JP3986892B2 - アミノ酸変性水溶性高分子を含む化粧料組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、アミノ酸変性水溶性高分子を配合した化粧料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の変性剤によりアミノ酸を変性或いは、変性後更にラジカル重合、グラフト重合、重縮合等の各種反応により得られるアミノ酸誘導体としては、特開昭60−158203号公報、特開2000−119233号公報等に見られるような高分子量誘導体と、特開昭55−53251号公報、特開平11−106314号公報に見られるような低分子量誘導体がある。高分子量のアミノ酸誘導体としては、特開昭60−158203号公報では、光学分割能を持った液体クロマトグラフィー用の充填剤としての用途に、アミノ酸変性高分子が使用できると示されている。また、特開昭62−166302号公報では、ポリ酸性アミノ酸及びポリ酸性アミノ酸エステルが液晶原料として用いられた光学フィルタが示されている。さらに、特開平8−290066号公報には、アミノ酸が付加された重合性単量体を高分子材料膜にグラフト重合させてなる機能性膜が示されている。
【0003】
一方、低分子量のアミノ酸誘導体としては、特開昭55−53251号公報に示されているアリルグリシジルエーテルとアミノ酸との重合性単量体化合物や、特開平11−106314号公報に示されているエポキシアルカン類と塩基性アミノ酸の反応によって得られる塩基性アミノ酸誘導体、FRAGRANCE JOUNRAL,1998−5,71〜78に示されているシリコン化加水分解コラーゲン等があり、この内、塩基性アミノ酸誘導体及びシリコン化加水分解コラーゲンは、コンディショニング効果を付与する為、化粧料組成物として用いられることが示されている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
アミノ酸及びアミノ酸誘導体は、毛髪や皮膚を構成するタンパク質の分解物及びその誘導体であることから毛髪や皮膚との親和性が強く、特に低分子量のアミノ酸誘導体は毛髪や肌に湿潤性を与えることから、化粧料分野においてコンディショニング剤や保湿剤などの用途に用いられてきている。しかし、これらのアミノ酸誘導体はその効果を上げる為、毛髪内部への浸透拡散作用の高い数百から千位迄の比較的低分子量のものが用いられている。その為これらの物質には、造膜性は期待できない。また、低分子量である為、洗い流し製品においてはその効果の持続性や泡の安定性等が問題となる場合もある。さらに、蛋白質の分解物であるため刺激性は他の物質と比較し低いものの、低分子量に起因する角層への浸透性及び経皮吸収性などの面より、安全性が問題となる場合もある。
一方、高分子量のアミノ酸誘導体は、タンパク質に代表される様に、その立体構造に由来する配合系での溶解安定性、凝集性等の問題を生ずる事もある。その為、分子量によっては水を含めた溶媒への安定性の点から、処方に制限を受ける場合もある。また、高分子化に伴い毛髪内部への浸透拡散作用が低下し、アミノ酸誘導体のもつ保湿性などの機能が得られない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、低分子量のアミノ酸誘導体の毛髪や皮膚に対する親和性からくる適度な吸着作用と、湿潤効果を有しつつ、高分子化することで排液時間の遅延に起因する化粧料の泡の改質に伴う洗浄時の感触改善、及び角層への浸透性や、経皮吸収性を抑え、さらには高分子化に伴う水を含む溶媒への安定性の改善が、アミノ酸変性重合性単量体を主成分とする単量体の繰り返し単位からなる、側鎖にアミノ酸を有するアミノ酸変性水溶性高分子及び/またはアミノ酸変性重合性単量体を主成分とする単量体と、エチレン性及びアリル性二重結合を有する単量体より選ばれる1種類の単量体との共重合体からなる、側鎖にアミノ酸を有するアミノ酸変性水溶性高分子により達成されることを見出し、下記化学式(1)及び/または下記化学式(2)で表されるアミノ酸変性水溶性高分子を含有することを特徴とする、本発明の化粧料組成物を完成するに至った。
【0006】
本発明のアミノ酸変性水溶性高分子は、アミノ酸を側鎖に有する構造を有する為、アミノ酸の機能を有しつつ、高分子化することで低分子量のアミノ酸誘導体の有しない造膜性、残存性を有し、洗い流し製品においてもコンディショニング効果や湿潤効果を維持できる。
【0007】
(式中R1は水素、炭素数1〜3個のアルキル基又は炭素数2〜3個のアルケニル基、R2は水素、炭素数1〜3個のアルキル基又はカルボキシメチル基、Xは下記化学式(3)及び/又は(4)で示される主鎖と側鎖のアミノ酸を結合するための結合基の結合反応残基、Aはアミノ酸側鎖(アミノ酸分子からα−炭素原子をそれに結合しているアミノ基およびカルボキシル基と共に除いた残基を云い、アミノ酸が酸性アミノ酸の場合、A自体にもカルボキシル基が含まれる)、mは100以上の整数を示す)
【0008】
(式中R1は水素、炭素数1〜3個のアルキル基又は炭素数2〜3個のアルケニル基、R2は水素、炭素数1〜3個のアルキル基又はカルボキシメチル基、Xは下記化学式(3)及び/又は(4)で示される主鎖と側鎖のアミノ酸を結合するための結合基の結合反応残基、Aはアミノ酸側鎖(アミノ酸分子からα−炭素原子をそれに結合しているアミノ基およびカルボキシル基と共に除いた残基を云い、アミノ酸が酸性アミノ酸の場合、A自体にもカルボキシル基が含まれる)、Yはエチレン性及びアリル性二重結合を有する単量体より選ばれる1種類の単量体に由来する繰り返し単位、m+nは100以上の整数かつm、nは各々1以上の整数を示す)
【0009】
(式中R3、R4及びR5は各々水素又は炭素数1〜3個のアルキル基を示す)
【0010】
(式中R3、R4及びR5は各々水素又は炭素数1〜3個のアルキル基を示す)
【0011】
側鎖にアミノ酸を有するアミノ酸変性高分子に関しては特開昭60−158203号公報で開示されているが、アミノ酸に関しては光学活性なアミノ酸に限定されており、また得られアミノ酸変性高分子をCu、Ni、Co等の遷移金属の塩とすることで光学分割能を持った液体クロマトグラフィー用の充填剤として示されており、本発明の目的であるアミノ酸で変性した水溶性高分子が化粧料組成物として優れた効果を発揮することはどこにも示されていない。
【0012】
一方、特開2000−119233号公報に見られる高分子アミノ酸誘導体では、アミノ酸中のアミノ基の窒素原子をポリエポキシ化合物等の架橋剤により結合した、ポリアミノ酸誘導体が、化粧料用途でしっとり感、毛髪への光沢付与、トリートメント効果、及び毛髪や皮膚への湿潤性付与に優れた効果を有することが示されている。しかしながら、これらの物質は、アミノ酸中のアミノ基同士を結合した、主鎖がアミノ酸の構造を採るポリアミノ酸であるため、アミノ酸中のアミノ基が親水性基として充分機能せず、ある一定以上の分子量の高分子となった場合に、水を含めた溶媒中での安定性に欠く性質を持っている。これに対して、水溶液中での安定性に優れる、本発明のアミノ酸変性水溶性高分子は、構造、物性及び機能とも異なるものである。
【0013】
本発明のアミノ酸変性水溶性高分子を得るには、一つの合成方法としてアミノ酸とアミノ酸との反応性基を有する重合性単量体とを反応させて得られた、アミノ酸変性重合性単量体を従来公知の重合方法により得ることが出来る。また同様に、アミノ酸変性水溶性高分子が共重合体の場合も、アミノ酸変性重合性単量体と、エチレン性及びアリル性二重結合を有する単量体より選ばれる1種類の単量体とを従来公知の重合方法により共重合させることで得ることが出来る。これらの重合方法には、過酸化物やアゾ系化合物を開始剤としたラジカル重合法、或いはグリニヤール試薬やアルキル金属類を用いたイオン重合法、放射線重合法などが挙げられる。また別の合成方法としては、アミノ酸との反応性基を有する重合性単量体を先の重合方法により重合した後、アミノ酸と反応する事によっても得ることが可能であり、同様に共重合体の場合は、アミノ酸との反応性基を有する重合性単量体と、エチレン性及びアリル性二重結合を有する単量体より選ばれる1種類の単量体とを先の重合方法により重合した後、アミノ酸と反応する事によっても得ることが可能である。さらには、アミノ酸との反応性基を有する重合性単量体をアミノ酸と反応させながら先の重合方法により重合し得ることも可能であり、同様に共重合体の場合は、アミノ酸との反応性基を有する重合性単量体をアミノ酸と反応させながら、エチレン性及びアリル性二重結合を有する単量体より選ばれる1種類の単量体と先の重合方法により共重合し得ることも可能である。しかし、本発明のアミノ酸変性水溶性高分子を得る合成方法はいずれの合成方法によっても合成可能であり、これらの方法に限定されるものではない。
【0014】
アミノ酸を重合性単量体に付加変性する方法は、下記化学式(5)及び下記化学式(6)で表されるオキシラン化合物をアルカリ条件下に、低級アルコール、多価アルコール等の有機溶媒、あるいはこれら有機溶媒と水との混合溶媒で反応させることができる。例えば、特開昭48−22417号公報記載の方法により容易に合成することが可能である。但し、アルギニンの場合にはアルカリ条件下にせずともオキシラン化合物と反応することが可能である。
【0015】
本発明によるアミノ酸変性水溶性高分子を構成するアミノ酸との反応性基を有する重合性単量体としては、化学式(5)で示されるエポキシ基を有するグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルソルベート、グリシジルメタイタコネート、エチルグリシジルマレート、グリシジルビニルスルフォネートなど、エチレン性二重結合を有するオキシラン化合物や、化学式(6)で示されるエポキシ基を有するアリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、アリル−メチルグリシジルエーテル、メタアリル−メチルグリシジルエーテルなど、アリル性二重結合を有するオキシラン化合物が挙げられる。これらのオキシラン化合物は一種類を各々単独で用いることもできるし、二種類以上を混合して用いることもできる。これらの内、好ましくはグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテルである。
【0016】
(式中R1は水素、炭素数1〜3個のアルキル基又は炭素数2〜3個のアルケニル基、R2は水素、炭素数1〜3個のアルキル基又はカルボキシメチル基、R3、R4及びR5は各々水素又は炭素数1〜3個のアルキル基を示す)
【0017】
(式中R1は水素、炭素数1〜3個のアルキル基又は炭素数2〜3個のアルケニル基、R2は水素、炭素数1〜3個のアルキル基又はカルボキシメチル基、R3、R4及びR5は各々水素又は炭素数1〜3個のアルキル基を示す)
【0018】
この重合性単量体と反応するアミノ酸としては、天然、合成いずれのアミノ酸も使用でき、例えば、グリシン、アラニン、セリン、システイン、シスチン等の中性アミノ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸、リジン、ヒスチジン、アルギニン、オルニチン、ヒドロキシリジン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。これらのアミノ酸は一種類を各々単独で用いることもできるし、二種類以上を混合して用いることもできる。また、D体、L体及びDL体の何れも使用できる。
【0019】
本発明で、オキシラン化合物と共重合を行う単量体として用いられる、エチレン性及びアリル性二重結合を有する単量体の中で、好ましくはアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリル酸エステル類、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、ビニルアセトアミド、ジアセトンアクリルアミド、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール、ジメタクリル酸エチレングリコール、コハク酸2−メタクリロイルオキシエチル、マレイン酸2−メタクリロイルオキシエチル、ジメタクリル酸ポリエチレングリコール、メタクリロイルエチルジメチルベタイン、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−メチルカルボキシベタイン、アリルオキシ−ヒドロキシプロピル−ヒドロキシエチルセルロース、アリルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アクリルアミドグリコール酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸、ビニルホスホン酸ナトリウム、アリルホスホン酸であり、より好ましくは、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール、アリルオキシ−ヒドロキシプロピル−ヒドロキシエチルセルロース、メタクリル酸及び、アクリル酸である。これらは各々市販品を用いることができ、アクリルアミドは商品名アクリルアマイド(三菱化学(株)社製)、N−メチロールアクリルアミドは商品名N−メチロールアクリルアミド(ナカライデスク(株)社製)、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールは商品名ME−15、ME−20及びME−100(東邦化学工業(株)社製)、アリルオキシ−ヒドロキシプロピル−ヒドロキシエチルセルロースは商品名Tylose HL 40 YP2AM(クラリアントポリマー(株)社製)、メタクリル酸は商品名メタクリル酸(三菱レイヨン(株)社製)、アクリル酸は商品名アクリル酸100%(三菱化学(株)社製)として容易に入手可能である。
【0020】
本発明のアミノ酸変性水溶性高分子の重量平均分子量は10万以上、1000万以下が好ましく、より好ましくは50万以上、500万以下である。重量平均分子量が10万未満であると、低分子量に起因する角層への浸透性及び経皮吸収性を抑えることが出来ず、またコンディショニング効果も期待できない。1000万を越える場合は溶媒中での安定性を欠くこととなる。
【0021】
本発明のアミノ酸変性水溶性高分子を含む化粧料組成物は、その使用目的に応じ、酸及びアルカリにてpHを調整することができる。調整する酸としては、塩酸、硫酸、炭酸、リン酸等の無機酸や酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、シュウ酸等の有機酸が、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等の無機系塩基性物質やトリエタノールアミン、トリエチルアミン、アンモニア等の有機系塩基性物質が挙げられる。
【0022】
本発明のアミノ酸変性水溶性高分子の化粧料に対する配合量は0.1〜10重量%が好ましく、0.1重量%未満では効果が十分に発揮されず、10重量%を越えると使用後にベトつき感やゴワつき感が生じ使用感が悪くなる。
【0023】
本発明のアミノ酸変性水溶性高分子を公知の処方により処方系内に所要量配合することで本発明の化粧料が得られるが、化粧料中の他の成分は特に限定されず、化粧料に一般に用いられる成分を任意成分として配合することが可能である。配合可能な他の成分を下記に例示する。
【0024】
アニオン界面活性剤としては、アルキル(炭素数8〜24)硫酸塩、アルキル(炭素数8〜24)エーテル硫酸塩、アルキル(炭素数8〜24)ベンゼンスルホン酸塩、アルキル(炭素数8〜24)リン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜24)エーテルリン酸塩、アルキル(炭素数8〜24)スルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜24)エーテルスルホコハク酸塩、アシル(炭素数8〜24)化アラニン塩、アシル(炭素数8〜24)化グルタミン酸塩、アシル(炭素数8〜24)化イセチオン酸塩、アシル(炭素数8〜24)化サルコシン酸塩、アシル(炭素数8〜24)化タウリン塩、アシル(炭素数8〜24)化メチルタウリン塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、エーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレン脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩、長鎖(炭素数8〜24)カルボン酸塩等が挙げられる。
【0025】
ノニオン界面活性剤としては、アルカノールアミド、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、テトラポリオキシアルキレンエチレンジアミン縮合物類、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油誘導体、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油誘導体、アルキルポリグリコシド、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0026】
両性界面活性剤としては、アルキル(炭素数8〜24)アミドプロピルベタイン、アルキル(炭素数8〜24)カルボキシベタイン、アルキル(炭素数8〜24)スルホベタイン、アルキル(炭素数8〜24)ヒドロキシスルホベタイン、アルキル(炭素数8〜24)アミノカルボン酸、アルキル(炭素数8〜24)イミダゾリニウムベタイン、アルキル(炭素数8〜24)アミンオキシド、3級窒素及び4級窒素を含むアルキル(炭素数8〜24)リン酸エステル等が挙げられる。
【0027】
高分子としてはアニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性の高分子を配合することができる。アニオン性高分子の例としては、アクリル酸誘導体(ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸・アクリルアミド・アクリル酸エチル共重合体及びその塩等)、メタクリル酸誘導体(ポリメタクリル酸及びその塩、メタクリル酸・アクリルアミド・ジアセトンアクリルアミド・アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル共重合体及びその塩等)、クロトン酸誘導体(酢酸ビニル・クロトン酸共重合体等)、マレイン酸誘導体(無水マレイン酸・ジイソブチレン共重合体、イソブチレン・マレイン酸共重合体等)、ポリグルタミン酸及びその塩、ヒアルロン酸及びその塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。
【0028】
カチオン性高分子の例としては、第4級窒素変性ポリサッカライド(カチオン変性セルロース誘導体、カチオン変性グアーガム、カチオン変性ローカストビーンガム、カチオン変性デンプン等)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム等)、ビニルピロリドン誘導体(ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体塩、ビニルピロリドン・メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン・塩化メチルビニルイミダゾリウム共重合体等)、メタクリル酸誘導体(メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体等)等が挙げられる。
【0029】
ノニオン性高分子の例としては、アクリル酸誘導体(アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、ポリアクリル酸アミド等)、ビニルピロリドン誘導体(ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体等)、ポリオキシアルキレングリコール誘導体(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、セルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリサッカライド及びその誘導体(グアーガム、ローカストビーンガム、デキストラン等)、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂等が挙げられる。
【0030】
両性高分子の例としては、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体等)、メタクリル酸誘導体(ポリメタクリロイルエチルジメチルベタイン、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体等)等が挙げられる。
【0031】
油分としては、オリーブ油、ホホバ油、流動パラフィン、脂肪酸アルキル等が挙げられる。また、パール化剤としては脂肪酸エチレングリコール等が、懸濁剤としてはポリスチレン乳化物等が挙げられる。
【0032】
その他の成分としては、カチオン界面活性剤、可溶化剤(エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等)、保湿剤(グリセリン、ソルビトール、マルチトール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、酸化防止剤、シリコーン及びシリコーン誘導体、高級アルコール、高級脂肪酸、増粘剤、金属封鎖剤(エデト酸塩等)、紫外線吸収剤、殺菌剤、防腐剤、色素、香料、起泡増進剤等が挙げられる。
【0033】
【実施例】
以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
実施例1
グリシン7.5g(0.1mol)を30wt%のイソプロパノール水溶液110.0gに溶解させた後、48%水酸化ナトリウム水溶液8.3g(0.1mol)を添加し均一に溶解した。40℃まで加温しグリシジルメタクリレート(以下GMAと記す)14.2g(0.1mol)を6時間で滴下した。滴下後60℃に昇温し、同温度で10時間反応させる。反応終了後35%塩酸にてpH6〜7に調製後蒸留水90.0gで希釈した。希釈後窒素を導入し2時間脱酸素を行う。脱酸素後55℃まで昇温しV−50(アゾ系重合開始剤:和光純薬社製)を0.1g添加し6時間重合を行う。6時間後更にV−50を0.5g添加し、更に同温度にて10時間重合を行う。重合反応終了後、減圧にてイソプロパノールを除去、本発明品の化合物の12%水溶液品180gを得た(表1中の合成物1、重量平均分子量;100万)。
【0035】
実施例2
アミノ酸をグリシンからグルタミン酸に代え、実施例1と同様の方法にて合成を実施した。実施結果を表1中に示す(表1中の合成物2、重量平均分子量;150万)。
【0036】
実施例3
L−アルギニン17.4g(0.1mol)を30wt%のイソプロパノール水溶液104.4gに溶解させた後、40℃まで加温しGMA14.2g(0.1mol)を6時間で滴下した。滴下後60℃に昇温し、同温度で10時間反応させる。反応終了後35%塩酸にてpH6〜7に調製した。調整後蒸留水465gを加え、更にアクリルアミド31.6g(0.43mol)を加え溶解させた後、窒素を導入し2時間脱酸素を行う。脱酸素後55℃まで昇温しV−50(アゾ系開始剤:和光純薬社製)を0.6g添加し6時間重合を行う。6時間後更にV−50を1.2g添加し、更に同温度にて10時間重合を行う。重合反応終了後、減圧にてイソプロパノールを除去、本発明品の化合物の11%水溶液品578gを得た。実施結果を表1中に示す(表1中の合成物3、重量平均分子量;170万)。
【0037】
実施例4
L−アルギニン17.4g(0.1mol)を30wt%のイソプロパノール水溶液104.4gに溶解させた後、40℃まで加温しGMA14.2g(0.1mol)を6時間で滴下した。滴下後60℃に昇温し、同温度で10時間反応させる。反応終了後35%塩酸にてpH6〜7に調製した。調整後蒸留水385gを加え、更にN−メチロールアクリルアミド15.8g(0.16mol)を加え溶解させた後、窒素を導入し2時間脱酸素を行う。脱酸素後55℃まで昇温しV−50(アゾ系開始剤:和光純薬社製)を0.5g添加し6時間重合を行う。6時間後更にV−50を1.0g添加し、更に同温度にて10時間重合を行う。重合反応終了後、減圧にてイソプロパノールを除去、本発明品の化合物の10%水溶液品480gを得た。実施結果を表1中に示す(表1中の合成物4、重量平均分子量;120万)
【0038】
実施例5
グリシン7.5g(0.1mol)を30wt%のイソプロパノール水溶液110.0gに溶解させた後、48%水酸化ナトリウム水溶液8.3g(0.1mol)を添加し均一に溶解した。40℃まで加温しGMA14.2g(0.1mol)を6時間で滴下した。滴下後60℃に昇温し、同温度で10時間反応させる。反応終了後35%塩酸にてpH6〜7に調製した。調整後蒸留水325gを加え、更にメタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(商品名ME−100:東邦化学工業(株)社製)10.8g(0.01mol)を加え溶解させた後、窒素を導入し2時間脱酸素を行う。脱酸素後55℃まで昇温しV−50(アゾ系開始剤:和光純薬社製)を0.3g添加し6時間重合を行う。6時間後更にV−50を0.6g添加し、更に同温度にて10時間重合を行う。重合反応終了後、減圧にてイソプロパノールを除去、本発明品の化合物の8%水溶液品410gを得た。実施結果を表1中に示す(表1中の合成物5、重量平均分子量;200万)
【0039】
実施例6
グリシン7.5g(0.1mol)を30wt%のイソプロパノール水溶液110.0gに溶解させた後48%水酸化ナトリウム水溶液8.3g(0.1mol)を添加し均一に溶解した。40℃まで加温しGMA14.2g(0.1mol)を6時間で滴下した。滴下後60℃に昇温し、同温度で10時間反応させる。反応終了後35%塩酸にてpH6〜7に調製した。調整後蒸留水976gを加え、更にアリルオキシ−ヒドロキシプロピル−ヒドロキシエチルセルロース(商品名Tylose HL 40 YP2AM:クラリアントポリマー(株)社製)43.4gを加え溶解させた後、窒素を導入し2時間脱酸素を行う。脱酸素後55℃まで昇温しV−50(アゾ系開始剤:和光純薬社製)を1.0g添加し6時間重合を行う。6時間後更にV−50を2.0g添加し、更に同温度にて10時間重合を行う。重合反応終了後、減圧にてイソプロパノールを除去、本発明品の化合物の6%水溶液品1085gを得た。実施結果を表1中に示す(表1中の合成物6、重量平均分子量;300万)
【0040】
実施例7
L−アルギニン17.4g(0.1mol)を30wt%のイソプロパノール水溶液104.4gに溶解させた後、40℃まで加温しGMA14.2g(0.1mol)を6時間で滴下した。滴下後60℃に昇温し、同温度で10時間反応させる。反応終了後35%塩酸にてpH3〜4に調製した。調整後蒸留水266gを加え、更にアクリル酸3.2g(0.04mol)を加え溶解させた後、窒素を導入し2時間脱酸素を行う。脱酸素後55℃まで昇温しV−50(アゾ系開始剤:和光純薬社製)を0.4g添加し6時間重合を行う。6時間後更にV−50を0.8g添加し、更に同温度にて10時間重合を行う。重合反応終了後、減圧にてイソプロパノールを除去、本発明品の化合物の10%水溶液品350gを得た。実施結果を表1中に示す(表1中の合成物7、重量平均分子量;90万)。
【0041】
実施例8
実施例1〜7で得たアミノ酸変性水溶性高分子(合成物1〜7)を用いて表2の(A)に示した組成のシャンプーを調整した。表2中の(A)の(12)を60℃に加熱し、(1)を撹拌しながら加え溶解させ、溶解を確認した後、50〜60℃で(3)〜(8)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で(9)〜(11)を同様に撹拌しながら加え均一に混合した。こうして表1の(A)に示した組成のシャンプーを各々調整し、実施例1〜7で得た本発明品の合成物1〜7の順に本発明品の処方1〜7とした。尚、標準品として表2の(B)に示したアミノ酸変性水溶性高分子を配合しないシャンプーを調整した。表2中の(B)の(12)を60℃に加熱し、50〜60℃で(3)〜(8)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で(9)〜(11)を同様に撹拌しながら加え均一に混合した。こうして表1の(B)に示した組成のシャンプーを調整し、標準品とした。
【0042】
【表1】
【0043】
表2の(A)にて調整した各々のシャンプーについて、10名のテスターにより次に示した項目の性能評価を実施した。使用時における洗髪時の感触、濡れた髪の感触、及び乾いた髪の感触を表2の標準品(B)にて調整した標準品と比較し、下記表3の方法にて数値化し、その積算値を求めた。この結果を表4に示した。
【0044】
比較例1
本発明のアミノ酸変性水溶性高分子とその効果を比較するため、低分子量のアミノ酸誘導体としてヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンを配合したシャンプーを表2の比較品(C)に示した組成で調整した。表2中の(C)の(12)を60℃に加熱し、(2)を撹拌しながら加え溶解させ、溶解を確認した後、50〜60℃で(3)〜(8)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で(9)〜(11)を同様に撹拌しながら加え均一に混合した。こうして表2の(C)に示した組成のシャンプーを調整し、比較品1とした。ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンは化粧品種別配合成分規格に収載されているものをサンプルとして使用した。実施例8と同様に、使用時における洗髪時の感触、濡れた髪の感触、及び乾いた髪の感触を標準品と比較した。この結果を表4中に示した。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
表4の結果より、アミノ酸変性水溶性高分子を配合することによりシャンプーの性能が改善された事がわかる。また、その機能は低分子量のアミノ酸誘導体より優れている事がわかった。
【0049】
実施例9
実施例1〜7で得たアミノ酸変性水溶性高分子(合成物1〜7)を用いて表5の(A)に示した組成のリンスを調整した。表5中の(A)の(3)〜(8)を80℃に加熱し撹拌して均一にした溶液に、予め(10)に(1)を撹拌しながら溶解した溶液を80℃に加熱し、撹拌しながら加えた後、冷却しながら(9)を加えて均一に混合した。こうして表5の(A)に示した組成のリンスを各々調整し、実施例1〜7で得た本発明品の合成物1〜7の順に本発明品の処方8〜14とした。尚、標準品として表5の標準品(B)に示したアミノ酸変性カチオン性ポリマーを配合しないリンスを調整した。表5中の(B)の(3)〜(8)を80℃に加熱し撹拌して均一にした溶液に、80℃に加熱した(10)を撹拌しながら加えた後、冷却しながら(9)を加えて均一に混合した。こうして表5の(B)に示した組成のリンスを調整し、標準品とした。
【0050】
表5の(A)にて調整した各々のリンスについて、10名のテスターにより次に示した項目の性能評価を実施した。乾いた髪の柔軟性、櫛通り、しっとり感、及び艷を表5の標準品(B)にて調整した標準品と比較し、下記表6の方法にて数値化し、その積算値を求めた。この結果を表7に示した。
【0051】
【表5】
【0052】
比較例2
本発明のアミノ酸変性水溶性高分子とその効果を比較するため、低分子量のアミノ酸誘導体として、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンを配合したリンスを表5の比較品(C)に示した組成で調整した。表5中の(C)の(3)〜(8)を80℃加熱し撹拌して均一にした溶液に、予め(10)に(2)を撹拌しながら溶解した溶液を80℃に加熱し、撹拌しながら加えた後、冷却しながら(9)を加えて均一に混合した。こうして表5の(C)に示した組成のリンスを調整し、比較品2とした。実施例9と同様に、リンス使用後の乾いた髪の柔軟性、櫛通り、しっとり感、及び艶を標準品と比較した。この結果を表7中に示した。
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】
表7の結果より、リンス処方においては、アミノ酸変性水溶性高分子は低分子量のアミノ酸誘導体と同等以上の機能を有し、リンスの性能が改善された事がわかった。
【0056】
実施例10
実施例1〜7で得たアミノ酸変性水溶性高分子(合成物1〜7)を用いて表8の(A)に示した組成のボディソープを調整した。表8中の(A)の(13)を60℃に加熱し、(1)を撹拌しながら加え溶解させ、溶解を確認した後、50〜60℃で(3)〜(8)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で(9)〜(12)を同様に撹拌しながら加え均一に混合した。こうして表8の(A)に示した組成のボディソープを各々調整し、実施例1〜7で得た本発明品の合成物1〜7の順に本発明品の処方15〜21とした。尚、標準品として表8の標準品(B)に示したアミノ酸変性カチオン性ポリマーを配合しないボディソープを調整した。表8中の(B)の(13)を60℃に加熱し、50〜60℃で(3)〜 (8)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で(9)〜(12)を同様に撹拌しながら加え均一に混合した。こうして表8の(B)に示した組成のボディソープを調整し、標準品とした。
【0057】
表8の(A)にて調整した各々のボディソープについて、10名のテスターにより次に示した項目の性能評価を実施した。洗浄時の泡の感触、すすぎ易さ及び、乾いた時のしっとり感を表8の標準品(B)にて調整した標準品と比較し、下記表9の方法にて数値化しその積算値を求めた。この結果を表10に示した。
【0058】
【表8】
【0059】
比較例3
本発明のアミノ酸変性水溶性高分子とその効果を比較するため、低分子量のアミノ酸誘導体として、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンを配合したボディソープを表8の比較品(C)に示した組成で調整した。表8中の(C)の(13)を60℃に加熱し、(2)を撹拌しながら加え溶解させ、溶解を確認した後、50〜60℃で(3)〜(8)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で(9)〜(12)を同様に撹拌しながら加え均一に混合した。こうして表8の(C)に示した組成のボディソープを調整し、比較品3とした。実施例10と同様に、洗浄時の泡の感触、すすぎ易さ及び、乾いた時のしっとり感を標準品と比較した。この結果を表10中に示した。
【0060】
【表9】
【0061】
【表10】
【0062】
表10の結果より、アミノ酸変性水溶性高分子を配合することによりボディソープの性能が改善された事がわかる。また、その機能は低分子量のアミノ酸誘導体より優れている事がわかった。
【0063】
実施例11
実施例1〜7で得たアミノ酸変性水溶性高分子(合成物1〜7)を用いて表11の(A)に示した組成のスタイリングジェルを調整した。表11中の(A)の(11)を60℃に加熱し、(1)を撹拌しながら加え溶解させ、溶解を確認した後、50〜60℃で(3)、(4)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で(5)〜(10)を同様に撹拌しながら加え均一に混合した。こうして表8の(A)に示した組成のスタイリングジェルを調整し、実施例1〜7で得た本発明品の合成物1〜7の順に本発明品の処方22〜28とした。尚、標準品として表11の標準品(B)に示したアミノ酸変性カチオン性ポリマーを配合しないスタイリングジェルを調整した。表8中の(B)の(11)を60℃に加熱し、50〜60℃で(3)、(4)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で(5)〜(10)を同様に撹拌しながら加え均一に混合した。こうして表8の(B)に示した組成のスタイリングジェルを調整し、標準品とした。
【0064】
【表11】
【0065】
表11の(A)にて調整した各々のスタイリングジェルについて、10名のテスターにより次に示した項目の性能評価を実施した。塗布のしやすさ、使用後の感触を表11の標準品(B)にて調整した標準品と比較し、下記表12の方法にて数値化し、その積算値を求めた。この結果を表14に示した。
【0066】
比較例4
本発明のアミノ酸変性水溶性高分子とその効果を比較するため、低分子量のアミノ酸誘導体として、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンを配合したスタイリングジェルを表11の比較品(C)に示した組成で調整した。表11中の(C)の(11)を60℃に加熱し、(2)を撹拌しながら加え溶解させ、溶解を確認した後、50〜60℃で(3)、(4)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で(5)〜(10)を同様に撹拌しながら加え均一に混合した。こうして表8の(C)に示した組成のスタイリングジェルを調整し、比較品4とした。実施例11と同様に、塗布のしやすさ、使用後の感触を表11の標準品(B)にて調整した標準品と比較し、下記表12の方法にて数値化し、その積算値を求めた。この結果を表14中に示した。
【0067】
【表12】
【0068】
また、セット保持力については次の方法にて評価を実施した。長さ18cm、重さ15gの毛束を水で濡らし、調整したスタイリングジェルを塗布し、ロッド(外径2cm)に巻き、その状態で自然乾燥させカールをつけた。乾燥した後、カールのついた毛束をロッドから外した。この毛束を恒温恒湿(20℃、40%RH)雰囲気中に30分間つるし、カールの伸びを観察し、カールの伸びの程度でセット保持力を下記表13の評価基準に従って評価し、その結果を表14に示した。
【0069】
尚、スタリングジェルを塗布しない以外は、前述と同様にロッドに巻き、自然乾燥させた毛束の、ロッドを外した直後の長さを保持力100%とした。また、ロッドを外し恒温恒湿(20℃、40%RH)雰囲気中に24時間放置し、その状態での毛束の長さを保持力0%とした。
【0070】
【表13】
【0071】
【表14】
【0072】
表14の結果より、アミノ酸変性水溶性高分子を配合することによりスタイリングジェルの性能が改善された事がわかる。また、セット保持力においては低分子量のアミノ酸誘導体より優れ、使用後の感触は低分子量のアミノ酸誘導体と同等以上の機能を有している事がわかった。
【0073】
実施例12
実施例1〜7で得たアミノ酸変性水溶性高分子(合成物1〜7)を用いて表15の(A)に示した組成のアフターシェーブローションを調整した。表15中の(A)の(13)を60℃に加熱し、(1)及び(3)を撹拌しながら加え溶解させ、溶解を確認した後、50〜60℃で(4)〜(7)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で(8)〜(12)を同様に撹拌しながら加え均一に混合した。こうして表15の(A)に示した組成のアフターシェーブローションを調整し、実施例1〜7で得た本発明品の合成物1〜7の順に本発明品の処方29〜35とした。尚、標準品として表15の標準品(B)に示したアミノ酸変性カチオン性ポリマーを配合しないスタイリングジェルを調整した。表15中の(B)の(11)を60℃に加熱し、(3)を撹拌しながら加え溶解させ、溶解を確認した後、50〜60℃で(4)〜(7)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で(8)〜(12)を同様に撹拌しながら加え均一に混合した。こうして表8の(B)に示した組成のアフターシェーブローションを調整し、標準品とした。
【0074】
【表15】
【0075】
表15の(A)にて調整した各々のアフターシェーブローションについて、10名のテスターにより使用後の感触を表15の標準品(B)にて調整した標準品と比較し、下記表16の方法にて数値化し、その積算値を求めた。この結果を表17に示した。
【0076】
比較例5
本発明のアミノ酸変性水溶性高分子とその効果を比較するため、低分子量のアミノ酸誘導体として、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンを配合したアフターシェーブローションを表15の比較品(C)に示した組成で調整した。表15中の(C)の(13)を60℃に加熱し、(2)及び(3)を撹拌しながら加え溶解させ、溶解を確認した後、50〜60℃で(4)〜(7)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で(8)〜(12)を同様に撹拌しながら加え均一に混合した。こうして表15の(C)に示した組成のアフターシェーブローションを調整し、比較品5とした。実施例12と同様に、使用後の感触を表15の標準品(B)にて調整した標準品と比較し、下記表16の方法にて数値化し、その積算値を求めた。この結果を表17中に示した。
【0077】
【表16】
【0078】
表17の結果より、アミノ酸変性水溶性高分子は低分子量のアミノ酸誘導体と同等以上の機能を有し、アフターシェーブローションの性能が改善されている事がわかった。
【0079】
【表17】
【0080】
【発明の効果】
以上の結果から、側鎖にアミノ酸を有するアミノ酸変性水溶性高分子を配合した化粧料組成物は、低分子量のアミノ酸誘導体を配合した化粧料組成物が有するコンディショニング効果や湿潤効果などの機能を維持しつつ、浸透性の軽減及び泡改質による洗浄時の感触を改善し、また洗い流し製品に配合した場合においても、その機能を失うことなく維持し続けるものである。
Claims (3)
- 下記化学式(1)及び/または下記化学式(2)に示されるアミノ酸を側鎖に有するアミノ酸変性水溶性高分子を配合した化粧料組成物。
(式中R1は水素、炭素数1〜3個のアルキル基又は炭素数2〜3個のアルケニル基、R2は水素、炭素数1〜3個のアルキル基又はカルボキシメチル基、Xは下記化学式(3)及び/又は(4)で示される主鎖と側鎖のアミノ酸を結合するための結合基の結合反応残基、Aはアミノ酸側鎖(アミノ酸分子からα−炭素原子をそれに結合しているアミノ基およびカルボキシル基と共に除いた残基を云い、アミノ酸が酸性アミノ酸の場合、A自体にもカルボキシル基が含まれる)、mは100以上の整数を示す)
(式中R1は水素、炭素数1〜3個のアルキル基又は炭素数2〜3個のアルケニル基、R2は水素、炭素数1〜3個のアルキル基又はカルボキシメチル基、Xは下記化学式(3)及び/又は(4)で示される主鎖と側鎖のアミノ酸を結合するための結合基の結合反応残基、Aはアミノ酸側鎖(アミノ酸分子からα−炭素原子をそれに結合しているアミノ基およびカルボキシル基と共に除いた残基を云い、アミノ酸が酸性アミノ酸の場合、A自体にもカルボキシル基が含まれる)、Yは二重結合を有する重合性単量体に由来する繰り返し単位、m+nは100以上の整数かつm、nは各々1以上の整数を示す)
(式中R3、R4及びR5は各々水素又は炭素数1〜3個のアルキル基を示す)
(式中R3、R4及びR5は各々水素又は炭素数1〜3個のアルキル基を示す) - 請求項1の化学式(2)中の二重結合を有する重合性単量体が、エチレン性及びアリル性二重結合を有する単量体より選ばれる1種類の単量体である請求項1記載の化粧料組成物。
- アミノ酸変性水溶性高分子が化粧料に対して0.1〜10重量%配合されてなる請求項1又は2記載の化粧料組成物。
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