JPH11207947A - 印刷装置、画像形成方法および記録媒体 - Google Patents

印刷装置、画像形成方法および記録媒体

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JPH11207947A
JPH11207947A JP10107011A JP10701198A JPH11207947A JP H11207947 A JPH11207947 A JP H11207947A JP 10107011 A JP10107011 A JP 10107011A JP 10701198 A JP10701198 A JP 10701198A JP H11207947 A JPH11207947 A JP H11207947A
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dot
dots
head
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JP10107011A
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English (en)
Inventor
Shigeaki Sumiya
繁明 角谷
Kazumitsu Shimada
和充 嶋田
Shuji Yonekubo
周二 米窪
Takahiro Katakura
孝浩 片倉
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルから吐出するインク量を制御して径の
異なるドットを形成可能なヘッドを用いても、一主走査
中のドット径は同一となるため、ドット径の混在はでき
なかった。 【解決手段】 所定のドットピッチで配列されたノズル
アレイを副走査方向に所定量だけずらし、ノズルがオー
バーラップするよう制御しつつ、各主走査毎にドット径
を異ならせると、所定の領域においてドットを混在させ
ることができる。この場合において、各径のドットが形
成される位置では、その径のドット用の条件でハーフト
ーン処理を実施すると、例えば低濃度領域では、径の小
さなドットが形成されやすくなるなど、ドットの形成の
割合をコントロールすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷装置,画像形
成方法および記録媒体に関し、詳しくはドット径が異な
る2種類以上のドットを対象物上に記録し、該2種類以
上のドットの記録密度により多階調の画像を形成する印
刷装置,画像形成方法およびこの方法を実現するプログ
ラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの出力装置として、
数色のインクをヘッドから吐出するタイプのカラープリ
ンタが広く普及し、コンピュータ等が処理した画像を多
色多階調で印刷するのに広く用いられている。シアン、
マゼンタ、イエロー(CMY)の三色のインクにより多
色の画像を印刷する場合、多階調の画像を形成するには
いくつかの方法が考えられる。一つは、従来のプリンタ
で採用されている手法であり、一度に吐出するインクに
より用紙上に形成されるドットの大きさを一定として、
印刷される画像の階調を、ドットの密度(単位面積当た
りの出現頻度)により表現するものである。もう一つの
方法は、用紙上に形成するドット径を調整して、単位面
積当たりの濃度を可変するものである。最近では、イン
ク粒子を形成するヘッドの微細加工が進み、所定長さ当
たりに形成できるドットの密度やドット径の可変範囲な
どは、年々向上しているが、プリンタの場合には、印字
密度(解像度)で300dpiないし720dpi程
度、粒径で数十ミクロンに留まっており、銀塩写真の表
現力(フィルム上では解像度で数千dpiと言われる)
との間の隔たりは未だ大きい。
【0003】このため、インクジェットプリンタなどで
は、印刷濃度によっては用紙上に記録されたドットが目
立ってしまうことがあった。そこで、印刷品位の向上を
目的とし、ドット径の更なる微小化などが進められてい
る。他方、印字速度の向上を目的として、印字ヘッドに
備えられた一色当たりのドット形成要素の数を増加する
ことも試みられている。例えば、印字ヘッドか用紙に対
して往復するタイプのインクジェットプリンタでは、一
色当たりのノズル数を増加し、用紙幅方向に亘る1回の
移動(この移動方向を主走査方向と呼ぶ)により記録で
きるドット数を増加して、印字速度の高速化を図ろうと
している。この場合には、ドット形成要素(インクノズ
ル)を、印字ヘッドの搬送方向とは直交する方向(この
方向を副走査方向と呼ぶ)に沿って多数配列している。
【0004】ドット形成要素の数を増やすと、これを駆
動する回路も増加する必要がある。例えば、インクによ
りドットを形成するインクジェットプリンタにおいて、
各ノズルからのインクの吐出を行なう駆動素子としてピ
エゾ素子を採用し、このピエゾ素子への通電によりイン
クを吐出する機構を採ると、ノズルの数に応じた数のピ
エゾ素子とこれを駆動する回路が必要になる。例えば、
ノズル数が64個であれば、ピエゾ素子も単純には64
個必要となり、4色インクにより印字を行なうプリンタ
では、64×4色=256個のピエゾ素子とその駆動回
路とが必要になる。そこで、従来は、各ピエゾ素子を駆
動する/しないの信号を、インタフェイス回路IFを介
して出力し、他方これら64個のピエゾ素子全体に対し
て通電を行なうタイミングパルス(ドットクロック)S
dを、印紙ヘッドの搬送位置、即ち印字位置に対応して
出力し、各ピエゾ素子のオン・オフ、延いては該当する
インクによるドットを形成するか否かを決定している。
したがって、ピエゾ素子のように、応答性が充分に高い
駆動素子を用いれば、このドットクロックSdのパルス
幅を狭くすることにより、ドットの径を可変することが
できる。なお、各色の複数個のドット形成要素は、同時
に駆動する必要はないから、CPUから各色ヘッドのピ
エゾ素子に出力する信号線は共通化することができ、回
路構成を間略化することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
印刷装置では、ピエゾ素子などの駆動素子への通電時間
は、ドットクロックSdのパルス幅により決まってしま
い、画像処理により径の大きなドットや径の小さなドッ
トを発生させようとしても、所望の場所に所望の大きさ
のドットを形成することはできず、画像処理との整合性
が充分でないという問題があった。例えば、ドットクロ
ックSdを2種類用意し、CPUからの指示によりいず
れのドットクロックを用いるかを切り換える構成をとれ
ば、印字ヘッドの1主走査において形成されるドットの
径を大小いずれかに切り換えることは可能であるが、複
数個のノイズから吐出されるインクの粒滴の直径、即ち
形成されるドットの大きさは、同じになってしまう。複
数個のノズルに対応したドット形成箇所(画素)におけ
る画像処理上の要求は、通常の画像を印刷する場合に
は、個々に異なるはずだから、画像処理上は大径のドッ
トが要求されても小径のドットしか形成できないという
ことが考えられる。これでは、折角ドット径を大小切り
換えられる構成を採用しても、その効果を充分に引き出
すことができない。
【0006】他方、ドットクロックSdのパルス幅を狭
く、常に径の小さなドットにより画像の記録を行なうこ
とが考えられる。しかしながら、こうした手法では、濃
度が高い領域を印刷する際、多数のドットを形成しなけ
ればならず、印刷の完了に長時間を要するという問題が
あった。こうした問題は、ドットを形成する駆動素子を
駆動する回路を、各素子毎に独立に設け、ドット毎にド
ット径を可変できるものとすれば解決するが、駆動素子
毎に独立にドットクロックSdを可変できる回路構成
は、極めて複雑なものになってしまう。また、これを駆
動する処理も複雑なものになってしまうという問題があ
った。
【0007】こうした問題は、いわゆるインタレース印
刷を行なうプリンタでも同様に生じる。以下、インタレ
ース印刷とその場合の問題について説明する。用紙の送
り方向に複数のノズルを有する印刷ヘッドを備えたイン
クジェットプリンタの場合、個々のノズルの特性のバラ
ツキ、あるいは複数のノズル間の配列ピッチのばらつき
などが原因で、印刷対象物上に印刷された画像の画質が
低下するという不都合がある。このような画質低下を防
止するため、従来より、隣接するライン上のドットを異
なるノズルを用いて形成する印刷技術が知られている。
これが、インタレース方式と呼ばれる印刷方法である。
【0008】このインターレース印刷では、印刷ヘッド
のノズルアレイにおける副走査方向に沿ったノズルピッ
チを、印刷解像度に対応するドットピッチの整数倍とし
て配列したものを用いている。例えば、ノズルアレイに
おいて副走査方向に配列されるノズル数をN個、ノズル
アレイに配列されたN個のノズルのうちの実際に駆動さ
れるノズル数をn個、またノズルアレイにおけるノズル
間隔をkドットピッチとした場合、ノズルピッチkに
は、nと互いに素の関係にある正の整数が選ばれる。そ
して、ノズルアレイが主走査パスを1回走行し終える度
に、nドットピッチ相当の定距離だけ、印刷ヘッドを副
走査方向に相対的に移動している。通常は、この副走査
方向の相対的な移動は紙送りにより実現される。
【0009】上記のようなインターレース印刷によれ
ば、副走査方向において隣接するラインが異なるノズル
によって印刷されるため、個々のノズルの特性やピッチ
にばらつきが多少ある場合でも、このようなばらつきに
よる印刷画像の画質低下を抑えることができ、高画質の
印刷画像を得ることができる。しかし、こうしたインタ
ーレース印刷を行う場合において、大径ドットによる印
刷と小径ドットによる印刷を併用したとしても、大径ド
ットと小径ドットの切り換えが、1パス毎にしか行なえ
ない場合、所望の場所に所望の大きさのドットを形成す
ることはできず、画像処理との整合性が充分でないとい
う問題は同様に発生する。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明は、上記問題点を解決するためになされ、特定の位
置では特定の径のドットしか形成できない構成の下で、
画像処理との整合性を高め、印刷する画像の品質を高め
ることを目的とする。また、本発明は、特に、インクジ
ェットプリンタにおいてヘッドを印刷対象物に対して主
走査方向および副走査方向に相対的に変位させながら印
刷対象物上に印刷を行う技術の改良に関する。
【0011】かかる目的の少なくとも一部を達成する本
発明の印刷装置は、ドット径が異なる2種類以上のドッ
トを、対象物上に記録し、該2種類以上のドットの記録
密度により多階調の画像を形成する印刷装置であって、
前記ドット径が異なる2種類以上のドットのうち、ドッ
ト径が大きい側のドットを、前記印刷対象との相対的な
位置関係により定まる第1の位置に記録すると共に、該
2種類以上のドットのうち、ドット径が小さい側のドッ
トを、前記第1の位置とは異なる第2の位置に記録する
ヘッドと、前記印刷対象物との相対的な位置関係に基づ
いて、該ヘッドが、前記第1の位置にあるか第2の位置
にあるかを判別する位置判別手段と、印刷しようとする
画像の濃度情報を含む画像データを入力する入力手段
と、該入力された画像データに基づいて前記ドットによ
り表現可能な階調数に応じた多値化を行なう手段であ
り、前記判別された前記ヘッドの位置に印字されるべき
ドットの種類に応じて、該ドットの形成に関する条件を
異ならせて該多値化を行なう多値化手段とを備えること
を要旨とする。
【0012】また、この印刷装置において実現される画
像形成方法の発明が考えられる。この画像形成方法は、
ドット径が異なる2種類以上のドットのうち、ドット径
が大きい側のドットを、印刷対象との相対的な位置関係
により定まる第1の位置に記録すると共に、該2種類以
上のドットのうち、ドット径が小さい側のドットを、前
記第1の位置とは異なる第2の位置に記録するヘッドを
駆動して、前記2種類以上のドットを対象物上に記録
し、該2種類以上のドットの記録密度により多階調の画
像を形成する画像形成方法であって、印刷しようとする
画像の濃度情報を含む画像データを入力し、前記印刷対
象物との相対的な位置関係に基づいて、前記ヘッドが、
前記第1の位置にあるか第2の位置にあるかを判別し、
前記判別された前記ヘッドの位置に印字されるべきドッ
トの種類に応じて、該ドットの形成に関する条件を異な
らせ、前記入力された画像データに基づいて前記ドット
により表現可能な階調数に応じた多値化を行なうことを
要旨としている。
【0013】これらの印刷装置および画像形成方法によ
れば、ドット径が異なる2種類以上のドットを形成可能
なヘッドの位置を判別し、ヘッドの位置に印字されるべ
きドットの種類に応じて、ドット形成に関する条件を異
ならせ、入力された画像データに基づいて、そのドット
により表現可能な階調数に応じた多値化を行なう。した
がって、径の大きなドットが形成されるべき位置では、
径の大きなドットが形成されるか否かに対応した画像処
理が行なわれ、径の小さなドットが形成されるべき位置
では、径の小さなドットが形成されるか否かに対応した
画像処理が行なわれる。この結果、ドット径が異なる2
種類以上のドットの形成位置と、画像処理との間の整合
性を取ることができる。したがって、位置に応じて所定
の径のドットしか形成できないヘッドを備えた印刷装置
においても、画像処理の適切さとドット径の制約とを両
立させることができる。
【0014】この印刷装置および画像形成方法におい
て、ヘッドの位置に応じてドット径が異なるものとなる
のは、例えば、そのヘッドが、印刷対象物に対して相対
的に主走査と副走査を繰り返すことにより2次元画像を
記録可能なヘッドであり、かつドットを形成する複数個
のドット形成要素を前記副走査方向に沿って備え、異な
る主走査毎に前記2種類以上のドットのうちの一種類を
形成できるヘッドである場合などがある。この場合、更
に主走査の完了毎に行なわれるヘッドの副走査方向の移
動量をドット形成要素間のピッチと異ならせることによ
り、複数回の主走査によって、印刷対象物上に、前記ド
ット形成要素間より細かいピッチでドットを形成可能な
とすることも可能である。
【0015】更に、多値化手段は、前記ヘッドが異なる
種類のドットを形成する主走査毎に、前記入力した画像
データに基づいて、所定の種類のドットが発生されるよ
うに前記多値化を行なうものとすることができる。この
結果、一つの主走査においては一種類の径のドットしか
形成できない場合でも、全体としては、少なくとも2種
類の径のドットを形成することができ、
【0016】また、多値化を行なう際、ドットの形成に
関する条件として、ドットの形成を行なうか否かを判断
する閾値を、判別されたヘッドの位置に印字されるべき
ドット種類に応じて異ならせるものとすることができ
る。閾値を異ならせることにより、位置毎に対応する径
のドットを発生しやすく、あるいは発生しにくくするこ
とができ、位置に応じたドットの発生頻度を変更して、
画像処理場の要請を満足することが可能となる。
【0017】かかる閾値の設定は、ドット径が大きい側
のドットについては閾値を大きくし、ドット径が小さい
側のドットについては閾値を小さくするように行なうこ
とができ、それぞれいずれかの径のドットを発生しやす
くすることができる。
【0018】あるいは閾値の設定を、画像データの濃度
か低いほど、ドット径が小さい側のドットについて小さ
く設定することができる。この場合には、原画像が低濃
度利用域ほど、ドット径が小さい側のドットが形成され
易くなる。また、閾値の設定を、画像データの濃度が所
定値より高い領域では、ドット径が大きい側のドットに
ついて小さく設定する構成とすることもできる。この場
合には、所定濃度より高い領域で径の大きな側のドット
が形成され易くなり、いわゆる筋状のむらを低減するこ
とができる。
【0019】多値化は、ドットの形成に関する条件とし
て、ドットの形成が行なわれた場合に該ドットにより実
現された記録濃度を評価する値を、判別されたヘッドの
位置に印字されるべきドットの種類に応じて異ならせる
こともできる。この場合には、評価値がそれぞれ発生さ
れるべきドットに応じた値となり、画像処理上の不整合
を生じることがない。
【0020】また、多値化の処理として2値化を行なう
場合には、この評価値を、ドット径が大きい側のドット
については大きくし、ドット径が小さい側のドットにつ
いては小さく設定すればよい。ドット毎に実現される濃
度は、同じ濃さのインクを用いている限り、径の大きさ
に比例するからである。
【0021】多値化の処理としては、誤差拡散やディザ
法など、様々なものを考えることができる。画差拡散あ
るいは平均誤差最小法と呼ばれる多値化の処理は、一つ
の画素についての多値化の処理により生じた画像濃度に
ついての量子化誤差を、画素の周辺の画素に拡散し、拡
散された誤差によって、入力された画像データを補正
し、補正された画像データを用いて多値化の処理を行な
うものである。この場合は、演算量は比較的多いが、平
均的な濃度が原画像に近くなり、高画質の画像を得るこ
とができる。
【0022】なお、印刷装置としては、ヘッドが、対象
物の幅方向に対して相対的に往復動しながらドットを形
成するいわゆる双方向印字可能なものが知られている。
この場合、2種類以上のドットのうちの少なくとも一種
類については、ヘッドの一方向の移動時にのみそのドッ
トを形成するものとすることができる。一方向の移動時
にのみ形成するドットを、例えば大径のドットとしてお
けば、かかるドットについては位置決めの精度を片方向
印字と同程度に維持することができ、印字品質を低下す
ることなく、印字スピードの向上という双方向印字のメ
リットを十分に引き出すことかできる。
【0023】こうした発明におけるヘッドの構成として
は、種々のものを考えることができる。例えば、インク
通路に設けられた電歪素子への電圧の印加によりインク
に付与される圧力によってインク粒子を吐出する機構
や、インク通路に設けられた発熱体への通電により発生
する気泡により該インク通路のインクに付与される圧力
によってインク粒子を吐出する機構などである。
【0024】なお、上述した画像処理がコンピュータに
より行なわれる場合には、そのプログラムを記録した媒
体として発明を把握することができる。この場合、この
記録媒体は、ドット径が異なる2種類以上のドットのう
ち、ドット径が大きい側のドットを、印刷対象との相対
的な位置関係により定まる第1の位置に記録すると共
に、該2種類以上のドットのうち、ドット径が小さい側
のドットを、前記第1の位置とは異なる第2の位置に記
録するヘッドを制御するコンピュータにより機械的に読
み取り可能な記録媒体であって、前記印刷対象物との相
対的な位置関係に基づいて、前記ヘッドが、前記第1の
位置にあるか第2の位置にあるかを判別する機能、前記
判別された前記ヘッドの位置に印字されるべきドットの
種類に応じて、該ドットの形成に関する条件を異なら
せ、入力された画像データに基づいて前記ドットにより
表現可能な階調数に応じた多値化を行なう機能をコンピ
ュータに実現させるプログラム部を記録したものをその
要旨とする。
【0025】かかる媒体に記録されたプログラムをコン
ピュータに読み込ませ、これを実行することにより、上
述した画像形成方法が行なわれることになり、かつこの
プログラムを実行するコンピュータは、印刷機械として
動作することになる。
【0026】こうした記録媒体としては、ROM、RA
M、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカー
ド、その他の光磁気ディスクなど、様々な媒体を考える
ことができる。もとより、バーコード等が記録された紙
や所定のコード体系に従ってパンチ孔等があけられたカ
ードなども含まれる。また、上述した記録媒体には、ド
ットを形成するか否かを判断するプログラムが記録され
ているが、判断されたドットの形成の可否に従って、ヘ
ッドにおけるインク吐出等の制御を行なうプログラム
が、プリンタやコンピュータにファームウェアの形で予
め用意される場合には、記録媒体には、ヘッドを制御す
るプログラムを用意する必要はない。ドットの形成を判
断する機能までで足りるからである。これらのファーム
ウェアが用意されていない場合あるいは独自にこれらの
処理に相当するプログラムを用意する場合等には、ドッ
トを形成するか否かの判断に従って、ヘッドからのイン
クの吐出を制御する信号を出力するプログラムを、記録
媒体に併せて記録するものとしても良い。なお、これら
の各プログラムは、単一の記録媒体に記録しておく必要
はなく、分離されたいくつかの媒体に分けて記録しても
差し支えない。もとより、所定の暗号化や圧縮を行なっ
て記録することも差し支えない。
【0027】なお、上述した印刷装置において、ヘッド
には複数個のノズルを配列し、ヘッドを、印刷の対象
物、例えば用紙の幅方向に搬送するものとし、更に一回
の搬送が完了すると、幅方向とは交差する方向に相対的
に送るものとすることができる。このヘッドの搬送と送
りとを繰り返すことで、所定の領域に亘って、ドットを
形成することになる。この場合にあって、ノズルの配列
ピッチとヘッドの送り量とを所定の関係にすると、所定
の領域にドットを形成するノズルが2個以上存在し、か
つ複数回のヘッドの搬送によりこの領域に亘ってドット
が形成可能となる。このようにノズルの配列ピッチと送
り量との関係は、種々存在するが、これらを適宜定める
ことにより、例えば、所定の領域内に各径のドットが、
所定の割合で混在して形成可能となる。
【0028】本発明において、この方式を適用した態様
としては、以下の種々の態様を考えることもできる。前
記ヘッドに、前記ドットを形成する所定個数のドット形
成要素を、前記主走査方向とは交差する副走査方向に所
定のピッチで配列したドット形成用アレイを備え、この
ヘッドをドット形成用アレイのドット形成要素が主走査
方向の所定の位置で同時に駆動されるヘッドとすること
ができる。
【0029】かかる印刷装置において、前記ヘッドのド
ット形成要素を、インク粒子を吐出するノズルとし、ド
ット形成用アレイにおける前記所定個数のドット形成要
素を、それぞれN個(Nは2以上の整数)のノズルが副
走査方向にkドット(kは2以上の整数)分のノズル間
隔で形成された2群のドット形成要素により構成し、こ
の2群のドット形成要素を前記kドット分のノズル間隔
で配置したものとすることができる。かかるノズルの配
置により、インク粒子を用いてドットを形成する印刷装
置において、インタレース方式の印刷を実現することが
可能となる。したがって、インタレース方式の画像形成
の利点を享受しつつ、ドット径が異なる2種類以上のド
ットの形成位置と画像処理との間の整合性を取ることが
できる。この結果、位置に応じて所定の径のドットしか
形成できないヘッドを備えた印刷装置においても、画像
処理の適切さとドット径の制約とを両立させることがで
き、しかもインタレース方式によるバンディングの防止
などの効果を得ることができる。
【0030】こうしたノズル群の構成においては、前記
大きさが異なる2種類以上のドットのうちの前記第1の
大きさのドットの印刷後に前記副走査を行うパスをk回
繰り返し、次いで前記第1のドットとは大きさが異なる
第2の大きさのドットの印刷後に前記副走査を行うパス
をk回繰り返すステップを繰り返すよう、前記ヘッドお
よび前記走査制御手段を駆動するものとすることができ
る。
【0031】この場合において、前記ノズル間隔kが偶
数の場合には、前記大きさが異なる2種類以上のドット
のうちの第1の大きさのドットの印刷後に前記副走査を
行うパスをk回繰り返すことに続いて前記第1のドット
とは大きさが異なる第2の大きさのドットの印刷後に前
記副走査を行うパスをk回繰り返すステップを繰り返す
よう、前記ヘッドおよび前記走査制御手段を駆動するも
のとしても良い。
【0032】あるいは、前記ノズル間隔kが奇数の場合
には、前記第1の大きさのドットの印刷後に前記印刷対
象物の搬送を行うパスと前記第2のドットの印刷後に前
記印刷対象物の搬送を行うパスを交互に繰り返すよう、
前記ヘッドおよび前記走査制御手段を駆動するものとし
ても良い。
【0033】更に、前記ヘッドのN個のノズルのうちの
印刷で使用するノズル数が副走査方向でn個(nはN以
下の正の整数)のとき、kとnとが互いに素となる関係
とすれば、インタレース方式によるドットの形成を容易
に実現することができる。この場合、前記印刷対象物の
搬送量をnドットとしても良い。
【0034】なお、かかるインタレース方式の印刷にお
いて、先に形成する前記第1の大きさのドットを前記第
2の大きさのドットよりも小さいドットとしておくこと
も好適である。
【0035】ヘッドの構成としては、この他、次のもの
が考えられる。即ち、前記ヘッドのドット形成要素を、
インク粒子を吐出するノズルとし、前記ドット形成用ア
レイにおける前記所定個数のドット形成要素を、それぞ
れN個(Nは正の整数)のノズルが副走査方向にノズル
間隔2kドットピッチ(kは正の整数)で形成された偶
数ノズル群と奇数ノズル群とをそれぞれ一定の間隔kで
配置したものとすることができる。かかる構成によって
もインタレース方式のドットの形成が可能となる。
【0036】この場合には、前記大きさが異なる2種類
以上のドットのうちの前記第1の大きさのドットの印刷
後に前記印刷対象物の搬送を行うパスをk回繰り返すこ
とに続いて前記第2の大きさのドットの印刷後に前記印
刷対象物の搬送を行うパスをk回繰り返すステップを繰
り返すことにより、インタレース方式によりドットを形
成することができる。
【0037】なお、前記ノズル間隔kが偶数の場合に
は、前記第1の大きさのドットの印刷後に前記印刷対象
物の搬送を行うパスをk回繰り返すことに次いで前記第
2の大きさのドットの印刷後に前記印刷対象物の搬送を
行うパスをk回繰り返すステップを繰り返すようにすれ
ばよい。
【0038】他方、前記ノズル間隔kが奇数の場合に
は、前記第1の大きさのドットの印刷後に前記印刷対象
物の搬送を行うパスと前記第2のドットの印刷後に前記
印刷対象物の搬送を行うパスを交互に繰り返すものとす
れば良い。
【0039】更に、前記ヘッドのN個のノズルのうちの
印刷で使用するノズル数が副走査方向でn個(nはN以
下の正の整数)のとき、2kとnとが互いに素となる関
係とすれば、インタレース方式を容易に実現することが
できる。この場合、印刷対象物の搬送量をnドットとす
ることができる。
【0040】なお、かかるインタレース方式の印刷にお
いて、先に形成する前記第1の大きさのドットを前記第
2の大きさのドットよりも小さいドットとしておくこと
も好適である。
【0041】この発明は、以下のような他の態様も含ん
でいる。第1の態様は、印刷装置の位置判定手段、入力
手段,多値化手段のうちの一つまたは関連するいくつか
の手段を、印刷装置の筐体内部ではなく、印刷しようと
する画像を出力する装置の側に置く構成である。これら
の手段は、ディスクリートな回路構成によっても実現可
能であるが、CPUを中心とした算術論理演算回路にお
けるソフトウェアによっても実現可能である。後者の場
合には、印刷しようとする画像を出力する側、例えばコ
ンピュータ側にドットの生成に関する処理まで行なわ
せ、印刷装置の筐体内には、生成されたドットを、ヘッ
ドからのインクの吐出を制御して、用紙上などに形成す
る機構のみを収納する形態も考えることができる。もと
より、これらの手段を適当な箇所で二つのグループに分
け、その一方を、印刷装置の筐体内で実現し、残りを、
画像を出力する側で実現すると言った構成も可能であ
る。なお、位置判定手段は、実際のヘッド位置を検出し
て判定する構成とすることもできるが、画像処理に過程
においてまずドット展開をコンピュータ内部で済ませる
場合には、仮想的な位置として判別することも可能であ
る。この場合には、実際に印刷装置のヘッドを駆動する
前に、ヘッドの駆動位置に対応したドットの展開を完了
していることになる。もとより、ドットの展開と実際の
駆動とを同時に行なっても良いし、所定ドット分あるい
は所定ライン分遅れて、平行に行なうものとすることも
できる。
【0042】第2の形態は、本発明の画像処理をコンピ
ュータ上で実現するプログラムを通信回線を介して供給
する供給装置としての形態である。
【0043】第3の形態は、上記の画像記録方法で記録
された印刷物の形態である。即ち、ドット径が異なる2
種類以上のドットのうち、ドット径が大きい側のドット
を、印刷対象との相対的な位置関係により定まる第1の
位置に記録すると共に、該2種類以上のドットのうち、
ドット径が小さい側のドットを、前記第1の位置とは異
なる第2の位置に記録するヘッドを駆動して、前記2種
類以上のドットを対象物上に記録し、該2種類以上のド
ットの記録密度により多階調の画像を形成する画像形成
方法によって画像が形成された印刷物であり、印刷しよ
うとする画像の濃度情報を含む画像データを入力し、前
記印刷対象物との相対的な位置関係に基づいて、前記ヘ
ッドが、前記第1の位置にあるか第2の位置にあるかを
判別し、前記判別された前記ヘッドの位置に印字される
べきドットの種類に応じて、該ドットの形成に関する条
件を異ならせ、前記入力された画像データに基づいて前
記ドットにより表現可能な階調数に応じた多値化を行な
って、2種類以上の異なるドットを形成させた結果得ら
れた印刷物の形態を考えることができる。
【0044】この場合、こうした印刷物のドットの記録
の状態を、ドット単位で解析すれば、ドット径の異なる
2種類以上のドットにより形成された多階調画像におい
て、所定の位置に特定のドットが形成されやすくなって
いることを知ることができる。なお、上述した本発明の
印刷装置により印刷した印刷物も発明の実施の形態とし
て考えることができる。
【0045】なお、径の異なるドットのこうした混在の
形態には、様々なパターンが考えられる。例えば、所定
の領域内に形成されるドットが、ヘッドの搬送方向に沿
って、同一の径のドットとなるものや、ヘッドの送り方
向に沿って、同一の径のドットとなるもの、更には所定
の領域内に各径のドットが千鳥上に配列されて形成され
るもの、などを実現することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】A.装置の構成:本発明の実施の
形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1実
施例としての印刷装置を含む画像処理装置30の構成を
示すブロック図である。図示するように、この画像処理
装置30は、コンピュータ90にスキャナ12とカラー
プリンタ22とが接続された構成を取っており、このコ
ンピュータ90に所定のプログラムがロードされ実行さ
れることにより、全体として画像処理装置および印刷装
置として機能する。図示するように、このコンピュータ
90は、プログラムに従って画像処理に関わる動作を制
御するための各種演算処理を実行するCPU81を中心
に、バス80により相互に接続された次の各部を備え
る。ROM82は、CPU81で各種演算処理を実行す
るのに必要なプログラムやデータを予め格納しており、
RAM83は、同じくCPU81で各種演算処理を実行
するのに必要な各種プログラムやデータが一時的に読み
書きされるメモリである。入力インターフェイス84
は、スキャナ12やキーボード14からの信号の入力を
司り、出力インタフェース85は、プリンタ22へのデ
ータの出力を司る。CRTC86は、カラー表示可能な
CRT21への信号出力を制御し、ディスクコントロー
ラ(DDC)87は、ハードディスク16やフレキシブ
ルドライブ15あるいは図示しないCD−ROMドライ
ブとの間のデータの授受を制御する。ハードディスク1
6には、RAM83にロードされて実行される各種プロ
グラムやデバイスドライバの形式で提供される各種プロ
グラムなどが記憶されている。このほか、バス80に
は、シリアル入出力インタフェース(SIO)88が接
続されている。このSIO88は、モデム18に接続さ
れており、モデム18を介して、公衆電話回線PNTに
接続されている。画像処理装置30は、このSIO88
およびモデム18を介して、外部のネットワークに接続
されており、特定のサーバーSVに接続することによ
り、画像処理に必要なプログラムをハードディスク16
にダウンロードすることも可能である。また、必要なプ
ログラムをフレキシブルディスクFDやCD−ROMに
よりロードし、コンピュータ90に実行させることも可
能である。
【0047】このコンピュータ90では、電源投入後、
ハードディスク16のブートブロックから所定のプログ
ラムおよびデータが読み込まれることにより、その後、
オペレーティングシステムの組み込みが行なわれるが、
オペレーティングシステムの組み込み時に、プリンタド
ライバなど、必要なドライバが組み込まれる。図2は、
コンピュータ90に組み込まれたプリンタドライバ96
等の働きを、概念的に示すブロック図である。
【0048】コンピュータ90の内部では、アプリケー
ションプログラム95が動作するが、アプリケーション
プログラムからプリンタ22に対して画像を出力する場
合には、プリンタドライバ96が必要な画像データの処
理を行なっており、このプリンタドライバ96を介し
て、最終カラー画像データFNLがプリンタ22に出力
されることになる。画像のレタッチなどを行なうアプリ
ケーションプログラム95は、スキャナから画像を読み
込み、これに対して所定の処理を行ないつつビデオドラ
イバ91を介してCRTディスプレイ93に画像を表示
している。このアプリケーションプログラム95が、印
刷命令を発行すると、コンピュータ90のプリンタドラ
イバ96が、画像情報をアプリケーションプログラム9
5から受け取り、これをプリンタ22が印字可能な信号
(ここではCMYKの各色についての2値化された信
号)に変換している。図2に示した例では、プリンタド
ライバ96の内部には、アプリケーションプログラム9
5が扱っているカラー画像データをドット単位の画像デ
ータに変換するラスタライザ97と、ドット単位の画像
データに対してプリンタ22が使用するインク色CMY
および発色の特性に応じた色補正を行なう色補正モジュ
ール98と、色補正モジュール98が参照する色補正テ
ーブルCTと、色補正された後の画像情報からドット単
位でのインクの有無によってある面積での濃度を表現す
るいわゆるハーフトーンの画像情報を生成するハーフト
ーンモジュール99とが備えられている。
【0049】図3は、プリンタ22の概略構成図であ
る。図示するように、このプリンタ22は、紙送りモー
タ23によって用紙Pを搬送する機構と、キャリッジモ
ータ24によってキャリッジ31をプラテン26の軸方
向に往復動させる機構と、キャリッジ31に搭載された
印字ヘッド28を駆動してインクの吐出およびドット形
成を制御する機構と、これらの紙送りモータ23,キャ
リッジモータ24,印字ヘッド28および操作パネル3
2との信号のやり取りを司る制御回路40とから構成さ
れている。
【0050】このプリンタ22のキャリッジ31には、
黒インク用のカートリッジ71とシアン,マゼンタ,イ
エロの3色のインクを収納したカラーインク用カートリ
ッジ72が搭載可能である。キャリッジ31の下部の印
字ヘッド28には計4個のインク吐出用ヘッド61ない
し64が形成されており、キャリッジ31の底部には、
この各色用ヘッドにインクタンクからのインクを導く導
入管65(図4参照)が立設されている。キャリッジ3
1に黒インク用のカートリッジ71およびカラーインク
用カートリッジ72を上方から装着すると、各カートリ
ッジに設けられた接続孔に導入管が挿入され、各インク
カートリッジから吐出用ヘッド61ないし64へのイン
クの供給が可能となる。
【0051】インクが吐出される機構を簡単に説明す
る。図4に示すように、インク用カートリッジ71,7
2がキャリッジ31に装着されると、毛細管現象を利用
してインク用カートリッジ内のインクが導入管65を介
して吸い出され、キャリッジ31下部に設けられた印字
ヘッド28の各色ヘッド61ないし64に導かれる。な
お、初めてインクカートリッジが装着されたときには、
専用のポンプによりインクを各色のヘッド61ないし6
4に吸引する動作が行なわれるが、本実施例では吸引の
ためのポンプ、吸引時に印字ヘッド28を覆うキャップ
等の構成については図示および説明を省略する。
【0052】各色のヘッド61ないし64には、図4に
示したように、各色毎に32個のノズルnが設けられて
おり、各ノズル毎に電歪素子の一つであって応答性に優
れたピエゾ素子PEが配置されている。ピエゾ素子PE
とノズルnとの構造を詳細に示したのが、図5である。
図示するように、ピエゾ素子PEは、ノズルnまでイン
クを導くインク通路68に接する位置に設置されてい
る。ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加によ
り結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの
変換を行なう素子である。本実施例では、ピエゾ素子P
Eの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加
することにより、図5下段に示すように、ピエゾ素子P
Eが電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路68の一側
壁を変形させる。この結果、インク通路68の体積は、
ピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相
当するインクが、粒子Ipとなって、ノズルnの先端か
ら高速に吐出される。このインク粒子Ipがプラテン2
6に装着された用紙Pに染み込むことにより、印刷が行
なわれることになる。
【0053】以上説明したハードウェア構成を有するプ
リンタ22は、紙送りモータ23によりプラテン26そ
の他のローラを回転して用紙Pを搬送しつつ、キャリッ
ジ31をキャリッジモータ24により往復動させ、同時
に印字ヘッド28の各色ヘッド61ないし64のピエゾ
素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行ない、用紙
P上に多色の画像を形成する。各色のヘッド61〜64
におけるノズルの具体的な配列に関してはさらに後述す
る。
【0054】用紙Pを搬送する機構は、紙送りモータ2
3の回転をプラテン26のみならず、図示しない用紙搬
送ローラに伝達するギヤトレインを備える(図示省
略)。また、キャリッジ31を往復動させる機構は、プ
ラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動
可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24と
の間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、
キャリッジ31の原点位置を検出する位置検出センサ3
9等から構成されている。
【0055】次に、制御回路40の内部構成について説
明する。図6に示したように、この制御回路40の内部
には、CPU41,PROM42,RAM43の他、コ
ンピュータ90とのデータのやりとりを司るPCインタ
フェース44、モータ23,24や操作パネル32など
との信号をやりとりする周辺入出力部(PIO)45、
計時を行なうタイマ46、ヘッド61〜64にドットの
オン・オフ信号を出力する転送用バッファ47などが設
けられており、これらの素子・回路は、バス48で相互
に接続されている。また、制御回路40には、所定周波
数の矩形パルスを出力する第1の発振器(OSC1)5
1、周期が同一でこのパルス幅より広い幅のパルスを出
力する第2の発振器(OSC2)52、およびこれら両
発振器51,52の出力を選択的にヘッド61〜64に
出力する選択器54、選択器54からの出力を4つのヘ
ッド61〜64に所定のタイミングで分配する分配出力
器55も設けられている。制御回路40は、コンピュー
タ90側で展開されたドットデータを受け取り、これを
一時的にラム43に蓄え、所定のタイミングで転送用バ
ッファ47に出力する。したがって、多階調の画像を形
成するための画像処理は、プリンタ22側では行なって
いない。制御回路40は、単にドット単位でのオン・オ
フ、つまりドットを形成するか否かの制御のみを行なっ
ているのである。
【0056】制御回路40がヘッド61〜64に対して
信号を出力する形態について説明する。図7は、ヘッド
61〜64のうちの一つのノズル列を取り出して、その
接続について示す説明図である。図示するように、ヘッ
ド61〜64の一つのノズル列は、転送用バッファ47
をソース側とし、分配出力器55をシンク側とする回路
に介装されている。ノズル列を構成する各ピエゾ素子P
Eは、その電極の一方が転送用バッファ47の各出力端
子に、他方が一括して分配出力器55の出力端子に、そ
れぞれ接続されている。分配出力器55の内部には、パ
ワートランジスタが設けられており、このパワートラン
ジスタは、第1または第2の発振器51,52のいずれ
か一方の信号により駆動されており、発振器からの矩形
パルスがオンとなったとき、ターンオンする。従って、
CPU41から各ノズル毎にオン・オフを定め、転送用
バッファ47の各端子に信号を出力すると、第1または
第2の発振器51,52の選択された側からのパルスに
応じて、転送用バッファ47側からオン信号を受け取っ
ていたピエゾ素子PEだけが駆動される。この結果、転
送用バッファ47からオン信号を受け取っていたピエゾ
素子PEのノズルから一斉にインク粒子Ipが吐出され
る。なお、転送用バッファ47がデータを出力するタイ
ミングは、選択器54から出力される信号により、分配
出力器55側のパワートランジスタのオンタイミングと
同期が取られている。
【0057】ヘッド61〜64は、キャリッジ31の搬
送方向に沿って配列されているから、それぞれのノズル
列が用紙Pに対して同一の位置に至るタイミングはずれ
ている。従って、CPU41は、このヘッド61〜64
の各ノズルの位置のずれを勘案した上で、必要なタイミ
ングで、各ドットのオン・オフの信号を転送用バッファ
47を介して出力し、各色のドットを形成している。な
お、実際のノズルは、以下に説明するように、各ヘッド
毎に2列に形成され、ノズルアレイを構成している。各
ヘッド毎にノズルが2列に形成されている点も、CPU
41は考慮し、同様に各ノズルへのオン・オフ信号の出
力を制御している。
【0058】第1および第2の発振器51,52が出力
する矩形パルスを図7に模式的に示した。ピエゾ素子P
Eの変形量は、このパルス信号のオン時間の幅により決
定される。ピエゾ素子PEの変形量は、ノズルから吐出
されるインク粒子Ipの大きさを制御するので、選択器
54により第2の発振器52から出力されるパルス信号
OSC2が選択されている場合には、大きなインク粒子
Iが吐出され、第1の発振器51からのパルス信号OS
C1が選択されている場合には、小さなインク粒子Iが
吐出される。従って、制御回路40のCPU41は、選
択器54を制御することにより、インク粒子Ipの大き
さ、ひいては用紙上に形成されるドットの径を、この実
施例では2段階に制御することができる。但し、パルス
の同期を取る必要上、キャリッジ31が用紙Pの幅方向
に一回搬送される間は、同じパルス信号が選択されてい
る。従って、この実施例の構成では、キャリッジ31が
主走査方向に一回(片道)搬送される間に形成されるド
ットの径は一種類に限られる。
【0059】B.ドットの記録モード: (1)ノズルの配列など:次に、上述したコンピュータ
90およびプリンタ22が共働して行なうドットの記録
モードについて説明する。本願発明における径の異なる
ドットの形成方法は、キャリッジ31の一回の主走査方
向の搬送において形成し得るドット径は一種類に限られ
ると言う制限のもとで、2種類のドットを混在させ得る
ドットの形成手法を前提として成立しているからであ
る。なお、こうしたドットの形成手法は、以下に説明す
る記録モードを用いた手法に限られず、種々の方法が存
在し、本願発明はいずれの記録モードにも適用できるこ
とはもちろんである。
【0060】ドットの記録モードは、ヘッド61〜64
の副走査方向への移動量などの制御上のパラメータによ
り異なる。したがって、コンピュータ90のプリンタド
ライバ96は、プリンタ22側からこれらのパラメータ
を読み取る構成とすることができる。これらのパラメー
タは、この制御回路40の内部に備えられたプログラマ
ブルROM(PROM)42に記憶されている。PRO
M42には、複数のドット記録モードのパラメータを含
むドット記録モード情報が格納されている。ここで、
「ドット記録モード」とは、各ノズルアレイにおいて実
際に使用するノズル個数Nや、副走査送り量L等で規定
されるドットの記録方式を意味している。この明細書で
は、「記録方式」と「記録モード」はほぼ同じ意味で用
いられている。具体的なドット記録モードの例や、それ
らのパラメータについては後述する。PROM42に
は、さらに、複数のドット記録モードの中から好ましい
モードを指定するためのモード指定情報も格納されてい
る。例えば、PROM42に16種類のドット記録モー
ド情報を格納可能な場合には、モード指定情報は4ビッ
トのデータで構成されている。
【0061】ドット記録モード情報は、コンピュータ9
0の起動時にプリンタドライバ96(図2)がインスト
ールされる際に、プリンタドライバ96によってPRO
M42から読み出される。すなわち、プリンタドライバ
96は、モード指定情報で指定された好ましいドット記
録モードに対するドット記録モード情報をPROM42
から読み込む。ラスタライザ97とハーフトーンモジュ
ール99における処理は、このドット記録モード情報に
応じて実行される。
【0062】なお、PROM42は、書き換え可能な不
揮発性メモリであればよく、EEPROMやフラッシュ
メモリなどの種々の不揮発性メモリを使用することがで
きる。また、モード指定情報は書き換え可能な不揮発性
メモリに格納することが好ましいが、ドット記録モード
情報は、書き換えができないROMに格納するようにし
てもよい。また、複数のドット記録モード情報は、PR
OM42ではなく、他の記憶手段に格納されていてもよ
く、もとより、プリンタ22側からこれらのパラメータ
を読み取るのではなく、プリンタドライバ96内に登録
されていてもよい。また、使用者がユーティリティソフ
トウェアなどを起動して、コンピュータ90上で、指定
するものとしてもよい。
【0063】図8は、インク吐出用ヘッド61〜64に
おけるインクジェットノズルの配列を示す説明図であ
る。第1のヘッド61には、ブラックインクを噴射する
ノズルアレイが設けられている。また、第2ないし第4
のヘッド62〜64にも、シアン、マゼンタ及びイエロ
ーのインクをそれぞれ噴射するノズルアレイが設けられ
ている。これらの4組のノズルアレイの副走査方向の位
置は、互いに一致している。
【0064】4組のノズルアレイは、副走査方向に沿っ
て一定のノズルピッチkで千鳥状に配列された32個の
ノズルnをそれぞれ備えている。なお、各ノズルアレイ
に含まれる32個のノズルnは、千鳥状に配列されてい
る必要はなく、一直線上に配置されていてもよい。但
し、図8(A)に示すように千鳥状に配列すれば、製造
上、ノズルピッチkを小さく設定し易いという利点があ
る。
【0065】図8(B)は、1つのノズルアレイによっ
て形成される複数のドットの配列を示している。この実
施例では、インクノズルの配列が千鳥状か直線状かに関
わらず、1つのノズルアレイによって形成される複数の
ドットは、副走査方向に沿ってほぼ一直線上に並ぶよう
に、各ノズルのピエゾ素子PE(図5)に駆動信号が供
給される。例えば、図8(A)のようにノズルアレイが
千鳥状に配列されている場合において、図の右方向にヘ
ッド61が走査されてドットを形成していく場合を考え
る。この時、先行するノズル群100,102…は、後
追するノズル群101,103…よりも、d/v[秒]
だけ早いタイミングで駆動信号が与えられる。ここで、
d[インチ]は、ヘッド61における2つのノズル群の
間のピッチ(図8(A)参照)であり、v[インチ/
秒]はヘッド61の走査速度である。この結果、1つの
ノズルアレイによって形成される複数のドットは、副走
査方向に沿って一直線上に配列される。なお、後述する
ように、各ヘッド61〜64に設けられている32個の
ノズルは、常に全数が使用されるとは限らず、ドット記
録方式によっては、その一部のノズルのみが使用される
場合もある。
【0066】(2)一般的なドット記録方式の基本的条
件:実施例におけるドット形成手法を説明する前に、以
下ではまず、一般的なドット記録方式に要求される基本
的な条件について説明する。
【0067】図9は、スキャン繰り返し数sが1のとき
の一般的なドット記録方式の基本的条件を示すための説
明図である。図9(A)は、5個のノズルを用いた場合
の副走査送りの一例を示しており、図9(B)はそのド
ット記録方式のパラメータを示している。図9(A)に
おいて、数字を含む実線の丸は、各副走査送り後の5個
のノズルの副走査方向の位置を示している。丸の中の数
字0〜4は、ノズル番号を意味している。5個のノズル
の位置は、1回の主走査が終了する度に副走査方向に送
られる。但し、実際には、副走査方向の送りは紙送りモ
ータ23によって用紙を移動させることによって実現さ
れている。
【0068】図9(A)の左端に示すように、この例で
は副走査送り量Lは5ドットの一定値である。従って、
副走査送りが行なわれる度に、5個のノズルの位置が5
ドットずつ副走査方向にずれてゆく。スキャン繰り返し
数sが1の場合には、各ノズルは、それぞれのラスタ上
のすべてのドット(「画素」とも呼ぶ)を記録可能であ
る。図9(A)の右端には、各ラスタ上のドットを記録
するノズルの番号が示されている。なお、副走査方向に
ノズルを複数ドットずつずらして記録を行なう場合に
は、ヘッドが記録を開始してからしばらくの間は領域を
埋め尽くすことができない。同様に、ヘッドによる記録
が終了する直前の所定区間も、ドットで埋め尽くすこと
ができない。この間は、該当するノズルによる記録は禁
止される。ノズルが副走査方向に複数ドットずらして行
く方法により、ドットで埋め尽くすことができる範囲
を、即ち実際に記録を行なえる範囲を、以下では有効記
録範囲(有効印刷範囲)と呼ぶ。
【0069】図9(B)には、このドット記録方式に関
する種々のパラメータが示されている。ドット記録方式
のパラメータには、ノズルピッチk[ドット]と、使用
ノズル個数N[個]と、スキャン繰り返し数sと、実効
ノズル個数Neff [個]と、副走査送り量L[ドット]
とが含まれている。
【0070】図9の例では、ノズルピッチkは4ドット
である。使用ノズル個数Nは5個である。なお、使用ノ
ズル個数Nは、実装されている複数個のノズルの中で実
際に使用されるノズルの個数である。スキャン繰り返し
数sは、一回の主走査において(s−1)ドットおきに
間欠的にドットを形成することを意味している。従っ
て、スキャン繰り返し数sは、各ラスタ上のすべてのド
ットを記録するために使用されるノズルの数にも等し
い。図9の場合には、スキャン繰り返し数sは1であ
り、各主走査方向の操作において総ての繰り返し位置で
ドットの形成が行なわれる。実効ノズル個数Neff は、
使用ノズル個数Nをスキャン繰り返し数sで割った値で
ある。この実効ノズル個数Neff は、一回の主走査で記
録され得るラスタの正味の本数を示しているものと考え
ることができる。実効ノズル数Neff の意味については
さらに後述する。
【0071】図9(B)の表には、各副走査送り毎に、
副走査送り量Lと、その累計値ΣLと、各副走査送り後
のノズルのオフセットFとが示されている。ここで、オ
フセットFとは、副走査送りが行われていない最初のノ
ズルの周期的な位置(図9では5ドットおきの位置)を
オフセット0の基準位置と仮定した時に、副走査送り後
のノズルの位置が基準位置から副走査方向に何ドット離
れているかを示す値である。図9(A)の例では、1回
目の副走査送りによって、ノズルの位置は副走査送り量
L(5ドット)だけ副走査方向に移動する。一方、ノズ
ルピッチkは4ドットである。従って、1回目の副走査
送り後のノズルのオフセットFは1である(図9(A)
参照)。同様にして、2回目の副走査送り後のノズルの
位置は、初期位置からΣL=10ドット移動することに
なり、そのオフセットFは2である。3回目の副走査送
り後のノズルの位置は、初期位置からΣL=15ドット
移動することになり、そのオフセットFは3である。4
回目の副走査送り後のノズルの位置は、初期位置からΣ
L=20ドット移動することになり、そのオフセットF
は0である。4回の副走査送りによってノズルのオフセ
ットFは0に戻るので、4回の副走査を1サイクルとし
て、このサイクルを繰り返すことによって、有効記録範
囲のラスタ上のすべてのドットを記録することができ
る。
【0072】上記の例からも解るように、ノズルの位置
が初期位置からノズルピッチkの整数倍だけ離れた位置
にある時には、オフセットFはゼロである。また、オフ
セットFは、副走査送り量Lの累計値ΣLをノズルピッ
チkで割った余り(ΣL)%kで与えられる。ここで、
「%」は、除算の余りをとることを示す余剰演算子であ
る。なお、ノズルの初期位置を周期的な位置と考えれ
ば、オフセットFは、ノズルの初期位置からの位相のず
れ量を示しているものと考えることもできる。
【0073】スキャン繰り返し数sが1の場合には、有
効記録範囲においてラスタの抜けや重複が無いようにす
るためには、以下のような条件を満たすことが必要であ
る。
【0074】条件c1:1サイクルの副走査送り回数
は、ノズルピッチkに等しい。
【0075】条件c2:1サイクル中の各回の副走査送
り後のノズルのオフセットFは、0〜(k−1)の範囲
のそれぞれ異なる値となる。
【0076】条件c3:副走査の平均送り量(ΣL/
k)は、使用ノズル数Nに等しい。換言すれば、1サイ
クル当たりの副走査送り量Lの累計値ΣLは、使用ノズ
ル数Nとノズルピッチkとを乗算した値(N×k)に等
しい。
【0077】上記の各条件は、次のように考えることに
よって理解できる。隣接するノズルの間には(k−1)
本のラスタが存在するので、1サイクルでこれら(k−
1)本のラスタ上で記録を行ってノズルの基準位置(オ
フセットFがゼロの位置)に戻るためには、1サイクル
の副走査送りの回数はk回となる。1サイクルの副走査
送りがk回未満であれば、記録されるラスタに抜けが生
じ、一方、1サイクルの副走査送りがk回より多けれ
ば、記録されるラスタに重複が生じる。従って、上記の
第1の条件c1が成立する。
【0078】1サイクルの副走査送りがk回の時には、
各回の副走査送りの後のオフセットFの値が0〜(k−
1)の範囲の互いに異なる値の時にのみ、記録されるラ
スタに抜けや重複が無くなる。従って、上記の第2の条
件c2が成立する。
【0079】上記の第1と第2の条件を満足すれば、1
サイクルの間に、N個の各ノズルがそれぞれk本のラス
タの記録を行うことになる。従って、1サイクルではN
×k本のラスタの記録が行われる。一方、上記の第3の
条件c3を満足すれば、図9(A)に示すように、1サ
イクル後(k回の副走査送り後)のノズルの位置が、初
期のノズル位置からN×kラスタ離れた位置に来る。従
って、上記第1ないし第3の条件c1〜c3を満足する
ことによって、これらのN×k本のラスタの範囲におい
て、記録されるラスタに抜けや重複を無くすることがで
きる。
【0080】以上説明した記録モードは、スキャン繰り
返し回数sが値1であり、同一のラスタはただ一つのノ
ズルにより記録される。有効記録範囲内における主走査
方向の走査回数と記録されるドット位置との関係を図1
0に示した。有効記録範囲といえども、ノズルピッチk
と等しい回数(ここでは4回)の主走査における記録に
より総てのドットが形成され得るのではなく、5個のノ
ズルがカバーする記録範囲を副走査方向に少しずつずら
しながら繰り返し主走査方向にそった記録を行なうこと
により総ての領域がドットにより埋め尽くされ得ること
になる。そこで、図10では、1サイクル中の何回目の
主走査に当たるかに着目し、1サイクル中の同じ回数目
に形成され得るドットは、異なるサイクル中に形成され
るものでも一緒に示すものとし、走査回数n,n+1,
・・・n+5を、図中に併せて記載するものとした。図
10の(A)は1サイクル中の初回の主走査により形成
され得るドットを、(B)は1サイクル中の2回目の主
走査により形成され得るドットを、(C)は1サイクル
中の3回目の主走査により形成され得るドットを、
(D)は1サイクル中の4回目の主走査により形成され
得るドットを、それぞれ示している。なお、白抜きの○
で示したドットはその回の主走査で形成されるドット
を、黒丸●に数字を白抜きで示したドットは既に形成さ
れたドットを、それぞれ示すものとした。図10に示し
たように、この実施例の記録モードでは、有効記録範囲
においては、主走査方向に1ラインずつドットが形成さ
れて行くことが分かる。
【0081】C.ドット径の異なるドットの形成:以上
の画像記録モードを前提として、次に第1実施例におけ
る径の異なるドットの形成方法について説明する。既に
説明したように、本実施例のプリンタ22では、形成す
るドットの径は、各主走査毎には切り換えることができ
る。具体的には、片方向印字の場合には、キャリッジ3
1が一往復する度に、選択器54にPIOを介して信号
を出力することにより、第1または第2の発振器51,
52からの出力信号OSC1またはOSC2を選択的に
ヘッド61〜64に出力することにより、小さいドット
を形成するか(パルス信号OSC1)、大きいドットを
形成するか(パルス信号OSC2)を、選択している。
したがって、上述した記録モードの場合には、各サイク
ルにおいて、1回目と3回目の主走査では小さなドット
を形成し、2回目と4回目の主走査では大きなドットを
形成するとすれば、図11に例示するように、各主走査
ライン毎に小さな径のドットと大きな径のドットを、交
互に記録し得ることになる。
【0082】コンピュータ90のプリンタドライバ96
が実行する画像処理のうち、この径の異なるドットの発
生に関する処理を説明する。既に説明したように、ドッ
トを形成するかしないかという2値的な記録方法により
多階調の画像を形成するプリンタ22では、記録しよう
とする画像の濃度に応じてドットの密度を制御すること
が行なわれている。図12は、以下説明するいくつかの
実施例に共通の考え方を示したフローチャートである。
まず、図12に従って、径の異なる2種類のドットを形
成する手法の概要について説明する。
【0083】図12に示した画像処理ルーチンが起動さ
れると、プリンタドライバ96は、まず処理位置を示す
変数x,yを初期値(1,1)に初期化し(ステップS
100)、次に、処理しようとしている画像についてこ
の変数x,yが示す位置の画素(以下、着目画素とい
う)の階調データDS(x,y)を入力する処理を行な
う(ステップS110)。入力される階調データDS
は、本実施例では、最も階調の小さいデータ(白色に対
応するデータ)を値0とし、最も階調の高いデータ(完
全な黒色に対応するデータ)を値255とする8ビット
データである。次にいわゆる誤差拡散の手法により周辺
の画素に予め分配された誤差Dferrによりこの階調
データDSを補正し、処理しようとする画素についての
補正済み階調データDCを求める処理を行なう(ステッ
プS120)。一つの画素について、本実施例のプリン
タ22は、径の小さなドット(以下、小ドットとも言
う)を形成するか、径の大きなドット(以下、大ドット
ともに言う)を形成するか、いずれのドットも形成しな
いかの3つの対応しか取り得ない。仮に、径の小さなド
ットが形成された場合の階調をおよそ127/255、
径の大きなドットが形成された場合の階調をおよそ25
5/255とし、ある画素の入力された階調データDS
が160/255の場合を考える。このとき、径の小さ
なドットを形成した場合には、その画素について、階調
は33/255だけ不足していることになり、径の大き
なドットを形成した場合には、階調は95/255だけ
過剰となり、いずれの場合にも誤差を生じることにな
る。そこで、誤差拡散の手法では、これらの誤差を、周
辺の画素に所定の重み付けで分配し、ある程度の大きさ
の領域の平均ではこの誤差が小さくなるようにしている
のである。周辺の画素に誤差を配分する際の重み付けの
一例を図13に示す。位置(x,y)の着目画素に対し
て処理順で手前に存在する各画素について生じた拡散誤
差は、この重み付けに従って、周辺の画素に分配され、
予め誤差バッファと呼ばれるバッファに蓄積されてい
る。したがって、入力した階調データDSとこの誤差バ
ッファに記憶された拡散誤差Dferrとを加えること
により、補正済みの階調データDCを得ることができ
る。
【0084】次に、大小ドットの形成を判断し、誤差を
計算する処理を行なう(ステップS130)。この処理
の詳細は後述するが、簡単にその原理を説明すると、現
在の処理位置にドットを形成するか否かの判断を行なう
閾値を、小ドットが形成される位置か大ドットが形成さ
れる位置かにより異ならせているのである。位置により
判断の閾値を異ならせることにより、小ドットと大ドッ
トの発生比率を望ましい割合に制御することができる。
着目画素の位置が小ドットの形成位置に当たるか否か
は、その画素がプリンタ22により記録される際、上述
したサイクルのうちの何番目に当たるかを判断すれば、
直ちに知ることができる。入力した画像の解像度とプリ
ンタ22の解像度が等しい場合には、入力した画像をそ
の左上を原点として走査線に沿って処理する際の何番目
の走査線に当たるかにより、小ドットの形成位置か否か
を判断することができる。図11に示した記録モードで
は、奇数番目の走査線(y:奇数)に当たる場合には小
ドットを形成し、偶数番目の走査線(y:偶数)に当た
る場合には大ドットを形成すると判断する。こうして大
小ドットの形成について判断した後、ドットの形成の有
無により生じた誤差を計算する。誤差の計算は、上述し
た通り、そのドットにより実現されるべき階調と実際に
形成されたドットによる階調との差を求めることにより
行なわれる。なお、上記の説明では、誤差は、単純にド
ットにおける階調の差としたが、実際のドットは、丸な
いし楕円形状をしており、隣接するドットとの重なりが
あるため、特に大ドットでは、単独で存在する場合と隣
接して存在する場合では、実現される誤差が異なる。し
たがって誤差の計算では、隣接するドットの有無を考慮
しても良い。
【0085】ステップS130の処理により、大小ドッ
トの形成の判断と誤差の演算を行なった後、周辺の画素
にこの誤差を拡散する処理を行なう(ステップS14
0)。計算した誤差は、具体的には、図13の重み付け
を用いて、周辺の画素に対応する誤差バッファに拡散誤
差としてを累積する。その後、変数xを値1だけインク
リメントして、着目している画素の位置を走査線上で1
だけ進め(ステップS150)、変数xがその最大値x
max より小さいか否かの判断を行なう(ステップS16
0)。最大値xmax は、画像の幅に相当する値であり、
変数xがこの最大値以下であれば、ステップS110に
戻って、着目の画素の階調データDSの入力から、上述
した画像処理を繰り返す。
【0086】着目画素の位置xが走査線の終端に至って
いると判断された場合(x>xmax)には、変数xの値
を初期値1に戻すと共に、走査線の位置を値1だけ進め
るべく、変数yを値1だけインクリメントする処理を行
なう(ステップS170)。その後、この変数yの値
が、最大値ymax より大きいか否かの判断を行なう(ス
テップS180)。最大値ymax を越えていなければ、
ステップS110に戻って上述した画像処理を繰り返
し、最大値ymaxm を越えていれば、総ての画素につい
ての処理を終了したとして、「END」に抜けて本ルー
チンを終了する。
【0087】以上、ドットの形成場所に応じて径の異な
るドットの形成方法の概要を説明した。この形成方法で
は、予め小ドットの形成される場所と、大ドットの形成
される場所が定まっており、その場所毎にドットの形成
のされやすさを異ならせている。そこで、大小ドットの
形成判断処理の詳細について、図14のフローチャート
に基づいて説明する。図14の処理は、図12のステッ
プS130の処理に相当する。
【0088】図14に示した処理を開始すると、まず着
目している画素の位置について判別する処理を行なう
(ステップS131)。ドットを形成する位置が小ドッ
トの形成位置に当たるか、大ドットの形成位置に当たる
かを判別するのである。図9に示したドット記録方式で
は、着目としている画素の垂直方向(副走査方向)の位
置(y番目の走査線の位置)が奇数番目に当たる場合に
は、小ドットの形成位置となっている。したがって、第
1実施例では、ドット位置の判別は、そのドットに対応
した走査線の副走査方向の位置を示す変数yが偶数か奇
数かを判別することに等しい。変数yが奇数であれば、
図11に示したように、その位置は、径の小さいドット
(小ドット)を形成する位置に相当すると判断し、ドッ
ト形成の比較に用いる閾値Drefに値100を、ドッ
トが形成された場合に実現される階調値を示すオンバリ
ューonVに値178を、それぞれ設定する処理を行な
う(ステップS132)。他方、変数yが奇数でなけれ
ば、その位置は径の大きなドット(大ドット)を形成す
る位置に相当すると判断し、ドット形成の比較に用いる
閾値Drefに値127を、オンバリューonVに値2
55を、それぞれ設定する処理を行なう(ステップS1
33)。位置により閾値Drefの値を調整することに
より、奇数番目の走査線においてはドットが形成され易
くなる。また、小ドットが形成された場合には、小さな
値がオンバリューonVに設定されることになる。
【0089】次に、補正済みの入力データDCが、上記
の閾値Drefより大きいか否かの判断を行なう(ステ
ップS135)。拡散誤差による補正済みの入力データ
DCが、この閾値Drefより大きいと判断された場合
には、ドットを形成すると判断し、その判断結果を所定
のバッファ領域に書き込むと共に、オンバリューonV
を、結果値RSLTに設定する処理を行なう(ステップ
S136)。補正済みの入力データDCが閾値Dref
以下であると判断された場合には(ステップS13
5)、結果値RSLTに値0を設定する処理を行なう
(ステップS137)。ドットが形成されない場合に
は、実現される階調は、用紙の色そのものであり、値0
と見なせるからである。
【0090】こうしてドット形成の判断と結果値RSL
Tの設定とを行なった後、次に誤差演算処理として、補
正済みの入力データDCから結果値RSLTを減じ、そ
の結果を誤差ERRに設定する処理を行なう(ステップ
S138)。以上で大小ドットの判断処理と誤差演算処
理を完了し、ネクストに抜けて本ルーチンを終了する。
この処理ルーチンにより演算された誤差ERRは、図1
2に示した処理のステップS140で、周辺の誤差に拡
散されることになる。
【0091】図12および図14に示した処理を行なう
ことにより、入力した画像データに対応したドットの形
成の判断結果が、所定のバッファ領域に蓄積される。通
常、コンピュータ90では、このバッファ領域をスプー
ルファイルとしてハードディスク16上に確保する。画
像処理が完了すると、コンピュータ90は、スプールフ
ァイルからデータを読み出し、これを出力インタフェー
ス85を介してプリンタ22に順次出力する。プリンタ
22は、このデータを受け取り、これを一旦RAM43
に蓄積しつつ、現在の記録モードに応じて、所定のタイ
ミングで転送用バッファ47に転送し、ヘッド61〜6
4を用いて、用紙P上に、各色のインクによりドットを
形成するのである。この結果、プリンタ22は、一つの
主走査方向については同じ大きさのドットを形成する
が、一ラインおきに大ドットと小ドッとを形成する。し
かも、この実施例では、奇数ラインでの閾値Drefを
小さく設定しているので、低濃度領域では、小ドットが
発生しやすい条件が実現されている。
【0092】図15は、入力する階調データDSに応じ
て発生するドットの様子を示す説明図である。入力する
階調データDSが低い場合には、図15(a)に示すよ
うに、ほとんどの場合小ドットが形成され、階調データ
DSが次第に高くなるにつれて、図15(b)(c)に
示すように大ドットも形成される。階調データDSが極
めて高くなれば、図15(d)に示すように、小ドット
と大ドットが、1対1の割合で形成されることになる。
本実施例では、小ドットの形成位置で閾値Drefを小
さな値としたが、同様の結果を得るには、大ドットの形
成位置で閾値Drefを大きな値としても良い。これら
の場合には、いずれも小ドットが形成されやすいから、
階調データDSが低い領域では小ドットが形成されるこ
とになり、画像データの階調の低い領域での粒状感が低
減でき、画質が向上するという利点がある。なお、これ
らの例とは逆に、小ドットが形成される位置では閾値D
refを大きな値に設定することも可能である。この場
合には、階調データDSが小さい領域では、小ドットの
形成が抑制されることになり、大ドットがまばらに形成
されることになる。なお、この場合でも、階調データD
Sが高くなれば、図15(d)に示すように、小ドット
と大ドットの割合は1対1に近づく。
【0093】以上、本発明の第1の実施例について説明
した。この実施例では、小ドットと大ドットの最終的な
割合は1対1としたが、ドット径は、1ライン毎に制御
できるので、画像処理時に現在のライン数が何番目であ
るかに基づいて、大小いずれのドットを形成するかを判
断すれば、小ドットと大ドットとの最終的な割合は、自
由に制御することができる。例えば、図16に示すよう
に、ノズルピッチk=3、使用のノズル数N=4、スキ
ャン繰り返し数s=1、副走査方向のドット送り量5ド
ットという構成を用いれば、1サイクルに3回の主走査
が含まれることになる。そこで、この内の2回で大ドッ
トを形成するものとし、1回で小ドットを形成するもの
とすれば、大小のドットの形成の割合は、最終的には、
2対1となる。もとより、図10に示した構成でも、最
終的な大小ドットの割合を1対1の他、1対3もしくは
3対1とすることができる。更に、形成されるドットの
大きさを1サイクル内で毎回同じに固定する必要はない
から、走査ライン毎に大ドットもしくは小ドットのいず
れを形成するかを自由に設定しても差し支えない。ま
た、同様の考え方により、1対5や1対7など、自由に
この比率を設定することができる。いずれのドットを形
成するかをランダムに決定することも可能である。
【0094】なお、上述したように、小ドットの大ドッ
トの比率を所定値にした場合、小ドットにより表現でき
る濃度が178/255、大ドットにより表現できる濃
度が255/255とすると、最終的な両ドットの比率
が1対1の場合には、 (1×178+1×255)/(1+1)=216.5 の濃度までしか表現できない。したがって、更に高い濃
度まで表現したい場合には、小ドット、大ドットの径を
大きくして、例えば、小ドットにより表現できる濃度が
210/255、大ドットにより表現できる濃度が30
0/255、1対1のドットを形成した場合の平均値が
255/255となるよう設定しておけば良い。小ドッ
ト,大ドットの形成の割合が1対3などの場合にも、同
様に、重み付け平均値をとる考え方で、平均値が所望の
値となるよう、小ドット,大ドットにより実現できる濃
度を調整すればよい。
【0095】D.第2実施例:次に、本発明の第2実施
例について説明する。第2実施例は、第1実施例とほぼ
同一のハードウェア構成を用いるが、ヘッドのノズルの
構成は、図16に示したものとなっている。但し、第2
実施例では、スキャン繰り返し数sが値2となってい
る。まず、第2実施例におけるドット記録モードについ
て説明する。図17は、第2実施例における記録モード
を示す説明図である。この例では、スキャン繰り返し数
sが値2となっているが、スキャン繰り返し数sが2以
上の場合には、同一のラスタがs本の異なるノズルで記
録されることになる。以下では、スキャン繰り返し数s
が2以上のドット記録方式を「オーバーラップ方式」と
呼ぶ。
【0096】図17に示すドット記録方式は、図16
(B)に示すドット記録方式のパラメータの中で、スキ
ャン繰り返し数sと副走査送り量Lとを変更したもので
ある。図17(A)からも解るように、図17のドット
記録方式における副走査送り量Lは2ドットの一定値で
ある。但し、図17(A)においては、奇数回目の副走
査送りの後のノズルの位置を、菱形「◇」で示してい
る。図17(A)の右端に示すように、奇数回目の副走
査送りの後に記録されるドット位置は、偶数回目の副走
査送りの後に記録されるドット位置と、主走査方向に1
ドット分だけずれている。従って、同一のラスタ上の複
数のドットは、異なる2つのノズルによってそれぞれ間
欠的に記録されることになる。例えば、有効記録範囲内
の最上端のラスタは、1回目の副走査送り後に2番のノ
ズルで1ドットおきに間欠的に記録された後に、4回目
の副走査送り後に0番のノズルで1ドットおきに間欠的
に記録される。一般に、オーバーラップ方式では、各ノ
ズルは、1回の主走査中に1ドット記録した後に(s−
1)ドット記録を禁止するように、間欠的なタイミング
でノズルが駆動される。こうしたノズルの駆動は、発振
器から出力されるパルス信号のオン時間はそのままに、
繰り返し周期のみ倍にして、駆動を禁止するタイミング
でシンク側のトランジスタがターンオンしないものとし
ても実現できるし、パルス信号はそのままにしておき、
駆動を禁止するタイミングでは転送用バッファ47にデ
ータを出力しないものとしても実現できる。第2実施例
では、1回おきに転送用バッファ47へのデータの転送
を行なわない構成としている。
【0097】なお、オーバーラップ方式では、同一ラス
タを記録する複数のノズルの主走査方向の位置が互いに
ずれていればよいので、各主走査時における実際の主走
査方向のずらし量は、図17(A)に示すもの以外にも
種々のものが考えられる。例えば、1回目の副走査送り
の後には主走査方向のずらしを行なわずに丸「○」で示
す位置のドットを記録し、4回目の副走査送りの後に主
走査方向のずらしを行なって菱形「◇」で示す位置のド
ットを記録するようにすることも可能である。
【0098】図17(B)の表の最下段には、1サイク
ル中の各回の副走査後のオフセットFの値が示されてい
る。1サイクルは6回の副走査送りを含んでおり、1回
目から6回目までの各回の副走査送りの後のオフセット
Fは、0〜2の範囲の値を2回ずつ含んでいる。また、
1回目から3回目までの3回の副走査送りの後のオフセ
ットFの変化は、4回目から6回目までの3回の副走査
送りの後のオフセットFの変化と等しい。図17(A)
の左端に示すように、1サイクルの6回の副走査送り
は、3回ずつの2組の小サイクルに区分することができ
る。このとき、副走査送りの1サイクルは、小サイクル
をs回繰り返すことによって完了する。
【0099】一般に、スキャン繰り返し数sが2以上の
整数の場合には、上述した第1ないし第3の条件c1〜
c3は、以下の条件c1’〜c3’のように書き換えら
れる。
【0100】条件c1’:1サイクルの副走査送り回数
は、ノズルピッチkとスキャン繰り返し数sとを乗じた
値(k×s)に等しい。
【0101】条件c2’:1サイクル中の各回の副走査
送り後のノズルのオフセットFは、0〜(k−1)の範
囲の値であって、それぞれの値がs回ずつ繰り返され
る。
【0102】条件c3’:副走査の平均送り量{ΣL/
(k×s)}は、実効ノズル数Neff (=N/s)に等
しい。換言すれば、1サイクル当たりの副走査送り量L
の累計値ΣLは、実効ノズル数Neff と副走査送り回数
(k×s)とを乗算した値{Neff ×(k×s)}に等
しい。
【0103】上記の条件c1’〜c3’は、スキャン繰
り返し数sが1の場合にも成立する。従って、条件c
1’〜c3’は、スキャン繰り返し数sの値に係わら
ず、ドット記録方式に関して一般的に成立する条件であ
る。すなわち、上記の3つの条件c1’〜c3’を満足
すれば、有効記録範囲において、記録されるドットに抜
けや重複が無いようにすることができる。但し、オーバ
ーラップ方式(スキャン繰り返し数sが2以上の場合)
を採用する場合には、同じラスタを記録するノズルの記
録位置を互いに主走査方向にずらすという条件が必要と
なっているのである。
【0104】以上説明したドット記録方式によれば、1
回の主走査により同時に形成されるドットの個数は、図
16に示した記録方式の半分に限られることになる。こ
の記録方式では、同じラスタを同じノズルが二度通り、
一度の主走査では主走査方向に1ドットおきにドットを
形成することになるからである。即ち、主走査方向につ
いて見ると、ドットは、1ドットおきに異なる主走査時
に形成されることになる。この様子を詳しく示したのが
図18である。図17に示した記録方式によれば、1サ
イクルは、副走査位置0〜5までの6回の主走査から構
成されている。図18では、1サイクル内で形成される
ドットを、副走査位置により(0)〜(5)に分けて示
した。したがって、図18では、異なるサイクルに属し
ていても、各サイクル内の同一の副走査位置で形成され
るドットは同時に示してある。また、その副走査位置で
形成されるドットを白抜きの丸「○」または四角「◇」
により、既に形成されているドットを黒塗りの丸「●」
または四角「◆」で示した。
【0105】図示するように、副走査送り回数0,2,
4の位置(これを偶数回目と呼ぶ)で形成されるドット
と、副走査送り回数1,3,5の位置(これを奇数回目
と呼ぶ)で形成されるドットとは、主走査方向に一つお
きとなっている。そこで、この第2実施例では、第1実
施例で示した大小ドット判断処理・誤差演算処理ルーチ
ン(図14)を実行する際、上述したドット記録方式に
合わせて、ドット位置の判断を次のように行なう。1サ
イクルのうち副走査送り回数が偶数回目に当たる場合に
は小ドットを形成し、奇数回目に当たる場合には大ドッ
トを形成する。この判断を行なうことにより、図18に
示した丸印「○または●」の位置には小ドットが形成さ
れ、四角印「◇または◆」の位置には大ドットが形成さ
れることになる。即ち、第1実施例では、副走査方向に
1ドットおきに小ドットと大ドットが配置されたのに対
して(図11参照)、第2実施例では、小ドットと大ド
ットが、主走査方向に1ドットおきに配置されることに
なる。
【0106】次に本発明の第3実施例について説明す
る。第3実施例では、小ドットと大ドットは互い違いに
配置される。かかるドット配置を実現するドット記録方
式は無数に存在するが、一例として、図19に示すよう
に、ノズルピッチk=2、使用ノズル個数N=6、スキ
ャン繰り返し数s=2のケースを考える。この例では、
スキャン繰り返し数sが値2であることから、同一のノ
ズルが同じ主走査線を2度通るオーバーラップ方式とな
っている。この構成におけるドット形成の順序について
は、第1実施例,第2実施例において詳しく説明したの
で、詳細な説明は省略するが、副走査送り回数0,1の
時に小ドットを形成すると判断し、副走査送り回数2,
3の時に大ドットを形成すると判断すれば、図19
(A)に示したように、小ドット(○印)と大ドット
(□印)とは、互い違いに配列され、小ドットと大ドッ
トは、いわゆる千鳥状に配置される。
【0107】第3実施例のプリンタでは、様々なドット
パターンが形成可能である。これは、図19に示したド
ットパターンのどの2×2のドットを取り出しても、各
ドットが異なる主走査により形成されることによってい
る。従って、副走査送り0回目と1回目に小ドットを形
成し、2回目と3回目に大ドットを形成すれば、小ドッ
トと大ドットは千鳥状に配置されるが、副走査送り0回
目と2回目に小ドットを、1回目と3回目に大ドットを
形成すれば、第1実施例と同様、副走査方向に1行毎に
大ドットと小ドットが並ぶ配列になる。他方、副走査送
り0回目と3回目に小ドットを、1回目と2回目に大ド
ットを形成すれば、主走査方向に1列毎に大ドットと小
ドットが交互に並ぶ配列となる。これらの例は、いずれ
も小ドットと大ドットの形成の割合が1対1の場合であ
るが、更に、1対3もしくは3対1の割合で形成するこ
とも可能である。例えば、図19に示した例では、0な
いし3の副走査送りのうちのいずれか3回に小ドットを
形成し、残りの1回に大ドットを形成すれば、小ドット
と大ドットの形成の割合は3対1となり、その逆の場合
には、1対3となる。1対1の例を図20(A)に、3
対1の例を図20(B)に、1対3の例を図20(C)
に示した。これらの例では、副走査回数n+0の場合に
形成されるドットを「○」印で、副走査回数n+1の場
合に形成されるドットを「□」で、副走査回数n+2の
場合に形成されるドットを「◇」で、副走査回数n+3
の場合に形成されるドットを「△」で、各々示すものと
し、大ドットを形成する場合には、各符号を塗りつぶし
の「●」等で示すものとした。なお、副走査回数0回目
と4回目とでは、各ノズルの主走査位置はずれている
が、基本単位における相対的な位置は同じであると考
え、それぞれの主走査で形成されるドットも同時に示し
ている。したがって、符号nは任意の整数を意味するも
のとした。
【0108】これらの例では、2×2の4つのドットが
それぞれ異なる主走査により形成されることから、1対
1、1対3、3対1のいずれかの割合に制御可能であっ
たが、ノズルピッチとスキャン繰り返し数を適宜選択
し、基本単位を2×3とし、その中の6個のドットがい
ずれも異なる主走査により形成されるように設定すれ
ば、1対1(3対3)、1対2(2対4)、1対5とい
った割合で小ドットと大ドットを形成することができ
る。同様に、1対7などの割合とすることもできる。
【0109】以上、第1ないし第3実施例により、各主
走査においては1種類の径のドットしか形成できないヘ
ッドを用いて、小ドットと大ドットを適宜混在させて画
像を形成する手法について説明した。第1ないし第3実
施例では、大小ドットの判断処理として、図14に示し
たものを用いたが、この処理は、様々な変形が可能であ
る。大小ドットの判断処理・誤差演算処理の他の例を図
21および図22に示す。図21に示した大小ドット判
断処理・誤差演算処理ルーチンでは、ドットの位置を判
別し(ステップS231)、閾値Drefとオンバリュ
ーonVとを、入力した画像の階調データDSの関数f
s,flおよび関数gs,glにより与えている(ステ
ップS232,S233)。閾値およびオンバリューの
設定以後の処理(ステップS235ないしS238)
は、第1実施例と同一である。
【0110】この例では、関数を、小ドットの形成位置
と大ドットの形成位置とで異なるものとしているが、こ
うした関数としては、例えば fs(DS)=127−(127−DS)/2 但しDS<127 =127 但しDS≧127 fl(DS)=127(固定値) とすることができる。閾値Drefを、かかる関数を用
いて、入力した階調データDSに基づいて定めると、階
調データDSが値127以上では、両者の閾値Dref
は等しくなり、小ドットと大ドットの形成比率が、第1
実施例で示した例より、低い階調データで1対1に近づ
くことになる。なお、それぞれのオンバリューonVを
与える関数gl,gsは、上記関数と同一としても良い
し、例えば gs(DS)=255+(255−DS)×K gl(DS)=gs(DS)/2 とすることもできる。ここでKは、任意の値1以上の任
意の整数であり、例えばK=1では、DS=0付近でオ
ンバリューが2倍の510となる。同様に、Kが値2な
らばオンバリューを3倍に、値3ならば4倍に設定する
ことができる。
【0111】あるいは、閾値Drefを定める関数とし
て、次の関数を用いることもできる。即ち、入力した階
調データDSの大きさ毎に、 fs=127−(127−DS)/2 但しDS<127 =127 但しDS≧127 fl=127 但しDS<127 =127−(127−DS)/2 但しDS≧127 とすることができる。この場合には、中濃度以上の領域
で、大ドットが形成される割合を大きくすることがで
き、中濃度の画像に生じがちな筋のように見えるむらの
発生を低減することができる。これは、径の小さなドッ
トと比べると大ドットの場合には、ドット同士がオーバ
ーラップして重なる範囲が広いため、ドット位置のずれ
の影響を受けにくいからと考えられる。中濃度領域で
は、ドット径が小さいことによる粒状感の低減の効果よ
りも、筋のようなむらの発生を回避することによる画質
向上の効果の方が大きい。このため、上記のように中濃
度領域での大ドットの形成の割合を高くすると、記録さ
れる画像の質を全体として向上することができる。
【0112】更に、他の処理例を図22に示す。この例
では、閾値Drefを変化させるのではなく、判断に用
いるデータ自体を増減させる。この例では、まず閾値D
refに値127を、オンバリューonVに値255
を、それぞれ設定し(ステップS330)、その後、ド
ットの形成位置を判別し(ステップS331)、ドット
位置が小ドットの形成位置であると判断された場合だ
け、補正済みの階調データDCを1.3倍して判定用の
データDDとしている(ステップS332)。大ドット
の形成位置であると判断した場合には、補正済みの階調
データDCをそのまま判定用のデータDDとしている
(ステップS333)。ステップS3334以下の処理
は、第1実施例と同様である。
【0113】図22に示した処理を行なうことにより、
第1実施例と同様、階調の低い領域では小ドットが形成
され易くなり、階調データが高い領域では、小ドットと
大ドットの形成の割合は、1対1に近づくことになる。
【0114】以上、大小ドットの判断手法について、い
くつか例示したが、大小ドットの判断は、これらの例に
限定されるものではなく、様々なバリエーションが存在
する。また、上述した第1ないし第3実施例では、イン
クは黒、シアン、マゼンタ、イエロの4色としたが、黒
のみを用いたいわゆるモノクロ画像の多階調の記録(グ
レースケール)に適用することも可能である。更に、各
インクによるドット径が3種類以上形成可能な場合に
は、大中小などのドット径のドットが形成可能な位置に
応じて、同様にそのドットの形成のしやすさを変更し
て、n値化を行なうことができる。
【0115】径の異なるドットを形成するインクについ
て、濃度の低い淡インクと濃度の高い濃インクとを有
し、各濃淡インクのドットにより大ドットと小ドットを
形成することができる場合には、これらの濃淡インクに
よるドット形成と組み合わせることも可能である。ま
た、濃淡インクとしては、顔料系のインクでも染料系の
インクを用いることもできる。
【0116】上述した実施例では、径の異なるドット
は、デューティの異なるパルス信号を出力する二つの発
振器を切り換えることにより形成したが、図23に示す
ように、単一の発振器53から出力される信号に含まれ
る2つのパルスPL1,PL2のいずれか一方をマスク
58により出力されない状態にすることにより、ピエゾ
素子PEの駆動時間を変えて、吐出されるインク粒子I
pの大きさ、延いてはドット径を異ならせる構成を取る
ことも可能である。なお、この例では、いずれのパルス
もマスクしないときには、両パルスによりピエゾ素子P
Eが駆動され、最も大きな径のドットを形成することが
できるから、パルス信号をマスクしない、パルス信
号PL1をマスクする、パルス信号PL2をマスクす
る、という順に径が小さくなる3種類のドットを形成す
る構成として利用することも可能である。
【0117】また、インク通路に配置したヒータに通電
し、インク通路内に発生する泡(バブル)によりインク
を吐出するタイプのプリンタでは、ヒータへの通電時間
を制御して吐出されるインク粒子Ipの大きさ、延いて
はドット径を異ならせることができる。あるいは、イン
ク通路に特性の異なる複数種類のヒータを形成し、どの
ヒータに通電するかによりドット径を調整する構成を取
ることもできる。更に、本発明は、熱転写方式のプリン
タ、熱昇華タイプのプリンタ、LEDアレイを用いたレ
ーザプリンタなどに応用することも可能である。
【0118】ドットの記録方式としては、上記の実施例
では、基本的な方式を説明したが、他の種々の記録方式
も採用可能である。例えば、ノズルのオーバーラップを
行なう記録方式で、部分的なオーバーラップを行なうこ
とも可能である。「部分的なオーバーラップ」とは、1
つのノズルで記録されるラスタと、複数のノズルで記録
されるラスタとが混在しているような記録方式のことを
言う。このような部分的なオーバーラップを用いた記録
方式においても、実効ノズル数Neff を定義することが
できる。例えば、4個のノズルのうちで、2個のノズル
が協力して同一のラスタを記録し、残りの2個のノズル
はそれぞれ1本のラスタを記録するような部分的なオー
バーラップ方式では、実効ノズル数Neff は3個であ
る。
【0119】また、上記の実施例では、副走査方向送り
量は、毎回同じドット数分としたが、ノズルピッチと送
り量との関係を異ならせ、各副走査毎に送る量を異なら
せてドットを形成することも可能である。この場合に
は、所定の領域内にドットが形成させて行く順序を種々
異ならせることができ、隣接するドット間のインクの滲
みなどを抑制することができる。
【0120】また、形成されるドットピッチと等しいピ
ッチで複数のノズルを形成し、一度に複数ノズル分副走
査方向に送る構成によっても、上述した実施例と同様、
オーバーラップ方式を実現し、大小ドットを所定の割合
で形成することができる。例えば、図24に、ノズル数
ピッチk=1、使用ノズル個数N=6、副走査送り量L
=3(ドット)、スキャン繰り返し数s=2、とした例
を示した。この例では、1回の副走査送り毎に大ドット
と小ドットを形成して、両者の割合を1対1とすること
ができる。図24の例では、各主走査において各ドット
は、1ドットおきにしかドットを形成しない。したがっ
て、図25に示すように、各ノズルを、主走査方向に1
ドット毎に入れ替えて使用するものとすれば、同じノズ
ル構成で、千鳥状に大小ドットを形成することもでき
る。
【0121】また、本発明は、双方向印字が可能なプリ
ンタや印字方法にも適用することができる。この場合、
例えばヘッドの所定方向(例えば往動方向)の移動時に
は大径のドットを形成するものとし、反対方向(例えば
復動方向)の移動時には小径のドットを形成するものと
することもできる。通常、双方向印字では、印字ヘッド
の送り方向についての位置精度を、往動と復動とによら
ず維持することは困難なため、片方向印字と比べて画像
の品質が低下しがちであるが、印字速度は片方向印字と
比べると2倍になる。本発明のように、印字位置に応じ
て大径のドットが形成されるか小径のドットが形成され
るかが定まっている場合には、往動と復動のドット形成
位置のずれが、同じ径のドットを形成する場合と比べて
目立たないと言う利点が得られる。印字ヘッドの送り方
向の位置ずれが最も目立つのは、罫線のような縦線を印
字した場合である。罫線などは通常、大径のドット(も
しくは濃ドット)のみで形成されるから、双方向印字を
行なっても、罫線などを形成するドットは印字ヘッドの
同方向の移動中に形成されることになり、双方向印字に
起因する位置ずれの影響を受けることがない。なお、大
径のドットと小径のドットとの形成比率を1対3とする
場合などは、大径のドットのみ一方向の移動時に形成
し、小径のドットは往動・復動共に形成するものとすれ
ばよい。小径のドットは、通常、濃度の低い領域の画像
の形成に用いられるから、文字や罫線の形成には用いら
れることが少なく、双方向印字による位置ずれの影響を
受けにくいからである。
【0122】以上本発明のいくつかの実施例について説
明したが、本発明はこの様な実施例になんら限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において
種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0123】以下に、本発明の第4実施例について説明
する。第4実施例のインクジェットプリンタ400は、
図26に示すように、印刷ヘッド401、主走査駆動部
402、副走査駆動部404、駆動部制御部405、主
走査回数カウンタ406、データ格納部407、印刷ヘ
ッド駆動制御部408、印刷ヘッド駆動部409などか
ら構成される。
【0124】印刷ヘッド401は、所定数のノズルが一
定のノズルピッチで配設されたノズルアレイを有してい
る。具体的には、印刷ヘッド401は、図27に例示し
たように、10個のノズル#1〜#10を副走査方向に
配列して構成される。これらのノズル#1〜#10は、
副走査方向において、5つのノズル#6〜#10からな
る第1のノズル群411と、5つのノズル#1〜#5か
らなる第2のノズル群412に分割されている。つま
り、印刷ヘッド401は、第1のノズル群411と第2
のノズル群412とを、副走査方向に、配列した構成と
なっている。第1のノズル群411および第2のノズル
群412において、各ノズル#6〜#10あるいは#1
〜#5は、それぞれkドットピッチのノズル間隔で離間
されている。第1のノズル群411と第2のノズル群4
12との間隔も、kドットピッチのノズル間隔とされて
いる。ここで、ドットピッチとは、印刷媒体403上に
形成される隣接ドットの離間距離を意味している。した
がって、二つのノズル#1と#2とが、kドットピッチ
間隔に離間されている場合には、ノズル#1と#2との
間にk−1個のドットが形成されることになる。
【0125】主走査駆動部2は、印刷ヘッド401を、
印刷媒体403の幅方向である主走査方向、つまり図2
6において左右方向に駆動するためのものである。ま
た、副走査駆動部404は、印刷媒体403を副走査方
向に搬送するように駆動する。
【0126】駆動部制御部405は、主走査駆動部40
2あるいは副走査駆動部404による印刷ヘッド401
あるいは印刷媒体403の駆動量および駆動タイミング
などを制御するためのものである。駆動制御部405
は、図示しない処理を実行することにより、印刷ヘッド
401を主走査方向に移動させて印刷媒体403に対し
て所定部位に位置させる処理を行なう。また、駆動制御
部405は、副走査駆動部404を制御して、1主走査
の完了時に、印刷媒体403をnドット搬送する搬送動
作モードを実現する。
【0127】主走査回数カウンタ406は、現在のヘッ
ド駆動モード(大径ドット吐出モード、小径ドット吐出
モード)における主走査の回数(パス数)をカウントす
るためのものである。より詳しくは、印刷ヘッド401
を現在のヘッド駆動モード(大径ドット吐出、小径ドッ
ト吐出)に切換えてからの主走査のパス数をカウントす
るカウンタである。
【0128】データ格納部407は、多値階調情報を含
む印刷イメージデータを格納するメモリである。具体的
には、多値階調情報を含む印刷イメージデータを格納す
る半導体メモリ(RAM)により構成される。データ格
納部407は、第1のラスタブロック(ラスタブロック
0)471と第2のラスタブロック(ラスタブロック
1)472の複数のデータブロック領域から構成され
る。本実施例においては、第1のラスタブロック471
に大径ドット形成用のデータが、また第2のラスタブロ
ック472に小径ドット形成用のデータが、印刷の開始
に先立ってそれぞれ格納される。
【0129】印刷ヘッド駆動制御部408は、主走査回
数カウンタ406からの出力により、所定のパス毎、例
えば4パス毎にヘッド駆動モードを切換える回路であ
る。大径ドット吐出モードの場合には、第1のラスタブ
ロック471から大径ドット形成データを読み込み、印
刷ヘッド駆動部409を介して印刷ヘッド401に駆動
パルスを印加する。また、小径ドット吐出モードの場
合、第2のラスタブロック472から小径ドット形成デ
ータを読み込み、同様に、印刷ヘッド駆動部409を介
して印刷ヘッド401に駆動パルスを印加する。印刷ヘ
ッド駆動部409は、データ格納部407に格納される
印刷イメージデータに基づいて印刷媒体403にインク
を吐出すべく印刷ヘッド401への通電を制御する。な
お、印刷ヘッド駆動部409などの詳細は、第1実施例
とほぼ同様である(図6,図7参照)。
【0130】次に、上記構成のインクジェットプリンタ
の動作を、図28を参照して説明する。ここで、このイ
ンクジェットプリンタでは、印刷ヘッド401による主
走査パスの後に印刷媒体が下方から上方に紙送りされ、
これにより、印刷ヘッド401は印刷媒体に対して逆方
向、つまり上方から下方に相対的に変位するようにな
る。このため、図28および以下の説明では、主走査パ
スの後に印刷ヘッド401が下方に移動するものとして
図示してある。また、図28の例では、各ノズルの離間
距離をドットピッチで示す値kを、4(k=4)とし、
また、第1のノズル群411、および第2のノズル群4
12のうちの印刷に使用されるノズル数nを5(n=
5)としている。
【0131】かかる条件下において、本実施例のインク
ジェットプリンタ400は、1回の主走査中に第1のノ
ズル群411に属する5つのノズル#6〜#10を駆動
して、主走査方向について1ドットおきに大径ドットの
印刷を行なった後、nドット分、印刷媒体403の搬送
を行う。これを1回のパスとして、このパスをk回(こ
の実施例では4回)繰り返した後、次に、1回の主走査
中に第2のノズル群412に属する5つのノズル#1〜
#5を駆動して、主走査方向について1ドットおきに小
径ドットの印刷を行なった後、にnドット分、印刷媒体
403の搬送を行う。この場合にも、このパスをk回繰
り返す。このとき、小径ドットの形成位置は、主走査方
向について、大径ドットの形成位置と互いに一つおきの
関係になる位置である。以上の処理単位を、ラスタ形成
ステップと呼ぶものとし、このラスタ形成ステップを繰
り返すことで、印刷媒体403上に印刷を行う。なお、
かかるラスタ形成ステップを実現するために、駆動部制
御部405による主走査駆動部402と副走査駆動部4
04の制御、並びに印刷ヘッド駆動制御部408による
印刷ヘッド駆動部409の制御が行なわれる。
【0132】上述した処理が繰り返されることにより、
印刷媒体403に対する印刷が完了する。このとき、一
つのラスタに着目すると、第1のノズル群411に属す
るノズル(大径のドットを形成するノズル)と、第2の
ノズル群412に属するノズル(小径のドットを形成す
るノズル)とが、同じラスタを通ることになり、同じラ
スタを通る二つの異なるノズルにより、一つおきにドッ
トが形成されることになる。図28に示した例では、一
つのラスタは、ノズル#9と#4、ノズル#8と#3、
ノズル#7と#2というように、予め決まったノズル同
士の組み合わせにより形成される。
【0133】図28の右側に、総てのドットが形成され
る場合を、ラスタ1〜ラスタ23として示した。図示さ
れたラスタのうち、左側の列が、各パスにおいて、先行
ノズル群(第1のノズル群411)によって印刷媒体4
03上に記録されるドットを示しており、右側の列が、
後続ノズル群(第2のノズル群412)によって印刷媒
体403上に記録されるドットを示している。図28か
ら明らかなように、主走査方向において大径ドットと小
径ドットとが連続して形成されることがない。
【0134】第4実施例におけるラスタ形成ステップの
変形例を、図29に示す。図29は、1パス毎に大径ド
ットの吐出と小径ドットの吐出とを切り換えた場合のド
ット形成の様子を示す。この場合、先行ノズル群(第1
のノズル群411)により印刷媒体403に記録される
大径ドットと、後続ノズル群(第2のノズル群412)
により印刷媒403に記録される小径ドットとは、副走
査方向に互い違いに並ぶことになる。他方、主走査方向
については、一つのラスタを形成する二つのノズルは、
共に大径のドットを形成するかあるいは小径のドットを
形成するので、一つのラスタは、同一の径のドットのみ
により形成されることになる。
【0135】更に、図28に示したノズル構成およびラ
スタ形成ステップを採用し、主走査方向にドットを形成
する位置を、一主走査毎に主走査方向に入れ替えると、
大径のドットと小径のドットとを、千鳥状に構成するこ
とができる。即ち、図28において、奇数番目のバス
1,3,5・・・でドットを形成する主走査方向の位置
と、偶数番目のパス2,4,・・・・でドットを形成す
る主走査方向の位置とを入れ替えるのである。各主走査
において、どこでノズルを駆動するかは、印刷ヘッド駆
動制御部408および印刷ヘッド部409により制御可
能なので、かかる位置の入れ替えは容易に行なうことが
できる。この場合のドットの形成例を図30に示した。
なお、図31は、第4実施例(図28)の手法によりド
ットを形成した場合の一例を示している。
【0136】なお、図30のように千鳥状に大径ドット
と小径ドットを配置する場合、副走査方向において大径
ドットと小径ドットを並べることは、上記のように駆動
部制御部405と印刷ヘッド駆動制御部408の働きに
より行なわれる。また、主走査方向において大径ドット
と小径ドットを並べることは、例えば、データ格納部4
07に印刷イメージデータを格納する前段階の画像処理
段階において、予め一つおきに大径のドットと小径のド
ットを配列しておくことにより達成される。
【0137】図30および図31に示した各例につい
て、ノズル形成時の誤差などにより、飛行曲がりが生じ
た場合に、ハッチング部分に印刷されるべきドットが、
どのように形成されるかについて考察する。副走査方向
に隣接するノズルに機械的な誤差が存在する場合、副走
査方向に隣接するドットが飛行曲がりにより、相反する
方向にずれを起こすことがある。この場合、大径ドット
と小径ドットの配置のずれによって濃度むら(特に、イ
ンクの付着しない白紙部分の見え方)が異なってくる。
なお、このような飛行曲りは、ドットずれや印刷媒体の
紙送りずれなどによって生じる。
【0138】図30の例の場合、ドット同士の重なりが
最も小さいことから、ドットずれが発生した場合でも、
白紙部分の面積を最も小さくできる。また、図31の例
の場合、図示したように小径ドット同士がずれた場合に
は、白紙部分が発生するが、この白紙部分は主走査方向
に延びていないため、白すじとして見えにくくなる。ま
た、図31において大径ドットがずれた場合でも、副走
査方向におけるドットの重なりが大きいことから印字品
質にほとんど影響を与えることはない。
【0139】次に、本発明の第5実施例について説明す
る。第4実施例では、ノズルアレイを#1〜#5のグル
ープと#6〜#10のグループに、上下に(副走査方向
に)分割したが、この実施例では、図32に示すよう
に、印刷ヘッド501を構成する10個のノズル#1〜
#10を、奇数番のノズル#1,3,・・#9と、偶数
番のノズル#2,4,・・#10とに分割している。奇
数番の5つのノズルからなる奇数ノズル群511と、同
じく偶数番の5つのノズルからなる偶数ノズル群512
とは、したがって、ノズルは一つおきに配置されること
になる。なお、図32では、便宜上、奇数ノズル群51
1に属するノズルを「○」で、また偶数ノズル群512
に属するノズルを「□」でそれぞれ示した。これら奇数
ノズル群511を構成する各ノズルと偶数ノズル群51
2を構成する各ノズルとは、kドットピッチのノズル間
隔で、副走査方向に沿った直線状に配置されている。
【0140】この印刷ヘッド501において、奇数ノズ
ル群511を構成するノズル#1、3、5、7、9のノ
ズル間隔は2kドットピッチである。また、偶数ノズル
群512を構成するノズル#2、4、6、8、10のノ
ズル間隔も2kピッチである。
【0141】第5実施例におけるハードウェア構成は、
図32に示した印刷ヘッド501を用いる以外は、図2
6に示した第4実施例の構成と同様である。この実施例
におけるインクジェットプリンタの動作を、図33を使
用して説明する。図33は、ノズル間隔を示す値kを4
(k=4)とし、また奇数ノズル群511、および偶数
ノズル群512のうちの印刷に使用されるノズル数nを
5(n=5)としている。かかる構成を前提とし、まず
一つの主走査において、奇数ノズル群511または偶数
ノズル群512を交互に用いて大径ドットを印刷し、そ
の後にnドットの印刷媒体の搬送を行う。これを1パス
として、このバスをk回繰り返す。その後、奇数はまた
は偶数ノズル群により形成するドットを小径ドットと
し、同様に主走査によるドットの形成とnドットの媒体
搬送とを行うパスをk回繰り返す。この処理を、ラスタ
形成ステップと呼ぶが、このラスタ形成ステップを繰り
返すことで、印刷媒体403前面に印刷を行うようこと
になる。かかる制御において、駆動部制御部405によ
る主走査駆動部402と副走査駆動部404の制御、並
びに印刷ヘッド駆動制御部408による印刷ヘッド駆動
部409の制御を行なうことは、第4実施例と同様であ
る。
【0142】図33の右側には、ラスタ1〜ラスタ23
として、各パスにおいて、先行パスによって印刷媒体4
03上に記録されるドット、および後続パスによって印
刷媒体403上に記録されるドットをそれぞれ示した。
図33に示したように、この実施例によるドット形成に
よれば、主走査方向において大径ドット同士、あるいは
小径ドット同士が連続することがない。
【0143】第5実施例におけるラスタ形成ステップの
変形例を、図34に示す。図34は、1パス毎に大径ド
ットの吐出と小径ドットの吐出とを切り換えた場合のド
ット形成の様子を示す。この場合、まず奇数ノズル群5
11を用いた大ドット形成の直後に偶数ノズル群512
を用いた小径ドット形成が行なわれる。この記録方式に
よれば、先行ノズル群(第1のノズル群511)により
印刷媒体403に記録される大径ドットと、後続ノズル
群(第2のノズル群512)により印刷媒403に記録
される小径ドットとは、副走査方向に互い違いに並ぶこ
とになる。
【0144】次に、本発明の第6実施例について説明す
る。本発明の第6実施例のインクジェットプリンタは、
第4の実施例と同様のハードウェア構成を備えるが、印
刷ヘッドの構成のみ異なっている。即ち、この実施例の
印刷ヘッドは、それぞれkドットピッチで形成された#
1〜#6からなる第1のノズル群と、同じくkドットピ
ッチで形成された#7〜#12からなる第2のノズル群
を副走査方向にkドットピッチの間隔で配置して構成さ
れている。
【0145】図35に示した例では、kを4(k=4)
とし、また、第1のノズル群および第2のノズル群のう
ちの印刷に使用されるノズル数nを6(n=6)とし、
4パス毎に大径ドットの吐出と小径ドットの吐出とを切
換えている。しかも、主走査完了後に行なう副走査方向
の印刷媒体の搬送量を、各パス毎に、3ドット−7ドッ
ト−7ドット−7ドットで順次変化させている。
【0146】なお、この4パス毎における合計の印刷媒
体の搬送量は24ドット(=3+7+7+7ドット)で
あり、図28に示したように、各パスにおいて一定の搬
送量(n=6ドット)とした場合と同じである。図35
の右側に、ラスタ1〜ラスタ27として、各パスにおい
て、先行ノズル群(第1のノズル群)によって印刷媒体
上に記録されるドット、および後続ノズル群(第2のノ
ズル群)によって印刷媒体上に記録されるドットをそれ
ぞれ示した。図35から明らかなように、主走査方向に
おい大径ドットと小径ドットとが交互に並ぶことにな
る。
【0147】さらに図36に、大径ドットを形成するた
めのインクの吐出と小径ドットを形成するためのインク
の吐出とを、1パス毎に交互に行なった場合のドット形
成の様子を示す。図36に示した例は、形成するドット
の径が1パス毎に異なる点を除いて、図35の場合と同
様な手順で印刷媒体への画像形成を行なっている。図面
右端に、先行ノズル群(第1のノズル群)により印刷媒
体状に形成されるドットと、後続ノズル群(第2のノズ
ル群)により印刷媒体上に記録されるドットとを示し
た。この場合には、副走査方向に大径ドットと小径ドッ
トが交互に並ぶことになる。
【0148】なお、以上の説明では、ノズル間隔が隣接
ドット間隔の何倍であるかを示す値kを偶数として、イ
ンクジェットプリンタの動作を説明したが、値kが奇数
の場合にも同様な動作を実現することができる。なお、
値kの奇数の場合には、第1の大きさのドットの印刷後
に印刷媒体の搬送を行うパスと第2のドットの印刷後に
媒体搬送を行うパスを交互に繰り返すようにしても、イ
ンタレースによりドットを形成することかできる。
【0149】以上の説明では、第1の大きさのドットが
第2の大きさのドットよりも大きいドット(大径ドッ
ト)である場合の例を説明したが、第1の大きさのドッ
トが第2の大きさのドットよりも小さいドット(小径ド
ット)である場合であっても本発明を適用できることは
いうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての印刷装置の構成例を
示すブロック図である。
【図2】実施例におけるコンピュータ90内で実現され
るプリンタドライバの構成を例示する説明図である。
【図3】プリンタ22内部の概略構成を示す説明図であ
る。
【図4】プリンタ22のヘッド61の構成を示す説明図
である。
【図5】ピエゾ素子PEを用いたインク吐出の原理を示
す説明図である。
【図6】制御回路40の内部構成を例示するブロック図
である。
【図7】ヘッド61〜64を駆動する回路構成を示す説
明図である。
【図8】実施例のノズルアレイの構成を示す説明図であ
る。
【図9】第1実施例におけるヘッドの送りの考え方を示
す説明図である。
【図10】複数回の主走査により有効記録範囲において
ドットが形成れる様子を示す説明図である。
【図11】第1実施例における小ドットと大ドットの形
成例を示す説明図である。
【図12】第1実施例におけるドット形成処理ルーチン
を示すフローチャートである。
【図13】誤差拡散に用いる重み付け関数を例示する説
明図である。
【図14】第1実施例における大小ドット判断処理・誤
差演算処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図15】第1実施例において階調データごとに形成さ
れるドットを例示する説明図である。
【図16】第1実施例におけるヘッドの送りの変形例を
示す説明図である。
【図17】第2実施例におけるヘッドの送りの考え方を
示す説明図である。
【図18】第2実施例におけるドット形成の順序を示す
説明図である。
【図19】第3実施例におけるドットの送りの考え方を
示す説明図である。
【図20】第3実施例の構成を用いて、大小ドットの割
合を1対1、1対3、3対1とする例を示す説明図であ
る。
【図21】大小ドット判断処理ルーチンの他の例を示す
フローチャートである。
【図22】大小ドット判断処理ルーチンのその他の例を
示すフローチャートである。
【図23】径の異なるドットを形成するためのパルス信
号を生成する他の回路例を示す説明図である。
【図24】大小ドットの他の形成例を示す説明図であ
る。
【図25】大小ドットの他の形成例を示す説明図であ
る。
【図26】本発明の第4実施例に係るインクジェットプ
リンタの実施の形態のブロック図である。
【図27】図26のインクジェットプリンタに使用され
る印刷ヘッドの説明図である。
【図28】図26のインクジェットプリンタの動作例の
説明図である。
【図29】図26のインクジェットプリンタを従来方式
で動作させた場合の動作の説明図である。
【図30】第4実施例による印刷結果の一例の説明図で
ある。
【図31】第4実施例による印刷結果の他例の説明図で
ある。
【図32】第5実施例に用いるインクジェットプリンタ
に使用される印刷ヘッドの他例の説明図である。
【図33】図32の印刷ヘッドを用いたインクジェット
プリンタの動作例の説明図である。
【図34】図32の印刷ヘッドを用いたインクジェット
プリンタを従来方式で動作させた場合の説明図である。
【図35】第6実施例のインクジェットプリンタに使用
される印刷ヘッドの別例の説明図である。
【図36】図35の印刷ヘッドを用いたインクジェット
プリンタの動作例の説明図である。
【符号の説明】
12…スキャナ 14…キーボード 15…フレキシブルドライブ 16…ハードディスク 18…モデム 21…CRT 22…プリンタ 23…紙送りモータ 24…キャリッジモータ 26…プラテン 28…印字ヘッド 30…画像処理装置 31…キャリッジ 32…操作パネル 34…摺動軸 36…駆動ベルト 38…プーリ 39…位置検出センサ 40…制御回路 41…CPU 42…PROM 43…RAM 43…ラム 44…PCインタフェース 46…タイマ 47…転送用バッファ 48…バス 51…第1の発振器 52…第2の発振器 54…選択器 55…分配出力器 58…マスク 61〜64…インク吐出用ヘッド 65…導入管 68…インク通路 71…ブラックインク用カートリッジ 72…カラーインク用カートリッジ 80…バス 81…CPU 82…ROM 83…RAM 84…入力インターフェイス 85…出力インタフェース 86…CRTC 88…SIO 90…コンピュータ 91…ビデオドライバ 93…CRTディスプレイ 95…アプリケーションプログラム 96…プリンタドライバ 97…ラスタライザ 98…色補正モジュール 99…ハーフトーンモジュール 100,102…ノズル群 101,103…ノズル群 401、501 印刷ヘッド 402 主走査駆動部 403 印刷媒体 404 副走査駆動部 405 駆動部制御部 406 主走査回数カウンタ 407 データ格納部 408 印刷ヘッド駆動制御部 409 印刷ヘッド駆動部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片倉 孝浩 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドット径が異なる2種類以上のドット
    を、印刷対象物上に記録し、該2種類以上のドットの記
    録密度により多階調の画像を形成する印刷装置であっ
    て、 前記ドット径が異なる2種類以上のドットのうち、ドッ
    ト径が大きい側のドットを、前記印刷対象との相対的な
    位置関係により定まる第1の位置に記録すると共に、該
    2種類以上のドットのうち、ドット径が小さい側のドッ
    トを、前記第1の位置とは異なる第2の位置に記録する
    ヘッドと、 前記印刷対象物との相対的な位置関係に基づいて、該ヘ
    ッドが、前記第1の位置にあるか第2の位置にあるかを
    判別する位置判別手段と、 印刷しようとする画像の濃度情報を含む画像データを入
    力する入力手段と、 該入力された画像データに基づいて前記ドットにより表
    現可能な階調数に応じた多値化を行なう手段であり、前
    記判別された前記ヘッドの位置に印字されるべきドット
    の種類に応じて、該ドットの形成に関する条件を異なら
    せて該多値化を行なう多値化手段とを備える印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、 印刷対象物に対して相対的に主走査と副走査を実行させ
    る走査制御手段を備えると共に、 前記ヘッドは、該走査制御手段により該主走査と副走査
    とを繰り返すことにより2次元画像を記録可能なヘッド
    であり、かつ前記ドットを形成する複数個のドット形成
    要素を前記副走査方向に沿って備え、異なる主走査毎に
    前記2種類以上のドットのうちの一種類を形成できるヘ
    ッドであり、 前記多値化手段は、前記ヘッドが異なる種類のドットを
    形成する主走査毎に、前記入力した画像データに基づい
    て、所定の種類のドットが発生されるように前記多値化
    を行なう手段である印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の印刷装置であって、 主走査の完了毎に行なわれる前記ヘッドの副走査方向の
    移動量を前記ドット形成要素間のピッチと異ならせるこ
    とにより、複数回の主走査によって、前記印刷対象物上
    に、前記ドット形成要素間より細かいピッチでドットを
    形成可能なドット形成手段を備える印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の印刷装
    置であって、 前記多値化手段は、前記ドットの形成に関する条件とし
    て、ドットの形成を行なうか否かを判断する閾値を、前
    記判別された前記ヘッドの位置に印字されるべきドット
    種類に応じて異ならせる手段である印刷装置。
  5. 【請求項5】 前記多値化手段は、前記閾値を、ドット
    径が大きい側のドットより、ドット径が小さい側のドッ
    トについては小さく設定する手段である請求項4記載の
    印刷装置。
  6. 【請求項6】 前記多値化手段は、前記閾値を、前記画
    像データの濃度か低いほど、ドット径が小さい側のドッ
    トについて小さく設定する手段である請求項4記載の印
    刷装置。
  7. 【請求項7】 前記多値化手段は、前記閾値を、前記画
    像データの濃度が所定値より高い領域では、ドット径が
    大きい側のドットについて小さく設定する手段である請
    求項4記載の印刷装置。
  8. 【請求項8】 請求項1または請求項2に記載の印刷装
    置であって、 前記多値化手段は、前記ドットの形成に関する条件とし
    て、ドットの形成が行なわれた場合に該ドットにより実
    現された記録濃度を評価する値を、前記判別された前記
    ヘッドの位置に印字されるべきドットの種類に応じて異
    ならせる手段である印刷装置。
  9. 【請求項9】 前記多値化手段は、2値化を行なう手段
    であり、前記評価値を、ドット径が大きい側のドットに
    ついては大きくし、ドット径が小さい側のドットについ
    ては小さく設定する手段である請求項8記載の印刷装
    置。
  10. 【請求項10】 前記多値化手段は、一つの画素につい
    ての前記多値化の処理により生じた画像濃度についての
    量子化誤差を、該画素の周辺の画素に拡散する誤差拡散
    手段と、該誤差拡散手段により拡散された誤差によって
    前記入力された画像データを補正する画像データ補正手
    段とを備え、該補正された画像データを用いて前記多値
    化の処理を行なう手段である請求項1ないし請求項9の
    いずれか記載の印刷装置。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記ヘッドは、前記対象物の幅方向に対して相対的に往
    復動しながら前記2種類以上のドットを形成可能であ
    り、前記該2種類以上のドットのうちの少なくとも一種
    類については、片方向の移動時にのみ該ドットを形成す
    るヘッドである印刷装置。
  12. 【請求項12】 前記ヘッドは、インク通路に設けられ
    た電歪素子への電圧の印加によりインクに付与される圧
    力によってインク粒子を吐出する機構を備えた請求項1
    または請求項2記載の印刷装置。
  13. 【請求項13】 前記ヘッドは、インク通路に設けられ
    た発熱体への通電により発生する気泡により該インク通
    路のインクに付与される圧力によってインク粒子を吐出
    する機構を備えた請求項1または請求項2記載の印刷装
    置。
  14. 【請求項14】 ドット径が異なる2種類以上のドット
    のうち、ドット径が大きい側のドットを、印刷対象物と
    の相対的な位置関係により定まる第1の位置に記録する
    と共に、該2種類以上のドットのうち、ドット径が小さ
    い側のドットを、前記第1の位置とは異なる第2の位置
    に記録するヘッドを駆動して、前記2種類以上のドット
    を対象物上に記録し、該2種類以上のドットの記録密度
    により多階調の画像を形成する画像形成方法であって、 印刷しようとする画像の濃度情報を含む画像データを入
    力し、 前記印刷対象物との相対的な位置関係に基づいて、前記
    ヘッドが、前記第1の位置にあるか第2の位置にあるか
    を判別し、 前記判別された前記ヘッドの位置に印字されるべきドッ
    トの種類に応じて、該ドットの形成に関する条件を異な
    らせ、前記入力された画像データに基づいて前記ドット
    により表現可能な階調数に応じた多値化を行なう画像形
    成方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の画像形成方法であっ
    て、 前記ヘッドは、印刷対象物に対して相対的に主走査と副
    走査を繰り返すことにより2次元画像を記録可能なヘッ
    ドであり、かつ前記ドットを形成する複数個のドット形
    成要素を前記副走査方向に沿って備え、異なる主走査に
    おいては前記2種類以上の各ドットを形成できるヘッド
    を、主走査の完了毎に、前記ドット形成要素間のピッチ
    と異なる距離だけ前記副走査方向に移動し、 複数回の前記主走査によって、前記印刷対象物上に、前
    記ドット形成要素間より細かいピッチでドットを形成
    し、 前記ヘッドが異なる種類のドットを形成する主走査毎
    に、該ドットの形成に関する条件を異ならせ、前記入力
    された画像データに基づいて前記ドットにより表現可能
    な階調数に応じた多値化を行なう画像形成方法。
  16. 【請求項16】 ドット径が異なる2種類以上のドット
    のうち、ドット径が大きい側のドットを、印刷対象物と
    の相対的な位置関係により定まる第1の位置に記録する
    と共に、該2種類以上のドットのうち、ドット径が小さ
    い側のドットを、前記第1の位置とは異なる第2の位置
    に記録するヘッドを制御するコンピュータにより機械的
    に読み取り可能な記録媒体であって、 前記印刷対象物との相対的な位置関係に基づいて、前記
    ヘッドが、前記第1の位置にあるか第2の位置にあるか
    を判別する機能、 前記判別された前記ヘッドの位置に印字されるべきドッ
    トの種類に応じて、該ドットの形成に関する条件を異な
    らせ、入力された画像データに基づいて前記ドットによ
    り表現可能な階調数に応じた多値化を行なう機能をコン
    ピュータに実現させるプログラムを記録した記録媒体。
  17. 【請求項17】 ドット径が異なる2種類以上のドット
    を、対象物上に記録し、該2種類以上のドットの記録密
    度により多階調の画像を形成する印刷装置であって、 前記ドットを一度に複数個形成可能であり、かつ与えら
    れる信号に応じて前記ドット径が異なる2種類以上のド
    ットを形成可能なノズルを配列したヘッドと、 該ヘッドを対象物の幅方向に対して相対的に搬送する搬
    送手段と、 該搬送手段による移動方向とは交差する方向に、前記対
    象物に対して相対的に前記ヘッドを送るヘッド送り手段
    と、 前記搬送手段による前記ヘッドの1回の搬送中には、前
    記複数個のノズルから一種類のドット径に対応したイン
    クを吐出することにより、前記対象物上に一種類のドッ
    トを形成するヘッド駆動手段と、 を備え、 前記ヘッドの前記複数個のノズルの配列ピッチと、前記
    ヘッド送り手段による送り量とを所定の関係とすること
    により、所定の領域にドットを形成するノズルが2個以
    上存在し、かつ複数回の前記ヘッドの搬送により該領域
    に亘ってドットが形成されるものとし、 前記ヘッドの前記搬送毎に、前記複数個のノズルにより
    形成するドットの径を制御しつつ、前記搬送手段による
    前記ヘッドの搬送と、前記送り手段によるヘッドの送り
    とを繰り返す制御手段を設けた印刷装置。
  18. 【請求項18】 前記所定の領域内に各径のドットが、
    所定の割合で混在して形成可能な請求項17記載の印刷
    装置。
  19. 【請求項19】 前記所定の領域内に形成されるドット
    が、前記ヘッドの搬送方向に沿って、同一の径のドット
    である請求項17記載の印刷装置。
  20. 【請求項20】 前記所定の領域内に形成されるドット
    が、前記ヘッドの送り方向に沿って、同一の径のドット
    である請求項17記載の印刷装置。
  21. 【請求項21】 前記所定の領域内に形成される各径の
    ドットが千鳥上に配列された請求項17記載の印刷装
    置。
  22. 【請求項22】 請求項2記載の印刷装置であって、 前記ヘッドは、前記ドットを形成する所定個数のドット
    形成要素を、前記主走査方向とは交差する副走査方向に
    所定のピッチで配列したドット形成用アレイを備え、該
    ドット形成用アレイのドット形成要素が主走査方向の所
    定の位置で同時に駆動されるヘッドである印刷装置。
  23. 【請求項23】 請求項22記載の印刷装置であって、 前記ヘッドのドット形成要素は、インク粒子を吐出する
    ノズルであり、 前記ドット形成用アレイにおける前記所定個数のドット
    形成要素は、それぞれN個(Nは2以上の整数)のノズ
    ルが副走査方向にkドット(kは2以上の整数)分のノ
    ズル間隔で形成された2群のドット形成要素により構成
    され、該2群のドット形成要素が前記kドット分のノズ
    ル間隔で配置された印刷装置。
  24. 【請求項24】 請求項23記載の印刷装置であって、 前記大きさが異なる2種類以上のドットのうちの第1の
    大きさのドットの印刷後に前記副走査を行うパスをk回
    繰り返し、次いで前記第1のドットとは大きさが異なる
    第2の大きさのドットの印刷後に前記副走査を行うパス
    をk回繰り返すステップを繰り返すよう、前記ヘッドお
    よび前記走査制御手段を駆動する副走査制御手段を備え
    た印刷装置。
  25. 【請求項25】 請求項23記載の印刷装置であって、 前記ノズル間隔kが偶数の場合には、前記大きさが異な
    る2種類以上のドットのうちの第1の大きさのドットの
    印刷後に前記副走査を行うパスをk回繰り返すことに続
    いて前記第1のドットとは大きさが異なる第2の大きさ
    のドットの印刷後に前記副走査を行うパスをk回繰り返
    すステップを繰り返すよう、前記ヘッドおよび前記走査
    制御手段を駆動する副走査制御手段を備えた印刷装置。
  26. 【請求項26】 請求項23記載の印刷装置であって、 前記ノズル間隔kが奇数の場合には、前記大きさが異な
    る2種類以上のドットのうちの第1の大きさのドットの
    印刷後に前記印刷対象物の搬送を行うパスと、前記第1
    のドットとは大きさが異なる第2のドットの印刷後に前
    記印刷対象の搬送を行うパスを交互に繰り返すよう、前
    記ヘッドおよび前記走査制御手段を駆動する副走査制御
    手段を備えた印刷装置。
  27. 【請求項27】 前記ヘッドのN個のノズルのうちの印
    刷で使用するノズル数が副走査方向でn個(nはN以下
    の正の整数)のとき、kとnとが互いに素となる関係に
    あることを特徴とする請求項24記載の印刷装置。
  28. 【請求項28】 前記副走査制御手段は、前記印刷対象
    物の搬送量をnドットとする請求項27記載の印刷装
    置。
  29. 【請求項29】 前記第1の大きさのドットが前記第2
    の大きさのドットよりも小さいドットであることを特徴
    とする請求項24記載の印刷装置。
  30. 【請求項30】 請求項22記載の印刷装置であって、 前記ヘッドのドット形成要素は、インク粒子を吐出する
    ノズルであり、 前記ドット形成用アレイにおける前記所定個数のドット
    形成要素は、それぞれN個(Nは正の整数)のノズルが
    副走査方向にノズル間隔2kドットピッチ(kは正の整
    数)で形成された偶数ノズル群と奇数ノズル群とをそれ
    ぞれ一定の間隔kで配置された印刷装置。
  31. 【請求項31】 請求項30記載の印刷装置であって、 前記大きさが異なる2種類以上のドットのうちの第1の
    大きさのドットの印刷後に前記印刷対象物の搬送を行う
    パスをk回繰り返すことに続いて前記第1のドットとは
    大きさが異なる第2の大きさのドットの印刷後に前記印
    刷対象物の搬送を行うパスをk回繰り返すステップを繰
    り返すように、前記ヘッドおよび前記走査制御手段を制
    御する副走査制御手段を備えた印刷装置。
  32. 【請求項32】 請求項30記載の印刷装置であって、 前記ノズル間隔kが偶数の場合には、前記大きさが異な
    る2種類以上のドットのうちの第1の大きさのドットの
    印刷後に前記印刷対象の搬送を行うパスをk回繰り返す
    ことに次いで前記第1のドットとは大きさが異なる第2
    の大きさのドットの印刷後に前記印刷対象物の搬送を行
    うパスをk回繰り返すステップを繰り返すよう、前記ヘ
    ッドおよび前記走査制御手段を駆動する副走査制御手段
    を備えた印刷装置。
  33. 【請求項33】 請求項30記載の印刷装置であって、 前記ノズル間隔kが奇数の場合には、前記大きさが異な
    る2種類以上のドットのうちの第1の大きさのドットの
    印刷後に前記印刷対象物の搬送を行うパスと前記第1の
    ドットとは大きさが異なる第2のドットの印刷後に前記
    印刷対象物の搬送を行うパスを交互に繰り返すように、
    前記ヘッドおよび前記走査制御手段を駆動する副走査制
    御手段を備えた印刷装置。
  34. 【請求項34】 前記ヘッドのN個のノズルのうちの印
    刷で使用するノズル数が副走査方向でn個(nはN以下
    の正の整数)のとき、2kとnとが互いに素となる関係
    にあることを特徴とする請求項31記載の印刷装置。
  35. 【請求項35】 前記副走査制御手段は、前記印刷対象
    物の搬送量をnドットとする請求項34記載の印刷装
    置。
  36. 【請求項36】 前記第1の大きさのドットが前記第2
    の大きさのドットよりも小さいドットであることを特徴
    とする請求項31記載の印刷装置。
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