JP3986133B2 - 多連デッキエレベータの着床制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、1つのかご枠内に各階ホールに対応する複数の独立したかご室を連設してなる多連デッキエレベータの着床制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、オフィスビルディングにおけるエレベータの設置面積は利用者数にほぼ比例するので、ビルが高層化され階床数が多くなればなるほど、建物内の各階の面積に占めるエレベータの占有面積の比率が多くなる。従って、ビルの高層化により建物の延床面積を増大させても、その割には建物内の有効利用空間は多くはならないという事態が生じる。
【0003】
これを解決するには、エレベータの高速化を図り単位時間当たりの乗客の輸送能力を増加させることも一方法であるが、乗り心地や騒音発生等の問題があるため自ずから限界がある。
【0004】
そこで、近年、1つのかご枠内に複数のかご室を多連で設け、多連の複数のかごに対応して連続した各階床に着床制御するようにした多連デッキエレベータがが考えられている。例えば、上かご室と下かご室の2つのかご室を上下階ホールにそれぞれ対応するように設けた二連のダブルデッキエレベータが採用されている。この多連デッキエレベータによれば、建物内に占めるエレベータの占有面積をそれほど増大させることなく、一定時間内に多数の乗客を運ぶことが可能となる。
【0005】
図8は、従来の二連のダブルデッキエレベータの構成を示す斜視図である。図示の如く、1つのかご枠1の昇降方向に、上かご室1Aと下かご室1Bとからなるそれぞれ独立した客室が連設されていて、各かご室1A、1Bにはそれぞれドア1A1、1B1が設けられている。このダブルデッキエレベータは、ホール呼びまたはかご呼びに応じて、上かご室1Aと下かご室1Bとが所定の上の階UFと下の階DFとにそれぞれ対応して停止し、かつ上下のドア1A1、1B1の双方もしくはいずれか一方のドア(1A1または1B1)が開き、乗客が乗り降りできるよう構成されている。
【0006】
このようなダブルデッキエレベータでは、かご枠1に上かご着床検出スイッチ1A2および下かご着床検出スイッチ1A3の2個の着床検出スイッチが設けられており、それらに対応して、昇降路側には上かご着床検出板21Aおよび下かご着床検出板21Bがそれぞれ設けられている。つまり、上かご着床検出スイッチ1A2が昇降路側の上かご着床検出板21Aと接触したとき、その上かご着床検出スイッチ1A2から着床検出信号が出力され、同様に、下かご着床検出スイッチ1A3が昇降路側の下かご着床検出板21Bと接触したとき、その下かご着床検出スイッチ1A3から着床検出信号が出力されるようになっている。かくして、ダブルデッキエレベータは2つの階(UFとDF)にまたがって停止する。
【0007】
また、2つの階(UFとDF)のうちの一方において、乗客の乗降が禁止されているかあるいはホールドアが設けられていないといった場合がある。このような場合には、着床検出スイッチがそのかごに相当する着床検出板を検出しないような構成をとっている。従って、上下かごでそれぞれ停止可能な階の分だけ、着床検出板が取り付けられている。
【0008】
ここで、エレベータの何らかの故障により緊急停止が必要となった場合、エレベータがまだ動ける状況にあるときは、上下かご室1A、1Bに居る乗客を速やかに降ろす必要がある。この場合、予め定められた方向に運転し、上下かご室1A、1Bのいずれか一方の戸開が可能な最寄りの階を見つけるよう着床制御を行い、乗客の救出を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来においては、上下かご室1A、1Bのいずれか一方の戸開が可能な最寄りの階を見つけて着床制御を行い乗客の救出を行っているので、乗客の救出に時間が掛かる。すなわち、上かごが戸開可能な階床に着床制御したときに下かごが戸開禁止であった場合には再度エレベータを運転し下かごが戸開可能な階床に着床制御する必要がある。
【0010】
このように、従来の多連デッキエレベータの着床制御装置では、昇降路に多く設けられた着床検出板を用い、エレベータ故障時には予め定められた方向に運転を行い、少なくとも上下かご室1A、1Bの一方が着床し戸開が可能な階を検出し乗客の救出を行っている。従って乗客の救出に時間が掛かる。
【0011】
本発明の目的は、エレベータの故障発生時に速やかに乗客を救出できる着床制御が行える多連デッキエレベータの着床制御装置を得ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係わる多連デッキエレベータの着床制御装置は、1つのかご枠内に独立して設けられた複数のかごのうちの1つのかごの床レベルを検出する着床検出手段と、連設するかごの戸開禁止階を検出する戸開禁止検出手段と、各かご内の荷重を検出する荷重検出手段と、エレベータ故障発生時には荷重検出手段の検出信号に基づいて無人のかごを判別し無人のかごがあるときはその無人のかごを除く全てのかごが戸開可能な最寄り階を着床検出手段及び戸開禁止検出手段の検出信号に基づいて判別しその階に着床制御を行う着床制御手段とを備えたものである。
【0015】
請求項1の発明に係わる多連デッキエレベータの着床制御装置においては、1つのかご枠内に独立して設けられた複数のかごのうちの1つのかごの床レベルを着床検出手段で検出し、連設するかごの戸開禁止階を戸開禁止検出手段で検出すると共に、各かご内の荷重を荷重検出手段で検出する。そして、着床制御手段は、エレベータ故障発生時には、荷重検出手段の検出信号に基づいて無人のかごを判別し、無人のかごがあるときはその無人のかごを除く全てのかごが戸開可能な最寄り階を着床検出手段及び戸開禁止検出手段の検出信号に基づいて判別し、その階に着床制御を行う。
【0016】
請求項2の発明に係わる多連デッキエレベータの着床制御装置は、請求項1または請求項1の発明において、着床検出手段は、昇降路側に設けられ着床レベルを指示する着床検出板と、連設された複数のかごのいずれかに取り付けられ着床検出板に接触したときに着床検出信号を出力する着床検出スイッチとを備えたものである。
【0017】
請求項2の発明に係わる多連デッキエレベータの着床制御装置では、請求項1または請求項1の発明の作用に加え、連設された複数のかごのいずれかに取り付けられた着床検出スイッチは、昇降路側に設けられた着床検出板に接触したときに着床検出信号を出力する。
【0018】
請求項3の発明に係わる多連デッキエレベータの着床制御装置は、請求項1または請求項2の発明において、戸開禁止検出手段は、昇降路側に設けられ戸開禁止の階およびかごを指示する戸開禁止検出板と、連設された複数のかごのいずれかに取り付けられ戸開禁止検出板に接触したときに戸開禁止検出信号を出力する戸開禁止検出スイッチとを備えたものである。
【0019】
請求項3の発明に係わる多連デッキエレベータの着床制御装置では、請求項1または請求項2の発明の作用に加え、連設された複数のかごのいずれかに取り付けられた戸開禁止検出スイッチは、昇降路側に設けられた戸開禁止検出板に接触したときに戸開禁止検出信号を出力する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の基本構成に係わる多連デッキエレベータの着床制御装置の構成図である。上かご室1Aと下かご室1Bとは1つのかご枠内に独立して多連に設けられている。そして、上かご室1Aの上部にはロープ5が設けられ巻上機4を介して吊り合いおもり6に連結されている。制御装置30は巻上機4に指令を出力してダブルデッキエレベータの制御を行うものであり、着床制御手段31を有している。
【0021】
また、上かご1A側には床レベルを検出する着床検出手段7が設けられている。この着床検出手段7は、上かご1Aに設けられた着床検出スイッチ1A2と昇降路側に設けられた着床検出板21とから構成されている。着床検出スイッチ1A2は上かご室1Aが昇降して着床検出板に接触したときに着床検出信号を出力する。つまり、着床検出板21の取付位置により指示される着床レベルを検出する。着床検出スイッチ1A2で検出された着床検出信号は制御装置30の着床制御手段31に入力される。
【0022】
一方、下かご室1B側には上かご室1Aの戸開禁止階を検出する上かご戸開禁止検出手段8Aおよび下かご室1Bの戸開禁止階を検出する下かご戸開禁止検出手段8Bとが設けられている。
【0023】
上かご戸開禁止検出手段8Aは、下かご室1Bに設けられた上かご戸開禁止検出スイッチ1B2と昇降路側に設けられた戸開禁止検出板22Aとから構成され、同様に、下かご戸開禁止検出手段8Bは、下かご室1Bに設けられた下かご戸開禁止検出スイッチ1B3と昇降路側に設けられた戸開禁止検出板22Bとから構成されている。
【0024】
上かご戸開禁止検出スイッチ1B2は上かご戸開禁止検出板22Aに接触したときに戸開禁止検出信号を出力し、同様に下かご戸開禁止検出スイッチ1B3は下かご戸開禁止検出板22Bに接触したときに戸開禁止検出信号を出力するようになっている。この戸開禁止検出信号は制御装置30の着床制御手段31に入力される。
【0025】
そして、着床制御手段31は、エレベータ故障発生時に着床検出手段7及び戸開禁止検出手段8の検出信号に基づいて最寄りの全かご戸開可能階を判別し、その階に着床制御を行う。
【0026】
図2は、上かご室1Aが戸開禁止の場合の戸開禁止検出手段8Aおよび着床検出手段7の取り付け状態を示す斜視図である。かご枠1には上かご室1Aと下かご室1Bとが連結されており、下かご室1Bの下かごドア1B1の前面には下かご側フロアDFがあるので戸開は可能であるが、上かご室1Aの上かごドア1A1には上かご側フロアUFがないので戸開は禁止である場合を示している。
【0027】
上かご室1Aには、着床検出手段7の着床検出スイッチ1A2が設けられ、また、下かご室1Bには上かご戸開禁止検出手段8Aの上かご戸開禁止検出スイッチ1B2、および下かご戸開禁止検出手段8Bの下かご戸開禁止検出スイッチ1B3が設けられている。
【0028】
また、昇降路側には着床検出スイッチ1A2に対応して着床検出板21が設けられ、また、上かご戸開禁止検出スイッチ1B2に対応して上かご戸開禁止検出板22Aが設けられている。これら検出板(着床検出板21や上かご戸開禁止検出板22A)は、検出スイッチ(着床検出スイッチ1A2や上かご戸開禁止検出スイッチ1B2)と機械的な接触による結合により、着床レベルになったことや戸開禁止であることを検出する。
【0029】
図3は、下かご室1Bが戸開禁止の場合の戸開禁止検出手段8Bおよび着床検出手段7の取り付け状態を示す斜視図である。かご枠1には上かご室1Aと下かご室1Bとが連結されており、上かご室1Aの上かごドア1A1の前面には上かご側フロアUFがあるので戸開は可能であるが、下かご室1Bの下かごドア1B1には下かご側フロアDFがないので戸開は禁止である場合を示している。
【0030】
上かご室1Aには、着床検出手段7の着床検出スイッチ1A2が設けられ、また、下かご室1Bには上かご戸開禁止検出手段8Aの上かご戸開禁止検出スイッチ1B2、および下かご戸開禁止検出手段8Bの下かご戸開禁止検出スイッチ1B3が設けられている。
【0031】
また、昇降路側には着床検出スイッチ1A2に対応して着床検出板21が設けられ、また、下かご戸開禁止検出スイッチ1B3に対応して下かご戸開禁止検出板22Bが設けられている。これら検出板(着床検出板21や下かご戸開禁止検出板22B)は、検出スイッチ(着床検出スイッチ1A2や下かご戸開禁止検出スイッチ1B3)と機械的な接触による結合により、着床レベルになったことや戸開禁止であることを検出する。
【0032】
通常、各階の階高はほぼ同等な大きさとなっているので、上述のように、上下かご室の一方にしか着床検出スイッチ1A2は設けていない。階高が異なる場合あるいは急行ゾーンなどがある場合は、上かご戸開禁止検出スイッチ1B2および下かご戸開禁止検出スイッチ1B3により戸開制御を行うことになる。
【0033】
ここで、ダブルデッキエレベータの走行中あるいは停止中に何らかの故障が発生した場合には、上下かご室が共に戸開可能な階に着床するように着床制御手段31は制御することになる。
【0034】
図4は、着床制御手段31の演算内容を示すフローチャートである。いま、エレベータ故障が発生したとすると、着床制御手段31は制御装置30内に上下かごに対して戸開可能階への停止指令が出力されたか否かを判定し(S1)、停止指令があるときはエレベータを予め指定されている方向に走行を開始させる。そして、着床検出スイッチ1A2の検出があるか否かを判定し(S2)、着床検出スイッチ1A2からの着床検出信号があるときは、上かご戸開禁止検出スイッチ1B2または下かご戸開禁止検出スイッチ1B3の戸開禁止検出信号が有るか否かを判定する(S3)。
【0035】
上かご戸開禁止検出スイッチ1B2および下かご戸開禁止検出スイッチ1B3の戸開禁止検出信号がないときは、エレベータを着床検出信号が入力された階床に停止させる(S4)。そして、上下かごの戸開を行い(S5)、乗客の救出を行う。
【0036】
一方、ステップS1の判定でエレベータの故障がないときは通常のエレベータ走行を行う(S6)。また、ステップS2の判定で着床検出スイッチ1A2からの着床検出信号の検出がないときも通常のエレベータ走行を行う。
【0037】
ステップS3において、着床検出信号を検出した後に、上かご戸開禁止スイッチ1B2からの上かご戸開禁止検出信号を検出した場合は、図5(a)に示すようにさらに下方へエレベータを走行させ、また、下かご戸開禁止スイッチ1B3からの下かご戸開禁止検出信号を検出した場合は、図5(b)に示すようにさらに上方へエレベータを走行させる運転を行う。これにより、着床可能階への到着が円滑に行え速やかな乗客救出を行うことが可能になる。なお、エレベータ走行中に緊急停止が要求される場合は、いつでも停止が可能なようになっている。
【0038】
以上述べたように、本発明の基本構成では、エレベータ故障発生時に複数のかごを同時に着床可能階床に停止させることができるので、乗客を速やかに救出でき、乗客の精神的苦痛を最小限にとどめることができる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。図6は本発明の実施の形態に係わるダブルデッキエレベータの着床制御装置の構成図である。本発明の実施の形態は、図1に示した本発明の基本構成に対し、各かご内の荷重を検出する上かご荷重検出手段60および下かご荷重検出手段61を追加して設けたものであり、着床制御手段31は、エレベータ故障発生時にはこれら荷重検出手段60、61の検出信号に基づいて無人のかごを判別し、無人のかごがあるときはその無人のかごを除く全てのかごが戸開可能な最寄り階を着床検出手段及び戸開禁止検出手段の検出信号に基づいて判別し、その階に着床制御を行うようにしたものである。
【0039】
図6において、上かご室1Aと下かご室1Bとは1つのかご枠内に独立して多連に設けられており、上かご室1Aの上部にはロープ5が取り付けられている。ロープ5の他方端には吊り合いおもり6が取り付けられており、巻上機4にてダブルデッキエレベータの昇降がなされる。制御装置30は巻上機4に指令を出力してダブルデッキエレベータの昇降制御を行うものであり、着床制御手段31を有している。
【0040】
上かご1A側には床レベルを検出する着床検出手段7が設けられており、この着床検出手段7は、上かご1Aに設けられた着床検出スイッチ1A2と昇降路側に設けられた着床検出板21とから構成されている。着床検出スイッチ1A2は上かご室1Aが昇降して着床検出板に接触したときに着床検出信号を出力するようになっており、着床検出板21の取付位置により指示される着床レベルを検出する。着床検出スイッチ1A2で検出された着床検出信号は制御装置30の着床制御手段31に入力される。
【0041】
また、他方の下かご室1B側には、上かご室1Aの戸開禁止階を検出する上かご戸開禁止検出手段8Aおよび下かご室1Bの戸開禁止階を検出する下かご戸開禁止検出手段8Bとが設けられている。上かご戸開禁止検出手段8Aは、下かご室1Bに設けられた上かご戸開禁止検出スイッチ1B2と昇降路側に設けられた戸開禁止検出板22Aとから構成され、同様に、下かご戸開禁止検出手段8Bは、下かご室1Bに設けられた下かご戸開禁止検出スイッチ1B3と昇降路側に設けられた戸開禁止検出板22Bとから構成されている。
【0042】
上かご戸開禁止検出スイッチ1B2は上かご戸開禁止検出板22Aに接触したときに戸開禁止検出信号を出力し、同様に下かご戸開禁止検出スイッチ1B3は下かご戸開禁止検出板22Bに接触したときに戸開禁止検出信号を出力するようになっている。この戸開禁止検出信号は制御装置30の着床制御手段31に入力される。
【0043】
また、上かご室1Aの下部には上かご室1Aの荷重を検出するための上かご荷重検出手段60が設けられており、同様に、下かご室1Bの下部にはしたかご室1Bの荷重を検出するための下かご荷重検出手段61が設けられている。これら上かご荷重検出手段60および下かご荷重検出手段61で検出された上かご荷重および下かご荷重は着床制御手段31に入力される。
【0044】
そして、着床制御手段31は、エレベータ故障発生時に着床検出手段7及び戸開禁止検出手段8の検出信号に基づいて最寄りの全かご戸開可能階を判別し、その階に着床制御を行う。その際に、上かご荷重検出手段60および下かご荷重検出手段61からの荷重検出信号に基づいて、かごが無人である階か否かを判定し、無人であるかごに対しては戸開禁止階に停止するのを許可する。
【0045】
すなわち、上かご荷重検出手段60からの上かご荷重検出信号により、無人のかごが判別されたときには、図7(a)に示すように、上かごが戸開禁止階に停止する状態であっても停止を許可する。同様に、下かご荷重検出手段61からの下かご荷重検出信号により、無人のかごが判別されたときには、図7(b)に示すように、下かごが戸開禁止階に停止する状態であっても停止を許可する。
【0046】
このように、無人のかごが判別されたときには、そのかごの戸開禁止階でもそのかごが停止することを許可し、他方のかごが戸開可能階に速やかに停止できるようにしている。これにより効率的な救出運転が可能になっている。なお、エレベータ走行中に緊急停止が要求される場合は、いつでも停止が可能となっていることは言うまでもない。
【0047】
本発明の実施の形態では、かご荷重検出手段60、61により無人であるかごが判別されたときには、無人であるかごを戸開禁止階に停止させることを許可するので、他方の無人でないかごをその戸開可能階に速やかに着床制御できる。従って、より効率的な救出運転が可能となる。
【0048】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、多連となった複数のかごに対して一つの着床検出スイッチを設け、他のかごには戸開禁止検出スイッチを設け、より少ない着床検出スイッチによりエレベータ故障発生時に乗客を速やかに救出できる。また、無人であるかごが判別されたときには、無人であるかごを戸開禁止階に停止させることを許可するので、他方の無人でないかごをその戸開可能階に速やかに着床制御できる。
【0049】
これにより、エレベータ故障発生時に乗客を速やかに救出でき、乗客の精神的苦痛を最小限にとどめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の基本構成に係わるダブルデッキエレベータの着床制御装置の構成図である。
【図2】 図2は、本発明の基本構成に係わるダブルデッキエレベータの上かご室が戸開禁止の場合の戸開禁止検出手段および着床検出手段の取り付け状態を示す斜視図である。
【図3】 図3は、本発明の基本構成に係わるダブルデッキエレベータの下かご室が戸開禁止の場合の戸開禁止検出手段および着床検出手段の取り付け状態を示す斜視図である。
【図4】 図4は、本発明の基本構成に係わるダブルデッキエレベータの着床制御装置における着床制御手段の演算内容を示すフローチャートである。
【図5】 図5は、本発明の基本構成に係わる着床制御の一例を示す説明図である。
【図6】 図6は、本発明の実施の形態に係わるダブルデッキエレベータの着床制御装置の構成図である。
【図7】 図7は、本発明の実施の形態に係わる着床制御の一例を示す説明図である。
【図8】 図8は、従来のダブルデッキエレベータの戸開禁止検出手段および着床検出手段の取り付け状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…かご枠、1A…上かご室、1B…下かご室、1A1…上かごドア、1B1…下かごドア、1A2…着床検出スイッチ、1B2…上かご戸開禁止検出スイッチ、1B3 下かご戸開禁止検出スイッチ、4 巻上機、5 ロープ、6 吊り合いおもり、7…着床検出手段、8…戸開禁止検出手段、21…着床検出板、22A…上かご戸開禁止検出板、22B…下かご戸開禁止検出板、30…制御装置、31…着床制御手段、UF…上かご側フロア、DF…下かご側フロア、60…上かご荷重検出手段、61…下かご荷重検出手段
Claims (3)
- 1つのかご枠内に各階ホールに対応する複数の独立したかご室を連設してなる多連デッキエレベータの着床制御装置において、複数のかごのうちの1つのかごの床レベルを検出する着床検出手段と、連設するかごの戸開禁止階を検出する戸開禁止検出手段と、各かご内の荷重を検出する荷重検出手段と、エレベータ故障発生時には前記荷重検出手段の検出信号に基づいて無人のかごを判別し無人のかごがあるときはその無人のかごを除く全てのかごが戸開可能な最寄り階を前記着床検出手段及び前記戸開禁止検出手段の検出信号に基づいて判別しその階に着床制御を行う着床制御手段とを備えたことを特徴とする多連デッキエレベータの着床制御装置。
- 前記着床検出手段は、昇降路側に設けられ着床レベルを指示する着床検出板と、連設された複数のかごのいずれかに取り付けられ前記着床検出板に接触したときに着床検出信号を出力する着床検出スイッチとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の多連デッキエレベータの着床制御装置。
- 前記戸開禁止検出手段は、昇降路側に設けられ戸開禁止の階およびかごを指示する戸開禁止検出板と、連設された複数のかごのいずれかに取り付けられ前記戸開禁止検出板に接触したときに戸開禁止検出信号を出力する戸開禁止検出スイッチとを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多連デッキエレベータの着床制御装置。
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