JP3986477B2 - ボールトナット結合構造 - Google Patents
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あるいは、上方ナットと下方ナットと固定ボールトと付属ボールトとから成るボールトナット結合構造に於て、上記上方ナットにはその下面部に円形の凹窪部を設けると共に上記付属ボールトが挿入されるネジ孔を上下方向に該凹窪部の周上の一部を通過するよう設け、かつ、上記固定ボールトには下方が直径大であって上方が直径小として直径に差異があると共にネジピッチを異にした2段ネジを設け、しかも、上記直径とネジピッチを異にした双方のネジ境界部位置に外円形部を形成し、上記上方ナットの上記凹窪部に挿入状となる上記固定ボールトの上記外円形部に、上記付属ボールトが噛み合ってねじ込まれ、上記上方ナットと固定ボールトが、一体化するように構成したものである。
さらに、付属ボールトによる噛み込み作用により、上方ナット及び下方ナットに緩みが一切生じず、被締結部材を永久的に締め付けた状態に維持することができる。
つまり、産業界における生産機械や輸送機械に必要不可欠な、接合物体(部材)の締め付けにおいて、設計者の意図する締め付け状態を恒久的に永続維持することができる。従って、生産機械や輸送機器において振動や環境の変化等により生じるおそれのあるボールトナットの緩み、脱落の危惧を払拭し、安全な生産活動や輸送業務に専念することができる。
さらに、直径とネジピッチを異にした双方のネジ境界部位置に、短円柱形状の外円形部7を形成している。つまり、小径ネジ部9と大径ネジ部10との間に、軸心方向に所定小寸法を有し外周面が円形の外円形部7が形成され、外円形部7の直径Dは、小径ネジ部9の外径Mより大きく、大径ネジ部10の外径M1より小さく設定されている。
そして、部材A,Bの貫孔に固定ボールト4を挿入し、下方ナット2を所定の締め付けトルクにて締め付けて、性能を満足させた圧接を確保せしめた状態とした後、上方ナット1を螺着させ、下方ナット2の上面と上方ナット1の下面とを面接触させる。この状態を半組み立て状態と呼ぶ。
半組み立て状態において、固定ボールト4の外円形部7(の一部)が凹窪部6内において露出状(突出状)となり、外円形部7の外周面と凹窪部6の内周面(周面6a)とを内外側壁とする環状の周溝8が形成される。
そして、付属ボールト3の外径は、固定ボールト4の外円形部7と下方ナット2の凹窪部6によって形成されたこの周溝8の溝幅よりも大に設定されている。
つまり、付属ボールト3が、タッピンネジとして機能し、外円形部7の外周面と、凹窪部6の周面6aとに接触し、食い込み(噛み込み)、ネジ溝を形成しながら進むこととなる。従って、付属ボールト3は、下方ナット2及び固定ボールト4よりも硬質の材質とするのが好ましい。
さらに、付属ボールト3による固定ボールト4の外円形部7及び下方ナット2の凹窪部6への噛み込み作用により、固定ボールト4に下方ナット2と上方ナット1が固定される。従って、上方ナット1及び下方ナット2に緩みが一切生じず、被締結部材A,Bを永久的に締め付けた状態に維持することができる。
凹窪部16は、上方ナット11のネジ孔と同心状となるよう円形に形成され、上方ナット11の下面(下方ナット12との当接面)から段付き部が形成されて凹窪部16とされ、上面側へ上方ナット11のネジ孔へと続く。凹窪部16は、浅い(偏平)円柱状孔であり、D1は、凹窪部16の直径を表す。
図6では、上方ナット11が一般的に使用されている六角(低)ナットとされており、ネジ孔15は、上方ナット11の軸心と平行な軸心を有するよう上下貫通状に形成されている。 また、上方ナット11の下面は、凹窪部16、ネジ孔15が形成されているがその他の部分は平滑面とされている。
図6においては、上方ナット11の軸心からネジ孔15の軸心までの寸法が、凹窪部16の半径と(略)一致するよう、ネジ孔15が配置されている。
また、図7に示すように、下方ナット12は、一般的に使用されている六角ナットとされており、上面下面を平滑面としている。
さらに、直径とネジピッチを異にした双方のネジ境界部位置に、短円柱形状の外円形部17を形成している。つまり、小径ネジ部19と大径ネジ部20との間に、軸心方向に所定小寸法を有し外周面が円形の外円形部17を形成し、外円形部17の直径Dは、小径ネジ部19の外径Mより大きく、大径ネジ部20の外径M1より小さく設定されている。
そして、部材A,Bの貫孔に固定ボールト14を挿入し、下方ナット12を所定の締め付けトルクにて締め付けて、性能を満足させた圧接を確保せしめた状態とした後、上方ナット11を螺着させ、下方ナット12の上面と上方ナット11の下面とを面接触させる。この状態を半組み立て状態と呼ぶ。
この半組み立て状態から、付属ボールト13をネジ孔15に螺進させることにより、図10に示すように、上記最近距離aと外円形部17の半径rとの関係により、付属ボールト13が、上方ナット11の上記凹窪部16に挿入状となる固定ボールト14の外円形部17に、付属ボールト13が噛み合ってねじ込まれ、上方ナット11と固定ボールト14が、一体化する。これにより、上方ナット11は回転することが一切なく、上方ナット11の下面に上面が当接する下方ナット12を回転させることがなく、また、上方ナット11が回転することもない。
さらに、図10の状態から、さらに付属ボールト13は(矢印eのように)螺進し、図9に示すように、付属ボールト13の先端面が下方ナット12の上面に当接しかつ押圧した状態となり、下方ナット12の緩み止めを一層強固にしている。
さらに、付属ボールト13による、固定ボールト14の外円形部17への噛み込み作用により上方ナット11が固定ボールトと一体となって廻り止めがされ、そして、上方ナット11が、その下面において接触する下方ナット12の廻り止めとして作用する。従って、上方ナット11及び下方ナット12に緩みが一切生じず、被締結部材A,Bを永久的に締め付けた状態に維持することができる。
2 下方ナット
3 付属ボールト
4 固定ボールト
5 ネジ孔
6 凹窪部
6a 周面
7 外円形部
8 周溝
11 上方ナット
12 下方ナット
13 付属ボールト
14 固定ボールト
15 ネジ孔
16 凹窪部
17 外円形部
Claims (2)
- 上方ナット(1)と下方ナット(2)と固定ボールト(4)と付属ボールト(3)とから成るボールトナット結合構造に於て、上記上方ナット(1)には上記付属ボールト(3)が挿入されるネジ孔(5)を上下方向に設け、かつ、上記下方ナット(2)にはその上面部に円形の凹窪部(6)を設け、さらに、上記固定ボールト(4)には下方が直径大であって上方が直径小として直径に差異があると共にネジピッチを異にした2段ネジを設け、しかも、上記直径とネジピッチを異にした双方のネジ境界部位置に外円形部(7)を形成し、上記付属ボールト(3)の外径を、該外円形部(7)と上記下方ナット(2)の凹窪部(6)によって形成された周溝(8)の溝幅よりも大に設定して、該付属ボールト(3)が、該周溝(8)の内径側の上記外円形部(7)、及び、外径側の凹窪部(6)の周面(6a)に噛み合ってねじ込まれ、上記上方ナット(1)と下方ナット(2)と固定ボールト(4)が、一体化するように構成したことを特徴とするボールトナット結合構造。
- 上方ナット(11)と下方ナット(12)と固定ボールト(14)と付属ボールト(13)とから成るボールトナットに於て、上記上方ナット(11)にはその下面部に円形の凹窪部(16)を設けると共に上記付属ボールト(13)が挿入されるネジ孔(15)を上下方向に該凹窪部(16)の周上の一部を通過するよう設け、かつ、上記固定ボールト(14)には下方が直径大であって上方が直径小として直径に差異があると共にネジピッチを異にした2段ネジを設け、しかも、上記直径とネジピッチを異にした双方のネジ境界部位置に外円形部(17)を形成し、上記上方ナット(11)の上記凹窪部(16)に挿入状となる上記固定ボールト(14)の上記外円形部(17)に、上記付属ボールト(13)が噛み合ってねじ込まれ、上記上方ナット(11)と固定ボールト(14)が、一体化するように構成したことを特徴とするボールトナット結合構造。
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