JP4151369B2 - ノズルのずれと副走査送りのずれとに基づいて記録モードを選択して行う印刷 - Google Patents

ノズルのずれと副走査送りのずれとに基づいて記録モードを選択して行う印刷 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷媒体の表面にドットを記録することによって画像を印刷する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録ヘッドが主走査方向と副走査方向に走査しながら記録を行う記録装置としては、シリアルスキャン型プリンタやドラムスキャン型プリンタ等がある。この種のプリンタにおける記録方式を規定するパラメータとしては、一色分の印刷に使用するノズル個数や、ノズルピッチ、副走査送り量などがある。同じプリンタにおいても、これらのパラメータのうちのいくつかが異なる種々の記録方式を採用することが可能である。
【0003】
印刷媒体上には、ドットを形成する場所を規定するためのマス目である「画素」が、仮想的に縦横に配されている。印刷媒体上において主走査方向に配される画素の列を「ラスタ」という。高品質の印刷結果を得るためには、この各ラスタに記録されるドットは、副走査方向について等間隔に形成されることが望ましい。しかし、個々のドット記録装置の製造誤差のために、各ラスタに記録されるドットが副走査方向について等間隔に記録されないことがある。この個々のドット記録装置の製造誤差を考慮して、種々の記録方式の中から個々のドット記録装置に適した、副走査方向のドット間隔のばらつきが少ない記録方式を選択する方法として、特開平10−337864号公報に開示されたような技術がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10−337864号公報の技術は、各ドット記録方式に従って実際に記録されたラスタラインの間の距離を測定し、その測定結果に基づいて記録方式を選択するというものである。そして、この方法では、隣り合うラスタを記録することがある一対のノズルの全ての組み合わせについて、ラスタラインに直線状の罫線を記録する。しかし、すべての記録方式について、すべての副走査送りとノズルの組み合わせの罫線を実際に印刷するのは、煩雑な手続きであり、多大な時間を要する。
【0005】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、簡単に個々のドット記録装置に適したドット記録方式を採用することができる技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、印刷媒体上にドットを形成するための複数のドット形成要素を有するドット記録ヘッドを用い、ドット記録ヘッドと印刷媒体の少なくとも一方を所定の方向に送る主走査を行い、かつ、ドット記録ヘッドと印刷媒体の少なくとも一方を主走査の方向と交わる方向に送る副走査を行って、印刷媒体上にドットの記録を行う方法において、以下の技術を適用する。すなわち、複数のドット形成要素のうちの基準のドット形成要素が記録するドットに対する、各ドット形成要素が記録するドットの副走査方向の記録位置ずれを実質的に表す第一の位置ずれデータを生成する。また、副走査の、副走査方向についての送り誤差を実質的に表す第二の位置ずれデータを生成する。そして、ドットを記録する際の主走査および副走査の動作を規定するモードであって、ドットの記録密度が等しく、主走査の合間に行う副走査の送り量の組み合わせが異なり、記録速度がほぼ等しい複数のドット記録モードから、第一の位置ずれデータおよび第二の位置ずれデータに基づいてドット記録モードを選択する。その後、選択されたドット記録モードに従ってドットの記録を実行する。
【0007】
このような態様とすれば、ドット記録位置ずれを求める各ラスタに実際にドットを形成することなく、各ラスタのドットの記録位置ずれを調べることができる。そして、その記録位置ずれの情報に基づいて、適切な記録モードを選択することができる。
【0008】
なお、ドット記録ヘッドが交換可能に設けられている場合には、第一の位置ずれデータは、ドット記録ヘッドに設けられた第一の記憶部に格納することが好ましい。このような態様とすれば、ヘッドが交換された後も、そのヘッドの特質を反映して記録モードを選択することができる。
【0009】
ドットの記録方法としては、所定の送り量の副走査の組み合わせを主走査の合間に繰り返し行って、印刷媒体上の各ラスタにドットを記録する方法がある。そのような方法が採用される場合には、ドット記録モードの選択に際しては、次のようにすることが好ましい。すなわち、第一の位置ずれデータと第二の位置ずれデータとに基づいて、印刷媒体上の各ラスタにつき、当該ラスタを記録するまでに実施される副走査の送り誤差の累積と、当該ラスタを記録するドット形成要素の、副走査方向についての基準ドット形成要素を基準としたドット記録位置ずれと、の和を実質的に計算し、ドット記録位置のずれ量を得る。そして、各ドット記録モードについて、印刷媒体上の各ラスタのドット記録位置のずれ量に基づいて、各ラスタに記録するドットの副走査方向についての間隔の変動に関する所定の評価値を計算し、評価値に基づいてドット記録モードを選択する。
【0010】
このような態様とすれば、副走査の送り誤差とドット形成要素のずれ量とをもとに、高精度でドットの記録位置ずれを求めることができる。
【0011】
なお、ドット記録位置のずれ量は、各ドット記録モードについて、同一数のラスタにつき求めることが好ましい。そのような態様とすれば、ずれ量の変化の傾向を表す評価値など、サンプル数が異なる場合に評価が異なってくるような評価値を採用しても、正しくドット記録モードを評価して選択することができる。
【0012】
また、ドット記録位置のずれ量は、各ドット記録モードについて、所定の送り量の副走査の組み合わせを1回実施した場合に記録できるラスタにつき、求めることとしてもよい。各ドット記録モードにおいて繰り返される副走査の組み合わせについて、それぞれの送り量が固有の誤差を有する場合には、上記のようなラスタについてドット記録位置のずれ量を求めることとしても、各ドット記録モードを評価することができる。
【0013】
また、第二の位置ずれデータの生成は次のようにして行うことができる。すなわち、主走査の方向と同じ方向にドット記録ヘッドを送り、同一のドット形成要素でドットを記録しつつ、所定の送り量の副走査の組み合わせを送りの合間に実施して、副走査ずれ検出パターンを記録する。そして、副走査ずれ検出パターンをセンサで読みとる。その後、センサの出力をもとに第二の位置ずれデータを生成する。
【0014】
このような態様とすれば、実際の印刷結果に基づいて副走査送りのずれを評価することができる。また、同一のドット形成要素でドットを記録するので、純粋な副走査送りのずれのみを評価することができる。
【0015】
また、第一の位置ずれデータの生成は次のようにして行うことができる。すなわち、ドット記録ヘッドを印刷の際に行われる主走査の方向と同じ方向に送りつつ、ドット形成要素を駆動して、ヘッドずれ検出パターンを印刷する。そして、ヘッドずれ検出パターンをセンサで読みとる。その後、センサの出力をもとに第一の位置ずれデータを生成する。
【0016】
このような態様とすれば、ドット形成要素同士の副走査方向についての相対的なドット記録位置ずれを、実際の印刷結果に基づいて評価することができる。また、副走査を行わずにドットを記録するので、純粋なドット形成要素のドット記録位置ずれのみを評価することができる。
【0017】
なお、本発明は、以下に示すような種々の態様で実現することが可能である。
(1)印刷装置または印刷制御装置。
(2)印刷方法、印刷制御方法または印刷装置の製造方法。
(3)ドット記録ヘッド。
(4)ドット記録ヘッドの製造方法。
(5)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラム。
(6)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体。
(7)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
A.印刷装置の構成:
B.種々のドット記録方式の実施例:
C.プリンタの製造(位置ずれデータの設定):
D.位置ずれデータの他の設定方法:
E.変形例:
【0019】
A.印刷装置の構成:
図1は、本発明の実施例としてのカラー画像処理システムの構成を示すブロック図である。このカラー画像処理システムは、スキャナ12と、パーソナルコンピュータ90と、カラープリンタ22とを有している。パーソナルコンピュータ90は、カラーディスプレイ21を備えている。スキャナ12は、カラー原稿からカラー画像データを読み取り、R,G,Bの3色の色成分からなる原カラー画像データORGをコンピュータ90に供給する。
【0020】
コンピュータ90の内部には、図示しないCPU,RAM,ROM等が備えられており、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からはこれらのドライバを介して、最終カラー画像データFNLが出力されることになる。画像のレタッチなどを行なうアプリケーションプログラム95は、スキャナから画像を読み込み、これに対して所定の処理を行ないつつビデオドライバ91を介してCRTディスプレイ93に画像を表示している。このアプリケーションプログラム95が、印刷命令を発行すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が、画像情報をアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンタ22が印字可能な信号(ここではCMYKの各色についての2値化された信号)に変換している。図1に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、アプリケーションプログラム95が扱っているカラー画像データをドット単位の画像データに変換するラスタライザ97と、ドット単位の画像データに対してプリンタ22が使用するインク色CMYおよび発色の特性に応じた色補正を行なう色補正モジュール98と、色補正モジュール98が参照する色補正テーブルCTと、色補正された後の画像情報からドット単位でのインクの有無によってある面積での濃度を表現するいわゆるハーフトーンの画像情報を生成するハーフトーンモジュール99と、後述するモード指定情報をカラープリンタ22内のメモリに書き込むためのモード指定情報書込モジュール110とが備えられている。
【0021】
図2は、プリンタ22の概略構成図である。図示するように、このプリンタ22は、紙送りモータ23によって用紙Pを搬送する機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ31に搭載された印刷ヘッド28を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御する機構と、これらの紙送りモータ23,キャリッジモータ24,印刷ヘッド28および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とから構成されている。
【0022】
このプリンタ22のキャリッジ31には、黒インク用のカートリッジ71とシアン,マゼンタ,イエロの3色のインクを収納したカラーインク用カートリッジ72が搭載可能である。キャリッジ31の下部の印刷ヘッド28には計4個のインク吐出用ヘッド61ないし64が形成されており、キャリッジ31の底部には、この各色用ヘッドにインクタンクからのインクを導く導入管(図示せず)が立設されている。キャリッジ31に黒インク用のカートリッジ71およびカラーインク用カートリッジ72を上方から装着すると、各カートリッジに設けられた接続孔に導入管が挿入され、各インクカートリッジから吐出用ヘッド61ないし64へのインクの供給が可能となる。
【0023】
図3は、インク吐出用ヘッド61〜64におけるインクジェットノズルの配列を示す説明図である。第1のヘッド61には、ブラックインクを噴射するノズルアレイが設けられている。また、第2ないし第4のヘッド62〜64にも、シアン、マゼンタ及びイエローのインクをそれぞれ噴射するノズルアレイが設けられている。これらの4組のノズルアレイの副走査方向の位置は、互いに一致している。
【0024】
4組のノズルアレイは、副走査方向に沿って一定のノズルピッチkで千鳥状に配列された複数個(例えば32個や48個)のノズル(ドット形成要素)nをそれぞれ備えている。これらのノズルアレイの各ノズルnの先端からインクの粒子Ipが高速に吐出される。このインク粒子Ipがプラテン26に装着された用紙Pに染み込むことにより、印刷が行なわれることになる。なお、各ノズルアレイに含まれる複数個のノズルnは、千鳥状に配列されている必要はなく、一直線上に配置されていてもよい。但し、図3(A)に示すように千鳥状に配列すれば、製造上、ノズルピッチkを小さく設定し易いという利点がある。
【0025】
以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ22は、紙送りモータ23によりプラテン26その他のローラを回転して用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ31をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印刷ヘッド28の各色ヘッド61ないし64に設けられたピエゾ素子を駆動して、各色インクの吐出を行ない、用紙P上に多色の画像を形成する。
【0026】
用紙Pを搬送する機構は、紙送りモータ23の回転をプラテン26のみならず、図示しない用紙搬送ローラに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ31を往復動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出する位置検出センサ39等から構成されている。
【0027】
制御回路40の内部には、図示しないCPUやメインメモリ(ROMやRAMU)のほかに、書き換え可能な不揮発性メモリとしてのプログラマブルROM(PROM)42が備えられている。PROM42には、複数のドット記録モードのパラメータを含むドット記録モード情報が格納されている。ここで、「ドット記録モード」とは、各ノズルアレイにおいて実際に使用するノズル個数Nや、副走査送り量L等で規定されるドットの記録方式を意味している。この明細書では、「記録方式」と「記録モード」はほぼ同じ意味で用いられている。具体的なドット記録モードの例や、それらのパラメータについては後述する。PROM42には、さらに、複数のドット記録モードの中から好ましいモードを指定するためのモード指定情報も格納されている。例えば、PROM42に16種類のドット記録モード情報を格納可能な場合には、モード指定情報は4ビットのデータで構成されている。
【0028】
ドット記録モード情報は、コンピュータ90の起動時にプリンタドライバ96(図1)がインストールされる際に、プリンタドライバ96によってPROM42から読み出される。すなわち、プリンタドライバ96は、モード指定情報で指定された好ましいドット記録モードに対するドット記録モード情報をPROM42から読み込む。ラスタライザ97とハーフトーンモジュール99における処理や、主走査および副走査の動作は、このドット記録モード情報に応じて実行される。
【0029】
なお、PROM42は、書き換え可能な不揮発性メモリであればよく、EEPROMやフラッシュメモリなどの種々の不揮発性メモリを使用することができる。また、モード指定情報は書き換え可能な不揮発性メモリに格納することが好ましいが、ドット記録モード情報は、書き換えができないROMに格納するようにしてもよい。また、複数のドット記録モード情報は、PROM42ではなく、他の記憶手段に格納されていてもよく、また、プリンタドライバ96内に登録されていてもよい。
【0030】
図4は、ドット記録モードに応じた駆動制御に関連する構成の機能ブロック図である。この機能ブロック図には、モード指定メモリ(第三の記憶部)220と、記録モード設定部204と、記録モードテーブル(記録モード格納部)206と、駆動部制御部208と、主走査駆動部210と、副走査駆動部212と、印刷ヘッド駆動部214と、ラスタデータ格納部216と、印刷ヘッド28と、印刷用紙Pとが示されている。
【0031】
モード指定メモリ220は、好ましいドット記録モードを指定するモード指定情報を格納している。また、記録モードテーブル206は、複数のドット記録モード情報を格納している。このテーブル206には、各ドット記録モード情報に含まれる種々のパラメータの中で、記録解像度と、モード分類と、記録モード番号と、使用ノズル数Nと、副走査量Lとが示されている。記録解像度は、印刷用紙Pに記録されるドットの解像度である。モード分類は、「速い」、「きれい」の2つの分類のいずれかを示している。例えば、「きれい」なドット記録モードは、オーバーラップ方式(複数のノズルを用いて1本のラスタを記録する方式)のモードであり、「速い」ドット記録モードは、オーバーラップ方式ではなく、各ノズルが1回の主走査で1本のラスタを記録する方式である。なお、図4の例では、720dpiで「きれい」なモードとして、3つのドット記録モードが登録されている。これらのドット記録モードは、それぞれ1,2,3の記録モード番号を有している。使用ノズル数Nは実際に使用されるノズル数、副走査送り量Lは副走査の際に印刷用紙Pが送られるドット数である。なお、各ドット記録モード情報には、この他にも、主走査と副走査の動作を規定するための種々のパラメータが含まれているが図4では図示を省略している。
【0032】
記録モード設定部204は、コンピュータ90から与えられる印刷データと、PROM42内のモード指定メモリ220から与えられるモード指定情報と、に応じて、駆動部制御部208とラスタデータ格納部216に主走査と副走査の動作を規定するパラメータを供給する。なお、印刷データは、図1の最終カラー画像データFNLと同じものである。印刷データの図示しないヘッダ部分には、記録解像度とモード分類とを示すデータが含まれている。記録モード設定部204は、これらの記録解像度およびモード分類と、モード指定メモリ220から与えられるモード指定情報とから、印刷の実行に使用するドット記録モードを決定する。なお、選択可能な複数のドット記録モードが登録されているのは、720dpiで「きれい」なモードだけなので、これ以外のモードでは、モード指定情報に関係なく、記録解像度とモード分類のみによって1つのドット記録モードが決定される。
【0033】
記録モード設定部204は、こうして決定されたドット記録モードにおける使用ノズル数Nと副走査送り量Lとを含む走査パラメータを、駆動部制御部208とラスタデータ格納部216とに供給する。後述するように、使用ノズル数Nと副走査送り量Lとは1回の走査毎に変更される可能性があるので、各回の走査の前にこれらを含む走査パラメータが各部208,216に供給される。
【0034】
ラスタデータ格納部216は、使用ノズル数Nと副走査量Lとを含む走査パラメータに応じて、印刷データを図示しないバッファメモリ内に格納する。一方、駆動部制御部208は、使用ノズル数Nと副走査量Lとを含むパラメータに応じて、主走査駆動部210と副走査駆動部212と印刷ヘッド駆動部214とを制御する。
【0035】
なお、記録モードテーブル206とモード指定メモリ220とは、PROM42内に設けられている。また、記録モード設定部204と駆動部制御部208とラスタデータ格納部216とは、図2に示した制御回路40内に設けられている。主走査駆動部210は、図2に示すキャリッジモータ24を含むキャリッジ31の送り機構によって実現されており、副走査駆動部212は紙送りモータ23を含む用紙の送り機構によって実現されている。さらに、印刷ヘッド駆動部214は、各ノズルのピエゾ素子を含む回路によって実現されている。
【0036】
B.種々のドット記録方式の実施例:
図5は、ドットピッチkが4ドットの場合の第1ドット記録方式を示す説明図である。このドット記録方式の走査パラメータは、図5の左下に示す通りであり、ノズルピッチkが4ドット、使用ノズル個数Nが8、スキャンくり返し数sが1、実効ノズル個数Neff が8である。
【0037】
図5においては、8個の使用ノズルに対して上から順に#0〜#7のノズル番号が割り当てられている。このk=4の第1ドット記録方式は、4回の副走査送りで1サイクルが構成されており、副走査送り量Lは10,7,6,9ドットである。すなわち、副走査送り量Lとしては、複数の異なる値が使用されている。各回の副走査送りにおける8個のノズルの位置は、それぞれ異なる4種類の図形で示されている。また、図5の右端には、有効記録範囲のラスタ上のドットが、何回目の副走査送りのノズルで記録されるかが図示されている。このk=4の第1ドット記録方式では、有効記録範囲の前に、20ラスタ分の非有効記録範囲が存在する。すなわち、有効記録範囲は、ノズル走査範囲(有効記録範囲と非有効記録範囲を含む範囲)の上端から21番目のラスタから開始される。ところで、1回目の主走査時のノズル位置は、印刷用紙の上端から一定の距離に設定される。従って、有効記録範囲の開始位置が早いほど、印刷用紙の上端により近い位置からドットの記録を開始できる。
【0038】
図6は、k=4の第1ドット記録方式における走査パラメータと各ノズルで記録される有効ラスタ番号とを示す説明図である。図6(A)の表には、各副走査送り毎に、副走査送り量Lと、その累計値ΣLと、各副走査送り後のノズルのオフセットFとが示されている。
【0039】
図6(B)は、k=4の第1ドット記録方式において、各副走査送り後の主走査時に各ノズルで記録される有効ラスタ番号を示している。図6(B)の左端には、ノズル番号#0〜#7が示されており、その右側には、0回目から7回目の副走査送りの後に、これらのノズルが有効記録範囲の何番目のラスタを記録するかが数字で示されている。例えば、0番目の副走査送り後の主走査(すなわち有効記録範囲を記録するための最初の主走査)では、ノズル#5〜#7が、それぞれ1番目、5番目、および9番目の有効ラスタを記録する。また、1番目の副走査送り後の主走査では、ノズル#3〜#7が、3番目、7番目、11番目、15番目、および19番目の有効ラスタを記録する。ここで、「有効ラスタ」とは、有効記録範囲の中のラスタという意味である。
【0040】
図6(B)において、一回の主走査で記録される有効ラスタの番号は、ノズルピッチk(=4)だけそれぞれ離れていることが解る。従って、1サイクルの走査では、N×k本(すなわち32本)のラスタが記録される。但し、ノズルはノズルピッチkずつ離れているので、図5からも解るように、1サイクルで32本の連続したラスタが記録されるわけではない。図6(B)からは、有効記録範囲の最初の32本のラスタが、どのノズルで記録されるかが理解できる。
【0041】
なお、図6(B)において、括弧で囲まれた数字で示される有効ラスタ番号は、これと走査条件の上で等価な位置にあるラスタが、その前のサイクルで記録されていることを示している。すなわち、図6(B)のかっこ内の数字から32を引いた値が、これと等価なラスタを示す番号である。例えば、ノズル#0で記録される有効ラスタ番号36は、有効ラスタ番号4のラスタと走査条件の上で等価な位置にあるラスタである。
【0042】
図7は、k=4の第1ドット記録方式において、各有効ラスタを記録するノズル番号を示している。図7の左端の1〜31の数字は有効ラスタ番号を示している。また、図7の右端には、各副走査送り後の主走査において8個のノズル#0〜#7が記録する有効ラスタの位置が示されている。例えば、0番目の副走査送り後の主走査では、ノズル#5〜#7が、それぞれ1番目、5番目、および9番目の有効ラスタを記録する。図7と、図6(B)とを比較すれば、有効ラスタとノズル番号との関係がより明瞭に理解できる。
【0043】
図7の左から2番目の欄に記された「・」、「×」、「↑」、および「↓」の4種類の記号は、各ラスタが記録される時に、その前後に隣接するラスタが既に記録されているか否かを示している。これらの各記号の意味は次の通りである。
【0044】
↓:自分よりひとつ後のラスタだけが既に記録されている。
↑:自分よりひとつ前のラスタだけが既に記録されている。
Χ:自分の前後の両ラスタが既に記録されている。
・:自分の前後のラスタがどちらもまだ記録されていない。
【0045】
上記のような、各ラスタが記録する際の前後のラスタの記録の有無は、記録されるラスタの画質に影響を与える。このような画質への影響は、隣接する既に記録されたラインのインクの乾燥の程度や、副走査送りの誤差等に起因するものである。上記の4種類の記号のパターンが比較的大きな周期的で印刷紙上に現れると、画像全体の画質を劣化させる原因となることがある。但し、図7に示す第1のドット記録方式では、4種類の記号のパターンがあまり明瞭な周期性を示していないので、このような原因による画質の劣化は少なく、比較的良好な画質を有する画像を記録することができると期待される。
【0046】
図7の左から3番目の欄には、前後のラスタが記録されてからそのラスタが記録されるまでの間に、最大でいくつの副走査送りが行われたかを示す値Δが示されている。この値Δを、以下では「副走査送り回数差」と呼ぶ。例えば、2番目の有効ラスタは2回目の副走査後にノズル#1で記録されるが、1番目のラスタは0回目の副走査後にノズル#5で記録され、3番目のラスタは1回目の副走査後にノズル#3で記録される。従って、2番目のラスタの副走査送り回数差Δは2である。同様に、4番目のラスタは、5番目のラスタが記録されてから3回の副走査送りの後に記録されるので、その副走査送り回数差Δは3である。
【0047】
1サイクルにはk(=4)回の副走査送りが含まれているので、副走査送り回数差Δは、0〜kの範囲の値を取り得る。k=4の第1ドット記録方式では、副走査送り回数差Δの最大値が3であり、その可能な上限値k(=4)よりも小さいことが解る。
【0048】
ところで、副走査送りは、ドットピッチの整数倍に等しい量で厳密に行われることが理想的であるが、実際には多少の送り誤差を含んでいる。また、副走査送りの誤差は、副走査送りの度に累積される。従って、隣接する2本のラスタを記録する間に多数回の副走査送りが挟まれていると、それらの2本のラスタの間に副走査送りの累積誤差による位置ずれが発生する可能性がある。前述したように、図7に示す副走査送り回数差Δは、隣接するラスタが記録される間に行われる副走査の回数を示している。この副走査送り回数差Δは、副走査送りの累積誤差に起因する隣接ラスタ同士の位置ずれを小さくするという意味からは、小さいほど好ましい。図7に示すk=4の第1ドット記録方式では、副走査送り回数差Δが3以下であり、その上限値である4よりも小さいので、この点からも好ましい画像を記録することができる。
【0049】
図8は、本発明の実施例のk=4の第2ドット記録方式における走査パラメータと各ノズルで記録される有効ラスタ番号とを示す説明図であり、前述した第1のドット記録方式における図6に対応している。k=4の第1と第2のドット記録方式は、同じノズルピッチkを有しているので同じ解像度[dpi]で画像を記録することができ、また、実効ノズル個数Neff が同じなので、同じ記録速度で画像を記録することができる。k=4の第1ドット記録方式と第2ドット記録方式との違いは、副走査送り量Lの順番だけである。すなわち、k=4の第1ドット記録方式では副走査送り量Lが10,7,6,9ドットの順番であったのに対して、k=4の第2ドット記録方式では、7,6,9,10ドットの順番である。
【0050】
k=4の第2ドット記録方式も、k=4の第1ドット記録方式と同様に、「ノズルピッチkと使用ノズル個数Nとが互いに素でない2以上の整数である」という第1の特徴と、「副走査送り量Lとして異なる複数の値が使用されている」という第2の特徴とを有している。
【0051】
図9は、k=4の第2ドット記録方式において各有効ラスタを記録するノズル番号を示す説明図であり、k=4の第1ドット記録方式の図7に対応する図である。このk=4の第2ドット記録方式においても、図7に示すk=4の第1ドット記録方式と同様に、各ラスタが記録する際の前後のラスタの記録の有無を示す記号@のパターンが、あまり明瞭な周期性を示していないので、比較的良好な画質を実現できると期待できる。また、副走査送り回数差Δが3以下なので、副走査送りの累積誤差を小さくするという点からも好ましい画像を記録することができる。
【0052】
以上のように、k=4の第1と第2ドット記録方式は、「ノズルピッチkと使用ノズル個数Nとが互いに素でない2以上の整数である」という第1の特徴と、「副走査送り量Lとして異なる複数の値が使用されている」という第2の特徴とを有している。このような場合には、副走査送り量Lの配列が異なるだけの互いに等価なドット記録方式が多数存在する可能性がある。このように、副走査送り量Lの多数の値の配列が異なるだけであって、解像度と記録速度とがそれぞれ等しい互いに等価な複数のドット記録方式が存在する場合には、そのいずれが最も高い画質を達成できるかは、個々のプリンタによって異なる。この理由は、各プリンタで記録される画像の画質は、プリンタの製造に起因する誤差(例えばノズルピッチの誤差や副走査送りの誤差)と、ドット記録方式における走査方法(主として副走査送り量)との組み合わせに依存するからである。従って、第1と第2のドット記録方式のように、副走査送りの多数の値の配列が異なるだけの多数のドット記録方式が採用可能な場合には、個々のプリンタ毎に、より高い画質を達成できるドット記録方式を選択することが好ましい。
【0053】
C.プリンタの製造(位置ずれデータの設定):
図10は、印刷装置の製造工程を示す説明図である。まず、ステップS1、S2でそれぞれ印刷ヘッド28と走査部を製造する。ここでいう「走査部」とは、カラープリンタ22のうちの主走査駆動部210と副走査駆動部212を含む装置である。主走査駆動部210は、前述の通り、図2に示すキャリッジモータ24を含むキャリッジ31の送り機構によって実現されており、副走査駆動部212は紙送りモータ23を含む用紙の送り機構によって実現されている。ステップS1においては、印刷ヘッド28の製造に際して、基準ノズル#7が記録するドットに対する、その他のノズルの副走査方向についてのドット記録位置ずれ(「縦アライメント」とも呼ぶ。)を実質的に表す第一の位置ずれデータを生成する。また、ステップS2では、走査部の製造に際して、副走査の、副走査方向についての送り誤差を実質的に表す第二の位置ずれデータを生成する。これらの位置ずれデータの生成方法については後述する。
【0054】
ステップS3では、走査部に印刷ヘッド28を取り付ける。そして、ステップ4において、各ドット記録モードにおける各ラスタのドット記録位置のずれ量を計算する。その後、ステップS5で各ドット記録モードのラスタのずれ量から各ドット記録モードの評価値を計算する。そして、ステップS6でその評価値に基づいてドット記録モードを選択し、ステップS7で選択したドット記録モードを図2のPROM42内のモード指定メモリ220(図4参照)に格納する。なお、図4の例では、選択可能な複数の記録モードを有するモード分類は720dpiの「きれい」のみであるが、選択可能な複数の記録モードを有するモード分類が複数ある場合は、各モード分類ごとにステップS4〜S7の手順が行われ、それぞれ一つの記録モードが選択される。それらの情報はまとめてモード指定情報としてモード指定メモリ220に格納される。以下で、それぞれのステップについて詳述する。
【0055】
図11は、図10のステップS1における第一の位置ずれデータ決定の手順を示すフローチャートである。図11のステップS11では、印刷ヘッド28のハードウェアが製造され後、印刷ヘッド28は図示しない所定のテスト用走査部に取り付けられる。その後、ステップS11で、ヘッドずれ検出パターン記録部324が、印刷ヘッド28を主走査の方向に送りながらインク滴の吐出を行わせ、送り方向の罫線を印刷させる。この工程で形成される罫線が、「ヘッドずれ検出パターン」である。
【0056】
図12は、ステップS11で記録されるヘッドずれ検出パターンの例と、その読み取り方法とを示す説明図である。印刷ヘッド28は、走査部に取り付けられて印刷装置を構成した後には、主走査において、ノズルアレイの並び方向(図3参照)に対して垂直な方向に送られる。「ヘッドずれ検出パターン」の生成に際しても、印刷ヘッド28は、主走査の方向と同じ方向、即ち、ノズルアレイの並び方向に対して垂直な方向に送られる。なお、印刷ヘッド28を制御して罫線を印刷させるヘッドずれ検出パターン記録部324は、プリンタの生産設備の一部であるコンピュータ390がコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0057】
図12の上部には、1色分のノズルアレイのすべてのノズルを用いて横罫線を記録した例が示されている。各罫線の上には、各罫線がそれぞれどのノズルで記録されるかが示されている。ここではノズルアレイがノズル番号#0〜#7の8個のノズルを含むと仮定している。図12においては、偶数番目のノズルは印刷用紙の左側に罫線を記録し、奇数番目のノズルは印刷用紙の右側に罫線を記録している。この理由は、隣接するノズルで記録される罫線を左右方向に等しい範囲に記録すると、罫線同士の間隔が接近し隣接する罫線を識別することが困難となるからである。このような理由から、各罫線を記録する左右方向の範囲は、2つではなく、3つに区分するようにしてもよい。また、最下端の1本の罫線(#7のノズルで記録される罫線)は、共通罫線CRとなっている。この共通罫線CRは、その他の各罫線のずれの評価の基準となる。この共通罫線CRを記録するノズルが「基準ノズル」である。これらの罫線は、1回の主走査方向の送りで同時に記録される。従って、隣接する罫線の間隔は、設計上はノズルピッチk[ドット]に等しいはずである。また、図12の下部には、この処理で使用されるリニアイメージセンサ320と第一のずれデータ生成部322とヘッドずれ検出パターン記録部324とが示されている。なお、第一のずれデータ生成部322も、コンピュータ390がコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0058】
図11のステップS12では、イメージセンサ320(図12)によって、複数の罫線の中心位置が読み取られる。このイメージセンサ320としては、例えばCCD等で構成されたリニアイメージセンサや、2次元イメージセンサなどが使用できる。
【0059】
罫線の中心位置は、例えば、第一のずれデータ生成部322が、イメージセンサ320で得られた各罫線を芯線化処理することによって決定できる。なお、各罫線の「中心位置」は、共通罫線CRからの距離DISとして測定される。例えば、図12のノズル番号#0と#1のノズルで記録された罫線の位置は、共通罫線CRからの距離DIS0-7 ,DIS1-7 としてそれぞれ測定される。
【0060】
図11のステップS13では、第一のずれデータ生成部322が、各ノズルが記録した罫線について中心位置のずれを計算する。中心位置のずれDH0 〜DH6は、イメージセンサ320によって実測された中心位置と、設計上の値とのずれである。例えば、ノズル#6と#7との間隔は設計上はノズルピッチk[ドット]である。よって、ノズル#6によって形成された罫線の中心位置DIS6-7は、設計上はk[ドット]となるはずである。したがって、ノズル#6の「中心位置のずれ」DH6 は次の式で得られる。なお、wはドットピッチ[インチ]である。
【0061】
DH6 =DIS6-7 -k w
【0062】
同様に、ノズル#5については、実測された中心位置DIS5-7と2・k[ドット]とのずれが「中心位置のずれ」であり、ノズル#4については、実測された中心位置DIS4-7と3・k[ドット]とのずれが「中心位置のずれ」である。他のノズルについても同様である。すなわち、一般にノズル#n(n=0〜6)が記録した罫線の中心位置のずれは、次の式で求めることができる。ここで、Nは各ノズルアレイにおけるノズルの数である。
【0063】
DHn =DISn-N −(N−n)・k・w
【0064】
これらの中心位置のずれDH0 〜DH6は、各罫線が設計値よりも共通罫線CRから遠い場合に「正」となり、共通罫線CRに近い場合に「負」となる。また、ノズル#7は基準ノズルであるので、ノズル#7については中心位置のズレは定義されない。
【0065】
上述した「中心位置のずれ」DH0 〜DH6は、#0〜#6の各ノズル固有のドット記録位置のずれとしてとらえることができる。図11のステップS14では、第一のずれデータ生成部322は、この#0〜#6の各ノズルによる中心位置のずれDH0 〜DH6を、第一の位置ずれデータとしてヘッドIDメモリ202に格納する。ヘッドIDメモリ202は印刷ヘッド28上に設けられている。
【0066】
図13は、図10のステップS2における第二の位置ずれデータ決定の手順を示すフローチャートである。ステップS2では、走査部が作られた後、これに所定のテスト用ヘッド426が取り付けられる。このテスト用ヘッド426はノズルを一つだけ有しており、その一つのノズルからインクを吐出することができる。図13のステップS21では、走査部に印刷用紙がセットされ、副走査ずれ検出パターン記録部424が副走査ずれ検出パターンを生成する。具体的には、副走査ずれ検出パターン記録部424が、走査部に各ドット記録モードごとに主走査および副走査を行わせ、テスト用ヘッド426の一つのノズルからインクを吐出させて罫線(副走査ずれ検出パターン)を印刷する。なお、副走査ずれ検出パターン記録部424は、プリンタの生産設備の一部であるコンピュータ490がコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0067】
図14は、ステップS21で記録される副走査ずれ検出パターンの例と、その読み取り方法とを示す説明図である。図14の上部には、5本の罫線からなる副走査ずれ検出パターンおよびテスト用ヘッド426が示されており、下部には、副走査ずれ検出パターンを形成する副走査ずれ検出パターン記録部424が示されている。副走査ずれ検出パターン記録部424は、副走査ずれ検出パターンを印刷する際には、各ドット記録モードごとに、主走査の合間にそれぞれのドット記録モードで実施する副走査の組み合わせを1回実施する。例えば、図5に示す第1のドット記録モードの場合は、主走査で罫線を印刷しながら、主走査の合間に10ドット、7ドット、6ドット、9ドットの副走査送りを行い、それらの副走査を行う前に形成した罫線(以下、この罫線を「基準罫線CR2」と呼ぶ。)も含めて5本の罫線を形成する。この工程で形成される罫線が、「副走査ずれ検出パターン」である。
【0068】
図14の下部には、ステップS22で使用されるリニアイメージセンサ420と第2のずれデータ生成部422が示されている。なお、第2のずれデータ生成部422も、プリンタの生産設備の一部であるコンピュータ490がコンピュータプログラムを実行することによって実現される。そして、イメージセンサ420は、CCD等で構成されたリニアイメージセンサや、2次元イメージセンサなどが使用できる。図13のステップS22では、イメージセンサ420(図14)によって、複数の罫線の中心位置が読み取られる。この罫線の中心位置の読み取り作業の内容は、図11のステップS12と同様である。各罫線の中心位置は、最初に印刷される基準罫線CR2からの距離DRDとして測定される。例えば、図14では、各罫線の中心位置は下から順にDRD1〜DRD4としてそれぞれ求められる。
【0069】
図13のステップS23では、第二のずれデータ生成部422が、各罫線の中心位置(基準罫線CR2からの距離)DRDから各罫線間距離DSDを求め、その罫線間距離のずれDSSを計算する。ここで、「罫線間距離」とは、ステップS21で描いた罫線のうちの隣接する2本の罫線間の距離を意味する。ステップS21では、一つの罫線が印刷されてから次の罫線が印刷される前に、それぞれ所定の距離の副走査送りが行われる。よって、この罫線間距離DSDは、すなわち、罫線の印刷の間に行われる副走査の距離である。例えば、図14の基準罫線CR2と下から2番目の罫線の罫線間距離DSD10は、次の式で得られる。ここで、基準罫線CR2が描かれてから2番目の罫線が描かれるまでに10[ドット]の副走査送りが行われることから、この基準罫線CR2と下から2番目の罫線の罫線間距離をDSD10と呼ぶ。
【0070】
DSD10=DRD1
【0071】
そして、図14において間に7ドット送りを挟んで印刷される2番目と3番目の罫線の罫線間距離DSD7は、次の式で得られる。
【0072】
DSD7=DRD2 −DRD1
【0073】
他の罫線間距離も同様に、それぞれ以下の式から得られる。
【0074】
DSD6=DRD3 −DRD2
【0075】
DSD9=DRD4 −DRD3
【0076】
罫線間距離のずれDSS10,DSS7,DSS6,DSS9は、イメージセンサ420によって実測された各罫線の罫線間距離DSD10,DSD7,DSD6,DSD9と、設計上の副走査の送り量との差分である。例えば、基準罫線CR2の印刷と下から2番目の罫線の印刷との間に行われる副走査送りは10ドットであるから、両者の間隔は設計上は10[ドット]である。したがって、実測された中心位置DSD10と10[ドット]との差分が、10ドット送りの送り量のずれDSS10である。なお、wはドットピッチ[インチ]である。
【0077】
DSS10=DSD10 −10・w
【0078】
同様にして、罫線間距離のずれDSS7,DSS6,DSS9は、以下の式で求められる。
【0079】
DSS7=DSD7 −7・w
【0080】
DSS6=DSD6 −6・w
【0081】
DSS9=DSD9 −9・w
【0082】
上述した「罫線間距離のずれ」DSS10,DSS7,DSS6,DSS9は、10ドット、7ドット、6ドット、9ドットの各副走査送りのずれである。上記の式で得られるDSS10,DSS7,DSS6,DSS9は、実際の副走査送りの量が設計値より大きいときに「正」となり、小さいときに「負」となる。
【0083】
図13のステップS23では、第二のずれデータ生成部422は、上記の手順にしたがって、各罫線の中心位置(基準罫線CR2からの距離)DRDから各罫線間距離DSDを求め、副走査送りのずれDSSを計算する。そして、ステップS24では、この各副走査送りのずれDSS10,DSS7,DSS6,DSS9を第二の位置ずれデータとしてPROM42内の副走査ずれメモリ(第二の記憶部)222に格納する。
【0084】
図10のステップS3では、ヘッドIDメモリ202に第一の位置ずれデータを格納している印刷ヘッド28と、副走査ずれメモリ222に第二の位置ずれデータを格納している走査部とを組み合わせ、印刷ヘッド28を走査部に取り付ける。
【0085】
実際の印刷において、印刷媒体上の各ラスタが、どのような副走査送りを経た後に、どのノズルによって記録されるかは、ドット記録モードによって一義的に決まる。すなわち、ドット記録モードが異なれば、印刷媒体上の各ラスタが、どのような副走査送りを経た後に、どのノズルによって記録されるかも変わってくる。これは、例えば、図6および図7に示した第1ドット記録モードにおいては、第10ラスタ(図7参照)は、10ドットおよび7ドットの2回の副走査送りを経て#3のノズルで記録されるのに対して、図8および図9に示した第2ドット記録方式においては、第10ラスタ(図9参照)は、副走査送りなしで最初に#7のノズルで記録されることからも分かる。各ラスタを記録する際の副走査方向のドットの形成位置ずれは、それまでに行われた副走査送りのずれの累積に、ノズル固有のドット記録位置ずれ(縦アライメント)を足し合わせたものと考えられる。よって、前述の第一の位置ずれデータ(ノズル固有のドット記録位置ずれのデータ)DH0〜DH6と第二の位置ずれデータ(各副走査送りの送り量のずれのデータ)DSS10,DSS7,DSS6,DSS9から、各ラスタのドット記録位置ずれをあらかじめ計算することができる。
【0086】
例えば、図7に示す第1のドット記録方式の10番目のラスタは、1回目の10ドットの副走査送りと2回目の7ドットの副走査送りを経て#3のノズルで記録されるので、その記録位置ずれD1,10は次のようになる。ここで、第2のドット記録方式の各副走査送りの誤差と区別するため、第1のドット記録方式の10,7,6,9ドットの各副走査送りの誤差をDSS1,10,DSS1,7,DSS1,6,DSS1,9とする。
【0087】
1,10=(DSS1,10+DSS1,7)−DH3
【0088】
また、第1のドット記録方式の20番目のラスタは、1回目の10ドットの副走査送り、2回目の7ドットの副走査送り、3回目の6ドットの副走査送りを経て#4のノズルで記録されるので、その記録位置ずれD1,20は次のようになる。
【0089】
1,20=(DSS1,10+DSS1,7+DSS1,6)−DH4
【0090】
すなわち、第1のドット記録モードのp番目のラスタがr番のノズルで記録されるとき、そのp番目のラスタに記録されるドットの副走査方向についてのドット記録位置ずれD1,pは、次のような式で表すことができる。
【0091】
1,p=Σ1,p(DSS)−DHr
【0092】
ここで、右辺第1項の「Σ1,p(DSS)」は、p番目のラスタを記録するまでに行われた副走査送りの送り誤差DSSをたしあわせた値である。また、右辺第2項の「DHr」は、p番目のラスタを記録するr番のノズルの、基準ノズルに対するドット記録位置ずれである。なお、ドット記録位置は、副走査の下流側にずれる場合と上流側にずれる場合とがある。ここでは、下流側にずれている場合にドット記録位置ずれD1,pを「正」とし、上流側にずれている場合にはD1,pを「負」とする。プリンタ22における印刷ヘッド28の取り付け姿勢は、副走査方向上流側にノズル#1があり、下流側に基準ノズル#7があるという配置である。ステップS13において説明したように、「DHr」は、各ノズルが記録する罫線の記録位置が、基準ノズル#7の罫線CRを基準としてノズル#1側(副走査送りの上流側)に離れているときに「正」となるので、上記の式では、右辺第2項の「DHr」には、マイナスの符号が付いている。
【0093】
このようにして得られるp番目のラスタのドット記録位置ずれD1,pは、副走査送り回数0のときに基準ノズル#7が記録するラスタを基準として、そこから計った設計値通りの記録位置からの、ドット記録位置のずれを表すものである。したがって、図7に示す9番目のラスタは、副走査送り回数0のときに基準ノズル#7のノズルで記録されるので、その記録位置ずれD1,9は0である。
【0094】
ラスタの記録位置ずれに関する上述の説明は、第2の記録モードについても同様に適用できる。したがって、一般にi番目のドット記録モードのp番目のラスタがr番のノズルで記録されるとき、そのp番目のラスタに記録されるドットの副走査方向についてのドット記録位置ずれDi,pは、次のような式で表すことができる。
【0095】
i,p=Σi,p(DSS)−DHr
【0096】
ここで、右辺第1項の「Σi,p(DSS)」は、i番目のドット記録モードにおいて、p番目のラスタを記録するまでに行われた副走査送りの、送り誤差をたしあわせた値である。また、右辺第2項の「DHr」は、p番目のラスタを記録するr番のノズルの、基準ノズルに対するドット記録位置ずれである。
【0097】
図15は、プリンタ生産設備のコンピュータ590内のずれ量演算部502と、印刷ヘッド28内のヘッドIDメモリ202と、走査部内の副走査ずれメモリ222の関係を示す説明図である。なお、この段階で印刷ヘッド28はすでにプリンタ22に組み込まれているが、図15では、分かりやすくするために印刷ヘッド28をプリンタ22とわけて描いている。図10のステップS4では、モード決定部(選択部)522のずれ量演算部502が、ヘッドIDメモリ202内に格納された第一の位置ずれデータDHi,pと、副走査ずれメモリ222内に格納された第二の位置ずれデータDSSとに基づいて、上記のような手順で各ラスタのドット記録位置ずれDi,pを計算する。各ラスタのドット記録位置ずれDi,pの計算は、選択可能な各ドット記録モードについて行われる。
【0098】
そして図10のステップS5で、モード決定部522は、各記録モードごとに隣り合う各ラスタのドット列間隔のずれIDi,(p+1)-pを求め、その分散DDiを計算する。このドット列間隔のずれの分散DDiが、各記録モードの評価値である。
【0099】
上記の式からp番目のラスタのドット列の記録位置ずれDi,pとp+1番目のラスタのドット列の記録位置ずれDi,p+1が得られるので、p番目のラスタのドット列と(p+1)番目のラスタのドット列の間隔のずれIDi,(p+1)-pは、以下の式で求めることができる。なお、以下の式では、p番目のラスタとp+1番目のラスタのドット列の間隔が設計値よりも広ければ、IDi,(p+1)-pは「正」となり、狭ければ「負」となる。
【0100】
IDi,(p+1)-p=Di,(p+1)−Di,p
【0101】
ステップS5で各ドット記録モードの評価値DDiを求めた後、モード決定部522は、ステップS6で評価値DDiが最も小さい記録モードを選択する。
【0102】
ここで、ドット列間隔のずれの分散DDiが最も小さい記録モードを選択するのは、各ラスタのドット列間隔の変動ができるだけ小さい方が望ましいからである。各ラスタに記録されるドット列の間隔が副走査方向について均等とはならず、設計値よりも開いたり狭まったりするなど変動すると、印刷画像に主走査方向に伸びる縞やすじが発生することがある。この症状は「バンディング」と呼ばれる。各ドット記録モードの隣り合うラスタのドット列間隔のずれIDi,(p+1)-pは、ドット列間隔が太くなるか細くなるかによって、「正」の値をとる場合と「負」の値をとる場合とがある。よって、仮に各ドット記録モードをドット列間隔のずれIDi,(p+1)-pの相加平均で評価することとすると、ドット列間隔が設計値よりも太いものと細いものが相殺されて、各ドット列間隔が太いものと細いものが同程度にある記録モードと、実際にドット列間隔の変動が少ない記録モードとを区別することができない。そして、各ドット列間隔が太いものと細いものが同程度にある記録モードを選択すると、印刷画像にバンディングが生じてしまうおそれがある。しかし、各ラスタのドット列間隔ずれの分散DDiで評価することとすれば、そのような問題を含むことなく、印刷結果の画質のすぐれたドット記録モードを選択することができる。
【0103】
モード決定部522は、図10のステップS6でドット記録モードを選択した後、ステップS7で、選択した記録モードの番号をPROM42内のモード指定メモリ220に格納する。なお、モード決定部522およびずれ量演算部502は、プリンタの生産設備の一部であるコンピュータ590がコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0104】
プリンタ22の記録モード設定部204(図4参照)は、実際に印刷を実行する際には、印刷データのヘッダから記録解像度のモード分類の情報を供給される。そして、その記録解像度のモード分類に対して特定されている記録モードのデータを、PROM42内のモード指定メモリ220から読み出し、その記録モードの情報を記録モードテーブル206から読み出して、駆動部制御部208とラスタデータ格納部216に主走査と副走査の動作を規定するパラメータを供給する。そして、駆動部制御部208によって、主走査駆動部210と副走査駆動部212と印刷ヘッド駆動部214とが制御され、印刷が実行される。
【0105】
D.位置ずれデータの他の設定方法:
上記の例では、各ドット記録モードごとに各ラスタのドット記録位置の「ずれ」Di,pを求め、ドット列間隔の「ずれ」IDi,(p+1)-pを計算して、その分散DDiが最も小さい記録モードを選択することとした。しかし、他の基準にしたがって記録モードを選択することもできる。ここでは、測定したドット記録位置の間隔や、副走査送り量から、各ラスタのドット列間隔そのものを計算し、そのばらつきをもとに各ドット記録モードを評価する態様について説明する。
【0106】
図16は、印刷装置の製造工程を示す説明図である。図16に示す工程は、ステップS1a,S2a,S4a,S5a,S6aの処理内容が、図10に示したステップS1,S2,S4,S5,S6と異なる以外は、図10の工程と同様である。以下では、図10の工程と異なる部分を中心に説明する。
【0107】
図17は、図16のステップS1aにおける第一の位置ずれデータ決定の工程を示すフローチャートである。図17に示す工程は、図11のステップS13に相当する工程がなく、ステップS14aがステップS14と異なる以外は図11の工程と同様である。図17の例では、第一の位置ずれデータの生成の際、ステップS12で各罫線の中心位置DIS0-7〜DIS6-7が読み取られた後(図12参照)、ステップS14aで、第一のずれデータ生成部322によって、各罫線の中心位置DIS0-7〜DIS6-7がそのまま第一の位置ずれデータとしてヘッドIDメモリ202に格納される。ステップS12で読みとられた各罫線の中心位置DIS0-7〜DIS6-7は、各ノズル固有のドット記録位置のずれ量を含んだ数値であるので、このようにして生成された第一の位置ずれデータも、実質的に各ノズルの副走査方向についてのドット記録位置ずれを表している。
【0108】
図18は、図16のステップS2aにおける第二の位置ずれデータ決定の工程を示すフローチャートである。図18に示す工程は、ステップS23a,S24aが図13に示したステップS23,S24と異なる以外は、図13の工程と同様である。図18の例では、ステップS22で各罫線の中心位置DRD1〜DRD4が読み取られた後(図14参照)、ステップS23aで、第2のずれデータ生成部422によって、各罫線の中心位置DRD1〜DRD4から各罫線間距離DSD10,DSD7,DSD6,DSD9が計算される。前述の通り、この罫線間距離DSD10,DSD7,DSD6,DSD9は、実際の副走査送りの距離である。そして、データ生成部422は、ステップS24aでその罫線間距離(副走査送りの距離)DSD10,DSD7,DSD6,DSD9をそのまま第二の位置ずれデータとして副走査ずれメモリ222に格納する。
【0109】
ステップS21で説明したように、DRD1〜DRD4は、実際に副走査送りを行って形成された罫線の中心位置(基準罫線CR2からの距離)であるから、副走査送りのずれ量を含んだ値である。したがって、それらDRD1〜DRD4から得られる罫線間距離(副走査送りの距離)DSD10,DSD7,DSD6,DSD9も、副走査送りのずれ量を含む値となる。よって、これらを第二の位置ずれデータとしても、第二の位置ずれデータは実質的に副走査送りのずれを表すものとなる。
【0110】
図16のステップS4aでは、ずれ量演算部502が、第一の位置ずれデータDIS0-7〜DIS6-7と第二の位置ずれデータDSD10,DSD7,DSD6,DSD9とに基づいて、各ドット記録モードについて各ラスタに記録されたドット列の副走査方向についての記録位置を計算する。第一の位置ずれデータDIS0-7〜DIS6-7は、ノズル#7が記録するドットに対する、各ノズルが記録するドットの位置のデータである。そして、第二の位置ずれデータDSD10,DSD7,DSD6,DSD9は、副走査送り量のデータである。よって、例えば図7の例では、2番目のラスタは1回目の10ドットの副走査送り、2回目の7ドットの副走査送りの後に#1ノズルで記録されるので、その記録位置SSR1,2は、次の式で得られる。
【0111】
SSR1,2=(DSD10+DSD7)−DIS1-7
【0112】
すなわち、第1のドット記録モードのp番目のラスタがr番のノズルで記録されるとき、そのp番目のラスタに記録されるドット列の副走査方向についてのドット記録位置SSR1,pは、次のような式で表すことができる。
【0113】
SSR1.p=Σ1,p(DSD)−DISr-N0
【0114】
ここで、右辺第1項の「Σ1,p(DSD)」は、第1のドット記録モードにおいて、p番目のラスタを記録するまでに行われた副走査送りの送り量DSDをたしあわせた値である。また、右辺第2項の「DISr-N0」は、p番目のラスタを記録するr番のノズルの、基準ノズル#N0に対する中心位置である。ここでは、p番目のラスタのドット記録位置SSR1,pは、副走査送りの下流に向かう向きを「正」として計算している。プリンタ22における印刷ヘッド28の取り付け姿勢は、副走査方向上流側にノズル#1があり、下流側に基準ノズル#7があるという配置である。図12に示すように、DIS1,pは、各ノズルが記録する罫線の共通罫線CRからの距離である。このDIS1,pは、副走査方向の最下流側にある基準ノズル#7によって記録される共通罫線CRから上流側にある各ノズルによって記録された各罫線の中心位置を計測したものである。このため、上記の式では、右辺第2項の「DISr-N0」には、マイナスの符号が付いている。
【0115】
ラスタの記録位置ずれに関する上述の説明は、第2の記録モードについても同様に適用できる。したがって、一般にi番目のドット記録モードにおける、p番目のラスタの副走査方向についてのドット記録位置SSRi,pは、次のような式で表すことができる。
【0116】
SSRi,p=Σi,p(DSDi)−DISi,p
【0117】
ここで、右辺第1項の「Σi,p(DSDi)」は、i番目のドット記録モードにおいて、p番目のラスタを記録するまでに行われた副走査送りの送り量DSDをたしあわせた値である。また、右辺第2項の「DISi,p」は、i番目のドット記録モードにおいてp番目のラスタを記録するノズルの基準ノズルに対する中心位置である。図16のステップS4aでは、ずれ量演算部502は、上記の計算式によって、各ラスタに記録されたドット列の副走査方向についての記録位置SSRi,pを計算する。なお、選択可能な複数の記録モードを有するモード分類(図4参照)が複数ある場合は、以降、各モード分類ごとにステップS4a〜S7の手順が行われ、それぞれ一つの記録モードが選択される、という点は、先の実施例と同様である。
【0118】
図19は、ステップS5aにおける、各ドット記録モードについての評価値を求める工程を示すフローチャートである。図20は、各ラスタのドット列の間隔についての評価値の計算の考え方を示す説明図である。なお、図20において、各ラスタに記録されるドット列は罫線として表されている。図20には、(p−5)番から(p+4)番までの10本のラスタのドット列が表されている。ステップS5aでは、ずれ量演算部502は、ドット列の記録位置をもとに各記録モードの評価値を計算する。その内容は以下の通りである。すなわち、図19のステップS31で、記録媒体上の全ラスタについて連続する複数のラスタの束を規定する。例えば、図20に示すように、連続する6本のラスタを一つの束としてもよい。そして、それぞれのラスタの束は、順に1本づつラスタをずらして規定される。
【0119】
ステップS32では、それぞれのラスタの束に含まれるラスタについて、互いに隣り合うラスタ同士のドット列の間隔の平均を求める。i番目のドット記録モードのp番目とq番目のドット列の間隔Drasi,q-pは、次の式で求められる。ただし、q>pとする。
【0120】
Drasi,q-p=SSRi,q−SSRi,p
【0121】
図20の例では、j番目のラスタの束に含まれるのは、(p−3)番目のラスタから(p+2)番目のラスタまでである。よって、j番目のラスタの束の平均ドット列間隔MDrasi,jを求めるには、両端の(p−3)番目のラスタのドット列から(p+2)番目のラスタのドット列までの間隔Drasi,(p+2)-(p-3)を、間隔の数5で割ればよい。ドット列間隔Drasi,q-pは上記の式から求められるので、j番目のラスタの束の平均ドット列間隔MDrasi,jは、以下の式で求めることができる。
【0122】
MDrasi,j=(SSRi.p+2−SSR1.p-3)/5
【0123】
ラスタの束に含まれるラスタの数をM、j番目のラスタの束に含まれる最初のラスタの番号をp0とすると、上記の式は以下のように表すことができる。
【0124】
MDrasi,j=(SSRi.p0+M-1−SSR1.p0)/(M−1)
【0125】
モード決定部522は、ステップS32(図19参照)において、上記の式でラスタの束ごとにドット列間隔の平均MDrasi,jを求める。
【0126】
次に、ステップS33では、モード決定部522は、各ドット記録モードごとに、それぞれのラスタの束の平均ドット列間隔MDrasi,jのうち最も大きい値と最も小さい値の差min−max(MDrasi,j) を計算する。このmin−max(MDrasi,j)が、各ドット記録モードについての罫線間距離についての評価値である。図16のステップS5aでは、ずれ量演算部502は、上記の手順に従って各記録モードの評価値min−max(MDrasi,j)を計算する。
【0127】
その後、図16のステップS6aでは、評価値min−max(MDrasi,j)が最も小さい記録モードを選択する。バンディングは、各ラスタに記録されるドット列の間隔が設計値よりも狭い部分や広い部分があることによって生じる。よって、このように、ラスタの束ごとにドット列の間隔の平均を計算し、その最大値と最小値の差が小さくラスタの束ごとにドット列間隔がばらつくことがないドット記録モードを選択することとすれば、バンディングが生じにくいドット記録モードを選択することができる。
【0128】
なお、図10の例のようにずれを直接評価する場合にも、図16の例のようにドット列間隔で評価する場合にも、ばらつきの評価値としては、最大値と最小値の差、分散、標準偏差など、様々な値を使用することができる。
【0129】
E.その他の変形例:
(1)印刷ヘッドを走査部に組み付けた後に記録モードを決定する態様:
図21は、印刷ヘッドを走査部に組み付けた後に記録モードを決定する場合の工程を示すフローチャートである。図22は、機能部としてモード決定部632を備えるプリンタドライバを示す説明図である。図10の例では、第一の位置ずれデータの設定(図11参照)、第二の位置ずれデータの設定(図13参照)および記録モードの選択(図10参照)は、プリンタの製造工程において行った。しかし、これらの各工程は、印刷ヘッドを走査部に組み付けた後に行うものとしてもよい。例えば、印刷ヘッドを走査部に組み付けた後に記録モードの選択を行う場合は、次のような態様とすることができる。すなわち、第一の位置ずれデータは前述の場合と同様に、製造工程においてヘッドIDメモリ202に格納する。そして、第二の位置ずれデータも、同様に製造工程において、PROM42内に設けられた副走査ずれメモリ222に格納する。そして、プリンタドライバ96aは、図15のモード決定部522と同等の機能を果たすモード決定部632を、機能部として備える。印刷装置の他の構成は前述の場合と同様である。なお、図22においては、図1のプリンタドライバと共通の構成要素については図示を省略している。図21に示すように、モード決定部632は、まず、ステップS41で、ヘッドIDメモリ202から第一の位置ずれデータを読み込む。そして同様に、ステップS42で、副走査ずれメモリ222から第二の位置ずれデータを読み込む。その後、ステップS43で、前述のずれ量演算部502に相当するずれ量演算部602が、各記録モードの各ラスタのずれ量を計算する。そして、ステップS44で、モード決定部632は、ラスタのずれ量から各記録モードの評価値を計算し、ステップS45で、各モード分類について最適な記録モードを選択する。これらの処理が行われた後、ステップS46で、駆動制御部208(図4参照)が各部を制御して印刷を実行する。このような態様とすれば、印刷ヘッドが交換可能に設けられている印刷装置においても、印刷ヘッドが交換されるたびに、プリンタ側で好ましい記録モードを設定し直すことができる。
【0130】
(2)印刷ヘッドを走査部に組み付けた後に第一の位置ずれデータを生成する態様:
図23は、機能部として第一のずれデータ生成部622とヘッドずれ検出パターン記録部624を備えるプリンタドライバを示す説明図である。図11に示した第一の位置ずれデータの設定はプリンタ完成後に行う態様とこともできる。例えば、前述の第一のずれデータ生成部322に相当する第一のずれデータ生成部622と、図12のヘッドずれ検出パターン記録部324に相当するヘッドずれ検出パターン記録部624を、プリンタドライバ96bの機能部として備える態様とすればよい。これらの機能部が行う処理の手順は、図11の手順と同様である。なお、図23においては、図1のプリンタドライバと共通の構成要素については図示を省略している。全体の流れは、図21のステップS41の内容を「第一の位置ずれデータを生成する」と置き換えたものとなる。なお、図11のステップS11における罫線(ヘッドずれ検出パターン)の印刷に際しては、ヘッドずれ検出パターン記録部624は、副走査を行わずに主走査のみ行ってドットを記録し罫線を印刷する。このような態様とすれば、印刷ヘッド28にあらかじめ第一の位置ずれデータを持たせる必要がない。
【0131】
(3)印刷ヘッドを走査部に組み付けた後に第二の位置ずれデータを生成する態様:
図24は、機能部として第二のずれデータ生成部626と副走査ずれ検出パターン記録部628を備えるプリンタドライバを示す説明図である。図13に示した第二の位置ずれデータの設定をプリンタ完成後に行う態様とこともできる。例えば、図14の第二のずれデータ生成部422に相当する第二のずれデータ生成部626と、前述の副走査ずれ検出パターン記録部424に相当する副走査ずれ検出パターン記録部628を、プリンタドライバ96cの機能部として備える態様とすればよい。これらの機能部が行う処理の手順は、図13の手順と同様である。なお、図24においては、図1のプリンタドライバと共通の構成要素については図示を省略している。全体の流れは、図21のステップS42の内容を「第二の位置ずれデータを生成する」と置き換えたものとなる。なお、ステップS21における罫線(副走査ずれ検出パターン)の印刷に際しては、ヘッドずれ検出パターン記録部628は、主走査において同一のノズルでドットを形成し主走査の合間にそれぞれのドット記録モードで実施する副走査の組み合わせを1回実施する。このような態様とすれば、副走査のずれが製造時から変化した場合に、改めて好ましい記録モードを設定し直すことができる。
【0132】
(4)その他:
上記の態様に限らず、上述した図11の第一の位置ずれデータ生成、図13の第二の位置ずれデータの生成、ならびに図10および図21に示した記録モードの選択の手順は、以下の各段階における種々の時点で実行することができる。
(a)カラープリンタ22の製造時。
(b)ユーザの使用時。
【0133】
例えば、上記(a)の時点、すなわち、カラープリンタ22の製造工程において、個々のカラープリンタ22に対して図10または図21、および図11、図13の処理実行するようにすれば、出荷されるカラープリンタ22に対してそれぞれ高画質を達成するための好ましいドット記録方式を設定することができる。なお、カラープリンタ22の性能は経年的に変化するので、長年の使用の後には高画質を達成するドット記録方式が変わる可能性もある。従って、カラープリンタ22の使用開始後に、好ましいドット記録方式を変更することができるようにしておけば、経年変化による画質の劣化を或る程度防止することが可能である。この意味では、上記(b)の時点でも図10または図21、および図11、図13の工程を実行できるようにしておくことが好ましい。
【0134】
なお、各記録モードの記録位置ずれの評価に際しては、第一および第二の位置ずれデータに基づいて、印刷用紙上のラスタの記録位置ずれが計算される。しかし、必ずしも印刷用紙上のすべてのラスタについて記録位置ずれを求める必要はない。すなわち、各記録モードについて、同一数のラスタの記録位置ずれデータをもとに、各記録モードのドット記録位置ずれを評価してもよい。また、各記録モードの副走査送りの組み合わせを1回を実施した場合に記録できるラスタにつき、ドット記録位置のずれ量を求めて、各記録モードの評価値を計算してもよい。ずれ量を求めるラスタの数を制限すれば、ずれ量を求める際の計算量を少なくすることができる。
【0135】
また、各記録モードの記録位置ずれの評価に際しては、一色のインクのノズルについて、ドット記録位置ずれを計算するだけでなく、複数色のインクのノズルについて、ドット記録位置ずれを計算し、各ラスタのドット記録位置ずれを評価することが好ましい。すなわち、図10のステップS1において、複数色のインクのノズルについてドット記録位置ずれを評価し、ステップS4において、各色のドット記録位置ずれを評価し、ステップS5で、各色のドット記録位置ずれをもとに評価値を定めることが好ましい。特に、バンディングが目立つ色を印刷するのに使用されるインク色について選択的にドット記録位置ずれを評価することとすれば、各手続きにおける処理量を減らした上で、効果的にバンディングを低減することができる。
【0136】
なお、この実施例では、好ましいドット記録方式を指定するためのモード指定情報が、書き換え可能なPROM42に格納されているので、好ましいドット記録方式を示すモード指定情報をカラープリンタ22内に常時格納しておくことができるとともに、必要に応じてモード指定情報を変更することが可能である。
【0137】
なお、PROM42から好ましいドット記録方式のパラメータを読み出すタイミングは、プリンタドライバ96のインストール時に限らず、種々の変形が可能である。例えば、コンピュータ90の電源投入時に毎回読み出すようにしてもよい。こうすれば、コンピュータ90に接続されるプリンタ22が交換された場合にも、新しいプリンタ22内のPROM42に格納された好ましいドット記録方式のパラメータを読み出すことができる。あるいは、印刷の実行時に(例えばユーザが印刷開始を指示する度に)、PROM42の情報を毎回読み出すようにしてもよい。これは、例えばネットワーク接続された多数の同型のプリンタが存在し、実際に印刷に使用するプリンタを選択できるような場合に好ましい態様である。この場合には、印刷の実行の度に、選択されたプリンタのPROM42から好ましいドット記録方式のパラメータを読み出せるので、選択されたプリンタに適したドット記録方式で記録を実行することができる。
【0138】
プリンタドライバ96内にすべてのドット記録モード情報が予め登録されている場合には、プリンタドライバ96は、PROM42からモード指定情報のみを読み出せばよい。この際、双方向のデータ通信ができないなどの理由によってモード指定情報の読み込みエラーが生じた場合には、以下のように対処することが可能である。すなわち、読み込みエラーが発生したときには、プリンタ本体に印刷媒体上にモード指定情報(すなわち記録モード番号)を印刷させ、また、プリンタドライバ96のユーザインタフェイス(コンピュータ90の画面上に表示される)上に、印刷されたモード指定情報(記録モード番号)の入力をユーザに促すような表示を行う。具体的には、例えば、画面上のユーザインタフェイス領域に、「プリンタで印刷された記録モード番号をキーボードから入力して下さい」という文字を表示すれば良い。こうすれば、プリンタドライバ96は、ユーザが入力したモード指定情報に応じたドット記録方式のパラメータを用いて各種の処理を実行することができる。
【0139】
以上のように、上記実施例によれば、少なくとも同一の解像度を有する複数のドット記録方式の中から、高画質を達成できる好ましいドット記録方式を選択するようにしたので、個々のカラープリンタ22の状態に応じてそれぞれ高画質の画像を記録することができる。
【0140】
特に、k=4の第1と第2のドット記録方式のように、副走査送り量Lの多数の値の配列が異なるだけであって、解像度と記録速度とがそれぞれ等しい互いに等価な複数のドット記録方式が存在する場合には、個々のプリンタの状態に応じてそれぞれ高画質の画像を記録することができるという利点が特に顕著である。
【0141】
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。すなわち、イメージセンサ320は、プリンタ22に内蔵するようにしてもよく、あるいは、プリンタ22とは別個の画像読み取り装置内に設けるようにしてもよい。イメージセンサ120をプリンタ22内に設けるようにすれば、罫線を印刷しながら罫線位置を読み取ることができるという利点がある。
【0142】
なお、走査部と印刷ヘッドを組み合わせる際には、一つの走査部に取り付けうる複数の印刷ヘッドの中から、走査部の第二の位置ずれデータと、各印刷ヘッドの第一の位置ずれデータとに基づいて、1以上の印刷ヘッドを選択することとしてもよい。このような態様とすれば、走査部の副走査送りのずれが大きい場合も、好適な印刷ヘッドと組み合ることで、その走査部を廃棄するのを免れることができ、生産品の有効活用を計ることができる。また、同様の理由から、一つの印刷ヘッドについて、当該印刷ヘッドを取り付けうる複数の走査部の中から、走査部の第二の位置ずれデータと、各ドット記録ヘッドの第一の位置ずれデータとに基づいて、1の走査部を選択することとしてもよい。このような態様とすれば、ドット記録位置ずれの大きい印刷ヘッドを有効に活用することができる。
【0143】
この発明はカラー印刷だけでなくモノクロ印刷にも適用できる。また、1画素を複数のドットで表現することにより多階調を表現する印刷にも適用できる。また、ドラムスキャンプリンタにも適用できる。尚、ドラムスキャンプリンタでは、ドラム回転方向が主走査方向、キャリッジ走行方向が副走査方向となる。また、この発明は、インクジェットプリンタのみでなく、一般に、複数のドット形成要素アレイを有する記録ヘッドを用いて印刷媒体の表面に記録を行うドット記録装置に適用することができる。ここで、「ドット形成要素」とは、インクジェットプリンタにおけるインクノズルのように、ドットを形成するための構成要素を意味する。
【0144】
そして、本実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0145】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0146】
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、カラープリンタ22の制御回路40(図2)の機能を、コンピュータ90が実行するようにすることもできる。この場合には、プリンタドライバ96等のコンピュータプログラムが、制御回路40における制御と同じ機能を実現する。
【0147】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。コンピュータシステム90は、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からコンピュータシステム90にコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがコンピュータシステム90のマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステム90が直接実行するようにしてもよい。
【0148】
この明細書において、コンピュータシステム90とは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなコンピュータシステム90に、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0149】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】画像出力装置20の一例としてのカラープリンタ22の構成を示す概略構成図。
【図3】インク吐出用ヘッド61〜64におけるインクジェットノズルの配列を示す説明図。
【図4】ドット記録モードに応じた駆動制御に関連する構成の機能ブロック図。
【図5】k=4の第1ドット記録方式を示す説明図。
【図6】k=4の第1ドット記録方式における走査パラメータと各ノズルで記録される有効ラスタ番号とを示す説明図。
【図7】k=4の第1ドット記録方式において各有効ラスタを記録するノズル番号を示す説明図。
【図8】k=4の第2ドット記録方式における走査パラメータと各ノズルで記録される有効ラスタ番号とを示す説明図。
【図9】k=4の第2ドット記録方式において各有効ラスタを記録するノズル番号を示す説明図。
【図10】印刷装置の製造工程を示す説明図。
【図11】図10のステップS1における第一の位置ずれデータ決定の工程を示すフローチャート。
【図12】罫線の記録とその読み取りの他の方法を示す説明図。
【図13】図10のステップS2における第二の位置ずれデータ決定の工程を示すフローチャート。。
【図14】ステップS21で記録される副走査ずれ検出パターンの例と、その読み取り方法とを示す説明図。
【図15】プリンタ生産設備のコンピュータ内のずれ量演算部502と、印刷ヘッド28内のヘッドIDメモリ202と、走査部内の副走査ずれメモリ222の関係を示す説明図。
【図16】印刷装置の製造工程を示す説明図。
【図17】図16のステップS1における第一の位置ずれデータ決定の工程を示すフローチャート。
【図18】図16のステップS2における第二の位置ずれデータ決定の工程を示すフローチャート。
【図19】ステップS5aにおける、各ドット記録モードについての評価値を求める工程を示すフローチャート。
【図20】各ラスタのドット列の間隔についての評価値の計算の考え方を示す説明図。
【図21】印刷ヘッドを走査部に組み付けた後に記録モードを決定する場合の工程を示すフローチャート。
【図22】機能部としてモード決定部632を備えるプリンタドライバを示す説明図。
【図23】機能部として第一のずれデータ生成部622とヘッドずれ検出パターン記録部624を備えるプリンタドライバを示す説明図。
【図24】機能部として第二のずれデータ生成部626とヘッドずれ検出パターン記録部628を備えるプリンタドライバを示す説明図。
【符号の説明】
12…スキャナ
20…画像出力装置
21…カラーディスプレイ
22…カラープリンタ
23…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
26…プラテン
28…印刷ヘッド
31…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置検出センサ
40…制御回路
42…PROM
61〜64…インク吐出用ヘッド
65…導入管
71,72…インク用カートリッジ
80…インク通路
90…コンピュータ
91…ビデオドライバ
93…CRTディスプレイ
95…アプリケーションプログラム
96…プリンタドライバ
97…ラスタライザ
98…色補正モジュール
99…ハーフトーンモジュール
100〜103…ノズル群
110…モード指定情報書込モジュール
120…イメージセンサ
122…モード設定部
202…ヘッドIDメモリ
204…記録モード設定部
208…駆動部制御部
210…主走査駆動部
212…副走査駆動部
214…印刷ヘッド駆動部
216…ラスタデータ格納部
320…リニアイメージセンサ
322…第一のずれデータ生成部
324…ヘッドずれ検出パターン記録部
390…コンピュータ
420…リニアイメージセンサ
422…第二のずれデータ生成部
424…副走査ずれ検出パターン記録部
490…コンピュータ
502…ずれ量演算部
522…モード決定部
590…コンピュータ
602…ずれ量演算部
622…第一のずれデータ生成部
624…ヘッドずれ検出パターン記録部
626…第二のずれデータ生成部
628…副走査ずれ検出パターン記録部
632…モード決定部

Claims (13)

  1. ドット記録ヘッドを用いて印刷媒体ドットの記録を行うドット記録装置であって、
    ドットを形成するための複数のドット形成要素を有するドット記録ヘッドと、
    前記ドット記録ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を所定の方向に送る主走査を行う主走査駆動部と、
    前記ドット記録ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を前記主走査の方向と交わる方向に送る副走査を行う副走査駆動部と、
    前記複数のドット形成要素のうちの基準のドット形成要素が記録するドットに対する、各ドット形成要素が記録するドットの副走査方向の記録位置ずれを実質的に表す第一の位置ずれデータを格納する第一の記憶部と、
    前記副走査の、副走査方向についての送り誤差を実質的に表す第二の位置ずれデータを格納する第二の記憶部と、
    ドットを記録する際の前記主走査および前記副走査の動作を規定するモードであって、記録速度がほぼ等しい複数のドット記録モードを格納する記録モード格納部と、
    前記ドット記録ヘッドと、前記主走査駆動部と、前記副走査駆動部とを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記第一の位置ずれデータと前記第二の位置ずれデータとをもとに、前記各ドット記録モードについて所定の評価値を計算し、前記評価値に基づいて前記記録モード格納部に格納された複数のドット記録モードの中からドット記録モードを選択する選択部を備えることを特徴とするドット記録装置。
  2. 請求項1記載のドット記録装置であって、
    前記ドット記録ヘッドは、交換可能に設けられており、
    前記第一の記憶部は、前記ドット記録ヘッドに設けられている、ドット記録装置。
  3. 請求項1記載のドット記録装置であって、
    前記制御部は、
    前記各ドット記録モードにおいて、所定の送り量の副走査の組み合わせを主走査の合間に繰り返し行って、印刷媒体上の各ラスタにドットを記録するように、前記副走査駆動部、前記主走査駆動部および前記ドット記録ヘッドを制御し、
    前記制御部は、さらに、
    前記第一の位置ずれデータと前記第二の位置ずれデータとに基づいて、前記印刷媒体上の各ラスタにつき、当該ラスタを記録するまでに実施される副走査の送り誤差の累積と、当該ラスタを記録する前記ドット形成要素の、副走査方向についての前記基準ドット形成要素を基準としたドット記録位置ずれと、の和を実質的に計算し、ドット記録位置のずれ量を得る、ずれ量演算部を備え、
    前記選択部は、
    前記各ドット記録モードについて、前記印刷媒体上の前記各ラスタの前記ドット記録位置のずれ量に基づいて、各ラスタに記録するドットの副走査方向についての間隔の変動に関する評価値を、前記所定の評価値として計算し、前記評価値に基づいてドット記録モードを選択する、ドット記録装置。
  4. 請求項3記載のドット記録装置であって、
    前記ずれ量演算部は、
    前記各ドット記録モードについて、同一数のラスタにつき、ドット記録位置のずれ量を求めるドット記録装置。
  5. 請求項3記載のドット記録装置であって、
    前記ずれ量演算部は、
    前記所定の送り量の副走査の組み合わせを1回実施した場合に記録できるラスタにつき、ドット記録位置のずれ量を求めるドット記録装置。
  6. 請求項3記載のドット記録装置であって、
    前記副走査方向についての副走査の位置ずれを検出するために印刷媒体上に形成される副走査ずれ検出パターンを読みとるセンサを備え、
    前記制御部は、さらに、
    前記各ドット記録モードについて、前記主走査において同一のドット形成要素でドットを記録しつつ、前記所定の送り量の副走査の組み合わせを前記主走査の合間に実施して、前記副走査ずれ検出パターンを記録するように、前記副走査駆動部、前記主走査駆動部および前記ドット記録ヘッドを制御する副走査ずれ検出パターン記録部と、
    前記センサの出力をもとに前記第二の位置ずれデータを生成する第二のずれデータ生成部と、を備えるドット記録装置。
  7. 印刷媒体上にドットを形成するための複数のドット形成要素を有するドット記録ヘッドを用い、前記ドット記録ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を所定の方向に送る主走査を行い、かつ、前記ドット記録ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を前記主走査の方向と交わる方向に送る副走査を行って、印刷媒体上にドットの記録を行う方法において、
    (a)前記複数のドット形成要素のうちの基準のドット形成要素が記録するドットに対する、各ドット形成要素が記録するドットの副走査方向の記録位置ずれを実質的に表す第一の位置ずれデータを生成する工程と、
    (b)前記副走査の、副走査方向についての送り誤差を実質的に表す第二の位置ずれデータを生成する工程と、
    (c)ドットを記録する際の前記主走査および前記副走査の動作を規定するモードであって記録速度がほぼ等しい複数のドット記録モードについて、前記第一の位置ずれデータおよび前記第二の位置ずれデータに基づいてそれぞれ所定の評価値を計算し、前記複数のドット記録モードから、前記評価値に基づいてドット記録モードを選択する工程と、
    (d)前記選択されたドット記録モードに従ってドットの記録を実行する工程と、
    を備えるドットの記録方法。
  8. 請求項7記載のドットの記録方法であって、
    前記工程(d)は、
    所定の送り量の副走査の組み合わせを主走査の合間に繰り返し行って、印刷媒体上の各ラスタにドットを記録する工程を含み、
    前記工程(c)は、
    (c1)前記第一の位置ずれデータと前記第二の位置ずれデータとに基づいて、前記印刷媒体上の各ラスタにつき、当該ラスタを記録するまでに実施される副走査の送り誤差の累積と、当該ラスタを記録する前記ドット形成要素の、副走査方向についての前記基準ドット形成要素を基準としたドット記録位置ずれと、の和を実質的に計算し、ドット記録位置のずれ量を得る工程と、
    (c2)前記各ドット記録モードについて、前記印刷媒体上の前記各ラスタの前記ドット記録位置のずれ量に基づいて、各ラスタに記録するドットの副走査方向についての間隔の変動に関する評価値を、前記所定の評価値として計算し、前記評価値に基づいてドット記録モードを選択する工程と、
    を備えるドットの記録方法。
  9. 請求項7記載のドットの記録方法であって、
    前記工程(d)は、
    所定の送り量の副走査の組み合わせを主走査の合間に繰り返し行って、印刷媒体上の各ラスタにドットを記録する工程を含み、
    前記工程(b)は、
    (b1)前記主走査の方向と同じ方向に前記ドット記録ヘッドを送り、同一のドット形成要素でドットを記録しつつ、前記所定の送り量の副走査の組み合わせを前記送りの合間に実施して、副走査ずれ検出パターンを記録する工程と、
    (b2)前記副走査ずれ検出パターンをセンサで読みとる工程と、
    (b3)前記センサの出力をもとに前記第二の位置ずれデータを生成する工程と、
    を備えるドットの記録方法。
  10. 印刷媒体上にドットを形成するための複数のドット形成要素を有するドット記録ヘッドと、前記ドット記録ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を所定の方向に送る主走査を行い、かつ、前記ドット記録ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を前記主走査の方向と交わる方向に送る副走査を行う走査部と、を組み合わせて印刷装置を製造する方法において、
    (a)前記複数のドット形成要素のうちの基準のドット形成要素が記録するドットに対する、各ドット形成要素が記録するドットの副走査方向の記録位置ずれを実質的に表す第一の位置ずれデータを生成する工程と、
    (b)前記副走査の、副走査方向についての送り誤差を実質的に表す第二の位置ずれデータを生成する工程と、
    (c)前記ドット記録ヘッドを前記走査部に取り付ける工程と、
    (d)ドットを記録する際の前記主走査および前記副走査の動作を規定するモードであって、記録速度がほぼ等しい複数のドット記録モードについて、前記第一の位置ずれデータおよび前記第二の位置ずれデータに基づいてそれぞれ所定の評価値を計算し、前記複数のドット記録モードから、前記評価値に基づいてドット記録モードを選択する工程と、
    (e)前記印刷装置に設けられた第三の記憶部に前記選択されたドット記録モードを格納する工程と、
    を備える印刷装置の製造方法。
  11. 請求項10記載の印刷装置の製造方法であって、
    前記印刷装置は、
    前記各ドット記録モードにおいて、所定の送り量の副走査の組み合わせを主走査の合間に繰り返し行って、印刷媒体上の各ラスタにドットを記録するものであり、
    前記工程(d)は、
    (d1)前記第一の位置ずれデータと前記第二の位置ずれデータとに基づいて、前記印刷媒体上の各ラスタにつき、当該ラスタを記録するまでに実施される副走査の送り誤差の累積と、当該ラスタを記録する前記ドット形成要素の、副走査方向についての前記基準ドット形成要素を基準としたドット記録位置ずれと、の和を実質的に計算し、ドット記録位置のずれ量を得る工程と、
    (d2)前記各ドット記録モードについて、前記印刷媒体上の前記各ラスタの前記ドット記録位置のずれ量に基づいて、各ラスタに記録するドットの副走査方向についての間隔の変動に関する評価値を、前記所定の評価値として計算し、前記評価値に基づいてドット記録モードを選択する工程と、
    を備える印刷装置の製造方法。
  12. 請求項10記載の印刷装置の製造方法であって、
    前記印刷装置は、前記各ドット記録モードにおいて、所定の送り量の副走査の組み合わせを主走査の合間に繰り返し行って、印刷媒体上の各ラスタにドットを記録するものであり、
    前記工程(b)は、
    (b1)前記主走査の方向と同じ方向に前記ドット記録ヘッドを送り、同一のドット形成要素でドットを記録しつつ、前記所定の送り量の副走査の組み合わせを前記送りの合間に実施して、副走査ずれ検出パターンを記録する工程と、
    (b2)前記副走査ずれ検出パターンをセンサで読みとる工程と、
    (b3)前記センサの出力をもとに前記第二の位置ずれデータを生成する工程と、
    を備える印刷装置の製造方法。
  13. 請求項10記載の印刷装置の製造方法であって、
    前記工程(a)は、
    (a1)前記ドット記録ヘッドを印刷の際に行われる主走査の方向と同じ方向に送りつつ、前記ドット形成要素を駆動して、ヘッドずれ検出パターンを印刷する工程と、
    (a2)前記ヘッドずれ検出パターンをセンサで読みとる工程と、
    (a3)前記センサの出力をもとに前記第一の位置ずれデータを生成する工程と、
    を備える印刷装置の製造方法。
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