JP3987956B2 - 半導体発光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は窒化ガリウム系化合物半導体を用いた半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
GaN、GaAlN、InGaN、InGaAlN等の窒化ガリウム系化合物半導体を用いた青色発光素子(青色発光ダイオード)は公知である。この種の発光素子は、一般に窒化ガリウム系化合物半導体がサファイアから成る絶縁性基板上に形成されており、一対の電極が素子の上面に配置された構造を有する。
即ち、従来の発光素子は図1に示すように、サファイアから成る絶縁性基板1、この絶縁性基板1の一方の主面(上面)に周知のエピタキシャル成長法によって形成された窒化ガリウム系化合物半導体(例えばGaN)から成るn形半導体領域2、このn形半導体領域2の上にエピタキシャル成長法によって形成された窒化ガリウム系化合物半導体(例えばInGaN)から成る活性層3、及びこの活性層3の上にエピタキシャル成長法によって形成されたP形半導体領域4を備えた半導体基体5と、この半導体基体5の一方の主面(上面)においてn形半導体領域2に接続されたカソード電極6と、p形半導体領域4に電気的に接続されたアノード電極7とから成る。図1の発光素子は絶縁性基板1の他方の主面(下面)が回路基板やリードフレームに固着され、活性層3にて生じた光は半導体基体5の一方の主面側に導かれ、この一方の主面のうち電極6、7の形成されていない領域から外部に放出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図1の発光素子は周知のように多数の素子の作り込まれたウエハをダイシング、スクライビング、へき開等によって切り出して製作される。この時、サファイアから成る絶縁性基板1は硬度が高いため、このダイシングを良好に且つ生産性良く行うことが困難であった。また、サファイアは高価であるため、材料コストの面においても問題があった。また、サファイアから成る基板1は絶縁体であるため、上記のように半導体基体5の一方の主面に一対の電極6、7を形成しなければならず、半導体基体5の面積(チップ面積)が比較的大きくなり、その分コストが高くなった。また、図1の発光素子では、n形半導体領域2の水平方向に電流を流すことになるが、このn形半導体領域2は厚さが4〜5μm程度の肉薄層であるため水平方向における電流通路の抵抗はかなり大きなものとなり、図1の発光素子では、消費電力及び動作電圧が比較的大きくなった。更に、このn形半導体領域2の電流通路となる肉薄部分はこの上面に形成された活性層3及びp形半導体領域4をエッチングによって削り取って形成されるため、エッチングの精度を考慮してn形半導体領域2は予め若干肉厚に形成しておく必要があり、n形半導体領域2のエピタキシャル成長の時間が長くなり、生産性、コスト面で不利である。
また、図1の発光素子において、絶縁性基板1の代りにシリコンカーバイド(SiC)から成る導電性基板を用いた発光素子が知られている。この発光素子によれば電流を半導体基体5の縦方向に流すことができるため、電極6を基体5の下面に形成でき、またn形半導体領域2を上面に露出するために基体5の一部を除去する必要もない。このため、図1の発光素子に比べると、チップ面積の縮小が図られること、へき開によりウエハの分離が簡単化する等の利点はあるが、SiCはサファイアよりも一段と高価であるため低コスト化は更に困難である。また、SiC基板とその上のn形半導体領域との低抵抗接触を良好に形成できず、消費電力及び動作電圧は図1の発光素子と同様に比較的高い。
【0004】
そこで、本発明の目的は、生産性、コスト、性能の向上を図ることができる半導体発光素子を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、上記目的を達成するための本発明は、
導電性を有するシリコン基板と、
前記シリコン基板の一方の主面上に形成されたTiから成る第1の金属層と、
前記第1の金属層の上に形成されたPt、Ir、Os、Pd、Rh、Ruから選択された少なくとも1種から成る第2の金属層と、
前記第2の金属層の上に形成されており且つ窒化ガリウム又は窒素とガリウムを含む窒化ガリウム系化合物から成る第1の導電形の第1の半導体領域と、
前記第1の半導体領域の上に形成されており且つ窒化ガリウム又は窒素とガリウムを含む窒化ガリウム系化合物から成り且つ前記第1の導電形と反対の第2の導電形を有している第2の半導体領域と、
前記第2の半導体領域の表面の一部に形成された第1の電極と、
前記シリコン基板の他方の主面に形成された第2の電極と
を備えていることを特徴とする半導体発光素子に係わるものである。
なお、請求項2に示すように第2の半導体領域と第1の半導体領域との間に活性層を含むことが望ましい。
また、請求項3に示すように金属層をスパッタリング法で形成し、第1及び第2の半導体領域をMOCVD法で形成することが望ましい。
【0006】
【発明の効果】
各請求項の発明によれば、次の効果を得ることができる。
(イ)発光部を構成する第1及び第2の半導体領域が、シリコン基板と第1及び第2の金属層とによって支持されているので、第2の半導体領域と第2の電極との間を低抵抗化することができ、消費電力の低減及び動作電圧の低減が可能になる。
(ロ)第1及び第2の半導体領域においてシリコン基板の方向に放射された光は、第2の金属層によって第2の半導体領域の表面側に向うように反射されるので、光取り出しを良好に行うことができる。
(ハ)Tiから成る第1の金属層を、第2の金属層とシリコン基板との間に介在させることによって、第2の金属層をシリコン基板に直接に接触させる場合よりも第2の金属層のシリコン基板に対する密着性が向上する。
(ニ)Pt、Ir、Os、Pd、Rh、Ruから選択された少なくとも1種から成る第2の金属層は、高温下で安定であり、且つ第1及び第2の半導体領域の結晶方位をシリコン基板の結晶方位に配向させて形成することを容易にし、且つシリコン基板と第1及び第2の半導体領域との間の緩衝材として機能し、シリコン基板と第1及び第2の半導体領域との間の熱膨張係数差に起因して第1及び第2の半導体領域にクラックが発生することを防止する。
また、請求項2の発明によれば、活性層によって発光効率を高めることができる。
また、請求項3の発明によれば、第1及び第2の金属層、第1及び第2の半導体領域の結晶性が良好になる。
【0007】
【実施形態及び実施例】
次に、図2及び図3を参照して本発明の実施形態及び実施例に係る半導体発光素子としての窒化ガリウム系化合物半導体青色発光ダイオードを説明する。
図2及び図3に示す本発明の実施例に従う青色発光ダイオードは、シリコン半導体から成る低抵抗性半導体基板(以下、低抵抗性基板という)11、Ti(チタン)から成る第1の金属層12、Pt(白金)から成る第2の金属層13、GaN(窒化ガリウム)から成る第1の半導体領域としてのn形半導体領域14、p形のInGaN(窒化ガリウムインジウム)から成る活性層15、及び第2の半導体領域のとしてのGaN(窒化ガリウム)から成るp形半導体領域16を順次に積層した構成の板状基体17と、この基体17の一方の主面(上面)即ちp形半導体領域16に電気的に接続されたアノード電極18と、基体17の他方の主面(下面)即ち低抵抗性基板11に電気的に接続されたカソード電極19とを備えている。なお、第1及び第2の金属層12、13、n形半導体領域14、活性層15、及びp形半導体領域16は低抵抗性基板11の上に順次にそれぞれの結晶方位を配向させて成長させたものである。
【0008】
低抵抗性基板11は、n形導電形不純物として例えばAs(ヒ素)が5×1018cm-3〜5×1019cm-3程度の高濃度で導入された(111)面のn+ 形のシリコン単結晶基板から成り、その抵抗率は0.001Ω・cm〜0.01Ω・cm程度であって、実質的に導電体と呼ぶこともできるものである。従って、この低抵抗性基板11と後述する第1及び第2の金属層12、13とカソード電極19とを合せて発光ダイオードのカソード電極として機能する。なお、本実施例ではp形半導体領域14、活性層15及びp形半導体領域16から成る発光部の支持体として機能するように低抵抗性基板11の厚みを約350μmに設定した。
【0009】
低抵抗性基板11の一方の主面全体を被覆するように設けられた第1の金属層12と第2の金属層13はそれぞれ周知のスパッタリング法を用いて順次Ti(チタン)とPt(白金)を堆積付着して形成した金属薄膜であり、第1の金属層12は低抵抗性基板11の一方の主面に対して低抵抗接触している。ここで一般にTiやPtから成る金属薄膜はスパッタリング法以外の方法例えば電子ビームを用いた真空蒸着法等によっても形成することができる。しかし、スパッタリング法以外のこれらの形成法では、第1及び第2の金属層12、13を低抵抗性基板11の上面にその結晶の配向性を揃えて形成することが困難であるため、スパッタリングに比べて好ましくない。即ち、スパッタリング法によれば、単結晶シリコンから成る低抵抗性基板11の上面にこの単結晶シリコンの結晶方位に対して第1及び第2の金属層12、13の結晶方位を揃える形で第1及び第2の金属層11、12を成長させることが可能である。このように、第1及び第2の金属層12、13の結晶の配向性を揃えることは、この上面に形成するn形半導体領域14等も同様に結晶方位を揃えて成長させる上で極めて重要である。一方、スパッタリング法以外の方法では、第1及び第2の金属層12、13をこのように低抵抗性基板11の上面に結晶方位を揃えて形成することが困難であり、本実施例の青色発光ダイオードを製作するにあたってはあまり好ましくない。なお、周知のラビング法を用いれば即ち低抵抗性基板11の上面を一定方向にこすってからこの上面に金属層12、13を成長させる方法によれば、第1及び第2の金属層12、13を電子ビームを用いた真空蒸着法等で形成しても比較的その配向性を揃えることができる。しかしながら、この場合、第1及び第2の金属層12、13を下側の単結晶シリコンの結晶方位を良好に引きついで形成できないためその上方に良質な結晶の半導体領域を成長させることが困難である。また、ラビング工程が増加する等の理由からスパッタリング法に比べると利点は少ない。なお、本実施例では、第1の金属層12の厚みを25〜500オングストローム、第2の金属層13の厚みを500〜2000オングストロームに設定した。
【0010】
第2の金属層13の上面に設けられたn形半導体14、活性層15及びp形半導体領域16は周知のMOCVD法(有機金属化学気相成長方法)によって順次連続的に形成されたものである。即ち、上面に第1及び第2の金属層12、13の形成された低抵抗性基板11をMOCVD装置の反応室内に配置して、反応室内にまずトリメチルガリウムガス(以下、TMGガスという)、NH3 (アンモニア)ガス、SiH4 (シラン)ガスを供給して第2の金属層13の上面にn形半導体領域14を形成する。ここで、シランガスは形成膜中にn形不純物としてのSiを導入するためのものである。本実施例では金属層12、13の形成された低抵抗性基板11の加熱温度を1040℃とした後、TMGガスの流量即ちGaの供給量を約4.3μmol /分、NH3 ガスの流量即ちNH3 の供給量を約53.6mmol /分、シランガスの流量即ちSiの供給量を約1.5nmol /分とした。また、本実施例では、n形半導体領域14の厚みを約2μmとした。図1の従来の発光ダイオードのn形半導体領域2の厚みは約4.0〜5.0μmであるから、これに比べて図2の本実施例のn形半導体領域14はかなり肉薄に形成されている。また、n形半導体領域14の不純物濃度は約3×1018cm-3であり、低抵抗性基板11の不純物濃度よりは十分に低い。尚、本実施例によれば金属層13の触媒効果により、比較的低温で成長させる緩衝層を介さずに比較的高温でこのn形半導体層14を金属層13の上面に直接に形成することが可能になる。
【0011】
続いて、低抵抗性基板11の加熱温度を800℃とし、反応室内にTMGガス、アンモニアガスに加えてトリメチルインジウムガス(以下、TMIガスという)とビスシクロペンタジェニルマグネシウムガス(以下、Cp2 Mgガスという)を供給してn形半導体領域14の上面にp形InGaNから成る活性層15を形成する。ここで、Cp2 Mgガスは形成膜中にp形導電形の不純物としてのMgを導入するためのものである。本実施例では、TMGガスの流量を約1.1μmol /分、NH3 ガスの流量を約67mmol /分、TMIガスの流量即ちInの供給量を約4.5μmol /分、Gp2 Mgガスの流量即ちMgの供給量を約12nmol /分とした。また、活性層15の厚みは図1の発光ダイオードの活性層3の厚みと同様に約20オングストロ−ムとした。なお、活性層15の不純物濃度は約3×1017cm-3である。
【0012】
続いて、低抵抗性基板11の加熱温度を1040℃とし、反応室内にTMGガス、アンモニアガス及びCp2 Mgガスを供給して活性層15の上面にp形GaNから成るp形半導体領域16を形成する。本実施例では、この時のTMGガスの流量を約4.3μmol /分、アンモニアガスの流量を約53.6μmol /分、Cp2 Mgガスの流量を約0.12μmol /分とした。また、p形半導体領域16の厚みは図1の発光ダイオードのp形半導体領域4の厚みと同様に約0.5μmとした。なお、p形半導体領域16の不純物濃度は約3×1018cm-3である。
【0013】
上記のMOCVD成長方法によれば、第1及び第2の金属層12、13の上面にこの金属層の結晶方位に対してn形半導体領域14、活性層15及びp形半導体領域16の結晶方位を揃えて形成することができる。単結晶シリコン基板から成る低抵抗性基板11の結晶方位を良好に引き継いでいる金属層12、13の上にこれを核としてn形半導体領域14、活性層15及びp形半導体領域16が順次にエピタキシャル成長される。なお、n形半導体領域14は金属層13と低抵抗接触している。
【0014】
第1の電極としてのアノード電極18は、例えばニッケルと金を周知の真空蒸着法等によって半導体基体17の上面に付着させることによって形成し、p形半導体領域16の表面に低抵抗接触させる。このアノード電極18は図3に示すように円形の平面形状を有しており、半導体基体17の上面のほぼ中央に配置されている。半導体基体17の上面のうち、アノード電極18の形成されていない領域20は、光取り出し領域として機能する。
【0015】
第2の電極としてのカソード電極19は、半導体基体17の上面に形成せずに、例えばチタンとアルミニウムを周知の真空蒸着法等によって半導体基体17の下面に形成し、低抵抗性基板11の下面全体に低抵抗接触させる。
【0016】
図2の青色発光ダイオードを外部装置に取付ける時には、例えばカソード電極19を回路基板等の外部電極に対して半田又は導電性接着剤で固着し、アノード電極18を周知のワイヤボンディング方法によって外部電極に対してワイヤで電気的に接続する。
【0017】
まず、本実施例の青色発光ダイオードでは、サファイアに比べて著しく低コストであり加工性も良いSiから成る基板を用い、且つそのチップ面積が小さくなっていることに加えてn形半導体領域14の肉薄化も図られていることから材料コストと生産コストの削減が高水準に達成される。このため、従来では他の発光ダイオードに比べて高価であったGaN系発光ダイオードのコストの著しい低減が可能となるという利点を有する。
また、アノード電極18とカソード電極19との間に、アノード電極18の電位がカソード電極19の電位よりも高い電圧(順方向電圧)を印加すると、アノード電極18とカソード電極19との間に半導体基体17の厚み方向(縦方向)に順方向電流が流れる。このため、図1の従来の発光ダイオードにおいてn形半導体領域2で水平方向に流れた電流成分に相当するものが、図2のn形半導体領域14に生じない。また、アノード電極18が半導体基体17の上面のほぼ中央に配置されており、カソード電極19が半導体基体17の下面の全面に形成されているため、アノード電極18からカソード電極19に流れる電流の経路を半導体基体17の側面側にまで広げることができる。この結果、消費電力及び動作電圧を小さくすることが可能となる。
更に、本実施例の青色発光ダイオードでは、金属層12、13が反射板として機能すること等から光の外部取り出しが良好になり、発光輝度の向上も図1の発光ダイオ−ドに比べて遜色なく実現されている。
上記の作用効果を更に詳細に説明する。図2の発光ダイオードのアノード電極18とカソード電極19との間に順方向電圧を印加すると、活性層15にはそれぞれp形半導体領域16からはホール、n形半導体領域14からは電子が注入され、これらキャリアの再結合によって発光が生じる。活性層15で生じた光は半導体基体17の上面側即ちp形半導体領域16側と、半導体基体17の下面側即ちn形半導体領域14側とに放射され、半導体基体17の上面側に放射された光は半導体基体17の上面に形成された光取り出し領域20を通じて外部に放出される。また、活性層15の下方にはその全体にわたって金属層12、13が配置されており、この金属層12、13が活性層15から半導体基体17の下面側に放射された光に対する反射板として機能する。このため、活性層15から下方に放射された光を活性層15に近い位置で上方に反射させることができ、減衰を最小限に抑えて光を効率よく半導体基体17の上面側に導いて素子外部に導出させることができる。以上により、本実施例の青色発光ダイオードによれば、光吸収性を有するシリコンから成る低抵抗性基板11を使用したにもかかわらず、所望の発光輝度を得ることができる。
また、実施例の青色発光ダイオ−ドによれば、熱膨張係数の異なるシリコンから成る抵抗性基板11とGaNから成る半導体領域14、15、16との間に金属層12、13が介在し、これが緩衝材として機能するため、熱膨張係数差に起因するクラックが半導体領域14、15、16に生じることも防止される。
【0018】
上述から明らかなように本実施例の青色発光ダイオードは次の効果を有する。
(1) コストパフォーマンスに優れている。
(2) 生産性に優れている。
(3) 消費電力及び動作電圧を低くすることができる。
【0019】
【変形例】
本発明は上述の実施例に限定されるものでなく、例えば次のような変形が可能なものである。
(1) Tiから成る第1の金属層12は省略することができる。しかしながら、Ptから成る第2の金属層13と低抵抗性基板11との密着性を良好にするためにはTiから成る第1の金属層12を介在させるのが望ましい。
(2) 低抵抗性基板11の一方の主面上に形成される金属層13はPt以外の金属から形成されていてもよい。例えばPt以外のIr(イリジウム)、Os(オスミウム)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Ru(ルテニウム)等の白金属元素によって形成することができる。これらの白金属元素はGaN系半導体よりも熱膨張係数が大きいため、GaN系半導体にクラックを発生させることがなく、またGaNを成長する高温下でも安定であるから、これを使用すると本発明の効果を良好に得ることができる。
(3) 低抵抗性基板11をシリコン以外のGaP、AlInP、ZnSe、ZnS、AlGaInP等の化合物半導体で形成してもよい。
(4) 図2の発光素子において第1の導電形がn形、第2の導電形がp形であるが、これを逆にしてもよい。即ち、低抵抗性基板11、n形半導体領域14、活性層15、p形半導体領域16の導電形を反転してもよい。この場合、水素吸蔵の性質をもつ白金属元素がP形半導体の水素によるキャリアの不活性化を抑制するため、成長後の電子ビ−ム照射や熱処理等を行わなくても、P型半導体結晶を良好に得ることができる利点がある。また、図2のp形半導体領域16の代りにn形GaNを形成すると、n形GaNはp形GaNに比べてキャリア移動度が極めて大きいので、電流通路を素子の外周側にまで広げることができ、発光領域を広げることができる。
(5) 金属層13の厚みは下側のシリコン単結晶の低抵抗性基板11の結晶方位を上側のn形半導体領域14に良好に伝達できるように500〜2000オングストロームの範囲に設定するのが望ましい。500オングストロームより薄いと金属層13が半導体領域14の成長のための核となって上側の半導体領域14に下側の単結晶シリコンの結晶方位を良好に伝えることが難しくなり、一方、2000オングストロームよりも厚くなると、金属層13内の結晶方位が下側の単結晶シリコンの方位と一致しなくなるため、同様に上側の半導体領域14に結晶方位を良好に伝達できなくなる。
(6) 第1の半導体領域としてのn形半導体領域14を不純物濃度や材料の異なる複数の層にすること、及びp形半導体領域16を不純物濃度や材料の異なる複数の層にすることができる。また、アノード電極18の下にオーミック接触を良好にするための半導体領域を形成することができる。
(7) 活性層15の導電形を第1の半導体領域14の導電形と同じにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の発光ダイオードを示す断面図である。
【図2】本発明の実施例の発光ダイオードを示す中央縦断面図である。
【図3】図2の発光ダイオードの斜視図である。
【符号の説明】
11 シリコン単結晶から成る低抵抗性基板
12、13 第1及び第2の金属層
14 n形半導体領域
15 活性層
16 p形半導体領域
17 基体
18 アノード電極
19 カソード電極
Claims (3)
- 導電性を有するシリコン基板と、
前記シリコン基板の一方の主面上に形成されたTiから成る第1の金属層と、
前記第1の金属層の上に形成されたPt、Ir、Os、Pd、Rh、Ruから選択された少なくとも1種から成る第2の金属層と、
前記第2の金属層の上に形成されており且つ窒化ガリウム又は窒素とガリウムを含む窒化ガリウム系化合物から成る第1の導電形の第1の半導体領域と、
前記第1の半導体領域の上に形成されており且つ窒化ガリウム又は窒素とガリウムを含む窒化ガリウム系化合物から成り且つ前記第1の導電形と反対の第2の導電形を有している第2の半導体領域と、
前記第2の半導体領域の表面の一部に形成された第1の電極と、
前記シリコン基板の他方の主面に形成された第2の電極と
を備えていることを特徴とする半導体発光素子。 - 前記第2の半導体領域と前記第1の半導体領域との間に活性層が介在していることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
- 前記第1及び第2の金属層はスパッタリング法で形成された層であり、前記第1及び第2の半導体領域はMOCVD方法(有機金属化学気相成長法)で形成された層であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体発光素子。
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