)ずれている2つのノズルが存在する場合がある。このような2つのノズルが隣接する2本のラスタラインを記録すると、これらの2本のラスタラインの間に「バンディング」と呼ばれる筋状の画質劣化部分が発生する。一方、隣接するラスタラインを記録してゆくノズルの番号の配列は、ドット記録モード(特に副走査送り量)に応じて決定される。従って、好ましいドット記録モードは、プリンタに搭載された印刷ヘッド28の特性(個々のノズルによる実際のドット記録位置)に依存する。このように、モード指定情報で指定されるドット記録モードは印刷ヘッド28の特性に応じて決まるので、モード指定情報は印刷ヘッド28の種類を示す識別子と考えることもできる。そこで、この明細書では、モード指定情報を「ヘッドID」とも呼び、あるいは、「モードID」とも呼ぶ。
【0029】
後述するように、本実施例のプリンタ22は、各色毎に設けられた複数のノズルの中の一部(例えば半数)のノズルのみを使用するようなドット記録モードを有している。ここで、各色についてNfull個(Nfullは3以上の整数)のノズルが設けられており、その中から選択されたn個(nは1<n<Nfullを満足する整数)のノズルのみを実際に用いてドット記録を行う場合を考える。この時、Nfull個のノズルの中から選択可能なn個のノズルの組合せは、複数組存在する。実際に使用されるn個のノズルの組が異なると、印刷で得られる画質も異なる。このような場合には、上述したモード指定情報の中には、Nfull個のノズルの中から実際に使用されるn個のノズルの組を選択するための選択情報も含まれている。なお、実際に使用されるn個のノズルの組だけが異なり、他の走査パラメータ(副走査送り量など)が同一である複数の記録モードを、互いに異なる記録モードと考えることも可能である。この場合には、モード指定情報自身が、n個のノズルの組を選択するための選択情報としての機能も有することになる。
【0030】
ドット記録モード情報は、コンピュータ90の起動時にプリンタドライバ96(図1)がインストールされる際に、プリンタドライバ96によってPROM42から読み出される。すなわち、プリンタドライバ96は、モード指定情報で指定された好ましいドット記録モードに対するドット記録モード情報をPROM42から読み込む。ラスタライザ97とハーフトーンモジュール99における処理や、主走査および副走査の動作は、このドット記録モード情報に応じて実行される。
【0031】
なお、PROM42は、書き換え可能な不揮発性メモリであればよく、EEPROMやフラッシュメモリなどの種々の不揮発性メモリを使用することができる。また、モード指定情報は書き換え可能な不揮発性メモリに格納することが好ましいが、ドット記録モード情報は、書き換えができないROMに格納するようにしてもよい。また、複数のドット記録モード情報は、PROM42ではなく、他の記憶手段に格納されていてもよく、また、プリンタドライバ96内に登録されていてもよい。
【0032】
図5は、インク吐出用ヘッド61〜64におけるインクジェットノズルの配列を示す説明図である。第1のヘッド61には、ブラックインクを噴射するノズルアレイが設けられている。また、第2ないし第4のヘッド62〜64にも、シアン、マゼンタ及びイエローのインクをそれぞれ噴射するノズルアレイが設けられている。これらの4組のノズルアレイの副走査方向の位置は、互いに一致している。なお、これらの4色のインクの他に、淡色のマゼンタインクや淡色のシアンインクなどの他のインクを追加することも可能である。例えば、淡色のマゼンタインクと淡色のシアンインクとを含む6色のインクを用いた場合には、6組のノズルアレイが設けられる。
【0033】
4組のノズルアレイは、副走査方向に沿って一定のノズルピッチkで千鳥状に配列された複数個(例えば32個や48個)のノズルnzをそれぞれ備えている。なお、各ノズルアレイに含まれる複数個のノズルは、千鳥状に配列されている必要はなく、一直線上に配置されていてもよい。但し、図5(A)に示すように千鳥状に配列すれば、製造上、ノズルピッチkを小さく設定し易いという利点がある。
【0034】
図5(B)は、1つのノズルアレイによって形成される複数のドットの配列を示している。この実施例では、インクノズルの配列が千鳥状か直線状かに関わらず、1つのノズルアレイによって形成される複数のドットは、副走査方向に沿ってほぼ一直線上に並ぶように、各ノズルのピエゾ素子PE(図4)に駆動信号が供給される。例えば、図5(A)のようにノズルアレイが千鳥状に配列されている場合において、図の右方向にヘッド61が走査されてドットを形成していく場合を考える。この時、先行するノズル群100,102…は、後追するノズル群101,103…よりも、d/v[秒]だけ早いタイミングで駆動信号が与えられる。ここで、d[インチ]は、ヘッド61における2つのノズル群の間のピッチ(図5(A)参照)であり、v[インチ/秒]はヘッド61の走査速度である。この結果、1つのノズルアレイによって形成される複数のドットは、副走査方向に沿って一直線上に配列される。なお、後述するように、各ヘッド61〜64に設けられている複数個のノズルは、常に全数が使用されるとは限らず、ドット記録方式によっては、その一部のノズルのみが使用される場合もある。
【0035】
図6は、ドット記録モードに応じた駆動制御に関連する構成の機能ブロック図である。この機能ブロック図には、モードIDメモリ202と、記録モード設定部204と、記録モードテーブル206と、駆動部制御部208と、主走査駆動部210と、副走査駆動部212と、印刷ヘッド駆動部214と、ラスタデータ格納部216と、印刷ヘッド28と、印刷用紙Pとが示されている。
【0036】
記録モードテーブル206は、複数のドット記録モード情報を格納している。この記録モードテーブル206には、各ドット記録モード情報に含まれる種々のパラメータの中で、記録解像度と、モードグループと、モードIDと、使用ノズル数Nと、副走査量Lとが示されている。なお、各ドット記録モード情報には、この他にも、主走査と副走査の動作を規定するための種々のパラメータが含まれているが図6では図示を省略している。
【0037】
図6の例では、記録モードテーブル206に格納されている複数のドット記録モードが、記録解像度と記録速度の組合せに応じて、5つのモードグループM1〜M5に分類されている。第1のモードグループM1は、「360dpiで速い」グループである。また、第2のモードグループM2は「360dpiできれいな(遅い)」グループ、第3のモードグループM3は「720dpiで速い」グループ、第4のモードグループM4は「720dpiできれいな(遅い)」グループ、第5のモードグループM5は「720dpiで極きれいな(極遅い)」グループである。
【0038】
なお、第4のモードグループM4の2つのドット記録モードは、各色のNfull個のすべてのノズルを使用するモードである。一方、第5のモードグループM5の2つのドット記録モードは、各色のNfull個のノズルの中の半数のみを使用するモードである。第5のモードグループM5の記録モードに関しては、モードIDの中に、実際に使用されるノズルを選択するための選択情報が含まれている。
【0039】
モードIDメモリ202は、各モードグループに関して、好ましいドット記録モードを指定するモードID(モード指定情報)を格納している。記録モード設定部204は、コンピュータ90から与えられる印刷データと、モードIDメモリ202から与えられるモードID(モード指定情報)とに応じて、駆動部制御部208とラスタデータ格納部216に主走査と副走査の動作を規定するパラメータを供給する。なお、印刷データは、図1の最終カラー画像データFNLと同じものである。印刷データの図示しないヘッダ部分には、印刷に使用するモードグループM1〜M5の中の1つを指定するデータが含まれている。記録モード設定部204は、このモードグループの指定と、モードIDメモリ202から供給されたモードIDとから、印刷の実行に使用するドット記録モードを決定する。
【0040】
記録モード設定部204は、こうして決定されたドット記録モードにおける使用ノズル数Nと副走査送り量Lとを含む走査パラメータを、駆動部制御部208とラスタデータ格納部216とに供給する。使用ノズル数Nと副走査送り量Lとは1回の走査毎に変更される可能性があるので、各回の走査の前にこれらを含む走査パラメータが駆動部制御部208とラスタデータ格納部216に供給される。
【0041】
ラスタデータ格納部216は、使用ノズル数Nと副走査量Lとを含む走査パラメータに応じて、印刷データを図示しないバッファメモリ内に格納する。一方、駆動部制御部208は、使用ノズル数Nと副走査量Lとを含むパラメータに応じて、主走査駆動部210と副走査駆動部212と印刷ヘッド駆動部214とを制御する。
【0042】
なお、モードIDメモリ202と記録モードテーブル206とは、図2に示した1つのPROM42内に設けられている。また、記録モード設定部204と駆動部制御部208とラスタデータ格納部216とは、図2に示した制御回路40内に設けられている。主走査駆動部210は、図2に示すキャリッジモータ24を含むキャリッジ31の送り機構によって実現されており、副走査駆動部212は紙送りモータ23を含む用紙の送り機構によって実現されている。さらに、印刷ヘッド駆動部214は、各ノズルのピエゾ素子PEを含む回路によって実現されている。
【0043】
B.ドット記録方式のパラメータの例:
図7は、ドット記録方式を規定するパラメータを示す説明図である。図7(A)は、4個のノズルを用いた場合の副走査送りの一例を示しており、図7(B)はそのドット記録方式のパラメータを示している。図7(A)において、数字を含む実線の丸は、各副走査送り後の4個のノズルの副走査方向の位置を示している。丸の中の数字0〜3は、ノズル番号を意味している。4個のノズルの位置は、1回の主走査が終了する度に副走査方向に送られる。但し、実際には、副走査方向の送りは紙送りモータ23(図1)によって用紙を移動させることによって実現されている。
【0044】
図7(A)の左端に示すように、この例では副走査送り量Lは2ドットの一定値である。従って、副走査送りが行われる度に、4個のノズルの位置が2ドットずつ副走査方向にずれてゆく。この例のように、副走査送り量Lが2ドット以上の値である記録方式は「インターレース方式」と呼ばれている。
【0045】
図7(B)には、このドット記録方式に関する種々のパラメータが示されている。ドット記録方式のパラメータには、ノズルピッチk[ドット]と、使用ノズル個数N[個]と、スキャン繰り返し数sと、実効ノズル個数Neff [個]と、副走査送り量L[ドット]とが含まれている。
【0046】
図7の例では、ノズルピッチkは3ドットであり、使用ノズル個数Nは4個である。なお、使用ノズル個数Nは、実装されている複数個のノズルの中で実際に使用されるノズルの個数である。スキャン繰り返し数sは、一回の主走査において(s−1)ドットおきに間欠的にドットを形成することを意味している。従って、スキャン繰り返し数sは、1本のラスタライン上のすべてのドットを記録するために使用されるノズルの数にも等しい。図7の場合には、スキャン繰り返し数sは2である。なお、スキャン繰り返し数sが2以上のドット記録方式を「オーバーラップ方式」と呼ぶ。
【0047】
実効ノズル個数Neff は、使用ノズル個数Nをスキャン繰り返し数sで割った値である。この実効ノズル個数Neff は、一回の主走査で記録され得るラスタラインの正味の本数を示しているものと考えることができる。
【0048】
図7(B)の表には、各副走査送り毎に、副走査送り量Lと、その累計値ΣLと、各副走査送り後のノズルのオフセットFとが示されている。ここで、オフセットFとは、副走査送りが行われていない最初のノズルの周期的な位置(図7では4ドットおきの位置)をオフセット0の基準位置と仮定した時に、副走査送り後のノズルの位置が基準位置から副走査方向に何ドット離れているかを示す値である。例えば、図7(A)に示すように、1回目の副走査送りによって、ノズルの位置は副走査送り量L(2ドット)だけ副走査方向に移動する。一方、ノズルピッチkは3ドットである。従って、1回目の副走査送り後のノズルのオフセットFは2である(図7(A)参照)。同様にして、2回目の副走査送り後のノズルの位置は、初期位置からΣL=4ドット移動しており、そのオフセットFは1である。3回目の副走査送り後のノズルの位置は、初期位置からΣL=6ドット移動しており、そのオフセットFは0である。3回の副走査送りによってノズルのオフセットFは0に戻るので、3回の副走査を1つの小サイクルとして、この小サイクルを繰り返すことによって、有効記録範囲のラスタライン上のすべてのドットを記録することができる。なお、「有効記録範囲」とは、抜けや重複無しにラスタラインが記録される範囲を言い、この有効記録範囲内で画像を記録することができる。以下では、有効記録範囲内のラスタラインを「有効ラスタライン」と呼ぶ。
【0049】
なお、インターレース方式の走査パラメータが満足すべき条件については、本出願人により開示された特開平10−278247号公報に詳述されているので、ここではその説明は省略する。
【0050】
図8は、きれいモードグループM4に含まれている2つのドット記録方式の走査パラメータを示している。図8(A)に示す第1ドット記録方式では、ノズルピッチkが6ドット、使用ノズル個数Nが48個、スキャン繰り返し数sが2、実効ノズル個数Neff が24個である。また、副走査送り量L[ドット]には、異なる6つの値(20,27,22,28,21,26)が2回繰り返し使用されている。図8(B)に示す第2ドット記録方式は、副走査送り量L以外は第1ドット記録方式と同じである。
【0051】
図9は、きれいモードグループM4の第1ドット記録方式において、各有効ラスタラインを記録するノズル番号を示している。図9の左側の欄の1〜34の数字は有効ラスタライン番号を示している。また、図9の右側には、各副走査送り後の主走査において48個のノズル#0〜#47が記録する有効ラスタラインの位置が示されている。例えば、0番目の副走査送り後の主走査では、ノズル#44〜#47が、それぞれ3番目、9番目、15番目、および21番目の有効ラスタラインを記録する。なお、ノズル番号の数字の前に「#」が付されているものは、そのノズルでラスタライン上の偶数画素位置が記録されることを意味しており、ノズル番号の数字の前に「@」が付されているものは、そのノズルでラスタライン上の奇数画素位置が記録されることを意味している。
【0052】
図9から解るように、隣接する2本のラスタラインを記録する4つのノズルの組合せは、副走査送り量Lの配列に依存する。図8に示す2つのドット記録方式では、副走査送り量Lの配列がそれぞれ異なるので、隣接する2本のラスタラインを記録する4つのノズルの組合せも互いに異なる。ところで、前述したように、隣接する2本のラスタラインを記録するノズルの記録位置が、副走査方向に沿って互いに反対方向にずれていると、2本のラスタラインの間に「バンディング」と呼ばれる筋状の画質劣化部分が発生する。従って、複数のドット記録モードの中のどれが最も高画質を達成できるかは、ノズルの配列特性に依存する。そこで、本実施例では、後述するように、各ドット記録方式に従ってテストパターンを印刷してバンディングを評価し、バンディングが最も少なくなるドット記録方式を選択している。
【0053】
極きれいモードグループM5(図6)では、各色の48個のノズルの中の24個のノズルの組のみを使用しているので、同じ走査パラメータを使用した場合にも、実際に使用されるノズルの組によってバンディングの発生の度合いが異なる。従って、本実施例では、極きれいモードグループM5の各記録方式については、バンディングが少なくなると予想されるn個のノズルの組を、好ましいノズル組として選択している。以下の説明では、使用されるn個のノズルの組を単に「ノズル組」と呼ぶ。
【0054】
C.好ましいドット記録方式および好ましいノズル組の選択:
図11は、好ましいドット記録方式や好ましいノズル組を選択するための処理手順を示すフローチャートである。ステップS11では、所定のテストパターン(検査用画像)をカラープリンタ22で印刷する。きれいモードグループM4(図6)のように、同一の解像度を有し記録速度がほぼ等しい複数のドット記録方式の中から好ましいドット記録方式を選択する場合には、テストパターンは、複数のドット記録方式に従ってそれぞれ印刷される。また、極きれいモードグループM5のように、各記録方式に関して好ましいノズル組を選択する場合には、各記録方式毎に、選択可能な複数のノズル組を用いてテストパターンがそれぞれ印刷される。例えば、極きれいモードグループM4の2つの記録方式において、選択可能なノズル組の組合せが25組存在する場合には、50(=2×25)枚のテストパターンが印刷される。
【0055】
テストパターンの印刷に関する走査パラメータは、カラープリンタ22内のPROM42(図2)、または、プリンタドライバ96(図1)に格納されている。また、テストパターンを印刷するための印刷データ(テストパターンデータ)も、カラープリンタ22内のPROM42、または、プリンタドライバ96に格納されている。なお、図6の構成では、テストパターンの印刷に使用される走査パラメータやテストパターンデータは、記録モードテーブル206に格納されている。
【0056】
なお、テストパターン(検査用画像)の印刷には、図6に示す各部204,206,208,210,212,214,216が使用されるので、これらの各部の全体は、検査用画像印刷部としての機能を有する。
【0057】
図12は、ステップS11で記録されるテストパターンの例と、その読み取り方法とを示す説明図である。図12は、図9に示す第1ドット記録方式に従って20本の横罫線を記録した例であり、各罫線がそれぞれどのノズルで記録されるかが示されている。また、図12の下部には、この処理で使用されるリニアイメージセンサ120とモード決定部122とが示されている。なお、モード決定部122は、コンピュータ90がコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0058】
図12のラスタ番号とノズル番号(#0〜#7)は、前述した図9に対応していることが解る。なお、図12において、奇数番目のラスタ上の罫線は印刷用紙の左側に記録され、偶数番目のラスタ上の罫線は印刷用紙の右側に記録されている。この理由は、隣接するラスタの罫線を、左右方向に等しい範囲に記録すると、隣接する罫線を識別することが困難だからである。このような理由から、各罫線を記録する左右方向の範囲は、2つではなく、3つに区分するようにしてもよい。最下端の1本の罫線(20番目のラスタ上の罫線)だけは、奇数番目と偶数番目のラスタ上の罫線の範囲を包含する長さにわたって記録されている。以下では、この20番目のラスタ上の罫線を「共通ラインCL」と呼ぶ。
【0059】
図11のステップS12では、イメージセンサ120(図12)によって、複数の罫線の中心位置が読み取られる。このイメージセンサ120としては、例えばCCD等で構成されたリニアイメージセンサや、2次元イメージセンサなどが使用できる。イメージセンサ120は、プリンタ22に内蔵するようにしてもよく、あるいは、プリンタ22とは別個の画像読み取り装置内に設けるようにしてもよい。イメージセンサ120をプリンタ22内に設けるようにすれば、罫線を印刷しながら罫線位置を読み取ることができるという利点がある。
【0060】
罫線の中心位置は、例えば、モード決定部122が、イメージセンサ120で得られた各罫線を芯線化処理することによって決定できる。なお、各罫線の中心位置は、共通ラインCLからの距離DISとして測定される。例えば、図12の1番目と2番目のラスタ上の罫線の位置は、共通ラインCLからの距離DIS1-20 ,DIS2-20 としてそれぞれ求められる。
【0061】
図11のステップS13では、モード決定部122が、罫線間距離のバラツキの評価値ΔDras を各記録方式毎(あるいは各ノズル組毎)に計算する。ここで、「罫線間距離」とは、隣接するラスタ上の2本の罫線間の距離を意味する。例えば、図12の1番目と2番目のラスタ上の罫線の罫線間距離Dras は、共通ラインCLからのそれぞれの距離DIS1-20 ,DIS2-20 の差分から得られる。
【0062】
ところで、隣接するラスタを記録する2つのノズルの番号の組み合わせは、ドット記録方式やノズル組に依存している。また、ドット記録方式とノズル組とが決まっている条件下では、隣接するラスタを記録するノズル番号の組合せは有限個の組合せに決まる。そこで、図11のステップS13では、各ドット記録方式毎および各ノズル組毎に、隣接するラスタを記録するノズルの番号のすべての組み合わせに対して、この罫線間距離Dras を測定する。
【0063】
図13は、1つのドット記録方式について得られた罫線間距離Dras の頻度分布を示すグラフである。図13に示すように、罫線間距離Dras は正規分布に近い頻度分布を示すものと期待される。罫線間距離Dras のバラツキの評価値としては、罫線間距離Dras の最大値と最小値との差分ΔDras を使用することができる。あるいは、罫線間距離Dras の頻度分布の標準偏差σや分散などを、罫線間距離Dras のバラツキの評価値として使用するようにしてもよい。これらの差分ΔDras や標準偏差σや分散などが大きいほど、罫線間距離の変動も大きい。一方、バンディング(主走査方向に伸びる筋状の画質劣化部)は、ラスタ間距離(これは罫線間距離に等しい)が一定ではなく、変動があるときに発生し易い。従って、罫線間距離のバラツキの評価値が大きいほど、バンディングが発生しやすい傾向にある。以上の説明から理解できるように、罫線パターンに基づく画質の評価値としては、罫線間距離Dras のバラツキ(変動)を示す種々の統計的な値を使用することが可能である。
【0064】
なお、上記の例では、罫線間距離Dras として隣接するラスタ上の2本の罫線の距離を使用したが、この代わりに、複数ラスタ分離れた2本の罫線の距離を使用することも可能である。例えば、4ラスタ分離れた2本の罫線間の距離や、6ラスタ分離れた2本の罫線間の距離などを使用してもよい。この理由は、副走査方向の記録解像度が高くなると、1ラスタの幅が小さくなるので、数ラスタの間の距離が変動したときにバンディングが目に付きやすくなるからである。このような場合に、複数ラスタ分離れた2本の罫線の距離を測定し、そのバラツキを示す統計的な値を画質の評価値として使用すれば、目に付きやすいバンディングが発生しにくいような好ましいドット記録方式やノズル組を選択することができる。
【0065】
図11のステップS14では、モード決定部120が、複数のドット記録方式(または複数のノズル組)について得られた罫線間距離のバラツキの評価値ΔDras を比較して、評価値ΔDras が最も小さいドット記録方式(またはノズル組)を決定し、そのヘッドIDをヘッドIDメモリ202に設定する。
【0066】
図14は、テストパターンの記録とその読み取りの他の方法を示す説明図である。図14の上部には、1色分のノズルアレイの48個のすべてのノズル#0〜#47を用いて48本の横罫線を記録した例が示されている。偶数番目のノズルは印刷用紙の左側に罫線を記録し、奇数番目のノズルは印刷用紙の右側に罫線を記録している。また、最下端の1本の罫線(#47のノズルで記録される罫線)は、共通ラインCLとなっている。これらの罫線は、1回の主走査で記録される。従って、隣接する罫線の間隔は、ノズルピッチk[ドット]に等しい。なお、図14と同様に、各罫線を記録する左右方向の範囲は、2つではなく、3つに区分するようにしてもよい。
【0067】
図14のようなテストパターンを用いたときにも、図11の手順とほぼ同じ手順に従って処理が実行される。すなわち、ステップS12では、図14における各罫線の中心位置が、共通ラインCLからの距離DISとして測定される。例えば、図14のノズル番号#0と#1のノズルで記録された罫線の位置は、共通ラインCLからの距離DIS0-47,DIS1-47としてそれぞれ測定される。
【0068】
図14のようなテストパターンを利用した場合には、ステップS13におけるラスタ間距離Dras の決定は、以下に説明するように、図14のテストパターンを用いた場合とは多少異なる処理で実現される。実際の印刷時には、隣接するラスタラインを記録するノズルの組合せは、ドット記録方式と使用されるノズル組とに依存し、また、ドット記録方式とノズル組とが決まっている条件下では、隣接するラスタラインを記録するノズル番号の組合せは有限個の組合せに決まる。そこで、図14のようなテストパターンを利用した場合には、ラスタ間距離Dras は、実際の記録時において隣接するラスタラインを記録するノズル番号の組合せに応じて算出される。例えば、図9の記録方式では、3番目のラスタラインの偶数画素は0回目の副走査送り後にノズル#44で記録され、4番目のラスタラインは4回目の副走査送り後にノズル#28で記録される。このとき、3番目と4番目のラスタラインの偶数画素に関するラスタ間距離Dras は、以下の(1)式で与えられる。
【0069】
Dras =DIS44-47−DIS28-47+(ΣL)・w …(1)
【0070】
ここで、DIS44-47,DIS28-47は、図14のテストパターンにおいて、共通ラインCLからノズル#44とノズル#28で記録されたそれぞれの罫線までの距離、ΣLは実際の記録時における3番目のラスタラインと4番目のラスタラインの記録の間の副走査送り量の累計値、wはドットピッチ[インチ]である。この例では、3番目のラスタラインは0回目の副走査送り後に記録され、4番目のラスタラインは4回目の副走査送り後に記録されるので、ΣLは0回目の副走査送りから4回目の副走査送りまでの送り量の累計値である。なお、図8(A)に示されているように、0回目の副走査送りから4回目の副走査送りまでの送り量の累計値ΣLは97ドットである。
【0071】
他の隣接するラスタラインに関するラスタ間距離Dras も、上記と同様な式に従って算出することができる。従って、図14のように記録された罫線に関して距離DIS0-47〜DIS46-47を測定しておけば、あらゆるドット記録方式およびあらゆる使用ノズル組を用いたときの、あらゆる隣接ラスタラインに関してラスタ間距離Dras を算出することが可能である。そして、各ドット記録方式および各ノズル組に関して、図9に示すようなラスタ間距離Dras の分布を求めることができる。なお、ラスタ間距離Dras の算出以降の処理は、図14の場合と同じなので、説明を省略する。
【0072】
なお、バンディング発生の主要な原因としては、副走査送り誤差と、ノズルピッチの製造誤差と、の2つがある。バンディングが主に副走査送り誤差に起因する場合には、図14のように、実際のドット記録方式に従って記録されたラスタラインの間の距離を測定することが好ましい。一方、バンディングが主にノズルピッチの製造誤差に起因する場合には、図14のように、1色分のすべてのノズルを用いて1回の主走査で直線状の罫線を記録し、これらの罫線の間の距離を測定するようにしても、ドット記録方式やノズル組の良否を十分な精度で確認することができる。
【0073】
図15は、テストパターンの記録とその読み取りの更に他の方法を示す説明図である。図15の上部には、1色分のノズルアレイに設けられている48個のすべてのノズル#0〜#47を用いて48本の横罫線を記録した例が示されている。図15では、偶数番目のノズルも奇数番目のノズルも、印刷用紙の幅方向(X方向)に沿ったほぼ同じ位置に罫線を記録している。従って、隣接する罫線の間隔は、ノズルピッチk[ドット]に等しい。
【0074】
図15では、図示の便宜上、図14に比べて罫線を太く描いているが、実際には各罫線は図14のものと同じである。なお、図14と図15の方法の主な違いは、好ましい記録方式や好ましいノズル組を選択する際に使用する評価値の算出方法の違いにあり、罫線の記録位置の違いには大きな意味は無い。すなわち、図14の方法において図15に示すテストパターンを用いてもよく、また、以下に説明する図15の方法において図14に示すテストパターンを用いてもよい。
【0075】
図16は、図15のテストパターンを用いたときの好ましい記録方式または好ましいノズル組の選択手順を示すフローチャートである。ステップS21では、図15のようなテストパターンを印刷する。
【0076】
ステップS22では、イメージセンサ120によってテストパターンの画像を読取るとともに、モード決定部122がその画像を処理することによって、罫線の上端と下端の位置を決定する。例えば、図15のノズル#0で記録された罫線に関しては、罫線の上端位置Y0Uと下端位置Y0Lとが決定される。他のノズルで記録された罫線についても同様である。すなわち、48個のノズルでそれぞれ記録された48本の罫線について、その上端位置Y0U〜Y47U と下端位置Y0L〜Y47L とがそれぞれ決定される。なお、各罫線の上端位置と下端位置の値としては、各罫線上の複数の位置での平均値をそれぞれ採用することが好ましい。なお、Y方向(副走査方向)位置の基準位置の取り方は、任意である。例えばノズル#0で記録された罫線の上端位置Y0UをY=0の基準位置と取ってもよく、また、ノズル#47で記録された罫線の上端位置Y47U をY=0の基準位置と取ってもよい。
【0077】
ステップS23では、モード決定部122が、以下に示す手順に従って、各記録方式および各ノズル組で画像を印刷した際の隣接ラスタライン間の重なりのバラツキの評価値ΔVras を計算する。ここではまず、テストパターンの各罫線の上端位置と下端位置とから、以下(2)式に従って各罫線の中心位置(すなわち重心)YiG(i=0〜47)を算出する。
0G=(Y0U+Y0L)/2
1G=(Y1U+Y1L)/2

iG=(YiU+YiL)/2

47G =(Y47U+Y47L)/2 …(2)
【0078】
次に、以下の(3)式に従って各罫線の線幅LBiG(i=0〜47)を算出する。
LB0G=(Y0U−Y0L
LB1G=(Y1U−Y1L

LBiG=(YiU−YiL

LB47G =(Y47U−Y47L) …(3)
【0079】
さらに、以下の(4)式に従って、#0ノズルを基準としたときのi番目のノズルのY方向アライメントYAi (i=0〜47)を算出する。
YA0 = 0
YA1 =(Y1G−Y0G)−{P×1}

YAi =(YiG−Y0G)−{P×i}

YA47=(Y47G−Y0G)−{P×47} …(4)
【0080】
ここで、Pは、ノズルピッチの設計値k[ドット]を距離の単位(例えば[mm])で表したものである。上記(4)式から理解できるように、#iノズルのY方向アライメントYAi は、#0ノズルから#iノズルまでの実測距離(YiG−Y0G)と、その設計値{P×i}との差である。換言すれば、#iノズルのY方向アライメントYAi は、#0ノズルから#iノズルまでの実測距離(YiG−Y0G)の、設計値{P×i}からのズレを示している。なお、#0ノズルのY方向アライメントYA0 は0であると定義している。この説明から解るように、Y方向アライメントYAは、各ノズルで記録される罫線の実測位置の設計位置からのズレを示す指標である。
【0081】
次に、以下の(5)式に従って、各ノズルのY方向絶対アライメントAYAi を算出する。
AYA0 =YA0 −YAave=−Yave
AYA1 =YA1 −YAave

AYAi =YAi −YAave

AYA47=YA47−YAave …(5)
【0082】
ここで、YAaveは、次の(6)式に示すように、48本のノズルのY方向アライメントYAの平均値である。
YAave =(YA0 +YA1 +YA2 +…+YA47)/48
=( 0 +YA1 +YA2 +…+YA47)/48 …(6)
【0083】
上記(5)式から解るように、各ノズルのY方向絶対アライメントAYAi は、各ノズルのY方向アライメントYAi と、48本のノズルのY方向アライメントYAの平均値YAaveとの差である。
【0084】
次に、以下の(7)式に従って、各記録方式および各ノズル組を用いて印刷された画像における隣接ラスタライン間の重なりVrasを算出する。
Vras=(LBj +LBj+1 )−{D+(AYAj −AYAj+1 )} …(7)
【0085】
ここで、LBj ,LBj+1 は、印刷媒体の有効記録範囲におけるj番目とj+1番目のラスタラインの線幅をそれぞれ示し、Dは隣接ラスタライン間のピッチの設計値[mm]を、また、AYAj ,AYAj+1 は有効記録範囲のj番目とj+1番目のラスタラインのY方向絶対アライメントを示す。
【0086】
(7)式の右辺第2項は、上述したY方向アライメントYAの説明からも理解できるように、隣接する2本のラスタラインの実際の距離を示している。従って、(7)式では、隣接する2本のラスタラインの実際の距離を考慮して(換言すれば実際の距離と設計値との差を考慮して)、その重なりを算出している。
【0087】
なお、隣接する2本のラスタラインの実際の距離を考慮せずに、その設計値Dを用い、次の(8)式に従って隣接ラスタライン間の重なりVrasを算出するようにしてもよい。
Vras=(LBj +LBj+1 )−D …(8)
【0088】
但し、(8)式よりも、隣接する2本のラスタラインの実際の距離を考慮した(7)式を用いた方が、より現実的な重なり量を算出することが可能である。
【0089】
ところで、図9に示す第1のドット記録方式では、1番目のラスタラインは#24ノズルと#0ノズルとで記録されており、2番目のラスタラインは#36ノズルと#12ノズルとで記録されている。このように、j番目のラスタラインが2個のノズルで記録されるときには、その線幅LBj としては、テストパターンにおいてそれらの2個のノズルで記録されたラスタラインの線幅の平均値が用いられる。従って、図9の場合には、1番目のラスタラインの線幅としては、図15において#24ノズルで記録されたラスタラインの線幅と、#0ノズルで記録されたラスタラインの線幅との平均値が用いられる。これは、Y方向絶対アライメントAYAj に関しても同様である。なお、一般に、オーバーラップ方式においてj番目のラスタラインがm本(mは2以上の整数)のノズルを用いて記録されるときは、そのj番目のラスタラインの線幅LBj とY方向絶対アライメントAYAj としては、m本のノズルに対する線幅の平均値とm本のノズルに対するY方向絶対アライメントの平均値とがそれぞれ用いられる。
【0090】
上述した隣接ラスタライン間の重なりVrasの計算方法は、部分オーバーラップ方式でも同様である。例えばスキャン繰り返し数sが1より大きく2よりも小さな部分オーバーラップ方式では、j番目のラスタラインが2個のノズルで記録され、j+1番目のラスタラインは1個のノズルで記録される、という場合が起こり得る。このような場合には、j番目のラスタラインについては2個のノズルに対する線幅の平均値とY方向絶対アライメントの平均値とが上記(7)で用いられ、一方、j番目のラスタラインについては1個のノズルに対する線幅とY方向絶対アライメントとが用いられる。
【0091】
図17は、ドット記録方式とノズル組が決まっている条件下で得られた隣接ラスタ間の重なりVras の頻度分布を示すグラフである。図17に示すように、ラスタ間の重なりVras も正規分布に近い頻度分布を示すものと期待される。ラスタ間の重なりVras のバラツキの評価値としては、ラスタ間の重なりVras の最大値と最小値との差分ΔVras を使用することができる。あるいは、ラスタ間の重なりVras の頻度分布の標準偏差σや分散などを、ラスタ間の重なりVras のバラツキの評価値として使用するようにしてもよい。これらの差分ΔVras や標準偏差σや分散などが大きいほど、ラスタ間の重なりの変動も大きい。一方、バンディングは、隣接するラスタ間の重なりが一定ではなく、変動があるときに発生し易い。従って、ラスタ間の重なりのバラツキの評価値が大きいほど、バンディングが発生しやすい傾向にある。以上の説明から理解できるように、テストパターンの画質の評価値としては、ラスタ間の重なりVras のバラツキ(変動)を示す種々の統計的な値を使用することが可能である。
【0092】
なお、上記の例では、ラスタ間の重なりVras として、隣接する2本のラスタラインの重なりを使用したが、この代わりに、複数ラスタラインにわたる重なりの合計値や平均値を使用することも可能である。例えば、隣接する7本のラスタラインの間の6箇所の重なりの平均値などを使用してもよい。この理由は、副走査方向の記録解像度が高くなると、1ラスタラインの幅が小さくなるので、数ラスタラインにわたる重なりの平均値が変動したときにバンディングが目に付きやすくなるからである。このような場合に、複数ラスタラインにわたる重なりの合計値や平均値を測定し、そのバラツキを示す統計的な値を画質の評価値として使用すれば、目に付きやすいバンディングが発生しにくいような好ましいドット記録方式やノズル組を選択することができる。
【0093】
図16のステップS24では、モード決定部120が、複数のドット記録方式について得られたラスタ間の重なりのバラツキの評価値ΔVras を比較して、評価値ΔVras が最も小さいドット記録方式(またはノズル組)を決定し、そのヘッドIDをヘッドIDメモリ202に設定する。
【0094】
なお、図11や図16の手順の代わりに、ラスタ間距離のバラツキの評価値ΔDras とラスタ間の重なりのバラツキの評価値ΔVras との両方に基づいて、好ましい記録方式や好ましいノズル組を選択するようにしてもよい。例えば、これらの評価値ΔDras ,ΔVras から算出される総合評価値(例えばΔDras +ΔVras )に基づいて、好ましい記録方式やノズル組を選択することができる。なお、評価値としては、これらの評価値以外のものも併せて利用可能である。すなわち、一般には、ラスタ間距離のバラツキの評価値とラスタ間の重なりのバラツキの評価値とのうちの少なくとも一方に基づいて、好ましい記録方式やノズル組を選択するようにすればよい。
【0095】
なお、上述したラスタ間距離のバラツキの評価値ΔDras や、ラスタ間の重なりのバラツキの評価値ΔVras の算出方法は単なる一例であり、これら以外の種々の方法で、ラスタ間距離のバラツキの評価値や、ラスタ間の重なりのバラツキの評価値を求めることも可能である。
【0096】
図18は、好ましいノズル組を選択するための他の方法を示す説明図である。図18のグラフの横軸は1色分のノズル番号#0〜#47を示し、縦軸は図15に示した各罫線の線幅を示している。この線幅は、上述した(3)式で算出されたものである。極きれいモードグループM5(図6)では、48個のノズルの中の連続した24個のノズルのみが使用される。48個のノズルの中から連続した24個のノズルを選択する場合に選択可能なノズルの組合せは25組存在する。図18では、これらの25組のノズル組の中で、線幅の変動が最も小さいノズル組が選択されている。ここで、「線幅の変動」とは、そのノズル組の中における線幅の最大値と最小値との差分を意味する。すなわち、図18に示されている「使用ノズル組」の中の線幅の最大値と最小値の差分が、選択可能な25組のノズル組の中で最も小さい。
【0097】
このように、記録される罫線の線幅の変動が少ないノズル組を用いるようにすれば、印刷時のラスタ間の距離のバラツキも小さくなると期待される。従って、このようなノズル組を用いることによって、画質を向上させることができる。
【0098】
図18の場合において、48個のノズルの中から選択されたノズル組を示すために、例えば選択されたノズル組の先頭のノズル番号#12を使用することができる。ノズル組の先頭のノズルとしては、#0〜#25までの25個のノズルが選択され得るので、ノズル組を選択するノズル選択情報は5ビットで構成される。この場合に、図6のモードIDメモリ202において、極きれいモードグループM5の2つのドット記録方式の一方を示すモードIDの中には、5ビットのノズル選択情報も含まれている。
【0099】
図18の例では、48個のノズルの中から連続した24個のノズルを「ノズル組」として選択していたが、ノズル組としては、連続していないノズルを選択することも可能である。但し、選択情報のビット数を少なくするために、規則的に配列されているノズルを選択することが好ましい。例えば、1個おきや2個おきにノズルを選択するようにすることができる。なお、選択するノズルの個数は、全ノズル数(48個)の半数に限らず、2個以上の任意の個数に設定することができる。
【0100】
なお、図18におけるノズル組の選択は、ノズル組内の線幅の変動以外の他の指標を用いて行うようにすることも可能である。例えば、隣接するノズルで記録される罫線の線幅の差分が最も小さくなるようなノズル組を選択するようにしてもよい。一般には、各ノズルで記録される罫線の幅に基づいて、好ましいノズル組を選択するようにすることができる。
【0101】
ところで、上記(4)式で与えられる各ノズルのY方向アライメントYAも、バンディングに影響を与えることは容易に理解できる。従って、線幅の代わりに、Y方向アライメントYA(すなわち罫線の実測位置の設計位置からのズレ)に基づいて、好ましいノズル組を選択するようにすることも可能である。また、線幅とY方向アライメントの両方に基づいて、好ましいノズル組を選択するようにすることも可能である。
【0102】
図19は、図15に示すテストパターンの代わりに用いられる他のテストパターンを示す説明図である。図19のテストパターンでは、横罫線の代わりに、ドット(黒丸で示す)を間欠的に記録した直線状パターンが記録されている。図19において複数のドットを貫通している直線は、単にラスタラインの中心位置を示すための補助線である。このようなテストパターンは、約50%以下の範囲の中間調領域内の特定の階調を有する画像を記録する際の駆動信号に応じて印刷される。この理由は、バンディングは中間調において目立ち易いので、中間調における記録動作に従って記録されたテストパターンを使用すれば、中間調におけるバンディングの発生をより適切に評価することができるからである。ここで、「駆動信号」とは、印刷ヘッド28の各ノズルの駆動素子(ピエゾ素子)に供給される信号(すなわち前述した図8(c)に示す信号)を意味している。なお、図12や図14においても、中間調における記録動作に従って、間欠的にドットを記録した直線状パターンを形成してもよい。
【0103】
図19に示すテストパターンの読取りや測定の方法は、図14の場合と同じなので、ここではその説明は省略する。
【0104】
なお、本明細書においては、直線上に配列されているパターンを一般に「直線状パターン」と呼んでいる。従って、図19に示した間欠的なパターンのみでなく、図15に示した横罫線も「直線状パターン」の一種である。この例から理解できるように、各ノズルの特性を知るためには、各ノズルで記録された直線状ターンの特徴を測定することが好ましい。
【0105】
上述のように、テストパターン(検査用画像)を何らかのセンサで読み取り、そのセンサの出力を分析して画質に影響する評価値を算出するようにすれば、検査者や使用者が検査用画像を観察せずに、自動的に好ましいドット記録方式や好ましいノズル組を選択することが可能である。
【0106】
上述した好ましいドット記録方式やノズル組の選択は、解像度と記録速度の各組合せ毎に実行するようにすることが好ましい。例えば、カラープリンタ22において選択しうる解像度と記録速度の組合せが複数組存在する場合には、その各組ごとに、1つの好ましいドット記録方式が選択されることが好ましい。但し、記録速度の差があまり問題とならない場合には、記録速度に係わらず、同じの解像度を有する複数のドット記録方式の中から1つの好ましいドット記録方式を選択するようにしてもよい。
【0107】
上述した図11や図16の手順は、以下のような種々の時点で実行することができる。
(1)印刷ヘッド28の製造時。
(2)カラープリンタ22の製造時。
(3)ユーザの使用時。
【0108】
例えば、上記(2)の時点、すなわち、カラープリンタ22の製造工程において、個々のカラープリンタ22に対して図11や図16の処理を実行するようにすれば、出荷されるカラープリンタ22に対してそれぞれ高画質を達成するための好ましいドット記録方式や好ましいノズル組を設定することができる。なお、カラープリンタ22の性能は経年的に変化するので、長年の使用の後には高画質を達成する好ましいドット記録方式やノズル組が変わる可能性もある。従って、カラープリンタ22の使用開始後に、好ましいドット記録方式やノズル組を変更することができるようにしておけば、経年変化による画質の劣化を或る程度防止することが可能である。この意味では、上記(3)の時点でも図11や図16の手順を実行できるようにしておくことが好ましい。
【0109】
なお、この実施例では、好ましいドット記録方式やノズル組を指定するためのモード指定情報が、書き換え可能なPROM42に格納されているので、好ましいドット記録方式やノズル組を示すモード指定情報をカラープリンタ22内に常時格納しておくことができるとともに、必要に応じてモード指定情報を変更することが可能である。
【0110】
なお、モード指定情報(ヘッドID)は、プリンタ22内のPROM42以外にも、種々の態様で設定しておくことができる。例えば、印刷ヘッド28に設けられた不揮発性メモリにヘッドIDを格納しておくことが可能である。また、印刷ヘッド28の電気接点や形状的な突起などによってヘッドIDを識別可能に設定しておき、プリンタ22に、このヘッドIDを識別できる要素(回路やスイッチ)を設けるようにしてもよい。すなわち、モード指定情報を設定する手段としては、メモリに限らず、電気的な接点や機械的な構造などの種々の形態を採用することができる。
【0111】
前述したように、好ましいドット記録方式やノズル組を規定するパラメータは、コンピュータ90の起動時にプリンタドライバ96がインストールされる際に、プリンタドライバ96によってPROM42から読み出される。すなわち、プリンタドライバ96は、モード指定情報(ヘッドID)で指定された好ましいドット記録モードやノズル組に対するドット記録モード情報をPROM42から読み込む。ラスタライザ97とハーフトーンモジュール99における処理や、主走査および副走査の動作は、このドット記録モード情報に応じて実行される。
【0112】
なお、PROM42から好ましいドット記録方式やノズル組を規定するパラメータを読み出すタイミングは、プリンタドライバ96のインストール時に限らず、種々の変形が可能である。例えば、コンピュータ90の電源投入時に毎回読み出すようにしてもよい。こうすれば、プリンタ22自身が交換された場合にも、新しいプリンタ22内のPROM42に格納された好ましいドット記録方式やノズル組を規定するパラメータを読み出すことができる。あるいは、印刷の実行時に(例えばユーザが印刷開始を指示する度に)、PROM42の情報を毎回読み出すようにしてもよい。これは、例えばネットワーク接続された多数の同型のプリンタが存在し、実際に印刷に使用するプリンタを選択できるような場合に好ましい態様である。この場合には、印刷の実行の度に、選択されたプリンタのPROM42から好ましいドット記録方式やノズル組を規定するパラメータを読み出せるので、選択されたプリンタに適したドット記録方式やノズル組を用いて記録を実行することができる。
【0113】
プリンタドライバ96内にすべてのドット記録モード情報が予め登録されている場合には、プリンタドライバ96は、PROM42からモード指定情報のみを読み出せばよい。この際、双方向のデータ通信ができないなどの理由によってモード指定情報の読み込みエラーが生じた場合には、以下のように対処することが可能である。すなわち、読み込みエラーが発生したときには、プリンタ本体に印刷媒体上にモード指定情報(すなわちヘッドID)を印刷させ、また、プリンタドライバ96のユーザインタフェイス(コンピュータ90の画面上に表示される)上に、印刷されたモード指定情報(ヘッドID)の入力をユーザに促すような表示を行う。具体的には、例えば、画面上のユーザインタフェイス領域に、「プリンタで印刷されたヘッドIDをキーボードから入力して下さい」という文字を表示すれば良い。こうすれば、プリンタドライバ96は、ユーザが入力したモード指定情報に応じたドット記録方式の走査パラメータやノズル組を用いて各種の処理を実行することができる。
【0114】
以上のように、上記実施例によれば、少なくとも1つのドット記録方式について、高画質を達成できる好ましいノズル組を選択するようにしたので、個々のカラープリンタ22の実際のヘッド特性に応じて、それぞれ高画質の画像を記録することができる。
【0115】
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0116】
(1)この発明はカラー印刷だけでなくモノクロ印刷にも適用できる。また、ドラムスキャンプリンタにも適用できる。尚、ドラムスキャンプリンタでは、ドラム回転方向が主走査方向、キャリッジ走行方向が副走査方向となる。また、この発明は、インクジェットプリンタのみでなく、一般に、複数のドット形成要素アレイを有する記録ヘッドを用いて印刷媒体の表面に記録を行うドット記録装置に適用することができる。ここで、「ドット形成要素」とは、インクジェットプリンタにおけるインクノズルのように、ドットを形成するための構成要素を意味する。このようなドット記録装置としては、例えばファクシミリ装置や、コピー装置などがある。
【0117】
(3)上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、カラープリンタ22の制御回路40(図2)の機能を、コンピュータ90が実行するようにすることもできる。この場合には、プリンタドライバ96等のコンピュータプログラムが、制御回路40における制御と同じ機能を実現する。
【0118】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。コンピュータシステム90は、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からコンピュータシステム90にコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがコンピュータシステム90のマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステム90が直接実行するようにしてもよい。
【0119】
この明細書において、コンピュータシステム90とは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなコンピュータシステム90に、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0120】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】画像出力装置20の一例としてのカラープリンタ22の構成を示す概略構成図。
【図3】印刷ヘッド28の構造を例示する説明図。
【図4】インクの吐出の原理を説明する説明図。
【図5】インク吐出用ヘッド61〜64におけるインクジェットノズルの配列を示す説明図。
【図6】ドット記録モードに応じた駆動制御に関連する構成の機能ブロック図。
【図7】ドット記録方式を規定するパラメータを示す説明図。
【図8】きれいモードグループM4の2つのドット記録方式における走査パラメータを示す説明図。
【図9】第1ドット記録方式において各ラスタラインを記録するノズル番号を示す説明図。
【図10】極きれいモードグループM5の2つのドット記録方式における走査パラメータを示す説明図。
【図11】好ましいドット記録方式または好ましいノズル組を選択するための処理手順を示すフローチャート。
【図12】テストパターンの例とその読み取り方法とを示す説明図。
【図13】1つのドット記録方式について得られた罫線間距離Dras の頻度分布を示すグラフ。
【図14】テストパターンの記録とその読み取りの他の方法を示す説明図。
【図15】テストパターンの記録とその読み取りの更に他の方法を示す説明図。
【図16】好ましいドット記録方式または好ましいノズル組を選択するための他の処理手順を示すフローチャート。
【図17】1つのドット記録方式について得られたラスタ間の重なりVras の頻度分布を示すグラフ。
【図18】好ましいノズル組の他の選択方法を示す説明図。
【図19】図15に示すテストパターンの代わりに用いられる他のテストパターンを示す説明図。
【符号の説明】
12…スキャナ
20…画像出力装置
21…カラーディスプレイ
22…カラープリンタ
23…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
26…プラテン
28…印刷ヘッド
31…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置検出センサ
40…制御回路
42…PROM
61〜64…インク吐出用ヘッド
65…導入管
71,72…インク用カートリッジ
80…インク通路
90…コンピュータ
91…ビデオドライバ
93…CRTディスプレイ
95…アプリケーションプログラム
96…プリンタドライバ
97…ラスタライザ
98…色補正モジュール
99…ハーフトーンモジュール
100〜103…ノズル群
110…モード指定情報書込モジュール
120…イメージセンサ
122…モード設定部
202…モードIDメモリ(モード指定情報設定手段)
204…記録モード設定部
208…駆動部制御部
206…記録モードテーブル(記録モード格納手段)
210…主走査駆動部
212…副走査駆動部
214…印刷ヘッド駆動部
216…ラスタデータ格納部

Claims (3)

  1. 副走査方向に沿ってほぼ一定のピッチで同一色の複数のドットを形成するためのNfull個(Nfullは3以上の整数)のドット形成要素が配列されたドット形成要素アレイを有するドット記録ヘッドを用い、前記副走査方向とほぼ垂直な方向に沿って主走査を行いつつ印刷媒体の表面にドットの記録を行うドット記録装置において、n個(nは1<n<Nfullを満たす整数)のドット形成要素を使用する記録モードに従ってドット記録を実行する際に使用されるn個のドット形成要素を、前記ドット記録装置の出荷前に予め選択する方法であって、
    (a)前記Nfull個のドット記録要素を用いて記録された主走査方向に伸びるNfull本の直線状パターンを含む検査用画像を記録する工程と、
    (b)前記検査用画像を検査することによって、各ドット形成要素で記録される前記直線状パターンの間の距離を測定する工程と、
    (c)前記直線状パターンの間の距離に基づいて、印刷の際に隣接して記録されるラスタラインの間隔のバラツキを示す評価値を算出するとともに、前記Nfull個のドット形成要素の中から選択可能な複数組のn個のドット形成要素の組合せの中から、前記評価値が最も小さいn個のドット形成要素を選択する工程と、
    を備えることを特徴とする方法。
  2. 副走査方向に沿ってほぼ一定のピッチで同一色の複数のドットを形成するためのNfull個(Nfullは3以上の整数)のドット形成要素が配列されたドット形成要素アレイを有するドット記録ヘッドを用い、前記副走査方向とほぼ垂直な方向に沿って主走査を行いつつ印刷媒体の表面にドットの記録を行うドット記録装置において、n個(nは1<n<Nfullを満たす整数)のドット形成要素を使用する記録モードに従ってドット記録を実行する際に使用されるn個のドット形成要素を、前記ドット記録装置の出荷前に予め選択する方法であって、
    (a)前記Nfull個のドット記録要素を用いて記録された主走査方向に伸びるNfull本の直線状パターンを含む検査用画像を記録する工程と、
    (b)前記検査用画像を検査することによって、各ドット形成要素で記録される前記直線状パターンの幅を測定する工程と、
    (c)前記直線状パターンの幅に基づいて、印刷の際に隣接して記録されるラスタラインの幅の変動を示す評価値を算出するとともに、前記Nfull個のドット形成要素の中から選択可能な複数組のn個のドット形成要素の組合せの中から、前記評価値が最も小さいn個のドット形成要素を選択する工程と、
    を備えることを特徴とする方法。
  3. 副走査方向に沿ってほぼ一定のピッチで同一色の複数のドットを形成するためのNfull個(Nfullは3以上の整数)のドット形成要素が配列されたドット形成要素アレイを有するドット記録ヘッドを用い、前記副走査方向とほぼ垂直な方向に沿って主走査を行いつつ印刷媒体の表面にドットの記録を行うドット記録装置において、n個(nは1<n<Nfullを満たす整数)のドット形成要素を使用する記録モードに従ってドット記録を実行する際に使用されるn個のドット形成要素を、前記ドット記録装置の出荷前に予め選択する方法であって、
    (a)前記Nfull個のドット記録要素を用いて記録された主走査方向に伸びるNfull本の直線状パターンを含む検査用画像を記録する工程と、
    (b)前記検査用画像を検査することによって、各ドット形成要素で記録される前記直線状パターンの幅を測定する工程と、
    (c)前記直線状パターンの幅に基づいて、印刷の際に隣接して記録されるラスタラインの重なりのバラツキを示す評価値を算出するとともに、前記Nfull個のドット形成要素の中から選択可能な複数組のn個のドット形成要素の組合せの中から、前記評価値が最も小さいn個のドット形成要素を選択する工程と、
    を備えることを特徴とする方法。
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