JP3991587B2 - 強誘電性または反強誘電性液晶表示素子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、強誘電性または反強誘電性液晶表示素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
強誘電性または反強誘電性液晶表示素子は、一対の基板を枠状のシール材を介して接合してなる液晶セル内に、強誘電性または反強誘電性液晶を充填したものであり、前記一対の基板の内面にはそれぞれ、液晶層に電界を印加するための電極が設けられるとともに、前記電極を覆って、液晶分子を所定の配向状態に配向させるための配向膜が設けられている。
【0003】
ところで、液晶表示素子は、一対の基板を液晶注入口を有する枠状のシール材を介して接合することにより組立てられた液晶セル内に、前記液晶注入口から真空注入法により液晶を注入した後、前記液晶セルを加圧して余剰液晶を前記液晶注入口から押し出すことにより、液晶層の層厚が均一になるように基板間隔(以下、セルギャップと言う)を調整し、その加圧状態で前記液晶注入口を封止材により封止することにより製造されている。
【0004】
この液晶表示素子の製造において、前記セルギャップの調整は、液晶表示素子の製造コストを下げるため、液晶が注入された複数の液晶セルを、その各液晶セル間と両端の液晶セルの外面とにそれぞれ緩衝材を配置して積層し、その積層体を加圧することにより、前記複数の液晶セルのセルギャップを一括して調整する方法で行なわれている。
【0005】
前記セルギャップの一括調整は、従来、硬質塩化ビニルからなるベースシートの両面にウレタン系材質からなる緩衝層が設けられた緩衝材を使用して行なわれている。
【0006】
上記液晶表示素子の製造方法は、強誘電性または反強誘電性液晶表示素子の製造にも適用されている。
【0007】
ただし、強誘電性または反強誘電性液晶は、ネマティック液晶等に比べて粘度が高く、流動性が低いため、強誘電性または反強誘電性液晶表示素子の製造においては、強誘電性または反強誘電性液晶を加熱し、その粘度を低くして液晶セル内に注入するとともに、セルギャップ調整を、液晶セルを加熱することにより、強誘電性または反強誘電性液晶の粘度を低くして行なっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記セルギャップの一括調整に使用されている従来の緩衝材は、硬質塩化ビニルからなるベースシートの両面にウレタン系材質からなる緩衝層が設けられたものであるため、耐熱性が低い。
【0009】
一方、強誘電性または反強誘電性液晶表示素子を製造する場合のセルギャップの一括調整は、強誘電性または反強誘電性液晶を注入された複数の液晶セルを、その各液晶セル間と両端の液晶セルの外面とにそれぞれ緩衝材を配置して積層し、その積層体を前記強誘電性または反強誘電性液晶の粘度が充分低くなる温度に加熱して加圧することにより行なわれる。
【0010】
このときの加熱温度は100℃程度であるが、上記従来の緩衝材は耐熱性が低いため、セルギャップ調整を行なう度に繰り返し加熱されることにより、硬質塩化ビニルからなるベースシートが熱による残留歪みを生じて変形し、またウレタン系材質からなる緩衝層が劣化する。
【0011】
そして、前記緩衝材のベースシートの変形や緩衝層の劣化がある程度進行すると、セルギャップ調整の際に、前記緩衝材を介して液晶セルに加わる圧力が不均一になり、液晶層の層厚が均一になるようにセルギャップを調整することができなくなる。
【0012】
そのため、従来の強誘電性または反強誘電性液晶表示素子の製造方法では、前記緩衝材を頻繁に交換しなければならず、したがって、液晶表示素子の製造コストが高くなってしまう。
【0013】
この発明は、複数の液晶セルのセルギャップの一括調整を、緩衝材を頻繁に交換すること無く行なうことができる強誘電性または反強誘電性液晶表示素子の製造方法を提供することを目的としたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明の強誘電性または反強誘電性液晶表示素子の製造方法は、一対の基板を液晶注入口を有する枠状のシール材を介して接合することにより組立てられた液晶セル内に、前記液晶注入口から強誘電性または反強誘電性液晶を注入する工程と、前記強誘電性または反強誘電性液晶が注入された複数の液晶セルを、その各液晶セル間と両端の液晶セルの外面とにそれぞれ、熱による残留歪みが小さい材料からなるベースシートの両面にシリコン系材料からなる緩衝層が設けられた緩衝材を配置して積層し、その積層体を前記強誘電性または反強誘電性液晶の粘度を下げる温度に加熱して加圧することにより、前記複数の液晶セルのセルギャップ(基板間隔)を一括して調整する工程と、前記加圧状態で前記複数の液晶セルの液晶注入口を封止材により封止する工程とからなることを特徴とするものである。
【0015】
この製造方法は、前記複数の液晶セルのセルギャップの一括調整を、各液晶セル間と両端の液晶セルの外面とにそれぞれ、熱による残留歪みが小さい材料からなるベースシートの両面にシリコン系材料からなる緩衝層が設けられた緩衝材を配置して行なうものであるため、セルギャップ調整を行なう度に前記緩衝材が繰り返し加熱されても、前記緩衝材のベースシートが熱による残留歪みを生じて変形したり、緩衝層が劣化したりすることはほとんど無い。
【0016】
そのため、この製造方法によれば、複数の液晶セルのセルギャップの一括調整を、緩衝材を頻繁に交換すること無く行なうことができ、したがって、強誘電性または反強誘電性液晶表示素子を低コストに製造することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明の強誘電性または反強誘電性液晶表示素子の製造方法は、上記のように、複数の液晶セルのセルギャップの一括調整を、各液晶セル間と両端の液晶セルの外面とにそれぞれ、熱による残留歪みが小さい材料からなるベースシートの両面にシリコン系材料からなる緩衝層が設けられた緩衝材を配置して行なうことにより、複数の液晶セルのセルギャップの一括調整を、緩衝材を頻繁に交換すること無く行なうことができるようにしたものである。
【0018】
この発明の製造方法において、前記緩衝材のベースシートの材料は、ポリカーボネートが好ましく、より好ましくは熱伝導性の良い金属である。
【0019】
また、前記緩衝材は、前記ベースシートの両面に設けられた緩衝層の外面に、熱による残留歪みが小さい材料からなる表面シートが設けられている構成のものが好ましい。
【0020】
【実施例】
図1〜図4はこの発明の一実施例を示しており、図1は複数の液晶セルのセルギャップ調整に用いる緩衝材の斜視図、図2は前記緩衝材の緩衝層に用いたシリコン系材料の圧力―圧縮率特性図、図3は前記セルギャップ調整に用いる加圧装置の側面図である。
【0021】
まず、図1に示した緩衝材について説明すると、この緩衝材1aは、熱による残留歪みが小さい材料からなるベースシート2aの両面にそれぞれシリコン系材料からなる緩衝層3が設けられた構成のものであり、前記ベースシート2aは、高耐熱性樹脂であるポリカーボネートからなっている。
【0022】
また、前記緩衝層3は、図2に示したような圧力―圧縮率特性、つまり、セルギャップ調整の際の加熱温度(強誘電性または反強誘電性液晶の粘度が充分に低くなる温度)である約100℃よりも若干高い110°でも、単位面積当たりの圧力に対する圧縮率が常温時とあまり変わらない特性を示すシリコン系材料からなっている。このような圧力―圧縮率特性を示すシリコン系材料としては、例えば、イノアックス社製のナンネックス(商品名)がある。
【0023】
なお、前記ベースシート2aの厚さは約0.5mm、前記緩衝層3の厚さは約2.0mmであり、前記緩衝層3は、シリコン系材料からなる粘着剤または両面粘着テープ4により前記ベースシート2aの両面にそれぞれ貼り付けられている。
【0024】
次に、図3に示した加圧装置について説明すると、この加圧装置10aは固定プレート11と、前記固定プレート11の四隅に垂直に立設されたガイドポール12により案内されて昇降する可動プレート13と、前記可動プレート13を昇降させる加圧ボルト14とからなっており、前記加圧ボルト14は、前記ガイドポール12の上端に固定された上フレーム15の中心部に設けられた図示しないナットに螺合挿入され、その下端を前記可動プレート13の中心部に回転自在に連結されている。
【0025】
なお、この加圧装置10aの各部材(固定プレート11、ガイドポール12、可動プレート13、加圧ボルト14、上フレーム15および図示しないナット)は、いずれも、セルギャップ調整の際の加熱温度(約100℃)では熱膨張が少ない材料(例えば鉄、アルミニウム等の金属)からなっている。
【0026】
次に、この実施例の製造方法を、強誘電性液晶液晶表示素子の製造を例にとって説明する。
【0027】
図4は液晶セルの液晶注入前の状態の斜視図であり、この液晶セル20は、一方の面に透明電極が設けられるとともに前記電極を覆って配向膜(いずれも図示せず)が設けられた一対の透明基板21,22を、それぞれの電極形成面を対向させて、所定箇所に液晶注入口24が形成された枠状のシール材23を介して接合することにより組立てる。
【0028】
なお、図4に示した液晶セル20は、例えば、一方の基板21の内面に行方向に沿う複数の走査電極を互いに平行に形成し、他方の基板22の内面に列方向に沿う複数の信号電極を互いに平行に形成した単純マトリックス型のものであり、前記複数の走査電極の端子部(図示せず)は、前記一方の基板21の一端縁に形成された端子配列部21aに配列され、前記複数の信号電極の端子部(図示せず)は、前記他方の基板22の一側縁に形成された端子配列部22aに配列されている。
【0029】
前記液晶セル20を組立てた後は、まず、前記液晶セル20内(一対の基板21,22間のシール材23により囲まれた領域)に、前記液晶注入口24から強誘電性液晶を真空注入法により注入する。この液晶セル20内への強誘電性液晶の注入は、予め強誘電性液晶を恒温槽等おいて約100℃に加熱しておくことにより、液晶の粘度を低くして行なう。
【0030】
なお、前記液晶セル20内に真空注入法により液晶を注入すると、前記液晶セル20の一対の基板21,22が注入された液晶の圧力により外膨らみに反り変形する。
【0031】
次に、前記液晶セル20を加圧してセル内の余剰液晶を前記液晶注入口24から押し出すことにより、液晶層の層厚が均一になるようにセルギャップ(基板間隔)を調整する。このセルギャップ調整は次のようにして行なう。
【0032】
まず、前記強誘電性液晶を注入された複数の液晶セル20を、その各液晶セル20,20間と両端の液晶セル20の外面とにそれぞれ、図1に示した緩衝材1aを配置して積層し、その積層体Aを、図3に示したように、加圧装置10aの固定プレート11と可動プレート13との間に挟持させる。
【0033】
次に、前記加圧装置10aをオーブン等の加熱装置に入れ、前記積層体Aを、前記強誘電性液晶の粘度が充分低くなる100℃程度の温度に加熱する。この積層体Aの加熱は、その全ての液晶セル20および緩衝材1aの温度が全体にわたって均一になるまで行なう。
【0034】
次に、前記加圧装置10aの加圧ボルト14を前記可動プレート13を押し下げる方向に回すことにより、前記可動プレート13を下降させて前記積層体Aを加圧する。なお、この積層体Aの加圧は、前記加熱装置内においてボルト回転機構により加圧ボルト14を低速で回すことにより行なっても、前記加圧装置10aを加熱装置から取り出し、前記加圧ボルト14をスパナ等の工具により手動で回すことにより行なってもよい。
【0035】
このように前記積層体Aを加圧すると、その積層体Aの各液晶セル20,20間と両端の液晶セル20の外面とにそれぞれ配置されている緩衝材1aの緩衝層3が厚さ方向に圧縮され、この緩衝層3の圧縮率に応じた圧縮反力により各液晶セル20が両面側から加圧されて、液晶セル20内の余剰液晶が液晶注入口24から押し出されるため、前記複数の液晶セル20のセルギャップを一括して調整することができる。
【0036】
なお、前記緩衝材1aの緩衝層3は、図2に示したような圧力―圧縮率特性を示すシリコン系材料からなっているため、前記積層体Aの加熱温度(約100℃)における前記シリコン系材料の単位面積当たりの圧力に対する圧縮率から、セルギャップ調整に最適な圧縮反力が得られる加圧力と、その加圧力が得られる可動プレート13の下降位置とを予め求めておき、前記下降位置まで前記可動プレート13を下降させることにより、前記液晶セル20のセルギャップを最適圧で調整することができる。
【0037】
このようにして前記複数の液晶セル20のセルギャップを一括調整した後は、自然放熱または強制徐冷により前記積層体Aの温度を常温に下げ、前記積層体Aの複数の液晶セル20の液晶注入口24に紫外線硬化樹脂からなる封止材(図示せず)を塗布して硬化させることにより。各液晶セル20の液晶注入口24を一括して封止する。
【0038】
この後は、前記積層体Aを個々の液晶セル20と個々の緩衝材3とに分離し、各液晶セル20の両面に偏光板(図示せず)等を貼り付けて、強誘電性液晶表示素子を完成する。
【0039】
なお、ここでは強誘電性液晶表示素子の製造を例にとって説明したが、上記製造方法は、反強誘電性液晶表示素子の製造にも適用できるものであり、その場合は、一対の基板を液晶注入口を有する枠状のシール材を介して接合することにより組立てられた液晶セル内に、前記液晶注入口から反強誘電性液晶を注入し、その後は上記製造方法と同じ工程で反強誘電性液晶表示素子を製造する。
【0040】
上記製造方法は、複数の液晶セル20のセルギャップの一括調整を、各液晶セル20,20間と両端の液晶セル20の外面とにそれぞれ、熱による残留歪みが小さい材料からなるベースシート2aの両面にそれぞれシリコン系材料からなる緩衝層3が設けられた緩衝材1aを配置して行なうものであるため、セルギャップ調整を行なう度に前記緩衝材1aが繰り返し加熱されても、前記緩衝材1aのベースシート2aが熱による残留歪みを生じて変形したり、緩衝層3が劣化することはほとんど無い。
【0041】
この実施例では、前記緩衝材1aのベースシート2aが、高耐熱性樹脂であるポリカーボネートからなっているため、前記ベースシート2aが繰り返し加熱により残留歪みを生じることはほとんど無く、また、前記緩衝層3が、図2に示したような圧力―圧縮特性を示すシリコン系材料からなっているため、前記緩衝層3が繰り返し加熱により劣化することはほとんど無い。
【0042】
このように、前記緩衝材1aは、セルギャップ調整を行なう度に繰り返し加熱されても、ベースシート2aが熱による残留歪みを生じて変形したり、緩衝層3が劣化したりすることはほとんど無く、充分な耐熱性をもっている。
【0043】
そのため、上記製造方法によれば、複数の液晶セル20のセルギャップの一括調整を、緩衝材1aを頻繁に交換すること無く行なうことができ、したがって、強誘電性または反強誘電性液晶表示素子を低コストに製造することができる。
【0044】
しかも、上記実施例では、セルギャップ調整における前記液晶セル20と緩衝材1aの積層体Aの加圧を、図3に示したように、加圧ボルト14により可動プレート13を下降させて前記積層体Aを加圧する加圧装置10aにより行なっているため、エアシリンダにより加圧する場合のように、温度による前記シリンダ内空気の体積変化により加圧力が変化することは無く、したがって、前記セルギャップ調整を精度良く行なうことができる。
【0045】
なお、上記実施例では、液晶セル20と緩衝材1aの積層体Aを加圧装置10aにセットした後に、前記積層体Aを加熱装置ごと加熱装置に入れて加熱するようにしているが、前記積層体Aの加熱は、前記加圧装置にセットする前に行なってもよく、その場合は、エアシリンダを備えた加圧装置を使用してもよい。
【0046】
図5は、セルギャップ調整に使用する他の加圧装置の側面図であり、この加圧装置10bは、その上フレーム15の中心部の上にベロフラムシリンダ等のエアシリンダ16を下向きに固定し、このエアシリンダ16のロッド16aを、前記上フレーム15に設けられた図示しないロッド挿通孔を通して可動プレート13の中心部に連結したものである。
【0047】
なお、この加圧装置10bは、図3に示した加圧装置の加圧ボルト14をエアシリンダ16に置き換えたものであり、他の構成は図3に示した加圧装置と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0048】
また、上記実施例で用いた緩衝材1aは、ポリカーボネートからなるベースシート2aを備えたものであるが、セルギャップの一括調整に用いる緩衝材は、金属からなるベースシートを備えたものでもよい。
【0049】
図6は、この発明の他の実施例を示す緩衝材の斜視図であり、この緩衝材1bは、熱による残留歪みが小さく、しかも熱伝導性の高いステンレス鋼等の金属からなるベースシート2bの両面にそれぞれシリコン系材料からなる緩衝層3が設けられ、さらに前記両面の緩衝層3の外面にそれぞれ、熱による残留歪みが小さい材料からなる表面シート5が設けられた構成のものである。
【0050】
この緩衝材2aの緩衝層3は、図1に示した緩衝部材1aの緩衝材3と同じシリコン系材料からなっており、また表面シート5は、例えば、熱による残留歪みが小さく、しかも上記液晶セル20の基板21,22面に対して良好な滑り性をもって接触するポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す)からなっている。
【0051】
前記ベースシート2bの厚さは約0.5mm、前記緩衝層3の厚さは約2.0mm、前記表面シート5の厚さは約0.1mmであり、前記緩衝層3は、シリコン系材料からなる粘着剤または両面粘着テープ4aにより前記ベースシート2bの両面にそれぞれ貼り付けられ、前記表面シート5は、シリコン系材料からなる粘着剤または両面粘着テープ4bにより前記緩衝層3の外面に貼り付けられている。
【0052】
図6に示した緩衝材1bは、そのベースシート2bが、ステンレス鋼等の金属からなっているため、セルギャップ調整を行なう度に繰り返し加熱されても、前記ベースシート2bが熱による残留歪みを生じて変形することはほとんど無く、また、前記緩衝層3が、図2に示したような圧力―圧縮特性を示すシリコン系材料からなっているため、繰り返し加熱されても、前記緩衝層3が劣化して緩衝性が低下することはほとんど無い。
【0053】
しかも、ステンレス鋼等の金属からなる前記ベースシート2bは熱伝導性が高く、加熱時に短時間でベースシート全体が均等な温度になるため、液晶セル20と緩衝材2bの積層体を、全ての液晶セル20および緩衝材1bの温度が全体にわたって均一になるまで加熱する時間を短縮することができる。
【0054】
そのため、この緩衝材1bを用いる製造方法によれば、複数の液晶セル20のセルギャップの一括調整を、緩衝材1bを頻繁に交換すること無く行なうとともに、セルギャップ調整に際しての液晶セル20と緩衝材2bの積層体の加熱時間を短くし、強誘電性または反強誘電性液晶表示素子の製造コストをさらに低減することができる。
【0055】
さらに、図6に示した緩衝材1bは、ベースシート2bの両面に設けられた緩衝層3の外面に、熱による残留歪みが小さいPET等からなる表面シート5を設けたものであるため、セルギャップ調整の際に、緩衝材1bの緩衝層3であるシリコン系材料が液晶表示素子20の端子配列部21a,22aに付着するのを前記表面シート5により防ぐことができるとともに、液晶セル20と緩衝材1bとを積み重ねる際の相互の位置合わせや、セルギャップ調整と液晶注入口24の封止を行なった後の液晶セル20と緩衝材1bの分離を容易に行なうことができる。なお、前記表面シート5は、図1に示した緩衝材1aに設けてもよい。
【0056】
【発明の効果】
この発明の強誘電性または反強誘電性液晶表示素子の製造方法は、複数の液晶セルのセルギャップの一括調整を、各液晶セル間と両端の液晶セルの外面とにそれぞれ、熱による残留歪みが小さい材料からなるベースシートの両面にシリコン系材料からなる緩衝層が設けられた緩衝材を配置して行なうものであるため、複数の液晶セルのセルギャップの一括調整を、緩衝材を頻繁に交換すること無く行なうことができ、したがって、強誘電性または反強誘電性液晶表示素子を低コストに製造することができる。
【0057】
また、この発明の製造方法において、前記緩衝材のベースシートは、ポリカーボネートからなるものが好ましく、このようにすることにより、ベースシートの繰り返し加熱による残留歪みをほとんど無くすことができる。
【0058】
さらに、前記ベースシートは、熱伝導性の良い金属からなるものがより好ましく、このようにすることにより、液晶セルと緩衝材の積層体を全ての液晶セルおよび緩衝材の温度が全体にわたって均一になるまで加熱する時間を短縮し、液晶表示素子の製造コストをさらに低減することができる。
【0059】
また、前記緩衝材は、前記ベースシートの両面に設けられた緩衝層の外面に、熱による残留歪みが小さい材料からなる表面シートが設けられている構成のものが好ましく、このようにすることにより、セルギャップ調整の際に、緩衝材の緩衝層であるシリコン系材料が液晶表示素子の端子配列部に付着するのを前記表面シートにより防ぐことができるとともに、液晶セルと緩衝材とを積み重ねる際の相互の位置合わせや、セルギャップ調整と液晶注入口の封止を行なった後の液晶セルと緩衝材の分離を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す、複数の液晶セルのセルギャップ調整に用いる緩衝材の斜視図。
【図2】前記緩衝材の緩衝層に用いたシリコン系材料の圧力―圧縮特性図。
【図3】セルギャップ調整に用いる加圧装置の側面図。
【図4】液晶セルの液晶注入前の状態の斜視図。
【図5】セルギャップ調整に使用する他の加圧装置の側面図。
【図6】この発明の他の実施例を示す緩衝材の斜視図。
【符号の説明】
1a,1b…緩衝材
2a…ポリカーボネートからなるベースシート
2b…金属からなるベースシート
3…緩衝層
4,4a,4b…粘着剤または両面粘着テープ
5…表面シート
10a,10b…加圧装置
20…液晶表示素子
21,22基板
23…シール材
24…液晶注入口
A…液晶セルと緩衝材の積層体
Claims (4)
- 一対の基板を液晶注入口を有する枠状のシール材を介して接合することにより組立てられた液晶セル内に、前記液晶注入口から強誘電性または反強誘電性液晶を注入する工程と、
前記強誘電性または反強誘電性液晶が注入された複数の液晶セルを、その各液晶セル間と両端の液晶セルの外面とにそれぞれ、熱による残留歪みが小さい材料からなるベースシートの両面にシリコン系材料からなる緩衝層が設けられた緩衝材を配置して積層し、その積層体を前記強誘電性または反強誘電性液晶の粘度を下げる温度に加熱して加圧することにより、前記複数の液晶セルの基板間隔を一括して調整する工程と、
前記加圧状態で前記複数の液晶セルの液晶注入口を封止材により封止する工程とからなることを特徴とする強誘電性または反強誘電性液晶表示素子の製造方法。 - 緩衝材のベースシートは、ポリカーボネートからなっていることを特徴とする請求項1に記載の強誘電性または反強誘電性液晶表示素子の製造方法。
- 緩衝材のベースシートは、金属からなっていることを特徴とする請求項1に記載の強誘電性または反強誘電性液晶表示素子の製造方法。
- ベースシートの両面に設けられた緩衝層の外面に、熱による残留歪みが小さい材料からなる表面シートが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の強誘電性または反強誘電性液晶表示素子の製造方法。
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