JP3990546B2 - 凹凸状立体編物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、凹凸状を有する立体編物に関し、更に詳しくは椅子張り材、車両内装材等の産業用資材に利用可能な保形性やクッション性に優れた立体編物に関する。(シューズ材、スポーツウエア、寝装具、ブラカップ材等の生活用資材)
【0002】
【従来の技術】
今日、衣料やインテリア資材及び車両内装材の分野では表面に立体模様(凹凸状模様)を有する商品が、高級感があり且つ意匠性に優れたものとして、その需要が拡大している。
ところで、表面に立体模様、特に凹模様を形成する方法としては、種々のものが開発されている。
【0003】
例えば、立毛布帛においてパイルを適宜の長さにカットする方法、機械的手段により繊維製品の一部の繊維を押圧して繊維を変形させ、そのままヒートセット(固定)するメカニカルエンボス法、化学的手段により繊維製品の一部の繊維を膨潤、収縮、溶解、或いは炭化せしめるケミカルエンボス法などがある。
このうちケミカルエンボス法の例として、特開昭55−132784号には、樹脂と染料または顔料、抜染剤を含む捺染糊を捺染後、熱加圧ロールで全面を平坦化し洗浄して凹凸加工柄を形成する方法が、また特開昭56−118981号には、減量同時着色加工されている凹凸捺染布帛が開示されている。
両者とも、立体模様と着色模様を組み合わせて表現できる利点がある。
また、基布の上に立体構造状に樹脂をプリントして凹凸立体構造体とする樹脂プリント法などもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の各技術では以下のような問題点がある。
まず、パイルをカットする方法においては、精度の良い立体模様を形成することは困難である。
また、メカニカルエンボス法においては、彫刻ロールの制作が必要であるため柄パターンの自由度に欠けること、部分的な凹深さ調節の自由度に欠けること、また、凹模様部の色表現に関してはほとんどの場合単色に限られることなどの難点がある。
さらに、重加圧下の加熱ロール間に布帛を挿入するため、風合いの硬化や布帛の扁平化が非常に大きく、また、熱ロールによって金属光沢を生じ、時には熱変色を生じる欠陥がある。
【0005】
一方、ケミカルエンボス法では、対象物によっては十分な凹効果が得られないため適用範囲が限定され、また対象物の素材によって処理薬剤を厳密に選択する必要がある。
【0006】
さらに、上記特開昭55−132784号では、自己架橋型熱可塑性樹脂として、ポリアクリル酸エステル系エマルジョンを使用するため、布帛に凹凸を付けようとすると高温、高圧が必要となる。
そのため非捺染部も平坦化してしまい、一度、高温でセットされているため、洗浄処理では平坦化した非捺染部は回復せず十分な凹凸が得られない。
また、アクリル樹脂の耐水性が十分でないことから、洗浄することで捺染部が摩耗し易く、十分な耐摩耗性が必要となる椅子材などの産業用資材には不適である。
また、前記特開昭56−118981号では、硫酸や苛性ソーダなどの劇薬を使用しているため危険性があり、環境問題への対策が必要である。
樹脂プリント法は、高低差の大きな凹凸を形成しにくく、さらに摩耗強度に問題がある。
【0007】
以上のようなことから、前加工又は後加工等の余分な工程を必要とせず編織組織だけで、効率よく立体編物を提供できる方法として、例えば、タック編み、あるいはリブ編みと呼ばれる手法からなる編織法や、その他、メッシュ立体編地に開口部を設けて疑似的に凹凸を形成する立体編成方法が提案されている。
しかし、編織法の場合、タック編みやリブ編みは、生地を編み方向に引っ張ると凹凸が小さくなり、また、クッション性にも乏しいため、ポリウレタンなどのクッション材と併用させる必要があり、また、メッシュ立体編成方法では、圧接時に開口部から連結糸が掻き出されることにより、クッション性が低下し、見栄えも良くない。
【0008】
以上述べたように、従来の各方法においては、凹凸模様を形成させた場合、総じて凹凸精度、耐摩耗性の点で問題があった。
さらに、クッション性(いわゆる耐圧縮性)においても、産業用資材としては必ずしも満足できるものではなかった。
また、どの方法による立体編物であっても、例えば椅子張り材やカーシート材などに利用すると、人体によって圧接した場合、皮膚面との接触する部分が多くなり蒸れ易い欠点を持つ。
本発明は、以上のような問題点を解決することである。
【0009】
すなわち、本発明の目的は、蒸れにくい上、更に、凹凸精度、耐摩耗性、且つクッション性に優れた立体編物を提供することにある。
更に特別な処理工程を必要としない優れた立体編物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に本発明者らは鋭意研究の結果、特別な処理工程を必要としない編成方法において、地組織との間に従来の編組織にはない特有の第3の地組織を編成することにより、優れた凹凸模様を有する立体編物が得られることを見出し、この知見により本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、(1)、表裏の地組織と連結糸とからなる立体編物であって、少なくとも一方の地組織の内側に編み方向に沿って該地組織と間隔を置いた接合点を有するよう編成された第3の地組織が形成され、該第3の地組織を構成する編糸の給糸張力が対応する地組織を構成する地糸の給糸張力よりも大きいため該地組織が膨出状に形成された状態となっている凹凸状立体編物に存する。
【0012】
そして、(2)、接合点の間隔が大又は小のものを有する凹凸状立体編物に存する。
【0013】
そしてまた、(3)、表又は裏の地組織の少なくとも一方が開口部を有する凹凸状立体編物に存する。
【0014】
そしてまた、(4)、膨出する地組織が開口部を有する凹凸状立体編物に存する。
【0015】
そしてまた、(5)、自動車内装材に用いられる凹凸状立体編物に存する。
【0016】
そしてまた、(6)、表裏の地組織と連結糸とからなる立体編物の製造方法であって、少なくとも一方の地組織の内側に該地組織と間隔を置いた接合点を有するように第3の地組織を編成し且つその編成時、該第3の地組織を構成する編糸の給糸張力を前記地組織を構成する地糸の給糸張力よりも大きくして前記地組織を膨出させることを特徴とする凹凸状立体編物の製造方法に存する。
【0017】
そしてまた、(7)、前記編糸の給糸張力を変えることにより地組織の膨出の程度を変更する凹凸状立体編物の製造方法に存する。
【0018】
そしてまた、(8)、前記編糸が地組織を構成する地糸の2倍以上の張力をかけて給糸される凹凸状立体編物の製造方法に存する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の凹凸状立体編物は、後述する図2に示すように、第3の地組織19を、表地組織18の下部に一定の間隔で編成することにより、その間隔に応じて膨出部が形成されたものである。
ここで、第3の地組織を、裏地組織の下部に一定の間隔で編成することにより、その間隔に応じて膨出部が形成されてもよいことは当然である。
この間隔は、第3地組織と表地組織との絡み合う接合点Nの間隔(AーB間隔)であり、この間隔を変えることにより、膨出部の大きさ(曲率)を変更することができる。
この第3地組織は、編成時(コース方向に編成されていく)、それを編成すべく編糸の給糸張力(例えば図7〜12の張力値)をその表地組織18より大きくする(強くする)ことにより形成される。
【0020】
この第3の地組織19が表地組織の下部を引っ張るために、編成方向、すなわちコース方向に地組織が短くなって、一定の曲率を伴った膨出状の凸部に形成されるのである。
ここで、本発明の立体編物においては、表裏地組織がそれぞれ連結糸A3で連結されているために、一方の表地組織が膨出するには、表地組織自体が膨出に追従し易いことが好ましい。
【0021】
例えば、後述する図2に示す表地組織18と裏地組織17は同時に編成され、その後、編糸A4によって、表地組織18の編み目がコース方向に沿って縮む為、表地組織18は裏地組織17に比べて編み目が短くなる。
すなわち、裏地組織17が表地組織18に追随出来なく、シワや不均一な厚みの原因となるのである。
そのため、表地組織を開口部Sを有するような組織とする(糸同士の連結を外してループ間隙を大きくする)とよい。
もっとも裏地組織17が追従するように裏地組織に開口部Sを形成することもそれなりの効果がある。
【0022】
このような立体編物では、第3地組織の組織を変えることにより、表地組織との絡み合う接合点Nの間隔(AーB)を調整できうることから、いわゆる膨出状の凸部の大きさを変えることが可能となる。
すなわち、コース方向の膨出部を大きい凸部と小さい凸部とを交互に現出させたり、どちらか一方のみ現出させたりすることが可能である。
【0023】
上記のように本発明の立体編物の製造方法は、地組織を膨出させるために表地組織の地糸の給糸張力よりも第3地組織を構成する編糸A4の給糸張力を大きくしてやることが必須となる。
ここで、膨出状の高低差を与えるために編糸A4に地糸の2倍以上の張力をかけると産業用資材として極めて有用となることが実験的に分かっている。
【0024】
さて本発明の凹凸状立体編物及びその製造方法は、二列針床を有する経編機を用いることによって可能となる。
図1は、本発明の凹凸状立体編物を編成する二列針床を有する経編機(ダブルラッシェル編機)である。
G1〜G6は編糸を導入するガイドであり、7 は裏地組織の針釜であり、8 は表地組織の針釜、9 と10は、表裏地組織を編成する編針である。
また11〜16は編糸を巻いてあるビームを表している。
編糸A1〜A6のうち、A1とA2はいわゆる地糸でありL1とL2の筬およびG1とG2のガイドに通糸して裏地組織17を編成する。
【0025】
A5とA6も地糸でありL5とL6の筬およびG5とG6のガイドに通糸して表地組織18を編成する。
A3は連結糸であり、この連結糸は、L3の筬およびG3のガイドに通糸して前述の相対する二枚の地組織17、18を連結して立体編物を編成する。
A4は編糸でありL4の筬およびG4のガイドに通糸して表地組織18の下部(内側)に編成される。
このA4の編糸で編成された地組織が、本発明で言う第3の地組織となる。
【0026】
編糸A4は表地組織18の内側にあり一定間隔で18に編成されていることを表している。
編糸A4はガイドG4によって表地組織18の編成の内側にある間隔をおいて表地組織18に対して編成される。
表地組織18の内側にある第3の地組織を構成する編糸A4は、表地組織よりもその給糸量が少なくなるように制限されており、接合点と接合点との間を引き合う張力が働いているため、編地が編機から解放された際に、前部の表地組織18が膨出し凸部を形成するようになる。
【0027】
図2は、本発明の凹凸状立体編物の断面模式図であり、それぞれ、上面構造図(斜視図)及び側面構造図(コース方向断面図)である。
コース方向断面図において、編糸A4は凹凸状立体編物の表地組織18の内側にあって特定の間隔で地組織との接合点を形成しながら編成を繰り返すことを表している。
ここで、編糸A4により形成された第3の地組織は、表地組織18のコース方向の長さより短くなっており、この第3の地組織は、表地組織18の内側で接合点で地組織18をコース方向に縮むように引っ張っている。
すなわち、この編糸A4の張力が他の地組織の張力より大きいために、表地組織と第3の地組織との接合点同士を引っ張るように作用している。
その結果、表地組織18が、外側に曲率のある膨出状の凸部を形成するようになるのである
【0028】
また、表地組織において凸部のコース方向に開口部Sを形成した場合、コース方向のみでなくウェル方向にも凹状のものが得られ、コース方向とウェル方向の両方にいわば畝状の凹凸を形成することができる。
このようにコース方向及びウェル方向に凹凸が形成されることにより、ウェルダー加工調の凹凸が形成される利点がある。
【0029】
ところで本発明に使用される立体編物としては、トリコットやラッシェル等の経編や丸編等の緯編を問わず特に制限はないが、編糸に張力がかけられ高低差の大きな凹凸を形成できる経編が好ましい。
その点で、ダブルラッシェルが、クッション性と保形性に優れた立体的な編物を形成できることから特に好ましい。
また地組織を構成する糸条についてはマルチフィラメント、モノフィラメントなど特に限定されず、また糸の形態についてもカバリング糸、収縮糸、あるいは芯鞘構造の捲縮糸など特に限定されるものではない。
【0030】
一方、連結糸についても特に制限はないが、クッション性の点からモノフィラメントが好ましい。
立体編物の糸素材としては、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維、或いはそれらの組み合わせを問わず使用可能であるが、クッション性あるいは耐摩耗性の観点から合成繊維が好ましく、中でも本発明を車両内装材に応用した場合、耐久性に優れたポリエステル繊維が好ましい。
【0031】
本発明の凹凸状立体編物は、第三の地組織により単位面積あたりの連結糸の数が、同じゲージで編んだ通常の立体経編地と比べて編成後大きく増加するので、クッション性に極めて富むものとなる。
しかも地組織の表面が膨出状となっている(詳しくは曲率を描いている)ことから人体(皮膚面)との接触面積が小さくなり、空気の介入を許し蒸れ難い。
また、コース方向の膨出状の繰り返しが形成されることと、ウエル方向の凹部が形成されることで、意匠的にも複雑な幾何学模様を形成できるため、審美性に優れたものとなる。
【0032】
このような特徴から本発明の立体編物は産業用資材、特に自動車内装材として用いられる場合に有用である。
【0033】
本発明では、編成した立体編物を染色(捺染を含む)、洗浄、乾燥などの後処理を行っても構わないし、予め原着糸などを用い編成しても勿論構わない。
また、2種類以上の素材による編成及び染色、例えばポリエステルとアクリルの組み合わせで編成し分散染料とカチオン染料を用いて染色をしても勿論構わない。
これらの処理によって、例えば凹部と凸部が別の色に着色された立体編物を得ることが出来る。
【0034】
更にまた、地組織面に起毛や、バフなどを施して、凸部のみを毛羽立たせて立体柄模様を有するスエード調立体編物にしても良い。
【0035】
これらの処理によって、例えば凸部がスエード調に毛羽立たされたスエード調立体編物を得ることが出来る。
【0036】
【実施例】
以下、実施例を挙げて説明するが、本発明は実施例に限定されることはない。
〔評価方法〕
下記、実施例の評価は、下記のような評価方法で行った。
【0037】
(1)凹凸感
被試験布の凹凸具合を表面試験機(KES−FB4:カトーテック株式会社製)を用いて表面粗さ測定を行い、凹凸の平均偏差値と凹部、凸部の最大値で評価した。
【0038】
(2)耐摩耗性
被試験布をJIS−L1096〔摩耗強さC法(テーバ形法)〕で測定した。条件は摩耗輪がCS−10、荷重が4.9N、回数が1000回とした。
試験実施後の被試験布の状態を下記の評価項目に従って目視で評価した。
○…試験前と変化がみられない
△…試験前と比べて表面に毛羽立ちが見られる
×…試験前と比べて表面が毛羽立ち、連結糸が掻き出されている
【0039】
(3)耐圧縮性(厚み保持率確認試験)
被試験布を7cm×7cmの大きさにし、厚みの変化がわかりやすいように4枚重ね厚みL1とした。
その上に直径7cmの円柱型の重り5kgを載せ、この状態で、厚みの変化がでやすいように100℃で2時間放置した。
2時間後、重りを取り除いた直後の厚みを試験後の厚みL2とした。
以下の式により厚み保持率を求めた。
厚み保持率(%)=L2/L1×100
【0040】
【実施例1】
ダブルラッシェル機RD6DPLM ―22G(マイヤー社製)を使用して、図7に示すような条件で、凹凸状立体編物を編成した。
出来上がった編物は全体の厚み4.0mmの凹凸状編物であった。
図3は、その凹凸状編物の上面構造図(斜視図)及び側面構造図(コース方向断面図)である。
表面地組織には一定の曲率を有する膨出状の凸部が繰り返し形成されている。製品の評価結果を表1に示す。
【0041】
【実施例2】
ダブルラッシェル機RD6DPLM ―22G(マイヤー社製)を使用して、図8に示すような条件で、凹凸状立体編物を編成した。
出来上がった編物は全体の厚み4.0mmの凹凸状編物であった。
図4は、その凹凸状編物の上面構造図(斜視図)及び側面構造図(コース方向断面図)である。
表面地組織には大きい曲率を有する膨出状の凸部とそれより小さい曲率を有する膨出状の凸部とが交互に接合点Nの間隔で繰り返し形成されている。
この間隔は、AーB間隔及びBーC間隔の2種類の間隔となっている。
製品の評価結果を表1に示す。
【0042】
【実施例3】
ダブルラッシェル機RD6DPLM ―22G(マイヤー社製)を使用して、図9に示すような条件で、凹凸状立体編物を編成した。出来上がった編物は全体の厚み4.0mmの凹凸状編物であった。
図5は、その凹凸状編物の上面構造図(斜視図)及び側面構造図(コース方向断面図)である。
表面地組織には一定の曲率を有する膨出状の凸部が繰り返し形成され、また表地組織には凸部をコース方向に横断する開口部Sが形成されている。
製品の評価結果を表1に示す。
【0043】
【実施例4】
ダブルラッシェル機RD6DPLM ―22G(マイヤー社製)を使用して、図10に示すような条件で、凹凸状立体編物を編成した。
出来上がった編物は全体の厚み4.0mmの凹凸状編物であった。
図6は、その凹凸状編物の上面構造図(斜視図)及び側面構造図(コース方向断面図)である。
表面地組織には一定の曲率を有する膨出状の凸部が繰り返し形成され、また表地組織には比較的小さい多数の開口部Sが形成されている。
製品の評価結果を表1に示す。
【0044】
【比較例1】
ダブルラッシェル機RD6DPLM ―22G(マイヤー社製)を使用して、図11に示すような条件で、立体編物を編成した。
でき上がった編物は全体の厚み4.0mmで凹凸のない編物であった。
製品の評価結果を表1に示す。
【0045】
【比較例2】
比較例1で得られた立体編物に、アクリル樹脂 30部(大日本インキ化学株式会社製:ボンコートAD−350)、エチレン系酢酸ビニル樹脂 40部(松栄化学工業株式会社製:AD−912)、発泡剤 13部(松本油脂製薬株式会社製:マツモトマイクロスフェアーF−100)、CMC 3部(第一工業製薬株式会社製:ファインガムHE)、水性顔料 10部(東洋インキ株式会社製:ブラックK−7)、水 4部からなる処理液{粘度:20,000cps(B型粘度計:No4×12rpm )}をロータリースクリーンプリント機を用いて付与した。
さらに、乾燥、キュアリングの工程を経て発泡プリント立体編物を得た。
なお処理液の付与量は、80g/m2 であった。
得られた凹凸状立体編物について上記評価法に従い評価した。
製品の評価結果を表1に示す。
【0046】
【比較例3】
ダブルラッシェル機RD6DPLM ―22G(マイヤー社製)を使用して、図12に示すような条件で、メッシュ立体編物を編成した。出来上がった編物は全体の厚み4.0mmのメッシュ編物であった。
製品の評価結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0003990546
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明で得られた凹凸模様を有する立体編物は、蒸れにくい上、更に、凹凸精度、耐摩耗性、且つクッション性に優れ、特別な処理工程を必要としない。
【0049】
すなわち、優れたクッション性、耐摩耗性をもつことから、自動車内装材などの過酷な環境下でも好適に使用でき、且つ従来の立体柄模様形成方法と比べて工程が少なくて済むので、コスト的にも有利である。
【0050】
また、凹凸模様を形成させる際、有害な薬剤などを使用しなくてもすむ為、作業者や環境に優しく、加工対象となる素材についても特に限定されず、作業性、生産性を犠牲にすることも無い。
さらに、ウエルダー加工やエンボス加工によらなくても高低差の大きな凹凸立体構造体を得ることが出来、立体編物の地組織を種々工夫する事により、凹凸形状の大きさをコントロールすることが出来る。
そして、車両用シートに適用した場合、適度なホールド感を有するとともに、蒸れ感を感じにくい非常に快適な意匠的にも優れた編物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の凹凸立体編物を編成する装置例を示す構成図である。
【図2】図2は、本発明の凹凸状立体編物の断面模式図であり、それぞれ、上面構造図及び側面構造図である。
【図3】図3は、実施例1の凹凸状立体編物の断面模式図であり、それぞれ、上面構造図及び側面構造図である。
【図4】図4は、実施例2の凹凸状立体編物の断面模式図であり、それぞれ、上面構造図及び側面構造図である。
【図5】図5は、実施例3の凹凸状立体編物の断面模式図であり、それぞれ、上面構造図及び側面構造図である。
【図6】図6は、実施例4の凹凸状立体編物の断面模式図であり、それぞれ、上面構造図及び側面構造図である。
【図7】図7は、実施例1の凹凸状立体編物の断面模式図であり、それぞれ、上面構造図及び側面構造図である。
【図8】図8は、実施例2の凹凸立体編物の構造を示す組織図である。
【図9】図9は、実施例3の凹凸立体編物の構造を示す組織図である。
【図10】図10は、実施例4の凹凸立体編物の構造を示す組織図である。
【図11】図11は、比較例1及び比較例2の凹凸立体編物の構造を示す組織図である。
【図12】図12は、比較例3の凹凸立体編物の構造を示す組織図である。
【符号の説明】
A1…編糸
A2…編糸
A3…編糸(連結糸)
A4…編糸
A5…編糸
A6…編糸
L1…筬
L2…筬
L3…筬
L3…筬
L4…筬
L6…筬
G1…ガイド
G2…ガイド
G3…ガイド
G4…ガイド
G5…ガイド
G6…ガイド
7 …裏地組織側針釜
8 …表地組織側針釜
9 …裏地組織側編針
10…表地組織側編針
11…ビーム
12…ビーム
13…ビーム
14…ビーム
15…ビーム
16…ビーム
17…裏の地組織(裏地組織)
18…表の地組織(表地組織)
19…第3の地組織
N…接合点
S…開口部

Claims (8)

  1. 表裏の地組織と連結糸とからなる立体編物であって、少なくとも一方の地組織の内側に編み方向に沿って該地組織と間隔を置いた接合点を有するよう編成された第3の地組織が形成され、該第3の地組織を構成する編糸の給糸張力が対応する地組織を構成する地糸の給糸張力よりも大きいため該地組織が膨出状に形成された状態となっていることを特徴とする凹凸状立体編物。
  2. 接合点の間隔が大又は小のものを有することを特徴とする、請求項1記載の凹凸状立体編物。
  3. 表又は裏の地組織の少なくとも一方が開口部を有することを特徴とする、請求項1記載の凹凸状立体編物。
  4. 膨出する地組織が開口部を有することを特徴とする請求項1記載の凹凸状立体編物。
  5. 自動車内装材に用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の凹凸状立体編物。
  6. 表裏の地組織と連結糸とからなる立体編物の製造方法であって、少なくとも一方の地組織の内側に該地組織と間隔を置いた接合点を有するように第3の地組織を編成し且つその編成時、該第3の地組織を構成する編糸の給糸張力を前記地組織を構成する地糸の給糸張力よりも大きくして前記地組織を膨出させることを特徴とする凹凸状立体編物の製造方法。
  7. 前記編糸の給糸張力を変えることにより地組織の膨出の程度を変更することを特徴とする請求項6に記載の凹凸状立体編物の製造方法。
  8. 前記編糸が地組織を構成する地糸の2倍以上の張力をかけて給糸されることを特徴とする請求項6に記載の凹凸状立体編物の製造方法。
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